JPH09186101A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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JPH09186101A
JPH09186101A JP30742696A JP30742696A JPH09186101A JP H09186101 A JPH09186101 A JP H09186101A JP 30742696 A JP30742696 A JP 30742696A JP 30742696 A JP30742696 A JP 30742696A JP H09186101 A JPH09186101 A JP H09186101A
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aluminum
film
forming
gate electrode
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JP30742696A
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English (en)
Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムで構成された電極や配線への確
実なコンタクトを形成する。 【解決手段】 アルミニウムでなるゲイト電極110へ
のコンタクトホールの形成後、その表面に形成された自
然酸化膜をウェット処理で除去すると同時に無電解メッ
キによってニッケル膜119を成膜する。こうすること
で、ゲイト電極110と外部引出し配線とのコンタクト
を確実なものとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする電極や
配線に対して配線用のコンタクトを形成する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5に示すような作製工程で作製される
薄膜トランジスタが知られている。図5に示される薄膜
トランジスタは、ガラス基板上に形成されるもので、O
FF電流の小さい特性を有する。OFF電流の小さいと
いうことは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置や
その他薄膜集積回路に利用する場合に非常に重要な要素
である。
【0003】図5に示す薄膜トランジスタは、チャネル
形成領域とソース/ドレイン領域との間にオフセットゲ
イト領域という電気的な緩衝領域を形成することによ
り、OFF電流特性を改善するものである。図5に示す
ような構成は、例えば特開平4─360580号公報に
記載されている。
【0004】以下に図5に示す薄膜トランジスタの作製
工程を簡単に示す。まず、ガラス基板201を用意し、
その表面にスパッタ法やプラズマCVD法によって、酸
化珪素膜202を成膜する。この酸化珪素膜は、ガラス
基板中から不純物等が拡散しないようにするための下地
膜である。そして非晶質珪素膜をプラズマCVD法や減
圧熱CVD法で成膜する。
【0005】さらに必要に応じて、加熱処理やレーザー
光の照射を行い、非晶質珪素膜を結晶化させ結晶性珪素
膜を得る。なお、特性の低さを許容するならば、非晶質
珪素膜のままでよい。
【0006】次に非晶質珪素膜をパターニングすること
により、薄膜トランジスタの活性層203を形成する。
活性層203を形成したら、ゲイト絶縁膜として機能す
る酸化珪素膜204をプラズマCVD法やスパッタ法に
よって成膜する。そして、アルミニウムの膜を成膜し、
さらにパターニングを施すことにより、ゲイト電極20
5を形成する。このゲイト電極205は、1層目の配線
と呼ばれる。(図5(A))
【0007】次に電解溶液中において、ゲイト電極20
5を陽極とした陽極酸化を行い、ゲイト電極205の周
囲に陽極酸化膜206を形成する。図5に示す薄膜トラ
ンジスタの構成においては、この陽極酸化膜206を形
成する技術が重要なポイントとなる。(図5(B))
【0008】そして、図5(C)に示すようにソース/
ドレイン領域を形成するための不純物イオン(ここでは
P(リン)イオンとする)をイオン注入法またはプラズ
マドーピング法で注入する。
【0009】この工程において、ゲイト電極205とそ
の周囲の陽極酸化膜206とがマスクとなり、その下に
は不純物イオンが注入されない。また、207と210
の領域には、不純物イオンが注入される。この結果、2
07をソース領域、210をドレイン領域とすることが
できる。そして、不純物イオンの注入されない領域20
8をオフセットゲイト領域とすることができる。さらに
209の領域をチャネル形成領域とすることができる。
【0010】図5(C)に示す不純物イオンの注入工程
は、自己整合的に行うことができるので、マスク合わせ
等の煩雑な工程が必要とされず、極めて生産性に優れ、
