JPH09209224A - 嵩高紡績糸を用いた織物 - Google Patents

嵩高紡績糸を用いた織物

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JPH09209224A
JPH09209224A JP3756096A JP3756096A JPH09209224A JP H09209224 A JPH09209224 A JP H09209224A JP 3756096 A JP3756096 A JP 3756096A JP 3756096 A JP3756096 A JP 3756096A JP H09209224 A JPH09209224 A JP H09209224A
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JP
Japan
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woven fabric
yarn
roller pair
woven
fluff
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JP3756096A
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Inventor
Koichi Kawashima
宏一 川島
Kiyoshi Murakami
清 村上
Shoji Fukuda
昇治 福田
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KANEBO UULE KK
Kanebo Ltd
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KANEBO UULE KK
Kanebo Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軽くて膨らみのある、ソフトな織物や、目付が
軽く、地目がみえにくいソフトな薄地フラノ調織物や、
目付が軽く、地目がみえにくいソフトなミルド調織物の
提供を目的とする。 【解決手段】羊毛繊維を含む糸で製織された織物におい
て、前記の糸として、羊毛繊維を含むステープル繊維束
に撚をかけて集束せしめた、該集束部の周りに、該集束
部より延出する複数の毛羽を有する紡績糸であって、前
記複数の毛羽のうち少なくとも一部の毛羽について、該
毛羽の先端が前記集束部に撚込まれ、該毛羽がループ状
に形成されてなる嵩高紡績糸を用いたことを特徴とする
織物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ループ状の毛羽を
有する嵩高紡績糸を用いた織物に関する。
【0002】
【従来の技術】ステープル繊維束をドラフトした後、こ
れに撚りを加えて糸とする紡績法はリング紡績法として
従来より極めて周知である。
【0003】そして、前記リング紡績法を実施する装置
として図3に示す装置が知られている。同図に示すよう
にこの装置は、バックローラ対(11),(11)と、
ミドルローラ対(12),(12)を含むエプロン(1
3)と、フロントローラ対(14),(14)と、スピ
ンドル(16)とを備えたものである。そして、バック
ローラ対(11),(11)と、ミドルローラ対(1
2),(12)と、フロントローラ対(14),(1
4)の回転速度はフロントローラ対(14),(1
4)、ミドルローラ対(12),(12)、バックロー
ラ対(11),(11)の順に速くなっており、この速
度差により前記ステープル繊維束(S’)をドラフトす
る。そして、ドラフトされるステープル繊維束(S’)
の単繊維が各ローラ対間で切断されることのないよう
に、通常、バックローラ対(11),(11)とミドル
ローラ対(12),(12)との間隔及び、ミドルロー
ラ対(12),(12)とフロントローラ対(14),
(14)との間隔を少なくとも前記ステープル繊維束
(S’)の最大繊維長以上に設定している。
【0004】而して、従来の紡績装置によれば、ステー
プル繊維束(S’)はバックローラ対(11),(1
1)とフロントローラ対(14),(14)との間でド
ラフトされた後送出され、撚を掛けられて図4に示すよ
うな形態の糸となり、ボビン(B’)に巻き取られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のリング紡績糸
は、図4に示すように糸条(Y’)の外周面に少数の毛
羽(K’)を備えており、従来は、ピリングの原因とな
ることから、この毛羽(K’)は極力少ないほうが良い
