JPH0921021A - オープンエンド精紡機における糸継ぎ方法及び装置 - Google Patents

オープンエンド精紡機における糸継ぎ方法及び装置

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JPH0921021A
JPH0921021A JP16743095A JP16743095A JPH0921021A JP H0921021 A JPH0921021 A JP H0921021A JP 16743095 A JP16743095 A JP 16743095A JP 16743095 A JP16743095 A JP 16743095A JP H0921021 A JPH0921021 A JP H0921021A
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JP
Japan
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yarn
machine
splicing
rotor
outer rotor
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JP16743095A
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English (en)
Inventor
Keiji Onoe
啓二 尾上
Masashi Kaneko
政司 金子
Toshio Morishita
寿男 森下
Noriaki Miyamoto
紀明 宮本
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の欠点を面倒な制御を行うことなく機械
的に超克しうると共に、定常運転時よりも高い撚り係数
で糸継ぎを行っても高い糸継ぎ成功率を期待できるオー
プンエンド精紡機における糸継ぎ方法及び装置の出現が
望まれていた。 【解決手段】 アウター,インナー両ロータ間の回転速
度差は、定常運転時にも糸継ぎ時にも差動歯車装置50
により付与される。糸切れ時、機台側から該差動歯車装
置への入力は遮断され、糸継ぎ機60が呼び出される。
糸継ぎ機は、代わりに差動歯車装置50に回転を入力
し、両ロータには糸継ぎ機側から制御可能な回転速度差
が付与される。アウターロータの回転数は回転センサ3
7により監視され、糸継ぎに適する回転数に達すると、
駆動モータ64aによる糸引出しローラ64の回転と駆
動モータ76による上記入力軸の回転とが開始される。
糸受け渡しは、糸引出しローラ64の速度が機台側の速
度に同調してから行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータ式オープン
エンド精紡機に関し、特に、アウターロータとその内部
に配置されるインナーロータとを有するダブルロータ式
オープンエンド精紡機における糸継ぎ方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にロータ式オープンエンド精紡機に
おいては、供給スライバがコーミングローラにより開繊
されて不純物が分離され、ばらばらに開繊された繊維が
高速回転するロータ内の負圧に基づいて繊維輸送チャン
ネル内に生ずる気流によってロータ内に輸送される。そ
して、ロータ内へ輸送された繊維はロータの最大内径部
である繊維集束部に集束され、ネーブルの中心に設けら
れたガイド孔から引出しローラの作用により加撚されつ
つ引き出され、ボビンにパッケージとして巻き取られる
ようになっている。
【0003】ところが、繊維集束部に集束された繊維束
は、ロータの回転に伴う遠心力の作用で繊維集束部の内
壁面に付着しているだけであるので、ガイド孔に沿って
自転しながら引き出される繊維束に加えられる撚が、繊
維集束部に付着した状態での繊維束にまで伝播して繊維
集束部内の繊維束が自転する。このため、撚りかけた時
に十分な張力が得られず、糸強力が上がらないという問
題があった。
【0004】そのため、近年、繊維集束部を有する外側
のロータ(アウターロータ)の内側に、繊維集束部に集
束された繊維束を引き出すための引出し孔を有すると共
にアウターロータに対して差動回転を行う内側のロータ
(インナーロータ)を設け、インナーロータ及びアウタ
ーロータの回転速度差により繊維集束部に集束された繊
維束をドラフトしながら紡出するダブルロータ式のオー
プンエンド精紡機が提案されている(特開昭51−64
034号公報、特開平5−44119号公報等参照)。
【0005】図11は、後者の特開平5−44119号
公報に示されたオープンエンド精紡機における1つの紡
糸ユニットを示すもので、開閉可能なケーシング1に形
成された繊維輸送チャンネル2に導入されたスライバ
は、アウターロータ3の繊維集束部に輸送されてから、
インナーロータ4の引出し孔を経て、糸として、糸引出
し通路5及びヤーンパイプ6を介して外部に引き出され
る。同心に配設されたアウターロータ3及びインナーロ
ータ4を駆動するために、アウターロータ3に結合され
た管状のアウターシャフト3aに、インナーロータ4に
結合されたインナーシャフト4aが軸受9を介して同心
に挿通されて外部まで延びており、アウターシャフト3
aの中間部及びインナーシャフト4aの延長部のそれぞ
れに駆動機構としてタンジェンシャルベルト7,8がそ
れぞれ接触状態で配設され、複数個のアウターロータ3
及びインナーロータ4を駆動するようになっている。
【0006】また、高生産性を得るために、上述した紡
糸ユニットのインナーロータ4は、その回転数が例えば
90,000rpmを超える高速で運転され、アウター
ロータ3も、インナーロータ4の回転速度に関して所定
の関係にある高速度で運転されることが望まれている。
前述した特開平5ー44119号公報記載のオープンエ
ンド精紡機の駆動方法によれば、繊維集束部の径をD、
アウターロータ3の回転数をR1、インナーロータ4の
回転数をR2とする時、加撚されつつ引き出される繊維
束を構成する繊維が比較的真っすぐに伸びた状態で糸に
撚り込まれて引張強度が大きく、しかも太さむらのない
糸を製造するためには、紡出速度Vが次式を満たすよう
にアウターロータ3及びインナーロータ4を駆動するこ
ととしている。即ち、機台の各紡糸ユニットに設けられ
