JPH09138238A - トンネル電流または微小力検出用の微小ティップの製造方法及びその製造に用いる雌型基板、並びにその微小ティップ及び該微小ティップを有するプローブ - Google Patents

トンネル電流または微小力検出用の微小ティップの製造方法及びその製造に用いる雌型基板、並びにその微小ティップ及び該微小ティップを有するプローブ

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JPH09138238A
JPH09138238A JP31856495A JP31856495A JPH09138238A JP H09138238 A JPH09138238 A JP H09138238A JP 31856495 A JP31856495 A JP 31856495A JP 31856495 A JP31856495 A JP 31856495A JP H09138238 A JPH09138238 A JP H09138238A
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layer
tip
forming
microtip
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JP31856495A
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Junji Oyama
淳史 大山
Yasuhiro Shimada
康弘 島田
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Canon Inc
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ティップの雌型を後工程でエッチング除去する
ことなくティップを形成でき、雌型の再利用が可能で、
生産性の向上と製造コストの低減を図ることのできる微
小ティップの製造方法を提供する。 【解決手段】トンネル電流または微小力検出用の微小テ
ィップの製造方法において、第1基板1の表面に凹部3
を形成する工程と、第1基板の凹部を含む基板上に両親
媒性化合物からなる剥離層4を形成する工程と、第1基
板の剥離層上に微小ティップ5を形成する工程と、第2
基板8上に接合層7を形成する工程と、第1基板におけ
る剥離層上の微小ティップ5を、第2基板の接合層に接
合する工程と、第1基板における剥離層と微小ティップ
の界面で剥離を行い、第2基板の接合層上に微小ティッ
プを転写する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル電
流顕微鏡、あるいは微小な力を検出する原子間力顕微鏡
等に用いられる微小ティップの製造方法及びその製造に
用いる雌型基板、並びにその微小ティップ及該微小ティ
ップを有するプローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年において、導体の表面原子の電子構
造を直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、ST
Mと略す)が開発され(G.Binnig et a
l.,Phys.Rev.Lett,49,57(19
82))、単結晶、非晶質を問わず実空間像を高い分解
能をもって測定することができるようになった。しかも
試料に電流による損傷を与えずに低電力で観測できる利
点も有し、更に大気中でも動作し、種々の材料に対して
用いることができるので、今後広範囲な応用が期待され
ている。かかるSTMは金属のティップと導電性物質間
に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づけるとトンネ
ル電流が流れることを利用している。この電流は両者の
距離変化に非常に敏感であり、かつ指数関数的に変化す
るので、トンネル電流を一定に保つようにティップを走
査することにより実空間の表面構造を原子オーダーの分
解能で観察することができる。
【0003】このSTMを用いた解析の対象物は導電性
材料に限られていたが、導電性材料の表面に薄く形成さ
れた絶縁層の構造解析にも応用され始めている。更に、
上述の装置、手段は微小電流を検知する方法を用いてい
るため、媒体に損傷を与えず、かつ低電力で観測できる
利点をも有する。また、大気中での作動も可能であるた
め、STMの手法を用いて、半導体あるいは高分子材料
等の原子オーダー、分子オーダーの観察評価、微細加工
(E.E.Ehrichs,Proceedings
of 4th International Conf
erence on Scanning Tunnel
ing Microscopy/Spectrosco
py,¨89,S13−3)、及び情報記録再生装置等
のさまざまな分野への応用が研究されている。例えば、
情報記録再生装置への応用を考えると、高い記録密度を
達成するためにSTMのティップの先端部の曲率半径が
小さいことが要求されている。また同時に、記録再生シ
ステムの機能向上、特に高速化の観点から、多数のプロ
ーブを同時に駆動すること(ティップのマルチ化)が提
案されているが、このために同一の基板上に特性のそろ
ったティップを作製することが必要となる。また、原子
間力顕微鏡(以下、AFMと略す)によれば物質の表面
に働く斥力、引力を検知するため導体、絶縁体を問わず
試料表面の凹凸像が測定できる。このAFMには片持ち
梁(カンチレバー)の自由端に微小ティップを形成した
ものが用いられておりSTMと同様にティップの先端部
の曲率半径が小さいことが要求されている。
【0004】従来、上記のような微小ティップの形成方
法として、半導体製造プロセス技術を使い単結晶シリコ
ンを用いて異方性エッチングにより形成した微小ティッ
プが知られている(米国特許第5,221,415号明
細書)。この微小ティップの形成方法は、図10に示す
ように、まず二酸化シリコン510、512のマスクを
被覆したシリコンウエハ514に異方性エッチングによ
りピット518を設け、二酸化シリコン510、512
を除去し、次に全面に窒化シリコン層520、521を
被覆してカンチレバー(片持ち梁)及び微小ティップと
なるピラミッド状ピット522を形成し、カンチレバー
形状にパターニングした後、裏面の窒化シリコン521
を除去し、ソウカット534とCr層532を設けたガ
ラス板530と窒化シリコン520を接合し、シリコン
ウエハ514をエッチング除去することによりマウンテ
ィングブロック540に転写された窒化シリコンからな
るティップとプローブを作製するものである。最後に、
裏面に光てこ式AFM用の反射膜となる金属膜542を
形成する。
【0005】また、図11(a)に示されるように、た
とえば基板201上の薄膜層202を円形にパターニン
グし、それをマスクにして基板201をエッチングし、
サイドエッチングを利用してティップ203を形成する
方法(O.Wolter,et al.,¨Micro
machined silicon sensorsf
or scanning force microsc
opy¨,J.Vac.Sci.Technol. B
9(2),Mar/Apr,1991,pp1353−
1357)、さらには図11(b)に示されるように、
逆テーパーをつけたレジスト205のレジスト開口部2
06に基板204を回転させながら導電性材料207を
斜めから蒸着し、リフトオフすることによりティップ2
08を形成するスピント(Spindt)等により提案
された方法(C.A.Spindt,et al.,¨
Physical properties of th
in film field emission ca
thode withmolybdenum cone
s¨J.Appl.Phys.,47.1976,pp
5248−5263)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の微小ティップの形成方法は以下のような問題点を有し
ていた。例えば、図10に示したような従来例の微小テ
ィップの形成方法においては、つぎのような問題があっ
た。 (1)ティップの雌型となったシリコン基板は、後工程
でエッチング除去されてしまうため再利用ができず、生
