JPH09137320A - 高回復性弾性糸及びその製法 - Google Patents

高回復性弾性糸及びその製法

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JPH09137320A
JPH09137320A JP29798895A JP29798895A JPH09137320A JP H09137320 A JPH09137320 A JP H09137320A JP 29798895 A JP29798895 A JP 29798895A JP 29798895 A JP29798895 A JP 29798895A JP H09137320 A JPH09137320 A JP H09137320A
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JP
Japan
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elastic yarn
polyurethane
viscosity
tension
rate
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JP29798895A
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English (en)
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Shigetaka Ishii
重隆 石井
Ryoji Horinaka
亮司 堀中
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回復性の良好な弾性糸の提供。 【解決手段】 ポリオキシテトラメチレングリコール
(PTMG)及び有機ジイソシアネート及び活性水素含
有化合物とからなるポリウレタン化合物を主成分とする
ポリウレタン弾性糸であって、該PTMGについて数平
均分子量(Mn)が500〜1500かつ(η/Mn)
<1/3であることを特徴とする高回復性弾性糸及びそ
の製法(但し、ηは、40℃における粘度をセンチポア
ズ(cp)で示した値)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファンデーショ
ン、水着、パンティーストッキング等に用いられるポリ
ウレタン弾性糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシテトラメチレングリコール
(以下、PTMGという)を用いたポリウレタン弾性糸
は、高強力・高耐久性・細デニール化が可能である等の
特長から、伸縮性の要求される衣料分野等に用いられて
いる。しかしながら、従来使用されていたPTMGは結
晶性が高いために低温回復性が悪く、また伸張時と回復
時との応力の差が大きいため、優れた回復性を要求され
る用途への対応が望まれている。
【0003】回復性を向上させる技術としては、ポリエ
ステルジオールやポリエーテルジオール等を共重合化す
る方法が提案されているが、ポリエステルジオールを用
いた場合は耐黴性や耐加水分解性に劣り、また、共重合
化したポリエーテルジオールは工業的入手が困難であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
のないPTMGを用いた低温回復性、更には伸長回復時
の回復性に優れた弾性糸とその製法とを提供する事を目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
鋭意研究を重ねた結果、特定の分子量及び粘度を有する
PTMGを用いる事により回復性に優れた弾性糸を得る
に至った。すなわち本発明は、PTMG及び有機ジイソ
シアネート及び活性水素含有化合物からなるポリウレタ
ン化合物を主成分とするポリウレタン弾性糸であって、
該ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量
(Mn)が下記(1)式及び(2)式を満たす事を特徴
とする高回復性弾性糸、及びPTMG及び有機ジイソシ
アネート及び活性水素含有化合物からなるポリウレタン
化合物を主成分とするポリウレタン弾性糸を製造するに
あたり、該PTMGとして下記(1)式及び(2)式を
満たす物を用いることを特徴とする高回復性弾性糸の製
法である。
【0006】500≦Mn≦1500 (1) η/Mn < 1/3 (2) (但し、ηは40℃における粘度をセンチポアズで示し
た値である) 本発明に用いられるPTMGはその数平均分子量(M
n)が500以上1500以下であることが肝要であ
り、好ましくは800以上1200以下である。ここ
で、分子量はJIS K 0070に準じて測定した水
酸基価から算出される。従来、破断伸度、耐黄変性等の
観点から弾性糸用としては、数平均分子量が2000前
