JPH09144853A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

Info

Publication number
JPH09144853A
JPH09144853A JP7301521A JP30152195A JPH09144853A JP H09144853 A JPH09144853 A JP H09144853A JP 7301521 A JP7301521 A JP 7301521A JP 30152195 A JP30152195 A JP 30152195A JP H09144853 A JPH09144853 A JP H09144853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
differential
gear
pump
differential case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7301521A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yamazaki
伸司 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority to JP7301521A priority Critical patent/JPH09144853A/ja
Publication of JPH09144853A publication Critical patent/JPH09144853A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion
    • F16H57/0483Axle or inter-axle differentials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デフケ−スを半密封構造にしてオイルの劣化
などを防止すると共に、オイル溜りによる回転抵抗を軽
減する。 【解決手段】 オイル溜り13が設けられたケ−シング
11の内部に配置され、エンジンにより回転駆動される
デフケ−ス3と、その内部に配置された差動ギヤ機構4
9と、機構49の差動を制限する摩擦クラッチ53と、
機構49の差動回転を受けて駆動され、ケ−ス3の外部
に設けられたオイル室109とオイル流路111とを介
してオイル溜り13からオイルを吸い上げるポンプ57
と、その吐出圧を受けてクラッチ53を締結させるアク
チュエ−タ55と、ポンプ57のピニオンシャフト83
に設けられ、オイル室109とデフケ−ス3内部とを連
通する絞り113とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】U.S.Patent 5310388
号登録証に図5のようなデファレンシャル装置201が
記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケ−ス203に固定されたピニオンシャフト205と、
ピニオンシャフト205上に回転自在に支承されたピニ
オンギヤ207と、ピニオンギヤ207と噛み合うサイ
ドギヤ209、211とからなるベベルギヤ式の差動機
構213と、差動制限用の多板クラッチ215と、多板
クラッチ215を締結させる油圧アクチュエ−タ217
と、油圧アクチュエ−タ217を作動させるギヤポンプ
219とを備えている。サイドギヤ209、211は車
軸221、223と各別にスプライン連結されている。
【0004】多板クラッチ215とギヤポンプ219は
サイドギヤ209側の車軸221とデフケ−ス203と
の間に配置されている。また、デファレンシャル装置2
01を収納するケ−スにはオイル溜りが設けられてい
る。ギヤポンプ219は車軸221から差動機構213
の差動回転を受けて駆動され、デフケ−ス203に設け
られたオイルポ−ト225からこのオイル溜りのオイル
を吸入し、油圧アクチュエ−タ217はギヤポンプ21
9のオイル圧を受けて多板クラッチ215を押圧し、差
動機構213の差動を制限する。
【0005】また、このように内蔵ポンプのオイル圧に
よって摩擦クラッチを締結し差動制限をするデファレン
シャル装置には、内蔵ポンプの吸入部にオイル室を設
け、ケ−スのオイル溜りからオイルパイプを介してこの
オイル室にオイルを吸い上げるように構成されたものが
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図5のデフ
ァレンシャル装置201では、デフケ−ス203のオイ
ルポ−ト225からオイルを吸入できるように、オイル
溜りのオイルレベルを充分に高くする必要があり、従っ