産性が低くなり製造コストが高くなる。 (2)ティップの雌型となったシリコン基板をエッチン
グするため、プローブ表面のエッチング液によるティッ
プ部の材料劣化、形状劣化、及びエッチング液からの汚
染等が生じる可能性がある。 (3)ティップ表面上に導電性材料を被覆してSTMの
ティップとする場合には、ティップの先端部は鋭利に形
成されているが、このために導電性材料が被覆されにく
く、被覆した場合に成膜した導電体膜の粒塊が現れ、再
現性良く粒塊の制御をすることが困難である。 (4)さらに、薄膜カンチレバー上に微小ティップを形
成する場合には、AFMでは反射膜をプローブの裏面の
全面に形成するため、カンチレバーが反射膜の膜応力に
より反ってしまう等の問題があった。また、図11に示
したような従来例の微小ティップの製造方法では、 (5)ティップを形成する際のシリコンのエッチング条
件やレジストのパターニング条件及び導電性材料の蒸着
条件等を一定にするには厳しいプロセス管理が必要とな
り、形成される複数の微小ティップの高さや先端曲率半
径等の正確な形状を維持するのが難しいという点に問題
があった。
【0007】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決するため、ティップの雌型を後工程でエッチング
除去することなくティップを形成することができ、雌型
の再利用が可能で、生産性の向上と製造コストの低減を
図ることのできる微小ティップの製造方法を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、エッチング液による
ティップ部の材料劣化、形状劣化、及びエッチング液か
らの汚染がなく、再現性の良い、均一な形状が得られる
微小ティップ及びその製造方法を提供することを目的と
する。さらに、本発明は、ティップのみをカンチレバー
先端に形成することができ、反射膜をプローブの裏面に
形成する必要のないプローブ及びその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、トンネル電流または微小力検出用の微小テ
ィップの製造方法及びその製造に用いる雌型基板、並び
にその微小ティップ及該微小ティップを有するプローブ
について、つぎのように構成したものである。すなわ
ち、本発明の微小ティップの製造方法は、トンネル電流
または微小力検出用の微小ティップの製造方法におい
て、第1基板の表面に凹部を形成する工程と、前記第1
基板の凹部を含む基板上に両親媒性化合物からなる剥離
層を形成する工程と、前記第1基板の剥離層上に微小テ
ィップを形成する工程と、第2基板上に接合層を形成す
る工程と、前記第1基板における剥離層上の微小ティッ
プを、前記第2基板の接合層に接合する工程と、前記第
1基板における剥離層と微小ティップの界面で剥離を行
い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転写する
工程と、を少なくとも有することを特徴としている。そ
して、本発明においては、前記剥離層を形成する工程
を、ラングミュア・ブロジェット法により行うことがで
きる。また、本発明におけるトンネル電流または微小力
検出用の微小ティップの製造に用いる雌型基板は、雌型
基板の表面に形成した雌型となる凹部に、微小ティップ
を剥離するための両親媒性化合物からなる剥離層を形成
したことを特徴としている。そして、本発明においては
この剥離層は、ラングミュア・ブロジェット法により形
成されることができる。また、本発明のプローブの製造
方法は、トンネル電流または微小力検出用プローブの製
造方法において、第1基板の表面に凹部を形成する工程
と、前記第1基板の凹部を含む基板上に両親媒性化合物
から成る剥離層を形成する工程と、前記第1基板の剥離
層上に微小ティップを形成する工程と、第2基板上に弾
性体材料を形成する工程と、前記弾性体材料上に接合層
を形成する工程と、前記第1基板における剥離層上の微
小ティップを、前記第2基板の接合層に接合する工程
と、前記第1基板における剥離層と微小ティップの界面
で剥離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップ
を転写する工程と、前記第2基板の一部を除去して前記
弾性体材料から弾性体を形成する工程と、を少なくとも
有することを特徴としている。そして、本発明において
は、この剥離層を形成する工程を、ラングミュア・ブロ
ジェット法により行うことができる。また、本発明にお
けるトンネル電流または微小力検出用の微小ティップを
有するプローブの製造に用いる雌型基板は、雌型基板の
表面に形成した雌型となる凹部に、前記プローブにおけ
る微小ティップを剥離するための両親媒性化合物からな
る剥離層を形成したことを特徴としている。そして、本
発明においては、この剥離層を、ラングミュア・ブロジ
ェット法により形成することができる。また、本発明に
おけるもう一つの微小ティップの製造方法は、トンネル
電流または微小力検出用の微小ティップの製造方法にお
いて、第1基板の表面に凹部を形成する工程と、前記第
1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工程と、
前記第1基板の剥離層上に微小ティップを形成する工程
と、第2基板上に接合層を形成する工程と、前記第1基
板における剥離層上の微小ティップを、前記第2基板の
接合層に接合する工程と、前記第1基板における剥離層
と微小ティップの界面で剥離を行い、前記第2基板の接
合層上に微小ティップを転写する工程と、を少なくとも
有し、前記微小ティップまたは接合層を形成する工程に
おいて該微小ティップまたは該接合層の少なくともどち
らか一方に硫黄含有化合物を含むようにすると共に、そ
の相対する微小ティップもしくは接合層に金を含むよう
にしたことを特徴としている。そして、本発明において
は、この硫黄含有化合物が、メルカプト基を有すること
を特徴としている。また、本発明におけるもう一つのプ
ローブの製造方法は、トンネル電流または微小力検出用
プローブの製造方法において、第1基板の表面に凹部を
形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上に剥
離層を形成する工程と、前記第1基板の剥離層上に微小
ティップを形成する工程と、第2基板上に弾性体材料を
形成する工程と、前記弾性体材料上に接合層を形成する
工程と、前記第1基板における剥離層上の微小ティップ
を、前記第2基板の接合層に接合する工程と、前記第1
基板における剥離層と微小ティップの界面で剥離を行
い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転写する
工程と、前記第2基板の一部を除去して前記弾性体材料
から弾性体を形成する工程と、を少なくとも有し、前記
微小ティップまたは接合層を形成する工程において該微
小ティップまたは該接合層の少なくともどちらか一方に
硫黄含有化合物を含むようにすると共に、その相対する
微小ティップもしくは接合層に金を含むようにしたこと
を特徴としている。そして、本発明においては、この硫
黄含有化合物が、メルカプト基を有することを特徴とし
ている。また、本発明の微小ティップは、基板上に接合
層を介して設けられたトンネル電流または微小力検出用
の微小ティップであって、該微小ティップが前記接合層
との間で囲まれた中空の領域を有していることを特徴と
しており、本発明においては、この接合層と微小ティッ
プ界面での接合部を硫黄化金により構成してもよい。ま
た、本発明のプローブは、基板上に接合層を介して設け
られたトンネル電流または微小力検出用の微小ティップ
を有するプローブであって、該微小ティップが前記接合
層との間で囲まれた中空の領域を有していることを特徴
としており、本発明においてはこの接合層と微小ティッ
プ界面での接合部を硫黄化金により構成してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による微小ティップの製造
方法及びその製造に用いる雌型基板、並びにその微小テ
ィップ及該微小ティップを有するプローブは上記したと
おりの構成を有するものであるが、まず、基板上に両親
媒性化合物からなる剥離層を形成する工程を有する発明
