JPH09224388A - モータ駆動制御装置 - Google Patents

モータ駆動制御装置

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Publication number
JPH09224388A
JPH09224388A JP2805596A JP2805596A JPH09224388A JP H09224388 A JPH09224388 A JP H09224388A JP 2805596 A JP2805596 A JP 2805596A JP 2805596 A JP2805596 A JP 2805596A JP H09224388 A JPH09224388 A JP H09224388A
Authority
JP
Japan
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motor
door glass
pulse signal
acceleration
door
Prior art date
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Pending
Application number
JP2805596A
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English (en)
Inventor
Katsuhide Kumagai
勝秀 熊谷
Kanichi Tanaka
寛一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2805596A priority Critical patent/JPH09224388A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被昇降体に慣性力が発生してもモータ負荷と
しきい値とを精度よく比較する。 【解決手段】 ドアガラス等に発生しかつ車両の進行方
向と交差するドアガラスの昇降方向の加速度を取込み
(76)、検出した加速度に基づいて、該加速度の発生
に伴って生ずるモータ負荷を加算した判定値Xを演算す
る(78)。パルス信号の周期の変化量ΔSが判定値X
以上の場合(80;Y)、ドアガラスを下降させ(8
2)、下降量がD以上となった場合(84;Y)、ドア
ガラスの下降を停止する(86)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ駆動制御装
置に係り、より詳しくは、移動体に設けられかつモータ
負荷としきい値とを比較してモータの駆動を停止又は一
定量反転させて停止するモータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、モータ駆動制御装置は、例え
ば、車両のドアに設けられたパワーウィンドウ制御装置
に適用されている。このようにモータ駆動制御装置がパ
ワーウィンドウ制御装置に適用された場合には、ドアガ
ラスをガイドに沿って昇降させるために、モータが用い
られている。また、このパワーウィンドウ制御装置で
は、ドアガラスと窓枠との間の異物の挟む込みを検知す
る等のためにモータの回転に同期してパルス信号を発生
するパルスエンコーダが設けられている。
【0003】そして、パルスエンコーダから発生したパ
ルス信号の周期の変化量を求めると共に求めた変化量が
しきい値より大きいか否かを判断することにより、ドア
ガラスと窓枠との間に異物の挟み込みが発生したか否か
を判断する。また、異物の挟み込みが発生したと判定し
た場合には、モータの駆動を一定量反転(ドアガラスを
下降)させて停止する。なお、パルスエンコーダから発
生したパルス信号からモータの回転速度を求め、又は、
パルス信号に代えモータ電流の変化量を求め、上記と同
様に異物の挟み込みが発生したか否かを判断するように
してもよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両が悪路
を走行する場合、路面の凹凸により車両が上下動する。
これにより、該ドアガラスに車両の上下動方向と逆方向
に慣性力が働く。この状態で上記モータを駆動させてド
アガラスを上昇させた場合、モータのドアガラスを上昇
させる際のトルク(モータ負荷)は、路面の凹凸状態に
従って変化し、パルス信号の周期、モータの回転速度、
及びモータ電流も同様に、路面の凹凸状態に従って変化
する。
【0005】従って、上記のように異物挟み込みが発生
しているか否かを判断すると、パルス信号の周期等が路
面の凹凸状態に従って変化するので、このパルス信号の
周期等の変化が異物の挟み込みによるものと誤判定する
場合がある。即ち、パルス信号の周期の変化量等としき
い値とを精度よく比較することができない。