た糸引出しローラはこの速度Vで駆動される。 πDR1+0.8V≦πDR2≦πDR1+V ・・・(1)
【0007】上記(1)式を書き直すと、インナーロー
タ4はアウターロータ3に関して次の関係式(2)に従
って駆動される必要があることが分かる。 R1+0.8V/πD≦R2≦R1+V/πD ・・・(2) 例えば、アウターロータの回転数R1=60,000,糸
番手Ne=40、撚り係数k=4.0、繊維集束部の径
D=36mmの場合、紡出速度Vは、
【数1】 であるから、定常運転時のインナーロータ回転数R
2(rpm)は、 60,000+426≦R2≦60,000+532 ・・・(4) となる。
【0008】一方、糸継ぎ機にも、糸を引き出すための
引出しローラが備えられており、糸継ぎ時に、アウター
ロータ3及びインナーロータ4の回転数の上昇に伴い、
この引出しローラも回転数が上昇して、インナーロータ
3から糸を引き出す。そして、糸の引き出しに成功する
と、糸継ぎ機側の引出しローラの駆動手段により管理さ
れるままの速度で精紡機本体側の糸引出しローラに、引
き出した糸を受け渡すようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようする課題】しかし、糸継ぎ工程にお
いては、良く知られているように、糸継ぎ成功率を高め
るために、ダブルロータ式精紡機でも、定常運転時より
も高い撚り係数での糸継ぎがしばしば行われる。従っ
て、前述と同様に、アウターロータの回転数R1=6
0,000、糸番手Ne=40、繊維集束部の径D=3
6mmとして、撚り係数k=5.2で糸継ぎを行った場
合、紡出速度Vは46.3m/minとなり、この時の
インナーロータ4の回転数R2の許容範囲は、上式
(2)より、 60,000+327≦R2≦60,000+409 ・・・(5) であるから、定常運転時と糸継ぎ時では、インナーロー
タ4の必要回転数の範囲が全く一致していないことにな
る。
【0010】上述のような事情により、従来のように、
糸継ぎ時に、糸継ぎ機の引出しローラによって引き出さ
れている糸引き出し速度のまま糸を機台側即ち精紡機本
体側の糸引出しローラに受け渡してしまうと、両引出し
ローラ間の速度差のため、瞬時に糸切れが発生し、糸継
ぎ成功率を高めるために行った撚り係数の変更が結果的
に功を奏しないことになることがしばしばあった。
【0011】一方、前記特開平5−44119号公報記
載のものでは、前述したように、アウターロータ3及び
インナーロータ4の駆動は、それ等のアウターシャフト
3a及びインナーシャフト4aの周面に摩擦接触する無
端のタンジェンシャルベルト7,8を別個の駆動機構に
より各別に駆動することにより行っている。しかし、タ
ンジェンシャルベルトを使用していると、機台を高速運
転すればする程、タンジェンシャルベルトの伸びによる
張力の変動が大きくなり、同変動に伴ってアウターシャ
フト及びインナーシャフトの回転数にも大きな変化が生
ずるので、ベルト張力を適切に且つ頻繁に調整しない限
り、アウターロータ及びインナーロータの回転数を上述
の関係式により表された関係に保持しておくことはでき
ない。
【0012】そのため、タンジェンシャルベルトを使用
するものでは、アウターロータ及びインナーロータの速
度を正確に同期させることが困難であり、そのため、糸
質にムラができる等の欠点がある。従って、本発明の目
的は、かかる欠点を面倒な制御を行うことなく機械的に
超克しうると共に、定常運転時よりも高い撚り係数で糸
継ぎを行っても高い糸継ぎ成功率を期待できるオープン
エンド精紡機における糸継ぎ方法及び装置を提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、複数の紡糸ユニットを備え、各紡
糸ユニットが、アウターロータと、該アウターロータ内
に配置されたインナーロータと、前記アウターロータに
関して通常紡出時の所定回転速度差を前記インナーロー
タに与えるように前記アウターロータ、前記インナーロ
ータ及び駆動系に接続された差動歯車装置と、前記イン
ナーロータから紡出された糸を引き出すための機台側糸
引出しローラと、第1の撚り係数で紡出された該糸を巻
き取るための巻取り手段とを有すると共に、糸継ぎ時に
は、前記第1の撚り係数よりも高い第2の撚り係数で紡
出するオープンエンド精紡機における糸継ぎのために、
糸切れが起きた紡糸ユニットの位置に糸継ぎ機を呼び出
して該位置に停止させると共に、前記駆動系から前記差
動歯車装置への回転の入力を遮断してから、該糸継ぎ機
により、当該紡糸ユニットの前記巻取り手段から糸端を
捕捉して前記インナーロータに送り込み、前記差動歯車
装置に該糸継ぎ機側から回転を入力して前記アウターロ
ータ及び前記インナーロータ間に糸継ぎ時の所定回転速
度差を付与し、前記アウターロータの回転速度を検出し
て該回転速度に基づいて糸継ぎ機側糸引出しローラの回
転速度を制御し、糸継ぎされた糸を前記糸継ぎ機側糸引
出しローラにより引き出し、前記機台側引出しローラに
受け渡し、前記糸の受け渡しは、前記糸継ぎ機側糸引出
しローラの糸引出し速度を前記機台側糸引出しローラの
糸引出し速度と実質的に同一とした後に行う。この場
合、糸継ぎされた糸の機台側糸引出しローラへの受け渡
しと同時に前記駆動系から差動歯車装置への回転遮断状
態を持続状態に切り換えることが好ましく、また、前記
受け渡しの後又は同時に、前記糸継ぎ機側糸引出しロー
ラの糸引出し速度を減速することが望ましい。
【0014】また、本発明の別の側面によると、上述の
目的を達成するため、複数のアウターロータの列と、対
応するアウターロータ内に配置された複数のインナーロ
ータの列と、前記アウターロータ及び前記インナーロー
タで紡糸された糸を引き出すための機台側糸引出しロー
ラと、該機台側糸引出しローラの駆動系と、前記アウタ
ーロータ及び前記インナーロータの一方を駆動するタン
ジェンシャルベルトと、各対応するアウターロータ及び
インナーロータを所定の回転速度差に保持するための差
動歯車装置とを備え、該差動歯車装置の各々には、対応
する前記アウターロータ及び前記インナーロータの一方
の回転を同差動歯車装置に入力するための第1入力手段
と、前記駆動系の回転を同差動歯車装置に入力するため
の第2入力手段と、前記第1,第2入力手段により入力
され前記差動歯車装置において合成された回転を前記ア
ウターロータ及び前記インナーロータの他方に出力する
出力手段とが接続されているオープンエンド精紡機にお
