JPH09177809A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

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JPH09177809A
JPH09177809A JP33937895A JP33937895A JPH09177809A JP H09177809 A JPH09177809 A JP H09177809A JP 33937895 A JP33937895 A JP 33937895A JP 33937895 A JP33937895 A JP 33937895A JP H09177809 A JPH09177809 A JP H09177809A
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JP
Japan
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wall surface
inner ring
ring
outer ring
shaft portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP33937895A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Sugiyama
達朗 杉山
Tetsuo Kadota
哲郎 門田
Noriyoshi Yamamoto
記義 山本
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転バックラッシュの防止 【解決手段】 内輪2のテーパ状内壁面2b1、2b
2、軸部4のテーパ状外壁面4b1、4b2、および、
両者の間に介装された一対のくさび部材5によって、向
きが相異なる2つの軸方向のくさびが形成される。そし
て、一対のくさび部材5の相対向した凹部5cにコイル
スプリングの両端が収容され、その弾性力によって、各
くさび部材5をそれぞれくさびの作用する方向(軸方向
反対側)に弾性的に押圧する。そのため、内輪2は一対
のくさび部材5によって外輪1の平坦面1aの側に押圧
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械における動力伝達に用いられる等速自在継手に関
し、特に、自動車等のステアリング装置に適したものに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のステアリング装置等に
使用される等速自在継手には、高作動角を取れること、
回転バックラッシュ(円周方向のガタツキ)が小さいこ
と、小型・軽量であること、さらには、低コストである
ことなどが要求される。
【0003】本出願人は、上記のような特性を備え、特
に、ステアリング装置に適した等速自在継手として図1
0〜図12に示す等速自在継手(特願平6−86075
号)、図13に示す等速自在継手{特願平3−3442
92号(特開平5−172152号)}を開発し、既に
出願している。図10〜図12に示す等速自在継手はボ
タン部材3を備え、図13に示す等速自在継手はボタン
部材を備えていないが、その他の構成については同様で
あるので、図10〜図12に示す等速自在継手につい
て、その概要を以下に説明する。
【0004】図10および図11に示すように、この既
出願に係わる等速自在継手は、軸線Xに平行な6つの平
坦面1aで囲まれた正六角形状の中空穴を有する外輪1
と、外輪1の中空穴に組み込まれた内輪2と、内輪2と
外輪1との間に介装された6つのブロック状のボタン部
材3とを主要な要素として構成される。内輪2には軸部
4がセレーション結合等され、外輪1の開口と軸部4と
の間がブーツ5で被覆されている。また、外輪1の底部
には断面コ字状のエンドプレートが装着されている。
【0005】図12に示すように、内輪2には、外輪1
の平坦面1aに対応した6つの球面状外壁面2a(同図
で右回転方向に2a1、2a2、・・・、2a6とす
る。)が形成されている。球面状外壁面2a1と球面状
外壁面2a4は、PCD(荷重がかかる中心の円:継手
を使用する負荷条件によって異なる。)と中空穴の対角
線A1との交点O1を球面中心とする半径rの球面で描
かれ、球面状外壁面2a3と球面状外壁面2a6は、P
CDと中空穴の対角線A2との交点O2を球面中心とす
