JPH09144840A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH09144840A
JPH09144840A JP30001295A JP30001295A JPH09144840A JP H09144840 A JPH09144840 A JP H09144840A JP 30001295 A JP30001295 A JP 30001295A JP 30001295 A JP30001295 A JP 30001295A JP H09144840 A JPH09144840 A JP H09144840A
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JP
Japan
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differential
gear
pump
case
oil
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JP30001295A
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English (en)
Inventor
Shinji Yamazaki
伸司 山崎
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 差動回転数が低いときでも安定した大きな差
動制限力が得られると共に、サイドギヤのスラスト力の
影響からポンプケ−スを開放する。 【解決手段】 エンジンにより回転駆動されるデフケ−
ス3と、差動ギヤ機構41と、差動制限用の摩擦クラッ
チ45と、差動回転を受けて駆動される複数セットのギ
ヤポンプ49と、ポンプ49の吐出圧を受けて摩擦クラ
ッチ45を締結するアクチュエ−タ47とを備え、ポン
プ49は、デフケ−ス3と一体に回転する内歯ギヤ63
と、ギヤ63と噛み合った複数個の外歯ギヤ65と、各
ギヤ65を回転自在に支持すると共にサイドギヤ25の
ボス部29外周に軸方向相対移動可能に連結されたポン
プケ−ス55とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のデファレンシャル装置には、差動
回転を受けて駆動されるギヤポンプを内蔵し、そのポン
プ圧で差動制限用の摩擦クラッチを締結させるものがあ
る。このギヤポンプはデファレンシャル装置を収納する
ケ−スに設けられたオイル溜りからオイルを吸入するよ
うに構成されている。
【0003】ギヤポンプには内接式と外接式とがある。
【0004】外接式のギヤポンプを用いたデファレンシ
ャル装置は、差動回転が入力する内側のギヤは、一般
に、デファレンシャル装置と同軸に配置され、外側のギ
ヤは内側ギヤの外周に配置され、デフケ−スには内側と
外側の各ギヤの噛み合い部付近と対抗する位置にオイル
ポ−トが同心円状に形成される。
【0005】また、図4に示したものは、U.S.Pa
tent 5310388号登録証に記載されたデファ
レンシャル装置201であり、内接式のギヤポンプを用
いたデファレンシャル装置の例である。
【0006】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケ−ス203に固定されたピニオンシャフト205と、
ピニオンシャフト205上に回転自在に支承されたピニ
オンギヤ207と、ピニオンギヤ207と噛み合うサイ
ドギヤ209、211とからなるベベルギヤ式の差動機
構213と、差動制限用の多板クラッチ215と、多板
クラッチ215を締結させる油圧アクチュエ−タ217
と、油圧アクチュエ−タ217を作動させるギヤポンプ
219とを備えている。サイドギヤ209、211は車
軸221、223と各別にスプライン連結されている。
【0007】多板クラッチ215とギヤポンプ219は
サイドギヤ209側の車軸221とデフケ−ス203と
の間に配置されており、ギヤポンプ219は車軸221
から差動機構213の差動回転を受けて駆動され、油圧
アクチュエ−タ217はギヤポンプ219の吐出圧を受
けて多板クラッチ215を押圧し、差動機構213の差
動を制限する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、外接式のギヤ
ポンプは、外側ギヤの存在に制約されて内側のギヤを大
径にすることができないから、オイルポ−トのP.C.
