JP4314684B2 - ディスク原盤評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク原盤評価装置に関し、例えば近接場記録(NFR:Near Field Reacording )により所望のデータを記録するディスク原盤の評価に使用することができる。本発明は、開口数0.8以上の対物レンズを用いてディスク原盤等に波長480〜680〔nm〕の評価用レーザービームを照射し、その戻り光の光量を検出して欠陥を評価することにより、露光に供する領域において漏れなく100〔nm〕程度の欠陥を検出することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクの製造工程は、露光装置によりディスク原盤を露光した後、このディスク原盤を現像してマザーディスクを作成し、このマサーディスクよりスタンパーを作成して光ディスクを量産するようになされている。
【0003】
すなわち図13は、この種の露光装置を上方より見た平面図である。この露光装置1は、露光用レーザービームによりディスク原盤2を露光し、これによりピット、グルーブに対応する潜像をディスク原盤2に作成する。
【0004】
ここでディスク原盤2は、直径200〔mm〕前後、厚さ数〔mm〕のガラス原盤の表面を精密研磨した後、フォトレジストをスピンコートして厚さ0.1〔μm〕程度のレジスト膜を形成して作成される。なおこのフォトレジストとしては、露光用レーザービームに対して充分な感度を有する感光剤が適用される。またレジスト膜は、スピンコートした後、数10℃の温度でベーキングすることにより、フォトレジスト中に残存する溶剤が除去される。ディスク原盤2は、エアースピンドルにチャンキングされてこの露光装置1に保持され、所定の回転速度で回転駆動される。
【0005】
レーザー光源3は、例えばKrイオンレーザーが適用され、波長413〔nm〕のレーザービームを露光用レーザービームL1として出射する。ミラー4及び5は、このレーザー光源3より出射された露光用レーザービームL1の光路を折り曲げ、EOM(Electro Optic Modulator )に導く。EOM6は、駆動信号に応じて露光用レーザービームL1の偏光面を回転させて出射し、続く偏光ビームスプリッタ7は、この露光用レーザービームL1より所定偏光面の成分を選択的に透過する。
【0006】
ハーフミラー8は、この偏光ビームスプリッタ7より出射される露光用レーザービームL1を2つの光束に分解し、受光素子9は、このうちのハーフミラー8を透過した側の光束を受光して光量検出結果を出力する。露光装置1においては、この光量検出結果に基づいて、EOM6の駆動信号を補正し、これにより自動光量制御回路を構成して露光用レーザービームL1の光量が一定光量になるように制御する。
【0007】
レンズ10は、ハーフミラー8で反射された側の露光用レーザービームL1を集光して音響光学素子(AOM:Acousto Optic Modulator )11に入射し、音響光学素子11は、ピット列に対応する変調信号により露光用レーザービームL1をオンオフ変調して出射する。続くレンズ12は、この音響光学素子11の出射光を平行光線に変換して出射する。ハーフミラー13は、このレンズ12の出射光を2つの光束に分解する。受光素子14は、ハーフミラー13で2つに分けられた光束のうちの一方を受光して受光結果を出力し、これにより露光装置1では、音響光学素子11による露光用レーザービームL1の変調結果をモニタできるようになされている。
【0008】
これに対して凹レンズ15は、ハーフミラー13で2つに分けられた光束のうちの他方の光束を発散光により出射し、続く凸レンズ16は、この発散光を平行光線に変換する。これにより凹レンズ15及び凸レンズ16は、ビームエキスパンダを構成し、露光用レーザービームL1のビーム径を所定値に設定して出射する。
【0009】
ミラー17は、このビームエキスパンダより出射される露光用レーザービームL1をビームスプリッタ18を介して受け、この露光用レーザービームL1をディスク原盤2に向けて出射する。対物レンズ19は、顕微鏡の対物レンズに類似し、複数のレンズにより構成され、図14に示すように、このミラー17で光路を折り曲げた露光用レーザービームL1をディスク原盤2のレジスト膜に集光することによりピットの潜像を形成する。
【0010】
このようにしてディスク原盤2を露光するにつき、露光装置1は、露光用レーザービームL1がディスク原盤2のレジスト膜で反射し、その結果得られる戻り光LRが露光用レーザービームL1の光路を逆に辿ってハーフミラー13に入射する。ミラー22、23、24は、このハーフミラー13を透過する戻り光の光路を順次折り曲げ、レンズ25は、ミラー23で反射された戻り光をCCDカメラである撮像装置26に導く。ここで撮像装置26は、この戻り光を受光することにより、ディスク原盤2のレジスト膜上における露光用レーザービームL1のビーム形状を検出する。これにより露光装置1は、このビーム形状の観察により正しくフォーカス制御されているか否か監視できるようになされ、さらにはフォーカス制御の制御目標を設定できるようになされている。
【0011】
露光装置1において、これらレーザー光源3からハーフミラー13までの露光用レーザービームL1を処理する光学系、ハーフミラー13から撮像装置26までの戻り光を受光する光学系にあっては、この露光装置1のベースである光学定盤に固定されて配置される。これに対して凹レンズ15から対物レンズ19までの光学系は、移動光学テーブル29上に配置され、この移動光学テーブル29は、所定の駆動機構によりディスク原盤2の半径方向に移動できるようになされている。これにより露光装置1では、ディスク原盤2を回転駆動した状態で、移動光学テーブル29をディスク原盤2の外周方向に徐々に移動させることにより、ディスク原盤2にらせん状に露光用レーザービームL1の走査軌跡を形成し、この走査軌跡に音響光学素子11により変調に応じたピット列の潜像を作成するようになされている。