について、以下に図に基づいて説明する。図1はその製
造工程を示す断面図であり、第一に、第1基板1の表面
に凹部3を形成する。該第1基板としてシリコンを用い
ることができる。これには、まず第1基板1に保護層2
を形成し、次に、保護層2の所望の箇所を、フォトリソ
グラフィとエッチングによりパターニングしてシリコン
の一部を露出させ、次に、結晶軸異方性エッチング等を
用いてシリコンをエッチングして凹部3を形成する方法
が用いられる。保護層2としては二酸化シリコンや窒化
シリコンを用いることができる。シリコンのエッチング
にはティップ先端部を鋭利に形成できる結晶軸異方性エ
ッチングを用いることが好ましい。エッチング液に水酸
化カリウム水溶液等を用いることにより(111)面と
等価な4つの面で囲まれた逆ピラミッド状の凹部3を形
成することができる(図1(a)参照)。
【0010】第二に、上記凹部3を含む第1基板1上に
剥離層4を塗布堆積により形成する。該形成工程には浸
潰法・回転塗布法・ラングミュア・ブロジェット法(以
下、LB法と記す)等を用いることができるが、中でも
LB法は累積膜厚を極めて薄くかつ均一に制御すること
が可能であり、凹部3の形状を損なうことなく剥離層4
となる材料を積層できる(図1(b)参照)。従って、
後の工程で形成することになる微小ティップ5の形状を
損ねることがない。また、該剥離層4を構成する材料は
LB法によって形成可能な両親媒性化合物であればその
種類を特に限定しない。好ましくは、剥離層4上に微小
ティップ5材料を成膜した後に微小ティップ5を剥離層
4から剥離するという後工程を経るため、微小ティップ
5材料が剥離しやすい材料、即ちティップ5材料との反
応性・密着性が第1基板1との反応性・密着性に比較し
て小さい該剥離層4材料を用いる。このような材料とし
て、飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状炭化水素化
合物またはその誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポ
リイソブチルメタクリレート、ポリ乳酸、ポリアミノ
酸、ポリフマル酸、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリ
アクリルアミド等の高分子化合物もしくはそれらの誘導
体を用いることができる。また、上記化合物は単体もし
くはこれらの混合物もしくはこれらの複数種を化学的に
結合させた共重合体として用いることができる。なおL
B膜の累積層数は特に制限はないが、基板への材料被覆
効果等を考慮して2層〜20層を累積すればよい。
【0011】第三に、前記凹部を含む剥離層上に微小テ
ィップ5を形成する。微小ティップ5の材料としては導
電性の高い金属系材料が必要であり、より好ましくは貴
金属または貴金属合金が良い。微小ティップ5材料の成
膜には既知の薄膜作製技術である真空蒸着法、スパッタ
リング法等が用いられる。特に、真空蒸着法は成膜時の
粒子のエネルギーが小さいため、剥離層4との密着性が
小さく、剥離性に優れている。成膜後既知のフォトリソ
グラフィーの手法を用いて微小ティップ5材料をパター
ニングし、微小ティップ部とする(図1(c)参照)。
【0012】第四に、第2基板8(または第2基板8上
に形成されたカンチレバー等の弾性体9)上に接合層7
を形成する。第2基板8(または弾性体9)は接合層7
を介して微小ティップ5を支持する部材である。接合層
7は圧力によりティップを接合するためのものであり、
微小ティップ5と接合層7に金属を用いれば、接合した
面で金属結合を得ることができる。なお、トンネル電流
を取り出すための配線10は、接合層7と同一材料で同
一層に形成しても良い。第五に、前記凹部3を含む剥離
層4上の微小ティップ5材料を接合層7に接合する。こ
れには、それぞれの基板を真空チャック等により保持で
きるアライメント装置を用い、第1基板1上の微小ティ
ップ5と第2基板8上の接合層7とを位置合わせして対
向・接触させ、更に荷重を加えることにより微小ティッ
プ5と接合層7の接合(圧着)を行う(図1(d)参
照)。
【0013】第六に、前記剥離層4と微小ティップ5材
料の界面で剥離を行い接合層7上に微小ティップ5材料
を転写する。すなわち、第1基板1と第2基板8を引き
離すことにより、剥離層4と微小ティップ5との界面で
剥離させる(図1(e)参照)。
【0014】つぎに、微小ティップまたは接合層を形成
する工程において該微小ティップまたは該接合層の少な
くともどちらか一方に硫黄含有化合物を含むようにする
と共に、その相対する微小ティップもしくは接合層に金
を含むようにした発明について説明する。図7はその製
造工程の一例を示す断面図であり、第一に、第1基板1
の表面に凹部3を形成する。該第1基板としてはシリコ
ンを用いることができる。これには、まず第1基板1に
保護層2を形成し、次に、保護層2の所望の箇所を、フ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターニングして
シリコンの一部を露出させ、次に、結晶軸異方性エッチ
ング等を用いてシリコンをエッチングして凹部3を形成
する方法が用いられる。保護層2としては二酸化シリコ
ンや窒化シリコンを用いることができる。シリコンのエ
ッチングにはティップ先端部を鋭利に形成できる結晶軸
異方性エッチングを用いることが好ましい。エッチング
液に水酸化カリウム水溶液等を用いることにより(11
1)面と等価な4つの面で囲まれた逆ピラミッド状の凹
部3を形成することができる(図7(a)参照)。
【0015】第二に、上記凹部3を含む第1基板1上に
剥離層4を形成する。この剥離層4形成後の工程で、剥
離層4上に微小ティップ5材料を成膜した後、微小ティ
ップ5を剥離層4から剥離するため、微小ティップ5材
料が剥離しやすい剥離層4材料、即ち剥離層4の材料は
ティップ5材料との反応性・密着性が小さいことが好ま
しい。このような材料としては、金属、半金属、半導体
のそれぞれの酸化物あるいは窒化物等が使用できる。こ
れらの材料を用いて該剥離層4を各種酸化物形成法、ス
パッタリング法や真空蒸着法により形成することができ
る(図7(b)参照)。
【0016】第三に、前記凹部を含む剥離層上に微小テ
ィップ5を形成する。微小ティップ5の材料としは導電
性、の高い金属系材料が必要であり、より好ましくは貴
金属または貴金属合金が良い。微小ティップ5材料の成
膜には既知の薄膜作製技術である真空蒸着法、スパッタ
リング法等が用いられる。成膜後既知のフォトリソグラ
フィーの手法を用いて微小ティップ5材料をパターニン
グし、微小ティップ部とする(図7(c)参照)。
【0017】第四に、第2基板8(または第2基板8上
に形成されたカンチレバー等の弾性体9)上に接合層7
を形成する。第2基板8(または弾性体9)は接合層7
を介して微小ティップ5を支持する部材である。本発明
における実施態様では前記微小ティップ5または前記接
合層7の少なくともどちらか一方の表面に硫黄含有化合
物を含み、同時に相対する微小ティップ5もしくは接合
層7に金を含む。該硫黄含有化合物はメルカプト基を有
することが好ましい。該メルカプト基を有する硫黄含有
化合物は後述する手法で前記微小ティップ5または前記
接合層7の少なくともどちらか一方の表面に付着させる
ことができるものであれば特にその種類を限定するもの
ではない。例として、チオグリコール酸およびその誘導
体、メルカプトベンゾイック酸及びその誘導体、メルカ
プトブタノール、メルカプトエタノール、メルカプトプ
ロパノール、メルカプトプロピオン酸、チオール酢酸、
チオカプロラクタム、オクタデシルメルカプタン等の飽
和もしくは不飽和アルキルメルカプタン等を用いること
ができる。これらのメルカプト基を有する硫黄含有化合
物は微小ティップ5を前記剥離層4上に形成した後、気
相吸着もしくは浸漬もしくは塗布法で該微小ティップ5
表面に付着させることができる。この場合、相対する接
合層7は金単体もしくは金を含む合金である。一方、前
記接合層7表面に前記メルカプト基を有する硫黄含有化
合物を付着させる場合、微小ティップ5は金単体もしく
は金を含む合金からなる。また、前記メルカプト基を有
する硫黄含有化合物を付着させる接合層もしくは微小テ
