JPH09144841A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH09144841A
JPH09144841A JP30003195A JP30003195A JPH09144841A JP H09144841 A JPH09144841 A JP H09144841A JP 30003195 A JP30003195 A JP 30003195A JP 30003195 A JP30003195 A JP 30003195A JP H09144841 A JPH09144841 A JP H09144841A
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JP
Japan
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differential
gear
oil
pump
gear pump
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Pending
Application number
JP30003195A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yamazaki
伸司 山崎
Masao Teraoka
正夫 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority to JP30003195A priority Critical patent/JPH09144841A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な差動制限力を得、差動回転方向により
差動制限力を変える。 【解決手段】 エンジンにより回転駆動されると共に、
オイル溜りのオイルレベルがボス部19、21の内周よ
り径方向内側にあるデフケース11と、ケース11の回
転をピニオンギヤ31を介してサイドギヤ33、35か
ら出力する差動ギヤ機構55と、機構55の差動を制限
する摩擦クラッチ59と、機構55の差動回転を受けて
駆動され、互いに容量の異なったポンプ99、101か
らなり、初段ポンプの吐出オイルを終段ポンプに与える
直列配置のポンプ組63、65と、ポンプ組63、65
のオイル圧を受けてクラッチ59を締結する油圧アクチ
ュエータ61とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】U.S.Patent 5310388
号登録証に図4のようなデファレンシャル装置201が
記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケース203に固定されたピニオンシャフト205と、
ピニオンシャフト205上に回転自在に支承されたピニ
オンギヤ207と、ピニオンギヤ207と噛み合うサイ
ドギヤ209、211とからなる差動機構213と、差
動制限用の多板クラッチ215と、多板クラッチ215
を締結させる油圧アクチュエータ217と、油圧アクチ
ュエータ217を作動させるトロコイド型のギヤポンプ
219とを備えている。サイドギヤ209、211は車
軸221、223と各別にスプライン連結されている。
【0004】多板クラッチ215とギヤポンプ219は
サイドギヤ209側の車軸221とデフケース203と
の間に配置されており、デファレンシャル装置201を
収納するケースにはオイル溜りが設けられている。ギヤ
ポンプ219は車軸221を介し差動機構213の差動
回転を受けて駆動され、デフケース203に設けられた
オイルポート225からこのオイル溜りのオイルを吸入
し、油圧アクチュエータ217はギヤポンプ219のオ
イル圧を受けて多板クラッチ215を押圧し、差動機構
213の差動を制限する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このデファ
レンシャル装置201では、吸い込んだオイルを1組の
ギヤポンプ219だけで加圧するように構成されている
から、オイル圧が充分に上がらない。従って、大きな差
動制限力が得られず、操縦性や安定性など車両の動力性
能を充分に改善できない。
【0006】また、複数組のポンプを並列に用いたデフ