【0006】また、モータ負荷は、車両が悪路を走行す
る場合の他、ドアの開閉によっても変化する。即ち、ド
アの開閉によって、ドアガラスにドアの開閉方向と逆方
向に慣性力が働く。この慣性力によりドアガラスとガイ
ドとの間に摩擦力が発生し、この状態で上記モータを駆
動させてドアガラスを上昇させた場合、摩擦力によりモ
ータ負荷が変化する。よって、上記と同様に、ドアガラ
スとガイドとの間に発生した摩擦力によるモータ負荷の
変化によりパルス信号の周期等が変化し、これを異物の
挟み込みによるものと誤判定する場合がある。即ち、パ
ルス信号の周期の変化量等としきい値とを精度よく比較
することができない。
【0007】本発明は、上記事実に鑑み成されたもの
で、被昇降体に慣性力が発生してもモータ負荷としきい
値とを精度よく比較することの可能なモータ駆動制御装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため請求
項1記載の発明は、移動体に設けられかつ被昇降体を昇
降する際のモータ負荷としきい値とを比較してモータの
駆動を停止又は一定量反転させて停止するモータ駆動制
御装置において、前記被昇降体に発生しかつ前記移動体
の移動方向と交差する方向の加速度を検出する検出手段
と、前記検出手段により検出された加速度に基づいて、
該加速度の発生に伴って生ずるモータ負荷で前記モータ
負荷及び前記しきい値の少なくとも一方を補正する補正
手段と、を備えている。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記移動体の移動方向と交差する方向は、
前記被昇降体の昇降方向であることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記被昇降体は前記移動体のドアに取り付
けられ、かつ、前記移動体の移動方向と交差する方向
は、該ドアの開閉方向であることを特徴とする。
【0011】ここで、請求項1記載の発明に係るモータ
駆動制御装置が設けられている移動体には、例えば、車
両、船舶等がある。そして、モータ駆動制御装置は被昇
降体を昇降する際のモータ負荷としきい値とを比較して
モータの駆動を停止又は一定量反転させて停止する。な
お、被昇降体には、例えば、車両のドアガラス等があ
る。
【0012】検出手段は、被昇降体に発生しかつ移動体
の移動方向と交差する方向の加速度を検出する。
【0013】ここで、移動体の移動方向と交差する方向
は、請求項2記載の発明のように、被昇降体の昇降方向
としてもよい。また、被昇降体が移動体のドアに取り付
けられた場合には、請求項3記載の発明のように、移動
体の移動方向と交差する方向は、該ドアの開閉方向とし
てもよい。
【0014】このように、移動体の移動方向と交差する
方向を被昇降体の昇降方向とした場合には、例えば、移
動体が被昇降体の昇降方向に移動することにより被昇降
体に働く慣性力を決定する第1の加速度が検出される。
【0015】一方、移動体の移動方向と交差する方向を
ドアの開閉方向とした場合には、例えば、ドアが開閉さ
れることにより被昇降体に働く慣性力を決定する第2の
加速度が検出される。
【0016】そして、補正手段は、検出手段により検出
された加速度に基づいて、該加速度の発生に伴って生ず
るモータ負荷でモータ負荷及びしきい値の少なくとも一
方を補正する。
【0017】ここで、移動体の移動方向と交差する方向
を被昇降体の昇降方向とし、前述した第1の加速度が検
出された場合には、該第1の加速度と被昇降体の質量と
により定まる慣性力に基づいて上記加速度の発生に伴っ
て生ずるモータ負荷を決定し、決定したモータ負荷によ
りモータ負荷及びしきい値の少なくとも一方を補正す
る。
【0018】一方、移動体の移動方向と交差する方向を
ドアの開閉方向とし、前述した第2の加速度が検出され
た場合には、該第2の加速度、被昇降体の質量、及び被
昇降体の摩擦係数により定まる摩擦力に基づいて上記加
速度の発生に伴って生ずるモータ負荷を決定し、決定さ
れたモータ負荷によりモータ負荷及びしきい値の少なく
とも一方を補正する。
【0019】このように、被昇降体に発生しかつ移動体
の移動方向と交差する方向の加速度に基づいて、該加速
度の発生に伴って生ずるモータ負荷でモータ負荷及びし
きい値の少なくとも一方を補正することから、モータ負
荷及びしきい値の一方を他方と又はモータ負荷及びしき
い値を相互に精度よく比較することのできる値とするこ
とができ、よって、被昇降体に慣性力が発生してもモー
タ負荷としきい値とを精度よく比較することができる。
【0020】ここで、モータ駆動制御装置では、モータ
負荷を、モータの回転に同期して発生したパルス信号の
立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方により定ま