ける糸継ぎ装置は、糸継ぎ時に前記差動歯車装置への前
記第2入力手段からの入力を選択的に遮断するように設
けられた遮断手段と、糸継ぎ時に前記アウターロータ及
び前記インナーロータの列に沿って移動し、所望のアウ
ターロータ及びインナーロータの位置で停止する糸継ぎ
機とを備え、該糸継ぎ機には、所定速度で駆動される糸
継ぎ機側糸引出しローラと、前記第2入力手段に着脱自
在に接続可能な入力軸と、該入力軸を回転駆動するため
の入力軸用駆動モータと、前記アウターロータの回転速
度に応じて糸継ぎ機側糸引出しローラを駆動すべく前記
アウターロータの回転速度を検出するための検出手段と
が設けられている。オープンエンド精紡機は、前記駆動
系に接続された紡出速度の変更手段を有することが望ま
しい。
【0015】糸切れが発生すると、機台側糸引出しロー
ラの駆動系から差動歯車装置への回転の入力は遮断手段
(クラッチ)により遮断され、同時に、糸継ぎ機が呼び
出され、糸切れが起きた紡糸ユニットの位置で停止す
る。糸継ぎ機は、この停止位置において、その入力軸を
上記駆動系の代わりに差動歯車装置に接続させ、これに
より、アウターロータ及びインナーロータが糸継ぎ機側
から制御可能な回転速度差を付与されて回転する。アウ
ターロータの回転数は回転センサ(検出手段)により監
視されており、糸継ぎに適する回転数に達すると、ロー
ラ用駆動モータ(駆動手段)による糸継ぎ機側糸引出し
ローラの回転と入力軸用駆動モータによる上記入力軸の
回転とが開始され、糸継ぎが行われる。
【0016】糸継ぎ後、糸引出しローラ及び入力軸の回
転数が所定回転数に到達すると、これが、機台側糸引出
しローラの定常運転時の回転数に合致するように、糸継
ぎ機側から変更される。このようにして、糸継ぎ時に、
糸継ぎ機側から機台側への糸の受け渡しは、糸継ぎ機側
の糸引出しローラの引出し速度が機台側の糸引出しロー
ラの引出し速度に同調してから行われるため、糸継ぎ時
に定常運転時よりも撚り係数を大きく設定しても、糸に
衝撃が加わることがない。また、好適には、糸の受け渡
し後又は受け渡しと同時に、糸継ぎ機側の引出しローラ
を減速すると、糸は、機台側の糸引出しローラと糸継ぎ
機側の糸引出しローラとの間でたるみ、大きな張力が加
わらない。
【0017】アウターロータから延びるアウターシャフ
トは、通常、軸方向に離間して配設され下側から同アウ
ターシャフトを支持する回転自在の2対の支持ディスク
を有する。第1,第2,第3実施形態では、タンジェン
シャルベルトにより複数の紡糸ユニットのアウターシャ
フトを摩擦駆動している。アウターシャフトの駆動によ
り支持ディスクが回転されるため、第1実施例ではこの
回転を差動歯車装置へ入力している。第2実施形態では
アウターシャフトの回転を支持ディスクを介することな
く差動歯車装置に入力しており、第3実施形態ではアウ
ターシャフトのタンジェンシャルベルトを駆動するため
の駆動モータの回転を差動歯車装置に入力している。い
ずれにしても、駆動系の回転とアウターシャフト側の回
転とは差動歯車装置において合成され、アウターシャフ
ト側の回転変動に応じた回転がインナーロータから延び
るインナーシャフトに出力される。そのため、タンジェ
ンシャルベルトの張力が変化してアウターシャフト延い
てはアウターロータの回転数に変動が生じても、インナ
ーシャフトは同変動に見合った好適な回転数で回転する
ことになる。
【0018】糸番手や、撚り数を変更した場合、紡出速
度が変更されるが、駆動系の回転を差動歯車装置に入力
している本発明では、その際に駆動系の回転速度も自動
的に変更され、アウターシャフト及びインナーシャフト
間に所定の速度差を保持するために特別な作業は必要な
い。また、上述した糸切れ時以外にも、アウターロータ
及び/又はインナーロータの清掃を要する場合には、第
2入力手段に設けられた遮断手段(クラッチ)を切って
インナーロータの回転を停止させる。
【0019】第4実施形態においては、タンジェンシャ
ルベルトにより複数の紡糸ユニットのインナーシャフト
を摩擦駆動しており、インナーシャフトから回転をとっ
て差動歯車装置に入力している。この回転と駆動系の回
転とが前述したように差動歯車装置において合成され、
アウターシャフト延いてはアウターロータに出力され
る。この場合も、インナーシャフトのタンジェンシャル
ベルトに張力変動が生じても、アウターシャフトは前述
したような態様で好適に駆動される。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施の形態
即ち実施形態について添付図面を参照して詳細に説明す
るが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものと
する。図1は、本発明による糸継ぎ方法を実施可能なダ
ブルロータ式オープンエンド精紡機におけるアウターロ
ータ及びインナーロータの駆動系の一例を示す図であ
る。オープンエンド精紡機は、ローラ組立体11及び開
繊ローラ(図示せず)等からなる紡糸ユニット13と、
該紡糸ユニット13にスライバSを送り込むフィードロ
ーラ14,ローラ組立体11から糸を引き出す糸引出し
ローラ15A,糸Yをパッケージもしくはボビン16上
に巻き取るための糸巻取りローラ17からなる駆動系の
各ローラからなる組を、機台の長手方向に複数錘(図に
は代表的に1錘のみを示す)配列して構成されている。
【0021】紡糸ユニット13のアウターシャフトは、
駆動モータM1によって駆動される無端のタンジェンシ
ャルベルト18に接触して回転駆動され、複数の紡糸ユ
ニット13の各ローラは、それぞれ別個のモータM2,
M3,M4に接続されたラインシャフト19,20,2
1に沿って所定のピッチで取り付けられている。これ等
のモータM1〜M4にはそれぞれインバータ22が付属
し、オープンエンド精紡機の運転を制御するためのコン
ピュータでよい制御装置23からの指令信号によってそ
の速度を可変にされている。また、ラインシャフト2
0,21は、それぞれクラッチ24,25を介して各駆
動モータの出力軸m3,m4に接続され、全錘一斉に駆
動/停止されるようになっている。ラインシャフト19
は駆動モータの出力軸m2に接続され、各フィードロー
ラ14は、歯車列29及びクラッチ26を介してライン
シャフト19から分岐し、このクラッチ26を操作する
ことによってそれぞれ独立して駆動/停止可能に構成さ
