JPH09187216A - 菓子用穀類粉砕物 - Google Patents

菓子用穀類粉砕物

Info

Publication number
JPH09187216A
JPH09187216A JP8018081A JP1808196A JPH09187216A JP H09187216 A JPH09187216 A JP H09187216A JP 8018081 A JP8018081 A JP 8018081A JP 1808196 A JP1808196 A JP 1808196A JP H09187216 A JPH09187216 A JP H09187216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
confectionery
crushed
durum wheat
texture
flour
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8018081A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3596968B2 (ja
Inventor
Mieko Yoshida
美恵子 吉田
Koji Yoshida
浩治 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP1808196A priority Critical patent/JP3596968B2/ja
Publication of JPH09187216A publication Critical patent/JPH09187216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3596968B2 publication Critical patent/JP3596968B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常よりも油脂含量を低減させた配合で菓子
類を製造しても、過度の粘りがなくて、歯切れのよい軽
い良好な食感、および変化に富む、良好な刺激のある歯
ごたえを有しており、風味にも優れる菓子類を製造する
ことのできる菓子用穀類粉砕物を提供すること。得るこ
とができる。 【解決手段】 粒径が350μm以上のデュラム小麦セ
モリナを30重量%以上の割合で含有する穀類粉砕物を
用いて菓子類を製造することにより上記の課題が解決さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は菓子用穀類粉砕物、
該菓子用穀類粉砕物を含有する菓子類用穀類粉砕物ミッ
クス、それらの原料を用いて菓子類を製造する方法、お
よび前記の方法により得られる菓子類に関する。より詳
細には、本発明はデュラム小麦セモリナを含有する菓子
用穀類粉砕物、それを含有する菓子類用穀類粉砕物ミッ
クス、それらの原料を用いて菓子類を製造する方法、お
よび前記の方法により得られる菓子類に関するものであ
り、本発明の菓子用穀類粉砕物または菓子類用穀類粉砕
物ミックスを用いて得られる菓子類は、油脂含量が少な
くても、過度の粘りがなくて、歯切れのよい軽い良好な
食感、および変化に富む、良好な刺激のある歯ごたえを
有しており、こくのある良好な風味を有する。
【0002】
【従来の技術】小麦粉を用いて得られる菓子類の代表例
としては、クッキー、ビスケット、クラッカー、スポン
ジケーキ、ロールケーキ、カステラ、饅頭などが挙げら
れる。それらの菓子類のうちで、クッキー、ビスケッ
ト、クラッカー類などの場合は、サクサクとしていて、
軽く、口溶けの良好なものが求められている。また、ス
ポンジケーキ、バターケーキ、ホットケーキ、カステ
ラ、饅頭などの洋菓子類や和菓子類では、一般にしっと
りとしたものが好まれる傾向にあるが、それと同時に過
度の粘り気がなくて、軽い良好な歯ごたえを有し且つ口
溶けのよいものがやはり求められている。
【0003】また、近年、食品に対する消費者の好みが
ますます多様化する傾向にあり、従来にない新しい食感
や食味を有する食品が消費者にますます強く求められて
いる。そして、その傾向は菓子類においても例外ではな
く、菓子類に対しても上記した諸特性を有すると共に従
来に無いような変化に富んでいて且つ良好な食感および
風味を有するものが強く求められている。しかしなが
ら、良好な食感および風味を保ちながら、従来の菓子類
にはない、変化に富む斬新な食感や風味を菓子類に付与
することはなかなか困難なものとなっている。
【0004】さらに、上記した菓子類のうちでも、クッ
キー、ビスケット、クラッカー、スポンジケーキ、ロー
