JPH09196934A - トンネル電流または微小力検出用の微小ティップの製造方法と微小ティップ、およびその微小ティップを有するプローブの製造方法とプローブ - Google Patents

トンネル電流または微小力検出用の微小ティップの製造方法と微小ティップ、およびその微小ティップを有するプローブの製造方法とプローブ

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JPH09196934A
JPH09196934A JP2591096A JP2591096A JPH09196934A JP H09196934 A JPH09196934 A JP H09196934A JP 2591096 A JP2591096 A JP 2591096A JP 2591096 A JP2591096 A JP 2591096A JP H09196934 A JPH09196934 A JP H09196934A
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tip
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microtip
metal
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JP2591096A
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Yasuhiro Shimada
康弘 島田
Tsutomu Ikeda
勉 池田
Takayuki Yagi
隆行 八木
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】走査型トンネル電流顕微鏡、あるいは微小力を
検出する原子間力顕微鏡等に用いるトンネル電流または
微小力検出用の微小ティップの製造方法と微小ティッ
プ、および該微小ティップを有するプローブの製造方法
とプローブに関する。 【解決手段】第1基板の凹部を含む剥離層上に、金属含
有ペーストを加熱処理し金属材料の微小ティップを形成
し、第2基板上の接合層へ、剥離層上の微小ティップを
転写し微小ティップを製造しトンネル電流または微小力
検出用の微小ティップの製造は、第1基板の表面に凹部
形成工程と、該剥離層の形成工程と、第1基板の剥離層
上に金属のペーストを塗布し、加熱処理し金属材料の微
小ティップの形成工程と、第2基板上の接合層形成工程
と、第1基板の剥離層上の微小ティップを、第2基板の
接合層に接合する工程と、第1基板の剥離層と微小ティ
ップの界面で剥離を行い、該上に微小ティップの転写工
程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル電
流顕微鏡、あるいは微小な力を検出する原子間力顕微鏡
等に用いられるトンネル電流または微小力検出用の微小
ティップの製造方法と微小ティップ、およびその微小テ
ィップを有するプローブの製造方法とプローブに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年において、導体の表面原子の電子構
造を直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、ST
Mと略す)が開発され(G.Binnig et a
l.,Phys.Rev.Lett,49,57(19
82))、単結晶、非晶質を問わず実空間像を高い分解
能をもって測定することができるようになった。しかも
試料に電流による損傷を与えずに低電力で観測できる利
点も有し、更に大気中でも動作し、種々の材料に対して
用いることができるので、今後広範囲な応用が期待され
ている。かかるSTMは金属のティップと導電性物質間
に電圧を加えてlnm程度の距離まで近づけるとトンネ
ル電流が流れることを利用している。この電流は両者の
距離変化に非常に敏感であり、かつ指数関数的に変化す
るので、トンネル電流を一定に保つようにティップを走
査することにより実空間の表面構造を原子オーダーの分
解能で観察することができる。このSTMを用いた解折
の対象物は導電性材料に限られていたが、導電性材料の
表面に薄く形成された絶縁層の構造解析にも応用され始
めている。更に、上述の装置、手段は微小電流を検知す
る方法を用いているため、媒体に損傷を与えず、かつ低
電力で観測できる利点をも有する。また、大気中での作
動も可能であるため、STMの手法を用いて、半導体あ
るいは高分子材料等の原子オーダー、分子オーダーの観
察評価、微細加工(E.E.Ehrichs,Proc
eedings of 4th Internatio
nal Conference on Scannin
g Tunneling Microscopy/Sp
ectroscopy,”89,S13−3)及び情報
記録再生装置等のさまざまな分野への応用が研究されて
いる。
【0003】例えば、情報記録再生装置への応用を考え
ると、高い記録密度を達成するためにSTMのティップ
の先端部の曲率半径が小さいことが要求されている。ま
た同時に、記録再生システムの機能向上、特に高速化の
観点から、多数のプローブを同時に駆動すること(テイ
ップのマルチ化)が提案されているが、このために同一
の基板上に特性のそろったティップを作製することが必
要となる。
【0004】また、原子間力顕微鏡(以下、AFMと略
す)によれば物質の表面に働く斥力、引力を検知するた
め導体、絶縁体を問わず試料表面の凹凸像が測定でき
る。このAFMには片持ち梁(カンチレバー)の自由端
に微小ティップを形成したものが用いられておりSTM
と同様にティップの先端部の曲率半径が小さいことが要