て、デフケ−ス203がオイルの粘性により大きな回転
抵抗を受け、その駆動ロスによりエンジンの燃費が低下
する。
【0007】また、ケ−スのオイル溜りからオイルパイ
プを介してオイルを吸い上げるデファレンシャル装置で
は、デフケ−スがオイル溜りに浸漬されないか、または
浸漬深さが浅いから、それだけオイルの回転抵抗が少な
い。
【0008】しかし、このようにオイルパイプを介して
オイルを吸い上げる構成では、オイルパイプの流路抵抗
によりポンプの吐出量やオイル圧が制限され、大きな差
動制限力が得られず、車両の運動性能を充分に改善する
ことが難しい。
【0009】また、オイルパイプの流路抵抗及びオイル
の回転抵抗を避けるために、デフケ−スにオイルを密封
し、ポンプで循環させる構成では、封入オイルの量が少
ないから温度上昇によるオイルの劣化や、デフケ−スを
液密構造にするためのシ−ルなどに難しさがあり、構造
が複雑になる。
【0010】そこで、この発明は、内蔵ポンプを差動回
転で駆動し差動制限用の摩擦クラッチを締結するデファ
レンシャル装置であって、外部から適度にオイルを取り
入れて、密封構造に伴うオイルの劣化や構造の複雑化な
どを防止すると共に、オイル溜りによる回転抵抗を軽減
したデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、オイル溜りが設けられたケ−シングの内部
に配置され、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケ−スと、デフケ−スの回転をピニオンギヤを介して
一対の出力側サイドギヤから出力する差動ギヤ機構と、
差動ギヤ機構の差動を制限する摩擦クラッチと、差動ギ
ヤ機構の差動回転を受けて駆動され、デフケ−スの外部
に設けられたオイル室及びこのオイル室と前記オイル溜
りとを連通するオイル流路を介してオイルを吸い上げる
ポンプと、このポンプの吐出圧を受けて摩擦クラッチを
押圧し締結するアクチュエ−タと、前記オイル室とデフ
ケ−スの内部とを連通するオイル循環路と、このオイル
循環路に設けられた絞りとを備えたことを特徴とする。
【0012】ポンプは差動ギヤ機構の差動回転を受けて
駆動され、オイル溜りからオイル流路とオイル室とを介
してオイルを吸い込み、アクチュエ−タはその吐出圧を
受けて作動し、摩擦クラッチを押圧して差動を制限す
る。
【0013】このポンプ仕事と摩擦クラッチの摩擦抵抗
は、差動回転数の上昇に伴って大きくなるから、速度感
応型の差動制限機能が得られる。
【0014】差動ギヤ機構が差動回転しない間はポンプ
が停止し、オイル室のオイルはオイル流路からオイル溜
りへ流下するが、再び差動回転が生じてポンプが駆動さ
れると、オイルはオイル溜りから吸い上げられてオイル
室を満たし、更に、ポンプで加圧されてアクチュエ−タ
を作動させる。
【0015】オイル室がオイルで満たされると、ポンプ
が作動中であってもオイル溜りからのオイルの吸い上げ
は停止される。
【0016】また、ポンプの作動中は、オイル室とデフ
ケ−スの内部とを連通するオイルの循環路に設けた絞り
から適量のオイルがオイル室に補給され、差動制限は継
続される。
【0017】このように、差動回転が再開される度にオ
イル室に新しいオイルが補充され、この新しいオイルを
ポンプでデフケ−スの内部に取り込むと共に、デフケ−
スを、絞りと循環路とを介してオイル室とデフケ−ス内
部との間でオイルを循環させる半密封構造にしたから、
温度上昇によるオイルの劣化が防止され、デフケ−スを
液密にするためのシ−ル構造が不要になり、構造の複雑
化が避けられる。
【0018】また、絞りを設けるだけで、デフケ−スを
簡単に半密封構造にすることができるから、低コストで
容易に実施できる。
【0019】また、オイル流路を介してオイル溜りから
オイルを吸い上げるように構成したから、オイル溜りか
らオイルを直接吸入する図5の従来例と異なって、デフ
ケ−スをオイル溜りに深く浸漬する必要がなく、それだ
けオイルの回転抵抗による動力ロスが軽減され、エンジ
ンの燃費が向上する。
【0020】また、オイル室にオイルが満たされるとオ
イルの吸い上げが停止されるから、オイル流路の抵抗に
よる吐出量やオイル圧の制限から開放され、大きな差動
制限力が得られ、車両の運動性能を充分に改善すること
ができる。
【0021】循環路のオイル流量は、絞りの断面積、形
状、長さなどで適宜に調整できる。
【0022】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、ポンプが互いに
噛み合ったサンギヤとピニオンギヤとからなるギヤポン
プであり、このピニオンギヤを支承するピニオンシャフ
トを貫通して絞りを形成したものであり、請求項3のデ
ファレンシャル装置は、請求項1のデファレンシャル装