D(オイルポ−トが配列された円のピッチ円径)も小径
になる。従って、小径のP.C.D上にオイルポ−トが
密に開口するから、それだけデフケ−スの強度が低下す
る。
【0009】また、駆動される内側のギヤが小径である
と、差動回転を受けたときの外側ギヤの回転数(ギヤポ
ンプの回転数)が低いから、回転数当たりの吐出量が少
なく、高いポンプ圧が発生しない。従って、大きな差動
制限力が得られず、車両の運動性能を充分に改善できな
いと共に、差動制限機能のポンプ圧に対する依存性が高
くなり、僅かな差動回転数の変化でポンプ圧が変動し、
差動制限機能が不安定になる。
【0010】更に、オイルポ−トのP.C.Dが小さい
と、オイル溜りのオイルレベルをそれだけ上げる必要が
あるが、オイルレベルを上げるには多量のオイルをケ−
スに入れなければならず、また、オイルレベルを上げる
とオイルの粘性によりデファレンシャル装置が受ける回
転抵抗が増加し、この動力ロスによってエンジンの燃費
が低下する。
【0011】また、外接式ギヤポンプを用いた従来のデ
ファレンシャル装置には、内側のギヤが出力側サイドギ
ヤに連結された車軸に固定され、ポンプケ−スがこのサ
イドギヤとデフケ−スとの間に配置されているものがあ
る。
【0012】このような構成では、サイドギヤのスラス
ト力がポンプケ−スを撓め、ギヤとポンプケ−スとのか
じりを発生させることがあるが、これを防ぐためにポン
プケ−スを肉厚にして、装置の重量化と大型化とを招い
ていた。
【0013】また、図4のデファレンシャル装置201
は、上記のように内接式のギヤポンプ219を用いてい
るが、このギヤポンプ219は外歯ギヤ225と内歯ギ
ヤ227からなる1セットのギヤポンプであるから、回
転数当たりの吐出量が少なくポンプ圧が低い。従って、
大きい差動制限力が得られず、車両の運動性能を充分に
改善できない。
【0014】そこで、この発明は、内蔵のギヤポンプを
差動回転で駆動し、摩擦クラッチを押圧して差動制限力
を得るデファレンシャル装置であって、差動回転数が低
いときでも安定した大きな差動制限力が得られると共
に、ポンプケ−スをサイドギヤのスラスト力の影響から
開放したデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケ−スと、デフケ−スの回転をピニオンギヤを介して
一対のサイドギヤから出力する差動ギヤ機構と、差動ギ
ヤ機構の差動を制限する摩擦クラッチと、差動ギヤ機構
の差動回転を受けて回転駆動される複数組の内接式ギヤ
ポンプとと、このギヤポンプの吐出圧を受けて摩擦クラ
ッチを押圧し締結するアクチュエ−タとを備え、前記ギ
ヤポンプは、デフケ−スと一体に回転する内歯ギヤと、
この内歯ギヤと噛み合った複数個の外歯ギヤと、各外歯
ギヤを回転自在に支持すると共にサイドギヤのボス部外
周に軸方向相対移動可能に連結されたポンプケ−スとを
有することを特徴とする。
【0016】差動ギヤ機構に差動回転が生じると、サイ
ドギヤと一体のポンプケ−スとデフケ−スとの相対回転
により、各ポンプ室の外歯ギヤとデフケ−ス側の内歯ギ
ヤとが噛み合い回転し、各ギヤポンプが駆動され、これ
らの吐出圧を受けてアクチュエ−タが作動し、摩擦クラ
ッチが押圧されて差動が制限される。
【0017】ポンプ仕事と摩擦クラッチの摩擦抵抗は差
動回転数の上昇に伴って大きくなるから、こうして、速
度感応型の差動制限機能が得られる。
【0018】また、1セットのギヤポンプで差動制限を
する図4の従来例と異なって、ギヤポンプを複数セット
用いたから大きな差動制限力が得られ、差動回転数が低
いときでも車両の運動性能を充分に改善できる。
【0019】これに加えて、内接式のギヤポンプは、外
接式のギヤポンプと異なって、外歯ギヤに制約されずに
内歯ギヤ(駆動ギヤ)を大径にできるから、内歯ギヤの
回転に対する外歯ギヤの回転数が高くなり、ギヤポンプ
が高速で駆動されて大きなオイル吐出量とポンプ圧とが
得られる。従って、差動制限機能のポンプ圧に対する依
存性が軽減され、差動回転数変動の影響から開放されて
差動制限機能が安定する。
【0020】また、内接式のギヤポンプは、上記のよう
に、内歯ギヤを大径にできるから、オイルポ−トのP.