ィップは例えば酸化され易い金属であってもよく、従っ
てそのような場合でも該酸化部分を適当な溶液処理もし
くはスパッタ等で除去する工程を挿入する必要がなく、
前記接合層と前記微小ティップを室温にて強固に密着さ
せることが可能となる。即ち通常必要とされる合金化の
ための熱処理を省くことが可能となり、製造工程を簡略
化できる。
【0018】第五に、前記凹部3を含む剥離層4上の微
小ティップ5材料を接合層7に接合する。これには、そ
れぞれの基板を真空チャック等により保持できるアライ
メント装置を用い、第1基板1上の微小ティップ5と第
2基板8上の接合層7とを位置合わせして対向・接触さ
せて、また必要に応じて荷重を加えて微小ティップ5と
接合層7の接合を行う(図7(d)参照)。この時前記
微小ティップ5と接合層7に金属を用いれば、接合によ
って金属結合を得ることができる。更に微小ティップ5
または接合層7表面に付着させた前記メルカプト基を有
する硫黄含有化合物が、相対する接合層7または微小テ
ィップ5に含まれる金と共有結合を形成して強固な密着
状態となる。なお、トンネル電流を取り出すための配線
10は、接合層7と同一材料で同一層に形成しても良
い。
【0019】第六に、前記剥離層4と第1基板界面で剥
離を行い接合層7上に微小ティップ5材料を転写する。
すなわち、第1基板1と第2基板8を引き離すことによ
り、剥離層4と第1基板との界面で剥離させる(図7
(e)参照)。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]本発明の実施例1においては、STM用プ
ローブ及びその製造方法を構成した。図2にそのプロー
ブの構成を示す。基板上に形成された接合層7上に微小
ティップ5が接合されている。また、トンネル電流用配
線10が接合層7に接続されている。図1は本実施例の
プローブの製造工程を示す断面図である。以下、この図
に従い製造方法を説明する。まず、面方位(100)の
単結晶シリコンウエハを第1基板1として用意した。次
に、保護層2としてシリコン熱酸化膜を1000Å形成
した。次に、保護層2の所望の箇所を、フォトリソグラ
フィとエッチングによりパターニングし、10μm平方
のシリコンを露出した。次に、水酸化カリウム水溶液を
用いた結晶軸異方性エッチングによりパターニング部の
シリコンをエッチングした。なお、エッチング条件は、
濃度30%の水酸化カリウム水溶液を用い、液温90
℃、エッチング時間は10分とした。このとき(11
1)面と等価な4つの面で囲まれた深さ約7μmの逆ピ
ラミッド状の凹部3が形成された(図1(a)参照)。
【0021】次に、保護層2である熱酸化膜をフッ酸と
フッ化アンモニウムの混合溶液(HF:NH4F=1:
5)で除去した。次に、120℃に加熱した硫酸と過酸
化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水溶液を用いて第
1基板1の洗浄を行った。次に剥離層4の形成を行なっ
た。まず飽和脂肪酸であるベヘン酸(Fluka社)を
クロロフォルムに1mMになるように溶解し、該溶液を
LB膜成膜装置のトラフに満たした純水上に滴下した
後、表面圧を27mN/mにまで高め、ベヘン酸の単分
子膜を上記水面上に形成した。この表面圧を維持したま
ま、上記で形成した第1基板を前記単分子膜を横切る方
向で速度10cm/分にて静かに浸漬し、引き続き同じ
速度でこれを引き上げて前記ベヘン酸の2層LB膜を該
第1基板上に累積し剥離層4として前記第1基板上に形
成した(図1(b)参照)。該2層LB膜の膜厚は60
Å程度であり、これは前記逆ピラミッド状の凹部3の深
さの1/120程度であるため、微小チップの先端形状
を損なうことがない。次に微小ティップ5材料として金
(Au)を真空蒸着法により成膜しフォトリソグラフィ
とエッチングによりパターン形成を行った。なお、この
ときの金(Au)の膜厚は1.0μmとした(図1
(c)参照)。本実施例の如く、微小ティップ材料とし
て金属を直接用いることにより、微小ティップ形成後に
導電性材料を被覆する必要がなくなり、工程が簡素化さ
れた。次に第2基板8として表面酸化膜を形成したシリ
コン基板を用意し、この表面にクロムCrを50Å、金
(Au)を3000Å真空蒸着法により、成膜しフォト
リソグラフィとエッチングによりパターン形成を行い、
接合層7及び配線10とした。次に、第1基板1上の微
小ティップ5と第2基板8上の接合層7とを位置合わせ
し対向・接触させ、更に荷重を加えることにより微小テ
ィップ5と接合層7の接合(圧着)を行った(図1
(d)参照)。
【0022】次に、第1基板1と第2基板8を引き離す
ことにより、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離
させた(図1(e)参照)。このとき、基板表面からの
ティップの高さは約8μmであった。本実施例で示した
如く、微小ティップ5は剥離層4を介して第1基板1即
ち雌型基板から単に機械的に剥離されるため、該雌型基
板は何ら損傷を受けておらず、再利用工程に回すことが
できた(実施例4参照)。そればかりでなく、エッチン
グ処理によるティップ部の材料・形状の劣化、及びエッ
チング液からの汚染等を考慮する必要が一切なく、均質
な微小ティップを再現性良く形成することができた。
【0023】図3は本実施例の微小ティップを適用した
STM装置のブロック図を示す。図3において、微小テ
ィップ5と試料11との間にバイアス電圧を印加し、こ
の間を流れるトンネル電流Itを検出し、Itが一定と
なるようにフィードバックをかけ、XYZ駆動ピエゾ素
子12のZ方向を駆動しティップ5と試料11との間隔
を一定に保っている。更に、XYZ駆動ピエゾ素子12
のXYを駆動することにより試料の2次元像であるST
M像が観察される。この装置で試料としてHOPG(高
配向熱分解グラファイト)基板の劈開面をバイアス電流
1nAで観察したところ、良好な原子像を得ることがで
きた。
【0024】[実施例2]本発明の実施例2においては
AFM用カンチレバー型プローブ及びその製造方法を構
成した。図5にそのプローブの構成を示す。カンチレバ
ー9上に形成された接合層7上に微小ティップ5が接合
されている。図4は本実施例のプローブの製造工程を示
す断面図である。以下、この図に従い製造方法を説明す
る。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを
第1基板1として用意した。次に、保護層2としてシリ
コン熱酸化膜を1000Å形成した。次に、保護層2の
所望の箇所を、フォトリソグラフィとエッチングにより
パターニングし、10μm平方のシリコンを露出した。
次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッ
チングによりパターニング部のシリコンをエッチングし
た。なお、エッチング条件は、濃度30%の水酸化カリ
ウム水溶液を用い、液温90℃、エッチング時間は10
分とした。このとき(111)面と等価な4つの面で囲
まれた深さ約7μmの逆ピラミッド状の凹部3が形成さ
れた(図4(a)参照)。
【0025】次に、保護層2である熱酸化膜をフッ酸と
フッ化アンモニウムの混合溶液(HF:NH4F=1:
5)で除去した。次に、120℃に加熱した硫酸と過酸
化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水溶液を用いて第
1基板1の洗浄を行った。次に、実施例1と同様の処方
及び方法で第1基板1上にベヘン酸2層のLB膜を累積
し、剥離層4とした(図4(b)参照)。該2層LB膜
の膜厚は60Å程度であり、これは前記逆ピラミッド状
の凹部3の深さの1/120程度であるため、微小チッ
プの先端形状を損なうことがない。次に微小ティップ5
材料として金Auを真空蒸着法により成膜しフォトリソ
グラフィとエッチングによりパターン形成を行った。な
お、このときの金(Au)の膜厚は1.0μmとした
(図4(c)参照)。本実施例の如く、微小ティップ材
料として金属を直接用いることにより、微小ティップ形
成後に導電性材料を被覆する必要がなくなり、工程が簡
素化された。次に第2基板8として単結晶シリコン基板
を用意し、第2基板8両面に二酸化シリコン13を0.