れている。30は、各糸引出しローラ15Aにより引き
出された糸Yをボビン16に綾巻きするために往復動す
るシャフト31に設けられた周知のトラバーサである。
【0022】更に、駆動モータM1,M3,M4の出力
軸m1,m3,m4には回転速度を検出するための回転
センサ36,27,28が付属し、制御装置23と信号
接続されている。
【0023】前記各紡糸ユニット13は、タンジェンシ
ャルベルト18により駆動されるアウターロータ18A
と、インナーロータ13Bとを有する。この実施形態に
係る精紡機では、定常運転時には、インナーロータ13
Bの回転は、後述する差動歯車装置に機台側の糸引出し
ローラの駆動系の回転を入力することにより、アウター
ロータ13Aに関して所定の回転速度差を有して行わ
れ、糸継ぎ時には、アウターロータ13Aの回転速度を
糸継ぎ機側にある周知の回転センサ37(図3参照)で
検知し、検知された該回転速度に基づいて、演算部もし
くは制御装置38(図3参照)において、上記式(2)
に従ってインナーロータ13Bの適切な速度を演算し、
この適切な速度が得られるように、糸継ぎ機60(図3
参照)側の駆動モータ(図示せず)の回転を上記差動歯
車装置に入力して糸継ぎ時の回転速度差を当該インナー
ロータ13Bに付与するようになっている。従って、イ
ンナーロータ13Bの回転数は、アウターロータ13A
の回転数に、上記差動歯車装置により、定常運転時に
は、精紡機本体側の糸引出しローラ15Aによる回転数
増加分が付与され、糸継ぎ時には、糸継ぎ機側の糸引出
しローラ64(図3参照)による回転数増加分が付与さ
れるように切り換え制御される。
【0024】次に、図2に最も良く示すように、各紡糸
ユニット13は、アウターシャフト13aに接続された
アウターロータ13Aと、インナーシャフト13bに接
続されたインナーロータ13Bとを含み、アウターシャ
フト13aの外周面には前述のタンジェンシャルベルト
18が摩擦接触しており、アウターシャフト13aの内
部には上述のインナーシャフト13bが挿通されてい
る。また、アウターシャフト13aは、実施形態では軸
方向に離間した2位置に1対づつ設けられた回転可能の
支持ディスク13dにより下側から挟持され回転自在に
支持されている。
【0025】また、図2に示された各紡糸ユニット13
において、同心に配設されたアウターロータ13A及び
インナーロータ13Bを駆動するために、アウターロー
タ13Aに結合された管状のアウターシャフト13a
に、インナーロータ13Bに結合されたインナーシャフ
ト13bが挿通されて外部まで延長しており、アウター
シャフト13aの中間部及びインナーシャフト13bの
延長部のそれぞれに駆動機構46,47が配設されてい
る。
【0026】該駆動機構46,47については、この実
施形態では、本出願人による特願平7ー56209号明
細書に記載されたような構造のものとして後述する。こ
の紡糸ユニット13において、図2から諒解されるよう
に、アウターロータ13Aの駆動機構46は、アウター
シャフト13aの外周面に接するように配置されて該ア
ウターシャフト13aに回転力を伝えるタンジェンシャ
ルベルト18と、アウターシャフト13aに沿って軸方
向に離間した2位置に配置され、該アウターシャフト1
3aをその軸心より下方で両側から挟んで下側から回転
自在に支持する2対の支持円板13d,13dとを備え
る。これ等の支持円板は、アウターシャフト13aの軸
心に関して同じ側にある各対につき1つの支持円板が回
転軸57により相互に結合されて、機台フレーム(図示
せず)間に支持されている。
【0027】また、図2において、アウターシャフト1
3aに同心に挿通され同アウターシャフト13aにより
適宜の軸受を介して回転自在に支持されたインナーシャ
フト13bの延長部13b’の近傍には、インナーロー
タ13Bの駆動機構47として、アウターシャフト13
a及びインナーシャフト13bの双方に作動上関連して
速度差保持装置40が設けられている。この速度差保持
装置40は、差動歯車装置50からなり、該差動歯車装
置50には、アウターシャフト13aから入力をとる第
1入力手段55と、オープンエンド精紡機の前記引出し
ローラ15Aの駆動系から入力をとる第2入力手段70
と、インナーシャフト13bに出力を供給する出力手段
80とが接続されている。
【0028】差動歯車装置50は、歯車箱51を有し、
その内部に遊星歯車機構52を収容している。該遊星歯
車機構52は、第1入力手段55の出力軸56に接続さ
れた太陽歯車52aと、この太陽歯車52aに噛み合う
ようにプラネットキャリア52bに保持された複数の遊
星歯車52cとを有する。また、遊星歯車52cは、出
力軸56と同心状に歯車箱51に軸受装置52fにより
回転自在に支承されたリングギヤ52dの内歯と噛み合
い、一方、リングギヤ52dの外歯には、第2入力手段
70の歯車が噛み合っている。また、プラネットキャリ
ア52bは、その回転中心から延長する支持回転軸52
eに出力手段80の歯車81を支持している。尚、図2
において、符号32はいずれも球軸受のような適宜の軸
受装置を表している。
【0029】更に図2において、第1入力手段55は、
アウターシャフト13aにより駆動される2対の支持デ
ィスク13dのうち、アウターシャフト13aの軸方向
に関して同じ側に位置する2つの支持ディスクをその回
転中心部で回転自在に支持する入力軸57と、該入力軸
57及び前述の出力軸56を選択的に結合する適宜の継
手58とを含む。図では、説明の便宜上、継手58は入
力軸57及び出力軸56の軸心を直線状に整列させて結
合しているが、実際には、プーリ、歯車等(図示せず)
を挿入して出力軸56と入力軸57を偏心させることが
望ましい。
【0030】次に、第2入力手段70は、実施形態では
糸引出しローラ15のラインシャフト20により、同ラ
インシャフト20に設けられた歯車列33を介して駆動
される入力軸72と、前述の歯車71を有する出力軸7
3とを含む。入力軸72は、出力軸73の一端に設けら
れた傘歯車73aと噛み合う傘歯車72aを有し、ま
た、出力軸73の途中には、後述するように、糸継ぎ時
に第2入力手段70への回転の入力源を切り替えるため
に、インナーロータを完全に停止させるべく、適宜のク
ラッチ(遮断手段)74が挿入されている。出力軸73
は歯車箱51の外部に延長しており、その端部に設けた
スプライン73bは、後述する糸継ぎ機側にある駆動軸