C.Dも大径になり、複数セットのギヤポンプ用オイル
ポ−トを設けても、オイルポ−トの配列が粗になるか
ら、それだけデフケ−スの強度低下が緩和される。
【0021】更に、オイルポ−トのP.C.Dが大き
く、オイル溜りのオイルレベルをそれだけ下げられるか
ら、ケ−スに入れるオイル量を少なくできると共に、オ
イルによりデファレンシャル装置が受ける回転抵抗と動
力ロスとが大きく低減し、エンジンの燃費が向上する。
【0022】これに加えて、サイドギヤのボス部をポン
プケ−スと軸方向相対移動可能に連結したから、デフケ
−スでサイドギヤのスラスト力を受けることが出来る。
こうして、サイドギヤのスラスト力によるポンプケ−ス
の撓みと、ポンプケ−スとギヤとのかじりが防止される
と共に、ポンプケ−スを肉厚にする必要がなく、デファ
レンシャル装置の重量化と大型化とが避けられる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1ないし3により本発明の一実
施形態を説明する。図1はこの実施形態のデファレンシ
ャル装置1を示す。なお、左右の方向は図1での左右の
方向であり、符号を与えていない部材等は図示されてい
ない。
【0024】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケ−ス3はケ−シング本体5とカバ−7とをボルト
9で固定して構成されている。デフケ−ス3はデフキャ
リヤの内部に配置されており、デフキャリヤにはオイル
溜りが形成されている。
【0025】デフケ−ス3の左右のボス部11、13は
ベアリングを介してデフキャリヤに支承されている。デ
フケ−ス3にはリングギヤがボルトで固定され、このリ
ングギヤは駆動力伝達系の駆動ギヤと噛み合っている。
こうして、デフケ−ス3はエンジンの駆動力によりこの
駆動力伝達系を介して回転駆動される。
【0026】デフケ−ス3の内部には、ボス部15を中
心にして複数本のピニオンシャフト17が放射状に配置
されており、各ピニオンシャフト17の外側端部に形成
された面取り部19はデフケ−ス3の溝21に係合し回
転方向に連結されている。各ピニオンシャフト17上に
はピニオンギヤ23が回転自在に支承されている。
【0027】デフケ−ス3の内部には左右の出力側サイ
ドギヤ25、27が配置されている。これらのサイドギ
ヤ25、27はそれぞれのボス部29、31に一体形成
されており、各サイドギヤ25、27はピニオンギヤ2
3との噛み合いによって径方向外側から支持されてい
る。ピニオンギヤ23とデフケ−ス3との間には球面ワ
ッシャ33が配置されており、ピニオンギヤ23の遠心
力と、各サイドギヤ25、27との噛み合いによってピ
ニオンギヤ23が受ける噛み合い反力とを負担してい
る。
【0028】左サイドギヤ25のボス部29はデフケ−
ス3の支承部35で回転自在に支承されており、右サイ
ドギヤ27のボス部31はデフケ−ス3の支承部37で
回転自在に支承されている。右サイドギヤ27とデフケ
−ス3との間にはワッシャ39が配置されている。サイ
ドギヤ25、27は各ボス部29、31を介して左右の
車軸にスプライン連結されている。
【0029】こうして、ベベルギヤ式の差動ギヤ機構4
1が構成されている。差動ギヤ機構41のピニオンシャ
フト17とピニオンギヤ23とサイドギヤ25、27
は、溝21上を軸方向に移動可能である。
【0030】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト17からピニオンギヤ23を介
してサイドギヤ25、27に分配され、各車軸を介して
車輪側に伝達される。また、例えば悪路走行中に、車輪
間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ23の自転に
よってエンジンの駆動力は各車輪側に差動分配される。
【0031】左サイドギヤ25の頂部43とデフケ−ス
3との間には、多板クラッチ45(摩擦クラッチ)が配
置されている。また、その左方には油圧アクチュエ−タ
47(アクチュエ−タ)が配置され、更にその左方に
は、図2に示すように、4セットの内接式ギヤポンプ4
9が配置されている。
【0032】多板クラッチ45とデフケ−ス3との間に
はバックリング51が配置され多板クラッチ45への押
圧力を負担している。
【0033】油圧アクチュエ−タ47のピストン53は
ギヤポンプ49のポンプケ−ス55とデフケ−ス3との