求されている。
【0005】従来、上記のような微小ティップの形成方
法として、半導体製造プロセス技術を使い単結晶シリコ
ンを用いて異方性エッチングにより形成した微小ティッ
プが知られている(米国特許第5,221,415号明
細書)。この微小ティップの形成方法は、図11に示す
ように、まず二酸化シリコン510、512のマスクを
被覆したシリコンウエハ514に異方性エッチングによ
りピット518を設け、二酸化シリコン510・512
を除去し、次に全面に窒化シリコン層520、521を
被覆してカンチレバー(片持ち梁)及び微小ティップと
なるピラミッド状ピット522を形成し、カンチレバー
形状にパターニングした後、裏面の窒化シリコン521
を除去し、ソウカット534とCr層532を設けたガ
ラス板530と窒化シリコン520を接合し、シリコン
ウエハ514をエッチング除去することによりマウンテ
ィングブロック540に転写された窒化シリコンからな
るティップとプローブを作製するものである。最後に、
裏面に光てこ式AFM用の反射膜となる金属膜542を
形成する。
【0006】また、図12(a)に示されるように、た
とえば基板201上の薄膜層202を円形にパターニン
グし、それをマスクにして基板201をエッチングし、
サイドエッチングを利用してテイップ203を形成する
方法(O.Wolter,et al.,”Micro
machined silicon sensors
for scanning force micros
copy”,J.Vac.Sci.Technol.B
9(2),Mar/Apr,1991,pp1353−
1357)、さらには図12(b)に示されるように、
逆テーパーをつけたレジスト205のレジスト開口部2
06に基板204を回転させながら導電性材料207を
斜めから蒸着し、リフトオフすることによりティップ2
08を形成するスピント(Spindt)等により提案
された方法(C.A.Spindt.et al.,”
Physicalproperties of thi
n film field emission cat
hode with molybdenum cone
s”J.Appl.Phys.,47.1976,pp
5248−5263)等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来における微小ティップの形成方法は以下のよ
うな問題点を有していた。
【0008】たとえば、図11に示したような従来の微
小ティップの形成方法においては、つぎのような問題が
ある。 (1)ティップの雌型となったシリコン基板は、後工程
でエッチング除去されてしまうため再利用ができず、生
産性が低くなり製造コストが高くなる。 (2)ティップの雌型となったシリコン基板をエッチン
グするため、プローブ表面のエッチング液によるティッ
プ部の材料劣化、形状劣化、及びエッチング液からの汚
染等が生じる可能性がある。 (3)ティップ表面上に導電性材料を被覆してSTMの
ティップとする場合には、ティップの先端部は鋭利に形
成されているが、このために導電性材料が被覆されにく
く、被覆した場合に成膜した導電体膜の粒塊が現れ、再
現性良く粒塊の制御をすることが困難である。 (4)さらに、薄膜カンチレバー上に微小ティップを形
成する場合には、AFMでは反射膜をプローブの裏面の
全面に形成するため、カンチレバーが反射膜の膜応力に
より反ってしまう。
【0009】また、図12に示したような従来例の微小
ティップの製造方法では以下のような問題点がある。 (5)ティップを形成する際のシリコンのエッチング条
件やレジストのパターニング条件及び導電性材料の蒸着
条件等を一定にするには厳しいプロセス管理が必要とな
り、形成される微小ティップの高さや先端曲率半径等の
正確な形状を維持するのが難しい。 (6)ティップ形成に蒸着等の薄膜作製技術を用いると
材料の回収率が悪く、製造コストが高くなる。
【0010】そこで、本発明は、上記従来のものにおけ
る課題を解決するために、ティップの雌型を後工程でエ
ッチング除去することなくティップが形成でき、雌型を
再利用可能とすることにより、生産性の向上と製造コス
トの低減を図ることができるトンネル電流または微小力
検出用の微小ティップの製造方法と微小ティップ、およ
びその微小ティップを有するプローブの製造方法とプロ
ーブを提供することを目的とする。また、本発明は、エ
ッチング液によるティップ部の材料劣化、形状劣化、及
びエッチング液からの汚染がなくティップの形成をする
ことのできるトンネル電流または微小力検出用の微小テ
ィップの製造方法と微小ティップ、およびその微小ティ
ップを有するプローブの製造方法とプローブを提供する
ことを目的とする。また、本発明は、ティップの材料と
して金属を用いることができ、導電性材料を被覆する必
要のないトンネル電流または微小力検出用の微小ティッ
プの製造方法と微小ティップ、およびその微小ティップ
を有するプローブの製造方法とプローブを提供すること
を目的とする。また、本発明は、ティップのみをカンチ
レバー先端に形成することができ、反射膜をプローブの
裏面に形成する必要がなく、ティップとして再現性の良
い均一な形状が得られ、かつ先端を鋭利に形成でき、テ
ィップ形成時の材料回収率を向上させることにより製造
コストを削減できるトンネル電流または微小力検出用の
微小ティップの製造方法と微小ティップ、およびその微
小ティップを有するプローブの製造方法とプローブを提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、トンネル電流または微小力検出用の微小テ
ィップの製造方法と微小ティップ、およびその微小ティ