ァレンシャル装置もあるが、この場合も、吐出量は増え
るがオイル圧の上昇には限界があり、また、オイル洩れ
による容積効率低下の影響も受ける。更に、このように
多量のオイルを吸入する構成では、低温時などオイル粘
度が高いとき、あるいは、高差動回転により特に多量の
オイルを吸い込むときなど、オイルの大きな吸入抵抗を
受けてオイル圧の上昇が制約される。
【0007】また、従来のこれらのデファレンシャル装
置では、差動回転の方向が変わっても発生する差動制限
力の大きさが変わらないから、例えば、4輪駆動車のセ
ンターデフに用いた場合に、差動回転時に大きな差動制
限力によって大トルクを送り、坂道などで車両を円滑に
走行させ、あるいは、発進させることができない。
【0008】そこで、この発明は、内蔵ポンプを差動回
転で駆動し、そのオイル圧で差動制限用の摩擦クラッチ
を締結させるデファレンシャル装置であって、大きなオ
イル圧による充分な差動制限力と、差動回転の方向によ
って差動制限力の大きさを変える機能とが得られるデフ
ァレンシャル装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、ケーシングの内部でエンジンの駆動力によ
り回転駆動されると共に、このケーシングに設けられた
オイル溜りのオイルレベルがボス部の内周より径方向内
側にあるデフケースと、デフケースの回転をピニオンギ
ヤを介して一対の出力側サイドギヤから出力する差動ギ
ヤ機構と、差動ギヤ機構の差動を制限する摩擦クラッチ
と、差動ギヤ機構の差動回転を受けて駆動される互いに
容量の異なった複数のポンプからなり、前段ポンプの吐
出オイルを次段のポンプに順次与え終段のポンプから吐
き出す直列配置のポンプ組と、このポンプ組のオイル圧
を受けて摩擦クラッチを押圧し締結するアクチュエータ
とを備えたことを特徴とする。
【0010】ポンプ組は差動ギヤ機構の差動回転を受け
て駆動され、初段のポンプの吐出オイルを次段以降のポ
ンプが順次加圧し、終段のポンプから高圧のオイルを吐
出してアクチュエータを作動させ、摩擦クラッチを締結
して差動ギヤ機構の差動を制限する。
【0011】このように、複数のポンプを直列配置した
ことによって大きなオイル圧が得られると共に、複数の
ポンプを並列に用いた従来のデファレンシャル装置と異
なって、オイル粘度やオイル流路での大きな吸入抵抗か
ら解放され、高いオイル圧が発生する。こうして、大き
な差動制限力が得られ、車両の操縦性や安定性などの動
力性能を充分に改善することができる。
【0012】また、ポンプ組を構成する各ポンプは互い
の容量が異なっており、これらを容量順に配列すれば、
差動回転の方向が変わると各ポンプの回転方向が変わ
り、ポンプ組の初段と終段のポンプが入れ代わる。容量
の小さいポンプにオイルが順次送される方向にポンプ組
が回転すると、その反対方向の回転時より、高いオイル
圧がアクチュエータに与えられ、より大きい差動制限力
が得られる。
【0013】差動ギヤ機構の各サイドギヤのいずれが空
転するかでポンプ組の回転が逆転する。従って、この発
明のデファレンシャル装置を4輪駆動車のセンターデフ
に用いた場合、例えば、登坂時や発進時に空転し易い前
輪側が空転したときにポンプ組から高いオイル圧が得ら
れ大きい差動制限力が発生するように構成すれば、前輪
側の空転によって発生する大きい差動制限力により後輪
側に大きなトルクが送られて、車両は円滑な登坂走行、
発進、加速などを行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1ないし3により本発明の一実
施形態を説明する。図1はこの実施形態のデファレンシ
ャル装置9を示す。なお、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0015】図1のように、デファレンシャル装置9の
デフケース11はケーシング本体13とカバー15とを
ボルト17で固定して構成されている。デフケース11
はデフキャリヤの内部に配置されており、このデフキャ
リヤにはオイル溜り(オイルレベルR)が形成されてい
る。
【0016】デフケース11のボス部19、21はベア
リングを介してデフキャリヤに支承されている。図1に
示すように、デフケース11はその回転中心軸までオイ
ル溜りに浸漬されており、そのオイルレベルRは各ボス