置において、ポンプが互いに噛み合ったサンギヤとピニ
オンギヤとからなるギヤポンプであり、絞りをポンプハ
ウジングに形成したものである。
【0023】いずれも請求項1のデファレンシャル装置
と同様に、オイルによる回転抵抗が少なくエンジンの燃
費が向上すると共に、ポンプがオイル流路の抵抗から開
放されて大きな差動制限力が得られ、車両の運動性能を
充分に改善することができる。また、デフケ−スを半密
封構造にしたから、オイルの劣化が避けられ、シ−ル構
造などが不要になり、構造の複雑化が避けられる。
【0024】これに加えて、ピニオンシャフトに絞りを
形成する請求項2の構成では、断面積に較べて絞りを長
くすることが容易であり、大きな絞り抵抗を与えること
ができる。
【0025】また、絞りをポンプハウジングに形成する
請求項3の構成では、断面積に較べて絞りを短くするこ
とができ、オイル粘度の影響を低減し循環路のオイル流
量を安定させることができる。更に、ピニオンシャフト
を用いずに、ピニオンギヤをポンプハウジングで支承す
ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1ないし3により本発明の第1
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2の特
徴を備えており、図1はこの実施形態のデファレンシャ
ル装置1を示す。なお、左右の方向は図1での左右の方
向であり、符号を与えていない部材等は図示されていな
い。
【0027】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケ−ス3はケ−シング本体5とカバ−7とをボルト
9で固定して構成されている。デフケ−ス3はデフキャ
リヤ11(ケ−シング)の内部に配置されており、デフ
キャリヤ11にはオイル溜り13が形成されている。
【0028】デフケ−ス3の左右のボス部15、17は
ぞれぞれベアリング18を介してデフキャリヤ11に支
承されている。デフケ−ス3にはリングギヤがボルトで
固定され、このリングギヤは駆動力伝達系の駆動ギヤと
噛み合っている。こうして、デフケ−ス3はエンジンの
駆動力によりこの駆動力伝達系を介して回転駆動され
る。
【0029】デフケ−ス3の内部には、ボス部19を中
心にして複数本のピニオンシャフト21が放射状に配置
されており、各ピニオンシャフト21の外側端部に形成
された面取り部23はデフケ−ス3の溝25に係合し軸
方向移動可能に連結されている。各ピニオンシャフト2
1上にはピニオンギヤ27が回転自在に支承されてい
る。
【0030】デフケ−ス3の内部には左右の出力側サイ
ドギヤ29、31が配置されている。これらのサイドギ
ヤ29、31はそれぞれのボス部33、35に一体形成
されており、各サイドギヤ29、31はピニオンギヤ2
7との噛み合いによって径方向外側から支持されてい
る。ピニオンギヤ27とデフケ−ス3との間には球面ワ
ッシャ37が配置されており、ピニオンギヤ27の遠心
力と、各サイドギヤ29、31との噛み合いによってピ
ニオンギヤ27が受ける噛み合い反力とを負担してい
る。
【0031】左サイドギヤ29のボス部33はデフケ−
ス3の支承部39及び後述するポンプケ−ス41の内周
で回転自在に支承され、右サイドギヤ31のボス部35
はデフケ−ス3の支承部43で回転自在に支承されてい
る。右サイドギヤ31とデフケ−ス3との間にはワッシ
ャ45が配置されており、左サイドギヤ29とポンプケ
−ス41との間にはワッシャ46が配置されている。サ
イドギヤ29、31は各ボス部33、35を介して出力
軸にスプライン連結され、止め輪47で軸方向に固定さ
れている。
【0032】こうして、ベベルギヤ式の差動ギヤ機構4
9が構成されている。差動ギヤ機構49のピニオンシャ
フト21とピニオンギヤ27とサイドギヤ29、31
は、溝25上を軸方向に移動可能である。
【0033】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト21からピニオンギヤ27を介
してサイドギヤ29、31に分配され、各出力軸を介し
て左右の車輪側に伝達される。又、例えば悪路走行中
に、各車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ2
7の自転によってエンジンの駆動力は左右各側に差動分
配される。
【0034】左サイドギヤ29の頂部51とデフケ−ス
3との間には多板クラッチ53(摩擦クラッチ)が配置
されている。又、その左方には油圧アクチュエ−タ55
(アクチュエ−タ)が配置され、更にその左方には4組
の外接式ギヤポンプ57(ポンプ)が配置されている。
【0035】多板クラッチ53とデフケ−ス3との間に