また素子毎の特性のバラツキ等のないものを得ることが
できる。
【0011】図5(C)に示すイオン注入工程の後、層
間絶縁膜として酸化珪素膜211を成膜する。そして、
コンタクトホールの形成を行い、ソース電極212、ド
レイン電極213を形成する。また同時にゲイト電極2
05からの引き出し電極214を形成する。
【0012】なお、図面では、ソース/ドレイン電極2
12、213とゲイト電極205からの引き出し電極2
14とが同一の垂直断面内に形成されているかの如く記
載されているが、実際には、ゲイト電極205からの引
き出し電極214は、図面の手前側または向こう側に存
在している。なお、これらソース/ドレイン電極やゲイ
ト電極からの引き出し電極は2層目の配線と呼ばれる。
【0013】図5にその作製工程を示す薄膜トランジス
タは、その特性やオフセットゲイト領域の作製方法にお
いて優れたものである。また、大面積のアクティブマト
リクス型の液晶表示装置やその他大規模な集積回路を考
えた場合、ゲイト電極にアルミニウムを用いるというこ
とは、配線抵抗を低減させる意味で非常に有用なことと
なる。
【0014】また、図5に示す構成は、ゲイト電極やゲ
イト配線が、緻密で耐圧の高い陽極酸化膜で覆われるこ
とによって、層間絶縁膜上に形成される各種配線とのリ
ークや相互作用の問題を大きく改善することができると
いう利点も有している。
【0015】このように図5に示す薄膜トランジスタ
は、非常に有用なものであるが、図5(D)に示す工程
において極めて困難な状況に直面する。図5(D)に示
す工程においては、ソース/ドレイン電極212、21
3のためのコンタクトホールの形成と、ゲイト電極20
5の引き出し電極214のためのコンタクトホールの形
成とを行わなければならない。
【0016】ソース/ドレイン電極212、213のた
めのコンタクトホールの形成は、除去しなければならな
い膜が、酸化珪素膜211と酸化珪素膜204であるか
ら、フッ酸系のエッチャント、例えばバッファーフッ酸
(BHF)を用いたウエットエッチングによって比較的
容易に行うことができる。
【0017】バッファフッ酸は、珪素に対するエッチン
グレートが酸化珪素に対するエッチングレートに比較し
て著しく小さいので、活性層203までエッチングが進
行した状態でエッチングを終了することができる。即
ち、活性層203をエッチングストッパーとして利用す
ることができる。
【0018】また引き出し用の電極214のためのコン
タクトホールの形成には、酸化珪素膜211と、陽極酸
化によって形成されたアルミニウムの酸化物層(Al2
3を主成分とする)206とをエッチングしなければ
ならない。このエッチングもバッファフッ酸を用いて行
われる。
【0019】フッ酸系のエッチャントによる酸化物層2
06のエッチングの状態を図6に示す。まず図6(A)
に示されるように、フッ酸系のエッチャント(例えばバ
ッファフッ酸)酸化珪素膜211がエッンチングされて
いく。そして次にアルミニウムの酸化物層206がエッ
チングされる。
【0020】しかし、アルミニウムでなるゲイト電極2
05が露呈した段階でその表面に極薄い酸化物層302
が形成されてしまう。この酸化物層302は後のコンタ
クトの形成の際に電気的なコンタクトを阻害する存在と
なる。
【0021】このような極薄い酸化物層は空気に触れる
ことによって、容易に形成されてしまうもので、その形
成を排除することは非常に困難である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたようなアル
ミニウムでなるゲイト電極を利用することは以下に示す
ような有意性がある。
【0023】(1)電極の抵抗を低減させることができ
るので、高速動作に適する素子を形成することができ
る。特にゲイト電極から延在してゲイト配線を形成する
場合には、その配線抵抗を低減できることが有用とな
る。
【0024】(2)ゲイト電極の周囲に形成されるアル
ミニウムの酸化物層をマスクとして、イオン注入工程に
おいて自己整合的にオフセットゲイト領域を形成するこ
とができる。
【0025】(3)配線の上下間ショートやクロストー
クを減少させ、信頼性を高めることができる。
【0026】一方、上記のような有意性がある反面、ア
ルミニウムでなるゲイト電極に対するコンタクトホール
の形成に際して、アルミニウムの表面に形成されてしま
う酸化物層がコンタクトに際して障害となってしまうと
いう問題がある。
【0027】特にアルミニウムとアルミニウムとでコン
タクトをとる場合にこの問題は大きなものとなる。
【0028】本明細書で開示する発明では、この問題を
解決することを課題とする。即ち、アルミニウムを電極
や配線として利用した場合に問題となる酸化物層の存在
によるコンタクト不良の問題を解決することを課題とす
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