糸とされてきた。
【0006】しかし、本発明者等は鋭意研究の結果、毛
羽を多く生成せしめ、しかもこの毛羽をループ状に形成
せしめた紡績糸を用いることにより、軽くて膨らみのあ
る、ソフトな織物や、縮絨と起毛工程の不要なソフトな
薄地フラノ調織物や、縮絨工程の不要なソフトなミルド
調織物を製造し得ることを知見し、本発明に至ったもの
である。
【0007】本発明はかかる経過の下なされたものであ
って、軽くて膨らみのある、ソフトな織物や、目付が軽
く、地目がみえにくいソフトな薄地フラノ調織物や、目
付が軽く、地目がみえにくいソフトなミルド調織物の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1に係る発明は、羊毛繊維を含む糸で製
織された織物において、前記の糸として、羊毛繊維を含
むステープル繊維束に撚をかけて集束せしめた、該集束
部の周りに、該集束部より延出する複数の毛羽を有する
紡績糸であって、前記複数の毛羽のうち少なくとも一部
の毛羽について、該毛羽の先端が前記集束部に撚込ま
れ、該毛羽がループ状に形成されてなる嵩高紡績糸を用
いたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2に係る発明は、羊毛繊維を
含む糸で製織された織物で、この織物の表面が毛羽立っ
た状態になったフラノ調織物において、前記の糸とし
て、羊毛繊維を含むステープル繊維束に撚をかけて集束
せしめた、該集束部の周りに、該集束部より延出する複
数の毛羽を有する紡績糸であって、前記複数の毛羽のう
ち少なくとも一部の毛羽について、該毛羽の先端が前記
集束部に撚込まれ、該毛羽がループ状に形成されてなる
嵩高紡績糸を用いたことを特徴とする。
【0010】また、請求項3に係る発明は、羊毛繊維を
含む糸で製織された織物で、この織物の表面が毛羽立っ
た状態になったミルド調織物において、前記織物がやぶ
れ組織で製織されていると共に、前記の糸として、羊毛
繊維を含むステープル繊維束に撚をかけて集束せしめ
た、該集束部の周りに、該集束部より延出する複数の毛
羽を有する紡績糸であって、前記複数の毛羽のうち少な
くとも一部の毛羽について、該毛羽の先端が前記集束部
に撚込まれ、該毛羽がループ状に形成されてなる嵩高紡
績糸を用いたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について説明する。
【0012】まず、この発明に係る織物を製織するのに
使用する糸は、前記のように羊毛繊維を含むものであれ
ばよく、その原料として、羊毛繊維だけを用いるものの
ほか、羊毛繊維とポリエステル繊維、羊毛繊維とポリア
ミド繊維、羊毛繊維とアクリル繊維、羊毛繊維とレーヨ
ン繊維等のように羊毛繊維と他繊維とを適宜組み合わせ
たものを用いるようにしてもよい。
【0013】次に、この発明に用いる紡績糸を得うる一
実施形態たる装置(以下、「本装置」という)について
説明する。図1は本装置の概略構成を示す説明図であ
る。同図に示すように、本装置はバックローラ対
(1),(1)と、ミドルローラ対(2),(2)を含
むエプロン(3)部と、第1のフロントローラ対
(4),(4)と、第2のフロントローラ対(5),
(5)とをステープル繊維束(S)の流れ方向上手から
下手にかけて順次配設し、紡出した紡績糸をボビンに巻
き取るスピンドル(6)を設けたものである。
【0014】前記バックローラ対(1),(1)、ミド
ルローラ対(2),(2)、第1のフロントローラ対
(4),(4)の回転速度は第1のフロントローラ対
(4),(4)、ミドルローラ対(2),(2)、バッ
クローラ対(1),(1)の順に速くなっており、この
速度差により前記ステープル繊維束(S)をドラフトす
る。そして、ドラフトされるステープル繊維束(S)の
単繊維が各ローラ対間で切断されることのないように、
バックローラ対(1),(1)とミドルローラ対
(2),(2)との間隔及び、ミドルローラ対(2),
(2)と第1のフロントローラ対(4),(4)との間
隔を少なくとも前記ステープル繊維束(S)の最大繊維
長以上に設定している。
【0015】そして、前記第1のフロントローラ対
(4),(4)と前記第2のフロントローラ対(5),
(5)との芯間隔(ゲージ)を前記ステープル繊維束
(S)の平均繊維長よりも短く設定し、且つ前記第2の
フロントローラ対(5),(5)の回転速度を前記第1
のフロントローラ対(4),(4)の回転速度以上に設
定するとともに、前記第2のフロントローラ対(5),
(5)間の接圧力を前記第1のフロントローラ対
(4),(4)間の接圧力よりも低く設定している。