はバックリング59が配置され、デフケ−ス3との間で
多板クラッチ53からの押圧力を負担している。
【0036】油圧アクチュエ−タ55のピストン61は
ポンプケ−ス41とデフケ−ス3との間にそれぞれシ−
ルリング63、65を介して軸方向移動自在に配置され
ている。又、油圧アクチュエ−タ55のシリンダ−67
はピストン61とポンプケ−ス41とデフケ−ス3との
間で形成されている。
【0037】各ギヤポンプ57はポンプケ−ス41とサ
ンギヤ69とピニオンギヤ71とチェクバルブ機構7
3、75などから構成されている。
【0038】ポンプケ−ス41は外周をデフケ−ス3に
圧入され、更にボルト77でデフケ−ス3に固定されて
いる。図2のように、ポンプケ−ス41には大径の収納
孔79と4個の小径の収納孔81とが設けられており、
小径の収納孔81は大径の収納孔79の外側に周方向等
間隔に形成されている。収納孔79、81は互いに連通
しポンプ室を形成している。
【0039】サンギヤ69は収納孔79に摺動回転自在
に収納されており、図1のように、その内周は左サイド
ギヤ29のボス部33外周にスプライン連結されてい
る。また、各ピニオンギヤ71は収納孔81に摺動回転
自在に収納されると共に、デフケ−ス3とポンプケ−ス
41に両端を支持されたピニオンシャフト83上にベア
リング85を介して支承されている。各ギヤ69、71
はポンプ室で互いに噛み合って4組のギヤポンプ57を
構成している。
【0040】差動ギヤ機構49に差動回転が生じると、
デフケ−ス3に固定されたポンプケ−ス41側のピニオ
ンギヤ71と左サイドギヤ29側のサンギヤ69とが相
対回転し、各ギヤポンプ57が駆動される。
【0041】図3のように、デフケ−ス3のカバ−7に
は各ギヤ69、71の噛み合い部の周方向両側(ギヤポ
ンプ57の吸入側と吐出側)と対向する位置に吸入ポ−
ト87、87が合計4組設けられていると共に、各吸入
ポ−ト87には弁座89が設けられている。また、図2
のように、ポンプケ−ス41にはギヤポンプ57の吸入
側と吐出側と対向する位置に吐出ポ−ト91、91が合
計4組設けられていると共に、各吐出ポ−ト91には弁
座93が設けられている。
【0042】チェックバルブ機構73は、弁座89と、
弁座89を閉塞可能に配置された円盤状の吸入側チェッ
クバルブとから構成されている。カバ−7にはプレ−ト
溝95が設けられ、この溝95にはプレ−トリング97
が装着されており、各吸入側チェックバルブはこのプレ
−トリング97によって脱落を防止されている。
【0043】弁座89はギヤポンプ57側に向いてお
り、各チェックバルブ機構73は、吸入側チェックバル
ブによる弁座89の開放と閉塞とにより、吸入ポ−ト8
7からギヤポンプ57へオイルを流すと共に、ギヤポン
プ57から吸入ポ−ト87への戻りオイルを遮断する。
【0044】また、チェックバルブ機構75は、弁座9
3と、弁座93を閉塞可能に配置された円盤状の吐出側
チェックバルブとからなり、これらの吐出側チェックバ
ルブはポンプケ−ス41に装着されたプレ−トリング9
9によって脱落を防止されている。弁座93はアクチュ
エ−タ55側に向いており、各チェックバルブ機構75
は、ギヤポンプ57から吐出ポ−ト91(アクチュエ−
タ55側)にオイルを流すと共に、アクチュエ−タ55
側からの戻りオイルを遮断する。
【0045】各ギヤポンプ57が回転すると、いずれの
方向に回転しても、各ギヤポンプ57の吸入側では、チ
ェックバルブ機構73が開いてオイルがギヤポンプ57
に吸入されると共に、チェックバルブ機構75が閉じて
アクチュエ−タ55側からの戻りオイルが遮断される。
また、各ギヤポンプ57の吐出側では、チェックバルブ
機構73が閉じてギヤポンプ57からデフケ−ス3の外
部に戻るオイルが遮断されると共に、チェックバルブ機
構75が開いてアクチュエ−タ55にオイルが供給され
る。
【0046】このように、各ギヤポンプ57の回転方向
(差動ギヤ機構49の差動回転方向:車両の走行方向)
に関わらず、常にアクチュエ−タ55のシリンダ−67
にオイル圧が与えられる。
【0047】カバ−7の側面にはオイルポケット101
が取り付けられている。このオイルポケット101は隔
室部材103とこれを内張りして液密にするシ−ル部材
105とリング107とからなり、カバ−7との間でオ
イル室109を形成している。
【0048】オイルポケット101はカバ−7に対して
摺動回転自在である。オイルポケット101にはオイル
パイプ111が接続されており、このオイルパイプ11
1はデフキャリヤ11のオイル溜り13とオイル室10
9とを連通している。
【0049】各ギヤポンプ57が作動すると、オイル溜
り13からオイルパイプ111を介してオイルが吸い上
げられてオイル室109を満たし、ギヤポンプ57は吸