の一つは、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分と
する表面をハロゲン元素によりターミネートする工程
と、前記表面に導電材料によるコンタクトを形成する工
程と、を有することを特徴とする。
【0030】他の発明の構成は、アルミウニムまたはア
ルミニウムを主成分とする表面に金属の膜を形成する工
程と、ハロゲン元素を含んだエッチャントにより前記金
属の膜を除去すると同時に前記アルミニウムまたはアル
ミニウムを主成分とする表面をハロゲン元素によりター
ミネートする工程と、前記表面に導電材料によるコンタ
クトを形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0031】ハロゲン元素によりアルミニウム膜の表面
がターミネイトされた状態は、図8から確認される。
【0032】図8は、オージェ分析の結果である。図8
(A)は、クロム混酸により、アルミニウム膜の表面に
形成された陽極酸化膜を除去した後におけるアルミニウ
ム膜表面の分析結果である。図から分かるように、クロ
ム(Cr)のピークが明確に現れている。
【0033】他方、(B)に示すのは、クロム混酸によ
る陽極酸化膜の除去後にさらに1%のフッ酸によって、
アルミニウム膜の表面に形成された不動態膜を除去した
状態における計測結果である。(B)から明らかなよう
に、クロムのピークは消滅し、代わりにフッ素(F)に
ピークが現れている。
【0034】これは、フッ酸処理により、アルミニウム
膜の最表面がフッ素によってターミネイトされたことを
示していると解釈される。
【0035】本明細書で開示する他の発明の構成は、ア
ルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする表面に形
成された酸化膜を金属イオンを含んだ溶液で洗浄するこ
とにより前記酸化膜を除去するとともに前記表面に前記
金属の膜を形成することを特徴とする。
【0036】他の発明の構成は、ゲイト電極をアルミニ
ウムまたはアルミニウムを主成分とする材料で形成する
工程と、前記ゲイト電極を覆って絶縁膜を形成する工程
と、前記絶縁膜にコンタクトホールを形成し前記ゲイト
電極を露呈する工程と、金属イオンを含んだ溶液を用い
て前記露呈したゲイト電極の表面に金属膜を形成する工
程と、を有することを特徴とする。
【0037】上記構成において、溶液中にゲイト電極の
表面に形成された酸化膜を除去する成分が含有させ、金
属膜の形成と同時にゲイト電極の表面に形成された酸化
膜の除去を行うことは有用である。
【0038】他の発明の構成は、一方のアルミニウムま
たはアルミニウムを主成分とする材料と、他方のアルミ
ニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料と、を前
記一方のアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とす
る材料の表面に析出された金属膜を介して接続する工程
を有することを特徴とする。
【0039】他の発明の構成は、アルミニウムまたはア
ルミニウムを主成分とする材料と、第1の金属材料と、
を前記アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする
材料の表面に析出された第2の金属材料でなる金属膜を
介して接続する工程を有することを特徴とする。
【0040】上記構成において、金属膜の析出はアルミ
ニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料の表面に
形成されている酸化膜の除去と同時に行うことが好まし
い。
【0041】本明細書で開示する発明における金属膜を
形成する手段としては、無電解メッキを利用することが
好ましい。
【0042】
【作用】アルミニウムに対するコンタクトを形成せんと
する場合において、コンタクトがなされるべき表面をフ
ッ酸で代表されるエッチャントを利用してライトエッチ
ングすることにより、アルミニウムの露呈した表面をハ
ロゲン元素でターミネイトすることができる。
【0043】こうすることで、アルミニウムの表面に酸
化膜が形成されることを抑制することができ、後にコン
タクトを形成する際に良好なオーミックコンタクトを形
成することができる。なお、コンタクトの形成時にハロ
ゲン元素は除去されてしまうので、その存在はコンタク
トの形成に悪影響は与えない。
【0044】また、無電解メッキでアルミニウムの表面
にニッケル膜を形成することによって、アルミニウムの
表面に形成される自然酸化膜による影響を排除すること
ができる。特に上記無電解メッキをアルミニウム表面に
形成された自然酸化膜を除去する洗浄工程と同時に行う
ことで、アルミニウムの表面に形成される自然酸化膜の
悪影響を排除することができる。そして、アルミニウム
同士、またはアルミニウムと他の金属や導体、さらには
半導体との電気的なコンタクトを確実に得ることができ
る。
