JPH10226921A - ポリウレタン繊維およびその製法 - Google Patents

ポリウレタン繊維およびその製法

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JPH10226921A
JPH10226921A JP36208197A JP36208197A JPH10226921A JP H10226921 A JPH10226921 A JP H10226921A JP 36208197 A JP36208197 A JP 36208197A JP 36208197 A JP36208197 A JP 36208197A JP H10226921 A JPH10226921 A JP H10226921A
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JP
Japan
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polyurethane
diol
polyurethane fiber
elongation
polycarbonate diol
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JP36208197A
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English (en)
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Kunisato Itou
晋悟 伊藤
Toshikazu Matsuda
敏和 松田
Masao Umezawa
正夫 梅澤
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Du Pont Toray Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性に優れ、かつソフトなストレッチ性を有
するポリウレタン繊維を提供する。 【解決手段】下記の式(I)で示される化学構造を有す
るポリウレタンからなるポリウレタン繊維。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れ、か
つソフトなストレッチ性のポリウレタン繊維およびその
製法に関する。
【0002】さらに詳しくは、高い耐光性と高い耐黄化
性を有し、また耐磨耗性など機械的な耐久性、形態固定
性にも優れ、かつカビなどにも十分に耐性があり、その
うえソフトなストレッチ性に富むポリウレタン繊維およ
びその製法に関する。
【0003】
【従来の技術】現在、ポリウレタン繊維としては、高分
子ジオールとして例えば特開昭57−100778号公
報、特開昭57−100779号公報、特開平5−05
1428号公報および特開平5−032754号公報に
開示されているように主としてポリエステルジオール、
ポリエーテルジオールおよびポリカーボネートジオール
が開示されている。一方、ジイソシアネート化合物に
は、活性水素と高い反応性を有することから芳香族ジイ
ソシアネート、特に4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(以下、MDIと称する。)が主に使用され
ている。また、鎖伸長剤としては低分子量ジアミンもし
くは低分子量ジオールが用いられている。
【0004】また、紡糸法は乾式、湿式、溶融の三通り
の紡糸法があるが、生産性等の見地から高い巻き取り速
度で紡糸することのできる乾式もしくは溶融紡糸法によ
り主に紡糸されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、岩田
敬治監修“最新ポリウレタン応用技術”CMC(198
5)などの総説によると、ポリエステルジオールを用い
たポリウレタン繊維は耐加水分解性、耐カビ性に劣ると
されている。また、ポリエーテルジオールを用いたポリ
ウレタン繊維は耐加水分解性および耐カビ性は向上する
が、耐光性、耐熱性が劣るとされている。また、ポリカ
ーボネートジオールを用いたポリウレタン繊維はポリカ
ーボネートジオールが結晶性であるため、柔軟性が低
く、また伸度が低いとされている。一方、MDIを用い
たポリウレタン繊維は耐光性、窒素酸化物による耐黄化
性に劣るとされている。本発明はかかる従来技術の欠点
を改良し、耐久性に優れ、かつソフトなストレッチ性を
有するポリウレタン繊維を提供することをその課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決するため、以下の手段をとる。すなわち、下記の式
(I)で示される化学構造を有するポリウレタンからな
るポリウレタン繊維およびその製法に関する。
【0007】
【化2】 ここでR1 は1,6−ヘキサンジオールからなるポリカ
ーボネートジオール残基、もしくは1,6−ヘキサンジ
オールからなるポリカーボネートジオールと他のジオー
ルからなる変性ポリカーボネートジオール残基、R2 は
脂環族ジイソシアネートの残基、R3 はジアミン残基を
それぞれ表す。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる高分子ジオールは
1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと
エステル交換反応させることにより得られるポリカーボ
ネートジオール、もしくは1,6−ヘキサンジオールか
らなるポリカーボネートジオールと他のジオールを共重
合させることにより得られる変性ポリカーボネートジオ