入ポ−ト87を介してオイル室109からオイルを吸い
込み、上記のように、油圧アクチュエ−タ55のシリン
ダ−67にオイル圧を与える。
【0050】シリンダ−67にオイル圧が与えられる
と、油圧アクチュエ−タ55はピストン61を介して多
板クラッチ53を押圧し締結させ、多板クラッチ53の
摩擦抵抗と各ギヤポンプ57のポンプ仕事とにより差動
ギヤ機構49の差動を制限する。多板クラッチ53の摩
擦抵抗とギヤポンプ57のポンプ仕事は差動回転数の上
昇に伴って大きくなり、こうして差動回転速度に感応す
る差動制限機能が得られる。
【0051】また、差動回転数が一定値より小さくなる
と、チェックバルブ機構73、75により各オイルポ−
トが閉塞されてギヤポンプ57のポンプ機能が停止し、
差動制限が解除される。
【0052】図1、3のように、ピニオンシャフト83
には、これを貫通してオリフィス113(絞り)が形成
されている。このオリフィス113はオイル室109と
油圧アクチュエ−タ55のシリンダ−67とを連通して
おり、各吸入ポ−ト87、ギヤポンプ57、各吐出ポ−
ト91などと共にオイルの循環路を形成している。
【0053】差動ギヤ機構49が差動回転しないと、ギ
ヤポンプ57が停止してオイル室109のオイルはこの
間にオイルパイプ111からオイル溜り13へ流下する
が、再び差動回転が生じてギヤポンプ57が駆動される
と、オイルはオイル溜り13から吸い上げられてオイル
室109を満たす。
【0054】オイル室109がオイルで満たされると、
ギヤポンプ57が駆動されていてもオイル溜り13から
のオイルの吸い上げは停止される。
【0055】従って、ギヤポンプ57はオイルパイプ1
11の流路抵抗による吐出量やオイル圧の制限から開放
され、大きな差動制限力が得られ、車両の運動性能を充
分に改善することができる。
【0056】また、差動回転が再開される度に新しいオ
イルがオイル室109に補充され、この新しいオイルを
ギヤポンプ57でデフケ−ス3の内部に取り込み、更
に、オリフィス113と循環路とを介してオイル室10
9とデフケ−ス3との間でオイルが循環するようにし、
デフケ−ス3を半密封構造にしたから、密封構造のデフ
ァレンシャル装置と異なって、温度上昇によるオイルの
劣化が防止されると共に、デフケ−スを液密にするため
のシ−ル構造などが不要になり、構造の複雑化が避けら
れる。
【0057】また、オリフィス113を設けるだけで、
デフケ−ス3を簡単に半密封構造にすることができるか
ら、低コストで容易に実施できる。
【0058】更に、オイルパイプ111を介してオイル
溜り13からオイルを吸い上げるように構成したから、
オイル溜りからオイルを直接吸入する図5の従来例と異
なって、デフケ−ス3をオイル溜り13に深く浸漬する
必要がなく、それだけオイルの回転抵抗による動力ロス
が少なくなり、エンジンの燃費が向上する。
【0059】また、ギヤポンプ57の作動中は、オイル
の循環路に設けたオリフィス113から適量のオイルが
オイル室109に補給されるから、差動制限は継続され
る。
【0060】循環路のオイル流量は、オリフィス113
の断面積、形状、長さなどを変えることによって適宜に
調整できる。
【0061】デフケ−ス3には開口115、117が設
けられており、これらの開口115、117からはオイ
ル溜り13のオイルやリングギヤの回転によって撥ね上
げられデフキャリヤ11の内壁で跳ね返ったオイルがデ
フケ−ス3の内部に入り、差動ギヤ機構49の各ギヤや
多板クラッチ53などを潤滑し、耐久性を高める。
【0062】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0063】デファレンシャル装置1を用いた車両は、
その大きな速度感応型の差動制限機能によって運動性能
が向上し、悪路などで一方の車輪が空転すると他方の車
輪に大きな駆動力が送られて走破性が向上する。
【0064】また、デファレンシャル装置1のように、
ピニオンシャフト83に絞りを形成する構成では、断面
積に較べて絞りを長くすることが容易であり、大きな絞
り抵抗を与えることができる。
【0065】次に、図4により本発明の第2実施形態を
説明する。この実施形態は請求項1、3の特徴を備えて
おり、図4はこの実施形態のデファレンシャル装置11
9を示す。左右の方向は図4での左右の方向であり、符
号を与えていない部材等は図示されていない。
【0066】このデファレンシャル装置119は、オイ
ルの循環路と絞りの配置箇所が第1実施形態のデファレ
ンシャル装置1と異なっており、以下これらの相違点を
説明する。なお、デファレンシャル装置1と同機能の部
材には同一の符号を与えて引用する。
【0067】ポンプケ−ス41にはオイル室109と油
圧アクチュエ−タ55のシリンダ−67とを連通するオ
