JPH09143704A - スパッタリング用チタンターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

スパッタリング用チタンターゲットおよびその製造方法

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JPH09143704A
JPH09143704A JP33111095A JP33111095A JPH09143704A JP H09143704 A JPH09143704 A JP H09143704A JP 33111095 A JP33111095 A JP 33111095A JP 33111095 A JP33111095 A JP 33111095A JP H09143704 A JPH09143704 A JP H09143704A
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titanium
grain size
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JP33111095A
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Kaoru Masuda
薫 増田
Shigeru Taniguchi
繁 谷口
Akitoshi Hiraki
明敏 平木
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーティクルの発生が少なく、方向の揃った
スパッタ粒子を放出することが可能なバッキングプレー
トを有するチタンターゲットおよびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 予め最大粒径20μm以下、平均結晶粒
径10μm以下の再結晶組織に調製したチタンターゲッ
ト材と、アルミニウムを主体とするバッキングプレート
とを、接触させた状態で300から450℃、圧力50
から200MPaの条件で静水圧プレスを行い、微細な
再結晶組織を保ったターゲットを得る。静水圧プレスに
は、アルミニウムの容器あるいは0.5mm以下の金属
箔を容器として使用できる。接合時において、チタンタ
ーゲット材には、粗面化処理を施しておくことが望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングに
よってチタンを含有する薄膜を形成するために用いられ
るスパッタリング用チタンターゲットおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子や、パーソナルコンピ
ュータの記録媒体として用いられる磁気ディスク、ある
いは液晶ディスプレイなどの精密部品の製造分野でスパ
ッタリング法を用いた薄膜の形成が広く行われている。
スパッタリング用ターゲットは、通常ターゲット材にパ
ッキングプレートが接合されて形成されている。これ
は、バッキングプレートが、スパッタリング装置への装
着時のターゲット材の固定部材として、またスパッタリ
ング中のターゲットの過熱を防止するための熱伝導部材
として、あるいはターゲット材にチャージアップした電
荷の放散のための導電性部材として有効であるからであ
る。
【0003】上述の高い熱伝導性と、高い電気伝導性と
を満足するバッキングプレート用素材として、熱伝導性
の観点から主として無酸素銅が用いられている。また、
アルミニウムあるいはジュラルミン等のアルミニウムを
基とする合金のバッキングプレートが使用される場合も
ある。通常、ターゲット材とバッキングプレートとは、
インジウム系あるいはスズ系のロウ材を用いて接合され
ている。最近、成膜時の効率を向上するために、ターゲ
ット材は大型化し、スパッタリングのために投入される
電力は、ますます増加する傾向にある。例えば、LSI
の製造プロセスで使用される純チタンターゲットには、
コリメータ使用による薄膜の堆積速度の低下を補うため
に、数十キロワットにもおよぶ高い電力が投入される場
合がある。このため、従来よりもターゲットの過熱が激
しく、高温下でのバッキングプレートとのボンディング
の信頼性の確保が大きな課題となっている。
【0004】高温下における接合部分の信頼性を確保す
る手段としては、高融点のロウ材を使用する方法がある
が、ロウ材の高温化には限界があり、またロウ材を使用
する際に用いられるフラックス剤により、ターゲットが
汚染されるという問題がある。このような問題を解決す
るために、バッキングプレートを使用しないでターゲッ
ト材を直接装置に導入してスパッタリングを行う方法を
取る場合があるが、この場合は、上述したようにスパッ
タリング中のターゲットの過熱を防止できる、あるいは
チャージアップした電荷の放散を容易に行えるといった
バッキングプレートを装着することによる利点を得るこ