【0016】以上の構成を備える本装置によれば、図1
に示すように、ステープル繊維束(S)がバックローラ
対(1),(1)、ミドルローラ対(2),(2)を含
むエプロン(3)、第1のフロントローラ対(4),
(4)、第2のフロントローラ対(5),(5)に順次
経由してドラフトされ、スピンドル(6)部において紡
績糸(Y)としてボビン(B)に巻き取られる。
【0017】前記バックローラ対(1),(1)、エプ
ロン(3)、第1のフロントローラ対(4),(4)に
おけるステープル繊維束(S)のドラフトは公知であ
り、通常のドラフト率は8〜20倍である。
【0018】このようにしてドラフトされたステープル
繊維束は、第1のフロントローラ対(4),(4)から
第2のフロントローラ対(5),(5)に経由する。上
述のように第1のフロントローラ対(4),(4)と第
2のフロントローラ対(5),(5)との間隔は前記ス
テープル繊維束(S)の平均繊維長よりも狭く設定して
いるので、ステープル繊維束(S)を構成する各単繊維
の殆どは、第1のフロントローラ対(4),(4)、第
2のフロントローラ対(5),(5)のどちらかに把持
されるか或いは両方に把持された状態となっている。そ
して、第1のフロントローラ対(4),(4)により把
持された単繊維は当該第1のフロントローラ対(4),
(4)の周速度と同じ速度で移動し、第2のフロントロ
ーラ対(5),(5)に把持された単繊維は当該第2の
フロントローラ対(5),(5)の周速度と同じ速度で
移動し、第1のフロントローラ対(4),(4)と第2
のフロントローラ対(5),(5)の両方に把持された
単繊維は、第1のフロントローラ対(4),(4)のロ
ーラ間の接圧力が第2のフロントローラ対(5),
(5)のそれよりも高いことから、第1のフロントロー
ラ対(4),(4)の周速度と同じ速度で移動する。こ
の際、第1のフロントローラ対(4),(4)の周速度
と同じ速度で移動する繊維が芯となり、第2のフロント
ローラ対(5),(5)の周速度と同じ速度で移動する
繊維が前記芯となって移動する繊維の外側にループを備
えて巻き付き、図2に示すような糸条(Y)を形成す
る。即ち、ステープル繊維束(S)はドラフトされ且つ
撚をかけられて集束せしめられるが、当該集束部より延
出する複数の毛羽(K)のうち少なくとも一部の毛羽
(K)について、当該毛羽(K)の先端が前記集束部に
撚込まれ、当該毛羽(K)がループ状に形成されている
のである。このように、この糸条(Y)はループ状の毛
羽(K)を有するので嵩高であり、この糸条(Y)を用
いて製造した織物は軽くて膨らみがあり、ソフトなもの
となる。
【0019】また、この糸条(Y)はループ状の毛羽
(K)を有するので、この糸条(Y)を用いて製造した
織物は通常の仕上工程を通すだけで、このループ状の毛
羽(K)が集束部より取り出され、織物の表面に短い毛
羽が発現するようになり、従来のように織物を縮絨及び
起毛させて強制的に織物の表面を毛羽立てさせる必要が
なく、織物の表面が毛羽立ったフラノ調織物を得られる
ようになり、結果として目付が軽く、地目がみえにくい
ソフトな薄地ものとなる。
【0020】さらに、この糸条(Y)はループ状の毛羽
(K)を有すると共に、織物がやぶれ組織で製織されて
いるため、この糸条(Y)を用いて製造した織物は通常
の仕上工程を通すだけで、このループ状の毛羽(K)が
集束部より取り出され、織物の表面に短い毛羽が発現す
るようになり、従来のように織物を縮絨させて強制的に
織物の表面を毛羽立てさせる必要がなく、織物の表面が
毛羽立ったミルド調織物を得られるようになり、地目が
見えにくいやぶれ組織であることとの相乗効果により結
果として目付が軽く、地目がみえにくいソフトなものと
なる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)平均繊維長72mm、最大繊維長150m
m、繊度21.7μの羊毛繊維100%の繊維束を前述
の図1に示す装置に掛け、前記第1のフロントローラ対
(4),(4)と第2のフロントローラ対(5),
(5)との間隔(ゲージ)を35mmに、第1のフロン
トローラ対(4),(4)と第2のフロントローラ対
(5),(5)の周速比(第2のフロントローラの周速
度/第1のフロントローラの周速度)を1.6にして、
40番手(メートル番手)の紡績糸(下撚りZ撚方向6
50回/m)を製造した。
【0022】そして、上記のようにして得た40番単糸
を合糸させて、上撚りがS撚方向370回/mになった
40番手双糸からなる羊毛糸を得、この羊毛糸を使用し
て2/2の綾織物を製織した。
【0023】次に、この綾織物を、煮絨、乾燥、染色、