イル流路121とオリフィス123とが形成されてい
る。これらのオイル流路121とオリフィス123は、
カバ−7側の各吸入ポ−ト87、ギヤポンプ57、ポン
プケ−ス41側の各吐出ポ−ト91などと共にオイルの
循環路を形成している。
【0068】デファレンシャル装置1と同様に、差動ギ
ヤ機構49が差動回転しない間にオイル室109のオイ
ルはオイルパイプ111からオイル溜り13へ流下する
が、再び差動回転が生じるとギヤポンプ57が駆動さ
れ、オイル溜り13からオイルが吸い上げられ、オイル
がオイル室109を満たすと、ギヤポンプ57が駆動さ
れていてもオイル溜り13からのオイルの吸い上げは停
止される。
【0069】こうして、ギヤポンプ57がオイルパイプ
111の流路抵抗による吐出量やオイル圧の制限から開
放され、大きな差動制限力が得られ、車両の運動性能を
充分に改善することができる。
【0070】また、デフケ−ス3を半密封構造にしたか
ら、温度上昇によるオイルの劣化が防止され、デフケ−
スを液密にするためのシ−ル構造が不要になり、構造の
複雑化が避けられる。
【0071】更に、オリフィス123を設けるだけで、
デフケ−ス3を簡単に半密封構造にすることができるか
ら、低コストで容易に実施できる。
【0072】また、図5の従来例と異なって、デフケ−
ス3をオイル溜り13に深く浸漬する必要がないから、
それだけオイルの回転抵抗による動力ロスが少なく、エ
ンジンの燃費が向上する。
【0073】ギヤポンプ57の作動中は、オイルの循環
路に設けたオリフィス123から適量のオイルがオイル
室109に補給されるから、差動制限は継続される。
【0074】循環路のオイル流量は、オリフィス123
の断面積、形状、長さなどで適宜に調整できる。
【0075】こうして、デファレンシャル装置119が
構成されている。
【0076】デファレンシャル装置119を用いた車両
は、その大きな速度感応型の差動制限機能によって運動
性能が向上し、悪路などでの走破性が向上する。
【0077】また、デファレンシャル装置119のよう
に、オリフィス123をポンプハウジング41に形成す
る構成では、断面積に較べて絞りを短くすることがで
き、オイル粘度の影響を低減して循環路のオイル流量を
安定させることができる。
【0078】また、ピニオンギヤ71は、ピニオンシャ
フト83を用いずに、例えば、ポンプハウジング41の
収納孔81で外周を支持するように構成してもよい。
【0079】なお、本発明において、差動ギヤ機構はベ
ベルギヤ式のものに限らず、例えば、ギヤ間の摩擦抵抗
やギヤとデフケ−スとの摩擦抵抗を利用してトルク感応
型の差動制限機能を得るヘリカルギヤ式の差動ギヤ機
構、あるいは、ウォ−ムギヤの歯面摩擦抵抗を利用して
トルク感応型の差動制限機能を得る差動ギヤ機構などで
もよい。
【0080】このような差動ギヤ機構を用いれば、それ
ぞれのトルク感応型差動制限機能に加えて、摩擦クラッ
チとポンプによる速度感応型差動制限機能を併せ持った
デファレンシャル装置が得られる。
【0081】差動制限用のクラッチは多板クラッチに限
らず、例えば、コ−ンクラッチのような他の摩擦クラッ
チでもよい。
【0082】この発明のデファレンシャル装置は、フロ
ントデフ(前輪の車軸上に配置したデファレンシャル装
置)と、リヤデフ(後輪の車軸上に配置したデファレン
シャル装置)と、センタ−デフ(エンジンの駆動力を前
輪と後輪とに分配するデファレンシャル装置)のいずれ
にも用いることができる。
【0083】
【発明の効果】上記のように、請求項1のデファレンシ
ャル装置は、デフケ−スの外部に設けたオイル室にオイ
ル流路を介してオイル溜りのオイルを吸い上げると共
に、絞りを介してオイル室とデフケ−スの内部とでオイ
ルを循環させるように構成した。
【0084】従って、差動の停止と再開に伴ってオイル
室に新しいオイルが補充され、絞りを介してデフケ−ス
の内部と外部でオイルが循環すると共に、オイル室がオ
イルで満たされると、ポンプが作動中であってもオイル
の吸い上げは停止するが、ポンプの作動中は絞りから適
量のオイルがオイル室に補給され、差動制限は継続され
る。
【0085】このように、デフケ−スを半密封構造にし
たから、温度上昇によるオイルの劣化が防止されると共
に、デフケ−スを液密にするためのシ−ル構造が不要に
なり、構造の複雑化が避けられる。更に、絞りを設ける
だけで、デフケ−スを簡単に半密封構造にすることがで
きるから、低コストで容易に実施できる。
【0086】また、オイル流路を介してオイル溜りから
オイルを吸い上げるように構成したことにより、従来例
と異なって、デフケ−スをオイル溜りに深く浸漬する必
要がなくなり、それだけオイルの回転抵抗による動力ロ