ップを有するプローブの製造方法とプローブについて、
つぎのように構成したものである。すなわち、本発明の
微小ティップの製造方法は、トンネル電流または微小力
検出用の微小ティップの製造方法であって、一方の基板
である第1基板の凹部を含む剥離層上に、金属を含有す
るペーストを加熱処理して金属材料のみからなる微小テ
ィップを形成し、他方の基板である第2基板上に形成さ
れた接合層へ、前記剥離層上の微小ティップを転写する
ことにより微小ティップを製造することを特徴としてい
る。そして、本発明の前記トンネル電流または微小力検
出用の微小ティップの製造は、第1基板の表面に凹部を
形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上に剥
離層を形成する工程と、前記第1基板の剥離層上に金属
を含有するペーストを塗布し、該ペーストを加熱処理し
て金属材料のみからなる微小ティップを形成する工程
と、第2基板上に接合層を形成する工程と、前記第1基
板における剥離層上の微小ティップを、前記第2基板の
接合層に接合する工程と、前記第1基板における剥離層
と微小ティップの界面で剥離を行い、前記第2基板の接
合層上に微小ティップを転写する工程と、を少なくとも
その製造工程に含んでいる。また、本発明においては、
前記微小ティップを形成する工程は、前記ペーストを加
熱処理して金属材料のみからなる微小ティップを形成し
た後、さらに金属の保持層を形成することにより微小テ
ィップを形成する工程を含み、さらに、この工程におい
て、前記金属を含有するペーストを加熱処理して金属材
料のみからなる微小ティップを形成する工程が、該ペー
ストを加熱処理して単結晶金属材料のみからなる微小テ
ィップを形成する工程を含むように構成してもよい。ま
た、本発明においては、前記金属を含有するペースト
を、有機金属化合物を含有するペースト、あるいは金属
超微粒子を含有するペーストにより構成することができ
る。また、本発明の微小ティップは、トンネル電流また
は微小力検出用の微小ティップであって、基板と、該基
板上に形成された接合層と、該接合層上に金属を含有す
るペーストを加熱処理して金属材料のみにより形成され
た微小ティップ部とからなることを特徴としていおり、
この金属を含有するペーストを、有機金属化合物を含有
するペースト、あるいは金属超微粒子を含有するペース
トにより構成することができる。また、本発明において
は、前記微小ティップは、前記接合層と該微小ティップ
とに囲まれた中空の領域を有し、この微小ティップは、
微小ティップ先端部と微小ティップ保持部とからなるこ
とを特徴としている。そして、本発明においては、この
微小ティップ保持部を、Pt,Au,Ag,Cuのいず
れかの材料を含むようして構成することができ、また、
この微小ティップは、すくなくともその先端部に金属の
単結晶を有し、該単結晶と該単結晶を保持する微小ティ
ップ保持部とにより構成することができる。つぎに、本
発明のプローブの製造方法は、トンネル電流または微小
力検出用のプローブの製造方法であって、一方の基板で
ある第1基板の凹部を含む剥離層上に、金属を含有する
ペーストを加熱処理して金属材料のみからなる微小ティ
ップを形成し、他方の基板である第2基板の弾性体材料
上に形成された接合層へ、前記剥離層上の微小ティップ
を転写し、前記2基板の一部を除去して弾性体材料から
弾性体を形成してプローブを製造することを特徴として
いる。そして、本発明の前記プローブの製造方法は、第
1基板の表面に凹部を形成する工程と、前記第1基板の
凹部を含む基板上に剥離層を形成する工程と、前記第1
基板の剥離層上に金属を含有するペーストを塗布し、該
ペーストを加熱処理して金属材料のみからなる微小ティ
ップを形成する工程と、第2基板上に弾性体材料を形成
する工程と、前記第2基板の弾性体材料上に接合層を形
成する工程と、前記第1基板の剥離層上の微小ティップ
を、前記第2基板の接合層に接合する工程と、前記第1
基板における剥離層と微小ティップ材料の界面で剥離を
行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転写す
る工程と、前記第2基板の一部を除去して弾性体材料か
ら弾性体を形成する工程と、を少なくともその製造工程
に含んでいる。また、本発明においては、前記微小ティ
ップを形成する工程が、前記ペーストを加熱処理して金
属材料のみからなる微小ティップを形成した後、さらに
金属の保持層を形成することにより微小ティップを形成
する工程を含み、さらにこの工程において、前記金属を
含有するペーストを加熱処理して金属材料のみからなる
微小ティップを形成する工程が、該ペーストを加熱処理
して単結晶金属材料のみからなる微小ティップを形成す
る工程を含むように構成してもよい。また、本発明のこ
のプローブを製造する発明においても、前記金属を含有
するペーストを、有機金属化合物を含有するペースト、
あるいは金属超微粒子を含有するペーストで構成するこ
とができる。そして、本発明においては、上記したいず
れかの本発明の微小ティップを用いしてトンネル電流ま
たは微小力検出用のプローブを構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、以上のような構成を有
するものであるが、以下にその詳細について説明する。
図1は本発明のトンネル電流または微小力検出用の微小
ティップの製造方法における製造工程を示す断面図であ
る。つぎに、この図に基づいてその製造方法を説明す
る。
【0013】まず、第一に、シリコンよりなる第1基板
1の表面に凹部3を形成する。これには、まず第1基板
1に保護層2を形成し、次に、保護層2の所望の箇所
を、フォトリソグラフィとエッチングによりパターニン