る時間の変化量、モータの回転速度の変化量、及びモー
タに供給する電流の変化量の何れかにより推定するよう
にしてもよい。なお、モータの回転に同期して発生した
パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一
方により定まる時間は、パルス信号の立ち上がり及び立
ち下がり間、立ち上がり間、及び立ち下がり間の何れか
の時間である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。本形態のモータ駆動制御装
置は、図1に示すように、モータ22を備えている。モ
ータ22には、ウィンドウレギュレータ部16が連結さ
れている。ウィンドウレギュレータ部16は、本形態で
は所謂ワイヤ式とされており、モータ22の駆動軸に取
付けられた回転板22Aにワイヤが巻き掛けられてい
る。このワイヤの端部はドアガラス20の下端部を支持
する保持チャンネル24に連結されており、さらに、保
持チャンネル24はメインガイド26へ上下移動可能に
取り付けられている。これにより、モータ22が正逆方
向に回転すると、この回転駆動力がワイヤを介して伝達
されて、ドアガラス20がガラスガイド18に沿って上
下移動する。なお、ウィンドウレギュレータ部16の構
成は、このようなワイヤ式に限らず、Xアーム式や、モ
ータ自体がラックに沿って移動する所謂モータ自走式を
用いるようにしてもよい。
【0022】モータ22によってドアガラス20が上昇
されると、ドアガラス20の周端部がドア12のフレー
ム12A内のゴム製のウェザーストリップ(図示省略)
に嵌合してドアフレーム12Aの開口が閉じられる。ま
た、モータ22の回転駆動によって、ドアガラス20が
下降移動されるとドア12のフレーム12Aの開口が開
かれる。
【0023】一方、モータ22は、オート/マニュアル
スイッチ34によって操作される。オート/マニュアル
スイッチ34は、例えば、両方向へそれぞれ2段操作可
能なものが適用でき、1段操作のときは操作中にのみド
ア12のモータ22が駆動し(マニュアル操作)、2段
操作することによってスイッチから手を離してもドアガ
ラス20が所定の位置に達するまでモータ22が駆動さ
れる(オート操作)。また、モータ22は、回転板22
Aを正逆方向の何れかに回転し、ドアガラス20を上昇
または降下させることができる。
【0024】図2に示すように、モータ駆動制御装置1
0は、前記モータ22の駆動をオート/マニュアルスイ
ッチ34の操作によって制御するためのパワーウィンド
ウ制御部50を備えている。なお、パワーウィンドウ制
御部50は、1チップのマイクロコンピュータで構成さ
れ、マイクロコンピュータは、図示しないCPU、RO
M、RAM、入出力ポート、アナログディジタル(A/
D)変換器、及びE2PROMを含んで構成され、これ
らはバスにより相互に接続されている。なお、E2 PR
OMには、後述する移動平均値が記憶される。
【0025】モータ駆動制御装置10は、バッテリ60
のプラス端子と接続されている。なお、バッテリ60の
マイナス端子はアースされている。
【0026】パワーウィンドウ制御部50は、オート/
マニュアルスイッチ34の各スイッチからの信号線52
が接続されている。
【0027】パワーウィンドウ制御部50には、ドアガ
ラス開閉用の第1及び第2のリレーコイル110、11
2のそれぞれの両端が接続されており、前記オート/マ
ニュアルスイッチ34の操作に従って、パワーウィンド
ウ制御部50は、何れかのリレーコイル110、112
を励磁する。
【0028】第1のリレーコイル110に対応する位置
には第1のリレースイッチ108が配置されている。第
1のリレースイッチ108のコモン端子108Aは、前
記モータ22の一端に接続されている。また、第1接点
108Bはバッテリ60のプラス側端子に接続され、第
2接点108Cはアースされている。なお、第1のリレ
ーコイル110が非励磁の場合は第1のリレースイッチ
108は第2接点108Cに切り換わっている。
【0029】一方、第2のリレーコイル112に対応す
る位置には第2のリレースイッチ109が配置されてい
る。第2のリレースイッチ109のコモン端子109A
は、前記モータ22の他端に接続されている。また、第
1接点109Bはバッテリ60のプラス側端子に接続さ
れ、第2接点109Cはアースされている。なお、第2
のリレーコイル112が非励磁の場合は第2のリレース
イッチ109は第2接点109Cに切り換わっている。
【0030】ここで、第1のリレーコイル110が励磁
されると、第1のリレースイッチ108は第1接点10
8Bに切り換わり、モータ22の一端から他端へ電流が
流れ、モータ22が正転しドアガラスは閉方向へ移動す
る。また、第2のリレーコイル112励磁されると、第