ールであるが、変性ポリカーボネートジオールを用いる
ことが好ましい。変性ポリカーボネートジオールを用い
ることにより、高い伸度のポリウレタン繊維となる。
1,6−ヘキサンジオールからなるポリカーボネートジ
オールと混合するジオールとしては、例えば1,3−プ
ロパンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、ポリテトラメチレンエー
テルグリコール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げ
られる。これらの共重合比は糸の伸度、紡糸性から重量
比で95:5〜65:35であることが好ましく、さら
に好ましくは90:10〜70:30である。変性ポリ
カーボネートジオールの数平均分子量は同様の理由から
1000〜8000であることが好ましく、1000〜
5000であることがより好ましい。さらに数平均分子
量を1500〜3000とすると糸の強度、伸度ともに
従来の糸と同等もしくはそれ以上にすることができるの
で特に好ましい。
【0009】糸の融点、伸度等から、変性ポリカーボネ
ートジオールと脂環族ジイソシアネートのモル比は1:
1.3〜1:3.0の範囲であることが好ましい。特に
好ましいモル比は1:1.5〜1:2.2の範囲であ
る。この範囲であると高い伸度、高い融点のポリウレタ
ン繊維となる。
【0010】本発明に用いるジイソシアネート化合物は
脂環族ジイソシアネートである。用いる脂環族ジイソシ
アネートとして、例えばメチレンビス(シクロヘキシル
イソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、イ
ソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−
2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−
2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−
ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシア
ネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オク
タヒドロ−1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが
挙げられる。これらのジイソシアネート化合物の中から
1種または2種以上を選んで用いることができる。この
うち、特に好ましいものはH12MDIである。H12MD
Iを用いると原因は不明であるが、低伸長領域での応力
が低く、伸度の高い繊維となるのである。本発明に用い
る鎖伸長剤は、低分子量ジアミンとする。低分子量ジオ
ールを用いると糸の融点が低下してしまうこと、反応時
間が長い等の問題が生じるため好ましくない。なお、本
発明の効果を妨げない範囲で低分子量ジオールを併用し
てもよい。低分子量ジアミンとしては例えばエチレンジ
アミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘ
キシルジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミンなど
が挙げられる。これらの中から1種または2種以上を選
んで用いることができるが、ポリウレタン繊維にした時
の伸度、弾性回復性が優れていること、また、紡糸前の
ポリウレタン溶液の安定性に優れることからエチレンジ
アミンを用いることが特に好ましい。 本発明のポリウ
レタン繊維の分子量は4万から15万であることが好ま
しい。この範囲であると、耐久性や強度の高い繊維とな
る。なお、本発明における分子量はGPCで測定してお
り、ポリスチレンにより換算している。
【0011】ポリウレタン繊維の高温側の融点は加工時
の形態固定性、耐熱性に優れることから200℃から2
50℃であることが好ましい。なお、本発明における融
点は繊維を細かく裁断し、DSCで測定したセカンドラ
ンの値である。
【0012】ポリウレタン繊維を100%伸長した時の
応力は破断強度の約0.020〜0.070倍であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは0.020〜0.04
0倍である。また、200%伸長した時の応力は破断強
度の約0.035〜0.150倍であることが好まし
い。さらに好ましくは0.035〜0.070倍であ
る。
【0013】こうすることにより、スムーズなストレッ
チ性を有し、かつ適度なしめつけ力を有する繊維とな
る。
【0014】本発明の繊維の繊度、断面形状などは特に
限定されるものではない。例えば、糸の断面は円形であ
っても偏平であっても何らかまわない。また、本発明の
繊維は各種安定剤や顔料などを含有していても何ら問題
はない。例えば耐光、耐酸化防止剤などとしていわゆる
BHTや住友化学製のスミライザーGA−80などをは
じめとするヒンダードフェノール系薬剤、各種のチヌビ
ンをはじめとするベンゾトリアゾール系薬剤、住友化学
製のスミライザーP−16をはじめとするリン系薬剤、
各種のチヌビンをはじめとするヒンダードアミン系薬
剤、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラックを
はじめとする無機顔料、ステアリン酸マグネシウムをは
じめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物
などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油な
どの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリ
ン酸系などをはじめとする各種の帯電防止剤などが含ま
れたり、またポリマと反応していても何らかまわない。
【0015】そして、特に光や各種の酸化窒素などへの
耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば日
本ヒドラジン製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば
住友化学製のスミライザーGA−80、光安定剤、例え
ば住友化学製のスミゾブ300#622などを使用する
ことは有効である。
【0016】これらの添加方法も特に限定されず、スタ
ティックミキサー方式など従来公知の方法が適用でき
る。
【0017】次に本発明におけるポリウレタンの製法に
ついて詳細に説明する。本発明におけるポリウレタン
は、鎖伸長剤としてエチレンジアミンを用いており、ジ
イソシアネート化合物に対する反応性が変性ポリカーボ
ネートジオールと大きく異なっているので、高分子ジオ
ールとジイソシアネート化合物を常温から200℃で反
応させることにより、NCO末端のウレタンプレポリマ
を合成し、これにイソシアネート基に対して不活性な溶
媒およびその溶媒で希釈した鎖伸長剤を加え、更に常温
から60℃で反応させ高分子量化して目的とする熱可塑
性ポリウレタンを得るプレポリマ法により製造するのが
特に好ましい。
【0018】イソシアネート基に対して不活性な溶媒と
しては例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホンオキサイド、メチルエチルケト
ン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、N−メチルピロリドンなどが挙げら
れる。これらの溶媒の中から1種または2種以上を用い
ることができるのであるが、溶媒濃度を高くすることの
できるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
どアミド系溶媒を用いるのが好ましい。
【0019】所望の分子量あるいは粘度に調整すること
を目的として、例えばジエチルアミン、ブチルアミン、
エタノール、プロパノール、ブタノールなどを反応停止
剤として用いてもよい。そして、特に好ましいのは、ジ
エチルアミン等をはじめとする2級モノアミンである。
2級モノアミンを用いると何故か、耐久性の高い糸が得
られるのである。
【0020】溶融濃度は紡糸時の曳糸性、ポリマ粘度の
見地から30%から40%とするのが好ましい。また、
ポリマ粘度は紡糸時の曳糸性や紡糸機ヘッダの高温領域
でゲルが生成といった理由から1200ポイズから65
00ポイズ、さらには2000ポイズから6000ポイ
ズとするのが好ましい。ポリマの高温側の融点は、繊維
にした時の形態固定性、耐熱性に優れることから200
℃から250℃であることが好ましい。なお、本発明に
おける融点は12μmのアプリケーターを用いて該ポリ
ウレタン溶液のフィルムを作成し、窒素雰囲気下、溶媒
を乾燥した後、DSCで測定したセカンドランの値であ
る。また、ポリマの分子量は繊維にした時の耐久性や強
度が高くなることから4万から15万であることが好ま
しい。なお、本発明における分子量はGPCで測定して
おり、ポリスチレンにより換算している。
【0021】紡糸は湿式紡糸法、乾式紡糸法どちらを用
いても紡糸することができるが、紡糸速度をより速くす
ることのできる乾式紡糸法で行うことが好ましい。
【0022】紡糸の際、ゴデローラーと巻取機の速度比
は糸にした時の伸度および強度を従来の糸と同等もしく
はそれ以上にすることのできる1.30から1.65の
間であることが好ましい。
【0023】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳しく説明す
る。ただし、本発明がこれら実施例によって限定される
ものではない。本発明で用いた評価方法を以下に記す。
【0024】1.破断伸度および強度の測定 インストロン4502型引張試験器を用い、5cmの長
さの試料を50cm/minの引張速度で5回、300
%伸長を繰り返した後、6回目に破断するまで伸長し、
破断伸度および強度を測定した。そして本発明における
100%伸長時の応力、200%伸長時の応力とは、双
方とも、1回目の引張テストにおける100%伸長時、
200%伸長時の応力である。破断伸度、強度とは、6
回目の破断時の伸度、強度である。
【0025】2.耐久性の測定 63℃、60%RH条件下、サンシャインウエザーメー
ターを15時間照射した後、破断伸度および強度を測定
した。
【0026】3.耐黄化性の測定 スコットテスターを用い、NO2 ガス7ppm、40
℃、60%RH条件下、紫外線ランプを照射し、50時
間後の糸の黄変度(Δb値)をカラーマスターを用いて
測定した。
【0027】(実施例1)1,6−ヘキサンジオールか
らなるポリカーボネートジオールとポリ−ε−カプロラ
クトンジオールを重量比で9:1の割合で混合した混合
物を共重合させることにより得られる変性ポリカーボネ
ートジオールと4,4´−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート)を1:1.8のモル比で反応させた
NCO末端のウレタンプレポリマ(三洋化成製、NCO
%=2.69%)を、21のセパラブルフラスコに55
2g採り、1094gのDMAcに溶解した後、10.