グしてシリコンの一部を露出させ、次に、結晶軸異方性
エッチング等を用いてシリコンをエッチングして凹部3
を形成する方法が用いられる。保護層2としては二酸化
シリコンや窒化シリコンを用いることができる。シリコ
ンのエッチングにはティップ先端部を鋭利に形成できる
結晶軸異方性エッチングを用いることが好ましい。エッ
チング液に水酸化カリウム水溶液等を用いることにより
(111)面と等価な4つの面で囲まれた逆ピラミッド
状の凹部3を形成することができる(図1(a)参
照)。本発明においては上記の結晶軸異方性エッチング
による凹部をティップの雌型として用いることにより、
再現性の良い均一なティップ形状が得られ、かつ先端を
鋭利に形成できる。
【0014】第二に、上記凹部3を含む第1基板1上に
酸化物よりなる剥離層4を形成する。この剥離層4形成
後の工程で、剥離層4上に微小ティップ5材料を成膜し
た後、微小ティップ5を剥離層4から剥離するため、微
小ティップ5材料が剥離しやすい剥離層4材料を選択す
る必要がある。すなわち、剥離層4の材料はティップ5
材料との反応性・密着性が小さいことが必要であり、A
l2O3,Si3N4,SiO2等が使用できる。これらの材
料はスパッタリング法や真空蒸着法により形成すること
ができる。特に、第1基板1にシリコンを用いる場合は
基板表面を酸化することにより容易に二酸化シリコン
(SiO2)を得ることができる。
【0015】第三に、前記凹部を含む剥離層4上に微小
ティップ5を形成する。微小ティップ5の材料としは導
電性の高い金属系材料が必要であり、より好ましくは貴
金属または貴金属合金が良い。まず金属を含有するペー
スト6を凹部3を含む剥離層4上に塗布する(図1
(c)参照)。このペーストとしては金属超微粒子を溶
媒に分散させたものや有機金属化合物を溶媒に分散させ
たものを用いることができる。塗布にはスピンコート
法、ディッピング法などの方法を用いることができる。
また、塗布した後にスクレイパーで基板表面のペースト
を除去することにより、凹部に選択的にペーストを塗布
することも可能である。ペーストを塗布した後、基板を
電気炉等で焼成することにより金属材料とする。この塗
布による成膜方法はスパッタリング法などと比較して成
膜時の粒子のエネルギーが小さいため、剥離層4との密
着性が小さく、剥離性に優れている。また、さらに高温
で熱処理することにより金属材料が凝集し球状の単結晶
となるが、微小ティップの目的に応じてこの単結晶を利
用することもできる。すなわちティップ先端として単結
晶の頂角を利用することにより先端曲率半径を小さくす
ることができる。以上ペーストから形成した金属で微小
ティップ5全体を構成してもよいし、これを微小ティッ
プの先端側の一部分のみとしてもよい。この場合はさら
に金属よりなる保持部を既存の薄膜作製技術である真空
蒸着法やスパッタリング法等で成膜する。先端側部分と
金属よりなる保持部とからティップを形成することによ
り、微小ティップ各部の機能に応じて材料を選択でき
る。微小ティップ先端部は導電性のすぐれた材料、たと
えばAu,Pt,Ru,Rh,Ir等や硬質の材料たと
えばTa,W等を選択できる。これに対して微小ティッ
プ底辺部は接合層7と接合する部分であり、圧力で互い
に変形して金属結合を得るために圧着の容易な延性に富
んだPt,Au,Ag,Cu等の材料を選択できる。ま
た、微小ティップ先端にのみ高価な材料、微小ティップ
底辺部に安価な材料を用いることによりティップ形成時
の材料回収率を向上させ、製造コストを削減できる。最
後に成膜後既知のフォトリソグラフィーの手法を用いて
微小ティップ5材料をパターニングし、微小ティップ5
部とする(図1(d)参照)。上記のように本発明にお
いてはティップ本体の材料として金属を用いることがで
きるため、導電性材料を被覆する必要がない。
【0016】第四に、この微小ティップを用いてプロー
ブを形成する場合には、第2基板8または第2基板8上
に形成されたカンチレバー等の弾性体上に接合層7を形
成する。第2基板8および図9に示される前記弾性体か
らなるカンチレバー9は、前記接合層7を介して微小テ
ィップ5を支持する部材である。接合層7は微小ティッ
プ5、特に微小ティップ保持部と同様で、延性に富んだ
Pt,Au,Ag,Cu等の材料が望ましい。なお、ト
ンネル電流を取り出すための配線10は、接合層7と同
一材料で同一層に形成しても良い。本発明においてはテ
ィップのみをカンチレバー先端に形成することができる
ため、ティップ形成時の膜応力によりカンチレバーが反
ることがない。また、前記弾性体9の変位を測定するた
めに用いるレーザー反射膜の機能を接合層7が有するた
め、反射膜をプローブの裏面に形成する必要がない第五
に、前記凹部3を含む剥離層4上の微小ティップ5材料
を接合層7に接合する。これには、それぞれの基板を真
空チャック等により保持できるアライメント装置を用
い、第1基板1上の微小ティップ5と第2基板8上の接
合層7とを位置合わせして対向・接触させ、更に荷重を
加えることにより微小ティップ5と接合層7の接合(圧
着)を行う(図1(e)参照)。
【0017】第六に、前記剥離層4と微小ティップ5材
料の界面で剥離を行い接合層7上に微小ティップ5材料
を転写する。すなわち、第1基板1と第2基板8を引き
離すことにより、剥離層4と微小ティップ5との界面で
剥離させる(図1(f)参照)。本発明においては第1
基板をエッチング除去する工程がないため、エッチング
液によるティップ部の材料劣化、形状劣化、及びエッチ
ング液からの汚染がなくティップが形成できる。また、
剥離後の第1基板1は微小ティップ形成工程から再利用
できるため、生産性が向上すると同時に、製造コストを