間にそれぞれシ−ルリング57、59を介して軸方向移
動自在に配置されている。また、油圧アクチュエ−タ4
7のシリンダ−61はピストン53とポンプケ−ス55
とデフケ−ス3との間で形成されている。
【0034】図2のように、各ギヤポンプ49はポンプ
ケ−ス55と内歯ギヤ63と4個の外歯ギヤ65とチェ
クバルブ機構67、69などから構成されている。
【0035】ポンプケ−ス55の内周は左サイドギヤ2
5のボス部29の外周に、スプライン部71で軸方向移
動可能に連結されている。また、内歯ギヤ63の外周は
スプライン部73によりデフケ−ス3の内周に連結され
ている。ポンプケ−ス55には周方向等間隔に4箇所の
ポンプ室75が設けられており、各外歯ギヤ65はこれ
らのポンプ室75に摺動回転自在に収納されていると共
に、ポンプ室75で内歯ギヤ63と噛み合って4セット
のギヤポンプ49を構成している。
【0036】従って、差動ギヤ機構41に差動回転が生
じると、デフケ−ス3(内歯ギヤ63)と左サイドギヤ
25(ポンプケ−ス55)との相対回転により、各ギヤ
63、65が噛み合い回転し、各ギヤポンプ49が作動
する。
【0037】図3のように、デフケ−ス3のカバ−7に
は各ギヤ63、65の噛み合い部の周方向両側(ギヤポ
ンプ49の吸入側と吐出側)と対向する位置に吸入ポ−
ト77、77が合計4組設けられていると共に、各吸入
ポ−ト77と連通する弁座79が設けられている。ま
た、図2のように、ポンプケ−ス55にはギヤポンプ4
9の吸入側と吐出側と対向する位置に吐出ポ−ト81、
81が合計4組設けられていると共に、図1のように、
各吐出ポ−ト81と連通する弁座83が設けられてい
る。
【0038】各チェックバルブ機構67は、弁座79
と、弁座79を閉塞可能に配置された円盤状の吸入側チ
ェックバルブ85とからなり、チェックバルブ85は各
ギヤ63、65の側面で脱落を防止されている。弁座7
9はギヤポンプ49側に向いており、各チェックバルブ
機構67は、チェックバルブ85による弁座79の開放
と閉塞とにより、吸入ポ−ト77からギヤポンプ49に
オイルを流すと共に、ギヤポンプ49から吸入ポ−ト7
7への戻りオイルを遮断する。
【0039】また、各チェックバルブ機構69は、弁座
83と、弁座83を閉塞可能に配置された円盤状の吐出
側チェックバルブ87とからなり、各チェックバルブ8
7はポンプケ−ス55に装着されたプレ−トリング89
により脱落を防止されている。弁座83はアクチュエ−
タ47側に向いており、各チェックバルブ機構69は、
ギヤポンプ49から吐出ポ−ト81(アクチュエ−タ4
7側)にオイルを流すと共に、吐出ポ−ト81側からの
戻りオイルを遮断する。
【0040】各ギヤポンプ49が回転すると、いずれの
方向に回転しても、各ギヤポンプ49の吸入側では、チ
ェックバルブ機構67が開放されてオイルがギヤポンプ
49に吸入されると共に、チェックバルブ機構69が閉
塞されてアクチュエ−タ47側からの戻りオイルが遮断
される。また、各ギヤポンプ49の吐出側では、チェッ
クバルブ機構67が閉塞されてギヤポンプ49からデフ
ケ−ス3の外部に戻るオイルが遮断されると共に、チェ
ックバルブ機構69が開放されてアクチュエ−タ47に
オイルが供給される。
【0041】このように、各ギヤポンプ49が回転する
と、その回転方向(差動ギヤ機構41の差動回転方向:
車両の走行方向)に関わらず、常にアクチュエ−タ47
のシリンダ−61にオイル圧が与えられる。
【0042】カバ−7の側面にはオイルポケット89が
取り付けられている。このオイルポケット89は隔室部
材91とこれを内張りして液密にするシ−ル部材93と
リング95とからなり、カバ−7との間でオイル室97
を形成している。
【0043】オイルポケット89はカバ−7に対して摺
動回転自在であり、オイルポケット89にはオイルパイ
プが接続されている。このオイルパイプはオイルストレ
−ナと制御弁とを介してデフキャリヤのオイル溜りとオ
イルポケット89とを連通している。
【0044】各ギヤポンプ49が作動すると、オイル溜
りからオイルパイプを介してオイルが吸い上げられてオ
イル室97を満たし、上記のように、シリンダ−61に
オイル圧が与えられる。
【0045】シリンダ−61にオイル圧が与えられる
と、油圧アクチュエ−タ47はピストン53を介して多
板クラッチ45を押圧し締結させ、多板クラッチ45の
摩擦抵抗と各ギヤポンプ49のポンプ仕事とにより差動