乾燥、剪毛、蒸絨、乾燥、湿し後乾燥、蒸絨して、仕上
げ経糸密度が49.3本/インチ、仕上げ緯糸密度が4
7.8本/インチになったソフトクリアー織物を得た。
【0024】(比較例1)この比較例においては、原料
として実施例1と同様の羊毛繊維を用い、この羊毛繊維
をリング精紡機によって紡績した後、これを合糸させ
て、下撚りがZ撚方向650回/m、上撚りがS撚方向
370回/mになった、40番手双糸からなる羊毛糸を
得、この羊毛糸を使用して実施例1と同様の綾織物を製
織した。そしてこの綾織物を実施例1と同様の方法で加
工し、仕上げ経糸密度が49.3本/インチ、仕上げ緯
糸密度が47.8本/インチになったソフトクリアー織
物を得た。
【0025】次に、上記のようにして得た実施例1及び
比較例1の各織物について、それぞれ目付、厚み、ドレ
ープ係数(JIS L 1096 6−19−7 G
法)、川端式風合試験法(KES)による曲げ特性を求
め、その結果を表1にまとめた。
【0026】
【表1】
【0027】この結果から明らかなように、羊毛繊維を
嵩高紡績糸として紡績した糸を用いて製造した実施例1
の織物は、羊毛繊維をリング精紡機によって紡績した糸
を用いて製造した比較例1の織物に比べ、厚みが厚く、
ドレープ係数と曲げ特性が小さく、このことから、実施
例のものがボリューム感があり、ソフトでドレープ性に
おいて優れていることがわかる。
【0028】(実施例2)この実施例においては、実施
例1の場合と同様にして得た40番手単糸を合糸させ
て、上撚りがS撚方向370回/mになった40番手双
糸からなる羊毛糸を得、この羊毛糸を使用して2/2の
綾織物を製織した。
【0029】次に、この綾織物を、煮絨、洗絨、乾燥、
剪毛、剪毛、蒸絨して、仕上げ経糸密度が50.4本/
インチ、仕上げ緯糸密度が47.8本/インチになった
フラノ調織物を得た。
【0030】(比較例2)この比較例においては、比較
例1の場合と同様にして得た40番手双糸からなる羊毛
糸を使用して実施例2と同様の綾織物を製織した。そし
てこの綾織物を、煮絨、洗絨、縮絨、洗絨、乾燥、起
毛、剪毛、蒸絨、蒸絨して、仕上げ経糸密度が56.4
本/インチ、仕上げ緯糸密度が48.9本/インチにな
ったフラノ調織物を得た。
【0031】(比較例3)この比較例においては、原料
として実施例1と同様の羊毛繊維を用い、この羊毛繊維
をリング精紡機によって紡績した後、これを合糸させ
て、下撚りがZ撚方向650回/m、上撚りがS撚方向
370回/mになった、52番手双糸からなる羊毛糸を
得、この羊毛糸を使用して比較例2と同様の綾織物を製
織した。そしてこの綾織物を、洗絨、縮絨、洗絨、乾
燥、起毛、剪毛、蒸絨、蒸絨して、仕上げ経糸密度が7
5.0本/インチ、仕上げ緯糸密度が63.0本/イン
チになったフラノ調織物を得た。
【0032】(比較例4)この比較例においては、原料
として実施例1と同様の羊毛繊維を用い、この羊毛繊維
をリング精紡機によって紡績した後、これを合糸させ
て、下撚りがZ撚方向650回/m、上撚りがS撚方向
370回/mになった、60番手双糸からなる羊毛糸を
得、この羊毛糸を使用して比較例2と同様の綾織物を製
織した。そしてこの綾織物を、洗絨、縮絨、洗絨、乾
燥、起毛、剪毛、起毛、剪毛、連続蒸絨、蒸絨して、仕
上げ経糸密度が87.0本/インチ、仕上げ緯糸密度が
74.4本/インチになったフラノ調織物を得た。
【0033】次に、前記のようにして得た実施例2及び
比較例2,3,4のフラノ調織物について、目付と厚み
を調べ、これらの結果を表2にまとめて示した。
【0034】
【表2】
【0035】この結果から明らかなように、羊毛繊維を
嵩高紡績糸として紡績した糸を用いて製造した実施例2
のフラノ調織物は、羊毛繊維をリング精紡機によって紡
績した糸を用いて製造した比較例2のフラノ調織物に比
べ、目付が軽く、薄地であることがわかる。また、比較
例3,4に示すように、目付を軽くするために細番手の
糸を用いると肉厚感がでてきて薄地のものが得られない
ことがわかる。更に、実施例1のフラノ調織物は短い毛
羽が均一に絡んでおり、地目が見えないものであった。
【0036】(実施例3)この実施例においては、実施
例1の場合と同様にして得た40番手単糸を合糸させ
て、上撚りがS撚方向に370回/mになった40番手
双糸からなる羊毛糸を得、この羊毛糸を使用して図5に
示す横朱子のやぶれ組織で織物を製織した。
【0037】次に、このやぶれ組織織物を、煮絨、乾
燥、染色、乾燥、起毛、剪毛、剪毛、連続蒸絨、蒸絨、
湿し後乾燥、蒸絨して、仕上げ経糸密度が50.4本/
インチ、仕上げ緯糸密度が47.8本/インチになった
ミルド調織物を得た。