2のリレースイッチ109は第1接点109Bに切り換
わり、モータ22の他端から一端へ電流が流れ、モータ
22が逆転しドアガラスは開方向へ移動する。
【0031】また、モータ22には、パルスエンコーダ
62が取付けられており、その信号線64はパワーウィ
ンドウ制御部50に接続されている。このため、パワー
ウィンドウ制御部50では、モータ22の回転数をパル
スエンコーダ62から供給されるパルス信号に基づいて
得ることができる。また、このパルスエンコーダ62か
らの信号をカウントすることによって、ある程度のドア
ガラス20の位置を確認できる。
【0032】更に、パワーウィンドウ制御部50には、
ドア内の剛性の高い箇所に配置されかつドアガラス20
及び保持チャンネル24(以下、ドアガラス20等とい
う)に発生するドアガラス20の昇降方向(下降方向を
正とする)の第1の加速度G 1 を検出する加速度センサ
30が接続されている。
【0033】次に、異物挟み込み検出処理ルーチンを示
したフローチャート(図3参照)に沿って本形態の作用
を説明する。なお、本ルーチンは、オート/マニュアル
スイッチ34がオンされた場合、所定時間毎にメインル
ーチンに割り込んで実行される。ここで、メインルーチ
ンは、オート/マニュアルスイッチ34がオンされた場
合にスタートし、オート/マニュアルスイッチ34の操
作に応じて第1のリレーコイル110及び第2のリレー
コイル112の何れかを励磁することにより、ドアガラ
ス20を上昇(閉止)又は下降(開放)させ、上昇ロッ
ク停止又は下降ロック停止した場合に、第1のリレーコ
イル110又は第2のリレーコイル112の励磁を停止
する。
【0034】異物挟み込み検出処理ルーチンのステップ
70では、オート/マニュアルスイッチ34により、ド
アガラス20を上昇する指示があったか否か判断し、肯
定判定されると、ステップ72で、パルス信号の立ち上
がりを連続して2回検出すると共にパルス信号の立ち上
がり間の時間(パルス信号の周期)Sn を求め、ステッ
プ74では、異物挟み込みが発生していない通常のドア
ガラス20等を上昇させる際のパルス信号の周期の移動
平均値S0 (詳細は後述する)に対するステップ72で
求めたパルス信号の周期Sn の変化量ΔS(=Sn −S
0 )を演算する。
【0035】ステップ76では、加速度センサ30か
ら、ドアガラスに20等に発生した第1の加速度G1
取込む。
【0036】ステップ78で、判定値(しきい値)Xを
(1)式に従って演算する。
【0037】
【数1】 X=K・(T+l・m・G1 )・S0 ・Sn αS0 +β・・・(1) ここで、(1)式を説明する。
【0038】本形態では、異物挟み込みのない通常のド
アガラスの上昇中に更にT(例えば、10)〔N〕の荷
重(トルク)がモータ22にかかった場合に異物挟み込
みと判定する。また、このときのモータ22の回転速度
をnT 、パルス信号の周期をST とする。なお、T
〔N〕の荷重がモータ22にかかった場合、モータ電圧
Vは変化せず、モータ電流が変化する。即ち、モータ電
流がI0 からIT に変化したとする。この場合、モータ
22の回転速度の変化量Δn(=n0 −nT )は、
(2)式から得られる。
【0039】
【数2】 但し、KG はモータ22の構造から決まる定数であり、
p・z/aで表される。なお、aは、電機子回路の並列
数/2、pは、電機子回路の磁極数/2、及びZは、全
導体数である。また、φは1磁極あたりの磁束(Wb)
である。
【0040】ところで、モータ電流IとトルクTとは
(3)式の関係がある。
【0041】
【数3】 但し、KM はモータ22の構造から決まる定数(p・z
/(2π・a))である。(3)式から(2)式は、
(4)式に変形できる。
【0042】
【数4】 一方、モータ22が1回転するのにパルス信号がp回出
力されるとすると、(2)式は、(5)式に変形でき
る。
【0043】
【数5】 (2)式、(4)式、及び(5)式から理解されるよう
に、通常のドアガラスの上昇時にT〔N〕の荷重(トル
ク)がモータ22にかかった場合、パルス信号の周期の
変化量ΔST (=ST −S0 )は、(6)式から得られ
る。
【0044】
【数6】 p・Ra /(KG ・KM ・φ2 )をKとおくと、(6)
式は(7)式に変形できる。
【0045】
【数7】ΔST =K・T・SX ・S0 ・・・(7) よって、変化量ΔSが変化量ΔST 以上であれば、異物
の挟み込みと判定することもできる。即ち、変化量ΔS
T を判定値とすることもできる。
【0046】しかしながら、車両が悪路を走行する場
合、路面の凹凸により車両が上下動する。これにより、
ドアガラス20等に車両の上下動方向と逆方向(ドアガ
ラス20の昇降方向)に(8)式から得られる慣性力F
1 が働く。
【0047】
