JPH09138955A - 光ディスク原盤露光装置及び光ディスク - Google Patents

光ディスク原盤露光装置及び光ディスク

Info

Publication number
JPH09138955A
JPH09138955A JP7298066A JP29806695A JPH09138955A JP H09138955 A JPH09138955 A JP H09138955A JP 7298066 A JP7298066 A JP 7298066A JP 29806695 A JP29806695 A JP 29806695A JP H09138955 A JPH09138955 A JP H09138955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure
optical
master
optical disk
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7298066A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Sakuta
茂 佐久田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7298066A priority Critical patent/JPH09138955A/ja
Publication of JPH09138955A publication Critical patent/JPH09138955A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、スライダの運動誤差に起因する記録
誤差を補正する。 【解決手段】露光ユニット59を光ディスク原盤3に対
して粗位置決めすると、このときの粗動スライダ42の
ヨーイング運動、ピッチング運動及びローリング運動に
よる各運動誤差e1 、e2 、e3 を検出し、これら運動
誤差e1 、e2 、e3 をフィードバックして各アクチュ
エータ72、75、…81を駆動して露光ユニット59
をx軸、y軸及びz軸にそれぞれ微動し、かつx軸、y
軸及びz軸の各軸回り方向にそれぞれ微小回転させて、
露光ユニット59の位置・姿勢を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク原盤に
レーザビーム等の露光用光を照射してピット、グルーブ
などの情報群を記録する光ディスク原盤露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスク製造の概略は、先ずガラス原
板に対して感光材料であるフォトレジストを塗布し、こ
れを光ディスク原盤とする。
【0003】次にこの光ディスク原盤のフォトレジスト
をレーザビームにより露光する。
【0004】この後、光ディスク原盤に対する現像など
の処理を行い、記録すべき情報を凹形状として加工し、
これをピットやグルーブ信号として記録する。続いて光
ディスク原盤から情報を写しとり、これを原盤として光
ディスクの複製を行うに必要な金属スタンパを作成す
る。
【0005】そして、この金属スタンパを用いて複製を
行い、最終製品である光ディスクを完成する。
【0006】図37はかかる直線駆動の光ディスク原盤
露光装置の構成図である。
【0007】スピンドルモータ1の回転軸には、ターン
テーブル2が連結され、このターンテーブル2上に光デ
ィスク原盤3が載置されている。
【0008】一方、ターンテーブル2の上方には、一軸
方向の送りスライダ4が設けられ、この送りスライダ4
上に微動ユニット5を介して露光ユニット6が設けられ
ている。
【0009】これら送りスライダ4及び微動ユニット6
は、それぞれレーザ干渉測長器7、8により移動距離が
測長され、これらの移動距離をコントローラ9にフィー
ドバックすることにより駆動制御されるものとなってい
る。
【0010】このような構成であれば、光ディスク原盤
3は、スピンドルモータ1の駆動により一定の速度で回
転し、かつ露光ユニット6は、送りスライダ4及び微動
ユニット5に対するフィードバック制御により、光ディ
イク原盤3の半径方向に直線的に送られる。
【0011】従って、光ディスク原盤3には、露光ユニ
ット6から出力されたレーザビーム10がその全面に走
査・露光される。
【0012】このレーザビーム10による露光により光
ディスク原盤3の面上には、ピット、グルーブなどの情
報群が記録される。
【0013】ところで、露光ユニット6を搭載する送り
スライダ4は、図38(a) 〜(c) に示すように2本のガ
イド11、12を移動する構成となっているが、この構
成では、送りスライダ4は、同図(a) に示すように点P
を回転中心としてヨーイング運動し、又同図(b) に示す
ように点Qを中心としてピッチング運動し、同図(c)に
示すように点Rを中心としてローリング運動する。
【0014】なお、送りスライダ4には、露光ユニット
6としての対物レンズ13が示されている。
【0015】このため、これら送りスライダ4のヨーイ
ング運動、ピッチング運動、ローリング運動、さらには
真直度の運動誤差に起因して光ディスク原盤3に記録さ
れた情報群に記録誤差が生じる。
【0016】又、光ディスク原盤3に対する露光のため
に一軸の送りスライダ4を用いて走査しているが、この
送りスライダ4のスライダサイズ、その周辺機器等によ
り装置全体が大型化し、装置の小形化を実現するのが困
難となっている。
【0017】さらに又、光ディスク原盤3に対する情報
群の記録誤差としては、スピンドルモータ1の回転によ
る非繰り返し振れに起因する記録誤差、光ディスク原盤
3のスピンドルモータ1に対する芯合わせすなわちセン
タリング誤差に起因する記録誤差、露光ユニット6によ
る振動に起因する記録誤差が挙げられる。
【0018】又、露光(記録)レーザヘッド20のサイ
ズ、例えば約1200mm×150mm×200mm
と、これら露光ユニット6や送りスライダ4等の露光光
学系及びその制御系の占有スペースが広くなり、装置の
小形化が困難となっている。
【0019】又、送りスライダ4及び微動ユニット6
は、それぞれ各レーザ干渉測長器7、8により移動距離
が測長されているが、これらレーザ干渉測長器7、8の
分解能に微動ユニット5の分解能が制約を受けてしま
い、光ディスク原盤3に対して高精度な記録が困難とな
っている。
【0020】又、これらレーザ干渉測長器7、8の光学
系、例えばミラー、レシーバ、干渉計、スプリッタ、ベ
ンダー等の占めるスペースを無視することができず、装
置の小形化といった点で問題がある。
【0021】一方、図39は他の光ディスク原盤露光装
置の構成図である。なお、図37と同一部分には同一符
号を付してその詳しい説明は省略する。
【0022】露光レーザヘッド20から出力されたレー
ザビーム21は、光軸制御系の各ミラー22〜25でそ
れぞれ反射して露光ユニット26に伝送されるものとな
っている。
【0023】この露光ユニット26は、一軸方向の送り
スライダ27に搭載され、光ディスク原盤3の半径方向
に送られて、レーザビーム21を光ディスク原盤3の面
上に照射するものとなっている。
【0024】この露光ユニット26には、フォーカス制
御系として、Zステージ・ボイスコイルモータ等のフォ
ーカスアクチュエータ28の駆動により対物レンズ29
を光軸方向に移動自在とし、かつ対物レンズ29の光軸
上に可動ミラー30を配置してレーザビーム21の一部
をフォトディテクタ(PD)31により検出し、このフ
ォトディテクタ31の出力信号をフォーカスアクチュエ
ータ28にフィードバックしてフォーカス制御する機能
が備えられている。
【0025】このような構成であれば、光ディスク原盤
3は、スピンドルモータ1の駆動により一定の速度で回
転し、かつ露光ユニット26は、送りスライダ27によ
る送り動作により、光ディスク原盤3の半径方向に直線
的に送られる。
【0026】一方、露光レーザヘッド20から出力され
たレーザビーム21は、各ミラー22〜25で反射して
露光ユニット26に送られ、この露光ユニット26から
対物レンズ29により集光されて光ディスク原盤3に露
光される。
【0027】従って、光ディスク原盤3には、露光ユニ
ット26から出力されたレーザビーム21がその全面に
走査・露光される。このレーザビーム21による露光に
より光ディスク原盤3の面上には、ピット、グルーブな
どの情報群が記録される。
【0028】しかしながら、このような装置であれば、
光軸制御系の各ミラー22〜25を配置すると共にフォ
ーカス制御系として可動ミラー30、フォトディテクタ
31及びフォーカスアクチュエータ28を設けなければ
ならず、これら光軸制御系及びフォーカス制御系は、そ
の構成が複雑であり、装置の大型化につながる。
【0029】又、光ディスク原盤3上における実際のレ
ーザビーム21の照射位置の検出がされていないので、
露光(記録)誤差が生じるという問題がある。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】以上のように送りスラ
イダ4のヨーイング運動、ピッチング運動、ローリング
運動、さらには真直度の運動誤差に起因して光ディスク
原盤3に記録された情報群に記録誤差が生じる。
【0031】又、一軸の送りスライダ4を用いることに
より、装置の小形化が困難となっている。
【0032】又、スピンドルモータ1の回転による非繰
り返し振れに起因する記録誤差、光ディスク原盤3のス
ピンドルモータ1に対するセンタリング誤差に起因する
記録誤差、露光ユニット6による振動に起因する記録誤
差があり、高精度な記録ができない。
【0033】又、各レーザ干渉測長器7、8の分解能に
微動ユニット5の分解能が制約を受けてしまい、光ディ
スク原盤3に対して高精度な記録が困難となっている。
【0034】又、レーザビーム21の光軸制御系及びフ
ォーカス制御系は、その構成が複雑であり、露光レーザ
ヘッドの大型サイズも装置の大型化につながる。
【0035】又、光ディスク原盤3上における実際のレ
ーザビーム21の照射位置の検出がされていないので、
露光(記録)誤差が生じる。
【0036】そこで本発明は、送りスライダの運動誤差
に起因する記録誤差を補正できる光ディスク原盤露光装
置を提供することを目的とする。
【0037】又、本発明は、送りスライダの運動誤差に
起因する記録誤差を補正できるとともに装置の小形化を
図れる光ディスク原盤露光装置を提供することを目的と
する。
【0038】又、本発明は、スピンドルモータの回転に
よる非繰り返し振れに起因する記録誤差などを無くして
高精度な記録ができ、かつ装置の小形化を図れる光ディ
スク原盤露光装置を提供することを目的とする。
【0039】又、本発明は、スピンドルモータの回転に
よる非繰り返し振れに起因する記録誤差及び光ディスク
原盤のスピンドルモータ1に対するセンタリング誤差に
起因する記録誤差を無くして高精度な記録ができる光デ
ィスク原盤露光装置を提供することを目的とする。
【0040】又、本発明は、レーザ干渉測長器の分解能
に制約されずに光ディスク原盤に対して高精度な記録が
できる光ディスク原盤露光装置を提供することを目的と
する。
【0041】又、本発明は、レーザビームの光軸制御を
簡単な構成でできる光ディスク原盤露光装置を提供する
ことを目的とする。
【0042】又、本発明は、レーザビームのフォーカス
制御を簡単な構成でできる光ディスク原盤露光装置を提
供することを目的とする。
【0043】又、本発明は、レーザビームの照射位置を
簡単な構成で検出できる光ディスク原盤露光装置を提供
することを目的とする。
【0044】又、本発明は、レーザビームの光軸制御、
フォーカス制御及びレーザビームの照射位置を簡単な構
成で検出できる光ディスク原盤露光装置を提供すること
を目的とする。
【0045】又、本発明は、情報を高精度に記録した光
ディスクを提供することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、露光
ユニットから出力された露光用光を光ディスク原盤に照
射する光ディスク原盤露光装置において、露光ユニット
を光ディスク原盤に対して粗く位置決めする粗動駆動手
段と、露光ユニットを微動させる微動駆動手段と、露光
ユニットを粗動駆動手段により位置決めした後、粗動駆
動手段により露光ユニットを駆動したときの運動誤差を
検出する運動誤差検出手段と、この運動誤差検出手段に
より検出された運動誤差に基づいて微動駆動手段を微動
させて露光ユニットの位置・姿勢を補正する位置・姿勢
補正手段と、を備えた光ディスク原盤露光装置である。
【0047】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、露光ユニットを光ディスク原盤に対して粗位置決め
すると、このときの露光ユニットを駆動したときの運動
誤差が検出され、この運動誤差に基づいて露光ユニット
を微動させて、この露光ユニットの位置・姿勢を補正す
る。
【0048】請求項2によれば、請求項1記載の光ディ
スク原盤露光装置において、微動駆動手段は、露光ユニ
ットを互いに垂直方向のx軸、y軸及びz軸にそれぞれ
微動させる各第1の微動素子と、露光ユニットをx軸、
y軸及びz軸の各軸回り方向にそれぞれ微小回転させる
各第2の微動素子と、を備えている。
【0049】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、運動誤差に基づいて露光ユニットをx軸、y軸及び
z軸にそれぞれ微動し、これと共にこれらx軸、y軸及
びz軸の各軸回り方向にそれぞれ微小回転させて、露光
ユニットの位置・姿勢を補正する。
【0050】請求項3によれば、請求項1記載の光ディ
スク原盤露光装置において、運動誤差検出手段は、粗動
駆動手段により露光ユニットを駆動したときのx軸及び
y軸方向の各移動位置を検出する各位置検出計と、粗動
駆動手段により露光ユニットを駆動したときのx軸、y
軸及びz軸の各軸回り方向の角度位置を検出する各角度
検出計と、これら位置検出計及び角度検出計によりそれ
ぞれ検出された移動位置及び角度位置に基づいてx軸及
びy軸方向の運動誤差及びx軸、y軸及びz軸の各軸回
り方向の運動誤差を求める運動誤差算出手段と、を有し
ている。
【0051】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、露光ユニットを粗位置決めしたときのx軸及びy軸