ルケーキなどの洋菓子類では、その食感や風味を良好な
ものにするために一般に多量の油脂類が用いられている
が、近年、消費者の低カロリー志向がますます強まる傾
向にあり、それらの菓子類においても油脂類の使用量を
低減しながら良好な食感および風味を付与することが求
められている。かかる点から、粒径100〜300μの
小麦粉を20〜100重量%含む粗粒小麦粉に、その1
3〜20重量%の油脂と、砂糖および膨剤を添加したも
のを使用して、油脂含量の低減されたクッキー類を製造
することが提案されている(特開平5−168397号
公報)。しかし、この従来法で得られるクッキー類の食
感および風味は未だ充分に良好であるとは言えず、より
一層改良されたものが求められている。
【0005】
【発明の内容】上記のような状況下に本出願人は、過度
の粘りがなくて歯切れおよび口溶けが良く、しかも良好
な風味を有する菓子類やパン類などのベーカリー製品を
得ることを目的として検討を重ねてきた。その結果、冷
凍ケーキ類、冷凍パイ類、冷凍パン類などの冷凍ベーカ
リー製品の製造に当たって、その主要原料である穀粉類
としてデュラム小麦粉の含有割合が30重量%以上のも
のを使用するとよい結果が得られことを見出して先に出
願した(特開平6−153769号公報)。また、本出
願人は、ピザ台の製造に当たってデュラム小麦粉の配合
割合が30〜70重量%である小麦粉を使用すると、過
度の粘りがなくて歯切れおよび口溶けがよく、かつ適度
の硬さを有するピザ台が得られることを見出して先に出
願した(特開平3−91435号)。
【0006】そして、上記した従来技術および上記した
本出願人自身の発明などを踏まえて、本発明者らがさら
に研究を続けた結果、特定粒径以上のデュラム小麦セモ
リナを用いて菓子類を製造すると、通常よりも油脂含量
が少なくても、過度の粘りがなく、歯切れがよくて、軽
い、良好な食感および風味を有し、しかも小麦粉を用い
る従来の菓子類とは異なる変化に富む刺激のある良好な
歯ごたえを有する菓子類が得られることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、粒径が350μm以
上のデュラム小麦セモリナを30重量%以上含有するこ
とを特徴とする菓子用穀類粉砕物である。そして、本発
明は、上記の菓子用穀類粉砕物を含有する菓子類用穀類
粉砕物ミックスである。さらに、本発明は上記の菓子用
穀類粉砕物または菓子類用穀類粉砕物ミックスを用いて
菓子類を製造する方法である。そして、本発明は上記の
方法により得られる菓子類を包含する。
【0008】
【発明の実施の形態】ここで、本発明でいう「菓子類」
とは、小麦粉および/または小麦粉以外の穀粉類を主原
料として用いて製造されたものをいい、特に従来油脂を
多く使用する菓子類をさす。本発明における菓子類の代
表例としては、クッキー、ビスケット、クラッカー類、
スポンジケーキ、バターケーキ、パイ、各種饅頭類、ど
らやき、今川焼、たいやき、カステラ、ホットケーキ、
カリントウなどを挙げることができる。そのうちでも、
クッキー、ビスケット、バターケーキなどの通常油脂含
量が多い菓子類でその油脂含量を減らした場合に特に好
ましい。そして、本発明でいう「菓子用穀類粉砕物」と
は、小麦粉および/または他の穀粉類を用いて製造され
た前記の菓子類を製造するのに用いる穀類粉砕物をい
う。また、「菓子類用穀類粉砕物ミックス」とは、前記
した本発明の菓子用穀類粉砕物に穀類粉砕物以外の他の
添加剤を混合してなる菓子類用穀類粉砕物ミックスをい
う。
【0009】従来、菓子類の製造には一般に薄力小麦粉
が多く使われており、場合によっては中力小麦粉や強力
小麦粉なども使用されているが、それらの小麦粉は、植
物学的に分類した場合にいずれも「普通系小麦」に属す
る6組のゲノムを有する小麦を製粉して得られたもので
ある。そして、そのような普通系小麦の代表例として
は、アメリカ産のウエスタン・ホワイト・ホィート、オ
ーストラリア産のソフトなどの蛋白質含有量の少ない薄
力系小麦;日本産農林61号、ホロシリコムギ、オース
トラリア産スタンダード・ホワイトなどの蛋白質含量の
中程度の中力系小麦;アメリカ産のハード・レッド・ウ
インター・ホィート、ハード・レッド・スプリング・ホ
ィート、カナダ産のウエスタン・レッド・スプリング・
ホィート、オーストラリア産のプライム・ハードなどの
高蛋白質含量の強力系や準強力系の小麦を挙げることが
できる。
【0010】これに対して、本発明においてセモリナの
形態で用いるデュラム小麦は、植物学的に分類した場合
に「二粒系小麦」に属し、4組のゲノムを有している点
で、上記した普通系小麦と種類が異なる。デュラム小麦
は米国のノースダコタ州を中心にモンタナ州およびサウ