部19、21の径方向内側にある。
【0017】デフケース11にはリングギヤがボルトで
固定され、このリングギヤは駆動力伝達系の駆動ギヤと
噛み合っている。こうして、デフケース11はエンジン
の駆動力によりこの駆動力伝達系を介して回転駆動され
る。
【0018】デフケース11の内部には、ボス部23を
中心にして複数本のピニオンシャフト25が放射状に配
置されており、各ピニオンシャフト25の外側端部に形
成された平面部27はデフケース11の溝29に係合
し、軸方向移動可能に連結されている。各ピニオンシャ
フト25上にはピニオンギヤ31が回転自在に支承され
ている。
【0019】デフケース11の内部には一対の出力側サ
イドギヤ33、35が配置されている。これらのサイド
ギヤ33、35はそれぞれのボス部37、39に一体形
成されており、各サイドギヤ33、35はピニオンギヤ
31との噛み合いによって径方向外側から支持されてい
る。ピニオンギヤ31とデフケース11との間には球面
ワッシャ41が配置されており、ピニオンギヤ31の遠
心力と、各サイドギヤ33、35との噛み合いによって
ピニオンギヤ31が受ける噛み合い反力とを負担してい
る。
【0020】サイドギヤ33のボス部37はデフケース
11の支承部43及び後述するポンプハウジング45の
内周で回転自在に支承されており、サイドギヤ35のボ
ス部39はデフケース11の支承部47で回転自在に支
承されている。サイドギヤ35とデフケース11との間
にはワッシャ49が配置されており、サイドギヤ33と
ポンプハウジング45との間にはワッシャ51が配置さ
れている。サイドギヤ33、35は各ボス部37、39
を介して出力軸にスプライン連結され、止め輪53で軸
方向に固定されている。
【0021】こうして、ベベルギヤ式の差動ギヤ機構5
5が構成されている。差動ギヤ機構55のピニオンシャ
フト25とピニオンギヤ31とサイドギヤ33、35
は、溝29上を軸方向に移動可能である。
【0022】デフケース11を回転させるエンジンの駆
動力は、ピニオンシャフト25からピニオンギヤ31を
介してサイドギヤ33、35に分配され、各出力軸を介
して車輪側に伝達される。又、例えば悪路走行中に、各
車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ31の自
転によってエンジンの駆動力は各車輪側に差動分配され
る。
【0023】サイドギヤ33の頂部57とデフケース1
1との間には多板クラッチ59(摩擦クラッチ)が配置
されている。又、その側方には油圧アクチュエータ61
(アクチュエータ)が配置され、更に、その側方には2
組のギヤポンプ組63、65(ポンプ組)が配置されて
いる。
【0024】多板クラッチ59とデフケース11との間
にはバックリング67が配置され、デフケース11との
間で多板クラッチ59からの押圧力を負担している。
【0025】油圧アクチュエータ61のピストン69は
ポンプハウジング45とデフケース11との間にそれぞ
れシールリング71、73を介して軸方向移動自在に配
置されている。又、油圧アクチュエータ61のシリンダ
ー75はピストン69とポンプハウジング45とデフケ
ース11との間で形成されている。
【0026】各ギヤポンプ組63、65は、それぞれ、
ポンプハウジング45とサンギヤ77とピニオンギヤ7
9、81とチェクバルブ機構83、85などから構成さ
れている。
【0027】ポンプハウジング45は外周をデフケース
11に圧入され、更にボルト87でデフケース11に固
定されている。図2のように、ポンプハウジング45に
はサンギヤ77と同芯の収納孔89と、各2個の収納孔
91、93とが形成されており、各収納孔91、93は
収納孔89の外側に周方向等間隔に設けられている。収
納孔89は各収納孔91、93とそれぞれ連通しポンプ
室95、97を形成している。
【0028】サンギヤ77は収納孔89に摺動回転自在
に収納されており、図1のように、その内周はサイドギ
ヤ33のボス部37外周にスプライン連結されている。
また、各ピニオンギヤ79、81は収納孔91、93に
それぞれ摺動回転自在に収納されている。サンギヤ77
と各ピニオンギヤ79はポンプ室95で噛み合って2組
のギヤポンプ99を構成し、サンギヤ77と各ピニオン
ギヤ81はポンプ室97で噛み合って2組のギヤポンプ
101を構成している。