方向の各移動位置を検出し、これと共にx軸、y軸及び
z軸の各軸回り方向の角度位置を検出し、これら移動位
置及び角度位置に基づいてx軸及びy軸方向の運動誤差
及びx軸、y軸及びz軸の各軸回り方向の運動誤差を求
める。
【0052】請求項4によれば、請求項3記載の光ディ
スク原盤露光装置において、角度検出計は、前記露光ユ
ニットを移動する粗動スライダのピッチング、ヨーイン
グ及びローリングを検出する。
【0053】請求項5によれば、請求項1記載の光ディ
スク原盤露光装置において、位置・姿勢補正手段は、運
動誤差検出手段により求められたx軸及びy軸方向の運
動誤差に基づいて微動駆動手段における第1の微動素子
を駆動し、かつ運動誤差検出手段により求められたx
軸、y軸及びz軸の各軸回り方向の運動誤差に基づいて
微動駆動手段における第2の微動素子を駆動する機能を
有する。
【0054】請求項6によれば、露光ユニットから出力
された露光用光を光ディスク原盤に照射する光ディスク
原盤露光装置において、露光ユニットを光ディスク原盤
に対して傾き方向に移動自在なチルト機構と、このチル
ト機構を傾き運動させる変位素子と、露光ユニットの傾
き角度を検出する角度検出器と、この角度検出器により
検出された傾き角度に基づいて変位素子を駆動して、露
光ユニットから出力された露光用光を光ディスク原盤上
のラジアル方向に走査する露光制御手段と、を備えた光
ディスク原盤露光装置である。
【0055】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、変位素子を駆動することによりチルト機構を傾き運
動させると、このチルト機構を傾き運動に応動して露光
ユニットから出力される露光用光の出射方向が走査され
る。従って、光ディスク原盤上には、露光用光がラジア
ル方向に走査される。
【0056】請求項7によれば、請求項6記載の光ディ
スク原盤露光装置において、チルト機構は、切欠きヒン
ジにより形成されている。
【0057】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、チルト機構は、変位素子の駆動により切欠きヒンジ
を中心として回動し、露光ユニットを傾き運動させる。
【0058】請求項8によれば、請求項6記載の光ディ
スク原盤露光装置において、変位素子は、複数の圧電素
子を積層した積層圧電素子である。
【0059】請求項9によれば、請求項6記載の光ディ
スク原盤露光装置において、変位素子は、複数の圧電素
子を積層した積層圧電素子とインチワームモータとを組
み合わせて構成される。
【0060】請求項10によれば、露光用光を光ディス
ク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置において、露
光用光を出力する露光光源と、この露光光源に光ファイ
バーを介して接続され、この光ファイバー内を伝送して
きた露光用光を光ディスク原盤に照射する露光ユニット
と、この露光ユニットを2次元平面上に移動させるリニ
アモータ機構と、このリニアモータ機構を動作制御して
露光ユニットを2次元平面上に移動して、露光用光を光
ディスク原盤上に走査させる露光制御手段と、を備えた
光ディスク原盤露光装置である。
【0061】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、露光ユニットは、リニアモータ機構に対する動作制
御により2次元平面上を移動する。このとき、露光光源
から出力された露光用光は、光ファイバー内を伝送して
露光ユニットに送られるので、露光用光は、光ディスク
原盤上に走査・露光される。
【0062】請求項11によれば、請求項10記載の光
ディスク原盤露光装置において、複数の露光ユニットを
リニアモータガイド板上に配置し、これら露光ユニット
をそれぞれ2次元平面上に移動制御し、これら露光ユニ
ットから出力された各露光用光を前記光ディスイク原盤
上に照射する。
【0063】請求項12によれば、露光用光を光ディス
ク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置において、露
光用光を出力する露光光源と、鏡面における反射角度が
変化し、露光光源から出力された露光用光を反射して光
ディスク原盤上に走査する走査型反射光学系と、を備え
た光ディスク原盤露光装置である。
【0064】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、露光光源から出力された露光用光は、走査型反射光
学系の鏡面で反射して光ディスク原盤に照射されるが、
このとき走査型反射光学系の鏡面は、その反射角度が変
化する。この鏡面の反射角度の変化により、露光用光
は、光ディスク原盤上に走査される。
【0065】請求項13によれば、請求項12記載の光
ディスク原盤露光装置において、走査型反射光学系は、
露光用光の反射角度を変化させる能動光学ミラーと、こ
の能動光学ミラーの裏面側に配置された複数のアクチュ
エータ群とを備え、かつ光ディスク原盤上における露光
用光の走査位置に応じて各アクチュエータ群をそれぞれ
変位駆動して能動光学ミラーの角度位置を制御する露光
制御手段を付加した。
【0066】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、能動光学ミラーの裏面側に配置された複数のアクチ
ュエータ群が変位駆動することにより、走査型反射光学
系の鏡面つまり能動光学ミラーでの反射角度が変化す
る。
【0067】請求項14によれば、請求項12記載の光
ディスク原盤露光装置において、露光光源から出力され
た露光用光が走査型反射光学系で反射して光ディスク原
盤に照射される露光用光の光路長が、光ディスク原盤上
の全ての照射位置に対して一定に制御される。
【0068】請求項15によれば、露光ユニットから出
力された露光用光を光ディスク原盤に照射する光ディス
ク原盤露光装置において、光ディスク原盤を一定の速度
で回転させる回転機構と、露光ユニットを光ディスク原
盤の半径方向に移動させるスライダと、このスライダに
設けられ露光ユニットを微動させる微動ユニットと、こ
の微動ユニットによる露光ユニットの微動位置を検出す
る走査型探針顕微鏡と、この走査型探針顕微鏡により検
出された露光ユニットの微動位置に基づいて微動ユニッ
トを微動制御して露光ユニットを位置決めする露光制御
手段と、を備えた光ディスク原盤露光装置である。
【0069】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、一定の速度で回転する光ディスク原盤に対し、露光
ユニットを光ディスク原盤の半径方向に移動させ、かつ
露光ユニットを微動ユニットにより微動させる。このと
き、露光ユニットの微動位置を走査型探針顕微鏡により
検出し、この微動位置に基づいて微動ユニットを微動制
御して露光ユニットを位置決めする。
【0070】請求項16によれば、請求項15記載の光
ディスク原盤露光装置において、走査型探針顕微鏡は、
走査型トンネル顕微鏡又は原子間力顕微鏡である。
【0071】請求項17によれば、露光光源から出力さ
れた露光用光を複数のミラーを介して露光ユニットに送
り、この露光ユニットから光ディスク原盤に照射する光
ディスク原盤露光装置において、露光用光の光路上に配
置されたハーフミラーと、このハーフミラーを透過した
露光用光に応動してハーフミラーを位置制御する光歪素
子と、を備えた光ディスク原盤露光装置である。
【0072】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、露光光源から出力された露光用光の光路上に配置さ
れたハーフミラーを位置制御することにより、露光用光
の光軸制御が行われる。
【0073】請求項18によれば、請求項17記載の光
ディスク原盤露光装置において、光歪素子は、光歪係数
が二軸方向に連続的に変化する傾斜機能材料により形成
される。
【0074】請求項19によれば、露光ユニットにより
露光用光を集光して光ディスク原盤に照射する光ディス
ク原盤露光装置において、露光ユニットを露光用光の光
軸方向に微動させる光歪素子と、光ディスク原盤からの
戻り露光用光を入射し、露光ユニットの光ディスク原盤
に対するジャストフォーカスからのずれ量に応じたスポ
ットのフォーカス制御光に成形し、このフォーカス制御
光を光歪素子に照射して露光ユニットをジャストフォー
カス位置に制御するフォーカス制御手段と、を備えた光
ディスク原盤露光装置である。
【0075】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、光ディスク原盤からの戻り露光用光をジャストフォ
ーカスからのずれ量に応じたスポットのフォーカス制御
光に成形し、このフォーカス制御光を光歪素子に照射す
る。この光歪素子は、フォーカス制御光に応じて露光ユ
ニットを光軸方向に駆動し、ジャストフォーカスに制御
する。
【0076】請求項20によれば、請求項19記載の光
ディスク原盤露光装置において、光歪素子は、光歪係数
が一軸方向に連続的に変化する傾斜機能材料により形成
される。
【0077】請求項21によれば、露光用光を光ディス
ク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置において、光
ディスク原盤の露光用光の透過位置に配置され、光ディ
スク原盤を透過した露光用光を受光して変位する複数の
光歪素子から成る光歪素子群と、この光歪素子群の変位
を検出する変位計と、この変位計により検出された光歪
素子群の変位に基づいて光ディスク原盤に対する露光用
光の照射位置を検出する照射位置検出手段と、を備えた
光ディスク原盤露光装置である。
【0078】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、光ディスク原盤に露光された露光用光が光ディスク
原盤を透過すると、この露光用光は、光ディスク原盤に
おける照射位置に応じた光歪素子に照射される。この光
歪素子に対する露光用光の照射により光歪素子群は変位
し、この変位が変位計により検出される。そして、この
光歪素子群の変位に基づいて光ディスク原盤に対する露
光用光の照射位置が検出される。
【0079】請求項22によれば、請求項21記載の光
ディスク原盤露光装置において、ベース部材にヒンジ部
を介して光歪素子群を接続し、この光歪素子群のいずれ
かの光歪素子に露光用光が照射すると、この光歪素子の
変位に応動して光歪素子群がヒンジ部を中心として回動
変位し、変位計は光歪素子群の先端部の変位を検出す
る。
【0080】請求項23によれば、露光用光を光ディス
ク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置において、光
ディスク原盤の露光用光の透過位置に配置され、光ディ
スク原盤を透過した露光用光の光圧により変位する切り
欠きヒンジと、この切り欠きヒンジの変位を検出する変
位計と、この変位計により検出された切り欠きヒンジの
変位に基づいて光ディスク原盤に対する露光用光の照射
位置を検出する照射位置検出手段と、を備えた光ディス
ク原盤露光装置である。
【0081】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、光ディスク原盤に露光された露光用光が光ディスク
原盤を透過すると、この露光用光は、光ディスク原盤に
おける照射位置に応じた部分の切り欠きヒンジに照射さ
れる。この露光用光の照射により切り欠きヒンジは変位
し、この変位が変位計により検出される。そして、この
切り欠きヒンジの変位に基づいて光ディスク原盤に対す
る露光用光の照射位置が検出される。
【0082】請求項24によれば、露光光源から出力さ
れた露光用光を複数のミラーを介して露光ユニットに送
り、この露光ユニットから光ディスク原盤に照射する光
ディスク原盤露光装置において、露光用光の光路上に配
置されたハーフミラーと、このハーフミラーを透過した
露光用光に応動してハーフミラーを位置制御する光歪素
子と、露光ユニットを露光用光の光軸方向に微動させる
光歪素子と、光ディスク原盤からの戻り露光用光を入射
し、露光ユニットの光ディスク原盤に対するジャストフ
ォーカスからのずれ量に応じたスポットのフォーカス制
御光に成形し、このフォーカス制御光を光歪素子に照射
して前記露光ユニットをジャストフォーカス位置に制御
するフォーカス制御手段と、光ディスク原盤の露光用光
の透過位置に配置され、光ディスク原盤を透過した露光
用光を受光して変位する複数の光歪素子から成る光歪素
子群と、この光歪素子群の変位を検出する変位計と、こ
の変位計により検出された光歪素子群の変位に基づいて
光ディスク原盤に対する露光用光の照射位置を検出する
照射位置検出手段と、を備えた光ディスク原盤露光装置
である。
【0083】このような光ディスク原盤露光装置であれ
ば、露光光源から出力された露光用光の光路上に配置さ
れたハーフミラーの位置制御により露光用光の光軸制御
が行われ、光ディスク原盤からの戻り露光用光をジャス
トフォーカスからのずれ量に応じたスポットのフォーカ
ス制御光に成形し、このフォーカス制御光を光歪素子に
照射することにより露光ユニットをジャストフォーカス
に制御し、かつ光ディスク原盤を透過した露光用光を光
歪素子群の光歪素子に照射し、このときの光歪素子群の
変位に基づいて光ディスク原盤に対する露光用光の照射
位置を検出する。
【0084】請求項25によれば、請求項1乃至24の
いずれかに記載の光ディスク原盤露光装置により作製さ
れた光ディスク原盤を複製して得られた光ディスクであ
る。
【0085】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。
【0086】図1は請求項1乃至5に対応する光ディス
ク原盤露光装置の構成図である。
【0087】スピンドルモータ1の回転軸には、ターン
テーブル2が連結され、このターンテーブル2上に例え
ばガラスなどの透光性部材からなる光ディスク原盤3が
載置されている。
【0088】又、ターンテーブル2の上方には、2本の
ガイド40、41が例えばx軸方向に互いに平行に配置
され、これらガイド40、41上に粗動スライダ42が
移動自在に設けられている。
【0089】この粗動スライダ42は、粗動駆動機構4
3における粗動駆動モータ44の駆動により各ガイド4
