JP3826375B2 - ポリウレタン糸およびその製法 - Google Patents

ポリウレタン糸およびその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン糸およびその製法に関するものである。さらに詳しくは、熱セット性を有し、高い伸度と強度を有し、しかも低ヒステリシスであり、また、糸物性が経時変化しにくいポリウレタン糸およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、市販されていたポリウレタン糸は大別すると鎖伸長剤にアミンを用いるウレタンウレア糸と鎖伸長剤にジオールを用いるウレタン糸からなっていた。
【0003】
前者は全体として高い回復性を有するが、熱セット性は低いものであった。
【0004】
一方、後者は、回復性は低いが、熱セット性は優れたものであった。
【0005】
すなわち、熱セット性が高く、しかも回復性の高いポリウレタン糸は存在しなかった。
【0006】
なお、特公平7−116276号公報には、側鎖を有したポリウレタンの例が記載されているが、本発明で得られる特異な特性を有するポリウレタン糸を示唆したものではなかった。
【0007】
また、特開平8−3815号公報には、本発明の目的を示唆する記載はなかったし、またそのため特定のポリオールや鎖伸長剤を使用することを示唆していなかった。
【0008】
すなわち、熱セット性が高く、しかも回復性の高いポリウレタン糸を製造しようという思想は存在しなかったのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術では得ることができなかった熱セット性が高く、しかも回復性が高く、しかもそれらの特性が時間により変化しにくいポリウレタン糸およびその製法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリウレタン糸は前記課題を解決するため、以下の構成を有する。
【0011】
すなわち、本発明のポリウレタン糸は、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンからなる弾性糸であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤が少なくともエチレングライコールからなり、かつ、(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル数)が2.5〜6であり、高温側の融点が200〜255℃であることを特徴とするものである。
また、ポリウレタンからなる弾性糸であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤が少なくとも1,4ブタンジオールからなり、かつ、(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル数)が2.5〜6であり、高温側の融点が180〜240℃であることを特徴とするものである。
本発明のポリウレタン糸は、下のA式群、B式群、C式をともに満足する特性を有することができる。
A式群
破断伸度≧320%
破断強度≧0.5CN/D
1.1≦セット比≦1.3
15%≦応力緩和率≦32%
40%≦熱セット率≦95%
B式群
0.9≦300%応力経時変化比≦1.1
0.9≦応力緩和率経時変化比≦1.1
C式
2≦ヒステリシス比≦6
また、本発明のポリウレタン糸の前者は、次の製法により製造することができる。
【0012】
すなわち、溶質として、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンを含む紡糸溶液を乾式紡糸してポリウレタン弾性糸を製造する方法であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤がエチレングライコールであり、ポリウレタン中の(ジフェニルメタンジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル)が2.5〜6であり、ポリウレタンの軟化点が180〜220℃、高温側の融点が200℃〜255℃、数平均分子量が4万〜15万であり、紡糸溶液中の溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、及びn−メチルピロリドンのうちのいずれか1種もしくはその混合液であり、かつ、紡糸溶液の濃度が30〜90%であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明のポリウレタン糸の後者は、次の製法により製造することができる。
【0014】
すなわち、溶質として、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンを含む紡糸溶液を乾式紡糸してポリウレタン弾性糸を製造する方法であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤が1,4ブタンジオールであり、ポリウレタン中の(ジフェニルメタンジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル)が2.5〜6であり、ポリウレタンの軟化点が160〜200℃、高温側の融点が180℃〜250℃、数平均分子量が4万〜15万であり、紡糸溶液中の溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、及びn−メチルピロリドンのうちのいずれか1種もしくはその混合液であり、かつ、紡糸溶液の濃度が30〜90%であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明について、さらに詳細に述べる。
