JP6862320B2 - クッキー類用又は層状食品用のデュラム小麦粉、及び当該デュラム小麦粉を含有するクッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物 - Google Patents

クッキー類用又は層状食品用のデュラム小麦粉、及び当該デュラム小麦粉を含有するクッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物 Download PDF

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Description

本発明は、クッキー類用又は層状食品用のデュラム小麦粉、及び当該デュラム小麦粉を含有するクッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物及び生地並びにこれらを使用するクッキー類又は層状食品に関する。
特許文献1では、粒径が350μm以上のデュラム小麦セモリナを30重量%以上の割合で含有することを特徴とする菓子用穀類粉砕物が開示されている(請求項1)。この効果として、通常よりも油脂含量が少なくても、過度の粘りがなく、歯切れがよくて、軽い、良好な食感および風味を有し、しかも従来の菓子類とは異なる変化に富む刺激のある良好な歯ごたえを有する菓子類が得られること(段落〔0006〕〔表3〕)が開示されている。一方で、粒径が小さくなると、具体的には、粒径が350μm以上の粒子を含まないデュラム小麦粉(参考例4)を用いるとクッキーの食感は、「全くさくさく感がなく、極めて硬く、重い食感であり、のどごしが悪い」と、品質が著しく低下することが開示されている(表1、3、及び4、特に比較例2)。
また、特許文献2は、粒径350μm以上の粒子が10重量%未満であるデュラム小麦粉2〜50重量%、及びデュラム小麦粉以外の小麦粉98〜50重量%からなる菓子類用小麦粉組成物に関する発明であり、具体的には、当該小麦粉組成物により、ソフトで口溶けが良いスポンジケーキ、カステラ、バターケーキが得られることが開示されている(〔実施例〕)。
特許文献3では、デュラム小麦由来のセモリナ画分を粉砕したデュラム小麦粉であって、その平均粒径が60〜100μm(特に約80μm及び約75μm)、粒径200μm以下が90質量%以上であって、かつ損傷澱粉量が6.0〜9.5質量%である、デュラムセモリナ由来小麦粉が開示されている(段落〔0006〕、〔0010〕、製造例1〜2)。そして、当該デュラム小麦粉を用いることで、ソフトで口溶けが良い食パン(イースト発酵食品)が得られることが具体的に開示されている(〔実施例〕)。
特開平9−187216号公報 特開2000−184848号公報 特開2009−11277号公報
クッキー類や層状食品では、サクサクとした食感が志向される傾向にある。しかしながら、サクサクとした食感を求め過ぎると製品自体の崩れやすさを招き易く、一方で製品に硬さを求めると製品の口溶けが悪くなるといった問題が生じる。
これに対し、本発明者は、従来技術の方向性とは異なり、サクサクとした食感とは異なる歯脆い食感を有し、かつ口溶けにも優れるクッキー類及び層状食品を追求した。
すなわち、本発明は、歯脆い食感であり、かつ口溶けに優れるクッキー類及び層状食品を提供することを主目的とする。
ここで、本発明でいう「歯脆い食感」とは、所謂「サクサクとした食感」(サクミとも称される食感)とは異なり、口の中でホロホロと崩れるような崩壊感を伴う食感のことである。また、本発明において、特に製品表面に一定の硬さがあると、噛んだ時からの崩壊感がより強調されるため、歯脆さに優れるようになる。
特許文献1〜3は、何れもデュラム小麦由来のセモリナや小麦粉を用いて、菓子類やイースト発酵食品の食感を良好にする改良技術であるが、何れも本発明が目指す食感の方向性とは異なり、本発明の動機付けとはなり得ない。
さらに、一般的に、デュラム小麦粉は、タンパク質含量が多く硬質で歯ごたえのある食感を得やすいため、スパゲッティ等の原料として主に使用されており、デュラム小麦粉は強力粉と同程度に蛋白質含有量が高いので、薄力粉を用いる菓子類には適していないとされている。
本発明者は、鋭意検討した結果、損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を使用することで、歯脆さと口溶けとの両方を有する新たな食感のクッキー類及び層状食品を得ることができ、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