【数8】F1 =m・G1 ・・・(8) 但し、mはドアガラス20等の総質量である。
【0048】このように慣性力F1 が加わるので、モー
タ22には、l・m・G1 のトルクが加わることにな
る。なお、lは、モータ22の軸中心から慣性力F1
かかる点までの距離である。このようにモータ22にl
・m・G1 のトルクが更に加わると、これに伴い、パル
ス信号の周期が変化する。よって、異物挟み込みを精度
良く判定するためには、l・m・G1 のトルク成分を相
殺するため、上記トルクTに該トルク(l・m・G1
を加算する必要がある。
【0049】更に、異物挟み込みと判定されたときに、
励磁する対象を第1のリレーコイル110から第2のリ
レーコイル112に切り換えても直ちにドアガラス20
は下降せず、ドアガラス20が一定量上昇(オーバーラ
ン)した後下降する。よって、変化量ΔST に、このド
アガラスのオーバーランを補正する値を加味する必要が
ある。
【0050】そこで、本形態では、ドアガラスのオーバ
ーランを補正する値としてαS0 +βを用いて変化量Δ
T に加え、これを判定値Xとしている((1)式)。
【0051】次のステップ80で、変化量ΔSが判定値
X以上であるか否かを判断することにより、異物挟み込
みが発生したか否かを判断し、異物挟み込みが発生した
と判定された場合には、ステップ82で、ドアガラスを
下降させ、ステップ84で、ドアガラスの下降量がD
(なお、50〔mm〕≦D≦200〔mm〕 例えば、
D=50〔mm〕)以上か否かを判断し、ドアガラスの
下降量がD以上の場合にドアガラスの下降を停止して、
本ルーチンを終了する。
【0052】なお、ドアガラスの下降量がD以上と判定
されなかった場合には、ステップ88で、ドアガラスが
下降ロック停止したか否かを判断し、下降ロック停止し
たと判断された場合には、ステップ86に進んで、ドア
ガラスの下降を停止し、下降ロック停止していないと判
断された場合には、ステップ82に戻って、ドアガラス
の下降を継続する。
【0053】一方、変化量ΔSが判定値X以上でないと
判断された場合には、ステップ90で、現パルス信号の
周期Sn が、絶対値SZ より小さいか否かを判断する。
【0054】ここで、絶対値SZ を説明する。前述した
ように変化量ΔSを求めるのに、パルス信号の周期の移
動平均値S0を用いているので、例えば、上腕部等の軟
らかいものが挟み込まれた場合には、パルス信号の周期
が除々に増加するので、パルス信号の周期の移動平均値
が除々に増加し、これにより、上記変化量ΔSが小さく
なり、本来異物挟み込みが発生しているのに挟み込みが
発生していないと誤判定される場合がある。そこで、異
物挟み込みが発生していると判定できるパルス信号の周
期を絶対値SZ として用いている。
【0055】パルス信号の周期Sn が絶対値SZ 以上の
場合には、異物挟み込みが発生していると判定でき、こ
の場合には、ステップ82に進む。一方、パルス信号の
周期Sn が絶対値SZ が小さい場合には、異物挟み込み
が発生していないと判定でき、本ルーチンを終了する。
【0056】次に、移動平均値S0 を説明する。移動平
均値S0 は、異物挟み込みが発生していないと判定され
た場合に、挟み込み検出処理ルーチンとは別個の割り込
み処理ルーチン(図4参照)により求められる。
【0057】図4のステップ92で、パルス信号の周期
の平均処理を実行する。即ち、本ステップでは、例え
ば、16個(なお、16個に限定されない)のパルス信
号の移動平均値を求める。
【0058】なお、全閉時にはモータ22の回転速度が
低下するが、このときは、パルスエンコーダ62からの
パルス信号で全閉位置近傍であることを認識できるた
め、挟み込み検出処理とは別に、例えば増し締め処理等
を行う。
【0059】以上説明したように、本形態では、車両が
悪路を走行してドアガラス等に慣性力が生じても、ドア
ガラス等に発生する昇降方向の加速度に基づいて悪路走
行に伴い発生したモータ負荷((1)式のK・l・m・
1 ・S0 ・Sn )を求め、求めたモータ負荷をしきい
値に加算して該モータ負荷を相殺しているので、パルス
信号の周期としきい値とを精度よく比較することがで
き、異物挟み込みが発生しているか否かを精度よく判定
することができる。
【0060】また、前述した実施の形態では、悪路走行
に伴い発生したモータ負荷を相殺するために前述した変
化量ΔST に(1)式にあるようにK・l・m・G1
0・Sn を加算しているため、車両が凹凸状態が小さ
い路面を走行した場合第1の加速度G1 は略0となり、
初期状態に戻すことができる。
【0061】ここで、車両が急激に下がりドアガラス等
にドアガラス20の上昇方向に慣性力が働いた場合、ド
アガラスの上昇速度が速くなる。この状態で異物の挟み
込みが発生した場合には当該異物にかかる荷重が大きく