【0017】
まず、本発明のポリウレタン糸の特性について述べる。本発明にかかるポリウレタン糸は下記の特性を有することができる
【0019】
破断伸度は320%以上、破断強度は0.5CN/D以上とするものである。ポリウレタン糸が広く多方面に使用されるためには、破断伸度は320%以上とするものである。そして、破断伸度は400%以上であるのが特に好ましい。400%以上になるとその用途は、殆ど制限を受けなくなる。
【0020】
次に破断強度は0.5CN/D以上とするものである。破断強度が0.5CN/D以上あると、ナイロン、ポリエステル等の糸を弾性糸に巻いた加工糸を用いた衣料や、またポリウレタンベア糸使いにおいても、ポリウレタンのみが切れるコア切れ等と呼ばれる弾性糸のみが切れてしまうことにより生じる製品の劣化を少なくすることができる。
【0021】
また、0.5CN/D以上であると工程通過性もよい。破断強度は0.8CN/D以上であると特に好ましい。
【0022】
次に、セット比は、1.1以上、1.3以下とするものである。セット比は、高次加工性と、実用における着圧とフィット感に関係する因子である。かかる範囲のものから作られた糸からは、高い高次加工性と適度な着圧とフィット感を有する生地を作ることができる。
【0023】
そして、セット比は、1.1〜1.25の範囲にあると好ましい。
【0024】
応力緩和率は、15%以上、32%以下とするものである。
【0025】
セット比と同様の理由から特に好ましい応力緩和率は15〜29%の範囲である。
【0026】
熱セット率は40%以上、95%以下とするものである。熱セット率は高い方が所望の衣服形態にできるので好ましい。そして、特に好ましい熱セット率は50%以上、95%以下である。かかる範囲の値になると、例えば衣服のデザインも容易になるし、また良好な形態とすることもできるのである。
【0027】
次に、本発明のポリウレタン糸は経時変化が少ないものである。
【0028】
つまり、下記の特性値が紡糸直後と3か月後で大差ないものである。
【0029】
300%応力経時変化比=(紡糸3ヶ月後の糸の300%伸長を5回繰り返した時の300%伸長時の応力)/(紡糸直後糸の糸の300%伸長を5回繰り返した時の300%
伸長時の応力)
応力緩和率経時変化比=(紡糸3ヶ月後糸の応力緩和率)/(紡糸直後糸の
応力緩和率)
これらの特性値がいずれも、0.9〜1.1の範囲にあるものである。
【0030】
糸物性が経時変化すると、在庫管理やその後の高次加工の管理が厄介になるが、本発明の糸はかかることがないので、品質面からは、生地に段や色差を生ずることが少なくなる利点があるのである。このため在庫管理、高次工程管理が容易となるし、また、そのために要する倉庫費、金利、人件費などの削減も可能となるのである。
【0031】
そして、特に好ましいのは、これらの変化比が、0.94〜1.06の範囲に収まることである。糸物性の変化率がかかる範囲に収まると、前記したトラブルが生じる確率は大幅に低くなる。
【0032】
ここで、本発明の紡糸直後の物性とは、紡糸後48時間〜120時間に測定した糸物性をいう。
【0033】
次に、本発明における高温側の融点は、200〜255℃の範囲にあるものである。
【0034】
ここで、本発明における高温側の融点とは、繊維を細かく裁断したサンプルのDSCにおけるセカンドランの測定値である。
【0035】
高温側の融点とは、いわゆるハードセグメントの融点が該当する。高温側の融点が、かかる温度であると、本発明のポリウレタン糸やポリウレタンと併用する繊維を熱劣化することなく、ヒートセットすることが可能となるのである。
【0036】
そして、高温側の融点は、220〜250℃の範囲にあるのが好ましい。
【0037】
これにより、各種の衣服をはじめ種々の用途へ展開したとき、良好な形態と良好なフィット性が同時に発揮できるのである。
【0038】
次に、ヒステリシス比は2〜6とするものである。そして、ヒステリシス比は2〜5の範囲にあるのが好ましい。かかる糸は、ソフトなストレッチで、かつ、回復性があり、しかも熱セット性があるので、希望の形態にセットできるので、特に衣服にしたとき、良好な形態と良好なフィット性、ストレッチ性を同時に得ることができるのである。
【0039】
ここで、前記で定義した、これら特性の測定法について簡単に説明する。
【0040】
まず、強伸度、ヒステリシス関係について述べる。
【0041】
本発明において、糸のヒステリシスとは、インストロン4502型引張試験器を用い、5cmの長さの試料を50cm/minの引張速度で300%伸長することを5回繰り返した後、30秒間該長さを保持し、しかる後、伸長を回復せしめ応力が0になった時の試料の長さと伸長を行う前の長さの比をセット比という。
【0042】
また、該測定において、5回目の300%伸長時、30秒保持後の応力の減少率を応力緩和率と称する。これらの測定は、21℃、65%RHの雰囲気で実施される。
【0043】
そして、破断強度、破断伸度とは、前記の測定において、6回目に糸が破断するまで伸びを加えた時の伸びと、その時の応力を、それぞれ破断伸度、破断強度と称する。
【0044】
次にヒステリシス比とは下記の定義にかかるものである。
ヒステリシス比=(300%伸長を5回繰り返した時の1回目の200%伸長伸時の応力)/(300%伸長を5回繰り返し、そこで30秒保持し、しかる後に、歪みを除き、その回復過程におけるも
との長さに対する伸びが200%の時の応力)
次に熱セット率とは下記の定義にかかるものである。
【0045】
糸をフリーで100℃のスチームで10分間処理し、次に沸騰水で2時間、同様にフリーで処理し、1日室温で乾燥する。
【0046】
次に、該糸を計測し元の長さを特定する。次に該糸を100%伸長し、115℃のスチームで1分間処理し、さらに同伸長率で、130℃の空気中で1分間処理し、さらに1日室温で放置し、その時の長さを測定する。