本発明は、損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満である、クッキー類用又は層状食品用のデュラム小麦粉である。
本発明は、損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を含む、クッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物である。
本発明は、損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を使用する、クッキー類用又は層状食品用の生地である。
本発明は、損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を使用する、クッキー類又は層状食品である。
前記デュラム小麦粉を穀粉全量中1〜70質量%含むものであってもよい。
前記生地が、層状生地であってもよい。
本発明によれば、歯脆い食感であり、かつ口溶けに優れるクッキー類及び層状食品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.本実施形態に係るデュラム小麦粉
本実施形態に係るデュラム小麦粉は、デュラム小麦を1種類、又は2種類以上を組み合わせた原料小麦を製粉して得られる小麦粉であり、損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満である。
本実施形態に係るデュラム小麦粉は、メジアン径(以下、「D50」ともいう)が20μm以上60μm未満である。当該メジアン径の上限値は、好ましくは58μm以下であり、より好ましくは55μm以下である。また、当該メジアン径の下限値は、好ましくは25μm以上であり、より好ましくは30μm以上である。当該数値範囲内にすることにより、サクサクとした食感とは異なる歯脆い食感を有し、かつ口溶けに優れる、新食感のクッキー類又は層状食品を得ることができる。
上記メジアン径は、例えば、株式会社日本レーザー製「レーザー回折式粒子径分布測定装置HELLOS&RODOS」を用いて乾式で測定でき、体積基準での積算分析曲線の50%に相当する粒子径を示したものである。
本実施形態に係るデュラム小麦粉は、損傷澱粉量が15%以下である。当該損傷澱粉量は、1〜15%であることが好ましく、より好ましくは3〜15%であり、さらに好ましくは5〜15%であり、また、当該上限値はより好ましくは13%以下であり、また、当該下限値はより好ましくは7%以上である。これにより、サクサクとした食感とは異なる歯脆い食感を有し、かつ口溶けに優れる、新食感のクッキー類又は層状食品を得ることが可能となる。一般に、小麦を細かく粉砕しようとすると組織が破壊されるため、小麦粉の損傷澱粉量は増加する傾向があるが、本実施形態に係るデュラム小麦粉に含有される損傷澱粉量は過剰に多くないことが好ましい。
<損傷澱粉量の測定方法>
本明細書において、「損傷澱粉(以下、「DS」ともいう)量(%)」とは、デュラム小麦粉全量中の、損傷を受けた澱粉の量である。当該「損傷澱粉」とは、デュラム小麦を粉砕する時の圧力や衝撃等により、澱粉粒が機械的な損傷を受けた澱粉のことをいう。
本実施形態の「損傷澱粉量(%)」は、AACC Method 76−31に従って測定することができる。具体的には、試料中に含まれている損傷澱粉のみをカビ由来α−アミラーゼでマルトサッカライドと限界デキストリンに分解し、次いでアミログルコシダーゼでグルコースにまで分解し、生成されたグルコースを定量することにより測定する。また、市販のキット(例えば、MegaZyme製,Starch Damage Assay Kit)を用いて測定してもよい。
<デュラム小麦粉の製造方法>
上述した本実施形態に係るデュラム小麦粉は、以下に示す製造方法により得ることができる。
本実施形態に係るデュラム小麦粉の製造方法において、原料となるデュラム小麦の産地や品種等は特に限定されず自由に選択することができる。また従来のデュラム小麦よりも粒子が軟らかい「ソフトデュラム」と称されるデュラム小麦(「Transfer of Soft Kernel Texture from Triticumaestivum to Durum Wheat, Triticum turgidum ssp. Durum (CROP SCIENCE, VOL. 51 (2011))」)を使用してもよい。