る半径rの球面で描かれ、球面状外壁面2a2と球面状
外壁面2a5は、PCDと中空穴の対角線A3との交点
O3を球面中心とする半径rの球面で描かれている。3
つの球面中心O1、O2、O3は、PCD上の円周等配
位置にある。このように、各球面状外壁面2aの球面中
心が継手中心Oから所定方向に所定量だけずれた位置に
オフセットされているため、円周等配位置にある3つの
球面状外壁面2a1、2a3、2a5はそれぞれ同図で
左回転方向に偏曲し、円周等配位置にある残りの3つの
球面状外壁面2a2、2a4、2a6はそれぞれ同図で
右回転方向に偏曲した形状をなす。そして、この偏曲の
向きが円周方向に隣り合った球面状外壁面2a間で相反
した関係になる。
【0006】ボタン部材3は、軸方向縦長のブロック状
をなし、外輪1の平坦面1aに適合接触する平坦状の外
側面3aと、内輪2の球面状外壁面2aに適合接触する
球面状の内側面3bとを有する。
【0007】内輪2と外輪1との間のトルク伝達は、内
輪2の球面状外壁面2aとボタン部材3の内側面3bと
の接触部、ボタン部材3の外側面3aと外輪1の平坦面
1aとの接触部を介してなされる。例えば、図12にお
いて、駆動軸となる軸部4が同図で左回転方向に回転す
ると、円周等配位置にある3つの球面状外壁面2a1、
2a3、2a5とボタン部材3の内側面3bとの接触
部、および、球面状外壁面2a1、2a3、2a5に対
応するボタン部材3の外側面3aと外輪1の平坦面1a
との接触部を介して、軸部4→内輪2→ボタン部材3→
外輪1といった経路で回転トルクが伝達される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した等
速自在継手は、高作動角、小型・軽量、低コストで、し
かも回転バックラッシュを小さくすることが可能であ
り、ステアリング装置用等速自在継手として好適なもの
であった。
【0009】しかしながら、回転バックラッシュをより
一層低減するためには、内輪、ボタン部材、外輪の精度
を高度に管理する必要があり、そのためコスト的に不利
になることも予想される。また、精度を高度に管理した
としても、長期使用による接触面の摩耗等により、回転
バックラッシュが増大することも心配される。さらに、
回転バックラッシュを防止するために、各構成構成部材
間の隙間を詰めると、組立が面倒になるという問題もあ
る。
【0010】本発明は、上記に例示したような滑り型の
等速自在継手において、コスト面、組立性に配慮しつ
つ、回転バックラッシュを効果的に防止することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1は、内輪を複数
の分割体で構成すると共に、内輪の内壁面と、軸部の外
壁面と、両者の間に介装したくさび部材とによってくさ
びを形成し、くさび部材を弾性手段でくさびの作用する
方向に押圧することにより、内輪を外輪の平坦面側に押
圧したものである。
【0012】請求項2は、内輪を複数の分割体で構成す
ると共に、内輪の内壁面と軸部の外壁面とによってくさ
びを形成し、内輪と軸部とを弾性手段で前記くさびの作
用する方向に相互に押圧することにより、内輪を外輪の
平坦面側に押圧したものである。
【0013】上記構成において、外輪と軸部とを除く少
なくとも一の構成部材を樹脂材料で形成しても良い(請
求項3)。
【0014】請求項4は、軸線に平行な複数の平坦面で
囲まれた正多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中
空穴に組み込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平
坦面との間に介装されたボタン部材に接触する球面状外
壁面を有する内輪と、内輪に連結される軸部とを備えた
等速自在継手において、外輪と軸部とを除く少なくとも
一の構成部材を樹脂材料で形成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。尚、図10〜図12に示す従来構成に
対応する部材および部分には同一の符号を付してある。
【0016】図1および図2は、本発明の第1の実施形
態を示している。図1は全体構成を示し、図2は主要構
成部材を示している。この等速自在継手は、軸線Xに平
行な6つの平坦面1aで囲まれた正六角形状の中空穴を
有する外輪1と、外輪1の中空穴に組み込まれた3つの