後、或いはそれ以上のPTMG(例えば特公平2−48
585号公報、特公昭40−3717号公報)が適当で
あると考えられていたのに対して、本発明は、回復性の
観点からPTMGの分子量及び粘度を調整することが重
要であることを見い出し、回復性に優れた新規な弾性糸
を製造することに成功したものである。数平均分子量が
500未満であると破断伸度の低下が著しく、一方、1
500を超えると回復性が低下し、本発明の効果を生じ
ない。
【0007】また、本発明において用いられるPTMG
は40℃における粘度をセンチポアズで示した値ηと分
子量Mnの比(η/Mn)が1/3よりも小さいことが
肝要である。この比が1/3以上であると回復性が低下
し、本発明の効果を生じない。本発明に用いられるPT
MGは、テトラヒドロフランをヘテロポリ酸や硫酸等に
より開環重合する事で得られる。
【0008】本発明において用いられる有機ジイソシア
ネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート;または、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂
環式ジイソシアネート等を用いることが出来る。
【0009】本発明において用いられる活性水素含有化
合物は、一般に低分子量のものであり、エチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、キシリレ
ングリコール等のジオール類;エチレンジアミン、1,
2プロピレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジ
アミン、等のジアミン類;末端停止剤として、メタノー
ル、エタノール等の1価のアルコール類;ジエチルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン等を用いるこ
とが出来る。
【0010】本発明におけるポリウレタン化合物の製造
は、PTMGと有機ジイソシアネートとを反応させプレ
ポリマーを得た後、活性水素含有化合物と反応させるプ
レポリマー法、または、PTMG及び有機ジイソシアネ
ート及び活性水素含有化合物を一段で反応させるワンシ
ョット法のどちらで行っても良く、有機ジイソシアネー
トに不活性な有機溶剤例えば、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド、トルエン等の存在下で行うこと
もできる。
【0011】本発明においては、伸長回復時の回復性や
編地にしたときの品質(ソフトさ、フィット感)の点か
ら、原料成分の重量比は有機ジイソシアネ−トとPTM
Gのモル比が1.1〜1.3の範囲であることが好まし
い。上記ポリウレタン化合物を用いた本発明の高回復性
弾性糸は、下記の(3)式、(4)式を満たすことが望
ましい。
【0012】mod.変化率<2.7 (3) (但し、mod.変化率とは、20℃、65%RH雰囲
気下で1000%/分の歪速度で伸張したときの300
%伸張時の張力を100%伸張時の張力で除した値であ
る) 20℃保持率>0.45 (4) (但し、20℃保持率とは、20℃、65%RH雰囲気
下で1000%/分の歪速度で300%までの伸張回復
を行ったときの200%での回復時の張力を伸張時の張
力を伸張時の張力で除した値である) 上記(3)式の範囲を外れると、編地にしたときにソフ
トな伸びがなくなり、特にガ−ドル、ボディ−ス−ツの
ようなファンデ−ションに用いられる場合には好ましく
ない。また、上記(4)式の範囲を外れると、編地にし
たときにフィット感が低下し、好ましくない。
【0013】更に、本発明の高回復性弾性糸は、低温時
の回復性の観点からは、後述の方法により測定できる1
0℃回復性が50以上、更には80以上であることが好
ましい。このような範囲にある弾性糸は特に水着等の用
途として有用である。本発明の高回復性弾性糸は上記の
ポリウレタン化合物を用いて常法により紡糸できる。例
えば、乾式紡糸方法、すなわち上記ポリウレタン化合物
のジメチルアセトアミド溶液を細口ノズルから高温の紡
糸筒内に吐出し、溶媒除去後に巻取る方法により得るこ
とができる。
【0014】本発明の高回復性弾性糸は、主成分の上記
ポリウレタン化合物に通常の添加剤例えば、酸化防止
剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、艶消し剤、滑剤等を添
加してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を説明
する。なお、実施例、比較例中の特性値は以下の方法に
より測定した。 (1)粘度 東京計器製(型式:EMD−R)を用いて測定した。 (2)mod.変化率 20℃・65%RH雰囲気下で、1000%/分の歪速
度で伸長した時の300%伸長時の張力を100%伸張
時の張力で除した値。
【0016】 測定装置:オリエンテック社製(型式:UTM−III