もしくは入力軸75の端部に形成されたスプライン穴7
5aと協働してスプライン継手を構成するスプライン軸
となっている。スプライン継手の代わりに、例えば摩擦
クラッチのような他の適宜の回転入力手段を用いること
ができる。
【0031】出力手段80は、遊星歯車機構52の支持
軸52eに設けられた歯車81に加えて、該歯車81に
噛み合う歯車82と、該歯車82を支持する出力軸83
とを含む。該出力軸83は、歯車箱51の外部に延びて
おり、その先端にプーリ84を有する。また、インナー
シャフト13bの延長部にもプーリ85が設けられてい
て、両プーリ84,85に好ましくはタイミングベルト
(Vベルトでもよい)86である回転伝達手段が張架さ
れている。
【0032】次に、上述した構成を有する本発明による
オープンエンド精紡機の動作について図1を参照して説
明する。先ず、機台停止後の紡出開始の際には、各モー
タM1〜M4の始動と各クラッチ26,24,25の接
続を順次行う。この場合、各モータM1〜M4の始動順
序は適宜設定することができる。尚、各モータM1〜M
4は一斉に始動してもよいが、順次始動させることによ
り、急激な電力消費を抑えることができる。各モータM
1〜M4の始動により、各ローラ14,15,17が回
転を始め、通常の運転速度に立ち上がる。センサ27,
28,36はモータM3,M4,M1の回転速度をモニ
タし、この回転速度信号を制御装置23に入力すること
により、各インバータ22に制御指令が出され、フィー
ドバック制御が行われる。
【0033】オープンエンド精紡機では、このような状
態において後述するように糸継ぎが行われ、しかる後、
定常運転に入るが、その運転中に、アウターロータ及び
インナーロータからなるロータ組立体を駆動するタンジ
ェンシャルベルト18には緩みが生じ、その張力が変化
することがある。前述したように、該タンジェンシャル
ベルト18はロータ組立体のアウターシャフト13aに
摩擦係合しているため、張力変化を放置しておけば、ア
ウターシャフト13a延いてはアウターロータ13Aの
回転速度に不所望の変化が生じ、結果的に、インナーロ
ータ13Bの回転数が前掲の式(2)を満たさなくなる
場合が生じ得る。
【0034】しかし、本発明の上述した第1実施形態に
よれば、運転中、タンジェンシャルベルト18によりア
ウターシャフト13aが駆動され、インナーシャフト1
3bは速度差保持装置40を介して駆動される。即ち、
アウターシャフト13aが駆動され、支持ディスク13
dが回転されると、その回転は、第入力手段55の入力
軸57,継手58及び出力軸56を介して遊星歯車機構
52の太陽歯車52aに伝えられる。一方、糸引き出し
のための速度増加分をインナーシャフト13b延いては
インナーロータ13Bに付与するために、歯車列33を
介して機台側の糸引出しローラ15のラインシャフト2
0に結合された第2入力手段の入力軸72の回転は、傘
歯車72a,73a、クラッチ74、出力軸73、歯車
71を介して遊星歯車機構52のリングギヤ52dに伝
達される。そのため、遊星歯車52cには、アウターシ
ャフト13aの回転と速度増加分を付与するための入力
軸72の回転とが合成されて伝達される。
【0035】上述のような遊星歯車52cの回転は、プ
ラネットキャリア52b及びその支持回転軸52eを介
して出力手段80の歯車81に伝達され、そこから歯車
82、出力軸83、プーリ84、タイミングベルト8
6、プーリ85を介してインナーシャフト13bに伝達
され、インナーロータ13Bが回転される。尚、アウタ
ーシャフト13aの回転は支持ディスク13dにより減
速されるが、この減速分は後から増速して相殺するよう
にギヤ比が設定される。また、入力軸72の回転につい
ても同様である。
【0036】以上の説明から諒解されるように、アウタ
ーシャフト13a及びインナーシャフト13bを差動歯
車装置からなる速度差保持装置40により接続している
ため、アウターロータ13Aの回転数が変化すると、そ
の変化に自動的に対応してインナーロータ13Bの回転
数が好適に変化することが分かる。
【0037】次に、機台停止後の紡出中における前述の
糸継ぎ動作について、図面、特に図3〜図7を参照して
詳細に説明する。先ず、ある紡糸ユニット13で糸切れ
が発生すると、図示しない周知のセンサにより該糸切れ
が検知されて糸切れ信号が出され、これにより、機台側
のクラッチ74(図2)が解除即ちオフされると共に、
機台に沿って走行可能な自動糸継ぎ機60が呼び出さ
れ、糸切れが生じた当該紡糸ユニット13の前の所定位
置で停止する。この段階で、アウターロータ13Aにブ
レーキが掛けられて、その回転を停止すると共に、該ア
ウターロータの回転に追従して回転するインナーロータ
13Bも自動的に停止する。かかる糸継ぎ機60のよう
な装置の詳細については特開昭61ー258031号公
報に説明されており、ここでは、本発明の理解に必要な
範囲内で同装置について説明する。尚、本発明の糸継ぎ
方法を実施する装置が上記特開昭61ー258031号
公報記載のものに限定されないことは言うまでもない。
【0038】しかる後、糸継ぎ機60により、周知の態
様でケーシング41が開かれ、露出したアウターロータ
13A、インナーロータ13B等の掃除を行ってから、
ケーシング41を閉じる。そして、糸継ぎ機60内の図
示しないスライド機構に装着された入力軸用駆動モータ
76とそこに結合された駆動軸もしくは入力軸75とが
上記スライド機構により出力軸73に向かって移動さ
れ、これにより、前述したスプライン継手が係合する。
この間に、糸継ぎ機60は、揺動可能な駆動アーム(図
示せず)に支持されたボビン駆動ローラ62により機台
側の前記ボビン16を巻取りローラ17から持ち上げて
逆転駆動すると共に、該ボビンに巻回された糸の糸端を
サクションパイプ61により吸い出しつつ、該サクショ
ンパイプ61をボビン16から離間させる。そして、糸
端は、先端に把持部を有する揺動可能な糸引張り部材6
5の作用下に、クランプローラ63と糸継ぎ機側の糸引
出しローラ64との間に通される。また、クランプロー
ラ63を支持したアーム66を回動して同クランプロー
ラ63を糸引出しローラ64に押圧することにより、糸
端は、クランプローラ63と糸引出しローラ64との間
にニップされる。
【0039】次に、この時には未だ相互に離間している
状態にある機台側の糸引出しローラ15Aと押えローラ