スダコタ州の諸州を主要生産地として産出され、その他
米国以外の国でも産出されているが、硝子質粒を60%
以上(大半のものが75%以上)含有し、その蛋白含有
率も平均で14%を越える硬質で高蛋白質含量の小麦で
ある。かかるデュラム小麦は、その黄色色素の高含量や
高硬度等の特性から、これまでは特に硬質で弾力性のあ
る食感が要求されるスパゲッティやマカロニ等のパスタ
類の製造にセモリナの形態で主として用いられている。
【0011】そのため、デュラム小麦を菓子類やパン類
への使用は本出願人の上記した2つの出願以外には従来
殆ど知られていない。そして、本出願人による該2つの
出願においても、従来技術におけるのと同様にデュラム
小麦を小麦粉の形態にして用いており、かかる点でデュ
ラム小麦をセモリナの形態で用いる本発明とは大きく異
なっている。また、菓子類の製造に当たっては従来小麦
粉が用いられており、粉に粉砕する前のセモリナを用い
ることは行われておらず、セモリナの使用は菓子類の食
感および風味の低下、菓子類製造時の作業性の低下など
をもたらすものとして従来その使用が全く考慮されてお
らず、かかる点から、デュラム小麦のセモリナを菓子類
の製造に用いることにより得られる、本発明者らが見出
した上記した優れた効果は全く予想外のことであった。
【0012】そして、本発明の菓子用穀類粉砕物は、粒
径が350μm以上のデュラム小麦セモリナ(以下これ
を「デュラム小麦セモリナ(350μm以上)」とい
う)を30重量%以上の割合で含有していることが必要
であり、粒径が350μm以上のデュラム小麦セモリナ
を30〜50重量%の割合で含有しているのが好まし
い。菓子用穀類粉砕物におけるデュラム小麦セモリナ
(350μm以上)の含有量が30重量%未満である
と、油脂類を低減した菓子類を製造する場合に、粘りが
強くなって、口溶け、歯切れが悪くて食感が劣り、しか
も風味も劣る菓子類しか得られなくなる。本発明の菓子
用穀類粉砕物におけるデュラム小麦セモリナの粒径の上
限値は特に制限されないが、粒径が800μm以下、特
に680μm以下であるのが、菓子類を製造する際の作
業性、得られる菓子類の食感および風味などの点から好
ましい。
【0013】ここで、本発明における菓子用穀類粉砕物
中におけるデュラム小麦セモリナ(350μm以上)の
含有量や、菓子用穀類粉砕物における粒度分布は、下記
に記載する方法で測定したときの値をいう。 [菓子用穀類粉砕物の粒度分布の測定法]菓子用穀類粉
砕物200gをテスト篩[東京製麺機(株)製 振動
篩]を用いて各目開きの篩を重ねたもので1分間篩い分
けて、その粒度分布を測定する。
【0014】本発明の菓子用穀類粉砕物は、デュラム小
麦セモリナ(350μm以上)の含有量が上記した30
重量%以上である限りは、その調製法、その組成などは
特に制限されない。市販のデュラム小麦セモリナをデュ
ラム小麦セモリナ(350μm以上)の含有量が30重
量%以上になるように適宜粒度調整して用いてもよい。
また、菓子用穀類粉砕物中におけるデュラム小麦セモリ
ナ(350μm以上)の割合が30重量%未満である場
合は、その菓子穀類粉砕物を分級処理して、粒径が35
0μm未満の部分の一部または全部を除いて、デュラム
小麦セモリナ(350μm以上)の含有量が30重量%
以上になるようにして、それを用いて菓子類を製造する
とよい。
【0015】また、本発明の菓子用穀類粉砕物は、例え
ば、デュラム小麦セモリナ(350μm以上)の含有量
が30重量%以上である限りは、その穀類粉砕物の原料
組成は特に制限されず、例えば、デュラム小麦セモリナ
100%であっても、デュラム小麦セモリナとデュラム
小麦粉との混合物であっても、デュラム小麦セモリナと
薄力小麦粉、中力小麦粉および強力小麦粉の1種以上と
の混合物であっても、デュラム小麦セモリナと薄力小
麦、強力小麦のセモリナとの混合物であっても、デュラ
ム小麦セモリナと小麦粉以外の穀粉類(例えば大麦粉、
ライ麦粉、ソバ粉、コメ粉、小豆粉、大豆粉、コーンフ
ラワーなど)の1種以上との混合物であっても、デュラ
ム小麦セモリナと小麦粉および前記した小麦粉以外の穀
粉類の混合物などであってもよく、製造を目的とする菓
子類の種類などに応じて、適当なものを選べばよい。本
発明の菓子用穀類粉砕物が、デュラム小麦セモリナとデ
ュラム小麦粉、他の穀粉や他のセモリナなどの混合物で
ある場合は、デュラム小麦セモリナと他の穀粉類とを予
め混合しておいて貯蔵、流通、販売などを行っても、ま
たは菓子類の製造時に混合してもよい。
【0016】また、本発明では、上記した菓子用穀類粉
砕物に対して、製造を目的とする菓子類の種類などに応
じて、菓子類の製造に通常用いられている添加剤、例え
ば、食塩;ベーキングパウダー;砂糖、蜂蜜、水あめ、