【0012】
露光装置1においては、この移動光学テーブル29上に、さらにオートフォーカス光学系が配置される。ここでオートフォーカス光学系において、レーザーダイオード30は、例えば波長680〔nm〕のレーザービームLFを出射し、偏光ビームスプリッタ31は、このレーザービームLFを反射してビームスプリッタ18に出射する。1/4波長板32は、この偏光ビームスプリッタ31より出射されるレーザービームLFに位相差を与えて出射し、ビームスプリッタ18は、このレーザービームLFを露光用レーザービームL1と合成してミラー17に出射する。これによりオートフォーカス光学系においては、このレーザービームLFを露光用レーザービームL1と共にディスク原盤2に照射する。
【0013】
ここでレーザービームLFにおいては、露光用レーザービームL1に比して極めて小さなビーム径により露光用レーザービームL1と合成され、さらに対物レンズ19等の光学系の光軸とほぼ一致してなる露光用レーザービームL1の光軸に対して、光軸が所定距離だけ離間するように合成される。
【0014】
これによりオートフォーカス光学系は、レーザービームLFをディスク原盤2に斜め入射し、ディスク原盤2のレジスト層で正反射して得られる戻り光については、光軸の位置が対物レンズ19からレジスト層までの距離に応じて変化するようになされている。オートフォーカス光学系は、このようにして得られる戻り光について、レーザービームLFの光路を逆に辿って1/4波長板32を透過する際に位相差を与え、これにより続く偏光ビームスプリッタ31でレーザービームLFと分離する。さらに続く位置検出素子33により受光し、その受光位置により対物レンズ19からレジスト層までの距離を検出する。
【0015】
オートフォーカス光学系は、所望の検出感度を得ることができるようにレーザービームLFの光軸位置等が調整され、この位置検出結果に基づいて対物レンズ19を光軸方向に変位させることによりフォーカス制御するようになされている。
【0016】
このようにしてディスク原盤2を露光する露光装置1においては、対物レンズ19の開口数NA、レジスト特性等によるプロセスファクターK(通常は0.8〜0.9である)、露光用レーザービームL1の波長λを用いて、解像度PをP=K・(NA/λ)で表すことができる。これにより例えば直径12〔cm〕により片面で4.7〔GB〕の情報容量を持つDVDにあっては、波長413〔nm〕の露光用レーザービーム、開口数NA=0.9の対物レンズ19を用いて、最短ピット長0.4〔μm〕、トラックピッチ0.74〔μm〕によりピット列の潜像を作成して、最短ピット長0.4〔μm〕の解像度(P=0.37〔μm〕)を確保できるようになされている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで光ディスクにおいては、近年の情報通信技術、画像処理技術の急速な発展に伴い、容量の増大が求められるようになされている。
【0018】
この場合に、例えばDVDと同一の直径12〔cm〕により片面で情報容量15〔GB〕を確保するためには、DVDと同一フォーマットにより記録するとして、最短ピット長0.22〔μm〕、トラックピッチ0.41〔μm〕によりピット列を形成してこの容量を確保することができる。
【0019】
この場合、露光装置においては、上述した解像度Pの関係式より最短ピット長に対応する解像度を確保する必要があり、開口数NAにあっては、レンズの設計製作精度より現状のNA=0.9が限界と考えられることにより、露光用レーザービームの波長を短くして、波長250〔nm〕程度の遠紫外線レーザーを使用することにより15〔GB〕の容量を確保することができる。
【0020】
しかしながらさらに記録容量を増大して直径12〔cm〕により片面で例えば情報容量40〔GB〕を確保するためには、単に露光用レーザービームL1を短波長化しただけでは、対応できなくなる問題がある。
【0021】
すなわち直径12〔cm〕により片面で情報容量40〔GB〕を確保するためには、DVDと同一フォーマットにより記録するとして、最短ピット長0.14〔μm〕、トラックピッチ0.25〔μm〕によりピット列を形成することが必要になる。この場合に実用的な波長である波長250〔nm〕程度の露光用レーザービームL1により露光する場合、対物レンズとして開口数1.4程度のものが必要になり、結局、近接場記録の手法を適用しなければならなくなる。
【0022】
この場合、対物レンズ及びその周辺構成にあっては、図15に示すように構成することが考えられる。すなわち対物レンズ40は、いわゆる後玉レンズ40Aと先玉レンズ40Bとの2つのレンズを組み合わせて構成され、後玉レンズ40Aは、両凸レンズにより構成される。これに対して先玉レンズ40Bは、先玉レンズがSIL型の半球型レンズにより構成され、先端中央に40〔μmΦ〕の突起が形成されるようになされ、この突起によりディスク原盤2への吸着が防止されるようになされている。
【0023】
後玉レンズ40A及び先玉レンズ40Bは、先玉レンズ40Bに形成された突起の先端側平面に露光用レーザービームL1を集光する。ここでこのような対物レンズ40にあっては、後玉レンズ40Aの開口数NAと先玉レンズ40Bに屈折率nを用いて、全体の開口数をn2 ×NAで表し得、例えば後玉レンズ40Aの開口数NAが0.62、先玉レンズ40Bの屈折率が1.5である場合、全体としての開口数NAを値1.4に設定することができる。
【0024】