15Bとの間に糸端を挿入するように、駆動ローラ62
及び糸引出しローラ64を逆方向に回転しつつ、先端に
把持部を有する糸継ぎ部材67を所定の方向に揺動させ
る。しかる後、ボビン16に繋がった糸端を図示しない
切断部材(カッタ)により切断してから、該切断により
生じた新たな糸端を予めヤーンパイプ45の中に所定の
長さだけ入れる。この時点t1(図7の(B))での状態
が図3に示されている。
【0040】ここで、アウターロータ13Aの上述した
ブレーキを解放すると、同アウターロータとインナーロ
ータの回転が立ち上がるが、同時に、糸継ぎ機側からア
ウターロータ13Aの回転数を検出するために、例え
ば、図3に示すように、支持ディスク13dの側面に貼
着された高反射率の反射板37aと、糸継ぎ機内に設置
された光送受信器37bとからなる回転センサ(検出手
段)37が設けられており、これが作動を開始する。こ
の光送受信器37bは、糸継ぎ機60が糸切れの起きた
紡糸ユニットの前に停止した際に、送信した光が反射板
37aにより反射されて該光送受信器37bに受信され
るような位置に配設されている。また、回転センサ37
の検出信号は、糸継ぎ機60内に組み込まれたマイクロ
コンピュータのような制御装置38に送られ、この制御
装置38による制御下に、該検出信号に基づいて糸継ぎ
機側糸引出しローラ64のローラ用駆動モータ(駆動手
段)64aの回転数が決定される。
【0041】アウターロータ13Aが時点t2において
糸継ぎに適するある回転数R11に達すると、糸継ぎ機6
0の糸引出しローラ64が糸引出し方向に回転を開始
し、また、この間、糸引出しローラ64並びにアウター
ロータ13A及びインナーロータ13Bの回転数が上昇
を続ける。該引出しローラ64の回転数は、適宜の型式
の回転センサ39により検出されており、検出信号は上
述の制御装置38に送られ、同検出信号に基づいて入力
軸用駆動モータ76の回転数が決定され、入力軸75の
回転も開始される。これにより、インナーロータ13B
には、糸継ぎ機の糸引出し速度に応じた回転数が差動歯
車装置である速度差保持装置40を介して付与される。
また、機台側の糸引出しローラ15Aは、図7の(A)
に破線で示すように、糸引出し方向に回転している。そ
して、時点t3において、アウターロータ13Aは、定
常回転数R12に達する。一方、入力軸75も所定の回転
数に達し、インナーロータ13Bは、この回転数R12
関し、前述の式(5)に従った回転数R21に達する。即
ち、インナーロータ13Bの回転数は、アウターロータ
13Aの回転数+糸継ぎ機の引出しによる付加回転数で
ある。
【0042】この時点t3において、図7の(A)及び
(B)から了解されるように、アウターロータの定常回
転数R12=60,000,糸番手Ne=40、定常運転
時の撚り係数k=4.0、繊維集束部の径D=36mm
の条件で、機台側の糸引出しローラ15Aは、60.2
m/minの速度(引出し速度)で回転しており、一
方、糸継ぎ機側の糸引出しローラ64は、糸継ぎ時の撚
り係数k=5.2とした場合、46.3m/minで回
転している。
【0043】このようにして、糸は、糸継ぎ機側の駆動
モータ64aにより駆動される糸引出しローラ64によ
り前述の式(5)に従って引き出されている。この糸を
機台側から制御を受ける糸引出しローラ15Aにスムー
ズに受け渡すため、実施形態では、アウターロータ13
Aが定常回転数R12に達した後、時点t4において図示
しないタイマをオンにすると共に、アウターロータ15
A、インナーロータ13B及び糸継ぎ機側の糸引出しロ
ーラ64を糸継ぎ条件下での駆動から定常運転時の駆動
に切り替える。この切り替えにより、インナーロータ1
3Bは、前述の式(5)よりは式(4)に従った回転数
で駆動されるようになり、また、引出しローラ64も増
速されるようになる。
【0044】そのため、時点t5には、機台側と糸継ぎ
機側の巻取速度が一致し、この時点t5の後、上記タイ
マがタイムアップする時点t6までに、機台側のクラッ
チ74を係合させ、糸継ぎ機側の前記スライド機構(図
示せず)を作動して、糸継ぎ機側の入力軸75を機台側
の差動歯車装置の出力軸73から離間する方向に移動し
て、スプライン継手の係合を解除すると共に、駆動モー
タ76による入力軸75の回転を停止する。時点t6に
は、インナーロータ13Bは前述の式(4)に従った回
転数R22に既に達しており、即ち糸継ぎ機側の引出しロ
ーラ64の速度は機台側の引出しローラ15Aの速度
(60.2m/min)に実質的に合致しており、この時
点t6で、機台側の押えローラ15Bを引出しローラ1
5Aに押し付ける(図4参照)。これにより、糸継ぎ機
側から機台側への糸のスムーズな受け渡しが行われる。
【0045】一方、糸の上述した受け渡しの後、時点t
7で、クランプローラ63が装着されたアーム66は上
方に揺動され、該クランプローラ63は糸継ぎ機側の引
出しローラ64から完全に離脱した状態となる(図
5)。尚、時点t6〜t7間では、機台側で紡出してい
る糸を糸継ぎ機側でも同じ速度で引っ張るため、僅かで
も速度差があれば糸切れに発展する危険性があるので、
受け渡し後は、できるだけ早く、実施形態では時点t7
において、糸継ぎ機側の引出しローラ64の減速を行っ
て、機台側の糸引出しローラ15Aと糸継ぎ機側の糸引
出しローラ64との間で紡出糸をたるませて、糸切れを
防ぐことが好ましい。
【0046】しかる後、図6に示すように、周知の方法
で糸継ぎ機台側の引出しローラ64から糸を外し、クレ
ードル68に支持されていたパッケージ16を巻き取り
ドラム17上に降ろし、完全に機台側で糸を紡出する状
態とする。その後、糸継ぎ機60は次の糸継ぎ位置又は
待機位置へ移動する。
【0047】本発明とそれに付随する種々の効果とが上
述の説明から理解されるであろう。また、本発明の精神
及び範囲から逸脱したり、本発明の重要な効果を犠牲に
したりすることなく、その形態、構造及び配列を改変し
うることは明らかであり、この明細書に開示された形態
は本発明の単なる好適もしくは例示的な実施形態に過ぎ
ない。
【0048】例えば、図8は、本発明の第2実施形態を
示している。図2に最も良く示した第1実施形態におい
ては、第1入力手段55は、アウターシャフト13aを
支持する支持ディスク13dの回転を差動歯車装置50
の太陽歯車52aに入力しており、また、出力手段80
の出力回転はタイミングベルト86を介してインナーシ