【0047】
{((該処理後の長さ)−(元の長さ))/(元の長さ)}×100を熱セット率とする。
【0048】
本発明にかかるポリウレタン糸は、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンからなる弾性糸であって、このポリウレタンが下記する特定のポリウレタンであることを特徴とする。
【0049】
そのポリウレタンを構成するポリオールは、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、分子量が3000〜8000である共重合体グライコールである。そのメチル基の側鎖は、片側についてもよいし、ネオペンチルグライコールのように両側についてもよい。
【0050】
ポリオールの分子量は3000〜8000の範囲である。ポリオールの分子量が3000未満となると得られる糸の回復性が低くなり、また、伸度が出にくくなる。一方、ポリオールの分子量が8000を越えると、強度が低下したり、耐薬品性が低下する。つまり、ポリオールの分子量としては、高くても8000以下である。そして、好ましいポリオールの分子量は、3300〜4500である。かかる値のものは、力学バランスの取れたポリウレタン糸を得ることができるのである。
【0051】
そして本発明に好ましく用いられる、側鎖のついたポリオールとしては、特公平7−116276号公報に開示されているテトラヒドロフランと3ーアルキルテトラヒドロフランとの共重合ポリテトラメチレングライコール(以下、3−PTMGと称する)、PPG、特開平5−98511号公報に開示されるメチル基が側鎖についたポリエステルグライコール、特許第506713号公報に開示されているメチル基が側鎖についたポリカーボネートグライコール、また、特開平5−32775号公報に開示されているネオペンチルオキサイドを構造に含むポリエーテル系グライコールなどはその代表的なものである。
【0052】
そして、かかる側鎖は、メチル基である。メチル基を側鎖としてもつポリオールからなるポリウレタン糸は、高い強度を有し、かつ高い回復性を有するなど、良好な物性を示すのである。
【0053】
そして、かかるポリオールのなかでも、特に好ましいものは、メチル基が側鎖として3〜35モル%有する3−PTMG、または、ポリテトラメチレングライコール(以下、PTMGと称する)と上記3−PTMGとの混合物である。かかるポリオールを用いると、低温においても特に回復性が高く、かつ強度も高いポリウレタン糸を得ることができるのである。
【0054】
次に、本発明のポリオールは、1種類である必要はなく、2種類以上であっても何らかまわない。そして、ポリオールを2種類以上用いる際、すべてのポリオールが側鎖を有する必要はない。
【0055】
そして、側鎖がポリオールの構成単位に対して5〜35モル%存在することである。側鎖の比率がかかる範囲になると特に、回復性が優れ、高伸度、高強度で、かつ熱セット性の高いものとすることができる。
【0056】
次に本発明で用いるジイソシアネートは少なくともジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと称する)からなる。MDIは得られるポリウレタン糸に高い耐熱性、高い耐薬品性を付与でき、また高い強伸度を付与することができるという大きな利点がある。なお、当然のことではあるが、本発明の効果を損なわない範囲で他のジイソシアネートなどを併用しても差し支えない。
【0057】
本発明で用いるジオール系鎖伸長剤は、少なくとも、エチレングライコール(以下、EGと称する)および/または1,4ブタンジオール(以下、BGと称する)からなる。
【0058】
EGを用いるとポリウレタン糸に高い耐熱性、高い耐薬品性を付与することができ、さらに高い強伸度を付与することができるという利点がある。
【0059】
また、BGを用いると同様に特性の良好なポリウレタン糸を得ることができる。
【0060】
なお、当然のことではあるが、本発明の効果を損なわない範囲で他のグライコールなどを併用しても差し支えない。
【0061】
本発明のポリウレタン糸の主構成物は前記したものからなるが、本発明の効果を損なわない範囲でグリセリンなどをはじめとする多官能アルコールなどが構成要素となっても何らかまわない。
【0062】
本発明のポリウレタン糸は前記したものから主に構成されるのであるが、その好ましい構成比率を下記に示す。
【0063】
すなわち、高い軟化点を有し、かつ高い回復性を発揮し、かつ熱セット性に優れ、強度、伸度も高くする観点から、本発明においては(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル数)(以下、付加比率と称する)=2.5〜6とする。
【0064】
そして、付加比率=3〜4とするのがより好ましい。
【0065】
本発明のポリウレタン糸の数平均分子量は4万〜15万の範囲にあることが好ましい。この範囲にあると、耐久性や強度の高い糸を得ることができる。
【0066】
なお、本発明における分子量はGPCで測定しており、ポリスチレンにより換算している。
【0067】
次に、本発明のポリウレタン糸の断面は円形であっても扁平であっても何らかまわない。
【0068】
また、繊度も特に限定されるものではなく、任意のものがとれる。
【0069】
また、一本の繊維からなる糸であっても、さらには2本以上の繊維が合着したものであってもよい。
【0070】
