JPH05299015A - 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法

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JPH05299015A
JPH05299015A JP10460992A JP10460992A JPH05299015A JP H05299015 A JPH05299015 A JP H05299015A JP 10460992 A JP10460992 A JP 10460992A JP 10460992 A JP10460992 A JP 10460992A JP H05299015 A JPH05299015 A JP H05299015A
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cantilever
substrate
film
oxide film
replica hole
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Michio Takayama
美知雄 高山
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Olympus Optical Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】単層膜からなる走査型プローブ顕微鏡用カンチ
レバーを、優れた再現性をもって安定的に且つ簡易に作
製することを目的とする。 【構成】Si基板11にエッチング処理によりレプリカ
穴13を形成し、この基板を熱酸化処理し、レプリカ穴
13の内面上に酸化膜14を形成する。次に、この酸化
膜14上にレジストパターン16を形成し、当該パター
ンをマスクとして、基板11に上記熱酸化処理時に不可
避的に形成された酸化膜15をエッチング処理によって
除去する。続いて、レプリカ穴13を含む基板上の領域
に窒化シリコン膜17を形成し、これをカンチレバーの
形状にパターニングする。この後、基板11を除去し、
レバー部20および探針部21を具備するカンチレバー
22を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レバー部及びその自由
端側に配設された探針部を具備する走査型プローブ顕微
鏡用カンチレバーの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡(STM;Scanni
ng Tunneling Microscope )はBinnig、Rohrerらにより
発明されてから(G. Binnig, H. Rohrer, Ch. Gerber a
nd E.Weibel: Surface Studies by Scanning Tunnelin
g Microscope. Phys. Rev. Lett., 49 (1982) 57)、
原子オーダの表面の凹凸を観察できる顕微鏡として、各
方面での利用が進んでいる。
【0003】特に近年では、STMにおけるサーボ技術
を始めとする要素技術を利用しながら、STMでは測定
できなかった絶縁性の試料を原子オーダーの精度で観察
することのできる顕微鏡として原子間力顕微鏡(AF
M;Atomic Force Microscope)が提案されている(特
開昭62−130302号公報;IBM、G.ビニッ
ヒ、サンプル表面の像を形成する方法及び装置)。
【0004】AFMの構造はSTMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられる。一般
的なAFMでは、自由端部に鋭い突起部分(探針部)を
有するカンチレバーチップが、被測定試料に対向且つ近
接して配置されている。この探針部の先端を試料に近付
けて行くと、探針部先端の原子と試料原子との間に相互
作用が働き、両者の間隔距離に応じた力が作用する。こ
の状態で試料と探針部とを相対的にXY方向に走査すれ
ば、試料の凹凸に従ってカンチレバーチップ部が変位す
る。よって、この変位するカンチレバーチップの動きを
電気的あるいは光学的に測定することにより、試料表面
の凹凸に関する情報を三次元的にとらえることが可能に
なる。
【0005】上述したようなAFM等における走査型プ
ローブ顕微鏡用のカンチレバーチップとしては、T. R.
Albrechtらが半導体IC製造プロセスを応用して作製す
ることのできるSiO2 製のカンチレバーチップを提案
して以来(Thomas R. Albrecht and Calvin F. Quate:
Atomic resolution Imaging ofa nonconductor Atomfo
rce Microscopy J. Appl. Psy. 62 (1987)2599)、ミ
クロンオーダーの高
【0006】精度で優れた再現性をもって作製すること
が可能になっている。また、このようなカンチレバーチ
ップは、バッチプロセスによって作製することができ、