0、41上に移動する。
【0090】この粗動スライダ42上には、微動ユニッ
ト45が設けられ、この微動ユニット45に露光ユニッ
ト46が搭載されている。
【0091】この露光ユニット46は、対物レンズ及び
フォーカス制御系を備えたもので、露光レーザヘッド4
7から出力され、光軸制御系の各ミラー48〜51で反
射して入射したレーザビーム52を集光して光ディスク
原盤3面上に露光する機能を有している。
【0092】一方、x軸方向の位置検出系53は、粗動
スライダ42のx軸方向の位置を検出する機能を有して
いる。この位置検出系53は、レーザ干渉測長器54及
び測長用ミラー55を備えている。
【0093】このうちレーザ干渉測長器54は粗動スラ
イダ42とは別のベース上に固定され、測長用ミラー5
5はレーザ干渉測長器54から出力されるレーザビーム
の光路上でかつ粗動スライダと一体的に移動するものと
なっている。
【0094】レーザ干渉測長器54は、レーザビームを
出力して測長用ミラー55からの反射レーザビームを受
光し、この反射レーザビームと基準レーザビームとの干
渉させて粗動スライダ42のx軸方向の位置に応じた干
渉信号を出力する機能を有している。
【0095】y軸方向の位置検出系56は、粗動スライ
ダ42のy軸方向の位置を検出する機能を有している。
この位置検出系56は、レーザ干渉測長器57及び第1
の測長用長体ミラー58を備えている。
【0096】レーザ干渉測長器57は、レーザビームを
出力して第1の測長用長体ミラー58からの反射レーザ
ビームを受光し、この反射レーザビームと基準レーザビ
ームとを干渉させて粗動スライダ42のy軸方向の位置
に応じた干渉信号を出力する機能を有している。
【0097】第1の角度検出系59は、粗動スライダ4
2のヨーイング運動によるz軸回りθ1 の回転位置を検
出する機能を有している。
【0098】この第1の角度検出系59には、レーザ角
度計、オートコリメータなどが用いられ、例えばレーザ
角度計であれば、レーザビームを粗動スライダ42に照
射すると共にその反射レーザビームを受光し、この反射
レーザビームと基準レーザビームとを干渉させて粗動ス
ライダ42のz軸回りθ1 の回転位置に応じた干渉信号
を出力する機能を有している。
【0099】第2の角度検出系60は、粗動スライダ4
2のピッチング運動によるy軸回りθ2 の回転位置、及
び粗動スライダ42のローリング運動によるx軸回りθ
3 の回転位置を検出する機能を有している。
【0100】この第2の角度検出系60には、レーザ角
度計、オートコリメータなどが用いられ、例えばレーザ
角度計であれば、レーザビームを第2の測長用長体ミラ
ー61に照射すると共にその反射レーザビームを受光
し、この反射レーザビームと基準レーザビームとを干渉
させて粗動スライダ42のy軸回りθ2 の回転位置、及
びx軸回りθ3 の回転位置に応じた各干渉信号を出力す
る機能を有している。
【0101】上記微動ユニット45は、露光ユニット4
6をxyz軸方向及びこれらxyz軸回り方向θ1 、θ
2 、θ3 にそれぞれ微動させるもので、図2はその構成
図である。
【0102】第1のヒンジ部材70の一端部には、L字
部材71を介して微動素子としてのθ1 方向アクチュエ
ータ72が設けられている。このθ1 方向アクチュエー
タ72は、微動変位することにより第1のヒンジ部材7
0をz軸回りのθ1 方向に微小回転させるものとなる。
【0103】又、第1のヒンジ部材70の他端部には、
第2のヒンジ部材73及びL字部材74が並列に設けら
れ、かつこれら第2のヒンジ部材73とL字部材74と
の間にθ2 方向アクチュエータ75が設けられている。
このθ2 方向アクチュエータ75は、微動変位すること
により第2のヒンジ部材73をy軸回りのθ2 方向に微
小回転させるものとなる。
【0104】又、第2のヒンジ部材73の下部には、第
3のヒンジ部材76及びL字部材77が並列に設けら
れ、かつこれら第3のヒンジ部材76とL字部材77と
の間にθ3 方向アクチュエータ78が設けられている。
このθ3 方向アクチュエータ78は、微動変位すること
により第3のヒンジ部材73をx軸回りのθ3 方向に微
小回転させるものとなる。
【0105】第3のヒンジ部材76のy軸方向側には、
y軸アクチュエータ79が設けられ、さらにこのy軸ア
クチュエータ79に対して固定部材80を介してx軸方
向側にx軸アクチュエータ81が設けられている。そし
て、このx軸アクチュエータ81の下部に露光ユニット
59が設けられている。
【0106】y軸アクチュエータ79はy軸方向に微小
変位するものであり、x軸アクチュエータ81はx軸方
向に微小変位するものである。
【0107】一方、コントローラ82は、スピンドルモ
ータ1、粗動駆動機構43における粗動駆動モータ4
4、露光レーザヘッド47に指令を発して光ディスク原
盤3に対する露光動作を制御するもので、特に運動誤差
算出手段83及び位置・姿勢補正手段84の各機能を有
している。
【0108】運動誤差算出手段83は、x軸及びy軸方
向の各位置検出系53、56により検出されたx軸及び
y軸の各移動距離を入力し、これら移動距離に基づいて
粗動スライダ42のx軸及びy軸方向の運動誤差を求め
る機能を有している。
【0109】又、運動誤差算出手段83は、第1の角度
検出系59、第2の角度検出系60によりそれぞれ検出
されたθ1 、θ2 及びθ3 方向の回転角度を入力し、こ
れら回転角度に基づいてx軸、y軸及びz軸の各軸回り
方向の運動誤差を求める機能を有している。
【0110】位置・姿勢補正手段84は、運動誤差検出
手段83により求められたx軸及びy軸方向の運動誤差
に基づいて微動ユニット45におけるx軸及びy軸アク
チュエータ81、79を駆動し、かつ運動誤差検出手段
83により求められたx軸、y軸及びz軸の各軸回り方
向の運動誤差に基づいて微動ユニット45における
θ1 、θ2 及びθ3 方向アクチュエータ72、75、7
8を駆動する機能を有している。
【0111】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。
【0112】ターンテーブル2上には、光ディスク原盤
3が載置される。
【0113】コントローラ82から粗動駆動機構43の
粗動駆動モータ44に移動指令が発せられると、粗動ス
ライダ42は2本のガイド40、41上を移動し、露光
ユニット59を光ディスク原盤3に対して粗位置決めす
る。
【0114】この粗動スライダ42の粗位置決めが行わ
れると、x軸方向の位置検出系53は、例えばレーザ干
渉測長器54からレーザビームを出力して測長用ミラー
55からの反射レーザビームを受光し、この反射レーザ
ビームと基準レーザビームとの干渉させて粗動スライダ
42のx軸方向の位置に応じた干渉信号を出力する。
【0115】又、y軸方向の位置検出系56は、レーザ
干渉測長器57からレーザビームを出力して第1の測長
用長体ミラー58からの反射レーザビームを受光し、こ
の反射レーザビームと基準レーザビームとを干渉させて
粗動スライダ42のy軸方向の位置に応じた干渉信号を
出力する。
【0116】これと共に第1の角度検出系59は、例え
ばレーザビームを粗動スライダ42に照射すると共にそ
の反射レーザビームを受光し、この反射レーザビームと
基準レーザビームとを干渉させて粗動スライダ42のヨ
ーイング運動によるz軸回りの回転位置θ1 に応じた干
渉信号を出力する。
【0117】又、第2の角度検出系60は、例えばレー
ザビームを第2の測長用長体ミラー61に照射すると共
にその反射レーザビームを受光し、この反射レーザビー
ムと基準レーザビームとを干渉させて粗動スライダ42
のピッチング運動によるy軸回りの回転位置θ2 、及び
ローリング運動によるx軸回りの回転位置θ3 に応じた
各干渉信号を出力する。
【0118】コントローラ82は、x軸及びy軸方向の
各位置検出系53、56からのx軸及びy軸位置の各干
渉信号、第1の角度検出系59からのヨーイング運動に
よる回転位置に応じた干渉信号、第2の角度検出系60
からのピッチング運動及びローリング運動による各回転
位置に応じた各干渉信号を入力し、これら運動誤差を運
動誤差算出手段83に渡す。
【0119】この運動誤差算出手段83は、x軸及びy
軸方向の各位置検出系53、56により検出されたx軸
及びy軸の各移動距離を入力し、これら移動距離に基づ
いて粗動スライダ42のx軸及びy軸方向の運動誤差を
求める。
【0120】又、運動誤差算出手段83は、第1の角度
検出系59、第2の角度検出系60によりそれぞれ検出
されたθ1 、θ2 及びθ3 方向の回転角度を入力し、こ
れら回転角度に基づいてx軸、y軸及びz軸の各軸回り
方向の運動誤差を求める。
【0121】位置・姿勢補正手段84は、運動誤差検出
手段83により求められたx軸及びy軸方向の運動誤差
に基づいて微動ユニット45におけるx軸及びy軸アク
チュエータ81、79を駆動する。
【0122】又、位置・姿勢補正手段84は、運動誤差
検出手段83により求められたx軸、y軸及びz軸の各
軸回り方向の運動誤差に基づいて微動ユニット45にお
けるθ1 、θ2 及びθ3 方向アクチュエータ72、7
5、78を駆動する。
【0123】このようにx軸、y軸アクチュエータ8
1、79及びθ1 、θ2 、θ3 方向アクチュエータ7
2、75、78をそれぞれ駆動することにより、露光ユ
ニット59は、x軸及びy軸方向に微小移動するととも
に、θ1 、θ2 、θ3 方向にそれぞれ微小回転し、その
位置及び姿勢が補正される。
【0124】ここで、運動誤差θ1 、θ2 、θ3 が与え
られた場合、光ディスク原盤3上におけるトラックピッ
チ誤差e1 、e2 、e3 は、次の通りとなる。
【0125】図3は粗動スライダ42と光ディスク原盤
3との位置関係を示している。粗動スライダ42のヨー
イング運動による回転中心Pからレーザビームの落射点
までの距離L1 、この落射点から光ディスク原盤3面上
までの距離L2 、光ディスク原盤3面上のレーザビーム
照射点から光ディスク原盤3の中心までの距離L3 を示
している。
【0126】図4(a)(b)は粗動スライダ42のヨーイン
グ運動による運動誤差θ1 により生じる光ディスク原盤
3面上のトラックピッチ誤差e1 を示す。
【0127】 e1 =L1 ×(1− cosθ1 ) …(1) 図5は粗動スライダ42のピッチング運動による運動誤
差θ2 により生じる光ディスク原盤3面上のトラックピ
ッチ誤差e2 を示す。
【0128】 e2 =L2 ×θ2 …(2) 図6(a)(b)は粗動スライダ42のローリング運動による
運動誤差θ3 により生じる光ディスク原盤3面上のトラ
ックピッチ誤差e3 を示す。
【0129】 e3 ={L3 2 −(L2 ・θ3 2 0.5 −L3 …(3) しかるに、L1 =200mm、L2 =100mm、L3
=60mmとすると、例えば運動誤差θ1 =θ2 =θ3
=10-4rad のとき、トラックピッチ誤差e1、e2
3 の値は、e1 =0.5nm、e2 =20μm、e3
=3nmとなる。
【0130】この事から角度誤差の一番の支配因子は、
運動誤差θ2 であり、以下、運動誤差θ1 、θ3 の順序
であることが分かる。
【0131】実際は、運動誤差θ1 、θ2 、θ3 による
光ディスク原盤3上でのずれ量Δx、Δy、ΔLθ1
ΔLθ2 、ΔLθ3 をx軸、y軸アクチュエータ81、
79及びθ1 、θ2 、θ3 方向アクチュエータ72、7
5、78の補正量と一致させるように、すなわち、 Δx=S1 ×Vx …(4) Δy=S2 ×Vy …(5) ΔLθ1 =(L2 ´/L1 ´)×S3 ×Vθ1 …(6) ΔLθ2 =(L4 ´/L3 ´)×S4 ×Vθ2 …(7) ΔLθ3 =(L6 ´/L5 ´)×S5 ×Vθ3 …(8) (ここで、S1 〜S5 は各アクチュエータの感度[m/
V]、Vx〜Vθ3 は各アクチュエータへの入力電圧
[V]、L1 ´〜L6 ´は各ヒンジ部材70、73、7
6のてこ比である。)というように各ヒンジ部材70、
73、76の形状、各アクチュエータ、コントローラ
(PID等の制御定数)82を含めた微動ユニット45
に対する制御系を設計するものとなる。
【0132】このように露光ユニット59をx軸及びy
軸方向に微小移動するとともにθ1、θ2 、θ3 方向に
それぞれ微小回転し、露光ユニット59の位置及び姿勢
が補正されると、光ディスク原盤3は、スピンドルモー
タ1の駆動により一定の速度で回転され、これと共に露
光ユニット59は、送りスライダ4及び微動ユニット5
に対するフィードバック制御により、光ディイク原盤3
の半径方向に直線的に送られる。
【0133】一方、露光レーザヘッド47から出力され
たレーザビーム52は、各ミラー48〜51で反射して
露光ユニット59に到達し、この露光ユニット59から
回転する光ディスク原盤3上に直接露光される。
【0134】従って、光ディスク原盤3には、露光ユニ
ット59から出力されたレーザビーム10がその全面に
走査・露光される。
【0135】このレーザビーム10による露光により光
ディスク原盤3の面上には、直接ピット、グルーブなど
の情報群が記録される。
【0136】この後、光ディスク原盤3に対する情報群
の記録が終了すると、この光ディスク原盤3に基づいて
複製が行われ、光ディスクが製造される。
【0137】このように上記第1の実施の形態において
は、露光ユニット59を光ディスク原盤3に対して粗位
置決めすると、このときの粗動スライダ42のヨーイン
グ運動、ピッチング運動及びローリング運動による各運
動誤差e1 、e2 、e3 を検出し、これら運動誤差
1 、e2 、e3 をフィードバックして各アクチュエー
タ72、75、…81を駆動して露光ユニット59をx
軸、y軸及びz軸にそれぞれ微動し、かつx軸、y軸及
びz軸の各軸回り方向にそれぞれ微小回転させて、露光
ユニット59の位置・姿勢を補正するようにしたので、
粗動スライダ42のヨーイング運動、ピッチング運動及
びローリング運動による各運動誤差e1 、e2 、e3
起因する記録誤差を補正でき、光ディスク原盤3に対し
て高精度に情報群の記録ができる。
【0138】なお、上記第1の実施の形態において、第
1のヒンジ部材70、第2のヒンジ部材73及び第3の
ヒンジ部材76を用いているが、これらヒンジ部材に限
らず微小角度の出せるものであれば適用してよい。
【0139】(2) 次に本発明の第2の実施の形態につい
て説明する。