とができない。
【0005】また、上述した問題を解決する新しい手法
として、ターゲット材とバッキングプレートとを固相拡
散により接合する方法が提案されている。たとえば、特
開平6−65733号公報によれば、チタンのターゲッ
トとアルミニウムのバッキングプレートとを直接500
℃で24時間、800トンの荷重を加えて拡散接合する
ことにより、引張強度9.7から11.9kgf/mm
2(95.1から116.6MPa)の接合強度が得ら
れることが開示されている。また、特開平6−1082
46号公報によれば、ターゲットよりも低融点のインサ
ート材を挿入して、拡散接合する方法が開示されてい
る。
【0006】上述した拡散によりターゲット素材とバッ
キングプレートとを接合する方法は、通常のロウ材によ
る接合にくらべて約10から20倍もの強固な接合を得
ることができ、スパッタリング時も投入電力の増加に伴
う温度上昇にあっても、接合部の信頼性を確保できるも
のとして期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、LSIの高集積
化に伴う、配線幅の微細化、積層膜の高層化により、ス
パッタリング成膜工程での異物、いわゆるパーティクル
の発生による製品の歩留り低下が問題となっている。例
えばLSIのオーミックコンタクト部を形成するために
使用されるチタンターゲットに対しては、通常純チタン
層の形成するためのアルゴンスパッタと、窒化チタン
(TiN)層を形成するためのアルゴンと窒素との混合
雰囲気下での反応性スパッタとを交互に適用される。本
発明者等は、このようなスパッタリング過程におけるチ
タンターゲット表面の形状変化と、パーティクル発生と
の関連を調査した。
【0008】その結果、反応性スパッタの過程で、チタ
ン表面に窒化チタン(TiN)層が形成され、このTi
N層の剥離がパーティクル発生の原因の一つであること
を見いだした。そして、TiN層が剥離する原因の一つ
として、エロージョン部に凹凸ができ、この凹凸のエッ
ジ部がアーキングの起点となり、異常放電の衝撃により
TiN皮膜の剥離・飛散して、パーティクルが発生する
ことが推定された。
【0009】本発明者等は、上述したパーティクルの発
生は、チタンターゲットの結晶粒径を微細なものに調整
することにより低減できることを確認した。これは、組
織の結晶粒径を微細にすることにより、エロージョン部
の凹凸が小さく平滑になるため異常放電が起こりにく
く、TiN層の膜応力も分散されるため、剥離によるパ
ーティクル発生が抑えられたものと考えられる。なお、
このように微細な結晶粒に調整したチタンターゲット
が、粗大な結晶粒を有するチタンターゲットに比較して
パーティクルの発生を低減できることは、特開平6−1
0107号公報あるいは特開平6−280009号公報
にも報告されている。
【0010】また近年、LSIに代表される半導体素子
の高集積化に伴い、半導体素子に形成するコンタクトホ
ールの穴径は小さくなり、アスペクト比は増加する傾向
にある。このような高アスペクト比のコンタクトホール
内に成膜する場合、コンタクトホール底部には膜が堆積
しにくいという問題が発生している。このため、コンタ
クトホール底部に十分に膜を堆積させるためには、スパ
ッタ粒子は、コンタクトホールにできるだけ垂直に揃っ
て入射することが必要である。
【0011】従来は、ターゲットと成膜すべき基板との
間にコリメータを設けて、基板に到達するスパッタ粒子
の方向を揃える方法、あるいはターゲットと基板を引き
離することにより基板に到達するスパッタ粒子の方向を
揃えるようにした遠距離スパッタなど、装置上の改良に
よりスパッタ粒子の方向を揃える方法が実用化されてい
る。本発明者等の検討によれば、平均結晶粒径を10μ
m以下のきわめて微細な再結晶組織を有するチタンター
ゲットを用いればパーティクルの低減だけでなくスパッ
タ粒子の方向をも揃えることができることを見いだし
た。
【0012】このように、微細な結晶粒を有する組織に
調整したチタンターゲットは、スパッタリング期間中の
パーティクルの発生の抑制およびスパッタ粒子の方向を
揃えるという目的に対して有効である。本発明者は、こ
のような微細な再結晶組織を有するチタンターゲットを
スパッタリング時の大電力に耐えられるように、ロウ付
けによるバッキングプレートを接合する手法に替えて、
特開平6−65733号に記載される拡散接合による方
法でターゲット材とバッキングプレートとを接合する手
法によりチタンターゲットを得ることを試みた。
【0013】しかし、特開平6−65733号に記載さ
れる手法によりチタンターゲットを製造すると、ロウ付
けにより接合したターゲットよりもスパッタ粒子の方向
性が揃わず、コンタクトホール底部に十分な膜を形成す
ることができない場合があることがわかった。本発明の
目的は、パーティクルの発生が少なく、方向の揃ったス