デュラム小麦の粉砕には、衝撃式粉砕機、気流式粉砕機、ロール式粉砕機等の粉砕機を用いることができる。例えば、ロール粉砕の場合にはロールミル等;気流粉砕の場合には、ジェットミル等;衝撃式粉砕の場合には、ハンマーミル、ピンミル、ターボミル等が挙げられる。また、複数の粉砕方法を組み合わせた粉砕機(サイクロンミル、相対流粉砕機等)を用いることもできる。これらの粉砕機を単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、微粉化により平均粒径を小さくした場合であっても損傷澱粉量がより少ない小麦粉を得ることができるため、衝撃式粉砕機、気流式粉砕機が好ましい。
本実施形態のデュラム小麦粉は、デュラム小麦粒から常法により得られるセモリナ画分をリダクション工程で、上述した粉砕機を用いて粉砕することによって得ることができる。
前記リダクション工程で粉砕する際に微細化すること、また、前記リダクション工程で粉砕した後に篩や空気分級によって分級し、微細化された画分を回収することでメジアン径を所望の範囲にまで小さくすることや、分級機能を備えた粉砕機で粉砕することにより、本実施形態のメジアン径を有するデュラム小麦粉を得ることができる。また、必要に応じて粉砕の強度を調整することで、本実施形態の損傷澱粉量であるデュラム小麦粉を得ることができる。
本実施形態に係るデュラム小麦粉は、クッキー類又は層状食品、並びにクッキー類用又は層状食品用の生地及び小麦粉組成物に用いることができる。またクッキー類又は層状食品の食感改良効果に優れるため、これらの食感改良剤として用いることもできる。これにより、サクサクとした食感とは異なる歯脆い食感を有し、かつ口溶けに優れる新食感のクッキー類又は層状食品を提供することができる。
2.クッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物
本実施形態に係るクッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物は、上述した本実施形態に係るデュラム小麦粉を含む組成物である。「本実施形態のデュラム小麦粉」以外の原料としては、一般的にクッキー類用又は層状食品用の生地に配合される原料を含むことが好ましい。
本実施形態で使用する原料としては、例えば、穀粉が挙げられる。当該穀粉としては、本実施形態のデュラム小麦粉の他、例えば、強力粉、中力粉、薄力粉等の普通小麦由来の小麦粉(以下、「普通小麦粉」ともいう)、米粉、ライ麦粉、オーツ粉、とうもろこし粉等が挙げられる。
前記穀粉として、本実施形態のデュラム小麦粉を単独で用いることができる。また、前記穀粉として、本実施形態のデュラム小麦粉と、これ以外の穀粉の例示物から選ばれる1種又は2種以上のものとを組み合わせて用いることができる。また、前記穀粉として、本実施形態に係るデュラム小麦粉以外のデュラム小麦粉を含んでいてもよい。さらに、前記穀粉として、普通小麦及び/又はデュラム小麦のふすまを含んでもよい。
前記穀粉以外の原料としては、例えば、食塩、澱粉類、糖類、乳成分、卵成分、油脂、増粘多糖類、乳化剤、酵素製剤、無機塩類(炭酸カルシウム等)、ビタミン類、pH調整剤、保存剤、着色料、その他の食品添加物等が挙げられる。これらは目的に応じて単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態のクッキー類用又は層状食品用小麦粉組成物に含まれる本実施形態のデュラム小麦粉の割合は、クッキー類又は層状食品の種類や形態等に応じて決定すればよいが、原料穀粉の全量中、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。このような範囲にすることで、本実施形態において、歯脆い食感でありかつ口溶けに優れるクッキー類又は層状食品を製造することができる。また、クッキー類又は層状食品の種類や形態等に応じて決定すればよいが、本実施形態のデュラム小麦粉以外の原料穀粉として普通小麦粉を含むことが好ましい。
3.クッキー類又は層状食品
本実施形態に係るクッキー類又は層状食品は、本実施形態のデュラム小麦粉を含むことで、サクサクとした食感とは異なる歯脆い食感を有し、かつ口溶けにも優れるという特徴を有する。
クッキー類は、特に限定されず、例えば、クッキー、ビスケット、ショートブレッド等が挙げられる。