【0140】図7は請求項6乃至9に対応する光ディス
ク原盤露光装置の構成図である。
【0141】L字形状の固定部材90には、チルト機構
91が設けられている。
【0142】このチルト機構91は、切欠きヒンジ92
により形成されたもので、この切欠きヒンジ92を回転
中心として可動端部93が矢印(イ)方向に傾き自在と
なっている。
【0143】このチルト機構91の可動端部93には、
露光ユニット94が取り付けられている。
【0144】この露光ユニット94は、例えば露光レー
ザヘッドを搭載し、このレーザ発振器から出力されるレ
ーザビームを対物レンズにより集光して光ディスク原盤
3面上に露光するものとなっている。
【0145】又、この露光ユニット94は、別途設けら
れた露光レーザヘッドが出力されたレーザビームを受光
し、このレーザビームを集光して光ディスク原盤3面上
に露光する構成でもよい。
【0146】チルト機構91の可動端部93と固定部材
90との間には、チルト機構91を傾き運動させる変位
素子(アクチュエータ)95が設けられている。
【0147】この変位素子95は、複数の圧電素子を積
層した積層圧電素子である。
【0148】従って、チルト機構91は、積層圧電素子
95の変位駆動によりμrad 〜nμrad オーダで傾き運
動し、露光ユニット94から出力されるレーザビームを
光ディスク原盤3の面上にラジアル方向に走査するもの
となる。
【0149】又、チルト機構91の可動端部93には、
角度検出器96が設けられている。
【0150】この角度検出器96は、露光ユニット94
の傾き角度を検出する機能を有するもので、例えば走査
型トンネル顕微鏡(STM)の原子追跡を利用したもの
である。
【0151】コントローラ97は、角度検出器96によ
り検出された露光ユニット94の傾き角度に基づいて積
層圧電素子95を駆動して、露光ユニット94から出力
されたレーザビームを光ディスク原盤3面上のラジアル
方向に走査させる露光制御手段としての機能を有してい
る。
【0152】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。
【0153】ターンテーブル2上には、光ディスク原盤
3が載置される。スピンドルモータ1がコントローラ9
7からの指令ににより一定の速度で回転すると、これに
応動して光ディスク原盤3は一定の速度で回転する。
【0154】又、コントローラ97は、積層圧電素子9
5を駆動変位させる。この積層圧電素子95の駆動変位
によりチルト機構91は、切欠きヒンジ92を回転中心
として可動端部93が矢印(イ)方向に傾き運動する。
【0155】このチルト機構91の傾き運動により露光
ユニット94は、図8に示すように光ディスク原盤3の
面に対する傾きが変わり、これに伴って露光ユニット9
4から出力されるレーザビームの光ディスク原盤3の面
上における照射位置が変化する。
【0156】このとき角度検出器96は、チルト機構9
1の可動端部93の傾きから露光ユニット94の傾き角
度を検出し、この傾き角度信号をコントローラ97に送
る。
【0157】このコントローラ97は、角度検出器96
により出力された傾き角度信号を入力し、この露光ユニ
ット94の傾き角度に基づいて積層圧電素子95を駆動
して、露光ユニット94の傾き角度をフィードバック制
御する。
【0158】この露光ユニット94の傾き角度制御によ
り、露光ユニット94から出力されたレーザビームは、
光ディスク原盤3面上のラジアル方向に走査される。
【0159】従って、光ディスク原盤3は、一定の速度
で回転しているので、露光ユニット59から出力された
レーザビームは光ディスク原盤3の全面に走査・露光さ
れる。
【0160】このレーザビームによる露光により光ディ
スク原盤3の面上には、直接ピット、グルーブなどの情
報群が記録される。
【0161】この後、光ディスク原盤3に対する情報群
の記録が終了すると、この光ディスク原盤3に基づいて
複製が行われ、光ディスクが製造される。
【0162】ここで、露光ユニット94の対物レンズの
焦点距離fを10mmとする。
【0163】又、露光ユニット94のフォーカスサーボ
のレンジは十分大きく、斜入射光の光ディスク原盤3上
のフォーカスが可能とする。
【0164】将来の情報記録の微細化を想定して、10
nmピッチのトラックについて考えてみる。
【0165】10nmピッチのトラックを記録するため
に必要なチルト分解能は、 10×106 ×θ=10nm θ=10-6rad …(9) 切欠きヒンジ92の寸法を図8に示すように長手方向の
長さL10、短手方向の長さの2分の1の長さをL11とす
る。
【0166】積層圧電素子95の感度を3μm/100
V、積層圧電素子95への印加電圧の分解能を100m
Vとすると、10nmピッチの記録を行うためには、 (3×10-6)/L10=10-610=3mm …(10) L10=3mmとすると、10nmピッチの記録ができる
ことになる。
【0167】積層圧電素子95のストロークは、例えば
〜4μmなので、光ディスク原盤3のサイズによって
は、ストロークが不十分となる。基本的にはディスクサ
イズによって露光ユニット94の対物レンズの焦点距離
fを変化させる。
【0168】その場合、図9に示すように積層圧電素子
95とインチワームモータ98とを組み合わせて変位素
子を構成し、ストロークの拡張を図る。
【0169】光ディスク原盤3のサイズが大きくなる場
合は、露光ユニット94において焦点距離fの長い対物
レンズを用いるか、又は積層圧電素子等の変位素子95
のストロークを例えば0.3mmに大きくする。なお、
焦点距離fの長い対物レンズでは、対物レンズ自体のサ
イズも大きくなる。
【0170】一方、光ディスク原盤3に形成されるピッ
ト・グルーブの形状は、図10(a)に示すようにレーザ
ビームが傾いて露光され、このレーザビームの傾きに応
じた形状に形成される。
【0171】従って、この光ディスク原盤3面上に形成
されたピット・グルーブの読み取りは、図10(b) に示
すように読取りビームの径を小さくして、ピット形状の
変化に対応すればよい。
【0172】このように上記第2の実施の形態において
は、積層圧電素子95を駆動してチルト機構91を傾き
運動させ、このチルト機構91の傾き運動に応動して露
光ユニット94から出力されるレーザビームを光ディス
ク原盤3面上にラジアル方向に走査させるようにしたの
で、従来の送りスライダの運動誤差に起因する記録誤差
を補正できるとともに装置の小形化を図れる。
【0173】すなわち、チルト機構91を用いること
で、従来の送りスライダの寸法の分だけ装置の大きさを
小形化・軽量化できる。
【0174】又、チルト機構91を用いることで、従来
の送りスライダの運動誤差、すなわちヨーイング運動、
ピッチング運動及びローリング運動に起因するトラック
ピッチ誤差を小さくできて、光ディスク原盤3に対する
記録の高精度化が可能となる。
【0175】さらに、積層圧電素子95とインチワーム
モータ98とを組み合わせることにより、ストロークの
拡張が図れ、レーザビームの走査領域を拡大できる。
【0176】(3) 次に本発明の第3の実施の形態ついて
説明する。
【0177】図11は請求項10及び11に対応する光
ディスク原盤露光装置の構成図である。
【0178】光ディスク原盤3の上方には、リニアモー
タガイド板100が配置されている。
【0179】このリニアモータガイド板100上には、
露光ユニット101を搭載したリニアモータ移動体10
2が配置されている。
【0180】これらリニアモータガイド板100及びリ
ニアモータ移動体102は、リニアモータの原理を応用
してリニアモータガイド板100上にリニアモータ移動
体102を2次元平面(XY平面)上に移動自在にした
もので、その構成を図12に示す。
【0181】リニアモータガイド板100は、光透過性
の材料により形成され、その表面には複数の電極103
が縦横方向に所定間隔毎(格子状)に形成されている。
【0182】リニアモータ移動体102は、永久磁石1
04の少なくとも前後左右側にそれぞれ電磁石105、
106を設けたものとなっている。これら電磁石10
5、106は、それぞれヨーク107にコイル108を
巻回したものである。
【0183】従って、これら電磁石105、106の各
コイル108に流れる各電流Iを制御することにより、
ヨーク107とリニアモータガイド板の各電極103と
の間に磁気回路が形成され、リニアモータ移動体102
がリニアモータガイド板100上の2次元平面上を移動
するものとなる。
【0184】一方、露光ユニット101には、光ファイ
バー109を介して露光レーザヘッド110が接続され
ている。この露光レーザヘッド110は、例えばX線よ
りも長い波長λ(=351nm)のレーザビームを出力
する機能を有している。
【0185】コントローラ111は、露光レーザヘッド
110をオン・オフ動作制御し、かつリニアモータ移動
体102の各電磁石105、106の各コイルに供給す
る電流Iを制御してリニアモータ移動体102をリニア
モータガイド板100上に移動制御する機能を有してい
る。
【0186】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。
【0187】露光レーザヘッド110からレーザビーム
が出力されると、このレーザビームは、光ファイバー1
09内を伝送して露光ユニット101に到達する。
【0188】この露光ユニット101は、レーザビーム
を対物レンズにより集光して光ディスク原盤3面上に露
光する。
【0189】このとき、コントローラ111は、リニア
モータ移動体102の各電磁石105、106の各コイ
ルに流れる各電流を制御し、リニアモータ移動体102
をリニアモータガイド板100上の2次元平面上に移動
制御する。
【0190】このリニアモータ移動体102に対する2
次元平面上の移動制御により、露光ユニット101から
出力されるレーザビームは、光ディスク原盤3の全面に
走査・露光される。
【0191】このレーザビームによる露光により光ディ
スク原盤3の面上には、直接ピット、グルーブなどの情
報群が記録される。
【0192】ここで、リニアモータ移動体102の移動
分解能は、XY方向ともにμmオーダであるが、リニア
モータガイド板100の格子の細目化によって高分解能
が可能である。
【0193】又、光ディスク原盤3面上に形成される各
ピットは、図13に示すようにそのトラックピッチ最大
誤差eは小さくなる。すなわち、図13は光ディスク原
盤3面上のトラックのピットの拡大図であり、ピット間
隔がリニアモータ移動分解能Xとほぼ等しいと仮定する
と、露光ピットのトラックピッチ最大誤差eは、概算に
より e≦X/2 …(11) となる。
【0194】この後、光ディスク原盤3に対する情報群
の記録が終了すると、この光ディスク原盤3に基づいて
複製が行われ、光ディスクが製造される。
【0195】このように上記第3の実施の形態において
は、露光ユニット101を搭載したリニアモータ移動体
102をリニアモータガイド板100上の2次元平面上
に移動し、かつ露光レーザヘッド110から出力された
レーザビームを光ファイバー109を通して露光ユニッ
ト101に伝送するようにしたので、従来のようなスピ
ンドルモータの回転による非繰り返し振れに起因する記
録誤差などを無くして高精度な記録ができ、かつ光ファ
イバー109を用いることで露光レーザヘッド110の
装置本体との分離により装置の小形化が図れる。
【0196】(4) 次に本発明の第4の実施の形態ついて
説明する。なお、図11と同一部分には同一符号を付し
てその詳しい説明は省略する。
【0197】図14は請求項11に対応する光ディスク
原盤露光装置の構成図である。
【0198】リニアモータガイド板100上には、各露
光ユニット120〜122を搭載した各リニアモータ移
動体123〜125が配置されている。
【0199】これらリニアモータガイド板100及び各
リニアモータ移動体123〜125は、リニアモータの
原理を応用してリニアモータガイド板100上にリニア
モータ移動体123〜125を2次元平面(XY平面)
上に移動自在にしたもので、その構成は図12に示す構
成と同一である。
【0200】一方、各露光ユニット120〜122に
は、各光ファイバー126〜128を共通接続して露光
レーザヘッド110が接続されている。
【0201】コントローラ129は、露光レーザヘッド
110をオン・オフ動作制御し、かつ各リニアモータ移
動体123〜125の各電磁石105、106の各コイ
ルに供給する電流Iを制御して各リニアモータ移動体1
23〜125をそれぞれリニアモータガイド板100上
に移動制御する機能を有している。
【0202】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。
【0203】露光レーザヘッド110からレーザビーム
が出力されると、このレーザビームは、各光ファイバー
126〜128内をそれぞれ伝送して各露光ユニット1
20〜122に到達する。
【0204】これら露光ユニット120〜122は、そ
れぞれレーザビームを対物レンズにより集光して光ディ
スク原盤3面上に露光する。
【0205】このとき、コントローラ129は、各リニ
アモータ移動体123〜125の各電磁石105、10
6の各コイルに流れる各電流をそれぞれ制御し、各リニ
アモータ移動体123〜125をリニアモータガイド板
100上の2次元平面上にそれぞれ移動制御する。
【0206】これらリニアモータ移動体123〜125
に対する2次元平面上の移動制御により、各露光ユニッ
ト120〜122から出力される各レーザビームは、光
ディスク原盤3の全面に走査・露光される。
【0207】このレーザビームによる露光により光ディ
スク原盤3の面上には、直接ピット、グルーブなどの情
報群が記録される。
【0208】この後、光ディスク原盤3に対する情報群
の記録が終了すると、この光ディスク原盤3に基づいて
複製が行われ、光ディスクが製造される。
【0209】このように上記第4の実施の形態において
は、上記第3の実施の形態と同様の効果を奏することが
できるとともに光ディスク原盤3に対する露光処理を高
速化できる。
【0210】(5) 次に本発明の第5の実施の形態ついて
説明する。
【0211】図15は請求項12乃至14に対応する光
ディスク原盤露光装置の構成図である。
【0212】露光レーザヘッド130から出力されるレ
ーザビームの光路上には、露光ユニット131が配置さ