内輪2と、内輪2と外輪1との間に介装された6つのブ
ロック状のボタン部材3と、内輪2の内壁面2b(2b
1、2b2)に組み込まれた軸部4と、内輪2の内壁面
2bと軸部4の外壁面4b(4b1、4b2)との間に
介装された3対のくさび部材5と、対になるくさび部材
5の間に介装された3つの弾性手段例えばコイルスプリ
ング6とを主要な要素として構成される。
【0017】各内輪2には、それぞれ、外輪1の平坦面
1aに対応した2つの球面状外壁面2aが形成されてい
る(同図で右回転方向に2a1、2a2、・・・、2a
6とする。)。球面状外壁面2a1と球面状外壁面2a
4は、PCD(荷重がかかる中心の円:継手を使用する
負荷条件によって異なる。)と中空穴の対角線A1との
交点O1を球面中心とする半径rの球面で描かれ、球面
状外壁面2a3と球面状外壁面2a6は、PCDと中空
穴の対角線A2との交点O2を球面中心とする半径rの
球面で描かれ、球面状外壁面2a2と球面状外壁面2a
5は、PCDと中空穴の対角線A3との交点O3を球面
中心とする半径rの球面で描かれている。3つの球面中
心O1、O2、O3は、PCD上の円周等配位置にあ
る。このように、各球面状外壁面2aの球面中心が継手
中心Oから所定方向に所定量だけずれた位置にオフセッ
トされているため、円周等配位置にある3つの球面状外
壁面2a1、2a3、2a5はそれぞれ同図で左回転方
向に偏曲し、円周等配位置にある残りの3つの球面状外
壁面2a2、2a4、2a6はそれぞれ同図で右回転方
向に偏曲した形状をなす。そして、この偏曲の向きが円
周方向に隣り合った球面状外壁面2a間で相反した関係
になる。
【0018】各ボタン部材3は、それぞれ、軸方向縦長
のブロック状をなし、外輪1の平坦面1aに適合接触す
る平坦状の外側面3aと、内輪2の球面状外壁面2aに
適合接触する球面状の内側面3bとを有する。
【0019】各内輪2の内壁面2bは、それぞれ、軸方
向中心を境にした2つのテーパ状内壁面2b1、2b2
で構成される{図1(b)参照}。テーパ状内壁面2b
1、2b2は、それぞれ、円周方向中心を境にして、円
周方向の相反した向きに傾斜し{図1(a)参照}かつ
軸方向の一方に傾斜した2つのテーパ面(符号省略)で
構成されるが、軸方向の傾斜の向きは、テーパ状内壁面
2b1とテーパ状内壁面2b2との間で相反している。
【0020】内輪2の内壁面2bに組み込まれる軸部4
の外壁面4bは、軸方向中心を境にした2つのテーパ状
外壁面4b1、4b2で構成される。テーパ状外壁面4
b1、4b2は、それぞれ、正六角形状の横断面を有し
{図2(a)参照}かつ軸方向の一方に傾斜している
が、軸方向の傾斜の向きは、テーパ状外壁面4b1とテ
ーパ状外壁面4b2との間で相反している。
【0021】各くさび部材5は、テーパ状外側面5aと
テーパ状内側面5bとを備えている。テーパ状外側面5
aおよびテーパ状内側面5bは、それぞれ、円周方向の
相反した向きに傾斜し{図1(a)参照}かつ軸方向の
一方に傾斜した{図1(b)参照}2つのテーパ面(符
号省略)で構成されるが、軸方向の傾斜の向きは、テー
パ状外側面4aとテーパ状内側面4bとの間で相反して
いる。また、くさび部材5の一方の端部には、コイルス
プリング6の一端を収容するための凹部5c{図2
(c)参照}が形成されている。
【0022】図1(b)に示すように、内輪2のテーパ
状内壁面2b1とこれに対応する軸部4のテーパ状外側
面4b1とは軸方向の傾斜の向きが相反し、同様に、テ
ーパ状内壁面2b2とこれに対応するテーパ状外壁面4
b2とは軸方向の傾斜の向きが相反している。くさび部
材5は、上記のようなテーパ状内壁面2b1、2b2と
テーパ状外壁面4b1、4b2との間に形成される、向
きの相異なる2つの軸方向のくさび空間に、相互間の向
きを逆にして、2個一対として介装される。一対のくさ
び部材5のテーパ状外側面5aはそれぞれ内輪2のテー
パ状内壁面2b1、2b2にテーパ嵌合し、テーパ状内
側面5aはそれぞれ軸部4のテーパ状外壁面4b1、4
b2にテーパ嵌合する。このようにして、内輪2のテー
パ状内壁面2b1、2b2、軸部4のテーパ状外壁面4
b1、4b2、および、両者の間に介装された一対のく
さび部材5によって、向きが相異なる2つの軸方向のく
さびが形成される。そして、一対のくさび部材5の相対
向した凹部5cにコイルスプリングの両端が収容され、
その弾性力によって、各くさび部材5をそれぞれくさび
の作用する方向(軸方向反対側)に弾性的に押圧する。