その他の糖類;牛乳、脱脂粉乳、コンデンスミルク、そ
の他の乳製品;ショートニング、バター、マーガリン、
ラード、植物油、その他の動植物性油脂類;卵や卵製
品;香辛料;ガム類などの保水剤;乳化剤;活性グルテ
ンなどの蛋白強化剤;ビタミン、ミネラル、アミノ酸な
どの栄養強化剤;保存剤などのうちの1種または2種以
上を用いて菓子類を製造するとよい。そして、デュラム
小麦セモリナ(350μm以上)の含有量が30重量%
以上である菓子用穀類粉砕物を用いる本発明による場合
は、上記した添加剤のうちでも、特に油脂類の使用量を
従来の菓子類におけるよりも低減させることができ、油
脂類を低減しても食感および風味に優れる菓子類が得ら
れる。
【0017】また、デュラム小麦セモリナ(350μm
以上)を30重量%以上含有する菓子用穀類粉砕物に上
記した他の添加剤を混合する場合に、その混合物が保存
性や取り扱い性の良好な乾燥粉末やその他の形態である
場合は、菓子類用穀類粉砕物ミックスとして貯蔵、流
通、販売してもよく、したがって本発明はデュラム小麦
セモリナ(350μm以上)の含有量が30%以上の菓
子用穀類粉砕物に上記した添加剤を混合した菓子類用穀
類粉砕物ミックスをも本発明の範囲に包含する。また、
上記した添加剤の菓子用穀類粉砕物への添加は、勿論菓
子類の製造時に行ってもよい。
【0018】そして、本発明の菓子類の製造に当たって
は、その製造方法、製造条件、製造装置、製造後の後処
理工程など特に制限されず、それぞれの菓子類の種類お
よび形態などに応じて、従来から知られている製造方
法、製造条件、製造装置、処理工程などを採用して製造
することができるが、特に、通常油脂含量が多い菓子類
であってその油脂含量を低減した菓子類に適用すると好
適である。限定されるものではないが、例えばクッキー
を製造する場合は、本発明の菓子用穀類粉砕物に、バタ
ーやマーガリンなどの油脂類をできるだけ低減して加
え、さらに砂糖等の糖類、食塩、卵、ベーキングパウダ
ーなどの添加剤と共に水を加えて生地を製造し、それを
クッキー型に成形して常法にしたがって焼成することに
より本発明のクッキーを製造することができる。
【0019】
【実施例】以下に例を挙げて本発明について具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下
の例では、特に断らない限り、%は重量%を、部は重量
部を表す。
【0020】《参考例1〜5》 (1) デュラム小麦セモリナ(日清製粉株式会社製
「レオーネB」)を篩い分けした後、再構成(再配合)
して下記の表1に示す粒度分布になるようにして、参考
例1、参考例2および参考例4に示すデュラム小麦由来
の粉砕物をそれぞれ調製した。 (2) 市販の薄力粉(日清製粉株式会社製「フラワ
ー」)の粒度分布を上記した方法で測定したところ、下
記の表1に示すとおりであった(参考例3)。 (3) 薄力小麦粉の製粉工程途中からサンプリング
し、再構成(再配合)して、表1の参考例5に示す粒度
分布を有する薄力小麦セモリナを調製した。
【0021】
【表1】 粒 度 分 布 参考例 穀類粉砕物の種類 150μm未満 150μm以上350μm未満 350μm以上 1 デュラム小麦セモリナ 9% 41% 50% 2 デュラム小麦セモリナ 8% 62% 30% 3 薄力粉 6% 94% 0% 4 デュラム小麦粉 50% 50% 0% 5 薄力小麦セモリナ 11% 49% 40%
【0022】《実施例1〜2および比較例1〜3》 (1) 下記の表2に記載する通常よりも油脂類を低減
させたクッキー配合を用いて、以下のクッキー製造工程
によってクッキーを製造した。
【0023】
【表2】 クッキー配合 穀類粉砕物1) 100部 マーガリン 16部 砂 糖 16部 食 塩 1部 全 卵 10部 ベーキングパウダー 3部 水2) 10〜30部 1) 参考例1〜5のデュラム小麦セモリナ、薄力粉、デ
ュラム小麦粉、または薄力小麦セモリナ 2) 穀類粉砕物の種類により10〜30部の範囲で加減
してほぼ同じ硬さの生地を調製
【0024】[クッキーの製造工程]マーガリンをよく
撹拌してクリーム状にし、これに砂糖および食塩を加え
てさらに撹拌してクリーム状にした後、卵を加え、次い
で水を加えた後、最後に穀類粉砕物とベーキングパウダ
ーを加えて全体を撹拌してクッキー用の生地をつくり、
この生地を直径50mm、厚さ4mmの円形に成形(型
抜き)して、210℃のオーブンで10分間焼成してク
ッキーを製造した。
【0025】(2) 上記(1)で得られたクッキーの
品質(食感および風味)を下記の表3に示す評価基準に
したがって10名のパネルに点数評価してもらい、その