低コスト化が実現されている。よって、現在では、半導
体IC製造プロセスを応用して作製されるカンチレバー
チップが主流となっている。以下、図4を参照して、従
来より行われている半導体IC製造プロセスを応用した
カンチレバーの作製方法について説明する。
【0007】まず、面方位(100)のSi基板41上
に、窒化シリコン膜パターン42を形成する(図4
(a))。次に、この窒化シリコン膜パターン42を耐
エッチングマスクとして、Si基板41に対しKOH等
を用いた湿式異方性エッチングを施すことにより、当該
基板41にカンチレバーの探針部の型となる四角錐状の
レプリカ穴43を形成する(図4(b))。この後、一
旦窒化シリコン膜パターン42を除去し、Si基板上
に、新たにカンチレバーの母材料となる窒化シリコン膜
44を堆積する(図4(c))。更に、この窒化シリコ
ン膜44をカンチレバーの形状に選択エッチングするこ
とにより、カンチレバーパターン45を形成する(図4
(d))。
【0008】次いで、このカンチレバーパターン45上
の所定領域に、カンチレバーの支持部材となるパイレッ
クスガラス46を陽極接合し(図4(e))する。続い
て、Si基板41をエッチングにより除去し、レバー部
47および探針部48を具備するカンチレバー49を得
る(図4(f))。
【0009】この方法では、上述したようにミクロンオ
ーダの高精度で非常に再現性よくカンチレバーを作製す
ることができる。しかしながら、当該方法で作製された
カンチレバーは、特にその探針部の性能について、必ず
しも十分ではない。
【0010】即ち、上記方法により作製されたカンチレ
バー49の探針部48は、湿式異方性エッチングによっ
て形成されたSiのエッチピット、即ち四角錐状の穴の
レプリカを取るように形成されている為、Siの結晶構
造により、探針部の各面は72度の角度で交わる。また
その探針部先端から伸びる4本の稜線の内の2本で形成
される角度は、最も大きいもので90度となる。これら
は通常STMで使われる電解研磨した探針の先端角が3
0度以下であることと比べると、かなり先端角が大き
く、深い穴や溝のある試料の測定が難しくなるので、決
して望ましい形状とはいえなかった。
【0011】よって、カンチレバーには、前述のように
半導体プロセスなどを応用して高い精度で作製すると同
時に、先端角の小さな探針部を持ったものとすることが
求められており、この要求に応えるべく様々な試みがな
されている。
【0012】例えば、特願平3−121080には、次
のようなカンチレバーの作製方法が記載されている。即
ち、まずSi基板をSiO2 膜等をマスクとしてドライ
エッチング等の選択エッチングを行い、レプリカ穴を形
成する。続いて、この基板を熱酸化処理して、レプリカ
穴の内面に酸化膜を形成し、当該レプリカ穴を含む基板
上の領域にカンチレバーの母材料となる窒化シリコン膜
を形成する。更に、この窒化シリコン膜をレバー形状に
エッチングし、Si基板を除去することによって、鋭い
探針部を有するカンチレバーを得る。
【0013】しかしながら、このプロセスでは、レプリ
カ穴の内面以外のSi基板表面(SiO2 膜表面)も熱
酸化される。このため、当該Si基板表面には、レプリ
カ穴の内面に連続して非常に膜厚の大きな酸化膜が不可
避的に形成される。更に、この酸化膜の表面には、カン
チレバーの母材料となる窒化シリコン膜が形成されるこ
とになるが、この酸化膜は、窒化シリコン膜と、支持部
材、即ちパイレックスガラスとの陽極接合性を劣化させ
る。また、上記Si基板上に不可避的に形成された酸化
膜は、基板を除去した後も残存し、レバー形状にエッチ
ングされた窒化シリコン膜と二層構造を形成する。従っ
て、最終的に窒化シリコン膜からなるカンチレバーを得
るためには、この酸化膜を除去する工程が必要となり、
プロセスの繁雑化を招く上、更にカンチレバーの膜厚制
御性を劣化させる
【0014】また、上記プロセスでは、レプリカ穴を形
成する工程においてエッチングマスクとして窒化シリコ
ン膜を使用し、当該工程後もこれを残存させておき、レ
プリカ穴内面に酸化膜を形成した後、この表面にカンチ
レバーの母材料となる窒化シリコン膜を形成することも
できる。しかしこの場合、作製されるカンチレバーは、
二層構造、あるいはエッチングマスクとして使用される
窒化シリコン膜表面が若干熱酸化されて、窒化シリコン
膜/酸化膜/窒化シリコン膜の三層構造となる。このた
め、上記同様に、最終的に得られるカンチレバーの膜厚
制御性が劣化し、特にバッチプロセスにおいて、各カン
チレバーの特性にバラツキが生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる観点に
鑑みてなされたものであり、走査型プローブ顕微鏡用カ
ンチレバーを、優れた再現性をもって、安定的に且つ簡
易に作製できる方法を提供することを目的とする。
【0016】具体的には、単膜層からなるレバー部及び
その自由端側に配設された探針部を具備し、その探針部
の先端がより尖鋭化された、走査型プローブ顕微鏡用カ
ンチレバーを安定して作製する方法を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、レ