また対物レンズ40は、静圧型浮上パッド42及びピエゾアクチュエータ43により近接場効果を発揮可能にディスク原盤2に近接して保持される。すなわち静圧型浮上パッド42は、対物レンズ40を囲む円筒形状により構成され、板ばね44を介してディスク原盤2に押圧されるように移動光学テーブル29に保持される。静圧型浮上パッド42は、側方に高圧エアーの流入口42Aが形成され、この流入口42Aより流入する高圧エアーをディスク原盤2側の端面より吹き出し、これによりディスク原盤2より浮上するようになされている。
【0025】
また静圧型浮上パッド42は、同様に、側方にエアーの流出口42Bが形成され、この流出口42Bが真空ポンプに接続されてエアーが流出するように構成される。さらにこのエアーの流入口が、ディスク原盤2側の端面、エアーの吹き出し口より内側に形成されるようになされている。これにより静圧型浮上パッド42は、高圧エアーの吹き出し量と真空ポンプによる吸引力とを制御して、ディスク原盤2側の先端がディスク原盤2の表面より浮上するようになされている。
【0026】
ピエゾアクチュエータ43は、圧電素子であるピエゾ素子を積層して印可電圧に応じて伸縮するように構成される。ピエゾアクチュエータ43は、静圧型浮上パッド42の内側に複数対配置され、対物レンズ40は、このピエゾアクチュエータ43を介して静圧型浮上パッド42に保持される。これによりピエゾアクチュエータ43は、印加電圧に応じて矢印Aにより示すように伸縮し、対物レンズ40の先端とディスク原盤2の表面との間隔を変化させる。これらの構成により対物レンズ40のディスク原盤2側の先端がディスク原盤2の表面より数10〜数〔nm〕の範囲で、種々の距離に精度良く設定保持できるようになされている。
【0027】
このような構成に係る露光装置においては、静圧型浮上パッド42によるエアーギャップを調整して対物レンズ40とディスク原盤2の間隔を3〔μm〕程度に設定した後、対物レンズ40の先端からディスク原盤2の表面までの間隔が数10〜数〔nm〕の範囲で所定値になるように、ピエゾアクチュエータ43を駆動することにより、近接場効果によりディスク原盤2を露光できると考えられる。
【0028】
ところがこのようにして露光装置側にて40[GB]容量相当によりディスク原盤を露光する場合、その前提として、塵等の付着によるディスク原盤2の欠陥が充分に低減されていることが必要となる。
【0029】
すなわちこのような40[GB]容量相当によるディスク原盤の露光においては、対物レンズ40の先端とディスク原盤2との間隔を数10〔nm〕に常時保持しなければならず、例えばμmオーダーによる突起がディスク原盤2上に存在すると、この突起が露光中に対物レンズ40の先端に衝突することになる。
【0030】
この突起が例えば金属等の硬質材料がディスク原盤2に付着して発生したものの場合、露光装置においては、突起の衝突により対物レンズの先端が破壊する恐れがある。またこの突起がフォトレジストのスピンコート時にレジスト中に取り込まれた微細な塵によるものの場合、突起がフォトレジストで覆われていることにより、突起の衝突で対物レンズの先端にフォトレジストが付着する。これによりこのような欠陥による衝突が繰り返されると、露光装置においては、対物レンズの光学特性が劣化し、所望の解像度を確保できなる。
【0031】
従って光ディスクの製造工程においては、ディスク原盤の一連の作成プロセスであるガラス原盤の精密研磨工程、洗浄工程、フォトレジスト膜作成工程等の全てのステップにおいて、塵の発生を防止するように工程を管理、維持することが必要になり、この管理の上で、ディスク原盤における欠陥を評価することが必要となる。
【0032】
このような欠陥の評価においては、露光に供する領域において、μmオーダーの突起状の欠陥はもちろん、工程を維持管理するためには、100〔nm〕程度の欠陥をも確実に、かつ漏れなく検出することが求められる。
【0033】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、露光に供する領域において漏れなく100〔nm〕程度の欠陥を検出することができるディスク原盤評価装置を提案しようとするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1に係る発明においては、波長480〜680〔nm〕の評価用レーザービームを出射する光源と、評価用レーザービームの光量検出結果を出力するモニタ用受光素子と、この評価用レーザービームを評価対象のディスク原盤に照射する開口数0.8以上の対物レンズと、所定波長のフォーカス制御用レーザービームを用いて、対物レンズとディスク原盤との間隔を所定間隔に保持するフォーカス制御機構と、ディスク原盤を回転駆動すると共に、ディスク原盤の半径方向における評価用レーザービームの照射位置を変位させ、評価用レーザービームの照射位置を走査させる走査機構と、評価用レーザービームのディスク原盤からの戻り光を受光して戻り光の光量検出結果を出力する戻り光の受光素子と、戻り光の光量検出結果を評価用レーザービームの光量検出結果で処理する戻り光処理部とを備えるようにする。ここでディスク原盤は、光ディスクの生産に使用されるレジストを塗布したガラス原盤であり、戻り光処理部は、戻り光の光量検出結果を対応する評価用レーザービームの光量検出結果で割り算して戻り光の光量検出結果の正規化値を計算し、ディスク原盤の回転角度情報、ディスク原盤の半径方向における評価用レーザービームの照射位置情報と共に記憶手段に記憶する。ここで前記フォーカス制御用レーザービームの前記所定波長が前記レジストが感度を有しない波長であり、前記フォーカス制御機構は、前記評価用レーザービームの光軸に対して所定距離だけ光軸を離間させて、前記フォーカス制御用レーザービームを前記評価用レーザービームと共に前記対物レンズに入射することにより、前記ディスク原盤の表面に対して前記フォーカス制御用レーザービームを斜め入射すると共に、前記ディスクで反射した前記フォーカス制御用レーザービームの戻り光を前記評価用レーザービームから分離する光分離光学系と、前記光分離光学系で分離された前記フォーカス制御用レーザービームの戻り光を受光し、該戻り光の受光位置の変化により前記間隔の変位を検出する受光素子と、前記受光素子の受光結果に基づいて、前記対物レンズを光軸方向に変位させる駆動機構とを有する。