パッタ粒子を放出することが可能なターゲット材とバッ
キングプレートの接合体で形成されるチタンターゲット
およびその製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、チタンタ
ーゲット材にアルミニウムを主体とするバッキングプレ
ートを拡散接合する条件とチタンターゲット組織との関
係を調査した。その結果、最大粒径20μm以下、平均
結晶粒径が10μm以下の微細な結晶粒を有する再結晶
組織に調整したターゲットにおいては、組織全体が再結
晶粒で満たされていても、通常の拡散接合に使用される
500℃程度の加熱接合条件を適用すると急激に結晶粒
の成長が起こることがわかった。そして、加熱接合時の
ターゲット材組織における急激な結晶粒の増大が、パー
ティクルの発生やスパッタ粒子の方向の分布の広がりの
原因となっていることが判明した。
【0015】このような知見から、本発明者等は、微細
な再結晶組織を維持したままチタンターゲット材とバッ
キングプレートとを接合可能な方法を検討を行なった。
そして、密封気体を加熱して、その時の圧力上昇を利用
する熱間静水圧プレス装置に着目し、450℃以下の低
温で、50MPa以上の静水圧を発生させることによ
り、きわめて微細なターゲット組織を保ったまま、アル
ミニウムを主体とするバッキングプレートとの接合が可
能であることを見いだした。
【0016】すなわち、本発明のスパッタリング用チタ
ンターゲットの製造方法は、チタンターゲット材とアル
ミニウムを主体とするバッキングプレートとを、接触さ
せた状態で300から450℃、圧力50から200M
Paの条件で静水圧プレスを行い、最大粒径20μm以
下、平均結晶粒径10μm以下の再結晶組織を有するタ
ーゲット材とバッキングプレートとを拡散により接合し
たターゲットを得るものである。
【0017】より好ましくは、上述したチタンターゲッ
ト材としては、あらかじめ冷間加工して得られたチタン
素材を450℃以下の加熱処理を行い、最大粒径20μ
m以下、平均結晶粒径10μm以下の再結晶組織を有す
るチタンターゲット材を使用する。このように、冷間加
工による歪みの導入と加熱処理によって、チタンターゲ
ット材の結晶粒の調整をあらかじめ行っておくことによ
り、静水圧プレスを行う際の加熱によって結晶粒の一部
が粗大化するのを防止することができ有効である。好ま
しくは、静水圧プレスの条件は、400℃以下の温度を
適用する。
【0018】本発明の熱間静水圧プレスで圧力を伝達す
る容器としては、変形の容易なアルミニウム製の容器、
あるいは0.5mm以下の厚さの金属箔を使用することが
好ましい。また、接合強度をさらに高めるためにはチタ
ンターゲット材のバッキングプレートと接合される面
に、6Sから12Sの粗面化処理を行なうことが有効で
ある。上述した方法により、最大粒径20μm以下、平
均結晶粒径10μm以下の再結晶組織を有するチタンタ
ーゲット材が、アルミニウムを主体とするバッキングプ
レートに拡散接合されてなる本発明の新規なスパッタリ
ング用チタンターゲットを得ることができる。また、上
述した方法により、本発明のチタンターゲットにおける
接合強度を、引張強度50MPa以上とすることもでき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法においては、静
水圧プレスによって接合することに一つの特徴がある。
一軸のプレス成形においては、チタンターゲットとバッ
キングプレートとの接合界面に垂直に圧力が加えられる
ものの、少しでも軸がずれると接合界面に均一に圧力を
付与することができないという問題がある。
【0020】そして、本発明のように、きわめて微細な
組織を保つために低温域しか使用できない場合は、接合
界面の原子の拡散は接合界面に付与する圧力に大きく依
存するため、接合界面に均一に圧力が加わらないと、未
接合部が発生してしまう。こうなると、熱伝導性および
電気伝導性を確保することが必要なターゲットとしては
使用できなくなる。本発明が規定する静水圧ブレスは、
ターゲットとバッキングプレートに等方的な圧力が加え
ることができ、接合界面に均一に圧力を付与することが
できるため、未接合部の発生を防止することができるも
のである。
【0021】本発明において、静水圧プレスの条件とし
て300℃から450℃としたのは、300℃未満であ
ると、長時間保持しても拡散接合することが難しく、工
業的に使用することができないためである。一方450
℃を越えると、結晶粒の成長が起こり、特に最大粒径2
0μm以下、平均結晶粒径10μm以下のターゲット材
を接合しようとする際に、微細な組織を保つことができ
なくなるためである。また、静水圧プレスの条件とし
て、圧力50MPaから200MPaとしたのは、50
MPaより低い圧力では、接合強度が低下することにな
り、一方200MPa以上の圧力を適用することは、静