そのため、内輪2は一対のくさび部材5によって外輪1
の平坦面1aの側に押圧され、これにより、内輪2の球
面状外壁面2aとボタン部材3の内側面3bとの間、ボ
タン部材3の外側面3aと外輪1の平坦面1aとの間の
隙間が詰められ、円周方向のガタツキがなくなる。尚、
組立に際しては、コイルスプリング6を圧縮し、一対の
くさび部材5間の間隔を狭めた状態にすることにより、
内輪2およびボタン部材3を隙間をもって外輪1に組み
入れることができるので、組立が容易である。そして、
組み入れ後に、コイルスプリング6の圧縮を解除する
と、上記の態様で、上記構成部材相互間の隙間が詰めら
れ、円周方向のガタツキがなくなる。
【0023】軸部4と外輪1との間のトルク伝達は、軸
部4の外壁面4bとくさび部材5との接触部、くさび部
材5と内輪2の内壁面2bとの接触部、内輪2の球面状
外壁面2aとボタン部材3との接触部、ボタン部材3と
外輪1の平坦面1aとの接触部を介してなされる。
【0024】上記第1の実施形態は、軸方向のくさびを
利用して円周方向のガタツキを防止したものであるが、
図3および図4に示す第2の実施形態は、円周方向のく
さびを利用して円周方向のガタツキを防止したものであ
る。
【0025】各内輪2の内壁面2bは、それぞれ、円周
方向中心を境にして、円周方向の相反した向きに傾斜し
{図3(a)参照}かつ軸方向にストレートな{図3
(b)参照}な2つのテーパ状内壁面2b3、2b4で
構成される。
【0026】内輪2の内壁面2bに組み込まれる軸部4
の外壁面4bには、接線方向でかつ軸方向にストレート
な3つの平坦状外壁面4b3が円周等間隔に形成されて
いる{図4(a)参照}。各平坦状外壁面4b3は外壁
面4bの最外径よりも内径側に凹入しており、各平坦状
外壁面4b3の軸方向両側にはそれぞれ鍔部4c、4d
が形成される。
【0027】くさび部材5’は、テーパ状外側面5’a
と平坦状内側面5’bとを備えている。また、くさび部
材5’の一方の端部には、コイルスプリング6の一端を
収容するための凹部5’c{図4(c)参照}が形成さ
れている。
【0028】図3(a)に示すように、くさび部材5’
は、上記のような内輪2のテーパ状内壁面2b3、2b
4と軸部4の平坦状外壁面4b3との間に形成される、
向きの相異なる2つの円周方向のくさび空間に、相互間
の向きを逆にして、2個一対として介装される。一対の
くさび部材5’のテーパ状外側面5’aはそれぞれ内輪
2のテーパ状内壁面2b3、2b4にテーパ嵌合し、平
坦状内側面5’bはそれぞれ軸部4の平坦状外壁面4b
3に嵌合する。このようにして、内輪2のテーパ状内壁
面2b3、2b4、軸部4の平坦状外壁面4b3、およ
び、両者の間に介装された一対のくさび部材5’によっ
て、向きが相異なる2つの円周方向のくさびが形成され
る。そして、一対のくさび部材5’の相対向した凹部
5’cにコイルスプリング6の両端が収容され、その弾
性力によって、各くさび部材5’をそれぞれくさびの作
用する方向(円周方向反対側)に弾性的に押圧する。そ
のため、内輪2は一対のくさび部材5’によって外輪1
の平坦面1aの側に押圧され、これにより、内輪2の球
面状外壁面2aとボタン部材3の内側面3bとの間、ボ
タン部材3の外側面3aと外輪1の平坦面1aとの間の
隙間が詰められ、円周方向のガタツキがなくなる。尚、
組立に際しては、コイルスプリング6を圧縮し、一対の
くさび部材5’間の間隔を狭めた状態にすることによ
り、内輪2およびボタン部材3を隙間をもって外輪1に
組み入れることができるので、組立が容易である。そし
て、組み入れ後に、コイルスプリング6の圧縮を解除す
ると、上記の態様で、隙間が詰められ、円周方向のガタ
ツキがなくなる。
【0029】図5および図6に示す第3の実施形態は、
内輪2の内壁面2bと軸部4の外壁面4bとによって形
成した軸方向のくさびを利用して円周方向のガタツキを
防止したものである。すなわち、この実施形態において
は、上述した実施形態におけるくさび部材5(5’)が
省略され、構造のより一層の簡略が図られている。
【0030】各内輪2の内壁面2bは、それぞれ、円周
方向中心を境にして、円周方向の相反した向きに傾斜し
{図5(a)参照}かつ軸方向の一方に傾斜した{図5
(b)参照}テーパ状内壁面2b5で構成される。テー
パ状内壁面2b5の奥部側には、円板プレート7の外周
縁に係合する段部2cが形成されている。