3μm、窒化シリコン14を0.5μm成膜した。次に
表面の窒化シリコン14をフォトリソグラフィとエッチ
ングによりカンチレバー(片持ち梁9)の形状にパター
ニングした。このとき、カンチレバーの寸法は幅50μ
m、長さ300μmとした。次に、裏面の窒化シリコン
14及び二酸化シリコン13を同様にエッチングマスク
形状にパターニングした。次に、チタンTiを30Å、
金Auを500Å成膜し、フォトリソグラフィとエッチ
ングによりパターン形成を行い、カンチレバー上に接合
層7を形成した。次に、第1基板1上の微小ティップ5
と第2基板8上の接合層7とを位置合わせして対向・接
触させ、更に荷重を加えることにより微小ティップ5と
接合層7の接合(圧着)を行った(図4(d)参照)。
次に、第1基板1と第2基板8を引き離して、剥離層4
と微小ティップ5との界面で剥離させた(図4(e)参
照)。本実施例で示した如く、微小ティップ5は剥離層
4を介して第1基板1即ち雌型基板から単に機械的に剥
離されるため、該雌型基板は何ら損傷を受けておらず、
再利用工程に回すことができた(実施例4参照)。それ
ばかりでなく、エッチング処理によるティップ部の材料
・形状の劣化、及びエッチング液からの汚染等を考慮す
る必要が一切なく、均質な微小ティップを再現性良く形
成することができた。次に、表面保護層としてポリイミ
ド層をスピンコートにより塗布し、ベークして形成し
た。次に、裏面の窒化シリコン14をエッチングマスク
にして、90℃に加熱した30%水酸化カリウム水溶液
により裏面からシリコン基板8のエッチングを行った。
次に、フッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液により二
酸化シリコン層13を除去した。最後に、酸素プラズマ
を用いて表面保護層を除去してカンチレバーのプローブ
を形成した(図4(f)参照)。最終的には、本実施例
により微小ティップのみをカンチレバー先端に形成する
ことができ、AFM信号検出用に反射膜をプローブの裏
面に新たに形成する必要がなくなり、工程の簡素化と微
小ティップの均質化を実現した。
【0026】上記で形成した本実施例のプローブを用い
た光てこ方式のAFM装置を作製した。本実施例により
作製したAFM用のプローブでは、変位測定のためのレ
ーザーの反射をカンチレバー先端に設けた接合層7の裏
面にて行うことができ、反射膜の代用となる。これによ
り、カンチレバーの裏面の全面に反射膜をコーティング
する必要がなく、その膜応力により反ることがなくなっ
た。本AFM装置のブロック図を図6に示す。AFM装
置はカンチレバー51と接合層48と接合層48に接合
した微小ティップ50からなるプローブと、レーザー光
61と、カンチレバー自由端の接合層裏面にレーザー光
を集光するためのレンズ62とカンチレバーのたわみ変
位による光の反射角の変化を検出するポジションセンサ
ー63と、ポジションセンサーからの信号により変位検
出を行う変位検出回路66と、XYZ軸駆動ピエゾ素子
65と、XYZ軸駆動ピエゾ素子をXYZ方向に駆動す
るためのXYZ駆動用ドライバー67とからなる。この
AFM装置を用い、マイカからなる試料64にプローブ
を接近させた後に、XYZ軸駆動ピエゾ素子65のXY
方向を駆動することにより試料表面のAFM像を観察し
たところ、マイカ表面のステップ像を観察することがで
きた。
【0027】[実施例3]本発明の実施例3において
は、STM用プローブ及びその製造方法を構成した(図
1参照)。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウ
エハを第1基板として用意し、実施例1と同様の方法に
て逆ピラミッド状の凹部を形成した。次に剥離層の形成
を行なった。まずポリ乳酸(Polyscience
社)をクロロフォルムに1mMになるように溶解し、該
溶液をLB膜成膜装置のトラフに満たした純水上に滴下
した後、表面圧を8mN/mにまで高め、ポリ乳酸の単
分子膜を上記水面上に形成した。この表面圧を維持した
まま、上記で形成した第1基板を前記単分子膜を横切る
方向で速度30cm/分にて静かに浸漬し、引き続き同
じ速度でこれを引き上げて前記ポリ乳酸の2層LB膜を
該第1基板上に累積し、剥離層4として前記第1基板上
に形成した。該2層LB膜の膜厚は8Å程度であり、こ
れは前記逆ピラミッド状の凹部3の深さの1/900程
度であるため、微小ティップの先端形状を損なうことが
ない。次に微小ティップ5材料として金Auを真空蒸着
法により成膜しフォトリソグラフィとエッチングにより
パターン形成を行った。なお、このときの金(Au)の
膜厚は1.0μmとした。次に実施例1と同様のSTM
装置に上記の方法で構成したプローブを装着し、実施例
1と同様にHOPG(高配向熱分解グラファイト)基板
の劈開面をバイアス電流1nAで観察したところ、良好
な原子像を得ることができた。
【0028】[実施例4]本発明の実施例4において
は、第1基板の再利用によるSTM用プローブ及びその
製造方法を構成した。実施例1において第1基板lと第
2基板8を引き離すことにより、剥離層4と微小ティッ
プ5との界面で剥離させた(図1(e)参照)。即ち、
雌型基板であるところの第1基板1の除去にはエッチン
グ等の不可逆処理を用いていないため、該第1基板は再
利用できる。そこで上記の引き離し操作を終了した後、
該第1基板をクロム酸混液に浸漬し一昼夜経過させ水洗
した。また、1%RBS洗剤(Fluka社)で洗浄・
水洗の後UV−オゾン照射を行なっても同様の効果を得
た。引き続きフッ酸とフッ化アンモニウムの混合溶液
(1:5)で処理し、実施例1と同様に次に剥離層4の
形成、微小ティップ5の形成、該微小ティップ5と接合
層7の接合(圧着)、剥離層4と微小ティップ5との剥
離を行なった。本実施例で形成した微小ティップを実施
例1と同様のSTM装置に装着し、実施例1と同様にH
OPG(高配向熱分解グラファイト)基板の劈開面をバ
イアス電流1nAで観察したところ、実施例1と全く変
わらない原子像を得ることができた。本実施例は、一度
使用した第1基板1を洗浄後、再び使用して微小ティッ
プを形成しても、新規使用の第1基板で形成した微小テ
ィップと何ら性質の変わらない微小ティップを形成する
ことができたことを示す。
【0029】[実施例5]本発明の実施例5において
は、STM用プローブ及びその製造方法を構成した。図
2にそのプローブの構成を示す。基板上に形成された接
合層7上に微小ティップ5が接合されている。また、ト
ンネル電流用配線10が接合層7に接続されている。図
7は本実施例のプローブの製造工程を示す断面図であ
る。以下この図に従い製造方法を説明する。まず、面方
位(100)の単結晶シリコンウエハを第1基板1とし
て用意した。次に、保護層2としてシリコン熱酸化膜を
1000Å形成した。次に、保護層2の所望の箇所を、
フォトリソグラフィとエッチングによりパターニング
し、10μm平方のシリコンを露出した。次に、水酸化
カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッチングにより
パターニング部のシリコンをエッチングした。なお、エ
ッチング条件は、濃度30%の水酸化カリウム水溶液を
用い、液温90℃、エッチング時間は10分とした。こ
のとき(111)面と等価な4つの面で囲まれた深さ約
7μmの逆ピラミッド状の凹部3が形成された(図7
(a)参照)。
【0030】次に、保護層2である熱酸化膜をフッ酸と
フッ化アンモニウムの混合溶液(HF:NH4F=1:
5)で除去した。次に、120℃に加熱した硫酸と過酸
化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水溶液を用いて第
1基板1の洗浄を行った。次に該第1基板1上に剥離層
4として銀(Ag)を真空蒸着法により全面に700Å
成膜した(図7(b)参照)。
【0031】次に微小ティップ5材料としてパラジウム
(Pd)を真空蒸着法により成膜しフォトリソグラフィ
とエッチングによりパターン形成を行った。なお、この
ときのパラジウム(Pd)の膜厚は1.0μmとした
(図7(c)参照)。本実施例の如く、微小ティップ材
料として金属を直接用いることにより、微小ティップ形
成後に導電性材料を被覆する必要がなくなり、工程が簡
素化された。次に1−メルカプト−2−プロパノール
(Aldrich社)を小瓶に少量分取して密閉したガ
ラスケースに置き、70℃に加熱・保温した。そのケー
ス内に上記で形成した図7(c)の基板を1時間静置し
該1−メルカプト−2−プロパノールを吸着させた後、
該基板をエタノールにて洗浄し、未反応の1−メルカプ
ト−2−プロパノールを除去した。