本発明のポリウレタン糸は各種安定剤や顔料などを含有していても何ら問題はない。例えば耐光、耐酸化防止剤などとしていわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザーGA−80”などをはじめとするヒンダードフェノール系薬剤、各種の“チヌビン”などをはじめとするベンゾトリアゾール系薬剤、住友化学工業(株)製の“スミライザーP−16”などをはじめとするリン系薬剤、各種の“チヌビン”などをはじめとするヒンダードアミン系薬剤、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラックなどの無機顔料、モンモリナイトなどの粘土鉱物、ステアリン酸マグネシウムなどをはじめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などをはじめとする各種の帯電防止剤などが含まれたり、またポリマと反応していても何らかまわない。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば、日本ヒドラジン(株)製の“HN−150”、熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミライザーGA−80”、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミゾブ300#622”などを使用することは有効である。
【0071】
次に本発明のポリウレタン糸の製法について説明する。
【0072】
本発明においては、下記の特定のポリウレタン溶液を乾式紡糸するものである。
【0073】
すなわち、溶質として、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンを含む紡糸溶液を乾式紡糸してポリウレタン弾性糸を製造する方法であって、ポリオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は3000〜8000であり、ジイソシアネートは少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は少なくともエチレングライコールからなり、かつ、付加比率が2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が180〜220℃であり、高温側の融点が200℃〜255℃、数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒は下記のいずれかまたはその混合液であり、その濃度は30〜90%である。
【0074】
溶媒:ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリドン
または、溶質であるポリウレタンが、ポリオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は3000〜8000であり、ジイソシアネートは少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は1,4ブタンジオールからなり、かつ、付加比率が2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が160〜200℃であり、高温側の融点が180℃〜250℃、数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒は下記のいずれかまたはその混合液であり、その濃度は30〜90%である溶液を、乾式紡糸するものである。
【0075】
溶媒:ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリドン
本発明において、該ポリウレタン溶液の製法は特に限定されるものではなく任意の方法を採用することができる。
【0076】
例えば、溶質を溶融重合し、それを溶媒に溶解してもよい。また、溶媒中でポリウレタンを重合してもよい。そして、本発明で特に好ましいのは、溶媒中でポリウレタンを重合する方法である。いわゆる溶液重合法で作られたポリウレタン溶液はゲルなどの不純物が少なく良好な糸となることはもとより、紡糸が容易であるという大きな利点を有する。
【0077】
また、細い糸を紡糸するのにも都合がよい。
【0078】
次にかかるポリウレタンの重合法は大別するとワンショット法と、プレポリマー法があるが、双方とも特に限定されず使用可能である。
【0079】
また、ポリオールとして、ポリプロピロレングリコールのように2級アルコールを使用する場合などのように、触媒の使用が有効なこともある。
【0080】
そして、ポリウレタンの好ましい代表的な触媒としては、アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合物などがあり、その一例としては下記のものがある。
【0081】
アミン系触媒としては例えば、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N´,N´-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´-テトラメチル-1,3- プロパンジアミン、N,N,N´,N´-テトラメチルヘキサンジアミン、ビス-2- ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N´,N´,N´- ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N´- ジメチルピペラジン、N-メチル-N´-ジメチルアミノエチル- ピペラジン、N-(2- ジメチルアミノエチル) モルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N,N´- トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N-メチル-N´-(2- ヒドロキシエチル) ピペラジン、2,4,6-トリス( ジメチルアミノメチル) フェノール、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。また、有機金属触媒としてはオクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。