【0035】
請求項1の構成によれば、波長480〜680〔nm〕の評価用レーザービームを開口数0.8以上の対物レンズによりディスク原盤に照射することにより、スポット径0.5〔μm〕程度のビームスポットによりディスク原盤を走査して100〔nm〕程度の大きさの欠陥を充分に検出することができる。これによりらせん状にビームスポットを走査して送りピッチの選定により、例えば半径25〔mm〕から58〔mm〕の領域を実用的な範囲である約3時間程度で漏れなく走査して欠陥を検出することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0037】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明の実施の形態に係るディスク原盤評価装置を示す略線図である。このディスク原盤評価装置50は、ガラス原盤、ディスク原盤2の欠陥の評価に使用される。
【0038】
すなわちディスク原盤評価装置50において、エアースピンドル51は、例えばディスク原盤2をチャンキングして、例えば回転数450〔rpm〕による高速度で回転駆動する。エアースピンドル51は、ロータリーエンコーダにより所定の基準位置を基準にした回転角度を高い精度により検出できるようになされ、このロータリーエンコーダで検出される回転角度を回転角度位置情報Dθをして出力するようになされている。
【0039】
半径方向移動機構52は、所定の制御信号に従ってディスク原盤2の半径方向にエアースピンドル51を移動させる。なお半径方向移動機構52は、送り速度3〔μm/sec〕によりエアースピンドル51を移動させることにより、エアースピンドル51の1回転につき0.4〔μm〕のピッチでエアースピンドル51を移動させる。半径方向移動機構52は、レーザービームの照射により非測定対象までの距離を高い精度により検出できるレーザースケールが配置され、このレーザースケールの検出結果によりエアースピンドル51の位置を検出できるようになされている。半径方向移動機構52は、このレーザースケールにより検出されるエアースピンドル51の位置情報を半径位置情報DRとして出力する。
【0040】
ディスク原盤評価装置50は、対物レンズ53、ミラー54、ビームエキスパンダ56等の光学系57により評価用レーザービームL2をディスク原盤2に照射するように構成される。これによりエアースピンドル51及び半径方向移動機構52は、ディスク原盤2と評価用レーザービームL2の照射位置との相対位置を変位させて評価用レーザービームL2の照射位置を走査させる走査機構を構成するようになされている。
【0041】
図1は、この光学系57の構成を詳細に示す平面図であり、この光学系57は、レーザー光源59より波長532〔nm〕の評価用レーザービームL2を出射する。すなわちレーザー光源59は、波長1064〔nm〕による基本波長のレーザービームを出射するYAGレーザーと、この基本波長のレーザービームより第2高調波のレーザービームを生成して評価用レーザービームL2として出射するSHG素子とにより構成される。レーザー光源59は、例えば約5〔mW〕の光量により、また偏光面が紙面と水平な直線偏光により評価用レーザービームL2を出射する。
【0042】
ミラー60は、このレーザー光源59より出射される評価用レーザービームL2の光路を折り曲げ、続く偏光ビームスプリッタ61は、この評価用レーザービームL2を所定の光量比により2つの光束に分離する。
【0043】
受光素子62は、この2つの光束に分離された評価用レーザービームL2のうちの、偏光ビームスプリッタ62を透過した側の評価用レーザービームL2を受光し、この評価用レーザービームL2の光量に応じて信号レベルが変化する光量検出結果を出力する。ディスク原盤評価装置50においては、この受光素子62の受光結果により評価用レーザービームL2の光量をモニタするようになされ、さらに後述する受光素子71による戻り光L2Rの光量検出結果を補正するようになされている。
【0044】
XYシフター63は、偏光ビームスプリッタ62を反射した側の評価用レーザービームL2の光路中に配置された1組の透明平行平板であり、評価用レーザービームL2の光軸に対する傾きの調整により、対物レンズ53の光軸と評価用レーザービームL2の光軸とが一致するように、評価用レーザービームL2の光軸を平行移動させて出射する。
【0045】
ミラー64及び65は、順次評価用レーザービームL2を反射することにより、評価用レーザービームL2の光路を折り曲げる。
【0046】
偏光ビームスプリッタ66は、ミラー65から到来する評価用レーザービームL2を透過して出射すると共に、この評価用レーザービームL2の光路を逆に辿って入射する評価用レーザービームL2の戻り光L2Rを反射し、これにより評価用レーザービームL2と戻り光L2Rとを分離する。
【0047】
1/4波長板67は、偏光ビームスプリッタ66より出射される評価用レーザービームL2を円偏光に変換して出射し、また円偏光により入射する戻り光L2Rを直線偏光に変換して出射する。
【0048】
ビームエキスパンダ56は、凹レンズ56A及び凸レンズ56Bとにより構成され、評価用レーザービームL2のビーム径を拡大して、対物レンズ53の入射瞳径の2倍程度のビーム径により出射する。