れている。
【0213】この露光ユニット131は、対物レンズ及
びフォーカス制御系から構成されるもので、レーザビー
ムをフォーカス制御し集光して光ディスク原盤3の面上
に露光するものとなっている。
【0214】この露光ユニット131から出力されるレ
ーザビームの光路上には、走査型反射光学系132が配
置されている。
【0215】この走査型反射光学系132は、露光ユニ
ット131から出力されるレーザビームを反射して光デ
ィスク原盤3上に走査するもので、その鏡面におけるレ
ーザビームの反射角度が変化する構成となっている。
【0216】この走査型反射光学系132は、具体的に
能動光学ミラー133と、この能動光学ミラー133の
裏面側に設けられた複数のアクチュエータ群134とか
ら構成されている。
【0217】これらアクチュエータ群134は、能動光
学ミラー133の裏面側に縦横方向に複数配列され、微
小変位して能動光学ミラー133に対して押圧を加え、
この押圧により能動光学ミラー133の角度位置を制御
するものである。
【0218】これらアクチュエータ群134は、それぞ
れ例えば複数のアクチュエータを積層して形成されてい
る。
【0219】一方、コントローラ135は、露光レーザ
ヘッド130をオン・オフ制御し、かつ光ディスク原盤
3上におけるレーザビームの走査位置に応じて各アクチ
ュエータ134をそれぞれ変位駆動する露光制御手段と
しての機能を有している。
【0220】又、コントローラ135は、露光ーザヘッ
ド130から出力されたレーザビームが能動光学ミラー
133で反射して光ディスク原盤3に照射されるとき、
このレーザビームの光路長が、光ディスク原盤3上の全
ての照射位置に対して一定になるように制御する機能を
有している。
【0221】すなわち、図16に示すように能動光学ミ
ラー133aは光ディスク原盤3の再内周露光時の角度
位置であり、能動光学ミラー133bは光ディスク原盤
3の再外周露光時の角度位置を示している。
【0222】ここで、光ディスク原盤3の再内周露光時
のレーザビームの光路L20、L21と、光ディスク原盤3
の再外周露光時のレーザビームの光路L22、L23とは、 L20+L21=L22+L23 …(12) の関係にあり、レーザビームの光路長は、光ディスク原
盤3上の全ての照射位置に対して一定になる。
【0223】又、コントローラ135には、光ディスク
原盤3面をレーザビームで露光するときのレーザビーム
走査順序に応じた各アクチュエータ群134の駆動順序
が予め設定されている。
【0224】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。
【0225】露光レーザヘッド130からレーザビーム
が出力されると、このレーザビームは露光ユニット13
1でフォーカス制御され、能動光学ミラー133で反射
して光ディスク原盤3面上に露光される。
【0226】このとき、コントローラ135は、光ディ
スク原盤3上におけるレーザビームの走査位置に応じて
各アクチュエータ群134をそれぞれ変位駆動する。
【0227】これらアクチュエータ群134がそれぞれ
変位駆動すると、これらアクチュエータ群134の変位
が能動光学ミラー133に伝わり、能動光学ミラー13
3は、図16に示すように光ディスク原盤3の再内周露
光時で能動光学ミラー133aの角度位置、光ディスク
原盤3の再外周露光時で能動光学ミラー133bの角度
位置に傾き制御される。
【0228】又、このように能動光学ミラー133の角
度位置が制御されても、レーザビームの光路長は、光デ
ィスク原盤3上の全ての照射位置に対して一定に制御さ
れる。
【0229】このようにレーザビーム光路長が一定に制
御されることにより、光ディスク原盤3上の全ての照射
位置に対してレーザビームがジャストフォーカスで露光
される。
【0230】従って、レーザビームは、光ディスク原盤
3の全面に走査・露光され、この露光により光ディスク
原盤3の面上には、図17に示すトラック上に直接ピッ
ト、グルーブなどの情報群が記録される。
【0231】ここで、光ディスク原盤3に対する露光領
域を例えば半径r(20mm〜60mm)とし、図16
に示す各能動光学ミラー133の角度位置の違いによる
ずれ距離L24を、L24<<1とし、アクチュエータ群1
34のうちの1つのアクチュエータに要求される最小分
解能ΔX、ストロークLstを換算する。
【0232】能動光学ミラー133でのレーザビームの
反射点と光ディスク原盤3面との間隔をL25(=10m
m)とすると、図18に示すようにトラックピッチ0.
65μmのトラックを記録するには、 θmin =0.65×10-3/(602 +102 0.5 =1×10-5rad …(13) レーザビームの直径を0.2mmとすると、アクチュエ
ータに要求される最小分解能ΔXは、 ΔX/0.2=θmin ΔX=2×10-6mm =2nm …(14) となる。
【0233】ストロークLstとしては、 Lst/0.2= tan-1(60/10)− tan-1(20/10) =0.3rad Lst=6×10-2 =60μm となる。
【0234】従って、アクチュエータとしては、高分解
能、大ストロークのものが要求され、例えばインチワー
ムアクチュエータ:最小分解能=1nm、ストローク5
〜25mmが適切である。
【0235】この後、光ディスク原盤3に対する情報群
の記録が終了すると、この光ディスク原盤3に基づいて
複製が行われ、光ディスクが製造される。
【0236】このように上記第5の実施の形態において
は、露光レーザヘッド130から出力されたレーザビー
ムを能動光学ミラー133で反射して光ディスク原盤3
に露光し、このとき能動光学ミラー133の角度位置を
各アクチュエータ群134の駆動により変更してレーザ
ビームを光ディスク原盤3上に走査するようにしたの
で、レーザビームの反射方向及び焦点距離を制御するも
のとなり、従来のようにスピンドルモータの回転による
非繰り返し振れに起因する記録誤差及び光ディスク原盤
3のスピンドルモータ1に対するセンタリング誤差に起
因する記録誤差を無くして高精度な記録ができ、かつ装
置の高精度化及び小形化を図れる。
【0237】(6) 次に本発明の第6の実施の形態ついて
説明する。
【0238】図19は請求項15及び16に対応する光
ディスク原盤露光装置の構成図である。
【0239】スピンドルモータ1の回転軸には、ターン
テーブル2が連結され、このターンテーブル2上に光デ
ィスク原盤3が載置されている。
【0240】一方、ターンテーブル2の上方には、一軸
方向の送りスライダ4が設けられ、この送りスライダ4
上に微動ユニット5を介して露光ユニット6が設けられ
ている。
【0241】このうち送りスライダ4は、レーザ干渉測
長器7により移動距離が測長され、その移動距離がコン
トローラ140に送られている。
【0242】一方、送りスライダ4上には、走査型探針
顕微鏡(以下、SPMセンサ:Scanning Probe Microsc
ope と称する)141が設けられている。
【0243】このSPMセンサ141は、微動ユニット
5による露光ユニット6の微動位置を検出するもので、
例えば走査型トンネル顕微鏡(STM)又は原子間力顕
微鏡(AFM)が用いられる。
【0244】このSPMセンサ141から出力された微
動位置信号は、アンプ142を通してコントローラ14
0に送られている。
【0245】このコントローラ140は、レーザ干渉測
長器7により測長された送りスライダ4の移動距離を受
け、この移動距離に基づいて送りスライダ4に対して駆
動系143を通して送り制御信号を送出し、送りスライ
ダ4の位置をフィードバック制御する機能を有してい
る。
【0246】又、コントローラ140は、SPMセンサ
141から出力される微動位置信号を受け、この微動位
置信号に基づいて微動ユニット5を駆動制御し、露光ユ
ニット6をレーザ干渉測長器7の最小分解能以下の精度
で位置決めする露光制御手段としての機能を有してい
る。
【0247】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。
【0248】光ディスク原盤3は、スピンドルモータ1
の駆動により一定の速度で回転する。
【0249】一方、コントローラ140は、送りスライ
ダ4に対して送り制御信号を送出するので、送りスライ
ダ4は、光ディスク原盤3の半径方向に所定の速度で直
線的に移動する。
【0250】このとき、送りスライダ4の移動距離は、
レーザ干渉測長器7により測長され、この移動距離がコ
ントローラ140に送られる。
【0251】このコントローラ140は、レーザ干渉測
長器7により測長された移動距離を受け、この移動距離
に基づいて送りスライダ4に対して駆動系143を通し
て送り制御信号を送出し、送りスライダ4の位置をフィ
ードバック制御する。
【0252】図20にはレーザ干渉測長器7による送り
スライダ4の移動距離の検出値が示されている。すなわ
ち、送りスライダ4は、所定時間Δt毎に一定距離Sだ
け送り制御される。
【0253】これと共にSPMセンサ141は、露光ユ
ニット6の微動位置を検出し、その微動位置信号をアン
プ142を通してコントローラ140に送る。
【0254】このコントローラ140は、SPMセンサ
141から出力される微動位置信号を受け、この微動位
置信号に基づいて微動ユニット5を駆動制御し、露光ユ
ニット6をレーザ干渉測長器7の最小分解能以下の精度
で位置決めする。
【0255】図20にはSPMセンサ141による露光
ユニット6の微動位置の検出値が示されている。すなわ
ち、露光ユニット6は、所定時間Δt内において、送り
スライダ4が一定距離Sだけ送り制御されるときに、微
動ユニット5により微小距離Δxづつ送り制御されて位
置決めされる。
【0256】すなわち、露光ユニット6は、粗微動の制
御される。この粗微動の制御は、粗動により露光ユニッ
ト6を送り制御して粗位置決めを行い、続いて微動によ
り露光ユニット6を精度高く位置決めを行い、この後、
再び粗動により露光ユニット6を送り制御して粗位置決
めを行い、続いて微動により露光ユニット6を精度高く
位置決めを行うという動作を繰り返すことで、露光ユニ
ット6を光ディスク原盤3の半径方向に送って位置決め
するという、いわゆる尺取り虫方式の制御を行う。
【0257】従って、最終的な露光ユニット6の位置
は、図20に示すようにレーザ干渉測長器7による検出
位置とSPMセンサ141の検出位置とを加算したとこ
ろとなる。
【0258】このように送りスライダ4を送り制御し、
かつ微動ユニット5を駆動制御し、露光ユニット6をレ
ーザ干渉測長器7の最小分解能以下の精度で位置決めす
ることにより、露光ユニット6から出力されるレーザビ
ームは、光ディスク原盤3の全面に走査・露光される。
【0259】このレーザビームによる露光により光ディ
スク原盤3の面上には、ピット、グルーブなどの情報群
が記録される。
【0260】ここで、市販のレーザ干渉測長器7の最小
分解能は0.3nmである。
【0261】露光ユニット6の位置決め分解能(Xmin
)は、 Xmin >0.3nm といったようにレーザ干渉測長器7の最小分解能の制約
を受ける。
【0262】SPMセンサ141、例えば走査型トンネ
ル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)等の検
出分解能(縦分解能)は、約0.01nmである。
【0263】送りスライダ4は、レーザ干渉測長器7に
よるフィードバック制御で理想的に位置制御されている
とすると、0.3nmまでの位置決めはレーザ干渉測長
器7を用いて行い(粗動)、それ以下の位置決めはSP
Mセンサ141を用いて行う(微動)。
【0264】このように上記第6の実施の形態において
は、一定の速度で回転する光ディスク原盤3に対し、露
光ユニット6を光ディスク原盤3の半径方向に移動さ
せ、かつ露光ユニット6を微動ユニット5により微動さ
せ、このときに露光ユニット6の微動位置をSPMセン
サ141により検出し、この微動位置に基づいて微動ユ
ニット5を微動制御して露光ユニット6を位置決めする
ようにしたので、レーザ干渉測長器の分解能に制約され
ずに光ディスク原盤3に対して露光ユニット6を高精度
で位置決めでき、光ディスク原盤3に高精度な記録がで
きる。
【0265】すなわち、レーザ干渉測長器の光学ユニッ
ト、例えばミラー、レシーバ、干渉計、スプリッタ、ベ
ンダーなどは、その大きさの違いは多少あるものの、各
構成品ごとに約50×50×50mmのスペースを占め
ることになり、これがSPMセンサ141に代わること
により占有スペースを小さくでき、装置全体を小形化で
きる。
【0266】なお、粗位置決めにレーザ干渉測長器7を
用いる代わりに、他の位置検出器、例えばリニアスケー
ル等を用いてもよい。
【0267】(7) 次に本発明の第7の実施の形態ついて
説明する。
【0268】図21は請求項17乃至24に対応する光
ディスク原盤露光装置の構成図である。
【0269】先ず、この光ディスク原盤露光装置の全体
構成について説明する。
【0270】スピンドルモータ150の回転軸には、タ
ーンテーブル151が連結され、このターンテーブル1
51上に光ディスク原盤3が載置されている。
【0271】又、ターンテーブル151の上方には、2
本のガイド152、153が例えばx軸方向に互いに平
行に配置され、これらガイド152、153上に送りス
ライダ154が移動自在に設けられている。
【0272】この送りスライダ154には、対物レンズ
等を備えた露光ユニット155が搭載されるとともに上
部にミラー156が配置されている。
【0273】又、露光レーザヘッド157が設けられ、
この露光レーザヘッド157から出力されるレーザビー
ムの光路上に、一軸方向の光軸制御系Paとしての光歪
素子可動ミラー158、固定ミラー159〜161が配
置されている。
【0274】従って、露光レーザヘッド157から出力
されたレーザビームは、これら光歪素子可動ミラー15
8、各固定ミラー159〜161を反射して送りスライ
ダ154上のミラー156に導かれ、さらにこのミラー
156で反射して露光ユニット155に導かれるものと
なっている。
【0275】又、フォーカス制御系Qaとして、フォー
カス光学系162及び各ミラー163、164が配置さ
れ、かつ送りスライダ154と露光ユニット155との
間に光歪素子165が設けられている。
【0276】又、ターンテーブル151の下方には、レ