ャフト13bに伝達されていたが、本第2実施形態にお
いては、第1入力手段55Aはアウターシャフト13a
の回転を入力しており、また、出力手段80Aは相互に
噛み合う歯車を介してインナーシャフト13bに伝達し
ている。
【0049】即ち、第1入力手段55Aに関しては、ア
ウターシャフト13aの端部にはプーリ56aが、入力
軸56の端部にも別のプーリ56bが嵌合されていて、
両プーリ56a,56bにタイミングベルト56cが張
架されていて、入力軸56を介して太陽歯車52aを駆
動する。また、出力手段80Aに関しては、歯車箱51
内において出力軸83の端部に歯車87aが装着される
と共に、インナーシャフト13bの先端部が歯車箱51
に延入し、そこに歯車87aと噛み合う歯車87bが装
着されている。その余の構成は第1実施形態と同様であ
り、また、本第2実施形態に係るものの動作も実質的に
同様である。
【0050】次に、図9は本発明の第3実施形態を示し
ている。この実施形態が第2実施形態と異なる点は、ア
ウターシャフト13aから回転をとるのではなく、タン
ジェンシャルベルト18の駆動モータ34から回転をと
る点である。即ち、駆動モータM1の出力軸m1には、
プーリ34aが装着されており、該プーリ34aに張架
されたタイミングベルト35により別のプーリ34b、
回転軸34d、プーリ34cを介してタンジェンシャル
ベルト18が駆動されるが、この出力軸m1には更に、
本第3実施形態の第1入力手段55Bのプーリ56dが
接続されていて、同プーリ56dの回転がタイミングベ
ルト又はVベルト56f、プーリ56eを介して入力軸
56に伝達されるようになっている。
【0051】更に、本発明の第4実施形態が図10に示
されている。第1〜第3実施形態においては、アウター
ロータ13A側から差動歯車装置50への入力を取り出
し、その出力をインナーロータ13Bに供給していた
が、本第4実施形態においては、関連要素は、その逆の
回転伝達関係に配列されている。即ち、図10におい
て、第4実施形態のインナーシャフト13bは、タンジ
ェンシャルベルト18により積極的に駆動される。該イ
ンナーシャフト13bから入力をとるために、第1入力
手段55Cのプーリ56aがインナーシャフト13bの
端部に装着され、入力軸56の端部にも別のプーリ56
bが嵌合されている。両プーリ56a,56bにタイミ
ングベルト56cが張架されていて、入力軸56を介し
て太陽歯車52aを駆動する。出力手段80Bについて
は、その出力軸83の端部にプーリ88aが設けられ、
アウターシャフト13aに別のプーリ88bが設けられ
ていて、両プーリ88a,88bに張架されたタンジェ
ンシャルベルト89を介して差動歯車装置50の出力を
アウターシャフト13aに伝達するようになっている。
尚、どの実施形態においても、糸継ぎ機側の入力軸75
は各第2入力手段70の出力軸73にスプライン継手の
ような回転伝達部材を介して接続されている。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、通常運
転時においては、アウターシャフト及びインナーシャフ
トを差動歯車装置により接続すると共に、該差動歯車装
置にベルトの張力変動の影響を受けない糸引出しローラ
側の回転を基準速度として入力しているため、アウター
ロータ及びインナーロータの一方の回転数が変化する
と、その変化に自動的に対応して他方の回転数が実時間
で追従するので、安定的な紡出が可能となり、糸品質の
向上になる。また、撚り数や番手の変更時のように紡出
速度を変更させた場合でも、オペレータは、何等特別な
作業をすることなく容易に対応できる。
【0053】更に、糸継ぎ時においては、機台側の糸引
出しローラの駆動系の代わりに、糸継ぎ機側の駆動モー
タにより駆動される入力軸の回転を該差動歯車装置に入
力しており、その際、アウターロータの回転速度を検出
して、その検出信号に基づいて入力軸用駆動モータを制
御するため、糸継ぎ時にも上述の効果が得られ、しか
も、糸継ぎ機側から機台側への糸の受け渡しは、糸継ぎ
機側の引出しローラの引出し速度が機台側の引出しロー
ラの引出し速度に同調してから行われるため、糸継ぎ時
に定常運転時よりも撚り係数を高く設定しても、糸に衝
撃が加わることがないので、糸切れが減少し、精紡機の
作業効率の向上になる。
【0054】また、糸の受け渡し後又は受け渡しと同時
に、糸継ぎ機側の引出しローラを減速する場合には、糸
は、機台側の引出しローラと糸継ぎ機側の引出しローラ
との間でたるみ、大きな張力が加わらないので、糸切れ
の更なる減少を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による糸継ぎ方法及び装置が実施され
るオープンエンド精紡機の駆動系の一部の詳細図であ
る。
【図2】 図1に示された紡糸ユニットの駆動機構を拡
大して示す立断面図である。
【図3】 図1及び図2に示されたオープンエンド精紡
機に、糸継ぎ機を用いて本発明による糸継ぎ方法及び装
置を実施した場合の一過程を説明する概要図である。
【図4】 図3の次の過程を説明する概要図である。
【図5】 図4の次の過程を説明する概要図である。
【図6】 図5の次の過程を説明する概要図である。
【図7】 (A)は、糸継ぎ条件下での本発明による糸
継ぎ機側引出し速度と機台側引出し速度との関係を示す
線図であり、(B)は、本発明によるアウターロータと
インナーロータの回転数の関係を示す線図である。
【図8】 図2の駆動機構の変形実施形態を示す立断面
図である。
【図9】 図2の駆動機構の別の変形実施形態を示す立
断面図である。
【図10】 図2の駆動機構の更に別の変形実施形態を
示す立断面図である。
【図11】 従来のロータ駆動装置を備えた紡糸ユニッ
トを示す部分断面図である。
【符号の説明】
13…紡出ユニット、13A…アウターロータ、13B
…インナーロータ、15…機台側糸引出しローラ、17
…糸巻取りローラ(巻取り手段)、18…タンジェンシ
ャルベルト、20…ラインシャフト(駆動系)、21…
ラインシャフト(駆動系)、22…インバータ(変更手
段)、37…アウターロータの回転速度を検出する回転
センサ(検出手段)、38…制御装置、40…速度差保
持装置、50…差動歯車装置、55…第1入力手段、6
0…糸継ぎ機、64…糸継ぎ機側糸引出しローラ、64
a…ローラ用駆動モータ、70…第2入力手段、72…