バー部及びその自由端側に配設された探針部を具備する
走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法であっ
て、半導体基板にエッチング処理により前記探針部用の
レプリカ穴を形成する工程と、前記半導体基板を熱酸化
処理し、レプリカ穴の内面上に酸化膜を形成する工程
と、前記レプリカ穴内面の酸化膜上にレジストパターン
を形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとし
て、前記熱酸化処理時に半導体基板上に不可避的に形成
された酸化膜をエッチング除去する工程と、前記レプリ
カ穴を含む基板上の領域に、前記レバー部及び前記探針
部の母材料を堆積させる工程と、前記母材料を所定の形
状にパターニングする工程と、前記基板を除去する工程
とを具備する方法によって達成される。
【0018】
【作用】本発明にかかるカンチレバーの作製方法によれ
ば、半導体基板を熱酸化処理し、レプリカ穴の内面に酸
化膜を形成することにより、この穴内面の形状が尖鋭化
され、最終的に非常に鋭い先端を有する探針部が形成さ
れ得る。更に、この尖鋭化されたレプリカ穴内面(酸化
膜)をレジストパターンで被覆し、当該パターンを耐エ
ッチングマスクとして、基板上に不可避的に形成された
酸化膜を、即ち、上記レプリカ穴内面以外の基板表面に
不可避的に形成された酸化膜を、エッチング除去する。
こうして、尖鋭化されたレプリカ穴内面の形状を損なう
ことなく、レプリカ穴以外の基板表面を露出させること
ができる。ひいては、後工程において、直接基板表面に
カンチレバーの母材料を堆積させることができ、単膜層
のカンチレバーを安定して作製することが可能になる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照して
説明する。尚、これら実施例は、本発明の理解を容易に
する目的で記載されるものであり、本発明を特に限定す
るものではない。図1は、本発明の方法の第一実施例を
その工程に沿って示す断面図である。
【0020】まず、面方位(100)を有するSi基板
11に、窒化シリコン膜を形成し、これに対して常法に
従ってPEP(Photo Engraving Process )を施すこと
により、窒化シリコン膜パターン12を形成する(図1
(a))。次に、このパターン12を耐エッチングマス
クとして基板11をエッチング処理し、レプリカ穴13
を形成する(図1(b))。
【0021】ここで、基板11には、Si基板以外にも
一般的な半導体基板が適用され得る。また、パターン1
2の材質としては、耐エッチングマスクとして一般的に
使用されるものであればよく、窒化シリコンをはじめ、
例えばSiO2 等も用いることができる。
【0022】一方、上記エッチング処理には、KOH水
溶液のようなアルカリ系シリコンエッチング溶液、EP
W(エチレン・ジアミン・ピロカテコール・水)等を使
用したウェットエッチング法、またはプラズマエッチン
グ等のドライエッチング法の何れの方法が適用されても
よい。但し、ウェットエッチング法を適用した場合、形
成されるレプリカ穴13は四角錐状になり、一方ドライ
エッチング法を適用した場合、レプリカ穴13は円錐状
になる。特に円錐状のレプリカ穴を形成した場合、これ
を型として最終的に得られるカンチレバーの探針部のア
スペクト比(レプリカ穴の深ささ:開口部の径)をより
大きくすることができる。
【0023】次に、Si基板11を、熱酸化処理するこ
とによって、レプリカ穴13の内面に酸化膜(SiO2
膜)14を形成する。このとき、レプリカ穴13の先端
部分は、Siが酸化されてSiO2 に変化するときに起
こる体積膨脹によってより尖鋭化される。また、レプリ
カ穴内面以外の基板表面、即ち窒化シリコン膜パターン
12上にも不可避的に酸化膜15が形成される(図1
(c))。
【0024】続いて、基板11上にポジ型フォトレジス
トを塗布して製膜し、このレジスト膜全面を露光した
後、現像処理を行いレジスト膜を溶解除去する。ここ
で、レプリカ穴13内のレジスト膜は、基板11の他の
表面におけるレジスト膜に比べて、その膜厚が大きくな
っている。このため、上記露光のエネルギーを適切に設
定することにより、レプリカ穴13内のレジスト膜は、
現像処理の際に一部除去されずに選択的に残存する。こ
うして、レジストパターン16が形成される(図1
(d))。
【0025】次に、レジストパターン16を耐エッチン
グマスクとして、基板を緩衝弗酸溶液により処理し、不
可避的に形成された酸化膜15を選択的に剥離する。続
いて、パターン16を耐エッチングマスクとして、基板
をリン酸溶液によりエッチング処理し、窒化シリコン膜
パターン12を除去する。こうして、Si基板11のレ
プリカ穴13以外の表面を露出させる(図1(e))。
【0026】次に、レジストパターン16を除去し、レ
プリカ穴13を含む基板11上の領域に、カンチレバー
の母材料となる窒化シリコンを堆積させて膜17を形成