【0049】
ミラー54は、このビームエキスパンダ56より出射される評価用レーザービームL2の光路を折り曲げてディスク原盤2に向けて出射する。対物レンズ53は、開口数NAが0.9に選定され、この評価用レーザービームL2をディスク原盤2に集光する。
【0050】
これによりディスク原盤評価装置50においては、評価用レーザービームL2がディスク原盤2により反射されて戻り光L2Rが得られ、この戻り光L2Rが評価用レーザービームL2の光路を逆に辿り、偏光ビームスプリッタ66で反射されて評価用レーザービームL2から分離されることになる。
【0051】
ビームスプリッタ69は、この偏光ビームスプリッタ66より出射される戻り光を2つの光束に分離して出射する。レンズ70は、このビームスプリッタ69を透過する側の戻り光L2Rを受光素子71に導き、受光素子71は、この戻り光の光量に応じて信号レベルが変化する戻り光の光量検出結果S1を出力する。
【0052】
ディスク原盤評価装置50においては、この戻り光の光量検出結果S1を欠陥マッピングシステム72(図1)により処理することにより、ディスク原盤2上における欠陥を検出するようになされている。
【0053】
これに対してレンズ73は、ビームスプリッタ69を反射した側の戻り光L2Rを集光し、ミラー74及び75は、このレンズ73より出射される戻り光L2Rの光路を折り曲げて出射する。撮像装置76は、このミラー75で反射された戻り光L2Rを受光し、この戻り光のビーム形状を示す撮像結果を出力する。これによりディスク原盤評価装置50では、ディスク原盤2上における評価用レーザービームL2のビームスポット形状を観察できるようになされ、さらにはフォーカスの状態を検出できるようになされている。
【0054】
さらにディスク原盤評価装置50の光学系57においては、オートフォーカス光学系が配置される。ここでオートフォーカス光学系において、レーザーダイオード80は、ディスク原盤2に作成されたレジスト膜が感度を有しない波長480〔nm〕以上のレーザービームLFを出射し、偏光ビームスプリッタ81は、このレーザービームLFを反射してビームスプリッタ82に出射する。1/4波長板83は、この偏光ビームスプリッタ81より出射されるレーザービームLFに位相差を与えて出射し、ビームスプリッタ82は、このレーザービームLFを評価用レーザービームL2と合成してミラー54に出射する。これによりオートフォーカス光学系においては、このレーザービームLFを評価用レーザービームL2と共にディスク原盤2に照射する。
【0055】
ここでレーザービームLFにおいては、評価用レーザービームL2に比して極めて小さなビーム径により評価用レーザービームL2と合成され、さらに対物レンズ53の光軸とほぼ一致してなる評価用レーザービームL2の光軸に対して、光軸が所定距離だけ離間するように合成される。
【0056】
これによりオートフォーカス光学系は、レーザービームLFをディスク原盤2に斜め入射し、ディスク原盤2のレジスト膜で正反射して得られる戻り光については、光軸の位置が対物レンズ53からレジスト膜までの距離に応じて変化するようになされている。オートフォーカス光学系は、このようにして得られる戻り光について、レーザービームLFの光路を逆に辿って1/4波長板83を透過する際に位相差を与え、これにより続く偏光ビームスプリッタ81でレーザービームLFと分離する。さらに続く位置検出素子84により受光し、その受光位置により対物レンズ53からレジスト層までの距離を検出する。
【0057】
ディスク原盤評価装置50は、この位置検出素子84による位置検出結果に基づいて、図示しない駆動機構により対物レンズ53を光軸方向に変位させ、これによりフォーカス制御機構を構成するようになされている。
【0058】
欠陥マッピングシステム72は(図1)、ロータリーエンコーダで検出される回転角度位置情報Dθ、半径方向移動機構52で検出される半径位置情報DR、受光素子62による光量検出結果52を基準にして、受光素子71による光量検出結果S1を処理することにより、ディスク原盤2上における欠陥を検出し、さらにこの欠陥を所望の形態により表示する。
【0059】
図3は、欠陥マッピングシステム72を周辺構成と共に示すブロック図である。この欠陥マッピングシステム72において、PLL(Phase Locked Loop )90は、回転角度位置情報Dθを基準にして動作することにより所定周波数のサンプリングクロックCKを生成する。
【0060】
アナログディジタル変換回路(A/D)91及び92は、それぞれ受光素子71及び63による光量検出結果S1及びS2をアナログディジタル変換処理して出力する。
【0061】
コンピュータ93は、アナログディジタル変換回路92から出力されるアナログディジタル変換処理結果によりアナログディジタル変換回路91から出力されるアナログディジタル変換処理結果を割り算する。これにより受光素子71による戻り光L2Rの光量検出結果S1を、戻り光の生成源である評価用レーザービームL2の光量検出結果S2により割り算し、戻り光L2Rの光量検出結果S1を正規化する。
【0062】
コンピュータ93は、このようにして検出される正規化結果S1/S2を対応する回転角度位置情報Dθ、半径位置情報DRと共に所定の記憶手段に一旦記憶する。
【0063】
ここでこのようにして評価用レーザービームL2をディスク原盤2に照射する場合、図4に示すように、ゴミがガラス原盤に付着し、このゴミをレジスト膜が覆っている場合、戻り光L2Rにおいては、ゴミが付着した箇所で光量が局所的に増大することが判った。これにより図5に解析結果を示すように、戻り光L2Rの光量検出結果S1を評価用レーザービームL2の光量検出結果S2により正規化して得られる正規化結果S1/S2においては、ゴミが付着した箇所で局所的に値が増大する。なお図5においては、円周方向の長さについては、対応する情報である回転角度位置情報Dθの記号を流用して示す。なお図6は、この図5による解析結果をディスク原盤2の半径方向及び円周方向について座標を取り、また信号レベルを明度により示す解析結果の2次元表示である。