62gのエチレンジアミンと0.52gのジエチルアミ
ンの混合液を100.2gのDMAcで希釈した溶液を
20分かけて滴下することにより、鎖伸長反応を行い、
粘調な重合体溶液を得た。使用した添加剤としてHN−
150(日本ヒドラジン製)を1.7重量%、GA−8
0(住友化学製)を0.9重量%、スミゾブ300#6
22を0.4重量%を使用した。(なお、以後の各実施
例でも同一の添加剤を同一含有量で使用した。)この重
合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で35
40ポイズであった。次に重合体溶液(固体分32%)
を、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.45とし、毎
分530mの速度で乾式紡糸し、18デニール/モノフ
ィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の
100%伸長時の応力、200%伸長時の応力、破断伸
度、強度、(100%伸長時の応力)/(破断強度)、
(200%伸長時の応力)/(破断強度)、耐久性およ
び耐黄化性の結果を表1に示す。
【0028】(実施例2)1,6−ヘキサンジオールか
らなるポリカーボネートジオールとポリ−ε−カプロラ
クトンジオールを重量比で9:1の割合で混合した混合
物を共重合させることにより得られる変性ポリカーボネ
ートジオールと4,4´−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート)を1:1.9のモル比で反応させた
NCO末端のウレタンプレポリマ(三洋化成製、NCO
%=3.03%)を、21のセパラブルフラスコに55
0g採り、1080gのDMAcに溶解した後、11.
92gのエチレンジアミンと0.58gのジエチルアミ
ンの混合液を112.5gのDMAcで希釈した溶液を
20分かけて滴下することにより、鎖伸長反応を行い、
粘調な重合体溶液を得た。
【0029】この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測
定し、40℃で1986ポイズであった。次に重合体溶
液(固体分32%)を、ゴデローラーと巻取機の速度比
を1.45とし、毎分530mの速度で乾式紡糸し、1
8デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻
き取った。この糸の100%伸長時の応力、200%伸
長時の応力、破断伸度、強度、(100%伸長時の応
力)/(破断強度)、(200%伸長時の応力)/(破
断強度)、耐久性および耐黄化性の結果を表1に示す。
【0030】(実施例3)1,6−ヘキサンジオールか
らなるポリカーボネートジオールとポリ−ε−カプロラ
クトンジオールを重量比で9:1の割合で混合した混合
物を共重合させることにより得られる変性ポリカーボネ
ートジオールと4,4´−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート)とイソホロンジイソシアネートを重
量比で9:1の割合で混合したものを1:1.8のモル
比で反応させたNCO末端のウレタンプレポリマ(三洋
化成製、NCO%=2.68%)を、21のセパラブル
フラスコに536.9g採り、1067gのDMAcに
溶解した後、10.30gのエチレンジアミンと0.5
0gのジエチルアミンの混合液を97.2gのDMAc
で希釈した溶液を20分かけて滴下することにより、鎖
伸長反応を行い、粘調な重合体溶液を得た。この重合体
溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で2805
ポイズであった。次に重合体溶液(固体分32%)を、
ゴデローラーと巻取機の速度比を1.45とし、毎分5
30mの速度で乾式紡糸し、18デニール/モノフィラ
メントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の10
0%伸長時の応力、200%伸長時の応力、破断伸度、
強度、(100%伸長時の応力)/(破断強度)、(2
00%伸長時の応力)/(破断強度)、耐久性および耐
黄化性の結果を表1に示す。
【0031】(実施例4)1,6−ヘキサンジオールか
らなるポリカーボネートジオールとポリ−ε−カプロラ
クトンジオールを重量比で9:1の割合で混合した混合
物を共重合させることにより得られる変性ポリカーボネ
ートジオールと4,4´−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート)とイソホロンジイソシアネートを重
量比で9:1の割合で混合したものを1:1.9のモル
比で反応させたNCO末端のウレタンプレポリマ(三洋
化成製、NCO%=2.96%)を、21のセパラブル
フラスコに534.9g採り、1051gのDMAcに
溶解した後、11.33gのエチレンジアミンと0.5
5gのジエチルアミンの混合液を106.9gのDMA
cで希釈した溶液を20分かけて滴下することにより、
鎖伸長反応を行い、粘調な重合体溶液を得た。この重合
体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で148
6ポイズであった。次に重合体溶液(固体分32%)
を、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.45とし、毎
分530mの速度で乾式紡糸し、18デニール/モノフ
ィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の
100%伸長時の応力、200%伸長時の応力、破断伸
度、強度、(100%伸長時の応力)/(破断強度)、
(200%伸長時の応力)/(破断強度)、耐久性およ
び耐黄化性の結果を表1に示す。
【0032】(比較例1)分子量1800のポリテトラ
メチレングリコールとMDIを90℃、無溶媒の条件
下、1:1.58のモル比で2時間反応させることによ
りNCO末端のウレタンプレポリマを得た。NCO%は
2.22%であった。このプレポリマを室温まで冷却
後、21のセパラブルフラスコに500g採り、100
0gのDMAcに溶解した後、7.80gのエチレンジ
アミンと1.17gのジエチルアミンの混合液を80.