水圧プレス装置の性能上、現実的ではないためである。
【0022】上述した方法により、最大粒径20μm以
下、平均結晶粒径10μm以下の再結晶組織を有するチ
タンターゲット材が、アルミニウムを主体とするバッキ
ングプレートに拡散接合されてなる本発明の新規なスパ
ッタリング用チタンターゲットを得ることができる。本
発明において、アルミニウムを主体とするバッキングプ
レートというのは、純アルミニウムあるいはジュラルミ
ンなどのアルミニウムを基とする合金でなるバッキング
プレートを意味するものである。熱伝導性の点からは、
純アルミニウムが好ましいが、ターゲットが大型化して
くると、バッキングプレートには強度が要求されるた
め、Si,Cu,Mn,Mg,Cr,Zn,Ti,Zr
などの強化元素をそれぞれ選択的に10重量%以下添加
した合金、例えばジュラルミンを使用することができ
る。
【0023】ここで、最大粒径20μm以下、平均結晶
粒径を10μm以下と規定したのは上述したようにスパ
ッタリング期間中のパーティクルの発生の抑制だけでは
なく、スパッタ粒子の方向を揃えるという目的に対し
て、ここに規定するレベルにまで微細化する必要があ
る。なお、上述した効果を得ることができない組織にお
ける最大粒径20μmを越え、また平均結晶粒径が10
μmを越えるターゲット材に対しては、500℃程度で
も結晶粒の粗大化が起こらず、低温の条件を使用する本
発明の方法をあえて適用する必要はない。本発明におい
ては、特にターゲット材の結晶粒の粗大化を防ぐために
は、400℃以下の温度で静水圧プレスを行う。上述し
た本発明の製造方法によって適用する低温高圧の適用に
より、ターゲット材とバッキングプレートとの接合強度
は引張強度50MPa以上とすることができる。
【0024】本発明においては、上述したように低温高
圧を適用するため、静水圧プレスにおいて使用する圧力
を伝達する容器としては、できる限り低温において変形
し易いものが望ましい。具体的には、変形の容易なアル
ミニウム製の容器を使用したり、板厚0.5mm以下の
金属箔を圧力を伝達する容器として使用することが望ま
しい。金属箔としては、純鉄、ステンレス、アルミニウ
ムなどの箔が使用できるほか、特にターゲットの汚染を
防止するためには、高融点金属であるニオブやモリブデ
ンの箔を選択することも効果的である。
【0025】また、本発明においては、チタンターゲッ
ト材のバッキングプレートと接合される面に、あらかじ
め6Sから12Sの粗面化処理を施すことが望ましい。
これはアルミニウムと比較してチタンの硬さが高いた
め、凹凸を形成しておくと、接合時に凹凸部がバッキン
グプレートに食い込み、アンカー効果を得ることができ
るとともに、界面の接触面積が増加して、拡散による物
質移動が容易になり、接合強度を高めることができるた
めである。また、このような凹凸部を形成しておくと、
接合時にバッキングプレートの表面に形成されやすい酸
化層を突き破り、活性な表面を露出させるため、物質移
動が容易となる。これにより接合強度をさらに高めるこ
とになる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)5N(99.999%純度)グレードのチタンイン
ゴットを冷間鍛造後、表1に示す条件で、冷間圧延を行
い、ついで400℃にて再結晶化の加熱処理を行ない表
1に示す結晶粒径を有するターゲット素材を得た。得ら
れたターゲット素材を機械加工により、寸法φ300×
8mmt、接合面の粗度を3.2Sに調整し、ターゲッ
ト材とした。一方、JIS 合金番号1050の純アル
ミニウムの板材およびJIS 合金番号2017のジュ
ラルミンから、機械加工により、寸法φ300×25
t、接合面の粗度が2Sのバッキングプレートを得た。
ターゲット材およびバッキングプレートの接合面を、1
0%フッ硝酸で洗浄を行い、表面の酸化膜や汚れを除去
した。次いで純水で洗浄し、アルゴンブローにより乾燥
を行った。
【0027】
【表1】
【0028】次に表2に示す組み合わせで、ターゲット
材とバッキングプレートのそれぞれの接合面を重ね合わ
せ、肉厚3mmの純アルミニウム製のカプセルに封入し
た。このカプセルを、熱間静水圧プレス装置の炉内にい
れ、5×10マイナス3乗Paまで減圧してから、カプ
セルを密封した。次いで、熱間静水圧プレス装置の炉内
温度を上昇していき、400℃で、140MPaの条件
で5時間保持の処理条件で拡散接合を行った。
【0029】処理終了後、アルミニウム製のカプセルを
旋盤加工で除去し、チタンターゲット材とアルミニウム
製バッキングプレートとが接合したターゲットを得た。
音波探傷法による測定では、いずれのターゲット試料も
100%の接合率であった。また、機械加工の段階で、
ターゲット材とバッキングプレートとの接合体から、3
0mm角、厚さ12mmの引張試験片を切り出し、接合