【0029】図2に示すように、ピニオンギヤ81のピ
ッチ円半径aはピニオンギヤ79のピッチ円半径bより
大径にされており、従って、ピニオンギヤ81の歯先円
径はピニオンギヤ79より大きく、ピニオンギヤ81の
歯数は8枚であり、ピニオンギヤ79の歯数は7枚であ
る。
【0030】こうして、ピッチ円半径aの大きいギヤポ
ンプ101の容量はピッチ円半径bの小さいギヤポンプ
99の容量より大きくされており、例えば、ギヤポンプ
99の容量を10とすれば、ギヤポンプ101の容量は
15である。
【0031】図2のように、ポンプハウジング45には
ギヤポンプ99、101のポンプ室95、97を連通す
る連通路103と、各ギヤポンプ99、101が油圧ア
クチュエータ61側へオイルを吐き出す吐出ポート10
5、107とが設けられている。また、図3のように、
カバー15にはこの連通路103と連通する連通溝10
9と、各ギヤポンプ99、101がオイルを吸入する吸
入ポート111、113とが設けられている。
【0032】このように、連通路103と連通溝109
とによって各ギヤポンプ99、101が直列に配置さ
れ、2組のギヤポンプ組63、65が構成されている。
【0033】チェックバルブ機構83は、弁座115、
117と、これらの弁座115、117を開閉可能に配
置された円盤状の吸入側弁体119とから構成されてい
る。図3のように、カバー15には溝121が設けら
れ、図1のように、この溝121には弁体119の脱落
を防止するプレートリング123が装着されている。
【0034】弁座115、117は各ギヤポンプ99、
101側に向いており、各チェックバルブ機構83は、
弁体119による弁座115、117の開放と閉塞とに
より、吸入ポート111、113から各ギヤポンプ9
9、101へオイルを吸入すると共に、各ギヤポンプ9
9、101から吸入ポート111、113への戻りオイ
ルを遮断する。
【0035】また、チェックバルブ機構85は、弁座1
25、127と、これらの弁座125、127を開閉可
能に配置された円盤状の吐出側弁体129とから構成さ
れており、これらの弁体129はポンプハウジング45
に装着されたプレートリング131によって脱落を防止
されている。
【0036】弁座125、127は油圧アクチュエータ
61側に向いており、各チェックバルブ機構85は、弁
体129による弁座125、127の開放と閉塞とによ
り、各ギヤポンプ99、101から吐出ポート105、
107(油圧アクチュエータ61側)にオイルを吐き出
すと共に、油圧アクチュエータ61側からの戻りオイル
を遮断する。
【0037】差動ギヤ機構55に差動回転が生じると、
デフケース11に固定されたポンプハウジング45側の
ピニオンギヤ79、81とサイドギヤ33側のサンギヤ
77とが相対回転し、各ギヤポンプ組63、65のギヤ
ポンプ99、101が駆動される。
【0038】カバー15の側面にはオイルポケット13
3が取り付けられている。このオイルポケット133
は、隔室部材135とこれを内張りして液密にするシー
ル部材137とリング139とからなり、カバー15と
の間でオイル室141を形成している。オイルポケット
133はカバー15に対して摺動回転自在であり、オイ
ル室141はオイルパイプを介してデフキャリヤのオイ
ル溜りに接続されている。
【0039】下記のように、各ギヤポンプ組63、65
が作動すると、オイル溜りのオイルはオイルパイプを介
してオイル室141に吸い上げられ、更に、各ギヤポン
プ組63、65で加圧されて油圧アクチュエータ61の
シリンダー75に与えられる。
【0040】シリンダー75にオイル圧が与えられる
と、油圧アクチュエータ61はピストン69を介して多
板クラッチ59を押圧し締結させ、多板クラッチ59の
摩擦抵抗と各ギヤポンプ組63、65のポンプ仕事とに
より差動ギヤ機構55の差動を制限する。多板クラッチ
59の摩擦抵抗とギヤポンプ組63、65のポンプ仕事
は差動回転数の上昇に伴って大きくなるから、差動回転
速度に感応する差動制限機能が得られる。
【0041】また、差動回転数が一定値より小さくなる
と、チェックバルブ機構83、85により各ポートが閉
塞されて各ギヤポンプ組63、65のポンプ機能が停止
し、差動制限が解除される。
【0042】デフケース11には開口143、145が
設けられており、これらの開口143、145からはオ