平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであっ
た。
【0026】
【表3】 クッキーの品質の評価基準 食 感: 5点 :非常にさくさくしていて軽い食感であり、かつ変化に富む良好な 刺激のある歯ごたえを有しており、極めて良好な食感である 4点 :かなりさくさくしていて軽い食感であり、かなり刺激のある歯ご たえを有しており、良好な食感である 3点 :少しさくさくしていてやや軽い食感である 2点 :さくさく感が少なく、硬く、かなり重い食感である 1点 :全くさくさく感がなく、極めて硬く、重い食感であり、のどごし が悪い ○風 味: 5点 :非常にこくがあり、風味が極めて良好である 4点 :こくがあり、風味がかなり良好である 3点 :少しこくがあり、風味がほぼ良好である 2点 :こくが少なく、風味がかなり劣る 1点 :こくが全くなく、風味が極めて劣る
【0027】
【表4】 穀類粉砕物の種類 クッキーの品質 食 感 風 味 実施例1 参考例1(デュラム小麦セモリナ) 4.8 4.6 実施例2 参考例2(デュラム小麦セモリナ) 4.3 4.2 比較例1 参考例3(薄力粉) 1.1 1.7 比較例2 参考例4(デュラム小麦粉) 1.1 1.6 比較例3 参考例5(薄力小麦セモリナ) 2.5 3.1
【0028】上記の表4の結果から、デュラム小麦セモ
リナ(350μm以上)の含有量が30%以上である参
考例1または参考例2の穀類粉砕物(デュラム小麦セモ
リナ)を用いてクッキーを製造した場合には、従来のク
ッキー配合におけるよりも油脂(マーガリン)の使用量
が極めて低減されているにも拘わらず(従来法による場
合は通常クッキー用穀粉類100部当たり油脂約30〜
50部)、さくさくとしていて軽い食感であり、かつ変
化に富む良好な刺激のある歯ごたえを有し、しかも風味
にも優れるクッキーが得られることがわかる。これに対
して、参考例3の通常の薄力粉、参考例4のデュラム小
麦粉または参考例5の薄力小麦セモリナをそれぞれ用い
ている比較例1〜3の場合には、油脂(マーガリン)の
使用量を低減してクッキーを製造した場合には、さくさ
く感がなくて食感が不良であり、しかもこくがなくて風
味に劣るクッキーしか得られないことがわかる。
【0029】《実施例3〜4および比較例4》 (1) 参考例1または2で調製したデュラム小麦セモ
リナと、参考例3の薄力粉または参考例4のデュラム小
麦粉を下記の表5に示す割合で配合した穀類粉砕物を用
いて、上記の表2に示したのと同じクッキー配合によっ
て実施例1と同様にしてクッキーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたクッキーの品質を上記の
表3に示した評価基準にしたがって10名のパネルに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表5に示すとおりであった。
【0030】
【表5】 実施例3 実施例4 比較例4 [穀類粉砕物の内容] ○ブレンド内容1) 参考例1:参考例3 参考例1:参考例4 参考例2:参考例3 70部:30部 70部:30部 70部:30部 ○粒度分布: 150μm未満 8% 21% 7% 150μm〜530μm未満 57% 44% 72% 350μm以上 35% 35% 21% [クッキーの品質] 食 感 4.6 4.7 2.9 風 味 4.6 4.5 2.8 1) 参考例1:デュラム小麦セモリナ 参考例2:デュラム小麦セモリナ 参考例3:薄力粉 参考例4:デュラム小麦粉
【0031】上記の表5の結果から、デュラム小麦セモ
リナ(350μm以上)の含有量が30%以上である穀
類粉砕物を用いて得られる実施例3および4のクッキー
は、従来のクッキー配合におけるよりも油脂(マーガリ
ン)の使用量が極めて低減されているにも拘わらず、さ
くさくとしていて軽い食感であり、かつ変化に富む良好
な刺激のある歯ごたえを有し、しかも風味にも優れるク
ッキーが得られること、それに対して、デュラム小麦セ
モリナ(350μm以上)の含有量が30%未満である
穀類粉砕物を用いて得られる比較例4のクッキーは、油
脂(マーガリン)の使用量を低減してクッキーを製造し
た場合には、さくさく感がなくて食感が不良であり、し
かもこくがなくて風味に劣るクッキーしか得られないこ
とがわかる。
【0032】《実施例5〜7および比較例5〜7》下記
の表7に記載するパウンドケーキミックス配合を用い
て、以下の製造工程によって、バターケーキの一種であ
る、通常よりも油脂含量を低減したパウンドケーキを製
造した。
【0033】[パウンドケーキの製造工程] (1) 下記の表7に示すパウンドケーキミックス配合
にしたがって、まず砂糖と乳化油脂をホバートミキサー