【0045】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例では、ガラス基板上に形成される
低OFF電流特性を有する薄膜トランジスタの作製工程
について示す。図1〜図3の本実施例に示す薄膜トラン
ジスタの作製工程について示す。
【0046】まず図1(A)に示すようにガラス基板1
01上に下地膜として2000Å厚の酸化珪素膜102
をスパッタ法またはプラズマCVD法で成膜する。
【0047】なお高価になるがガラス基板の代わりに石
英基板を利用するのでもよい。
【0048】次に図示しない非晶質珪素膜(アモルファ
スシリコン膜)を500Åの厚さに成膜する。成膜方法
はプラズマCVD法または減圧熱CVD法を用いる。こ
の非晶質珪素膜は後に結晶化して結晶性珪素膜となる。
なお膜質の良好さからは、減圧熱CVD法による成膜が
望まれる。
【0049】次に加熱処理またはレーザー光の照射、ま
たはそれらを組み合わせた方法により、上記非晶質珪素
膜を結晶化させ結晶性珪素膜を得る。そしてこの結晶性
珪素膜をパターニングすることにより後に薄膜トランジ
スタの活性層となる島状の領域103を形成する。
【0050】さらにゲイト絶縁膜104を構成する酸化
珪素膜をスパッタ法またはプラズマCVD法により10
00Åの厚さに成膜する。
【0051】こうして図1(A)に示す状態を得る。
【0052】次に図1(B)に示すように5000Åの
厚さにアルミニウム膜105をスパッタ法で成膜する。
このアルミニウム膜中には後の工程においてヒロックや
ウィスカーが発生することを抑制するためにスカンジウ
ムを0.1 重量%含有させる。
【0053】ヒロックやウィスカーはアルミニウムの異
常成長による刺状あるいは針状の突起物のことである。
【0054】次にアルミニウム膜105の表面に緻密な
陽極酸化膜を形成する。ここでは、電解溶液として3%
の酒石酸を含んだエチレングリコール溶液をアンモニア
で中和したものを用いる。そしてこの電解溶液中におい
てアルミニウム膜105を陽極として陽極酸化を行い陽
極酸化膜106を形成する。
【0055】この陽極酸化膜は緻密な膜質を有し、この
後に形成されるレジストマスクとの密着性を高めるため
に機能する。この陽極酸化膜106の厚さは100Å程
度とすればよい。なおこの緻密な陽極酸化膜106の膜
厚の制御は印加電圧によって行うことができる。
【0056】次に図1(C)に示すようにレジストマス
ク107を配置し、アルミニウム膜105とその表面の
陽極酸化膜106をエッチングする。
【0057】図1(C)に示す状態を得たら、3%のシ
ュウ酸水溶液中で再び陽極酸化を行う。この陽極酸化工
程では、多孔質状の陽極酸化膜が108で示されるよう
な状態で形成される。これは、レジストマスク107と
緻密な陽極酸化膜106が存在しているためである。こ
うして図1(D)に示す状態を得る。
【0058】この多孔質状の陽極酸化膜の成長距離は5
000Åとする。なおこの多孔質状の陽極酸化膜108
の膜厚は陽極酸化時間によって制御することができる。
【0059】この後、レジストマスク107と緻密な陽
極酸化膜106を除去する。そして再び3%の酒石酸を
含んだエチレングリコール溶液をアンモニアで中和した
ものを電解溶液として陽極酸化を行う。
【0060】この陽極酸化工程においては、電解溶液が
多孔質状の陽極酸化膜108内に侵入するので109で
示されるように緻密な陽極酸化膜が形成される。ここで
は109で示される緻密な陽極酸化膜の厚さを600Å
とする。
【0061】こうして図1(E)に示す状態を得る。こ
の状態においてアルミニウムでなるゲイト電極110が
画定する。また図からは明らかでないが、このゲイト電
極から延在してゲイト配線が同時に形成される。
【0062】このようなアルミニウムを用いた電極およ
び配線を形成することは、その抵抗値を低くすることが
できる。このことは、アクティブマトリクス型の液晶表
示装置のように大面積に微細な回路を形成しなければな
らない場合に非常に有用なこととなる。
【0063】次に露呈したゲイト絶縁膜(酸化珪素膜)
104を除去する。そして残存したゲイト絶縁膜111
を得る。
【0064】酸化珪素膜をエッチングするには、フッ酸
系のエッチャントであるフッ酸、バッファーフッ酸(B
HF)、フッ酸やバッファーフッ酸に酢酸を加えたも
の、またはこれらフッ酸系のエッチャントに界面活性剤
を加えたものを挙げることができる。
【0065】バッファーフッ酸としては、フッ化アンモ
ニウム10の割合にフッ酸1の割合で混合したものを利
用することができる。これらフッ酸系のエッチャント
は、珪素に対するエッチングレートに比較して、酸化珪
素やアルミニウムに対するエッチングレートが著しく大
きいので、酸化珪素やアルミニウムでなる材料(または
これら材料を主成分とする材料)を選択的に取り除いた
り、これら材料にコンタクトホールを形成したりする場
合に有用なエッチャントである。
【0066】また、酸化珪素膜のエッチングとして、フ