【0064】
また図7に示すように、レジスト膜の上にゴミが付着している場合、このゴミにより評価用レーザービームL2が吸収されることにより、戻り光L2Rにおいては、ゴミが付着した箇所で光量が局所的に減少することが判った。これにより図8に解析結果を示すように、正規化結果S1/S2においては、ゴミが付着した箇所で局所的に値が減少する。なお図9は、図6との対比により図8の解析結果を2次元的に示す図であり、図8及び図9においては、ぞれそれ図5及び図6と同様に座標を取って示す。
【0065】
またゴミ以外のディスク原盤2のキズ等によっても同様に戻り光L2Rの光量が変化し、これらにより正規化結果S1/S2の変化により欠陥の有無を検出することができる。さらに正規化結果S1/S2における変化の大きさは、欠陥の大きさを反映していることが判った。
【0066】
これによりコンピュータ93は、オペレータがマッピングによる測定結果の表示を選択すると、図10において符号Aにより示すように表示装置94に、ディスク原盤2の情報記録面を図形表示する。さらにコンピュータ93は、所定の記憶手段に一時記憶した正規化結果S1/S2に対応するように、この情報記録面の図形における各画素の輝度レベルを設定する。なお図10においては、このように輝度レベルを設定して所定値以上輝度レベルが変化してなる箇所を点により示す。
【0067】
これによりコンピュータ93は、この図形表示を目視により確認してディスク原盤2の品位を感覚的に把握できるようになされている。
【0068】
なお図11は、マッピングによる測定結果の表示をプリンタにより出力した図である。この測定は、故意に傷を作成し、またゴミを付着した後、フォトレジストをスピンコートしたディスク原盤によるものである。この測定結果では、符号Bにより示す傷、符号Cにより示すゴミの付着を確認することができる。
【0069】
これに対してユーザーが度数分布による測定結果の表示を選択すると、コンピュータ93は、回転角度位置情報Dθ、半径位置情報DRをアドレスにしてなる2次元のフィルタリング処理により正規化結果S1/S2を処理することにより、正規化結果S1/S2のピーク値及びボトム値を検出する。コンピュータ93は、図12に示すように、正規化結果S1/S2を基準にした度数分布によりこのピーク値及びボトム値を表示する。
【0070】
なおこの図12に示す表示においては、正規化結果S1/S2の平均値からのピーク値及びボトム値の変位量を度数分布により表示したものであり、符号E及び符号Fにより示す2種類のディスク原盤2の測定結果を纏めて表示したものである。この測定結果の表示によれば、符号Fにより示すディスク原盤2の方が、符号Eにより示すディスク原盤2より全体的に欠陥が少ないことが判る。
【0071】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、このディスク原盤評価装置50においては(図2)、エアースピンドル51により回転速度450〔rpm〕による高速度でディスク原盤2又はガラス原盤が回転駆動された状態で、半径方向移動機構52によりエアースピンドル51がディスク原盤2又はガラス原盤の半径方向に移動される。さらにこの状態で開口数0.9の対物レンズ53により波長532〔nm〕の評価用レーザービームL2がディスク原盤2又はガラス原盤に照射され、その戻り光が受光素子71により受光される。ディスク原盤評価装置50においては、この受光素子71の受光結果S1を処理してディスク原盤2又はガラス原盤の欠陥が検出される。
【0072】
ここで開口数0.9の対物レンズ53により波長532〔nm〕の評価用レーザービームL2を照射する場合、ビームスポット径は、約0.5〔μm〕となる。これに対して半径方向移動機構52により送り速度3〔μm/sec〕によりエアースピンドル51が駆動されて評価用レーザービームの照射位置が0.4〔μm〕ピッチにより変化し、これによりディスク原盤評価装置50においては、ディスク原盤2、ガラス原盤の全面に評価用レーザービームを漏れなく照射することができる。
【0073】
すなわちディスク原盤評価装置50においては(図1)、レーザー光源59において、YAGレーザーより波長1064〔nm〕による基本波長のレーザービームが生成され、この基本波長のレーザービームより第2高調波による評価用レーザービームL2が出射される。ディスク原盤評価装置50においては、この評価用レーザービームL2の光量が受光素子62により検出され、さらにXYシフター63により光軸が補正される。さらにミラー64、65により折り返された後、偏光ビームスプリッタ66を透過し、ビームエキスパンダ56によりビーム径が拡大された後、対物レンズ53によりディスク原盤2、ガラス原盤に照射される。
【0074】
さらにディスク原盤評価装置50においては、この評価用レーザービームL2の照射により得られる戻り光L2Rが、評価用レーザービームL2の光路を逆に辿り、偏光ビームスプリッタ66により評価用レーザービームL2から分離される。さらに2つの光束に分離された後、1方の光束においては、受光素子71により光量が検出され、また他方の光束においては、撮像装置76により撮像されてディスク原盤2、ガラス原盤上におけるビーム形状が検出される。
【0075】
ディスク原盤評価装置50においては、この撮像装置76より検出される撮像結果に基づいて対物レンズ53をディスク原盤2、ガラス原盤に近接してフォーカス制御の基準位置が設定される。