【0082】
なお、これらはポリオールが1級アルコールからなる場合にも当然使用可能である。
【0083】
本発明のポリウレタンの軟化点は160〜220℃であり、高温側の融点が180℃〜255℃であるものとする。
【0084】
本発明の軟化点とは、ポリウレタン溶液をフイルムに成型し、120℃で乾燥させたものをTMAを用い測定したものを称する。
【0085】
そして、特に好ましい軟化点は170〜220℃である。かかる軟化温度のポリウレタン糸は高いヒートセット性を発揮し、各種の衣服をはじめ種々の用途へ展開できるのである。
【0086】
かかるポリウレタンを作るには、事前にテストして組成を決めることが大切である。
【0087】
また、本発明のポリウレタンの数平均分子量は4万〜15万である。これらの測定法は前記したとおりである。
【0088】
そして、該分子量のポリウレタンを作る方法も特に限定されるものではなく、任意の方法で作ることは可能である。
【0089】
例えば、重合の最初から末端封鎖剤をいれておく方法、さらには、重合の最後に末端封鎖剤を添加し、分子量をコントロールする方法などがよく知られた方法である。末端封鎖剤としては、モノアミンやモノアルコールなどが好ましく使用され、本発明においても好ましく使用され得る。
【0090】
そして、本発明のポリウレタン溶液の濃度を30〜90%とし、乾式紡糸する。なお、高濃度の場合は、適宜、溶液粘度を適正化することが必要になる。このときは、溶液温度を高温にすることが通常使われる。
【0091】
次に溶媒は、DMAC、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリドン単独、またはこれらの混合物が好ましく使用される。なお、本発明の効果を妨げない範囲で、他の溶剤が併用されていても何ら構わない。そして、これら溶媒の中で、特に好ましいものとしては、DMACである。DMACを使用すると安定した溶液が得られるのである。
【0092】
次に、本発明に使用されるポリウレタン溶液にはポリウレタンの耐光安定剤などをはじめ前記したような各種の添加剤、粘度安定剤などが添加されていてもよいことは言うまでもない。
【0093】
これらの添加方法も特に限定されず、スタティックミキサー方式など任意の方法を採用することができる。
【0094】
そして、本発明においては、かかる溶液を乾式紡糸する。紡糸の際、ゴデローラーと巻取機の速度比は糸にした際の伸度および強力を従来の糸と同等もしくはそれ以上にすることのできる1.1〜1.55の間とすることが好ましい。
【0095】
【実施例】
本発明を実施例によって更に詳しく説明する。ただし、本発明がこれら実施例によって限定されるものではないことは、言うまでもないことである。
(実施例1)
テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5のモル比で共重合した分子量が3500の3−PTMGを1050g、MDIを252g、EGを41gをそれぞれ、2010gのDMAC溶液に攪拌しながら投入した。
【0096】
次に該液を70℃に温度を上げ、約7時間攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施した。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3.36であった。
【0097】
次にヒンダードアミン系抗ガス剤およびフェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で4800ポイズであった。また、本発明の軟化点は約200℃であった。
【0098】
次に本溶液を、口金から乾燥窒素気流が流れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.25とし、毎分730mの速度で乾式紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の特性を表1に示す。
【0099】
高い回復性があり、また伸度もあり、かつ経時変化が少ない糸が得られた。
【0100】
【表1】
Figure 0003826375

(実施例2)
実施例1で用いたテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5のモル比で共重合した分子量が3500の3−PTMGを1050g、MDIを293g、EGを51gをそれぞれ、2090gのDMAC溶液に攪拌しながら投入した。
【0101】
次に該液を70℃に温度を上げ、約7時間攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施した。
【0102】
本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3.91であった。
【0103】
次にヒンダードアミン系抗ガス剤およびフェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で4900ポイズであった。また、本発明の軟化点は約208℃であった。
【0104】
次に本溶液を、口金から乾燥窒素気流が流れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.25とし、毎分730mの速度で乾式紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の特性を併せて表1に示す。
【0105】