層状食品とは、穀粉を主体とする生地と油脂とを層状に構成した生地を焼成して得られる食品で、一般的には、パイ、デニッシュ、クロワッサン等の名称で呼ばれている食品全般を意味する。穀粉を主体とする生地と油脂とを層状に構成する手段としては、油脂を生地に折り込む工程(折り込み工程)又は練り込む工程(練り込み工程)により層を構成することが好ましい。
また、層状食品に特有の課題として、折り込み工程により油脂と生地の層を形成する際に、特に生地の伸展性が問題となる。伸展性が十分でなく、生地の縮みを生じると、折り込み作業の不良、生地の破れ、成形不良(形状が一定しない等)等の問題が生じてしまう。このような問題を生じさせないために、通常は、強力粉と薄力粉とを混合し、生地の伸展性を良好な状態にしている。
しかしながら、本実施形態のデュラム小麦粉を使用することで、伸展性のより良好な層状食品用の生地を提供することもでき、また食感の良好な層状食品を提供することもできる。
本実施形態に係るクッキー類又は層状食品は、本実施形態のデュラム小麦粉、又は、本実施形態のデュラム小麦粉を含むクッキー類用若しくは層状食品用の小麦粉組成物、また、本実施形態のデュラム小麦粉を含むクッキー類用若しくは層状食品用の生地を使用することで製造することができる。前記生地を流通及び/又は保存する目的で、冷凍生地及び/又は冷蔵生地とすることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔デュラム小麦粉の製造〕
デュラム小麦(カナダ産、ウェスタン・アンバー・デュラム)を、常法に従って精選、加水・調質(テンパリング)した後、ブレーキング工程、グレーディング工程、ピュリフィケーション工程を経てセモリナ画分を回収した。
回収したセモリナ画分を、ピンミル(160Z、槇野産業株式会社製)により粉砕し、製造例1のデュラム小麦粉を製造した。また、ピンミルの運転条件を調整することで、製造例2〜4のデュラム小麦粉を製造した。
回収したセモリナ画分を、ローターミル(ZM200、株式会社レッチェ製)により粉砕した。運転条件を調整することで、製造例5、6のデュラム小麦粉を製造した。
回収したセモリナ画分を、ハンマーミル(AP−1SH、ホソカワミクロン株式会社製)により粉砕し、製造例7のデュラム小麦粉を製造した。
なお、製造例8のデュラム小麦粉として、市販のデュラム小麦粉(市販品)である「シルクロード」(昭和産業株式会社製)を用いた。
製造例1〜8のデュラム小麦粉のメジアン径は、株式会社日本レーザー製「レーザー回折式粒子径分布測定装置HELLOS&RODOS」を用いて乾式で測定し、また損傷澱粉量は上述の<損傷澱粉量の測定方法>に従って測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0006862320
〔クッキー類:実施例1〜8、比較例1〜3、参考例1〕
製造例1〜8のデュラム小麦粉を用いて、表2及び3に示した原料配合比(質量部)にて、以下の製造工程によりクッキーを製造した。
[製造工程]
ミキサーに、バター(室温である程度溶かしたもの)、グラニュー糖、及び食塩を投入し、ビーターを使って、中速1分(かき落とし)中速2分の条件で混捏した。次いで卵黄を加えながら、中速で3〜4分混捏した後、篩った小麦粉(製造例1〜8のデュラム小麦粉、薄力粉)を加えて、低速で30秒以内の攪拌を行い、クッキー生地を調製した。
練り上がったクッキー生地を約400gに分割して厚手のビニール袋に入れて、薄く伸ばした後、冷凍庫(−18℃)にて約2時間、生地を休ませた。
硬くなった生地を手作業で練り直し後、ロール紙に包んで、長さ約40cmのロール状に成形した。これを冷凍庫(−18℃)で一晩休ませた後、約1cm厚にカットして天板に並べて、オーブンにて190℃で15分焼成した。
得られたクッキーについて、以下の基準で製品評価を行い、その結果を表2及び3に示した。
製品評価:参考例1を基準に専門パネラー10名で評価し平均点を記載した。
(1)食感(主に、歯で噛み砕く際に感じる感覚を評価)
5点 表面の硬さをしっかりと感じ、かつ非常に歯脆い食感である。
4点 基準品と異なり表面の硬さを感じ、かつ歯脆さのある食感である。
3点 基準品と同等の食感である。歯脆さよりもサクミを感じる。
2点 サクサクとした食感である。
1点 非常にサクサクとした軽い食感だが、製品が崩れて食べにくい。
(2)口溶け
5点 非常に良好
4点 良好
3点 基準品と同等
2点 やや悪い
1点 悪い
Figure 0006862320
Figure 0006862320