に入れて3分間混合し、これに穀類粉砕物およびベーキ
ングパウダーを加えて更に10分間混合して、パウンド
ケーキミックスを調製した。 (2) ボールに溶かしたバター30g、卵2個および
牛乳50ccを入れて泡立て器で混ぜ、これに上記
(1)で得られたパウンドケーキミックス250gを加
えて2分間よく混ぜ合わせて流動性の生地を得た。 (3) 上記(2)で得られた流動性の生地をケーキ型
に流し入れ、170℃で45分間焼成し、焼成後に型か
ら取り出して、網の上で冷却して、パウンドケーキを製
造した。 (4) 上記(3)で得られたパウンドケーキの品質
(食感および風味)を下記の表6に示す評価基準にした
がって、10名のパネルに点評価してもらい、その平均
値を採ったところ、下記の表7に示すとおりであった。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】上記の表7の結果から、デュラム小麦セモ
リナ(350μm以上)の含有量が30%以上である穀
類粉砕物を用いた実施例5〜7では、通常よりも油脂含
量を低減しているにも拘わらず、さくさくとして非常に
歯切れがよく、軽い食感で口当たりがやわらかく、しか
も非常に口溶けがよく、非常に旨みおよびこくがあっ
て、風味に優れるパウンドケーキが得られることがわか
る。これに対して、比較例5〜7は、食感および風味共
に劣るパウンドケーキしか得られないことがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明による場合は、通常よりも油脂含
量を低減させた配合によって菓子類を製造しても、過度
の粘りがなくて、歯切れのよい軽い良好な食感、および
変化に富む、良好な刺激のある歯ごたえを有しており、
こくがあって風味にも優れる菓子類を得ることができ
る。そして、本発明による場合は、従来よりも油脂類の
使用量を低減させることができるので、低カロリーの菓
子類を消費者に提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表1】 粒 度 分 布 参考例 穀類粉砕物の種類 150μm未満 150μm以上350μm未満 350μm以上 1 デュラム小麦セモリナ 9% 41% 50% 2 デュラム小麦セモリナ 8% 62% 30% 3 薄力粉 94% 6% 0% 4 デュラム小麦粉 50% 50% 0% 5 薄力小麦セモリナ 11% 49% 40%
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表5】 実施例3 実施例4 比較例4 [穀類粉砕物の内容] ○ブレンド内容1) 参考例1:参考例3 参考例1:参考例4 参考例2:参考例3 70部:30部 70部:30部 70部:30部 ○粒度分布: 150μm未満 35% 21% 34% 150μm〜350μm未満 30% 44% 45% 350μm以上 35% 35% 21% [クッキーの品質] 食 感 4.6 4.7 2.9 風 味 4.6 4.5 2.8 1) 参考例1:デュラム小麦セモリナ 参考例2:デュラム小麦セモリナ 参考例3:薄力粉 参考例4:デュラム小麦粉

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が350μm以上のデュラム小麦セ
    モリナを30重量%以上の割合で含有することを特徴と
    する菓子用穀類粉砕物。
  2. 【請求項2】 請求項1の菓子用穀類粉砕物を含有する
    菓子類用穀類粉砕物ミックス。
  3. 【請求項3】 請求項1の菓子用穀類粉砕物または請求
    項2の菓子類用穀類粉砕物ミックスを用いて菓子類を製
    造する方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の方法により得られる菓子類。
JP1808196A 1996-01-09 1996-01-09 菓子用穀類粉砕物 Expired - Lifetime JP3596968B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1808196A JP3596968B2 (ja) 1996-01-09 1996-01-09 菓子用穀類粉砕物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1808196A JP3596968B2 (ja) 1996-01-09 1996-01-09 菓子用穀類粉砕物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09187216A true JPH09187216A (ja) 1997-07-22