面に垂直な方向に荷重をかけて、接合強度を測定すると
ともに、ターゲット材の結晶粒径を測定した。その結果
を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示すように、ジュラルミン製性のバ
ッキングプレートでは、純アルミニウムのバッキングプ
レートよりもやや接合強度が低下するものの50MPa
以上という十分に高い接合強度を得ることができた。ま
た表2に示すように、400℃の条件で行った静水圧プ
レスによるターゲット材とバッキングプレートとの接合
においては、ターゲット材組織における結晶粒の粗大化
は起こらず、良好なターゲット材組織を保つことができ
た。得られたターゲットを用いて、到達真空度5×10
マイナス5乗Pa、アルゴン圧力5Pa、供給電力(タ
ーゲット単位面積当たり)15W/cm2、基板温度2
00℃の条件にて行ない成膜評価を行った。結果を表3
に示す。表3に示すパーティクル数は、6インチウエハ
ー中の0.3μm以上の個数で表したものである。ま
た、ボトムカバレージ率はホール径0.5μmでアスペ
クト比1.5のコンタクトホールに成膜した際のトップ
膜厚とボトム膜厚を測定し、ボトム膜厚/トップ膜厚で
算出したものである。
【0032】
【表3】
【0033】表3に示すように、各試料とも20%以上
のボトムカバレージを有し、パーティクル数も20個以
下を達成することができた。このボトムカバレージが高
いということは、コンタクトホールの底部に、より多く
のスパッタ粒子が到達したことを意味するものであり、
ターゲットから飛び出したスパッタ粒子の方向がそろっ
ていることを示す指標となる。また、特にターゲット材
として最大粒径20μm以下、平均結晶粒径を10μm
以下に調整したT1からT6までのターゲット材におい
ては、最大粒径20μmを越え、平均結晶粒径が10μ
mを越えるT7のターゲット材に比べて、パーティクル
数が少なく、ボトムカバレージも高いものとなり、好ま
しいものとなっていることがわかる。
【0034】(実施例2)実施例1で用いたのと同様の
ターゲット材T1(平均結晶粒径8μm)、T3(平均
結晶粒径4μm)と、実施例1と同様の純アルミニウム
製のバッキングプレートを準備した。それぞれの接合面
を重ね合わせ、純アルミニウム製のカプセルに封入し
た。このカプセルを、熱間静水圧プレス装置の炉内にい
れ、5×10マイナス3乗Paまで減圧してから、カプ
セルを密封した。次いで、熱間静水圧プレス装置の炉内
温度を上昇していき、圧力および温度変えて5時間保持
する条件を設定することにより、静水圧プレスにおける
温度と圧力の影響を確認できるようにした。なお、カプ
セルとしては、静水圧ブレスにおいて400℃以上の温
度を適用する場合は肉厚3mmの純アルミニウムの缶と
し、400℃未満を適用する場合は、0.1mmの純モ
リブデンの箔を用いた。
【0035】処理終了後、アルミニウム製のカプセルを
旋盤加工で除去し、チタンターゲット材とアルミニウム
製バッキングプレートとが接合したターゲットを得た。
音波探傷法による測定では、いずれのターゲット試料も
100%の接合率であった。また、機械加工の段階で、
ターゲット材とバッキングプレートとの接合体から、3
0mm角、厚さ12mmの引張試験片を切り出し、接合
面に垂直な方向に荷重をかけて、接合強度を測定すると
ともに、ターゲット材の平均結晶粒径を測定した。その
結果を表2に示す。また、本発明の典型的な金属ミクロ
組織として、図1に試料17のミクロ組織を示す。ま
た、比較例の金属ミクロ組織として、図2に試料20の
ミクロ組織を示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4に示すように、試料15に示すよう
に、280℃では150MPaの圧力においてはターゲッ
ト材とバッキングプレートとを接合させることができな
かった。また、300℃以上では、ターゲット材とバッ
キングプレートとの接合は良好なものとなったが、試料
20、25に示すように500℃にまで温度を高める
と、結晶粒が粗大化してしまうことがわかる。すなわ
ち、本発明のように、スパッタリング期間中のパーティ
クルの発生の抑制だけではなく、スパッタ粒子の方向を
揃えることができる最大粒径20μm以下、平均結晶粒
径10μm以下のターゲットを得るためには、静水圧プ
レスの条件としては、300〜450℃とすることが必
要であることがわかる。また、試料26より、接合強度
50MPa以上を得るには、50MPa以上の圧力を付
加する必要があることがわかる。
【0038】(実施例3)実施例1のターゲット材T1
と同様のターゲット材を製造し、実施例1と同様のアル
ミニウム製のバッキングプレートを準備した。ターゲッ
ト材およびバッキングプレートの接合面を表5に示す面
粗度に加工した。これらを実施例1と同様に、400℃
で、140MPaの条件で5時間保持の処理条件で拡散