イル溜りのオイルやリングギヤの回転によって撥ね上げ
られデフキャリヤの内壁で跳ね返ったオイルがデフケー
ス11の内部に入り、差動ギヤ機構55の各ギヤや多板
クラッチ59などを潤滑し、耐久性を高める。
【0043】ピストン69にはオリフィス147が設け
られており、シリンダー75にオイル圧が加えられる
と、オイルに混入した空気を排出し、更に、適度にオイ
ルを排出する。排出されたオイルは多板クラッチ59、
各ギヤの噛み合い部、ピニオンギヤ31とピニオンシャ
フト25及び球面ワッシャ41との摺動部などを潤滑
し、開口143、145から遠心力で外部に排出され、
デフキャリヤのオイル溜りへ戻る。
【0044】次に、各ギヤポンプ組63、65の動作を
説明する。なお、図2、3で()内に示した数字は、ギ
ヤポンプ組63、65の各動作段階で機能する各ポート
や連通路103と連通溝109の各部を示す。
【0045】差動ギヤ機構55の差動回転により、各ギ
ヤポンプ組63、65のギヤポンプ99、101が図
2、3の矢印149のように時計回りに回転すると、ギ
ヤポンプ組63では、 (1): ギヤポンプ101側のチェックバルブ機構8
5が開放され、(1)で示す吐出ポート107から油圧
アクチュエータ61に容量15のオイルが与えられる。
このとき、チェックバルブ機構83によりカバー15の
吸入ポート113が閉塞され、デフケース11外部への
オイル洩れが防止される。
【0046】(2): ギヤポンプ101は、連通路1
03と連通溝109を通って送られてきたオイルを、
(2)で示す箇所から吸入する。
【0047】(3): 連通路103と連通溝109の
(3)で示す箇所から、ギヤポンプ99によって上記
(2)のオイルが圧送される。
【0048】(4): ギヤポンプ99側のチェックバ
ルブ機構83が開放され、オイル室141から(4)で
示す吸入ポート111を介して容量10のオイルが吸入
され、上記(2)(3)のように連通路103と連通溝
109を通ってギヤポンプ101側に圧送される。この
とき、チェックバルブ機構85によりポンプハウジング
45の吐出ポート105が閉塞され、ギヤポンプ99か
ら油圧アクチュエータ61へのオイル抜けが防止され
る。
【0049】また、ギヤポンプ組65では、 (5): ギヤポンプ101側のチェックバルブ機構8
5が開放され、(5)で示す吐出ポート107から油圧
アクチュエータ61に容量15のオイルが与えられる。
このとき、チェックバルブ機構83によりカバー15の
吸入ポート113が閉塞され、デフケース11外部への
オイル洩れが防止される。
【0050】(6): ギヤポンプ101は、連通路1
03と連通溝109を通って送られてきたオイルを、
(6)で示す箇所から吸入する。
【0051】(7): 連通路103と連通溝109の
(7)で示す箇所から、ギヤポンプ99によって上記
(6)のオイルが圧送される。
【0052】(8): ギヤポンプ99側のチェックバ
ルブ機構83が開放され、オイル室141から(8)で
示す吸入ポート111を介して容量10のオイルが吸入
され、上記(6)(7)のように連通路103と連通溝
109を通ってギヤポンプ101側に圧送される。この
とき、チェックバルブ機構85によりポンプハウジング
45の吐出ポート105が閉塞され、ギヤポンプ99か
ら油圧アクチュエータ61へのオイル抜けが防止され
る。
【0053】上記のように、ギヤポンプ101からは容
量15のオイルが吐き出され、ギヤポンプ99からは容
量10のオイルが吸入されるが、これらの差である容量
5のオイルは、ギヤポンプ101より高速回転するギヤ
ポンプ99の高速回転分と、連通路103と連通溝10
9に発生した負圧により、ギヤ77、79、81の隙間
及び各ギヤとポンプハウジング45との隙間から導入さ
れるオイルで補われる。
【0054】こうして、各ギヤポンプ組63、65が時
計回りに回転すると、小容量のギヤポンプ99から大容
量のギヤポンプ101側にオイルが送られ、ギヤポンプ
101から油圧アクチュエータ61に小さなオイル圧が
与えられ、小さな差動制限力が得られる。
【0055】また、差動ギヤ機構55の差動回転によ
り、各ギヤポンプ組63、65のギヤポンプ99、10
1が図2、3の矢印151のように反時計回りに回転す
ると、ギヤポンプ組63では、 (1′): チェックバルブ機構83が開放され、ギヤ