JP3596968B2 JP3596968B2 (ja) 2004-12-02

Family

ID=11961707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1808196A Expired - Lifetime JP3596968B2 (ja) 1996-01-09 1996-01-09 菓子用穀類粉砕物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3596968B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014161261A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Nisshin Seifun Group Inc 焼成食品の製造方法
JP2019076049A (ja) * 2017-10-26 2019-05-23 日本製粉株式会社 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014161261A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Nisshin Seifun Group Inc 焼成食品の製造方法
JP2019076049A (ja) * 2017-10-26 2019-05-23 日本製粉株式会社 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類

Also Published As

Publication number Publication date
JP3596968B2 (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4575871B2 (ja) 加圧後粉砕した穀物粉
JP3068339B2 (ja) 冷凍ベーカリー製品
JPH09149756A (ja) 冷凍パンケーキ類の製造法
KR101220418B1 (ko) 생콩가루 혼합 쌀가루 및 이를 이용한 쌀과자 제조방법
JP4693121B2 (ja) 小麦粉およびこれを使用した焼き菓子
JP2019076049A (ja) 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類
JP3987227B2 (ja) 菓子類用小麦粉組成物
JP6813408B2 (ja) 小麦ふすまを用いたパン類の製造方法
KR20170055802A (ko) 쌀가루와 전분을 포함하는 글루텐 무첨가 빵과 그 조성물 및 제조방법
KR100763281B1 (ko) 찰보리를 이용한 제과류의 제조방법 및 그 방법에 의하여얻어지는 제과류
JP2004049041A (ja) 可塑性糖/たん白組成物及びそれを使用した食品の製造法
JP3596968B2 (ja) 菓子用穀類粉砕物
JP6862320B2 (ja) クッキー類用又は層状食品用のデュラム小麦粉、及び当該デュラム小麦粉を含有するクッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物
JP6680667B2 (ja) 小麦ふすま素材およびこれを用いたパン類の製造方法
JP2003038089A (ja) ベーカリー製品の製造方法
JPH09191819A (ja) パン類用穀粉及びパン類
JPH1028515A (ja) 冷凍パン及び冷凍中華饅頭並びにそのミックス組成物
JP2002527044A (ja) パン類中の全卵液の一部を粉末状卵白またはその他を含む組成物で置換するための方法及び組成物
JPH09191818A (ja) 洋菓子類用穀粉及び洋菓子類
JP7187424B2 (ja) デュラムバイタルグルテン含むパンケーキ用小麦粉組成物
JP7474605B2 (ja) クレープ用穀粉組成物、クレープ用生地及びクレープ
JP7195988B2 (ja) 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類
JP4276604B2 (ja) 発酵食品製造用ミックス粉、それを使用して製造した発酵食品及び発酵食品の製造方法
JP3667484B2 (ja) ピザ台用プレミックス及びこれを用いたピザ台
JPH0391435A (ja) ピザ台およびピザパイ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070917

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term