ッ素系のガス、例えばCF4 やCHF3 を用いたドライ
エッチングを用いてもよい。
【0067】こうして図1(E)に示す状態を得る。次
に多孔質状の陽極酸化膜108を除去する。こうして図
2(A)に示す状態を得る。
【0068】図2(A)に示す状態において、N型また
はP型を付与するための不純物イオンの注入を行う。こ
こでは、Nチャネル型の薄膜トランジスタを作製するた
めにP(リン)イオンの注入を行う。
【0069】この工程においては、112と116の領
域に高濃度に不純物イオンが注入され、113と115
で示される領域に低濃度に不純物イオンが注入される。
これは、残存したゲイト絶縁膜111が半透過なマスク
として機能するからである。
【0070】また114の領域には不純物イオンが注入
されない。この結果、114の領域はチャネル形成領域
として画定される。
【0071】不純物イオンの注入後、レーザー光の照射
を行い、先に不純物イオンが注入された領域の活性化と
アニールを行う。
【0072】この結果、ソース領域112、ドレイン領
域116、低濃度不純物領域113と115、チャネル
形成領域114が形成される。ここで、低濃度不純物領
域115がLDD(ライトドープドレイン)領域と呼ば
れる領域となる。
【0073】次に図2(B)に示すように層間絶縁膜1
17を成膜する。ここではプラズマCVD法で成膜され
た酸化珪素膜を層間絶縁膜117として利用する。
【0074】次に図2(C)に示すようにソース領域1
12とドレイン領域116、さらにゲイト電極110
(またはそこから延在したゲイト配線)に対してコンタ
クトホールの形成を行う。
【0075】ここでは、バッファーフッ酸によってまず
層間絶縁膜を除去し、さらにHBrガスとメタノールを
用いたドライエッチング法を用いて緻密な陽極酸化膜1
09の除去を行う。(図2(C))
【0076】さらにニッケル膜を無電解メッキによって
成膜する。ここでは、ドライエッチング後のウエット処
理時において同時に無電解メッキを行いアルミニウム膜
の表面にニッケル膜を形成する。
【0077】このウエット処理は、露呈したアルミニウ
ムの表面に形成された自然酸化膜を除去する工程を兼ね
ている。
【0078】無電解メッキを用いた場合、アルミニウム
上に選択的にニッケル膜を形成することができるので、
図2(D)に示すように118〜120で示されるニッ
ケルでなる膜を選択的に形成することができる。このニ
ッケル膜の厚さは、代表的には10〜100Å程度の厚
さとすればよい。
【0079】この無電解メッキでなるニッケル膜の形成
は、アルミニウムの表面に不可避に形成されてしまう極
薄い酸化膜(自然酸化膜)を除去するのと同時に行われ
る。一般にニッケル膜の表面に形成される自然酸化膜の
影響は無視できるので、最終的なコンタクトを確実なも
のとすることができる。
【0080】そして図3(A)に示すようにアルミニウ
ムでなる電極(配線)を形成する。ここで、アルミニウ
ムでなるゲイト電極110の表面にはニッケル膜119
が無電解メッキによって析出されているので、アルミニ
ウムでなるゲイト電極110とアルミニウムでなる取り
出し電極122とのコンタクトを良好なものとすること
ができる。
【0081】一方、121と123は、それぞれソース
電極(ソース配線)とドレイン電極(ドレイン配線)で
ある。これらの電極は、ソース領域及びドレイン領域に
対してニッケル膜118または120を介して行われ
る。このような構成は、薄膜トランジスタの動作に対し
て何ら影響を与えるものではない。
【0082】本実施例においては、121〜123で示
される引出し電極としてアルミニウムを用いた。しか
し、よりコンタクトを良好なものするためにチタン膜と
アルミニウム膜とチタン膜の積層膜を利用するのでもよ
い。
【0083】このような場合であっても、ニッケル層1
19が存在することによるアルミニウムでなるゲイト電
極110と引出し電極122とのコンタクトの良好さを
得ることができる。
【0084】〔実施例2〕本実施例は、実施例1に示し
た薄膜トランジスタと同様な構造を有する薄膜トランジ
スタをアクティブマトリクス型の液晶表示装置の画素領
域に配置する場合の作製工程を示す。
【0085】まず図2(B)に示す状態まで実施例1に
示したのと同様な作製工程に従って、薄膜トランジスタ
を作製する。
【0086】次に図4(A)に示すようにソース領域1
12とゲイト電極110に対してコンタクトホールの形
成を行い、さらに無電解メッキによってニッケル層40
1と402の形成を行う。
【0087】そして図4(B)に示すようにアルミニウ
ムでなる引出し電極403と404とを形成する。この
時、ニッケル層402が存在することで、アルミニウム
でなる引き出し電極404とアルミニウムでなるゲイト
電極110とのコンタクトを良好なものとすることがで
きる。
【0088】さらに透明な樹脂材料を用いて第2の層間
絶縁膜405を形成する。この第2の層間絶縁膜を構成
する樹脂材料としては、アクリル樹脂かポリイミドが利