【0038】(比較例5)この比較例においては、比較
例1の場合と同様にして得た40番手双糸からなる羊毛
糸を使用して実施例3と同様のやぶれ組織織物を製織し
た。そして、このやぶれ組織織物を、実施例3と同様の
方法で加工し、仕上げ経糸密度が50.4本/インチ、
仕上げ緯糸密度が47.8本/インチになった織物を得
た。
【0039】羊毛繊維を嵩高紡績糸として紡績した糸を
用いて製造した実施例3の織物は、短い毛羽が均一に絡
み、地目のみえないミルド調のものであったが、羊毛繊
維をリング精紡機によって紡績した糸を用いて製造した
比較例5の織物は、短い毛羽が絡まず、地目が見えるも
のであった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明請求項1で
得られる織物は、軽くて膨らみがあり、ソフトな風合を
持つものである。また、本発明請求項2で得られる織物
においては、従来のように織物を縮絨及び起毛させて強
制的に織物の表面を毛羽立たせる必要がなく、織物の表
面が毛羽立った、目付が軽く、地目がみえにくく、ソフ
トな薄地フラノ調織物が簡単に得られるようになる。更
に本発明請求項3で得られる織物においては、従来のよ
うに織物を縮絨させて強制的に織物の表面を毛羽立たせ
る必要がなく、織物の表面が毛羽立った、目付が軽く、
地目がみえにくく、ソフトなミルド調織物が簡単に得ら
れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる紡績糸を製造する一実施例装置
の概略を示す説明図である。
【図2】本発明に用いる紡績糸を示す説明図である。
【図3】リング精紡機の概略を示す説明図である。
【図4】リング紡績糸を示す説明図である。
【図5】実施例3で用いる横朱子のやぶれ組織を示す説
明図である。
【符号説明】
S ステープル繊維束 S’ ステープル繊維束 B ボビン B’ ボビン K 毛羽 K’ 毛羽 Y 紡績糸 Y’ 紡績糸 1 バックローラ 2 ミドルローラ 3 エプロン 4 第1のフロントローラ 5 第2のフロントローラ 6 スピンドル 11 バックローラ 12 ミドルローラ 13 エプロン 14 フロントローラ 16 スピンドル
フロントページの続き (72)発明者 福田 昇治 岐阜県大垣市室村町3丁目74番地 鐘紡株 式会社大垣工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羊毛繊維を含む糸で製織された織物にお
    いて、前記の糸として、羊毛繊維を含むステープル繊維
    束に撚をかけて集束せしめた、該集束部の周りに、該集
    束部より延出する複数の毛羽を有する紡績糸であって、
    前記複数の毛羽のうち少なくとも一部の毛羽について、
    該毛羽の先端が前記集束部に撚込まれ、該毛羽がループ
    状に形成されてなる嵩高紡績糸を用いたことを特徴とす
    る織物。
  2. 【請求項2】 羊毛繊維を含む糸で製織された織物で、
    この織物の表面が毛羽立った状態になったフラノ調織物
    において、前記の糸として、羊毛繊維を含むステープル
    繊維束に撚をかけて集束せしめた、該集束部の周りに、
    該集束部より延出する複数の毛羽を有する紡績糸であっ
    て、前記複数の毛羽のうち少なくとも一部の毛羽につい
    て、該毛羽の先端が前記集束部に撚込まれ、該毛羽がル
    ープ状に形成されてなる嵩高紡績糸を用いたことを特徴
    とする織物。
  3. 【請求項3】 羊毛繊維を含む糸で製織された織物で、
    この織物の表面が毛羽立った状態になったミルド調織物
    において、前記織物がやぶれ組織で製織されていると共
    に、前記の糸として、羊毛繊維を含むステープル繊維束
    に撚をかけて集束せしめた、該集束部の周りに、該集束
    部より延出する複数の毛羽を有する紡績糸であって、前
    記複数の毛羽のうち少なくとも一部の毛羽について、該
    毛羽の先端が前記集束部に撚込まれ、該毛羽がループ状
    に形成されてなる嵩高紡績糸を用いたことを特徴とする
    織物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174111A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Ist Corp 分枝状タンパク質繊維及びその製造方法、並びに綿状体、分枝状タンパク質繊維紡績糸、分枝状タンパク質繊維含有紡績糸、布帛、不織布
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