高い回復性があり、また伸度もあり、かつ経時変化が少ない糸が得られた。
(実施例3)
実施例1で用いたテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5のモル比で共重合した分子量が4000の3−PTMGを1200g、MDIを263g、EGを46gをそれぞれ、2265gのDMAC溶液に攪拌しながら投入した。
【0106】
次に該液を70℃に温度を上げ、約7時間攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施した。
【0107】
本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3.5であった。
【0108】
次にヒンダードアミン系抗ガス剤およびフェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で4700ポイズであった。また、本発明の軟化点は約202℃であった。
【0109】
次に本溶液を、口金から乾燥窒素気流が流れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.25とし、毎分730mの速度で乾式紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の特性を併せて表1に示す。
【0110】
高い回復性があり、また伸度もあり、かつ経時変化が少ない糸が得られた。
(実施例4)
実施例1で用いたテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5のモル比で共重合した分子量が3500の3−PTMGを1050g、MDIを263g、BGを67gをそれぞれ、2070gのDMAC溶液に攪拌しながら投入した。
【0111】
次に該液を65℃に温度を上げ、約5時間攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施した。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3.5であった。
【0112】
次にヒンダードアミン系抗ガス剤およびフェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で4300ポイズであった。また、本ポリウレタンの軟化点は約175℃であった。
【0113】
次に本溶液を、口金から乾燥窒素気流が流れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.25とし、毎分650mの速度で乾式紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の特性を併せて表1に示す。
【0114】
高い回復性があり、また伸度もあり、かつ経時変化が少ない糸が得られた。
(比較例1)
分子量が約2000のPTMGを670g、MDIを252g、EGを41gをそれぞれ、1440gのDMAC溶液に攪拌しながら投入した。
【0115】
次に該液を70℃に温度を上げ、約7時間攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施した。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3であった。
【0116】
次に実施例1と同様にヒンダードアミン系抗ガス剤等を加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で4600ポイズであった。また、本ポリウレタンの軟化点は約205℃であった。
【0117】
次に本溶液を、口金から乾燥窒素気流が流れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.25とし、毎分630mの速度で乾式紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の特性を表2に示す。
【0118】
応力緩和率、ヒステリシス比が目標値をはずれるものであり、また糸特性の劣ったものであった。
【0119】
【表2】
Figure 0003826375

(比較例2)
分子量1800のPTMGとMDIを90℃、無溶媒の条件下、付加比率1.58で2時間反応させることによりNCO末端のウレタンプレポリマを得た。次にこのプレポリマを室温まで冷却後、フラスコに500g採り、1000gのDMAcに溶解した後、7.80gのエチレンジアミンと1.17gのジエチルアミンの混合液を80.7gのDMAcで希釈した溶液を加えることにより鎖伸長反応を行い、さらにヒンダードアミン系抗ガス剤およびフェノール系酸化防止剤を適量加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で2800ポイズであった。次に重合体溶液(固体分32%)を、毎分730mの速度で乾式紡糸し、20デニール/2フィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この糸の諸特性を併せて表2に示す。
(比較例3)
DMAc2385g中に実施例1で使用した3−PTMGを1225g、MDIを265g、シクロヘキサンジメタノールを100g投入し、攪拌しながら65℃に昇温し、6時間反応させ、次に10gのブタノールを投入し反応を停止した。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%であった。また、本ポリウレタンの付加比率は計算上約3であった。
【0120】
次に実施例1と同様にヒンダードアミン系抗ガス剤等を加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で4600ポイズであった。また、本ポリウレタンの軟化点は約135℃であった。