−100) (3)20℃保持率 20℃・65%RH雰囲気下で、1000%/分の歪速
度で300%までの伸長回復を行った時の200%での
回復時の張力を伸長時の張力で除した値。 測定装置:オリエンテック社製(型式:UTM−III
−100) (4)10℃回復性 10℃雰囲気下で、初期長10cmのポリウレタン弾性
糸を200%伸長下で1分間保持した後、100%伸長
まで回復させて16時間保持する。その後保持を除去
し、10秒後の糸長(Lcmとする)を測定する。その
時の(20−L)×10の値を示す。
【0017】
【実施例1】PTMG(Mn=1005,η/Mn=
0.28)1000gと4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(以下MDIと記す)291gとを 乾
燥したジメチルアセトアミド(以下DMACと記す)2
000gを加えて窒素ガス気流中15℃で1時間反応さ
せ、プレポリマー溶液を得た。これとは別にエチレンジ
アミン(以下EDと記す)9.15g、ジエチルアミン
(以下DAと記す)2.20g、乾燥したDMAC10
00gからなる溶液を準備しておき、これを激しく撹拌
しながら前記プレポリマー溶液を一気に添加する。添加
と同時に溶液粘度が徐々に上昇し、添加終了30分後、
30℃で3000ポアズのポリマー溶液を得た。これを
通常の乾式紡糸方法、例えばポリマー溶液を36個のノ
ズルから熱風温度300℃の紡糸筒内に押し出し、集束
装置・油剤付与装置等を経て紡糸速度400m/mi
n.で巻き取る事により、350デニールのポリウレタ
ン弾性糸を得た。その特性を測定した結果を表1に示
す。
【0018】
【実施例2〜4】PTMG及びポリウレタン原料成分の
重量比を表1に記載した比率とする他は、実施例1と同
様の方法で350デニールのポリウレタン弾性糸を得
た。その特性を測定した結果を表1に示す。
【0019】
【比較例1〜3】PTMG及びポリウレタン原料成分の
重量比を表1に記載した比率とする他は、実施例1と同
様の方法で350デニールのポリウレタン弾性糸を得
た。その特性を測定した結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果より、本発明のポリウレタン弾
性糸は比較例のものに比べて10℃回復性が60%以上
と高く、低温回復性に優れていることがわかる。更に、
ポリウレタン原料成分の重量比を調整することによっ
て、実施例1の如くmod.変化率が低く、20℃保持
率の高い糸を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、通常のポリウレタン弾
性糸に比べ、低温時の回復性に優れたポリウレタン弾性
糸を提供できる。更に、原料の成分比を調整することに
よって、伸長回復時の回復性にも優れたポリウレタン弾
性糸を提供できる。これは、ポリウレタン弾性糸中での
結晶性が低い特定のPTMGを使用することによって生
ずる効果である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシテトラメチレングリコール及び
    有機ジイソシアネート及び活性水素含有化合物からなる
    ポリウレタン化合物を主成分とするポリウレタン弾性糸
    であって、該ポリオキシテトラメチレングリコールの数
    平均分子量(Mn)が下記(1)式及び(2)式を満た
    す事を特徴とする高回復性弾性糸。 500≦Mn≦1500 (1) η/Mn < 1/3 (2) (但し、ηは40℃における粘度をセンチポアズで示し
    た値である)
  2. 【請求項2】下記(3)式及び(4)式を満たす請求項
    1記載の高回復性弾性糸。 mod.変化率<2.7 (3) (但し、mod.変化率とは、20℃、65%RH雰囲
    気下で1000%/分の歪速度で伸張したときの300
    %伸張時の張力を100%伸張時の張力で除した値であ
    る) 20℃保持率>0.45 (4) (但し、20℃保持率とは、20℃、65%RH雰囲気
    下で1000%/分の歪速度で300%までの伸張回復
    を行ったときの200%での回復時の張力を伸張時の張
    力を伸張時の張力で除した値である)
  3. 【請求項3】ポリオキシテトラメチレングリコール及び
    有機ジイソシアネート及び活性水素含有化合物からなる
    ポリウレタン化合物を主成分とするポリウレタン弾性糸
    を製造するにあたり、該ポリオキシテトラメチレングリ
    コールとして下記(1)式及び(2)式を満たす物を用
    いることを特徴とする高回復性弾性糸の製法。 500≦Mn≦1500 (1) η/Mn < 1/3 (2) (但し、ηは40℃における粘度をセンチポアズで示し
    た値である)
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Effective date: 20040622