ギヤ機構41の差動を制限する。多板クラッチ45の摩
擦抵抗とギヤポンプ49のポンプ仕事は差動回転数の上
昇に伴って大きくなるから、差動回転速度に感応する差
動制限機能が得られる。
【0046】また、差動回転数が一定値より小さくなる
と、チェックバルブ機能67、69により各オイルポ−
トが閉塞されてギヤポンプ49のポンプ機能が停止し、
差動制限が解除される。
【0047】ピストン53にはオリフィス99が設けら
れており、シリンダ−61にオイル圧が加えられると、
オイルに混入した空気を排出し、更に、適度にオイルを
排出する。排出されたオイルは多板クラッチ45、各ギ
ヤの噛み合い部、ピニオンギヤ23とピニオンシャフト
17及び球面ワッシャ33との摺動部などを潤滑し、デ
フケ−ス3に設けられた開口101、103から遠心力
で外部に排出され、デフキャリヤのオイル溜りへ戻る。
【0048】差動ギヤ機構41がトルクを伝達する間、
各サイドギヤ25、27にはピニオンギヤ23との噛み
合い反力が掛かる。左のサイドギヤ25はこの噛み合い
反力によって左方に移動する。また、右のサイドギヤ2
7はワッシャ39を介してデフケ−ス3に当接しており
右方に移動できないから、サイドギヤ25は自らの噛み
合い反力に加えてサイドギヤ27からの噛み合い反力を
受ける。
【0049】しかし、サイドギヤ25が受けるこの大き
な噛み合い反力(スラスト力)は、ギヤポンプ49のポ
ンプケ−ス55がサイドギヤ25のボス部29に対して
軸方向移動可能にスプライン連結されているから、従来
例と異なって、ポンプケ−ス55には掛からず、デフケ
−ス3の側壁105に掛かる。
【0050】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0051】デファレンシャル装置1を用いた車両は、
その大きな速度感応型の差動制限機能によって、悪路な
どで駆動輪の空転が防止されて走破性が向上する。
【0052】上記のように、デファレンシャル装置1で
は、図4の従来例と異なって、4セットのギヤポンプ4
9を用いたことにより、差動回転数が低いときでも充分
な差動制限力が得られ、車両の運動性能を充分に改善で
きる。
【0053】また、内接式のギヤポンプ49を用いたか
ら、外接式のギヤポンプと異なって外歯ギヤに制約され
ずに、内歯ギヤ63が大径になり、図2、3に示したよ
うに、オイルポ−ト77、77、81、81のP.C.
Dも大径になる。従って、デファレンシャル装置1のよ
うに4セットのギヤポンプ49用オイルポ−ト77、7
7、81、81をデフケ−ス3に形成しても、これらの
配列が粗になるから、デフケ−ス3の強度低下は緩和さ
れる。
【0054】更に、内歯ギヤ63が大径になっただけ、
内歯ギヤ63の回転数当たりの外歯ギヤ65の回転数が
高くなり、各ギヤポンプ49のオイル吐出量が増加しポ
ンプ圧が上昇する。従って、ギヤポンプ49の複数配置
の効果と相まって、差動制限機能のポンプ圧に対する依
存性が軽減され、差動回転数変動の影響から開放されて
差動制限機能が安定する。
【0055】これに加えて、オイルポ−トのP.C.D
を大きくしたことにより、オイル溜りのオイルレベルを
それだけ下げることができる。デファレンシャル装置1
の回転中は、リングギヤによってオイル溜りのオイルが
掻き回されてデフキャリヤの内壁に張り付くが、オイル
レベルを下げたことによりこの張り付きオイルの厚みが
薄くなり、デフキャリヤに入れるオイル量を少なくする
ことができる。また、オイルによりデファレンシャル装
置1が受ける回転抵抗と動力ロスとが低減し、エンジン
の燃費が大きく向上する。
【0056】また、サイドギヤ25のボス部29をポン
プケ−ス55と軸方向相対移動可能に連結したから、デ
フケ−ス3でサイドギヤ25、27のスラスト力を受け
ることができる。こうして、サイドギヤ25、27のス
ラスト力によるポンプケ−ス55の撓みと、ポンプケ−
ス55と各ギヤ63、65とのかじりが防止されると共
に、ポンプケ−ス55を肉厚にする必要がなく、デファ
レンシャル装置1の重量化と大型化とが避けられる。
【0057】なお、本発明において、差動ギヤ機構はベ
ベルギヤ式のものに限らず、例えば、各差動ギヤ間の摩
擦抵抗や各ギヤとデフケ−スとの摩擦抵抗を利用してト
ルク感応型の差動制限機能を得るヘリカルギヤ式の差動
ギヤ機構などでもよい。
【0058】また、このような差動ギヤ機構を用いれ