ーザビームによる露光位置の検出系とFaして、光歪素
子群166及び変位計167が配置されている。
【0277】次に一軸方向の光軸制御系Pa、フォーカ
ス制御系Qa及びレーザビームによる露光位置の検出系
Faについて具体的に説明する。
【0278】一軸方向の光軸制御系Paには、レーザビ
ームの光路上に光歪素子可動ミラー158が配置されて
いる。
【0279】この光歪素子可動ミラー158は、図22
に示すようにホルダー170に光歪素子171を設け、
この光歪素子171上にハーフミラー172を設けた構
成となっている。
【0280】このような光歪素子可動ミラー158であ
れば、レーザビームが入射すると、このレーザビームは
その一部がハーフミラー172を透過して光歪素子17
1に照射し、このレーザビームの照射された部分の光歪
素子171が微小変位し、ハーフミラー172の傾き角
度を変化させるものとなる。
【0281】従って、この光歪素子可動ミラー158
は、図23に示すように露光レーザヘッド157から出
力されたレーザビームを固定ミラー159に反射する
が、このときレーザビームの光軸がずれると、この光軸
ずれに応じてハーフミラー172の傾き角度が変化し、
レーザビーム光軸を制御する機能を有するものとなる。
【0282】具体的に説明すると、図24に示すように
レーザビームの光軸が理想位置(中心線Oの通る位置)
から光路Aのようにずれたとき、ハーフミラー172に
おけるレーザビームの照射位置は、理想位置からA´に
ずれる。
【0283】ところが、この理想位置から光軸のずれた
位置A´でハーフミラー172を透過したレーザビーム
は、光歪素子171におけるビーム照射部分UA に照射
し、このビーム照射部分UA の光歪素子171がΔXA
だけ変位する。
【0284】この光歪素子171の変位ΔXA に伴って
ハーフミラー172の傾き角度が変化し、レーザビーム
の光軸はA″の光路に補正される。
【0285】以上と同様に、レーザビームの光軸が理想
位置(中心線Oの通る位置)から光路Bのようにずれた
とき、ハーフミラー172におけるレーザビームの照射
位置は、理想位置からB´にずれる。
【0286】ところが、この理想位置から光軸のずれた
位置B´でハーフミラー172を透過したレーザビーム
は、光歪素子171におけるビーム照射部分UB に照射
し、このビーム照射部分UB の光歪素子171がΔXB
だけ変位する。
【0287】この光歪素子171の変位ΔXB に伴って
ハーフミラー172の傾き角度が変化し、レーザビーム
の光軸はB″の光路に補正される。
【0288】なお、上記光歪素子171は、図24に示
すy軸方向におけるXA 、XB の点でΔXA 、ΔXB の
ように変位する図25(a) に示す光歪定数特性を有する
傾斜機能材料が用いられる。
【0289】なお、二軸方向の光軸制御も一軸制御の場
合と同様であるが、光歪素子は、図25(b) に示すよう
に二軸方向で光歪定数特性を有する傾斜機能材料が用い
られる。
【0290】ところで、光歪素子171の光歪は、10
-3〜10-4オーダである。図26に示すように例えば理
想位置からの光軸のずれをL30、光歪素子171の長さ
をL31、光軸の角度ずれをθ、反射角度2θ、θ1 とす
ると、θ(θ<<1)だけレーザビームの光軸がずれた
ときに光歪素子171の変位ΔXは、 ΔX=2θ×L30 …(15) となるように確保すれば、固定ミラー159への照射点
は不変となる。
【0291】一方、光歪素子171の光歪をεとする
と、 ΔX=ε×L31 …(16) となり、上記式(15)及び式(16)より、 ε=(2θ×L30)/L31 …(17) このような光歪となるように光歪素子171の傾斜機能
材料を設計する。
【0292】次にフォーカス制御系Qaについて説明す
る。
【0293】図27はフォーカス制御系Qaの構成図で
ある。
【0294】露光ユニット155には、レーザビーム光
軸上に対物レンズ180及びビームスプリッタ181が
配置されている。
【0295】フォーカス光学系162は、光ディスク原
盤3からの戻りレーザビームをビームスプリッタ181
を介して入射し、この戻りレーザビームを露光ユニット
155の光ディスク原盤3に対するジャストフォーカス
からのずれ量に応じたスポットのフォーカス制御光に成
形する機能を有している。
【0296】このフォーカス光学系162は、具体的に
集光レンズ及びシリンドリカルレンズを含む光学系であ
る。
【0297】すなわち、フォーカス光学系162は、図
28に示すように光ディスク原盤3に対してレーザビー
ムがジャストフォーカス(Af)にあるとき、光歪素子
(フォトディテクタ:PD)165に照射されるフォー
カス制御光(スポット)は、小さな円形のAf´とな
る。
【0298】又、レーザビームがジャストフォーカスよ
りも下方(Bf)にあるとき、光歪素子165に照射さ
れるフォーカス制御光は、x軸方向に楕円状のBf´と
なり、ジャストフォーカスよりも上方(Cf)にあると
き、光歪素子165に照射されるフォーカス制御光は、
y軸方向に楕円状のCf´となる。
【0299】このような各フォーカス状態のフォーカス
制御光は、各ミラー163、164で反射して光歪素子
165に照射される。
【0300】この光歪素子165は、各フォーカス状態
のフォーカス制御光を受光すると、これらフォーカス制
御光のスポット形状に応じて変位し、対物レンズ180
を光軸方向に移動させる機能を有している。
【0301】すなわち、この光歪素子165は、図29
(b) に示すようにジャストフォーカスのフォーカス制御
光Af´を受光すると伸縮せずにそのままの状態とな
る。
【0302】又、ジャストフォーカスよりも下方にある
ときのフォーカス制御光Bf´を受光すると、光歪素子
165は、同図(c) に示すようにレーザビーム光軸方向
に伸びる。このときの光歪素子165の伸びの変位は、
ΔXB である。
【0303】又、ジャストフォーカスよりも上方にある
ときのフォーカス制御光Cf´を受光すると、光歪素子
165は、同図(a) に示すようにレーザビーム光軸方向
に縮む。このときの光歪素子165の縮む変位は、ΔX
C である。
【0304】従って、例えばフォーカス制御光Bf´、
Cf´とディスク原盤3での変位の関係ΔXB 、ΔXC
を予め求めておき、各フォーカス制御光Bf´、Cf´
における光歪素子165の変位がΔXB 、ΔXC となる
ような傾斜機構材料、すなわち図30(a)(b)に示す光歪
定数を有する傾斜機構材料を用いて光歪素子165を設
計する。
【0305】このようにフォーカス制御系Qaでは、光
ディスク原盤3に対するレーザビームのジャストフォー
カスからのずれ量に応じて、光歪素子165に照射する
フォーカス制御光のスポット形状を変化させ、このフォ
ーカス制御光のスポット形状変化に応じて対物レンズ1
80の位置をジャストフォーカス位置に制御する。
【0306】ところで、光ディスク原盤3の面振れは、
図31に示すように現状で約20μm、光歪素子165
の光歪は10-3〜10-4オーダであるので、光歪素子1
65の長さL40は、 L40=20μm/10-3 =20mm …(18) 必要となる。
【0307】光歪定数の分布は、光ディスク原盤3での
変位の関係ΔXB 、ΔXC を予め求めておき、各フォー
カス制御光のスポットにおける光歪素子165の変形が
ΔXB 、ΔXC となるような図30(a)(b)に示す光歪定
数を有する傾斜機構材料を用いる。
【0308】次にレーザビームによる露光位置の検出系
Faについて説明する。
【0309】図32はかかる露光位置の検出系Faの構
成図である。
【0310】光ディスク原盤3の下方には、光歪素子群
166が配置されている。この光歪素子群166は、複
数の光歪素子を直線状に配列して形成されたもので、光
ディスク原盤3の半径方向に沿って配置されている。
【0311】この光歪素子群166は、その一端部が切
り欠きヒンジ190を介して固定部材191に回転自在
に設けられている。
【0312】すなわち、光ディスク原盤3を透過したレ
ーザビームが光歪素子群166のいずれかの光歪素子に
照射されると、この光歪素子は図33に示すように変位
し、この変位に応動して切り欠きヒンジ190が変位
し、光歪素子群166が切り欠きヒンジ190を中心し
て微小回転する。
【0313】このとき、光歪素子群166の微小回転に
よる変位量は、レーザビームの照射位置によって異な
る。
【0314】又、光歪素子群166の他端部の下方に
は、変位計167が配置されている。この変位計167
は、光歪素子群166の微小回転による変位を検出する
もので、その変位信号を出力する機能を有している。
【0315】コントローラ192は、変位計167から
出力された変位信号を入力し、この変位信号に基づいて
光ディスク原盤3に対するレーザビームの照射位置を検
出する照射位置検出手段としての機能を有している。
【0316】ここで、図33に示すように切り欠きヒン
ジ190と変位計167との間の距離をL50、切り欠き
ヒンジ190とレーザビーム照射位置の光歪素子との間
の距離をL51、光歪素子群166の微小回転をL52とす
ると、切り欠きヒンジ190の変位による光歪素子群1
66の先端の変位ΔXpは、 ΔXp=(L50/L51)×εL52 (ε=光歪定数) …(19) すなわち、 L51=L50×(εL52)/ΔXp …(20) によりレーザビームの照射位置L51を求めるものとな
る。
【0317】一方、他のレーザビームによる露光位置の
検出系Faについて説明する。
【0318】図33はかかる他の露光位置の検出系Fa
の構成図である。この露光位置の検出系Faは、光圧を
応用してレーザビームの露光位置を検出するものであ
る。
【0319】切り欠きヒンジ200は、レーザビームの
照射によりその光圧を受けて変位するもので、レーザビ
ームの照射位置に応じて先端部の変位量が異なる機能を
有している。
【0320】この切り欠きヒンジ200の先端部の下方
には、変位計167が配置されている。この変位計16
7は、切り欠きヒンジ200の他端部の微小回転による
変位を検出するもので、その変位信号を出力する機能を
有している。
【0321】コントローラ192は、上記同様に、変位
計167から出力された変位信号を入力し、この変位信
号に基づいて光ディスク原盤3に対するレーザビームの
照射位置を検出する照射位置検出手段としての機能を有
している。
【0322】ここで、図35に示すような切り欠きヒン
ジ200を考えると、そのばね定数kは、 k=(2Ebt5/2 )/(9πρ1/2 60 2 ) N/m …(21) と表される。
【0323】光圧をF(N)とすると、図36に示すよ
うに切り欠きヒンジ200の先端の変位ΔXqは、 ΔXq=(F/k)×(L60/L61) …(22) となる。なお、L60は切り欠きヒンジ200の長さ、L
61は切り欠きヒンジ200の回転中心からレーザビーム
照射位置までの距離である。
【0324】すなわち、レーザビーム照射位置L61は、 L61=(F/k)×(L60/ΔXq) …(23) により求められる。
【0325】一方、光のエネルギーを1mWとすると、
その圧力は約6.7×10-12 Nの光圧を照射面に及ぼ
す。
【0326】図35において切り欠きヒンジ200の幅
b=0.5mm、ヒンジ部分の厚さt=0.05mm、
ヒンジ部分の凹部の長さρ=12mm、L60=100m
mとすると、ばね定数kは、ほぼ1×10-1N/mとな
る。
【0327】すなわち、1mWの光が図35に示す切り
欠きヒンジ200のA点に照射されると、この切り欠き
ヒンジ200の先端の変位ΔXqは、 ΔXq=6.7×10-12 [N]/k[N/m] =0.5オングストローム となる。なお、このような変位は、走査型トンネル顕微
鏡(STM)により十分に検出可能である。
【0328】上記コントローラ192は、スピンドルモ
ータ150を回転駆動し、これと共に送りスライダ15
4を送り制御し、露光レーザヘッド157をオン・オフ
制御し、かつ変位計167から出力される変位信号を入
力して光ディスク原盤3上に照射されるレーザビームの
照射位置を検出する機能を有している。
【0329】次に上記の如く構成された光ディスク原盤
露光装置の全体の作用について説明する。
【0330】光ディスク原盤3は、スピンドルモータ1
50の駆動により一定の速度で回転する。
【0331】これと共に送りスライダ154は、露光ユ
ニット155を搭載して光ディスク原盤3の半径方向に
所定の速度で移動する。
【0332】一方、露光レーザヘッド157から出力さ
れたレーザビームは、光軸制御系Paの光歪素子可動ミ
ラー158、各固定ミラー159〜161で反射して送
りスライダ154上のミラー156に到達し、このミラ
ー156で反射して露光ユニット155に送られる。
【0333】このとき、光軸制御系Paの光歪素子可動
ミラー158は、図23に示すように露光レーザヘッド
157から出力されたレーザビームを固定ミラー159
に反射するが、このときレーザビームの光軸がずれる
と、この光軸ずれに応じてハーフミラー172の傾き角
度が変化し、レーザビーム光軸を制御する。
【0334】すなわち、図24に示すようにレーザビー
ムの光軸が理想位置から例えば光路Aのようにずれる
と、ハーフミラー172におけるレーザビームの照射位
置は、理想位置からA´にずれる。
【0335】このとき、レーザビームは、光歪素子17
1におけるビーム照射部分UA に照射し、このビーム照
射部分UA の光歪素子171がΔXA だけ変位し、この
変位ΔXA に伴ってハーフミラー172の傾き角度が変
化し、レーザビームの光軸はA″の光路に補正される。
【0336】露光ユニット155に送られたレーザビー
ムは、図27に示すように対物レンズ180により集光
されて光ディスク原盤3面上に露光されるが、このとき
にフォーカス制御系Qaによりレーザビームに対するフ
ォーカス制御が行われる。
【0337】すなわち、フォーカス光学系162は、光
ディスク原盤3からの戻りレーザビームをビームスプリ
ッタ181を介して入射し、この戻りレーザビームを露
光ユニット155の光ディスク原盤3に対するジャスト
フォーカスからのずれ量に応じたスポットのフォーカス
制御光に成形する。
【0338】このフォーカス制御光は、図28に示すよ
うにジャストフォーカス(Af)にあるとき小さな円形
のAf´となり、ジャストフォーカスよりも下方(B
f)にあるときx軸方向に楕円状のBf´となり、ジャ