用される。
【0089】この第2の層間絶縁膜は数μm程度以上と
その厚さを厚くする。また、樹脂材料であるのでその表
面を平坦にすることができる。この表面を平坦にできる
ことは、後にその上に液晶層が存在する構成とした場合
に重要なこととなる。
【0090】こうして図4(C)に示す状態を得る。次
にソース領域116に対するコンタクトホールの形成を
行い、ITOでなる画素電極406を形成する。
【0091】この画素電極406は、薄膜トランジスタ
の上方を覆うようにパターニングする。このような構成
とすることは不要な容量が増加するので一般的に好まし
いものではない。しかし、層間絶縁膜405の膜厚を数
μ程度以上と厚くすることでこの問題は回避することが
できる。
【0092】本実施例の構成を採用した場合もアルミニ
ウムでなるゲイト電極と同じくアルミニウムでなる取り
出し電極とのコンタクトを確実なものとすることができ
る。
【0093】〔実施例3〕本実施例では、アルミニウム
でなるゲイト電極のコンタクトを他の実施例とは異なる
方法により得た構成に関する。図7に本実施例の作製工
程を示す。まず、図1及び図2に示す作製工程に従っ
て、図7(A)に示す状態を得る。各部の作製工程につ
いては、特に断らない限り、図1及び図2に示すものと
同じである。
【0094】図7(A)に示す状態においては、層間絶
縁膜として酸化珪素膜117が成膜された状態が示され
ている。
【0095】図7(A)に示す状態を得たら、ドライエ
ッチング法により、コンタクト用の開口701、70
2、703を形成する。この状態において、ソース領域
への開口701とドレイン領域への開口703とが形成
される。また、ゲイト電極への開口は、陽極酸化膜10
9が露呈した状態となる。
【0096】こうして図7(B)に示す状態を得る。次
にクロム混酸を用いて、陽極酸化膜109を除去する。
クロム混酸は、酢酸と硝酸と燐酸と水とクロム酸水溶液
とを混合した溶液であり、アルミニウムの酸化物を選択
的に除去する機能を有している。
【0097】クロム混酸を用いて陽極酸化膜109を除
去すると、アルミウニム膜の表面にクロムの膜(極薄い
膜)が形成される。また、同時に不動態膜が形成され
る。具体的には、アルミニウム膜の表面に不動態膜が形
成され、さらにその上にクロム膜が形成された状態とな
る。
【0098】この膜を代表して図7(C)において70
4で示す。この状態でフッ酸を用いて不動態膜を除去す
る。この際、クロム膜も同時に除去される。そして、ア
ルミニウム膜の表面はフッ素原子によってターミネート
される。この効果は、塩素等の他のハロゲン元素を利用
した場合にも得ることができる。
【0099】不動態膜を除去したら、チタン膜とアルミ
ニウム膜とチタン膜との積層膜でなる電極705、70
6、707を形成する。この際、コンタクトとなるゲイ
ト電極110の露呈した表面がフッ素原子によってター
ミネート(終端)されているので、その部分に酸化膜が
形成されることを抑制することができる。そして、電極
706とゲイト電極110とのコンタクトを良好なオー
ミック性を有したものとすることができる。
【0100】
【発明の効果】本明細書に開示する発明を利用すること
により、アルミニウムを配線や電極に利用した場合に問
題となるコンタクト不良の問題を解決することができ
る。
【0101】アルミニウムを配線や電極として利用する
ことは、その抵抗を低減できる点で非常に有用なもので
あり、上記効果が得られることで、その実用性を非常に
高いものとすることができる。
【0102】本明細書で開示する発明は、低抵抗な電極
や配線が必要とされる大面積を有するアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置等に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜トランジスタの作製工程の概要を示す
図。
【図2】 薄膜トランジスタの作製工程の概要を示す
図。
【図3】 薄膜トランジスタの作製工程の概要を示す
図。
【図4】 薄膜トランジスタの作製工程の概要を示す
図。
【図5】 従来における薄膜トランジスタの作製工程を
示す図。
【図6】 ゲイト電極部のコンタクトを形成する状態を
示す図。
【図7】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図8】 オージェ分析の結果を示す図。
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 下地膜(酸化珪素膜) 103 活性層(結晶性珪素膜) 104 ゲイト絶縁膜(酸化珪素
膜) 105 アルミニウム膜 106 緻密な陽極酸化膜 107 レジストマスク 108 多孔質状の陽極酸化膜 109 緻密な陽極酸化膜 110 ゲイト電極 111 残存したゲイト電極 112 高濃度不純物領域(ソース
領域) 113 低濃度不純物領域 114 チャネル形成領域 115 低濃度不純物領域(LDD