ポンプ101により、オイル室141から(1′)で示
す吸入ポート113を介して容量15のオイルが吸入さ
れる。このとき、チェックバルブ機構85によりポンプ
ハウジング45の吐出ポート107が閉塞され、ギヤポ
ンプ101から油圧アクチュエータ61へのオイル抜け
が防止される。
【0056】(2′): ギヤポンプ101は、
(2′)で示す箇所から連通路103と連通溝109を
介してオイルを圧送する。
【0057】(3′): ギヤポンプ99は、(2′)
のように連通路103と連通溝109を通って送られて
きたオイルを、(3′)で示す箇所から吸入する。
【0058】(4′): チェックバルブ機構85が開
放され、ギヤポンプ99により、(4′)で示す吐出ポ
ート105から、油圧アクチュエータ61に容量10の
オイルが与えられる。このとき、チェックバルブ機構8
3によりカバー15の吸入ポート111が閉塞され、オ
イル洩れが防止される。
【0059】また、ギヤポンプ組65では、 (5′): チェックバルブ機構83が開放され、ギヤ
ポンプ101により、オイル室141から(5′)で示
す吸入ポート113を介して容量15のオイルが吸入さ
れる。このとき、チェックバルブ機構85によりポンプ
ハウジング45の吐出ポート107が閉塞され、ギヤポ
ンプ101から油圧アクチュエータ61へのオイル抜け
が防止される。
【0060】(6′): ギヤポンプ101は、
(6′)で示す箇所から連通路103と連通溝109を
介してオイルを圧送する。
【0061】(7′): ギヤポンプ99は、(6′)
のように連通路103と連通溝109を通って送られて
きたオイルを、(7′)で示す箇所から吸入する。
【0062】(8′): チェックバルブ機構85が開
放され、ギヤポンプ99により、(8′)で示す吐出ポ
ート105から、油圧アクチュエータ61に容量10の
オイルが与えられる。このとき、チェックバルブ機構8
3によりカバー15の吸入ポート111が閉塞され、オ
イル洩れが防止される。
【0063】上記のように、ギヤポンプ101からは容
量15のオイルが吸入され、ギヤポンプ99からは容量
10のオイルが吐出されるが、これらの差である容量5
の余分なオイルは、連通路103と連通溝109に発生
する正圧になり、一部はギヤ77、79、81の隙間及
び各ギヤとポンプハウジング45との隙間から各ギヤポ
ンプ組63、65の外部に漏出する。
【0064】こうして、各ギヤポンプ組63、65が反
時計回りに回転すると、時計回り回転と反対に、オイル
の送り方向が大容量のギヤポンプ101から小容量のギ
ヤポンプ99側へ変わり、油圧アクチュエータ61に
は、時計回り回転のときより高いオイル圧が送られ、発
生する差動制限力はそれだけ大きくなる。
【0065】このように、ギヤポンプ組63、65の回
転方向(差動ギヤ機構55の差動回転方向)が変わると
差動制限力の大きさが変わる。
【0066】また、ギヤポンプ99とギヤポンプ101
とに容量差をつけるために、ピニオンギヤ79、81の
ピッチ円径(b、a)だけを変えているから、各ギヤポ
ンプ99、101でサンギヤ77を共用することがで
き、それだけ構成が簡素化している。
【0067】こうして、デファレンシャル装置9が構成
されている。
【0068】上記のように、デファレンシャル装置9で
は、ギヤポンプ99、101を直列配置したギヤポンプ
組63、65を用いたから、各ポンプの間でオイルが加
圧され高いオイル圧が得られる。また、複数組のポンプ
を並列に用いた従来のデファレンシャル装置と異なっ
て、オイル粘度やオイル流路での大きな吸入抵抗から解
放されオイル圧を充分に上げられるから、大きな差動制
限力が得られる。
【0069】従って、デファレンシャル装置9を用いた
車両は、その大きな速度感応型の差動制限機能によって
操縦性や安定性などの運動性能が充分に改善されると共
に、悪路などで一方の駆動輪が空転すると他方の駆動輪
に大きな駆動力が送られて走破性が向上する。
【0070】また、差動ギヤ機構55の差動回転方向が
変わると差動制限力の大きさが変わるから、デファレン
シャル装置9を4輪駆動車のセンターデフに用い、例え
ば、前輪側が空転したときにギヤポンプ組63、65か
ら高いオイル圧が発生し大きい差動制限力が得られるよ
うに構成すれば、前輪側の空転によって発生する大きい
差動制限力により後輪側に大きなトルクが送られて、車