【0076】
すなわちディスク原盤評価装置50においては、レーザーダイオード80より出射されるレーザービームLFが評価用レーザービームL2の光軸より所定距離だけ離間して評価用レーザービームL2と共にディスク原盤2、ガラス原盤に照射され、これにより対物レンズ53とディスク原盤2、ガラス原盤との距離に応じて光軸が変位してなるレーザービームLFによる戻り光が検出される。ディスク原盤評価装置50においては、この戻り光の光軸の変位が位置検出素子84により集光位置の変位として検出され、この集光位置が撮像装置76の撮像結果により設定された基準位置になるようにフォーカス制御される。
【0077】
これに対して受光素子71で検出される光量検出結果S1においては、ディスク原盤2、ガラス原盤上における欠陥により光量が変化することになる。(図4〜図9)。
【0078】
これによりこの光量検出結果S1においては(図3)、評価用レーザービームL2の光量検出結果S2により正規化されることにより、評価用レーザービームL2の光量変化による変動が補正された後、所定の記憶手段に対応する回転角度位置情報Dθ、半径位置情報DRと共に記憶される。
【0079】
ここでこの回転角度位置情報Dθにおいては、エアースピンドル51に装着されたロータリーエンコーダより検出される評価用レーザービームL2の照射位置を示す角度情報であり、また半径位置情報DRは、半径方向移動機構52で検出される評価用レーザービームL2の照射位置を示す半径方向の位置情報であることにより、正規化結果S1/S2は、ディスク原盤2、ガラス原盤上における座標情報と共に記録されることになる。
【0080】
これによりディスク原盤評価装置50においては、オペレータがマッピングによる測定結果の表示を選択すると(図10及び図11)、表示装置94にディスク原盤2、ガラス原盤の情報記録面を示す図形が表示され、この図形中の対応する画素の輝度レベルが記憶手段に一時保持された正規化結果S1/S2に対応するように設定され、これによりこの図形表示を目視により確認して欠陥の大きさ、頻度を感覚的に把握することがきる。
【0081】
これに対してユーザーが度数分布による測定結果の表示を選択すると(図12)、回転角度位置情報Dθ、半径位置情報DRをアドレスにしてなる2次元のフィルタリング処理により、正規化結果S1/S2が処理され正規化結果S1/S2のピーク値及びボトム値が検出され、このピーク値及びボトム値の度数分布が表示される。これによりオペレータにおいては、欠陥の大きさ、個数を客観的に判断することができる。
【0082】
このようにして欠陥を検出して表示するにつき、この実施の形態では、受光素子71で検出される光量検出結果S1においては(図3)、サンプリングされて処理されることにより、このサンプリング周波数の設定により充分に長さの短い欠陥についても確実に検出することができる。すなわち半径30〔mm〕の位置においては、ディスク原盤2、ガラス原盤は、線速度1413〔mm/sec〕(30〔mm〕×2π×450〔rpm〕÷60〔sec〕)により回転していることになる。計算を簡略化するために、光量検出結果S1のサンプリングレートを5〔MHz〕とすると、この半径30〔mm〕の位置においては、長さ0.28〔μm〕(1413〔mm/sec〕÷(5×106 ))の周期でサンプリングされることになり、これによりサンプリング周波数の設定では長さ約0.28〔μm〕の欠陥を検出することができる。なおこの場合、半径50〔mm〕では、0.47〔μm〕の検出精度となる。
【0083】
なお光学系の側より検出精度を検討すると、評価用レーザービームL2のビームスポット径が0.5〔μm〕程度であることにより、欠陥の検出精度は100〔nm〕程度以上である。
【0084】
またこのような欠陥検査を半径25〔mm〕から58〔mm〕の領域において実行するとして、ディスク原盤評価装置50ではこの範囲を回転速度450〔rpm〕により0.4〔μm〕ピッチで走査することにより、約3時間((58−25)〔mm〕÷(450〔rpm〕×0.4〔μm〕)=183〔min〕)で検査を完了することができ、これにより実用上充分な時間により評価対象の欠陥を検出することができる。
【0085】
これらによりディスク原盤評価装置50では、100〔nm〕前後の欠陥の検出能力によりディスク原盤2、ガラス原盤の十分広いエリアにおいて見逃すことなく欠陥検出することができる。
【0086】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、開口数0.9の対物レンズを用いてディスク原盤等に波長532〔nm〕の評価用レーザービームを照射し、その戻り光の光量を検出して欠陥を評価することにより、露光に供する領域において漏れなく100〔nm〕程度の欠陥を検出することができる。
【0087】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、開口数0.9の対物レンズを使用して波長532〔nm〕の評価用レーザービームを照射する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、開口数0.8以上の対物レンズを用いて波長480〜680〔nm〕の評価用レーザービームを照射して上述の実施の形態とほぼ同等の検出精度を確保することができる。
【0088】
また上述の実施の形態においてはエアースピンドル側をディスク原盤の半径方向に移動させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、対物レンズ53側を関連する光学系と共にディスク原盤の半径方向に移動させるようにしてもよい。
【0089】