なる。しかしながら、前述した実施の形態では、第1の
加速度G1 はドアガラス20の下降方向を正としている
ので、ドアガラス20の上昇方向に慣性力が働いた場合
のモータ負荷(K・l・m・G1 ・S0 ・Sn )は負の
値となり、異物の挟み込みが発生していなくとも異物の
挟み込みが発生しているとしてモータの駆動を反転させ
るので、異物の挟み込みが発生する前にモータの駆動を
反転させることができる。よって、発生すれば大きな荷
重がかかる異物挟み込みを事前に防止することができ
る。
【0062】以上説明した実施の形態では、ドアガラス
等に発生する昇降方向の加速度に基づいて悪路走行に伴
い発生したモータ負荷を求め、求めたモータ負荷を判定
値に加算して該モータ負荷を相殺しているが、本発明は
これに限定されるものでなく、求めたモータ負荷をパル
ス信号の変化量から減算するようにしてもよく、求めた
モータ負荷によりパルス信号の周期の変化量及び判定値
を補正するようにしてもよい。
【0063】また、前述した実施の形態では、車両が悪
路を走行し路面の凹凸状態に従ってドアガラス等に該ド
アガラス20の昇降方向に慣性力が働いた場合を例にと
り説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、
ドアの開閉によって、ドアガラス20等にドアの開閉方
向と逆方向に慣性力が働く場合にも適用できる。
【0064】即ち、図2の加速度センサ30に代えドア
の開閉方向の第2の加速度G2 を検出する加速度センサ
を設ける。
【0065】この場合、ドアガラス20にドアの開閉方
向と逆方向には(9)式から得られる慣性力F2 が働
く。
【0066】
【数9】F2 =m・G2 ・・・(9) このように慣性力F2 がドアガラス20等に働くとドア
ガラス20等とガラスガイド18との間に(10)式か
ら得られる摩擦力F3 が発生する。
【0067】
【数10】F3 =μ・F2 ・・・(10) この状態でモータ22を駆動させてドアガラス20を上
昇させた場合、摩擦力F3 によりモータ負荷が変化す
る。そこで、摩擦力F3 によるモータ負荷を、変化量Δ
T に加算する。即ち、(1)式の判定値に代えて(1
1)式の判定値Xを用いる。
【0068】
【数11】 X=K・(T+l・μ・F2 )・S0 ・Sn +αS0 +β・・・(11) 更に、第1の加速度G1 を検出する加速度センサと第2
の加速度G2 を検出する加速度センサとを設け、車両が
悪路を走し路面の凹凸状態に従ってドアガラス等に該ド
アガラスの昇降方向に慣性力が働く場合及びドアの開閉
によってドアガラスにドアの開閉方向と逆方向に慣性力
が働く場合の双方に対処可能なようにしてもよい。この
場合、判定値は(12)式から得られる。
【0069】
【数12】 また、前述した実施の形態では、パルス信号の周期をパ
ルス信号の立ち上がりに基づいて求めるようにしている
が、本発明はこれに限定されるものでなく、パルス信号
の立ち下がりに基づいて求めるようにしてもよい。
【0070】更に、前述した実施の形態では、パルス信
号の1周期を求めるようにしているが、本発明はこれに
限定されるものでなく、パルス信号の半周期を求めるよ
うにしてもよい。即ち、パルス信号の立ち上がり及び立
ち下がり間の時間を求めるようにしてもよい。
【0071】また、前述した実施の形態では、パルス信
号の周期の変化量を求めるようにしているが、本発明は
これに限定されるものでなく、モータの回転速度を求め
るようにしてもよい。更に、パルス信号の周期に代えモ
ータ電流の変化量を求めるようにしてもよい。
【0072】以下、パルス信号の周期に代えモータ電流
の変化量を求める場合のモータ駆動制御装置を図5を参
照して説明する。なお、前述した実施の形態と同一の箇
所には同一の符号を付してその説明を省略する。図5に
示すように、前述した実施の形態のパルスエンコーダに
代え、モータ電流を検出する手段が設けられている。即
ち、リレースイッチ108、109のそれぞれの第2接
点108C、109Cは、共に微少抵抗値(約10m
Ω)のシャント抵抗120を介してアースされている。
【0073】シャント抵抗120の高電位側からは信号
線122が分岐されている。この信号線122は、抵抗
124、128を介してオペアンプ132の非反転入力
端子130Aに接続されている。なお、抵抗124と抵
抗128との間には、一端がアースされた電解コンデン
サ126の他端が接続され、フィルタを構成している。
オペアンプ132の反転入力端子130Bは抵抗134
を介してアースされている。また、オペアンプ130の
出力端子130Cはフィードバック抵抗136を介して
反転入力端子130Bに接続され、増幅回路を構成して
いる。
【0074】更に、オプアンプ132の出力端子130
Cはパワーウィンドウ制御部50のA/D変換器に接続