する(図1(f))。更に、常法に従いPEPを行うこ
とによって、窒化シリコン膜17をカンチレバー形状に
パターニングして、カンチレバーパターン18を形成す
る(図1(g))。
【0027】この後、パターン18の所定の領域上に、
カンチレバーの支持部材となるパイレックスガラス19
を陽極接合により接着する(図1(h))。続いて、S
i基板11を、KOH溶液等を用いてウェットエッチン
グにより除去し、カンチレバーパターン18を残存させ
る。更に、弗酸により酸化膜14を除去する。このよう
にして、レバー部20およびその自由端部に配設された
探針部21を具備するカンチレバー22が形成される
(図1(i))。
【0028】尚、カンチレバーの母材料としては、上述
した窒化シリコンの他、SiO2 、金属等の半導体の製
造プロセス使用される膜形成材料であれば、上述したよ
うなプロセスへの適合性に依存して、特に限定されな
い。但し、Siとエッチング比が大きくとれない材料に
ついては、最終工程においてSiをエッチング除去する
ときに、当該カンチレバーの母材料までエッチングされ
てしまうので不都合を生じる場合がある。よって、カン
チレバーの母材料は、その作製プロセスの条件等に応じ
て適宜選択する必要がある。
【0029】一方、カンチレバーの支持部材には、ガラ
ス、セラミックス、プラスチックス、金属、またはシリ
コンウェハ等が用いられる。特に、カンチレバーが組み
合わされる走査型プローブ顕微鏡が原子オーダーのサイ
ズを問題にする装置であって、小さな部品の熱膨張もデ
ータに影響を与える可能性があることから、剛性が高い
ことと共に、熱膨張係数の小さな材料が選択される。
【0030】また、これら支持部材とカンチレバーとの
接合には、上述した陽極接合法、即ち接合面の汚れ等を
除去したのち、高温下で支持部材とカンチレバーとに電
圧を印加して行う方法の他、接着剤を用いる等などが適
用可能である。但し、これら接合方法によって、本発明
は限定されるものではない。
【0031】以上のような方法によれば、レプリカ穴1
3の内面に酸化膜14を形成したとき、レプリカ穴13
の先端部分が尖鋭化されているため、この穴をレプリカ
として形成されたカンチレバーの探針部21の先端部分
は尖鋭化される。更に、レプリカ穴13に相応する領域
にレジストパターン16を形成し、これをマスクとして
Si基板上11に不可避的に形成された酸化膜15を除
去したことにより、続く工程において、カンチレバーの
母材料をSi基板上に直接堆積することができる。よっ
て、Si基板上には単層膜からなるカンチレバーパター
ンを作製することができ、その膜厚制御性も向上され、
大量生産時の性能の再現性も実現され得る。また、レバ
ー表面に対する支持部材の接合性も改善され、安定して
高性能のカンチレバーを作製することができる。
【0032】次に、本発明の第二および第三実施例を説
明する。これら実施例は、上記第一実施例の変形例であ
り、レプリカ穴内面の酸化膜上にレジストパターンを形
成する際に第一実施例とは異なるプロセスが適用されて
いる。
【0033】まず第二実施例では、上記第一実施例同様
に図1(a)〜(c)に示す工程を行い、レプリカ穴1
3の内面に酸化膜14を形成した後、レプリカ穴13を
含む基板上の領域にポジ型フォトレジストを塗布する。
続いて、レプリカ穴13に相応する領域を未露光部とし
て、パターン露光を行った後、現像処理を行い、当該レ
ジスト膜の未露光部を選択的に残存させる。このように
して、図2(a)に示す如くレジストパターン16を形
成する。この後、上記実施例と同様に図1(f)〜
(i)に示す工程を行ってカンチレバーを得る。
【0034】この例では、上述したようなレジスト膜に
対して全面露光を行う場合に比べて、露光エネルギーを
選択する必要はなく、レプリカ穴内面の酸化膜14上に
確実にレジストパターン16を形成することができる。
尚、このプロセスで得られるレジストパターン16は、
図2(b)に示す如くレプリカ穴13の周辺部をも僅か
に被覆することがある。従って、続く工程では、Si基
板11上において、レプリカ穴13の周辺部の窒化シリ
コン膜12および酸化膜15を完全に除去することがで
きず、Si基板上に部分的に二層構造となったカンチレ
バーパターンが形成されることがある。しかしながら、
最終的に得られるカンチレバーの性能には特に影響はな
い。
【0035】また第三実施例では、上記第一実施例同様
に、図1(a)〜(c)に示す如くレプリカ穴13を形
成してその内面に酸化膜14を形成した後、レプリカ穴
13を含む基板上の領域にポジ型フォトレジストを塗布
する。続いて、このレジスト膜を、単色光により全面露
光する。但しこのとき、基板上に形成されるポジ型フォ
トレジスト膜の厚み、即ち、レプリカ穴13を除いたS
i基板上(酸化膜15上)に形成されるレジスト膜の厚
みを、上記単色光による露光の際の当該レジスト膜にお
いて、入射光と基板表面からの反射光との干渉光の強度
が極大となるように設定する。続いて、露光後のレジス
ト膜を現像処理し、レジストパターン16を形成する。
【0036】一般に、ポジ型フォトレジストを単色光で