また上述に実施の形態においては、デスク原盤評価装置により欠陥を評価する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば光量検出結果S1、S2を記録媒体に記録して別体のコンピュータにより処理することにより、最終的な欠陥の評価を別体の演算装置に委ねるようにしてもよい。なおこの場合、ディスク原盤評価装置においては、記録媒体に光量検出結果S1、S2を記録することで光量検出結果の処理を完了することになる。
【0090】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、開口数0.8以上の対物レンズを用いてディスク原盤等に波長480〜680〔nm〕の評価用レーザービームを照射し、その戻り光の光量を検出して欠陥を評価することにより、露光に供する領域において漏れなく100〔nm〕程度の欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディスク原盤評価装置の光学系を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るディスク原盤評価装置の全体構成を示す略線図である。
【図3】図1のディスク原盤評価装置における欠陥マッピングシステムの動作の説明に供するブロック図である。
【図4】欠陥の説明に供する断面図である。
【図5】図4の欠陥による戻り光の光量分布を示す特性曲線図である。
【図6】図5の光量分布を2次元により示す特性曲線図である。
【図7】レジスト膜上の欠陥を示す断面図である。
【図8】図7の欠陥による戻り光の光量分布を示す特性曲線図である。
【図9】図8の光量分布を2次元により示す特性曲線図である。
【図10】マッピングによる測定結果の表示を示す略線図である。
【図11】故意の傷、ゴミによるマッピングによる測定結果を示す略線図である。
【図12】度数分布による測定結果の表示を示す略線図である。
【図13】露光装置を示す平面図である。
【図14】図13の露光装置の動作の説明に供する斜視図である。
【図15】近接場記録に係る対物レンズを周辺構成を共に示す断面図である。
【符号の説明】
2……ディスク原盤、40、53……対物レンズ、50……ディスク原盤評価装置、51……エアースピンドル、52……半径方向移動機構、59……レーザー光源、72……欠陥位置マッピングシステム

Claims (4)

  1. 波長480〜680〔nm〕の評価用レーザービームを出射する光源と、
    前記評価用レーザービームの光量検出結果を出力するモニタ用受光素子と、
    前記評価用レーザービームを評価対象のディスク原盤に照射する開口数0.8以上の対物レンズと、
    所定波長のフォーカス制御用レーザービームを用いて、前記対物レンズと前記ディスク原盤との間隔を所定間隔に保持するフォーカス制御機構と、
    前記ディスク原盤を回転駆動すると共に、前記ディスク原盤の半径方向における前記評価用レーザービームの照射位置を変位させ、前記評価用レーザービームの照射位置を走査させる走査機構と、
    前記評価用レーザービームの前記ディスク原盤からの戻り光を受光して前記戻り光の光量検出結果を出力する戻り光の受光素子と、
    前記戻り光の光量検出結果を前記評価用レーザービームの光量検出結果で処理する戻り光処理部とを備え、
    前記ディスク原盤は、
    光ディスクの生産に使用されるレジストを塗布したガラス原盤であり、
    前記戻り光処理部は、
    前記戻り光の光量検出結果を対応する前記評価用レーザービームの光量検出結果で割り算して戻り光の光量検出結果の正規化値を計算し、
    前記ディスク原盤の回転角度情報、前記ディスク原盤の半径方向における前記評価用レーザービームの照射位置情報と共に記憶手段に記憶し、
    前記フォーカス制御用レーザービームの前記所定波長が前記レジストが感度を有しない波長であり、
    前記フォーカス制御機構は、
    前記評価用レーザービームの光軸に対して所定距離だけ光軸を離間させて、前記フォーカス制御用レーザービームを前記評価用レーザービームと共に前記対物レンズに入射することにより、前記ディスク原盤の表面に対して前記フォーカス制御用レーザービームを斜め入射すると共に、前記ディスクで反射した前記フォーカス制御用レーザービームの戻り光を前記評価用レーザービームから分離する光分離光学系と、
    前記光分離光学系で分離された前記フォーカス制御用レーザービームの戻り光を受光し、該戻り光の受光位置の変化により前記間隔の変位を検出する受光素子と、
    前記受光素子の受光結果に基づいて、前記対物レンズを光軸方向に変位させる駆動機構とを有する
    ディスク原盤評価装置。
  2. 前記光源は、
    YAGレーザー又はYVO4 レーザーによる基本波長レーザービームを出射する基本波長のレーザーと、
    前記基本波長レーザービームより、前記基本波長レーザービームの第2高調波による波長532〔nm〕の前記評価用レーザービームを出射する第2高調波発生手段とを有する
    請求項1に記載のディスク原盤評価装置。
  3. 前記戻り光処理機構は、
    所定の表示手段に、前記戻り光の光量を基準にした度数分布により、前記戻り光の光量検出結果の正規化値のピーク値及び又はボトム値を表示する
    請求項1に記載のディスク原盤評価装置。
  4. 前記戻り光処理機構は、
    所定の表示手段に、対応する画素の輝度レベルを前記戻り光の光量検出結果の正規化値に応じて変化させて前記ディスク原盤の図形を表示する
    請求項1に記載のディスク原盤評価装置。
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