ストフォーカスよりも上方(Cf)にあるときy軸方向
に楕円状のCf´となる。
【0339】このような各フォーカス制御光は、各ミラ
ー163、164で反射して光歪素子165に照射され
る。
【0340】この光歪素子165は、各フォーカス状態
のフォーカス制御光を受光すると、これらフォーカス制
御光のスポット形状に応じて変位し、対物レンズ180
を光軸方向に移動させる。
【0341】すなわち、光歪素子165は、図29(b)
に示すようにジャストフォーカスのフォーカス制御光A
f´を受光すると伸縮せずにそのままの状態となり、ジ
ャストフォーカスよりも下方にあるときのフォーカス制
御光Bf´を受光すると同図(c) に示すようにレーザビ
ーム光軸方向に伸び、ジャストフォーカスよりも上方に
あるときのフォーカス制御光Cf´を受光すると同図
(a) に示すようにレーザビーム光軸方向に縮む。
【0342】このようにフォーカス制御系Qaは、光デ
ィスク原盤3に対するレーザビームのジャストフォーカ
スからのずれ量に応じて、光歪素子165に照射するフ
ォーカス制御光のスポット形状を変化させ、このフォー
カス制御光のスポット形状変化に応じて対物レンズ18
0の位置をジャストフォーカス位置に制御する。
【0343】このように光ディスク原盤3を一定速度で
回転し、露光ユニット155を光ディスク原盤3の半径
方向に所定速度で移動させながら、レーザビームを光デ
ィスク原盤3に露光することにより、レーザビームは、
光ディスク原盤3の全面に走査・露光される。
【0344】このレーザビームによる露光により光ディ
スク原盤3の面上には、ピット、グルーブなどの情報群
が記録される。
【0345】一方、光ディスク原盤3の全面にレーザビ
ームを走査・露光するとき、光ディスク原盤3面上のレ
ーザビームの照射位置が検出される。
【0346】すなわち、光ディスク原盤3を透過したレ
ーザビームが光歪素子群166のいずれかの光歪素子に
照射されると、この光歪素子は図33に示すように変位
し、この変位に応動して切り欠きヒンジ190が変位
し、光歪素子群166が切り欠きヒンジ190を中心し
て微小回転する。
【0347】このとき、光歪素子群166の微小回転に
よる変位量は、レーザビームの照射位置によって異な
る。
【0348】変位計167は、光歪素子群166の微小
回転による変位を検出し、その変位信号を出力する。
【0349】コントローラ192は、変位計167から
出力された変位信号を入力し、この変位信号に基づいて
光ディスク原盤3に対するレーザビームの照射位置を検
出する。
【0350】一方、図33に示す他のレーザビームによ
る露光位置の検出系では、切り欠きヒンジ200は、レ
ーザビームの照射によりその光圧を受けて変位し、この
変位量はレーザビームの照射位置に応じて異なる。
【0351】変位計167は、切り欠きヒンジ200の
他端部の微小回転による変位を検出し、その変位信号を
出力する。
【0352】コントローラ192は、上記同様に、変位
計167から出力された変位信号を入力し、この変位信
号に基づいて光ディスク原盤3に対するレーザビームの
照射位置を検出する。
【0353】この後、光ディスク原盤3に対する情報群
の記録が終了すると、この光ディスク原盤3に基づいて
複製が行われ、光ディスクが製造される。
【0354】このように上記第7の実施の形態において
は、レーザビームの光路上に配置された光歪素子可動ミ
ラー158の位置制御によりレーザビームの光軸制御を
行うので、レーザビームの光軸制御を簡単な構成で制御
できる。
【0355】又、光ディスク原盤3からの戻りレーザビ
ームをジャストフォーカスからのずれ量に応じたスポッ
トのフォーカス制御光に成形し、このフォーカス制御光
を光歪素子165に照射することにより露光ユニット1
55をジャストフォーカスに制御するので、レーザビー
ムのフォーカス制御を簡単な構成で制御してジャストフ
ォーカスに制御できる。
【0356】又、光ディスク原盤3を透過したレーザビ
ームを光歪素子群166又は切り欠きヒンジ200に照
射し、このときの光歪素子群166又は切り欠きヒンジ
200の変位に基づいて光ディスク原盤3に対するレー
ザビームの照射位置を検出するようにしたので、レーザ
ビームの照射位置を簡単な構成で検出でき、記録の高精
度化が可能となる。
【0357】さらに光軸制御系Pa及びフォーカス制御
系Qaに光歪素子を用いるので、装置全体の小形化がで
きる。
【0358】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1〜
5によれば、スライダの運動誤差に起因する記録誤差を
補正できる光ディスク原盤露光装置を提供できる。
【0359】又、本発明の請求項6〜9によれば、スラ
イダの運動誤差に起因する記録誤差を補正できるととも
に装置の小形化を図れる光ディスク原盤露光装置を提供
できる。
【0360】又、本発明の請求項10、11によれば、
スピンドルモータの回転による非繰り返し振れに起因す
る記録誤差などを無くして高精度な記録ができ、かつ装
置の小形化を図れる光ディスク原盤露光装置を提供でき
る。
【0361】又、本発明の請求項12〜14によれば、
スピンドルモータの回転による非繰り返し振れに起因す
る記録誤差及び光ディスク原盤のスピンドルモータに対
するセンタリング誤差に起因する記録誤差を無くして高
精度な記録ができる光ディスク原盤露光装置を提供でき
る。
【0362】又、本発明の請求項15〜16によれば、
レーザ干渉測長器の分解能に制約されずに光ディスク原
盤に対して高精度な記録ができる光ディスク原盤露光装
置を提供できる。
【0363】又、本発明の請求項17〜18、20によ
れば、レーザビームの光軸制御を簡単な構成でできる光
ディスク原盤露光装置を提供できる。
【0364】又、本発明の請求項19〜20によれば、
レーザビームのフォーカス制御を簡単な構成でできる光
ディスク原盤露光装置を提供できる。
【0365】又、本発明の請求項21〜22によれば、
レーザビームの照射位置を簡単な構成で検出できる光デ
ィスク原盤露光装置を提供できる。
【0366】又、本発明の請求項23、24によれば、
レーザビームの光軸制御、フォーカス制御及びレーザビ
ームの照射位置を簡単な構成で検出できる光ディスク原
盤露光装置を提供できる。
【0367】又、本発明の請求項25によれば、情報を
高精度に記録した光ディスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第1
の実施の形態を示す構成図。
【図2】微動ユニットの具体的な構成図。
【図3】粗動スライダと光ディスク原盤との位置関係を
示す図。
【図4】ヨーイング運動による運動誤差により生じるト
ラックピッチ誤差を示す図。
【図5】ピッチング運動による運動誤差により生じるト
ラックピッチ誤差を示す図。
【図6】ローリング運動による運動誤差により生じるト
ラックピッチ誤差を示す図。
【図7】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第2
の実施の形態を示す構成図。
【図8】チルト機構及び積層圧電素子によるレーザビー
ムの走査を示す図。
【図9】積層圧電素子とインチワームモータとを組み合
わせた変位素子の構成図。
【図10】光ディスク原盤に形成されたピット形状及び
その読み取りを示す図。
【図11】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第
3の実施の形態を示す構成図。
【図12】リニアモータガイド板及びリニアモータ移動
体の構成図。
【図13】光ディスク原盤面上のトラックのピットの拡
大図。
【図14】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第
4の実施の形態を示す構成図。
【図15】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第
5の実施の形態を示す構成図。
【図16】レーザビーム光路長の一定制御を示す図。
【図17】光ディスク原盤に形成されたトラックを示す
図。
【図18】アクチュエータに要求される最小分解能及び
ストロークの説明図。
【図19】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第
6の実施の形態を示す構成図。
【図20】粗動及び微動の送り制御を示す図。
【図21】本発明に係わる光ディスク原盤露光装置の第
7の実施の形態を示す構成図。
【図22】光歪素子可動ミラーの構成図。
【図23】光歪素子可動ミラーの機能を説明するための
図。
【図24】光歪素子可動ミラーの具体的な作用を示す
図。
【図25】光歪素子の有する光歪定数特性を示す図。
【図26】光歪素子の傾斜機能材料を説明するための
図。
【図27】フォーカス制御系の構成図。
【図28】フォーカス制御系で形成されるフォーカス制
御光のスポット形状を示す図。
【図29】フォーカス制御系における光歪素子の伸縮作
用を示す図。
【図30】フォーカス制御系における光歪素子の光歪定
数特性を示す図。
【図31】フォーカス制御系における光歪素子の変形を
説明するための図。
【図32】レーザビームによる露光位置の検出系Faの
構成図。
【図33】露光位置の検出系における光歪素子群の変位
作用を示す図。
【図34】他のレーザビームによる露光位置の検出系F
aの構成図。
【図35】切り欠きヒンジの作用を説明するための図。
【図36】光圧による切り欠きヒンジの変位を示す図。
【図37】従来の光ディスク原盤露光装置の構成図。
【図38】スライダのヨーイング、ピッチング及びロー
リング運動を示す図。
【図39】従来の光ディスク原盤露光装置の構成図。
【符号の説明】
1…スピンドルモータ、3…光ディスク原盤、40,4
1…ガイド、42…粗動スライダ、43…粗動駆動機
構、45…微動ユニット、46…露光ユニット、47…
露光レーザヘッド、53…x軸方向の位置検出系、56
…y軸方向の位置検出系、59…第1の角度検出系、6
0…第2の角度検出系、70…第1のヒンジ部材、72
…θ1 方向アクチュエータ、73…第2のヒンジ部材、
75…θ2方向アクチュエータ、76…第3のヒンジ部
材、78…θ3 方向アクチュエータ、82…コントロー
ラ、83…運動誤差算出手段、84…位置・姿勢補正手
段、90…固定部材、91…チルト機構、92…切欠き
ヒンジ、93…可動端部、94…露光ユニット、95…
積層圧電素子、96…角度検出器、97…コントロー
ラ、100…リニアモータガイド板、101…露光ユニ
ット、102…リニアモータ移動体、109…光ファイ
バー、110…露光レーザヘッド、130…露光レーザ
ヘッド、131…露光ユニット、132…走査型反射光
学系、133…能動光学ミラー、134…アクチュエー
タ群、141…走査型探針顕微鏡(SPMセンサ)、P
a…光軸制御系、158…光歪素子可動ミラー、Qa…
フォーカス制御系、162…フォーカス光学系、165
…光歪素子、Fa…露光位置検出系、166…光歪素子
群、167…変位計、192…コントローラ、200…
切り欠きヒンジ。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光ユニットから出力された露光用光を
    光ディスク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置にお
    いて、 前記露光ユニットを前記光ディスク原盤に対して粗く位
    置決めする粗動駆動手段と、 前記露光ユニットを微動させる微動駆動手段と、 前記露光ユニットを前記粗動駆動手段により位置決めし
    た後、前記粗動駆動手段により前記露光ユニットを駆動
    したときの運動誤差を検出する運動誤差検出手段と、 この運動誤差検出手段により検出された運動誤差に基づ
    いて前記微動駆動手段を微動させて前記露光ユニットの
    位置・姿勢を補正する位置・姿勢補正手段と、を具備し
    たことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  2. 【請求項2】 前記微動駆動手段は、前記露光ユニット
    を互いに垂直方向のx軸、y軸及びz軸にそれぞれ微動
    させる各第1の微動素子と、 前記露光ユニットをx軸、y軸及びz軸の各軸回り方向
    にそれぞれ微小回転させる各第2の微動素子と、を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の光ディスク原盤露光
    装置。
  3. 【請求項3】 前記運動誤差検出手段は、前記粗動駆動
    手段により前記露光ユニットを駆動したときのx軸及び
    y軸方向の各移動位置を検出する各位置検出計と、 前記粗動駆動手段により前記露光ユニットを駆動したと
    きのx軸、y軸及びz軸の各軸回り方向の角度位置を検
    出する各角度検出計と、 これら位置検出計及び角度検出計によりそれぞれ検出さ
    れた移動位置及び角度位置に基づいてx軸及びy軸方向
    の運動誤差及びx軸、y軸及びz軸の各軸回り方向の運
    動誤差を求める運動誤差算出手段と、を有することを特
    徴とする請求項1記載の光ディスク原盤露光装置。
  4. 【請求項4】 前記角度検出計は、前記露光ユニットを
    移動する粗動スライダのピッチング、ヨーイング及びロ
    ーリングを検出することを特徴とする請求項3記載の光
    ディスク原盤露光装置。
  5. 【請求項5】 前記位置・姿勢補正手段は、前記運動誤
    差検出手段により求められたx軸及びy軸方向の運動誤
    差に基づいて前記微動駆動手段における前記第1の微動
    素子を駆動し、かつ前記運動誤差検出手段により求めら
    れたx軸、y軸及びz軸の各軸回り方向の運動誤差に基
    づいて前記微動駆動手段における前記第2の微動素子を
    駆動する機能を有することを特徴とする請求項1記載の
    光ディスク原盤露光装置。
  6. 【請求項6】 露光ユニットから出力された露光用光を
    光ディスク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置にお
    いて、 前記露光ユニットを前記光ディスク原盤に対して傾き方
    向に移動自在なチルト機構と、 このチルト機構を傾き運動させる変位素子と、 前記露光ユニットの傾き角度を検出する角度検出器と、 この角度検出器により検出された傾き角度に基づいて前