両は円滑な登坂走行、発進、加速などを行うことができ
る。
【0071】なお、本発明において、ポンプ組は3組以
上のポンプを直列配置して構成してもよい。
【0072】また、ポンプはギヤポンプ以外のものでも
よく、ギヤポンプは内接型のものでもよい。
【0073】更に、差動ギヤ機構はベベルギヤ式のもの
に限らず、例えば、ギヤ間の摩擦抵抗やギヤとデフケー
スとの摩擦抵抗を利用してトルク感応型の差動制限機能
を得るヘリカルギヤ式の差動ギヤ機構、あるいは、ウォ
ームギヤの歯面摩擦抵抗を利用してトルク感応型の差動
制限機能を得る差動ギヤ機構などでもよい。
【0074】このような差動ギヤ機構を用いれば、それ
ぞれのトルク感応型差動制限機能に加えて、摩擦クラッ
チとポンプとによる速度感応型差動制限機能を併せ持っ
たデファレンシャル装置が得られる。
【0075】また、差動制限用のクラッチは多板クラッ
チに限らず、例えば、コーンクラッチのような他の摩擦
クラッチでもよい。
【0076】
【発明の効果】上記のように、請求項1のデファレンシ
ャル装置は、複数のポンプを直列配置したことによって
大きなオイル圧が得られると共に、複数組のポンプを並
列に用いた従来例と異なって、オイル粘度やオイル流路
での大きな吸入抵抗から解放されオイル圧を充分に上げ
られるから、大きな差動制限力が得られ、車両の操縦性
や安定性などの動力性能を充分に改善することができ
る。
【0077】また、容量が異なったポンプでポンプ組を
構成しているから、これらを容量順に配列すれば、差動
回転の方向によって差動制限力の大きさが変わる。従っ
て、この発明のデファレンシャル装置を4輪駆動車のセ
ンターデフに用い、前輪側の空転時に大きい差動制限力
が発生するように構成すれば、前輪側の空転によって発
生する大きい差動制限力により、後輪側に大きな駆動力
が送られるから、車両は円滑な登坂走行、発進、加速な
どを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
9 デファレンシャル装置 11 デフケース 19、21 デフケース11のボス部 31 ピニオンギヤ 33、35 出力側サイドギヤ 55 ベベルギヤ式の差動ギヤ機構(差動ギヤ機構) 59 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 61 油圧アクチュエータ(アクチュエータ) 63、65 ギヤポンプ組(ポンプ組) 77 サンギヤ 79、81 ピニオンギヤ 99、101 ギヤポンプ(ポンプ) a、b ピッチ円径

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部でエンジンの駆動力に
    より回転駆動されると共に、このケーシングに設けられ
    たオイル溜りのオイルレベルがボス部の内周より径方向
    内側にあるデフケースと、デフケースの回転をピニオン
    ギヤを介して一対の出力側サイドギヤから出力する差動
    ギヤ機構と、差動ギヤ機構の差動を制限する摩擦クラッ
    チと、差動ギヤ機構の差動回転を受けて駆動される互い
    に容量の異なった複数のポンプからなり、前段ポンプの
    吐出オイルを次段のポンプに順次与え終段のポンプから
    吐き出す直列配置のポンプ組と、このポンプ組のオイル
    圧を受けて摩擦クラッチを押圧し締結するアクチュエー
    タとを備えたことを特徴とするデファレンシャル装置。
JP30003195A 1995-11-17 1995-11-17 デファレンシャル装置 Pending JPH09144841A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108105359A (zh) * 2018-02-05 2018-06-01 潘国陶 一种无级变速器
WO2019148969A1 (zh) * 2018-02-05 2019-08-08 潘国陶 一种无级变速器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108105359A (zh) * 2018-02-05 2018-06-01 潘国陶 一种无级变速器
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