低減することができる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]実施例1は、本発明の第一態様であるST
M用プローブ及びその微小ティップの製造方法である。
図2にプローブの構成を示す。図2において基板上に形
成された接合層7上に微小ティップ5が接合されてい
る。また、トンネル電流用配線10が接合層7に接続さ
れている。図1は本実施例の微小ティップの製造工程を
示す断面図である。以下、この図1に従いその製造方法
を説明する。
【0019】まず、面方位(100)の単結晶シリコン
ウエハを第1基板1として用意した。次に、保護層2と
してシリコン熱酸化膜を100nm形成した。次に、保
護層2の所望の箇所を、フォトリソグラフィとエッチン
グによりパターニングし、10μm平方のシリコンを露
出した。次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異
方性エッチングによりパターニング部のシリコンをエッ
チングした。なお、エッチング条件は、濃度30%の水
酸化カリウム水溶液を用い、液温90℃、エッチング時
間は10分とした。このとき(111)面と等価な4つ
の面で囲まれた深さ約7μmの逆ピラミッド状の凹部3
が形成された(図1(a)参照)。
【0020】次に、保護層2である熱酸化膜をフッ酸と
フッ化アンモニウムの混合水溶液(HF:NH4F=
1:5)で除去した。次に、120℃に加熱した硫酸と
過酸化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水溶液を用い
て第1基板1の洗浄を行った。次に、熱酸化炉を用いて
第1基板1を酸素及び水素雰囲気中で1000℃に加熱
し、剥離層4である二酸化シリコンを300nm堆積し
た(図1(b)参照)。次に、凹部3を含む剥離層4上
にペースト6としてAuの独立分散超微粒子液(真空冶
金(株)製)をスピンコートで塗布した(図1(c)参
照)。この独立分散超微粒子液は金属超微粒子を溶媒
(αテルピネオール)に分散させたものである。次に、
第1基板1を110℃で20分乾燥させた後、電気炉を
用いて300℃で30分焼成した。次に、フォトリソグ
ラフィとエッチングによりパターン形成を行った。な
お、このときのAuの膜厚は1.0μmであった(図1
(d)参照)。
【0021】次に第2基板8として表面酸化膜を形成し
たシリコン基板を用意し、この表面にクロム(Cr)を
5nm、Auを300nm真空蒸着法により成膜し、フ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層7及び配線10とした。次に、第1基板1上
の微小ティップ5と第2基板8上の接合層7とを位置合
わせして対向・接触させ、更に荷重を加えることにより
微小ティップ5と接合層7の接合(圧着)を行った(図
1(e)参照)。
【0022】次に、第1基板1と第2基板8を引き離し
て、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離させるこ
とによりSTM用プローブが形成された(図1(f)参
照)。基板表面からのティップの高さは約8μmであっ
た。
【0023】図3は本実施例の微小ティップを適用した
STM装置のブロック図を示す。図3において、微小テ
ィップ5と試料11との間にバイアス電圧を印加し、こ
の間を流れるトンネル電流Itを検出し、Itが一定と
なるようにフィードバックをかけ、XYZ駆動ピエゾ素
子12のZ方向を駆動しティップ5と試料11との間隔
を一定に保っている。更に、XYZ駆動ピエゾ素子12
のXYを駆動することにより試料の2次元像であるST
M像が観察される。この装置で試料としてHOPG(高
配向熱分解グラファイト)基板の劈開面をバイアス電流
1nAで観察したところ、良好な原子像を得ることがで
きた。
【0024】また、本実施例において得られたティップ
圧着後の第1基板1を洗浄し、図1(c)で示されるテ
ィップ形成工程から再びティップ形成を行ったところ、
本実施例中に示されたSTMプローブと同一のものが形
成された。
【0025】[実施例2]実施例2は、本発明によるま
た別のSTM用プローブ及びその微小ティップの製造方
法である。図5にプローブの構成を示す。図5において
基板上に形成された接合層7上に微小ティップ5が接合
されている。本実施例の微小テイップ5は微小ティップ
先端部51と微小ティップ保持部52よりなる。また、
トンネル電流用配線10が接合層7に接続されている。
図4は本実施例の微小ティップの製造工程を示す断面図
である。
【0026】以下、この図4に従い製造方法を説明す
る。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを
第1基板1として用意し、実施例1と同様の方法にて逆
ピラミッド状の凹部3および剥離層4を形成した。(図
4(a)(b)参照)。
【0027】次に、凹部3を含む剥離層4上にペースト
6としてPtを含有するメタロオーガニックペースト
(エヌ・イー・ケムキャット社製)を塗布した後、スク
レイパーにより表面のペーストを取り、凹部3にのみペ
ースト6を残した(図4(c)参照)。次に、電気炉を
用いて最高温度600℃で10分間保持することにより
微小ティップ先端部51となるPt膜とした。次に金
(Au)を真空蒸着法により成膜しフォトリソグラフィ
とエッチングによりパターン形成を行い微小ティップ保
持部52とした。なお、このときのAuの膜厚は1.0
μmである。以上の方法により微小ティップ5を形成し
た(図4(d)参照)。
【0028】次に第2基板8として表面酸化膜を形成し
たシリコン基板を用意し、この表面にクロム(Cr)を