【0032】次に第2基板8として表面酸化膜を形成し
たシリコン基板を用意し、この表面にクロムCrを50
Å、金Auを3000Å真空蒸着法により成膜し、フォ
トリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層7及び配線10とした。次に、上記で形成し
た第1基板1上の微小ティップ5と第2基板8上の接合
層7とを位置合わせして対向・接触させて微小ティップ
5と接合層7の接合を行った(図7(d)参照)。これ
により硫黄化金17が微小ティップ5と接合層7の界面
に形成された。
【0033】次に、第1基板1と第2基板8を引き離す
ことにより、剥離層4と第1基板1との界面で剥離させ
た(図7(e)参照)。引き続き微小ティップ5上の剥
離層である銀(Ag)を硝酸溶液を用いて除去すること
により微小ティップを形成した(図7(f)参照)。こ
のとき、基板表面からのティップの高さは約8μmであ
った。本実施例で示した如く、硫黄化金により該微小テ
ィップ5と該接合層7が密着したために、該微小ティッ
プ5は剥離層4を介して第1基板1即ち雌型基板から単
に機械的に剥離され、また該雌型基板に何ら損傷或いは
残留物がないために、再利用工程に回すことができる
(実施例9参照)。そればかりでなく、エッチング処理
によるティップ部の材料・形状の劣化、及びエッチング
液からの汚染等を考慮する必要が一切なく、均質な微小
ティップを再現性良く形成することができた。図3は本
実施例の微小ティップを適用したSTM装置のブロック
図を示す。図3において、微小ティップと試料との間に
バイアス電圧を印加し、この間を流れるトンネル電流I
tを検出し、Itが一定となるようにフイードバックを
かけ、XYZ駆動ピエゾ素子12のZ方向を駆動しティ
ップ5と試料11との間隔を一定に保っている。更に、
XYZ駆動ピエゾ素子12のXYを駆動することにより
試料の2次元像であるSTM像が観察される。この装置
で試料としてHOPG(高配向熱分解グラファイト)基
板の劈開面をバイアス電流1nAで観察したところ、良
好な原子像を得ることができた。
【0034】[実施例6]本発明の実施例6においては
AFM用カンチレバー型プローブ及びその製造方法を構
成した。図5にそのプローブの構成を示す。カンチレバ
ー29上に形成された接合層27上に微小ティップ25
が接合されている。図8は本実施例のプローブの製造工
程を示す断面図である。以下、この図に従い製造方法を
説明する。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウ
エハを第1基板21として用意した。次に、保護層22
としてシリコン熱酸化膜を1000Å形成した。次に、
保護層22の所望の箇所を、フォトリソグラフィとエッ
チングによりパターニングし、10μm平方のシリコン
を露出した。次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶
軸異方性エッチングによりパターニング部のシリコンを
エッチングした。なお、エッチング条件は、濃度30%
の水酸化カリウム水溶液を用い、液温90℃、エッチン
グ時間は10分とした。このとき(111)面と等価な
4つの面で囲まれた深さ約7μmの逆ピラミッド状の凹
部23が形成された(図8(a)参照)。
【0035】次に、保護層22である熱酸化膜をフッ酸
とフッ化アンモニウムの混合溶液(HF:NH4F=
1:5)で除去した。次に、120℃に加熱した硫酸と
過酸化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水溶液を用い
て第1基板21の洗浄を行った。次に該第1基板21上
に剥離層24として銀(Ag)を真空蒸着法により全面
に700Å成膜した(図8(b)参照)。微小ティップ
は第1基板21上に実施例5と同様の工程にて作成す
る。即ち微小ティップ25材料としてパラジウム(P
d)を真空蒸着法により成膜しフォトリソグラフィとエ
ッチングによりパターン形成を行った。なお、このとき
のパラジウム(Pd)の膜厚は1.0μmとした。本実
施例の如く、微小ティップ材料として金属を直接用いる
ことにより、微小ティップ形成後に導電性材料を被覆す
る必要がなくなり、工程が簡素化された。
【0036】次に第2基板28として単結晶シリコン基
板を用意し、第2基板28両面に二酸化シリコン23を
0.3μm、窒化シリコン34を0.5μm成膜した。
次に表面の窒化シリコン34をフォトリソグラフィとエ
ッチングによりカンチレバー(片持ち梁29)の形状に
パターニングした。このとき、カンチレバーの寸法は幅
50μm、長さ300μmとした。次に、裏面の窒化シ
リコン34及び二酸化シリコン33を同様にエッチング
マスク形状にパターニングした。次に1−メルカプト−
2−プロパノール(Aldrich社)を小瓶に少量分
取して密閉したガラスケースに置き、70℃に加熱・保
温した。そのケース内に上記で形成した第1基板を1時
間静置して硫黄化合物である1−メルカプト−2−プロ
パノール36を吸着させた後、該基板をエタノールにて
洗浄し、未反応の1−メルカプト−2−プロパノールを
除去した(図8(c)参照)。
【0037】次に、カンチレバー表面にクロムCrを5
0Å、金Auを3000Å真空蒸着法により成膜し、フ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層27とした。次に、第1基板21上の微小テ
ィップ25と第2基板28上の接合層27とを位置合わ
せして対向・接触させて微小ティップ25と接合層27
の接合を行った(図8(d)参照)。これにより、硫黄
化金37が微小ティップと接合層の界面に形成された。
【0038】次に、第1基板21と第2基板28を引き
離すことにより、剥離層24と第1基板21との界面で
剥離させた。引き続き微小ティップ25上の剥離層であ
る銀(Ag)を硝酸溶液を用いて除去することにより微
小ティップを形成した(図8(e)参照)。このとき、
基板表面からのティップの高さは約8μmであった。本
実施例で示した如く、硫黄化金により該微小ティップ2
5と前記アルミニウムからなる接合層27との金属結合
により該微小ティップ25と該接合層27が密着したた
めに、該微小ティップ25は剥離層24を介して第1基
板21即ち雌型基板から単に機械的に剥離され、また該
雌型基板に何ら損傷或いは残留物がないために、再利用
工程に回すことができた。そればかりでなく、エッチン
グ処理によるティップ部の材料・形状の劣化、及びエッ
チング液からの汚染等を考慮する必要が一切なく、均質
な微小ティップを再現性良く形成することができた。
【0039】次に、表面保護層としてポリイミド層をス
ピンコートにより塗布し、ベークして形成した。次に、
基面の窒化シリコン34をエッチングマスクにして、9
0℃に加熱した30%水酸化カリウム水溶液により裏面
からシリコン基板28のエッチングを行った。次に、フ
ッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液により二酸化シリ
コン層33を除去した。最後に、酸素プラズマを用いて
表面保護層を除去してカンチレバー型プローブを形成し
た(図8(f)参照)。最終的には、本実施例により微
小ティップのみをカンチレバー先端に形成することがで
き、AFM信号検出用に反射膜をプローブの裏面に新た
に形成する必要がなくなり、工程の簡素化と微小ティッ
プの均質化を実現した。
【0040】上記で形成した本実施例のプローブを用い
た光てこ方式のAFM装置を作製した(図6)。本実施
例により作製したAFM用のプローブでは、変位測定の
ためのレーザーの反射をカンチレバー先端に設けた接合
層27の裏面にて行うことができ、反射膜の代用とな
る。これにより、カンチレバーの裏面の全面に反射膜を
コーティングする必要がなく、その膜応力により反るこ
とがなくなった。本AFM装置のブロック図を図6に示
す。AFM装置はカンチレバー29と接合層27と接合
層48に接合した微小ティップ25からなるプローブ
と、レーザー光61と、カンチレバー自由端の接合層裏
面にレーザー光を集光するためのレンズ62とカンチレ
バーのたわみ変位による光の反射角の変化を検出するポ
ジションセンサー63と、ポジションセンサーからの信
号により変位検出を行う変位検出回路66と、XYZ軸
駆動ピエゾ素子65と、XYZ軸駆動ピエゾ素子をXY
Z方向に駆動するためのXYZ駆動用ドライバー67と
からなる。このAFM装置を用い、マイカからなる試料
64にプローブを接近させた後に、XYZ軸駆動ピエゾ
素子65のXY方向を駆動することにより試料表面のA
FM像を観察したところ、マイカ表面のステップ像を観
察することができた。