露光する場合、そのレジスト膜では、入射光と基板から
の反射光との間で干渉作用に起こり、図3に示す如く、
適正露光量(エネルギー)は、レジスト膜厚によって周
期的に変化する。ここで本例では、レジスト膜の厚みが
レプリカ穴部とそれ以外の基板上の領域とで異なるた
め、レプリカ穴13を除いたSi基板上に形成されるレ
ジスト膜の厚みを、上記干渉光の強度が極大値となるよ
うに設定すれば、レプリカ穴13内に形成されるレジス
ト膜では、上記干渉光の強度が極大値から外れる。この
結果、レプリカ穴13内に形成されるレジスト膜では、
他のSi基板上に形成されるレジスト膜の表面に比べて
受ける光の強度が小さくなり、露光による変化も少なく
ポジ型レジスト用現像液に対する溶解度が小さくなる。
従って、露光後の現像処理において、レプリカ穴13内
のレジスト膜は除去されず残存し、レジストパターン1
6が形成される。この例では、比較的容易に、安定して
レジストパターンを形成することができるようになる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法によ
れば、単膜層からなるレバー部及びその自由端側に配設
された探針部を具備し、その探針部が鋭い先端形状を有
する走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを、優れた再
現性をもって安定的に且つ簡易に作製することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカンチレバーの作製方法の第一実施例
をその工程に沿って示す断面図。
【図2】本発明のカンチレバーの作製方法の第二実施例
における、レジストパターンの形成プロセスを示す断面
図。
【図3】基板上でポジ型フォトレジストを使用した場合
における、レジスト膜厚と適正露光量との関係を示す線
図。
【図4】従来のカンチレバーの作製方法をその工程に沿
って示す断面図。
【符号の説明】
11,41…Si基板、12,42…窒化シリコン膜パ
ターン、13,43…レプリカ穴、14,15…酸化
膜、16…レジストパターン、17、44…窒化シリコ
ン膜、18,45…カンチレバーパターン、19,46
…パイレックスガラス、20,47…レバー部、21,
48…探針部、22,49…カンチレバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レバー部及びその自由端側に配設された
    探針部を具備する走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー
    の作製方法であって、 半導体基板にエッチング処理により前記探針部用のレプ
    リカ穴を形成する工程と、 前記半導体基板を熱酸化処理し、レプリカ穴の内面上に
    酸化膜を形成する工程と、 前記レプリカ穴内面の酸化膜上にレジストパターンを形
    成する工程と、 前記レジストパターンをマスクとして、前記熱酸化処理
    時に半導体基板上に不可避的に形成された酸化膜をエッ
    チング処理によって除去する工程と、 前記レプリカ穴を含む基板上の領域に、前記レバー部及
    び前記探針部の母材料を堆積させる工程と、 前記母材料を所定の形状にパターニングする工程と、 前記基板を除去する工程とを具備する方法。
  2. 【請求項2】 前記レプリカ穴内面の酸化膜上にレジス
    トパターンを形成する工程において、該酸化膜の表面を
    含む基板上の領域にフォトレジスト膜を形成し、該レジ
    スト膜に対して選択的な露光を行い、更に現像処理を行
    うことによって前記酸化膜上のレジスト膜のみを残存さ
    せてレジストパターンを得る請求項1記載のカンチレバ
    ーの作製方法。
  3. 【請求項3】 前記レプリカ穴内面の酸化膜上にレジス
    トパターンを形成する工程において、該酸化膜の表面を
    含む基板上の領域にポジ型フォトレジスト膜を形成し、
    該ポジ型フォトレジスト膜全面に対して露光を行い、更
    に現像処理を行うことによって前記酸化膜上のレジスト
    膜のみを残存させてレジストパターンを得る請求項1記
    載のカンチレバーの作製方法。
  4. 【請求項4】 前記露光が単色光を用いて行われ、且つ
    前記基板上に形成されるポジ型フォトレジスト膜の厚み
    は、前記単色光による露光の際、レジスト膜における、
    入射光と基板表面からの反射光との干渉光の強度が極大
    となるように設定される請求項3記載のカンチレバーの
    作製方法。
JP10460992A 1992-04-23 1992-04-23 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法 Withdrawn JPH05299015A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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