ば、そのトルク感応型差動制限機能に加えて、摩擦クラ
ッチとポンプによる速度感応型差動制限機能を併せ持っ
たデファレンシャル装置が得られる。
【0059】差動制限用のクラッチは多板クラッチに限
らず、例えばコ−ンクラッチのような他の摩擦クラッチ
でもよい。
【0060】この発明のデファレンシャル装置は、フロ
ントデフ(前輪の車軸上に配置したデファレンシャル装
置)と、リヤデフ(後輪の車軸上に配置したデファレン
シャル装置)と、センタ−デフ(エンジンの駆動力を前
輪と後輪とに分配するデファレンシャル装置)のいずれ
にも用いることができる。
【0061】
【発明の効果】上記のように、請求項1のデファレンシ
ャル装置は、従来例と異なって、ギヤポンプを複数セッ
ト用いたから大きな差動制限力が得られ、差動回転数が
低いときでも車両の運動性能を充分に改善できる。
【0062】また、内接式のギヤポンプは、外接式のギ
ヤポンプと異なって、内歯ギヤを大径にできるから、内
歯ギヤの回転に対する外歯ギヤの回転数が高くなり、ギ
ヤポンプが高速で駆動されて大きなオイル吐出量とポン
プ圧とが得られる。従って、差動制限機能のポンプ圧に
対する依存性が軽減され、差動回転数変動の影響から開
放されて差動制限機能が安定する。
【0063】また、内歯ギヤを大径にできるから、オイ
ルポ−トのP.C.Dも大径になり、複数セットのギヤ
ポンプ用オイルポ−トを設けても、デフケ−スの強度低
下は緩和される。
【0064】更に、オイルポ−トのP.C.Dが大き
く、オイル溜りのオイルレベルをそれだけ下げられるか
ら、ケ−スに入れるオイル量を少なくてすむと共に、デ
ファレンシャル装置が受けるオイルの回転抵抗と動力ロ
スとが低減し、エンジンの燃費が大きく向上する。
【0065】これに加えて、サイドギヤのボス部をポン
プケ−スと軸方向相対移動可能に連結したから、デフケ
−スでサイドギヤのスラスト力を受けることができ、サ
イドギヤのスラスト力によるポンプケ−スの撓み及びポ
ンプケ−スとギヤとのかじりが防止されると共に、ポン
プケ−スを肉厚にする必要がなく、デファレンシャル装
置の重量化と大型化とが避けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 23 ピニオンギヤ 25、27 サイドギヤ 29 サイドギヤ25のボス部 41 差動ギヤ機構 45 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 47 油圧アクチュエ−タ(アクチュエ−タ) 49 内接式ギヤポンプ 55 ポンプケ−ス 63 内歯ギヤ 65 外歯ギヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケ−スと、デフケ−スの回転をピニオンギヤを介し
    て一対のサイドギヤから出力する差動ギヤ機構と、差動
    ギヤ機構の差動を制限する摩擦クラッチと、差動ギヤ機
    構の差動回転を受けて回転駆動される複数組の内接式ギ
    ヤポンプと、このギヤポンプの吐出圧を受けて摩擦クラ
    ッチを押圧し締結するアクチュエ−タとを備え、前記ギ
    ヤポンプは、デフケ−スと一体に回転する内歯ギヤと、
    この内歯ギヤと噛み合った複数個の外歯ギヤと、各外歯
    ギヤを回転自在に支持すると共にサイドギヤのボス部外
    周に軸方向相対移動可能に連結されたポンプケ−スとを
    有することを特徴とするデファレンシャル装置。
JP30001295A 1995-03-28 1995-11-17 デファレンシャル装置 Pending JPH09144840A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT407077B (de) * 1997-11-25 2000-12-27 Steyr Daimler Puch Ag Antriebseinheit mit drehzahldifferenzabhängiger hydraulischer kupplung für den antriebsstrang von fahrzeugen
CN102713358A (zh) * 2009-12-09 2012-10-03 Zf腓德烈斯哈芬股份公司 具有可调节的差速器的汽车变速器

Cited By (3)

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