実施例1〜5及び比較例1〜3(表2参照)に示すようにデュラム小麦粉はDS量15%以下かつメジアン径20μm以上60μm未満のときに、表面の硬さを感じ、かつ歯脆さのある食感で、口溶けが良好な、クッキー類を得ることができた。
また、実施例1、6〜8(表3参照)に示すように、本実施形態のデュラム小麦粉及び薄力粉からなる穀粉全量中10〜70質量%のときに、従来品とは異なる、良好な食感(優れた歯脆さ、良好な口溶け)のクッキー類を得ることができた。
〔層状食品:デニッシュ:実施例9〜16、比較例4〜6、参考例2〕
製造例1〜8のデュラム小麦粉を用いて、表4及び5に示した配合にて、以下の製造工程により、デニッシュを製造した。
[製造工程]
ミキシング (オールイン)低速4分
捏上温度 23±1℃
フロアタイム 15分(室温)
リタード (0℃) 2〜18時間
ロールイン ロールイン油脂を生地に包む
折り込み 3×3×3層
圧延 6〜7mm厚
成形 スパンダワー(100×100mm角にカット)
生地重量(目安) 65〜70g
ホイロ 28℃・80%、50分
焼成前仕上げ カスタードクリームを絞る
焼成 230℃・14分
得られたデニッシュについて、以下の基準で作業性評価及び製品評価を行い、その結果を表4及び5に示した。
作業性評価:参考例2を基準に評価する。
(1) 生地の伸展性
◎ 基準より伸展性に優れる
○ 基準と同等
△ 基準より伸展性やや劣るが問題なし
× 基準より劣る
製品評価:参考例2を基準に専門パネラー10名で評価し平均点を記載した。
(1)食感(主に、歯で噛み砕く際に感じる感覚を評価)
5点 表面の硬さをしっかりと感じ、かつ非常に歯脆い食感である。
4点 基準品と異なり表面の硬さを感じ、かつ歯脆さのある食感である。
3点 基準品と同等の食感である。歯脆さよりもサクミを感じる。
2点 サクサクとした食感である。
1点 非常にサクサクとした軽い食感だが、製品が崩れて食べにくい。
(2)口溶け
5点 非常に良好
4点 良好
3点 基準と同等
2点 やや悪い
1点 悪い
Figure 0006862320
Figure 0006862320
実施例9〜13及び比較例4〜6(表4参照)に示すように、デュラム小麦粉は、DS量15%以下かつメジアン径20μm以上〜60μm未満のときに、表面の硬さを感じ、かつ歯脆さのある優れた食感の層状食品を得ることができた。生地の伸展性は、メジアン径が80μm、又はDS量が20%になると基準よりも劣る結果となった。
また、実施例9、14〜16(表5参照)に示すように、本実施形態のデュラム小麦粉は、穀粉全量中10〜70質量%のときに、従来品とは異なる、良好な食感(優れた歯脆さ、良好な口溶け)の層状食品を得ることができた。
(実施例17)
製造例1のデュラム小麦粉を用いて、表6に示した配合にて、以下の製造工程により、折りパイを製造した。生地の伸展性は非常に良好であり、折り込み工程の作業性に優れていた。
得られた折りパイは、従来の折りパイとは異なる非常に歯脆い食感と良好な口溶けであった。
[製造工程]
ミキシング (オールイン)低速5分中速3分
捏上温度 19±1℃
リタード (0℃) 2〜18時間
ロールイン ロールインマーガリンを生地に包む
折り込み 4×3×4×3 計144層
成形 ピケ 80×40×2.5mm(14g程度)
焼成 210℃・15分
Figure 0006862320

Claims (7)

  1. 損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満である、クッキー類用又は層状食品用のデュラム小麦粉。
  2. 損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を含む、クッキー類用又は層状食品用の小麦粉組成物。
  3. 前記デュラム小麦粉を穀粉全量中1〜70質量%含む、請求項2記載の小麦粉組成物。
  4. 損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を使用する、クッキー類用又は層状食品用の生地。
  5. 前記生地が、層状生地である請求項4項記載の生地。
  6. 損傷澱粉量が15%以下であり、かつメジアン径が20μm以上60μm未満であるデュラム小麦粉を使用する、クッキー類又は層状食品。
  7. 前記デュラム小麦粉を穀粉全量中1〜70質量%使用する、請求項6記載のクッキー類又は層状食品。
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