領域) 116 ドレイン領域 117 層間絶縁膜(酸化珪素膜) 118、119、120 無電解メッキで形成された
ニッケル膜 121 ソース電極 122 ゲイト電極からの引出し電
極 123 ドレイン配線 401、402 無電解メッキで形成された
ニッケル膜 403 ソース電極 404 ゲイト電極からの引出し電
極 405 層間絶縁膜(透明樹脂材
料) 406 画素電極(ITO電極) 701、702、703 コンタクト用の開口 704 不動態膜とクロム膜との積
層膜 705、706、707 電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウムを主成分
    とする表面をハロゲン元素によりターミネートする工程
    と、 前記表面に導電材料によるコンタクトを形成する工程
    と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】アルミニウムまたはアルミニウムを主成分
    とする表面に金属の膜を形成する工程と、 ハロゲン元素を含んだエッチャントにより前記金属の膜
    を除去すると同時に前記アルミウニムまたはアルミニウ
    ムを主成分とする表面をハロゲン元素によりターミネー
    トする工程と、 前記表面に導電材料によるコンタクトを形成する工程
    と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】アルミニウムまたはアルミニウムを主成分
    とする表面に形成された酸化膜を金属イオンを含んだ溶
    液で洗浄することにより前記酸化膜を除去するとともに
    前記表面に前記金属の膜を形成することを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】ゲイト電極をアルミニウムまたはアルミニ
    ウムを主成分とする材料で形成する工程と、 前記ゲイト電極を覆って絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜にコンタクトホールを形成し前記ゲイト電極
    を露呈する工程と、 金属イオンを含んだ溶液を用いて前記露呈したゲイト電
    極の表面に金属膜を形成する工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、溶液中にはゲイト電極
    の表面に形成された酸化膜を除去する成分が含有されて
    おり、金属膜の形成と同時にゲイト電極の表面に形成さ
    れた酸化膜の除去を行うことを特徴とする半導体装置の
    作製方法。
  6. 【請求項6】請求項3または請求項4において、金属膜
    に接してコンタクトを形成する工程を有することを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】一方のアルミニウムまたはアルミニウムを
    主成分とする材料と、 他方のアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする
    材料と、 を前記一方のアルミニウムまたはアルミニウムを主成分
    とする材料の表面に析出された金属膜を介して接続する
    工程を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】アルミニウムまたはアルミニウムを主成分
    とする材料と、 第1の金属材料と、 を前記アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする
    材料の表面に析出された第2の金属材料でなる金属膜を
    介して接続する工程を有することを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、金属膜の析出はアルミ
    ニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料の表面に
    形成されている酸化膜の除去と同時に行われることを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010047802A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 C Uyemura & Co Ltd アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法
JP2014106539A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Boe Technology Group Co Ltd アレイ基板及びアレイ基板の製造方法、並びにディスプレイデバイス

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