スが軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0087】更に、オイル室にオイルが満たされるとオ
イルの吸い上げが停止されるから、ポンプがオイル流路
の抵抗による吐出量やオイル圧の制限から開放され、大
きな差動制限力が得られ、車両の運動性能を充分に改善
することができる。
【0088】また、循環路のオイル流量は、絞りの断面
積、形状、長さなどを変えて適宜に調整できる。
【0089】請求項2及び請求項3のデファレンシャル
装置は、それぞれ請求項1のデファレンシャル装置と同
様に、オイルによる回転抵抗が少なくエンジンの燃費が
向上すると共に、オイル流路の抵抗から開放されて大き
な差動制限力が得られ、車両の運動性能を充分に改善す
ることができる。また、デフケ−スを半密封構造にした
から、オイルの劣化が防止され、シ−ル構造が不要にな
り、構造の複雑化が避けられる。
【0090】これに加えて、ピニオンシャフトに絞りを
形成する請求項2の構成では、絞りの長さを断面積に較
べて長くし、大きな絞り抵抗を与えることができる。
【0091】また、絞りをポンプハウジングに形成する
請求項3の構成では、断面積に較べて絞りを短くて、オ
イル粘度の影響を低減し循環路のオイル流量を安定させ
ることができる。更に、ピニオンシャフトを用いずに、
ピニオンギヤをポンプハウジングで支承することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、119 デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 11 デフキャリヤ(ケ−シング) 13 オイル溜り 27 ピニオンギヤ 29、31 出力側サイドギヤ 41 ポンプケ−ス 49 差動ギヤ機構 53 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 55 油圧アクチュエ−タ(アクチュエ−タ) 57 ギヤポンプ(ポンプ) 69 サンギヤ 71 ピニオンギヤ 83 ピニオンシャフト 109 オイル室 111 オイルパイプ(オイル流路) 113、123 オリフィス(絞り)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイル溜りが設けられたケ−シングの内
    部に配置され、エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケ−スと、デフケ−スの回転をピニオンギヤを介し
    て一対の出力側サイドギヤから出力する差動ギヤ機構
    と、差動ギヤ機構の差動を制限する摩擦クラッチと、差
    動ギヤ機構の差動回転を受けて駆動され、デフケ−スの
    外部に設けられたオイル室及びこのオイル室と前記オイ
    ル溜りとを連通するオイル流路を介してオイルを吸い上
    げるポンプと、このポンプの吐出圧を受けて摩擦クラッ
    チを押圧し締結するアクチュエ−タと、前記オイル室と
    デフケ−スの内部とを連通するオイル循環路と、このオ
    イル循環路に設けられた絞りとを備えたことを特徴とす
    るデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 ポンプが互いに噛み合ったサンギヤとピ
    ニオンギヤとからなるギヤポンプであり、絞りがこのピ
    ニオンギヤを支承するピニオンシャフトに形成された請
    求項1のデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 ポンプが互いに噛み合ったサンギヤとピ
    ニオンギヤとからなるギヤポンプであり、絞りがポンプ
    ハウジングに形成された請求項1のデファレンシャル装
    置。
JP7301521A 1995-11-20 1995-11-20 デファレンシャル装置 Pending JPH09144853A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7301521A JPH09144853A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 デファレンシャル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7301521A JPH09144853A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 デファレンシャル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09144853A true JPH09144853A (ja) 1997-06-03

Family