接合を行った。これをアルミニウム製のバッキングプレ
ートと同じ寸法およびグレードのチタンターゲットとア
ルミニウム製のバッキングプレートとを用意した。ここ
では、Tiについて、接合面の粗度を、表1に示すよう
に、1S、2S、6.3S、12Sと変化させ、残りの
条件は実施例1と全く同様の手順により拡散接合を行な
い、機械加工によりターゲットを製造した。
【0039】得られたターゲットにおいて、ターゲット
材は、8μmの平均粒径を保っており、結晶粒の粗大化
は起こっていないことを確認した。ターゲット材の接合
面に付与した面粗度と接合強度の影響を確認するため、
実施例1と同様の方法で、接合強度を測定した。結果を
表5に示す。表5に示すように、ターゲット材粗さを大
きくすることにより、接合強度を高めることが可能であ
ることがわかる。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】本発明によれは、パーティクルの低減に
効果があり、またスパッタの方向を揃えることができる
微細な結晶粒を持つターゲット材を、微細な結晶粒を粗
大化させることなく、アルミニウムを主体とするバッキ
ングプレートに拡散接合したターゲットとして提供する
ことが可能となる。これにより、微細な再結晶組織を有
するチタンターゲットに対して、大電力を与えることが
できることとなり、高品質の薄膜を高効率で生産できる
ことになるため、薄膜の量産性にとって極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のターゲット材の典型的な金属ミクロ組
織を示す写真である。
【図2】比較例のターゲット材の典型的な金属ミクロ組
織を示す写真である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大粒径20μm以下、平均結晶粒径1
    0μm以下の再結晶組織を有するチタンターゲット材
    が、アルミニウムを主体とするバッキングプレートに拡
    散接合されてなるスパッタリング用チタンターゲット。
  2. 【請求項2】 拡散接合部が引張強度50MPa以上の
    接合強度を有することを特徴とする請求項1に記載のス
    パッタリング用チタンターゲット。
  3. 【請求項3】 チタンターゲット材とアルミニウムを主
    体とするバッキングプレートとを、接触させた状態で3
    00から450℃、圧力50から200MPaの条件で
    静水圧プレスを行い、最大粒径20μm以下、平均結晶
    粒径10μm以下の再結晶組織を有するターゲット材と
    バッキングプレートとを拡散により接合したターゲット
    を得ることを特徴とするスパッタリング用ターゲットの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 冷間加工して得られたチタン素材を45
    0℃以下の加熱処理を行い、最大粒径20μm以下、平
    均結晶粒径10μm以下の再結晶組織を有するチタンタ
    ーゲット材を得た後、チタンターゲット材とアルミニウ
    ムを主体とするバッキングプレートとを、接触させた状
    態で300から450℃、圧力50から200MPaの
    条件で静水圧プレスを行い、ターゲット材とバッキング
    プレートとを拡散により接合しターゲットを得ることを
    特徴とする請求項3に記載のスパッタリング用チタンタ
    ーゲットの製造方法。
  5. 【請求項5】 静水圧プレスの温度は、400℃以下で
    あることを特徴とする請求項3ないし4のいずれかに記
    載のスパッタリング用チタンターゲットの製造方法。
  6. 【請求項6】 静水圧プレスは、アルミニウムでなる容
    器内にターゲット材とバッキングプレートを封入して行
    うことを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載
    のスパッタリング用チタンターゲットの製造方法。
  7. 【請求項7】 静水圧プレスは、0.5mm以下の厚さの
    金属箔でなる容器内にターゲット材とバッキングプレー
    トを封入して行うことを特徴とする請求項3ないし5の
    いずれかに記載のスパッタリング用チタンターゲットの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 チタンターゲット材のバッキングプレー
    トと接合される面に、6Sから12Sの粗面化処理を行
    うことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載
    のスパッタリング用チタンターゲットの製造方法。
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