    記変位素子を駆動して、前記露光ユニットから出力され
    た前記露光用光を前記光ディスク原盤上のラジアル方向
    に走査する露光制御手段と、を具備したことを特徴とす
    る光ディスク原盤露光装置。
  7. 【請求項7】 前記チルト機構は、切欠きヒンジにより
    形成されたことを特徴とする請求項6記載の光ディスク
    原盤露光装置。
  8. 【請求項8】 前記変位素子は、複数の圧電素子を積層
    した積層圧電素子であることを特徴とする請求項6記載
    の光ディスク原盤露光装置。
  9. 【請求項9】 前記変位素子は、複数の圧電素子を積層
    した積層圧電素子とインチワームモータとを組み合わせ
    て構成されることを特徴とする請求項6記載の光ディス
    ク原盤露光装置。
  10. 【請求項10】 露光用光を光ディスク原盤に照射する
    光ディスク原盤露光装置において、 前記露光用光を出力する露光光源と、 この露光光源に光ファイバーを介して接続され、この光
    ファイバー内を伝送してきた前記露光用光を前記光ディ
    スク原盤に照射する露光ユニットと、 この露光ユニットを2次元平面上に移動させるリニアモ
    ータ機構と、 このリニアモータ機構を動作制御して前記露光ユニット
    を2次元平面上に移動して、前記露光用光を前記光ディ
    スク原盤上に走査させる露光制御手段と、を具備したこ
    とを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  11. 【請求項11】 複数の露光ユニットをリニアモータガ
    イド板上に配置し、これら露光ユニットをそれぞれ2次
    元平面上に移動制御し、これら露光ユニットから出力さ
    れた前記各露光用光を前記光ディスイク原盤上に照射す
    ることを特徴とする請求項10記載の光ディスク原盤露
    光装置。
  12. 【請求項12】 露光用光を光ディスク原盤に照射する
    光ディスク原盤露光装置において、 前記露光用光を出力する露光光源と、 鏡面における反射角度が変化し、前記露光光源から出力
    された前記露光用光を反射して前記光ディスク原盤上に
    走査する走査型反射光学系と、を具備したことを特徴と
    する光ディスク原盤露光装置。
  13. 【請求項13】 前記走査型反射光学系は、露光用光の
    反射角度を変化させる能動光学ミラーと、 この能動光学ミラーの裏面側に配置された複数のアクチ
    ュエータ群とを備え、 かつ前記光ディスク原盤上における前記露光用光の走査
    位置に応じて前記各アクチュエータ群をそれぞれ変位駆
    動して前記能動光学ミラーの角度位置を制御する露光制
    御手段を付加したことを特徴とする請求項12記載の光
    ディスク原盤露光装置。
  14. 【請求項14】 前記露光光源から出力された前記露光
    用光が前記走査型反射光学系で反射して前記光ディスク
    原盤に照射される前記露光用光の光路長が、前記光ディ
    スク原盤上の全ての照射位置に対して一定に制御される
    ことを特徴とする請求項12記載の光ディスク原盤露光
    装置。
  15. 【請求項15】 露光ユニットから出力された露光用光
    を光ディスク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置に
    おいて、 前記光ディスク原盤を一定の速度で回転させる回転機構
    と、 前記露光ユニットを前記光ディスク原盤の半径方向に移
    動させるスライダと、 このスライダに設けられ前記露光ユニットを微動させる
    微動ユニットと、 この微動ユニットによる前記露光ユニットの微動位置を
    検出する走査型探針顕微鏡と、 この走査型探針顕微鏡により検出された前記露光ユニッ
    トの微動位置に基づいて前記微動ユニットを微動制御し
    て前記露光ユニットを位置決めする露光制御手段と、を
    具備したことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  16. 【請求項16】 前記走査型探針顕微鏡は、走査型トン
    ネル顕微鏡又は原子間力顕微鏡であることを特徴とする
    請求項15記載の光ディスク原盤露光装置。
  17. 【請求項17】 露光光源から出力された露光用光を複
    数のミラーを介して露光ユニットに送り、この露光ユニ
    ットから光ディスク原盤に照射する光ディスク原盤露光
    装置において、 前記露光用光の光路上に配置されたハーフミラーと、 このハーフミラーを透過した前記露光用光に応動して前
    記ハーフミラーを位置制御する光歪素子と、を具備した
    ことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  18. 【請求項18】 前記光歪素子は、光歪係数が二軸方向
    に連続的に変化する傾斜機能材料により形成されること
    を特徴とする請求項17記載の光ディスク原盤露光装
    置。
  19. 【請求項19】 露光ユニットにより露光用光を集光し
    て光ディスク原盤に照射する光ディスク原盤露光装置に
    おいて、 前記露光ユニットを前記露光用光の光軸方向に微動させ
    る光歪素子と、 前記光ディスク原盤からの戻り露光用光を入射し、前記
    露光ユニットの前記光ディスク原盤に対するジャストフ
    ォーカスからのずれ量に応じたスポットのフォーカス制
    御光に成形し、このフォーカス制御光を前記光歪素子に
    照射して前記露光ユニットをジャストフォーカス位置に
    制御するフォーカス制御手段と、を具備したことを特徴
    とする光ディスク原盤露光装置。
  20. 【請求項20】 前記光歪素子は、光歪係数が一軸方向
    に連続的に変化する傾斜機能材料により形成されること
    を特徴とする請求項19記載の光ディスク原盤露光装
    置。
  21. 【請求項21】 露光用光を光ディスク原盤に照射する
    光ディスク原盤露光装置において、 前記光ディスク原盤の前記露光用光の透過位置に配置さ
    れ、前記光ディスク原盤を透過した前記露光用光を受光
    して変位する複数の光歪素子から成る光歪素子群と、 この光歪素子群の変位を検出する変位計と、 この変位計により検出された前記光歪素子群の変位に基
    づいて前記光ディスク原盤に対する前記露光用光の照射
    位置を検出する照射位置検出手段と、を具備したことを
    特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  22. 【請求項22】 ベース部材にヒンジ部を介して前記光
    歪素子群を接続し、この光歪素子群のいずれかの前記光
    歪素子に前記露光用光が照射すると、この光歪素子の変
    位に応動して前記光歪素子群が前記ヒンジ部を中心とし
    て回動変位し、前記変位計は前記光歪素子群の先端部の
    変位を検出することを特徴とする請求項21記載の光デ
    ィスク原盤露光装置。
  23. 【請求項23】 露光用光を光ディスク原盤に照射する
    光ディスク原盤露光装置において、 前記光ディスク原盤の前記露光用光の透過位置に配置さ
    れ、前記光ディスク原盤を透過した前記露光用光の光圧
    により変位する切り欠きヒンジと、 この切り欠きヒンジの変位を検出する変位計と、 この変位計により検出された前記切り欠きヒンジの変位
    に基づいて前記光ディスク原盤に対する前記露光用光の
    照射位置を検出する照射位置検出手段と、を具備したこ
    とを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  24. 【請求項24】 露光光源から出力された露光用光を複
    数のミラーを介して露光ユニットに送り、この露光ユニ
    ットから光ディスク原盤に照射する光ディスク原盤露光
    装置において、 前記露光用光の光路上に配置されたハーフミラーと、 このハーフミラーを透過した前記露光用光に応動して前
    記ハーフミラーを位置制御する光歪素子と、 前記露光ユニットを前記露光用光の光軸方向に微動させ
    る光歪素子と、 前記光ディスク原盤からの戻り露光用光を入射し、前記
    露光ユニットの前記光ディスク原盤に対するジャストフ
    ォーカスからのずれ量に応じたスポットのフォーカス制
    御光に成形し、このフォーカス制御光を前記光歪素子に
    照射して前記露光ユニットをジャストフォーカス位置に
    制御するフォーカス制御手段と、 前記光ディスク原盤の前記露光用光の透過位置に配置さ
    れ、前記光ディスク原盤を透過した前記露光用光を受光
    して変位する複数の光歪素子から成る光歪素子群と、 この光歪素子群の変位を検出する変位計と、 この変位計により検出された前記光歪素子群の変位に基
    づいて前記光ディスク原盤に対する前記露光用光の照射
    位置を検出する照射位置検出手段と、を具備したことを
    特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至23のいずれかに記載の
    光ディスク原盤露光装置により作製された光ディスク原
    盤を複製して得られたことを特徴とする光ディスク。
JP7298066A 1995-11-16 1995-11-16 光ディスク原盤露光装置及び光ディスク Pending JPH09138955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7298066A JPH09138955A (ja) 1995-11-16 1995-11-16 光ディスク原盤露光装置及び光ディスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7298066A JPH09138955A (ja) 1995-11-16 1995-11-16 光ディスク原盤露光装置及び光ディスク

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004123460A Division JP2004273111A (ja) 2004-04-19 2004-04-19 光ディスク原盤露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09138955A true JPH09138955A (ja) 1997-05-27

Family

ID=17854704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7298066A Pending JPH09138955A (ja) 1995-11-16 1995-11-16 光ディスク原盤露光装置及び光ディスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09138955A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2661314B2 (ja) 形状測定装置及び形状測定方法
US5182615A (en) Exposure apparatus
US4464030A (en) Dynamic accuracy X-Y positioning table for use in a high precision light-spot writing system
JP3990289B2 (ja) 移動レンズを有するリソグラフ及び記憶媒体にデジタルホログラムを生成する方法
US5223970A (en) Optical axis adjusting mechanism and method for optical information recording and reproducing device, and jig therefor
US20010021145A1 (en) Apparatus and method for position control of optical system, and storage and reproduction apparatus
JP3497734B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2001116869A (ja) サンプル検査及び/又は処理装置
JP2007052413A (ja) ホログラムマスクを用いて合成パターンを大型基板に印刷するための方法および装置
JP5171108B2 (ja) 三次元形状測定装置
JP2945120B2 (ja) フォーカシング・エラー信号発生装置
JPH09138955A (ja) 光ディスク原盤露光装置及び光ディスク
JP3501639B2 (ja) 3次元形状測定装置
JP2004273111A (ja) 光ディスク原盤露光装置
US6103177A (en) Mastering apparatus for recording onto a glass master and method for recording onto a glass master
JP2767138B2 (ja) 光学式情報記録再生装置用光学系の光軸調整方法及び治具
US6246053B1 (en) Non-contact autofocus height detector for lithography systems
US7057992B2 (en) Exposure apparatus for optical disc
JP4314684B2 (ja) ディスク原盤評価装置
JPS5817973B2 (ja) デイスクプレ−ヤ ニオケル シンゴウヨミトリセイギヨソウチ
JPH09229639A (ja) 穴径自動測定装置
JPH09115151A (ja) 円盤状基板にレーザービーム露光処理を施す装置
JPH08329476A (ja) 光ディスク原盤露光装置および光ディスク原盤露光装置の制御方法
JP2748900B2 (ja) 露光装置
JPH11213404A (ja) 原盤記録装置及びその方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040914