【0031】軸部4の外壁面4bは、正六角形状の横断
面を有し{図6(a)参照}かつ軸方向の一方に傾斜し
たテーパ状外壁面4b4で構成される。また、その軸端
には、コイルスプリング6の一端を収容するための凹部
4eが形成されている。
【0032】図5(b)に示すように、内輪2のテーパ
状内壁面2b5と軸部4のテーパ状外壁面4b4とがテ
ーパ嵌合することにより、軸方向のくさびが形成され
る。そして、軸部4の凹部4eに一端が収容され、他端
が円板プレート7に当接するコイルスプリング6の弾性
力によって、内輪2と軸部4とが相互にくさびの作用す
る方向(軸方向反対側)に弾性的に押圧される。そのた
め、内輪2は軸部4によって外輪1の平坦面1aの側に
押圧され、これにより、内輪2の球面状外壁面2aとボ
タン部材3の内側面3bとの間、ボタン部材3の外側面
3aと外輪1の平坦面1aとの間の隙間が詰められ、円
周方向のガタツキがなくなる。尚、組立に際しては、コ
イルスプリング6を圧縮した状態にすることにより、内
輪2およびボタン部材3を隙間をもって外輪1に組み入
れることができるので、組立が容易である。そして、組
み入れ後に、コイルスプリング6の圧縮を解除すると、
上記の態様で、隙間が詰められ、円周方向のガタツキが
なくなる。
【0033】軸部4と外輪1との間のトルク伝達は、軸
部4の外壁面4bと内輪2の内壁面2bとの接触部、内
輪2の球面状外壁面2aとボタン部材3との接触部、ボ
タン部材3と外輪1の平坦面1aとの接触部を介してな
される。
【0034】図7および図8に示す第4の実施形態は、
基本的な考え方は第3の実施形態と同様であるが、軸部
4を軸部41と軸部42とに2分割し、内輪2の内壁面
2bと軸部4の外壁面4bとの間に向きが相異なる2つ
の軸方向のくさびを形成している点が異なる。
【0035】各内輪2の内壁面2bは、それぞれ、軸方
向中心を境にした2つのテーパ状内壁面2b6、2b7
で構成される。テーパ状内壁面2b6、2b7は、それ
ぞれ、円周方向中心を境にして、円周方向の相反した向
きに傾斜し{図7(a)参照}かつ軸方向の一方に傾斜
した2つのテーパ面(符号省略)で構成されるが、軸方
向の傾斜の向きは、テーパ状内壁面2b6とテーパ状内
壁面2b7との間で相反している。
【0036】軸部4の外壁面4b(軸部41の外壁面お
よび軸部42外壁面)は、正六角形状の横断面を有し
{図8(a)(b)参照}かつ軸方向の一方に傾斜した
テーパ状外壁面41b、42bで構成される。テーパ状
外壁面41bとテーパ状外壁面42bとは、軸方向の傾
斜の向きが相反している。軸部41の軸端と軸部42の
軸端には、相互に適合する凹部41cと凸部42cが形
成され、また、軸部42にはコイルスプリング6を収容
する凹部42dが形成されている。
【0037】図7(b)に示すように、内輪2のテーパ
状内壁面2b6とこれに対応する軸部41のテーパ状外
側面41bとがテーパ嵌合し、同様に、内輪2のテーパ
状内壁面2b7とこれに対応する軸部42のテーパ状外
側面42bとがテーパ嵌合することにより、向きが相異
なる2つの軸方向のくさびが形成される。そして、軸部
42の凹部42d一端が収容され、他端が軸部41の凹
部41cの底壁に当接するコイルスプリング6の弾性力
によって、内輪2に対して、軸部41と軸部42とがく
さびの作用する方向(軸方向反対側)に弾性的に押圧さ
れる。そのため、内輪2は軸部41および軸部42によ
って外輪1の平坦面1aの側に押圧され、これにより、
内輪2の球面状外壁面2aとボタン部材3の内側面3b
との間、ボタン部材3の外側面3aと外輪1の平坦面1
aとの間の隙間が詰められ、円周方向のガタツキがなく
なる。尚、組立に際しては、コイルスプリング6を圧縮
した状態にすることにより、内輪2およびボタン部材3
を隙間をもって外輪1に組み入れることができるので、
組立が容易である。そして、組み入れ後に、コイルスプ
リング6の圧縮を解除すると、上記の態様で、隙間が詰
められ、円周方向のガタツキがなくなる。
【0038】尚、図9に例示するように、以上の実施形
態において、各内輪2の内壁面2b(同図では2b5)
に円周方向の溝8を設けると共に、各内輪2の溝8に1
つの円形リング9を嵌着した構成を併用しても良い。円
形リング9を嵌着することにより、各内輪2の軸方向位
置を略一致させ、各内輪2に作用するくさび力を略均等
にすることができる。
【0039】以上の実施形態において、外輪1と軸部4