7gのDMAcで希釈した溶液を加えることにより、鎖
伸長反応を行い、粘調な重合体溶液を得た。この重合体
溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で2800
ポイズであった。次に重合体溶液(固体分32%)を、
毎分733mの速度で乾式紡糸し、20デニール/2フ
ィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の
100%伸長時の応力、200%伸長時の応力、破断伸
度、強度、(100%伸長時の応力)/(破断強度)、
(200%伸長時の応力)/(破断強度)、耐久性およ
び耐黄化性の結果を実施例とともに表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明により得られるポリウレタン繊維
は従来のポリウレタン繊維に比べ、耐久性が著しく向上
している。しかも伸度は従来のポリウレタン繊維とほぼ
同じである。これらの優れた特性を有することから、単
独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせによ
り、例えばソックス、ストッキング、丸編、トリコッ
ト、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴル
フズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手
袋や靴下をはじめとする各種繊維製品の締め付け材料、
紙おしめなどサニタリー品の漏れ防止用締め付け材料、
防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、
ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットな
ど、種々の用途に展開可能である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I)で示される化学構造を有
    するポリウレタンからなるポリウレタン繊維。 【化1】 ここでR1 は1,6−ヘキサンジオールからなるポリカ
    ーボネートジオール残基、もしくは1,6−ヘキサンジ
    オールからなるポリカーボネートジオールと他のジオー
    ルからなる変性ポリカーボネートジオール残基、R2 は
    脂環族ジイソシアネートの残基、R3 はジアミン残基を
    それぞれ表す。
  2. 【請求項2】 1,6−ヘキサンジオールからなるポリ
    カーボネートジオールと他のジオールの共重合比が重量
    比で95:5〜65:35であることを特徴とする請求
    項1記載のポリウレタン繊維。
  3. 【請求項3】 高分子ジオールと脂環族ジイソシアネー
    ト化合物の混合比がモル比で1:1.3〜1:3.0で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウ
    レタン繊維。
  4. 【請求項4】 他のジオールがポリ−ε−カプロラクト
    ンジオールであり、少なくとも脂環族ジイソシアネート
    化合物はメチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネー
    ト)であり、少なくとも鎖伸長剤はエチレンジアミンで
    あることを特徴とする請求項1から3に記載のポリウレ
    タン繊維。
  5. 【請求項5】 高温側の融点が200℃〜250℃、数
    平均分子量が4万〜15万であることを特徴とする請求
    項1〜4いずれかに記載の耐久性に優れたポリウレタン
    繊維。
  6. 【請求項6】 (100%伸長時の応力)/(破断強
    度)=0.020〜0.070、(200%伸長時の応
    力)/(破断強度)=0.035〜0.150であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のポリウレ
    タン繊維。
  7. 【請求項7】 変性ポリカーボネートジオールと脂環族
    ジイソシアネートとを無溶媒の条件で反応せしめ、しか
    る後にジメチルアセトアミドに溶解し、次にエチレンジ
    アミンおよび反応停止剤の2級モノアミンを該溶液に添
    加し、室温〜60℃で反応せしめ、溶液濃度を30〜4
    0%とし、かつ溶液粘度が2000〜6000ポイズで
    あり、高温側の融点が200℃〜250℃、数平均分子
    量が4万〜15万であるポリウレタン溶液を乾式紡糸す
    ることを特徴とするポリウレタン繊維の製法。
  8. 【請求項8】 ゴデローラーと巻取機の速度比を1.3
    0から1.65として巻き取ることを特徴とする請求項
    7記載のポリウレタン繊維の製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002086208A1 (en) * 2001-04-19 2002-10-31 Kolon Industries, Inc A polyurethane type elastic fiber, and a process of preparing for the same
WO2013089137A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 東レ・オペロンテックス株式会社 ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
CN114134596A (zh) * 2022-01-13 2022-03-04 华峰化学股份有限公司 一种采用混合溶剂制备干纺氨纶的方法

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