【0041】[実施例7]本発明の実施例7においては
STM用プローブ及びその製造方法を構成した。本実施
例のプローブは実施例5と同様の図2に示す様式を有し
ている。図7に示した実施例5と同様の手法により保護
層の形成、凹部の形成、剥離層の形成、パラジウム(P
d)を用いた微小ティップ45の形成を行なった。硫黄
含有化合物としてオクタデシルメルカプタン(Aldr
ich社)を用いた以外は実施例5と同様の工程にてプ
ローブを作成した。即ち該オクタデシルメルカプタン中
に微小ティップを形成した基板を浸漬して5分静置して
引き上げ、該基板をクロロフォルムにて洗浄し、未反応
のオクタデシルメルカプタンを除去して形成した。
【0042】次に第2基板48として実施例5と同様の
接合層47及び配線50を設けた基板を用い、上記で形
成した第1基板上の微小ティップ45と第2基板48上
の接合層47とを位置合わせして対向・接触させて微小
ティップ45と接合層47の接合を行った。次に、第1
基板と第2基板48を引き離すことにより、剥離層と第
1基板との界面で剥離させた。引き続き微小ティップ4
5上の剥離層である銀(Ag)を硝酸溶液を用いて除去
することにより微小ティップを形成した。このとき、基
板表面からのティップの高さは約8μmであった。
【0043】次に、実施例5と同様のSTM装置に本実
施例で作製した微小ティップ45を装着し、試料として
HOPG(高配向熱分解グラファイト)基板の劈開面を
実施例5と同様の観察条件で観察したところ、良好な原
子像を得ることができた。
【0044】[実施例8]本発明の実施例8において
は、STM用プローブ及びその製造方法を構成した。図
2にそのプローブの構成を示す。基板上に形成された接
合層77上に微小ティップ45が接合されている。ま
た、トンネル電流用配線80が接合層77に接続されて
いる。図9は本実施例のプローブ製造工程を示す断面図
である。まず、実施例5と同様に第1基板71上の保護
層72、凹部73の形成を行った(図9(a)参照)。
引き続き保護層72をフッ酸とフッ化アンモニウムの混
合溶液(HF:NH4F=1:5)で除去した。次に1
20℃に加熱した硫酸と過酸化水素水混合液、及び2%
フッ酸水溶液を用いて第1基板71の洗浄を行った。次
に、熱酸化炉を用いて第1基板71を酸素及び水素雰囲
気中で1000℃に加熱し、剥離層74である二酸化シ
リコンを5000Å堆積した(図9(b)参照)。
【0045】次に微小ティップ材料75として金(A
u)を真空蒸着法により成膜し、フォトリソグラフィと
エッチングによりパターン形成を行った。この時の金
(Au)の膜厚は1.0μmとした(図9(c)参
照)。本実施例の如く微小ティップ材料として金属を直
接用いることにより、微小ティップ形成後に導電性材料
を被覆する必要がなくなり、工程が簡素化された。
【0046】次に第2基板78上に真空蒸着法によりア
ルミニウムAlを500Å、接合層77(及び配線8
0)として形成した。次に1−メルカプト−2−プロパ
ノール(Aldrich社)を小瓶に少量分取して密閉
したガラスケースに置き、70℃に加熱・保温した。そ
のケース内に上記で接合層77(及び配線80)を形成
した前記第2基板78を1時間静置した後、該基板をエ
タノールにて洗浄し、未反応の1−メルカプト−2−プ
ロパノールを除去した。次に、上記で形成した第1基板
71上の微小ティップ75と該第2基板78上の接合層
77とを位置合わせして対向・接触させて微小ティップ
75と接合層77の接合を行った(図9(d)参照)。
【0047】次に、第1基板1と第2基板8を引き離す
ことにより、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離
させた(図9(e)参照)。このとき、基板表面からの
ティップの高さは約8μmであった。上記で形成した微
小ティップを実施例5で用いたSTM装置に装着してで
HOPG(高配向熱分解グラファイト)基板の劈開面を
バイアス電流lnAで観察したところ、実施例5と同様
の原子像を得ることができた。
【0048】[実施例9]本発明の実施例9において
は、第1基板の再利用によるSTM用プローブ及びその
製造方法を構成した。実施例5において第1基板1と第
2基板8を引き離すことにより、剥離層4と第1基板1
との界面で剥離させ、引き続き微小ティップ5上の剥離
層である銀(Ag)を硝酸溶液を用いて除去することに
より微小ティップを形成した。即ち、雌型基板であると
ころの第1基板1の除去にはエッチング等の不可逆処理
を用いていないため、該第1基板は再利用できる。そこ
で上記の引き離し操作を終了した後、該第1基板をクロ
ム酸混液に浸漬し一昼夜経過させ水洗した。また、1%
RBS洗剤(Fluka社)で洗浄・水洗の後UV−オ
ゾン照射を行なっても同様の効果を得た。引き続きフッ
酸とフッ化アンモニウムの混合溶液(1:5)で処理
し、実施例5と同様に次に剥離層4の形成、微小ティッ
プ5の形成、該微小ティップ5と接合層7の接合、剥離
層4と微小ティップ5との剥離を行なった。本実施例で
形成した微小ティップを実施例5と同様のSTM装置に
装着し、実施例5と同様にHOPG(高配向熱分解グラ
ファイト)基板の劈開面をバイアス電流1nAで観察し
たところ、実施例5と全く変わらない原子像を得ること
ができた。本実施例は、一度使用した第1基板1を洗浄
後、再び使用して微小ティップを形成しても、新規使用
の第1基板で形成した微小ティップと何ら性質の変わら
ない微小ティップを形成することができたことを示す。
【0049】
【発明の効果】本発明は、以上のような微小ティップの
製造方法により、微小ティップの先端を鋭利に形成する
ことができるから、AFMやSTM用の微小ティップと
して優れた特性を示す微小ティップを製造することが可
能となり、また、製造工程においてティップ材料層のエ
ッチングを行う必要がないため、微小ティップの製造プ
ロセスでの工程を簡略化することができる。さらに、微
小ティップまたは該接合層の少なくともどちらか一方に
硫黄含有化合物を含むようにすると共に、その相対する
微小ティップもしくは接合層に金を含むようにすること
により、その合金化のための熱工程を省くことが可能と
なり、その製造工程を簡略化することができる。また、
本発明においては、凹部を形成した第1基板、すなわち
剥離層を形成した微小ティップの雌型基板と微小ティッ
プとは剥離が容易であり、雌型を繰り返し使用ができる
ため、生産性の向上、製造コストの低減を図ることがで
きる。また、この雌型基板の使用により、接合層もしく
は微小ティップが酸化し易い金属であっても良好な両者
の密着状態を得ることができ、雌型基板と微小ティップ
との完全剥離が可能となる。また、複数の微小ティップ
を形成した場合においても徴小ティップの先端曲率半径
が揃っており、微小ティップの複数化(マルチ化)を容
易に実現することが可能となる。また、本発明において
は、微小ティップの形成を第1基板のエッチングによら
ず、第2基板上の接合層に転写するため、エッチング液
によるティップ材料の劣化、汚染等を防ぐことができ、
これにより再現性が良く、安定な微小ティップを得るこ
とができる。また、本発明においては、第2基板上に接
合層を有する薄膜カンチレバーをあらかじめ形成させて
おくことにより、ティップを有する薄膜カンチレバーか
らなるAFM用のプローブを作製することが容易にな
り、かつ反射膜を形成したことに伴う薄膜カンチレバー
の反りを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるプローブの製造方法を
示す図である。
【図2】本発明の実施例1及び実施例5によるプローブ
を示す図である。
【図3】本発明の実施例1及び実施例5によるプローブ
を用いたSTM装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施例2によるプローブの製造方法を
示す図である。
【図5】本発明の実施例2及び実施例6によるプローブ
を示す図である。
【図6】本発明の実施例2及び実施例6によるプローブ
を用いたAFM装置のブロック図である。
【図7】本発明の実施例5によるプローブの製造方法を
示す図である。
【図8】本発明の実施例6によるプローブの製造方法を
示す図である。
【図9】本発明の実施例8によるプローブの製造方法を
示す図である。
【図10】従来例による微小ティップを示す図である。
【図11】従来例による微小ティップを示す図である。
【符号の説明】