とを除く少なくとも一の構成部材(内輪2、ボタン部材
3、くさび部材5、5’)を樹脂材料で形成することも
できる。継手の軽量化、コストダウン、摺動抵抗の低減
を図る上で有効である。また、樹脂材料の材料弾性によ
って、振動のより一層の低減にもなる。
【0040】上記樹脂材料としては、例えば、ポリアミ
ド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエーテル
サルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエー
テルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂の
他、フェノール樹脂、全芳香族ポリイミド(PI)等の
熱硬化性樹脂等を用いることができる。ただ、摺動抵
抗低減の観点から良好な自己潤滑性を有すること、耐
久性確保の観点から機械的特性、摩耗特性、熱的特性に
優れていること、適度な弾性を有すること、また、
製作コスト低減の観点から安価でかつ易成形性に優れた
材料であることが望ましいことを考慮すると、これら合
成樹脂の中でも、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂(PEEK)が好ましいと考えら
れ、その中でも、ポリアミド樹脂(PA)が特に好まし
いと考えられる。
【0041】ポリアミドとしては、例えばポリアミド
6、ポリアミド6−6、ポリアミド4−6、ポリアミド
6−10、ポリアミド6−12、ポリアミド11、ポリ
アミド12等を用いることができる。
【0042】また、摺動特性のより一層の低減を図るた
め、上記ポリアミド樹脂にフッ素系樹脂等を含有させて
も良い。フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフル
オロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサプロロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフロオロエチレン−エ
チレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフロロエ
チレン樹脂(PCTFE)、ポリビニルフルオライド樹
脂(PVF)等を用いることができ、その中でも、PT
FE、PFA、FEP、ETFEが望ましく、これらの
中でも摩擦係数が最も低いPTFE(動摩擦係数0.1
0)が特に望ましい。
【0043】また、本発明の効果を妨げない範囲で、各
種充填材を配合しても良い。充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィス
カ、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカ、
硫酸カルシウムウィスカ等の補強材や、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、カーボン、炭酸カルシウム、タル
ク、マイカ、カオリン、酸化鉄、ガラスビーズ、リン酸
化合物などの無機粉末、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエ
ステル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂粉末、シ
リコーンオイル、フッ素オイル、ワックス、ステアリン
酸化合物などの内部滑材など種々の充填材を例示するこ
とができる。
【0044】あるいは、図10〜図12に示す構成の等
速自在継手において、外輪1と軸部4とを除く少なくと
も一の構成部材(内輪2、ボタン部材3)を上記のよう
な樹脂材料で形成することもできる。継手の軽量化、コ
ストダウン、摺動抵抗の低減、振動のより一層の低減を
図ることができると同時に、樹脂材料の弾性を利用し
て、内輪2とボタン部材3との間、ボタン部材3と外輪
1との間に負隙間を与えることができ、また、各構成部
材の製作公差を広げることができるので、安価で円周方
向のガタツキのない等速自在継手を提供することができ
る。
【0045】尚、以上に説明した種々の形態は、図13
に示すような、ボタン部材を有しない等速自在継手にも
同様に適用することができる{同図に示す構成の詳細に
ついては、本出願人による特願平3−344292号