5nm、Auを300nm真空蒸着法により、成膜しフ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層7及び配線10とした。次に、第1基板1上
の微小ティップと第2基板8上の接合層とを位置合わせ
して対向・接触させ、更に荷重を加えることにより微小
ティップ5と接合層7の接合(圧着)を行った(図4
(e)参照)。
【0029】次に、第1基板1と第2基板8を引き離
し、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離させるこ
とによりSTMプローブを形成した(図4(f)参
照)。基板表面からのティップの高さは約8μmであっ
た。
【0030】本実施例を用いたSTM装置において、実
施例1と同様にHOPG(高配向熱分解グラファイト)
基板の劈開面をバイアス電流1nAで観察したところ、
良好な原子像を得ることができた。
【0031】また、本実施例において得られたティップ
圧着後の第1基板1を洗浄し、図4(c)で示されるテ
ィップ形成工程から再びテイップ形成を行ったところ、
本実施例中に示されたSTMプローブと同一のものが形
成された。
【0032】また、本実施例において微小ティップ保持
部52に銅(Cu)を用いても同様にSTMプローブを
形成することができた。安価で圧着特性の良いCuを微
小ティップ保持部52に用いることにより、Ptによる
微小ティップ先端部51形成時の材料回収率を向上さ
せ、製造コストを削減できた。
【0033】[実施例3]実施例3は、本発明によるま
た別のSTM用プローブ及びその微小ティップの製造方
法である。図7にプローブの構成を示す。図7において
基板上に形成された接合層7上に微小ティップ5が接合
されている。本実施例の微小ティップ5は単結晶の微小
ティップ先端部51と微小ティップ保持部52よりな
る。また、トンネル電流用配線10が接合層7に接続さ
れている。図6は本実施例の微小ティップの製造工程を
示す断面図である。
【0034】以下、この図に従い製造方法を説明する。
まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを第1
基板1として用意し、実施例1と同様の方法にて逆ピラ
ミッド状の凹部3および剥離層4を形成した(図6
(a)(b)参照)。
【0035】次に、凹部3を含む剥離層4上にペースト
6としてPtを含有するメタロオーガニックペースト
(エヌ・イー・ケムキャット社製)を塗布した後、スク
レイパーにより表面のペーストを取り、凹部3にのみペ
ースト6を残した(図6(c)参照)。次に、電気炉を
用いて最高温度1000℃で10分間保持することによ
り、凹部のティップ先端となる部分にPtの単結晶粒子
を形成し、微小ティップ先端部51とした。次に金(A
u)を真空蒸着法により成膜しフォトリソグラフィとエ
ッチングによりパターン形成を行い微小ティップ保持部
52とした。なお、このときのAuの膜厚は1.0μm
である。以上の方法により微小ティップ5を形成した
(図6(d)参照)。
【0036】次に第2基板8として表面酸化膜を形成し
たシリコン基板を用意し、この表面にクロム(Cr)を
5nm、Auを300nm真空蒸着法により、成膜しフ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層7及び配線10とした。次に、第1基板1上
の微小ティップと第2基板8上の接合層とを位置合わせ
して対向・接触させ、更に荷重を加えることにより微小
ティップ5と接合層7の接合(圧着)を行った(図6
(e)参照)。
【0037】次に、第1基板1と第2基板8を引き離
し、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離させるこ
とによりSTMプローブに用いる微小ティップを形成し
た(図6(f)参照)。基板表面からのティップの高さ
は約8μmであった。
【0038】本実施例を用いたSTM装置において、実
施例1と同様にHOPG(高配向熱分解グラファイト)
基板の劈面開面をバイアス電流1nAで観察したとこ
ろ、良好な原子像を得ることができた。
【0039】また、本実施例において得られたティップ
圧着後の第1基板1を洗浄し、図6(c)で示されるテ
ィップ形成工程から再びティップ形成を行ったところ、
本実施例中に示されたSTMプローブに用いる微小ティ
ップと同一のものが形成された。
【0040】[実施例4]実施例4は本発明による第2
態様であるAFM用カンチレバー型プロ―ブ及びその製
造方法である。図9にプローブの構成を示す。図9にお
いてカンチレバー9上に形成された接合層7上に微小テ
ィップ5が接合されている。図8は本実施例のプロープ
の製造工程を示す断面図である。
【0041】以下、この図に従い製造方法を説明する。
まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを第1
基板1として用意し、実施例1と同様の方法にて逆ピラ
ミッド状の凹部3および剥離層4を形成した。(図8
(a)参照)。
【0042】次に、第1基板1上にAuの独立分散超微
粒子液(真空冶金(株)製)をスピンコートで塗布した
(図8(b)参照)。この独立分散超微粒子液は金属超
微粒子を溶媒(αテルピネオール)に分散させたもので
ある。次に、第1基板1を110℃で20分乾燥させた
後、電気炉を用いて300℃で30分焼成した。次に、
フォトリソグラフィとエッチングによりパターン形成を
行った。なお、このときのAuの膜厚は1.0μmであ
った(図8(c)参照)。
【0043】次に第2基板8として単結晶シリコン基板
を用意し、第2基板8両面に二酸化シリコン13を0.