糸引出しローラの駆動系にある入力軸、74…クラッチ
(遮断手段)、75…糸継ぎ機にある入力軸、76…入
力軸用駆動モータ、80…出力手段、Y…糸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 紀明 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の紡糸ユニットを備え、各紡糸ユニ
    ットが、アウターロータと、該アウターロータ内に配置
    されたインナーロータと、前記アウターロータに関して
    通常紡出時の所定回転速度差を前記インナーロータに与
    えるように前記アウターロータ、前記インナーロータ及
    び駆動系に接続された差動歯車装置と、前記インナーロ
    ータから紡出された糸を引き出すための機台側糸引出し
    ローラと、第1の撚り係数で紡出された該糸を巻き取る
    ための巻取り手段とを有すると共に、糸継ぎ時には、前
    記第1の撚り係数よりも高い第2の撚り係数で紡出する
    オープンエンド精紡機における糸継ぎのために、糸切れ
    が起きた紡糸ユニットの位置に糸継ぎ機を呼び出して該
    位置に停止させると共に、前記駆動系から前記差動歯車
    装置への回転の入力を遮断してから、該糸継ぎ機によ
    り、当該紡糸ユニットの前記巻取り手段から糸端を捕捉
    して前記インナーロータに送り込み、前記差動歯車装置
    に該糸継ぎ機側から回転を入力して前記アウターロータ
    及び前記インナーロータ間に糸継ぎ時の所定回転速度差
    を付与し、前記アウターロータの回転速度を検出して該
    回転速度に基づいて糸継ぎ機側糸引出しローラの回転速
    度を制御し、糸継ぎされた糸を前記糸継ぎ機側糸引出し
    ローラにより引き出し、前記機台側糸引出しローラに受
    け渡し、前記糸の受け渡しは、前記糸継ぎ機側糸引出し
    ローラの糸引出し速度を前記機台側糸引出しローラの糸
    引出し速度と実質的に同一とした後に行うことを特徴と
    するオープンエンド精紡機における糸継ぎ方法。
  2. 【請求項2】 前記糸継ぎされた糸の機台側糸引出しロ
    ーラへの受け渡しと同時に前記駆動系から差動歯車装置
    への回転遮断状態を持続状態に切り換えることを特徴と
    する請求項1に記載の糸継ぎ方法。
  3. 【請求項3】 前記受け渡しの後、前記糸継ぎ機側糸引
    出しローラの糸引出し速度を減速することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の糸継ぎ方法。
  4. 【請求項4】 前記受け渡しと同時に、前記糸継ぎ機側
    糸引出しローラの糸引出し速度を減速することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の糸継ぎ方法。
  5. 【請求項5】 複数のアウターロータの列と、対応する
    アウターロータ内に配置された複数のインナーロータの
    列と、前記アウターロータ及び前記インナーロータで紡
    糸された糸を引き出すための機台側糸引出しローラと、
    該機台側糸引出しローラの駆動系と、前記アウターロー
    タ及び前記インナーロータの一方を駆動するタンジェン
    シャルベルトと、各対応するアウターロータ及びインナ
    ーロータを所定の回転速度差に保持するための差動歯車
    装置とを備え、該差動歯車装置の各々には、対応する前
    記アウターロータ及び前記インナーロータの一方の回転
    を同差動歯車装置に入力するための第1入力手段と、前
    記駆動系の回転を同差動歯車装置に入力するための第2
    入力手段と、前記第1,第2入力手段により入力され前
    記差動歯車装置において合成された回転を前記アウター
    ロータ及び前記インナーロータの他方に出力する出力手
    段とが接続されているオープンエンド精紡機における糸
    継ぎ装置であって、糸継ぎ時に前記差動歯車装置への前
    記第2入力手段からの入力を選択的に遮断するように設
    けられた遮断手段と、糸継ぎ時に前記アウターロータ及
    び前記インナーロータの列に沿って移動し、所望のアウ
    ターロータ及びインナーロータの位置で停止する糸継ぎ
    機とを備え、該糸継ぎ機には、所定速度で駆動される糸
    継ぎ機側糸引出しローラと、前記第2入力手段に着脱自
    在に接続可能な入力軸と、該入力軸を回転駆動するため
    の入力軸用駆動モータと、前記アウターロータの回転速
    度に応じて糸継ぎ機側糸引出しローラを駆動すべく前記
    アウターロータの回転速度を検出するための検出手段と
    が設けられている、糸継ぎ装置。
  6. 【請求項6】 前記オープンエンド精紡機は、前記駆動
    系に接続された紡出速度の変更手段を有する請求項5に
    記載の糸継ぎ装置。
JP16743095A 1995-07-03 1995-07-03 オープンエンド精紡機における糸継ぎ方法及び装置 Pending JPH0921021A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3168179A1 (de) * 2015-11-10 2017-05-17 Saurer Germany GmbH & Co. KG Verfahren zum betreiben einer kreuzspulen herstellenden textilmaschine
EP3231903A1 (de) * 2016-04-04 2017-10-18 Rieter Ingolstadt GmbH Verfahren zum betreiben einer textilmaschine und textilmaschine

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US10400359B2 (en) 2016-04-04 2019-09-03 Rieter Ingolstadt Gmbh Method for operating a textile machine, and a textile machine

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