ID=17897939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7301521A Pending JPH09144853A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 デファレンシャル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09144853A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT407077B (de) * 1997-11-25 2000-12-27 Steyr Daimler Puch Ag Antriebseinheit mit drehzahldifferenzabhängiger hydraulischer kupplung für den antriebsstrang von fahrzeugen
EP4206496A1 (en) * 2021-12-28 2023-07-05 Volvo Truck Corporation A differential housing for a differential unit of a vehicle and such a differential

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT407077B (de) * 1997-11-25 2000-12-27 Steyr Daimler Puch Ag Antriebseinheit mit drehzahldifferenzabhängiger hydraulischer kupplung für den antriebsstrang von fahrzeugen
EP4206496A1 (en) * 2021-12-28 2023-07-05 Volvo Truck Corporation A differential housing for a differential unit of a vehicle and such a differential
US11885404B2 (en) 2021-12-28 2024-01-30 Volvo Truck Corporation Differential housing for a differential unit of a vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7377870B2 (en) Planetary gear lubrication unit
US7326142B2 (en) Partition structure of power train device
WO2002064999A1 (fr) Dispositif de changement de vitesse hydromecanique et vehicule sur lequel est monte ce dispositif de changement de vitesse
US3350961A (en) Locking differential
EP1130288A2 (en) Differential apparatus
JP2002243037A (ja) 動力ユニット
US5749801A (en) Differential unit
JPH0681929A (ja) 電気自動車用ドライブユニット
JP3771956B2 (ja) 動力伝達装置
JPH09144853A (ja) デファレンシャル装置
JPH08178027A (ja) ブリーザ付きディファレンシャル装置
JPH04181055A (ja) 動力伝達装置の潤滑機構
JP4329457B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP5257601B2 (ja) 左右駆動力配分装置
JP3430754B2 (ja) 四輪駆動車
JP3036820B2 (ja) 自動変速装置用回転軸内孔シール装置
JPH09144841A (ja) デファレンシャル装置
JPH039155A (ja) 4輪駆動用駆動連結装置
JP2792040B2 (ja) トランスファの潤滑油誘導装置
JPH09144840A (ja) デファレンシャル装置
JP3163252B2 (ja) ピニオンの潤滑構造
JP2001199254A (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JPH0914391A (ja) デファレンシャル装置
JPH0799199B2 (ja) トランスフアケ−ス
JPH0914390A (ja) デファレンシャル装置