3μm、窒化シリコン14を0.5μm成膜した。次に
表面の窒化シリコン14をフォトリソグラフイとエッチ
ングによりカンチレバー9(片持ち梁)の形状にパター
ニングした。このとき、カンチレバーの寸法は幅50μ
m、長さ300μmとした。次に、裏面の窒化シリコン
14及び二酸化シリコン13を同様にエッチングマスク
形状にパターニングした。次に、チタンTiを3nm、
金Auを50nm成膜し、フォトリソグラフィとエッチ
ングによりパターン形成を行い、カンチレバー上に接合
層7を形成した。
【0044】次に、第1基板1上の微小ティップ5と第
2基板8上の接合層7とを位置合わせして対向・接触さ
せ、更に荷重を加えることにより微小ティップ5と接合
層7の接合(圧着)を行った(図8(d)参照)。次
に、第1基板1と第2基板8を引き離すことにより、剥
離層4と微小ティップ5との界面で剥離させた(図8
(e)参照)。
【0045】次に、表面保護層15としてポリイミド層
をスピンコートにより塗布し、ベークして形成した。次
に、裏面の窒化シリコン14をエッチングマスクにし
て、90℃に加熱した30%水酸化カリウム水溶液によ
り裏面からシリコン基板8のエッチングを行った。次
に、フッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液により二酸
化シリコン層13を除去した。最後に、酸素プラズマを
用いて表面保護層を除去してカンチレバー型プローブを
形成した。(図8(f)参照)。
【0046】上記、本実施例のプローブを用いた光てこ
方式のAFM装置を作製した。本実施例により作製した
AFM用のプローブでは、変位測定のためのレーザーの
反射をカンチレバー先端に設けた接合層7の裏面にて行
うことができ、反射膜の代用となる。これにより、カン
チレバーの裏面の全面に反射膜をコーティングする必要
がなく、その膜応力により反ることがなくなった。本A
FM装置のブロック図を図10に示す。AFM装置はカ
ンチレバー51と接合層48と接合層48に接合した微
小ティップ50からなるプローブと、レーザー光61
と、カンチレバー自由端の接合層裏面にレーザー光を集
光するためのレンズ62とカンチレバーのたわみ変位に
よる光の反射角の変化を検出するポジションセンサー6
3と、ポジションセンサーからの信号により変位検出を
行う変位検出回路66と、XYZ軸駆動ピエゾ素子65
と、XYZ軸駆動ピエゾ素子をXYZ方向に駆動するた
めのXYZ駆動用ドライバー67とからなる。このAF
M装置を用い、マイカからなる試料64にプローブを接
近させた後に、XYZ軸駆動ピエゾ素子65のXY方向
を駆動することにより試料表面のAFM像を観察したと
ころ、マイカ表面のステップ像を観察することができ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上のような微小ティップの
製造方法により、先端が鋭利で曲率半径が揃った、AF
MやSTM用の微小ティッブとして優れた特性を示す微
小ティップを製造することが可能となる。また、本発明
においては、製造工程におけるティップ材料層のエッチ
ングを行う必要がないため、製造プロセスでの工程を簡
略化することが可能となり、凹部を形成した第1基板、
すなわち微小ティップの雌型は繰り返し使用ができるた
め、生産性の向上と、製造コストの低減を図ることがで
きる。また、本発明においては、金属からなる微小ティ
ップ材料を用いるため、STM用微小ティップとして再
現性が良く、安定な特性を得ることが可能となる。さら
に、微小ティップの形成を第1基板のエッチングによら
ず、第2基板上の接合層に転写するため、エッチング液
によるティップ材料の劣化、汚染等を防ぐことができ、
これにより一層再現性が良く安定な特性を得ることが可
能な微小ティップを実現することができる。また、第2
基板上に接合層を有する薄膜カンチレバーをあらかじめ
形成させておくことにより、ティップを有する薄膜カン
チレバーからなるAFM用のプローブを作製することが
容易になり、接合層を形成する必要がなくなり、かつ反
射膜を形成したことに伴う薄膜カンチレバーのそりを回
避することが可能となる。また、微小ティップ先端部と
微小ティップ保持部とに分けて微小ティップを形成する
ことにより、ティップ形成時の材料回収率の向上を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による微小ティップの製造方法を示す
【図2】実施例1によるプローブを示す図
【図3】実施例1によるプローブを用いたSTM装置の
ブロック図
【図4】実施例2による微小ティップの製造方法を示す
【図5】実施例2によるプローブを示す図
【図6】実施例3による微小ティップの製造方法を示す
【図7】実施例3によるプローブを示す図
【図8】実施例4によるプローブの製造方法を示す図
【図9】実施例4によるプローブを示す図
【図10】実施例4によるプローブを用いたAFM装置
のブロック図
【図11】従来例の微小ティップの製造方法の主要工程
を示す断面図である。
【図12】従来例の微小ティップの製造工程断面図であ
る。
【符号の説明】
1:第1基板 2:保護層 3:凹部 4:剥離層 5:微小ティップ 6:ペースト 7:接合層 8:第2基板 9:弾性体(カンチレバー) 10:配線 11:試料 12:XYZ軸駆動ピエゾ素子 13:二酸化シリコン 14:窒化シリコン 15:表面保護層 51:微小ティップ先端部 52:微小ティップ保持部 201:基板 202:薄膜層 203:ティップ 204:基板 205:レジスト 206:レジスト開口部 207:導電性材料 208:ティップ 510、512:二酸化シリコン 514:シリコンウエハ 518:ピット 520、521:窒化シリコン 522:ピラミッド状ピット 532:Cr層 534:ソウカット 540:マウンティングブロック 542:金属膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/306 H01L 21/306

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル電流または微小力検出用の微小
    ティップの製造方法であって、一方の基板である第1基
    板の凹部を含む剥離層上に、金属を含有するペーストを
    加熱処理して金属材料のみからなる微小ティップを形成
    し、他方の基板である第2基板上に形成された接合層
    へ、前記剥離層上の微小ティップを転写することにより
    微小ティップを製造することを特徴とする微小ティップ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記トンネル電流または微小力検出用の
    微小ティップの製造は、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に金属を含有するペーストを塗
    布し、該ペーストを加熱処理して金属材料のみからなる
    微小ティップを形成する工程と、 第2基板上に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の微小ティップを、前記