1、21、71 第1基板 2、22、72 保護層 3、23、73 凹部 4、24、74 剥離層 5、25、45、75 微小ティップ 7、27、47、77 接合層 8、28、78 第2基板 9、29 弾性体(カンチレバー) 10、50、80 配線 11 試料 12 XYZ軸駆動ピエゾ素子 13、33 二酸化シリコン 14、34 窒化シリコン 16、36 硫黄化合物 37 硫黄化金 61 レーザー 62 レンズ 63 ポジションセンサ 64 試料 65 XYZ軸駆動ピエゾ素子 66 変位検出回路 67 XYZ軸駆動用ドライバー 201 基板 202 薄膜層 203 ティップ 204 基板 205 レジスト 206 レジスト開口部 207 導電性材料 208 ティップ 510、512 二酸化シリコン 514 シリコンウエハ 518 ピット 520、521 窒化シリコン 522 ピラミッド状ピット 532 Cr層 534 ソウカット 540 マウンティングブロック 542 金属膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル電流または微小力検出用の微小
    ティップの製造方法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に両親媒性化合物から
    なる剥離層を形成する工程と、 前記第1基板の剥離層上に微小ティップを形成する工程
    と、 第2基板上に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の微小ティップを、前記
    第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と微小ティップの界面で剥
    離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転
    写する工程と、を少なくとも有することを特徴とする微
    小ティップの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記剥離層を形成する工程が、ラングミ
    ュア・ブロジェット法により行われることを特徴とする
    請求項1に記載の微小ティップの製造方法。
  3. 【請求項3】 トンネル電流または微小力検出用の微小
    ティップの製造に用いる雌型基板であって、該雌型基板
    の表面に形成した雌型となる凹部に、微小ティップを剥
    離するための両親媒性化合物からなる剥離層を形成した
    ことを特徴とするトンネル電流または微小力検出用の微
    小ティップの製造に用いる雌型基板。
  4. 【請求項4】 前記剥離層は、ラングミュア・ブロジェ
    ット法により形成されることを特徴とする請求項3に記
    載のトンネル電流または微小力検出用の微小ティップの
    製造に用いる雌型基板。
  5. 【請求項5】 トンネル電流または微小力検出用プロー
    ブの製造方法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に両親媒性化合物から
    成る剥離層を形成する工程と、 前記第1基板の剥離層上に微小ティップを形成する工程
    と、 第2基板上に弾性体材料を形成する工程と、 前記弾性体材料上に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の微小ティップを、前記
    第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と微小ティップの界面で剥
    離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転
    写する工程と、 前記第2基板の一部を除去して前記弾性体材料から弾性
    体を形成する工程と、を少なくとも有することを特徴と
    するプローブの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記剥離層を形成する工程が、ラングミ
    ュア・ブロジェット法により行われることを特徴とする
    請求項5に記載のプローブの製造方法。
  7. 【請求項7】 トンネル電流または微小力検出用の微小
    ティップを有するプローブの製造に用いる雌型基板であ
    って、該雌型基板の表面に形成した雌型となる凹部に、
    前記プローブにおける微小ティップを剥離するための両
    親媒性化合物からなる剥離層を形成したことを特徴とす
    るトンネル電流または微小力検出用プローブの製造に用
    いる雌型基板。
  8. 【請求項8】 前記剥離層が、ラングミュア・ブロジェ
    ット法により形成されることを特徴とする請求項7に記
    載のトンネル電流または微小力検出用プローブの製造に
    用いる雌型基板。
  9. 【請求項9】 トンネル電流または微小力検出用の微小
    ティップの製造方法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に微小ティップを形成する工程
    と、 第2基板上に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の微小ティップを、前記
    第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と微小ティップの界面で剥
    離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転
    写する工程と、を少なくとも有し、前記微小ティップま
    たは接合層を形成する工程において該微小ティップまた
    は該接合層の少なくともどちらか一方に硫黄含有化合物
    を含むようにすると共に、その相対する微小ティップも
    しくは接合層に金を含むようにしたことを特徴とする微
    小ティップの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記硫黄含有化合物が、メルカプト基
    を有することを特徴とする請求項9に記載のトンネル電
    流または微小力検出用の微小ティップの製造方法。
  11. 【請求項11】 トンネル電流または微小力検出用プロ
    ーブの製造方法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に微小ティップを形成する工程
    と、 第2基板上に弾性体材料を形成する工程と、 前記弾性体材料上に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の微小ティップを、前記
    第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と微小ティップの界面で剥
    離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転
    写する工程と、 前記第2基板の一部を除去して前記弾性体材料から弾性
    体を形成する工程と、を少なくとも有し、前記微小ティ
    ップまたは接合層を形成する工程において該微小ティッ
    プまたは該接合層の少なくともどちらか一方に硫黄含有
    化合物を含むようにすると共に、その相対する微小ティ
    ップもしくは接合層に金を含むようにしたことを特徴と
    するプローブの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記硫黄含有化合物が、メルカプト基
    を有することを特徴とする請求項11に記載のプローブ
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板上に接合層を介して設けられたト
    ンネル電流または微小力検出用の微小ティップであっ
    て、該微小ティップが前記接合層との間で囲まれた中空
    の領域を有していることを特徴とする微小ティップ。
  14. 【請求項14】 前記接合層と前記微小ティップとは、
    該接合層と該微小ティップ界面での接合部が硫黄化金よ
    りなることを特徴とする請求項13に記載の微小ティッ
    プ。
  15. 【請求項15】 基板上に接合層を介して設けられたト
    ンネル電流または微小力検出用の微小ティップを有する
    プローブであって、該微小ティップが前記接合層との間
    で囲まれた中空の領域を有していることを特徴とするプ
    ローブ。
  16. 【請求項16】 前記接合層と前記微小ティップとは、
    該接合層と該微小ティップ界面での接合部が硫黄化金よ
    りなることを特徴とする請求項15に記載のプローブ。
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