され、パワーウィンドウ制御部50はモータ電流値を検
出することができる。
【0075】この場合、異物挟み込み検出処理は、前述
した実施の形態と同様に行うが、パルス信号の周期の変
化量に代えモータ電流の変化量を検出する。この場合、
トルクとモータ電流とは比例関係にあることから、この
比例定数をCとすると、(1)式は(13)式に、(1
1)式は(14)式に、(12)式は(15)式にそれ
ぞれ変形できる。
【0076】
【数13】 X=C・(T+l・m・G1 )・S0 ・Sn +αS0 +β・・・(13)
【0077】
【数14】 X=C・(T+l・μ・F2 )・S0 ・Sn +αS0 +β・・・(14)
【0078】
【数15】 以上説明した実施の形態及び変形例は、車両のドアに設
けられたパワーウィンドウ制御装置を例にとり説明した
が、本発明はこれに限定されるものでなく、船舶等に設
けられかつウィンドウガラスをモータの駆動力で昇降さ
せる場合にも適用することができる。この場合、前述し
た第1の加速度G1 に代えて、船舶が波により上下動す
ることによりドアガラス20等にかかる慣性力を決定す
る加速度を検出するようにする。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、被昇降体
に慣性力が発生してもモータ負荷としきい値とを精度よ
く比較することができるので、モータの駆動を停止すべ
きときに停止することができると共にモータの駆動の誤
停止を防止することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】運転席側ドアの内部構造を示す斜視図である。
【図2】本形態の係るモータ駆動制御装置の回路図であ
る。
【図3】挟み込み検出制御ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図4】パルス信号の周期及びモータ電圧の平均値演算
処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】モータ駆動制御装置の変形例の回路図である。
【符号の説明】
10 モータ駆動制御装置 22 モータ 30 加速度センサ 50 パワーウィンドウ制御部 62 パルスエンコーダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に設けられかつ被昇降体を昇降す
    る際のモータ負荷としきい値とを比較してモータの駆動
    を停止又は一定量反転させて停止するモータ駆動制御装
    置において、 前記被昇降体に発生しかつ前記移動体の移動方向と交差
    する方向の加速度を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された加速度に基づいて、該加
    速度の発生に伴って生ずるモータ負荷で前記モータ負荷
    及び前記しきい値の少なくとも一方を補正する補正手段
    と、 を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記移動体の移動方向と交差する方向
    は、前記被昇降体の昇降方向であることを特徴とする請
    求項1記載のモータ駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記被昇降体は前記移動体のドアに取り
    付けられ、かつ、前記移動体の移動方向と交差する方向
    は、該ドアの開閉方向であることを特徴とする請求項1
    記載のモータ駆動制御装置。
JP2805596A 1996-02-15 1996-02-15 モータ駆動制御装置 Pending JPH09224388A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009573A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Omron Corp 開閉制御装置
JP2007016463A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Omron Corp 開閉制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009573A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Omron Corp 開閉制御装置
JP2007016463A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Omron Corp 開閉制御装置

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