(特開平5−172152号)ご参照}。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高作動角、小型・軽量、低コスト、組立性に優れ、回転
バックラッシュのないを等速自在継手を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す一部横断面図
(図a)、縦断面図(図b)である。
【図2】図1における主要構成部材を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す一部横断面図
(図a)、縦断面図(図b)である。
【図4】図3における主要構成部材を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す一部横断面図
(図a)、縦断面図(図b)である。
【図6】図5における主要構成部材を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示す一部横断面図
(図a)、縦断面図(図b)である。
【図8】図7における主要構成部材を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図10】従来構成を示す一部縦断面図である。
【図11】図10に示す従来継手の分解斜視図である。
【図12】図10に示す従来継手の一部横断面図であ
る。
【図13】従来構成を示す一部横断面図(図a)、縦断
面図(図b)である。
【符号の説明】
1 外輪 1a 平坦面 2 内輪 2a 球面状外壁面 2b 内壁面 3 ボタン部材 4 軸部 4b 外壁面 5、5’ くさび部材 6 コイルスプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面を有す
    る内輪と、内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する
    軸部とを備えた等速自在継手において、 前記内輪を複数の分割体で構成すると共に、前記内輪の
    内壁面と、前記軸部の外壁面と、両者の間に介装したく
    さび部材とによってくさびを形成し、前記くさび部材を
    弾性手段で前記くさびの作用する方向に押圧することに
    より、前記内輪を外輪の平坦面側に押圧したことを特徴
    とする等速自在継手。
  2. 【請求項2】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面を有す
    る内輪と、内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する
    軸部とを備えた等速自在継手において、 前記内輪を複数の分割体で構成すると共に、前記内輪の
    内壁面と前記軸部の外壁面とによってくさびを形成し、
    前記内輪と前記軸部とを弾性手段で前記くさびの作用す
    る方向に相互に押圧することにより、前記内輪を外輪の
    平坦面側に押圧したことを特徴とする等速自在継手。
  3. 【請求項3】 前記外輪と前記軸部とを除く少なくとも
    一の構成部材を樹脂材料で形成したことを特徴とする請
    求項1又は2の等速自在継手。
  4. 【請求項4】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面を有す
    る内輪と、内輪に連結される軸部とを備えた等速自在継
    手において、 前記外輪と前記軸部とを除く少なくとも一の構成部材を
    樹脂材料で形成したことを特徴とする等速自在継手。
JP33937895A 1995-12-26 1995-12-26 等速自在継手 Withdrawn JPH09177809A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055518A1 (fr) * 1999-03-12 2000-09-21 Ntn Corporation Joint homocinetique

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WO2000055518A1 (fr) * 1999-03-12 2000-09-21 Ntn Corporation Joint homocinetique

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