    第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と微小ティップの界面で剥
    離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップを転
    写する工程と、 を少なくともその製造工程に含んでいることを特徴とす
    る請求項1に記載の微小ティップの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記微小ティップを形成する工程が、前
    記ペーストを加熱処理して金属材料のみからなる微小テ
    ィップを形成した後、さらに金属の保持層を形成するこ
    とにより微小ティップを形成する工程を含んでいること
    を特徴とする請求項2に記載の微小ティップの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記微小ティップを形成する工程におい
    て、前記金属を含有するペーストを加熱処理して金属材
    料のみからなる微小ティップを形成する工程が、該ペー
    ストを加熱処理して単結晶金属材料のみからなる微小テ
    ィップを形成する工程を含んでいることを特徴とする請
    求項3に記載の微小ティップの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属を含有するペーストが、有機金
    属化合物を含有するペーストであることを特徴とする請
    求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の微小ティップ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属を含有するペーストが、金属超
    微粒子を含有するペーストであることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれか1項に記載の微小ティップの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 トンネル電流または微小力検出用の微小
    ティップであって、基板と、該基板上に形成された接合
    層と、該接合層上に金属を含有するペーストを加熱処理
    して金属材料のみにより形成された微小ティップ部とか
    らなることを特徴とする微小ティップ。
  8. 【請求項8】 前記金属を含有するペーストが、有機金
    属化合物を含有するペーストであることを特徴とする請
    求項7に記載の微小ティップ。
  9. 【請求項9】 前記金属を含有するペーストが、金属超
    微粒子を含有するペーストであることを特徴とする請求
    項7に記載の微小ティップ。
  10. 【請求項10】 前記微小ティップは、前記接合層と該
    微小ティップとに囲まれた中空の領域を有していること
    を特徴とする請求項7に記載の微小ティップ。
  11. 【請求項11】 前記微小ティップは、該微小ティップ
    先端部と微小ティップ保持部とからなることを特徴とす
    る請求項10に記載の微小ティップ。
  12. 【請求項12】 前記微小ティップ保持部が、Pt,A
    u,Ag,Cuのいずれかの材料を含むことを特徴とす
    る請求項11に記載の微小ティップ。
  13. 【請求項13】 前記微小ティップは、すくなくともそ
    の先端部に金属の単結晶を有し、該単結晶と該単結晶を
    保持する微小ティップ保持部とからなることを特徴とす
    る請求項10に記載の微小ティップ。
  14. 【請求項14】 トンネル電流または微小力検出用のプ
    ローブの製造方法であって、一方の基板である第1基板
    の凹部を含む剥離層上に、金属を含有するペーストを加
    熱処理して金属材料のみからなる微小ティップを形成
    し、他方の基板である第2基板の弾性体材料上に形成さ
    れた接合層へ、前記剥離層上の微小ティップを転写し、
    前記第2基板の一部を除去して弾性体材料から弾性体を
    形成してプローブを製造することを特徴とするプローブ
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記プローブの製造方法は、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に金属を含有するペーストを塗
    布し、該ペーストを加熱処理して金属材料のみからなる
    微小ティップを形成する工程と、 第2基板上に弾性体材料を形成する工程と、 前記第2基板の弾性体材料上に接合層を形成する工程
    と、 前記第1基板の剥離層上の微小ティップを、前記第2基
    板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と微小ティップ材料の界面
    で剥離を行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップ
    を転写する工程と、 前記第2基板の一部を除去して弾性体材料から弾性体を
    形成する工程と、 を少なくともその製造工程に含んでいることを特徴とす
    る請求項14に記載のプローブの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記微小ティップを形成する工程が、
    前記ペーストを加熱処理して金属材料のみからなる微小
    ティップを形成した後、さらに金属の保持層を形成する
    ことにより微小ティップを形成する工程を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項15に記載のプローブの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記微小ティップを形成する工程にお
    いて、前記金属を含有するペーストを加熱処理して金属
    材料のみからなる微小ティップを形成する工程が、該ペ
    ーストを加熱処理して単結晶金属材料のみからなる微小
    ティップを形成する工程を含んでいることを特徴とする
    請求項16に記載のプローブの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記金属を含有するペーストが、有機
    金属化合物を含有するペーストであることを特徴とする
    請求項14〜請求項17のいずれか1項に記載のプロー
    ブの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記金属を含有するペーストが、金属
    超微粒子を含有するペーストであることを特徴とする請
    求項14〜請求項17のいずれか1項に記載のプローブ
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 トンネル電流または微小力検出用のプ
    ローブであって、請求項7〜請求項13のいずれか1項
    に記載の微小ティップを弾性レバー上に有することを特
    徴とするプローブ。
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