【0121】
次に本溶液を、口金から乾燥窒素気流が流れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.25とし、毎分520mの速度で乾式紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。しかし、この糸を厚紙管に巻取つたところ、糸は融着してしまい糸にならなかった。
【0122】
【発明の効果】
本発明により得られる弾性糸は熱セット性が優れ、しかも回復性が高く、また経時変化が少ない画期的なスパンデックス糸であり、これらの優れた特性を有することから、単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、例えばソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下をはじめとする各種繊維製品の締め付け材料、紙おしめなどサニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットなど、種々の用途に展開可能である。

Claims (8)

  1. ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンからなる弾性糸であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤が少なくともエチレングライコールからなり、かつ、(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル)が2.5〜6であり、高温側の融点が200〜255℃であることを特徴とするポリウレタン糸。
  2. ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンからなる弾性糸であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤が少なくとも1,4ブタンジオールからなり、かつ、(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル)が2.5〜6であり、高温側の融点が180〜240℃であることを特徴とするポリウレタン糸。
  3. ポリウレタンにおける(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル)が3〜4であり、ポリウレタンの数平均分子量が4万〜15万であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタン糸。
  4. 共重合体グライコールが、3ーメチルテトラヒドロキシフランを5〜35モル%共重合した共重合ポリテトラメチレングライコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン糸。
  5. ポリオールの分子量が3300〜4500であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン糸。
  6. 溶質として、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンを含む紡糸溶液を乾式紡糸してポリウレタン弾性糸を製造する方法であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤がエチレングライコールであり、ポリウレタン中の(ジフェニルメタンジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモル)が2.5〜6であり、ポリウレタンの軟化点が180〜220℃、高温側の融点が200℃〜255℃、数平均分子量が4万〜15万であり、紡糸溶液中の溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、及びn−メチルピロリドンのうちのいずれか1種もしくはその混合液であり、かつ、紡糸溶液の濃度が30〜90%であることを特徴とするポリウレタン糸の製法。
  7. 溶質として、ポリオール、ジイソシアネート及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリウレタンを含む紡糸溶液を乾式紡糸してポリウレタン弾性糸を製造する方法であって、ポリオールが、少なくとも一部にメチル基を側鎖として5〜35モル%有し、かつ、ポリオールの分子量が3000〜8000である共重合体グライコールであり、ジイソシアネートが少なくともジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤が1,4ブタンジオールであり、ポリウレタン中の(ジフェニルメタンジイソシアネートのモル数)/ポリオールのモル)が2.5〜6であり、ポリウレタンの軟化点が160〜200℃、高温側の融点が180℃〜250℃、数平均分子量が4万〜15万であり、紡糸溶液中の溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、及びn−メチルピロリドンのうちのいずれか1種もしくはその混合液であり、かつ、紡糸溶液の濃度が30〜90%であることを特徴とするポリウレタン糸の製法。
  8. ジメチルアセトアミド中で重合せしめたポリウレタン溶液を口金から気体中に吐出せしめ、乾燥し、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.1〜1.55として巻き取ることを特徴とする請求項6または7に記載のポリウレタン糸の製法。
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