JPH09131038A - ポンプモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、位置検出精度の向上、位置検出素
子の取付け強度の向上、部品数の削減および組立性の向
上を図るようにする。 【解決手段】 固定子２１は、固定子鉄心２２と、固定
子巻線２３と、これらを樹脂モールドした固定子モール
ド部２４とから構成されている。回転子３１は回転軸３
２にロータヨーク３３および永久磁石３４を回転子モー
ルド部３５により取り付けている。この回転子モールド
部３５の上部にインペラ部３６が形成されている。固定
子２１には電装室２６の上面から上方へ凹となるほぼ矩
形状の位置決め凹部３７が形成されている。位置検出素
子４０は位置決め凹部３７に嵌合されて位置決めされて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、位置検出素子を備
えたブラシレスモータからなるポンプモータに関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】図７に従来のポンプモ
ータの一例を示している。モータフレーム１の内周面に
は、固定子鉄心２および固定子巻線３からなる固定子４
が配設されており、これの上部には、内部にポンプ室５
を形成したポンプケース部６が取着されている。さら
に、モータフレーム１の内部には上記固定子４の下方部
に位置して回路基板７が配設されている。そして、固定
子４の内周面側には、防水隔壁８が配設されている。

【０００３】また、回転子９は回転軸９ａにロータヨー
ク１０および永久磁石１１を樹脂モールドして構成され
ており、このモールド部１２には、前記ポンプ室５に位
置するインペラ部１３が形成されている。前記回路基板
７には、回転子９の回転位置を検出する位置検出素子１
４が実装されており、これは保持具１５に支えられてい
て、前記永久磁石１１に対向している。このような構成
のポンプモータは、ブラシレスモータである。前記ポン
プケース部６には、吸入口６ａおよび吐出口６ｂが形成
されており、回転子８が回転されることでインペラ部１
３が回転されると、流体例えば水が吸入口６ａから吸入
されて吐出口６ｂから吐出される。

【０００４】ところで、上記従来構成では、位置検出素
子１４が回路基板７に取り付けられているため、永久磁
石１１に対する該位置検出素子１４の位置がばらついて
しまい、位置検出精度が低下する。このため、上述した
ように、保持具１５を設けて、位置検出素子１４を支え
るようにしているが、この保持具１５も回路基板７に取
り付けられているから、この保持具１５自体も永久磁石
１１に対して位置のばらつきがあり、総じて、位置検出
精度がやはり悪い。しかも、部品数も多く組立性も悪
い。さらにこれら位置検出素子１４および保持具１５と
も回路基板７に立設状態であるため、取り付け強度が弱
いという問題もある。また、上記従来構成では、ポンプ
室５に流入した水が固定子４を濡らすことがないように
上述の防水隔壁８が設けられているが、これによって
も、部品数が多くなり、さらに組立性が悪くなる。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、位置検出精度の向上を図ることがで
きると共に、位置検出素子の取付け強度を高めることが
でき、さらには、部品数の削減および組立性の向上を図
ることができるポンプモータを提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、固定子鉄心お
よびこの固定子鉄心に設けられた固定子巻線を有すると
共に、これら固定子鉄心および固定子巻線を樹脂モール
ドした固定子モールド部を有してなる固定子と、永久磁
石を有すると共にこの永久磁石部分を樹脂モールドした
回転子モールド部を有してなり、前記固定子と微小隙間
を存して対向する回転子と、内部にポンプ室を形成した
ポンプケース部と、前記回転子に設けられて前記ポンプ
室内に位置するインペラ部と、前記固定子モールド部の
前記永久磁石部に対向する位置に前記微小隙間を連通し
ないように形成された位置決め凹部と、この位置決め凹
部に嵌合されて位置決めされた位置検出素子とを含んで
構成されている。

【０００７】上記手段によれば、固定子鉄心および固定
子巻線を樹脂モールドした固定子モールド部により固定
子自体の防水が図られるから、防水隔壁が不要で、部品
数の削減および組立性の向上を図ることができる。そし
て、この固定子モールド部に位置決め凹部を形成し、こ
の位置決め凹部に位置検出素子を嵌合して位置決めして
いるから、位置検出素子が固定子に正確に位置決めされ
ることになり、この固定子は回転子と正確な位置関係で
あることから、結局、位置検出素子は、回転子の永久磁
石と正確に位置決めされることになり、位置検出精度が
向上し、しかも、固定子に支えられる形態となるから、
取付け強度が高くなる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１の実施例につ
き図１ないし図３を参照しながら説明する。まず、固定
子２１について述べる。固定子２１は、固定子鉄心２２
に３相の固定子巻線２３を施し、これら固定子鉄心２２
に固定子巻線２３を樹脂モールドして構成されている。
上記樹脂モールド部により固定子モールド部２４が形成
されており、これの中心部には回転子配置用空間部２５
が形成され、その底部中心部には軸受凹部２５ａが形成
されている。また、下部には電装室２６が形成されてい
る。

【０００９】さらに、固定子モールド部２４の上部に
は、ポンプケース部２７がねじ止めされて水密に取り付
けられており、このポンプケース部２７に内部には前記
回転子配置用空間部２５と連通するポンプ室２８が形成
され、さらに、上部には吸入口２７ａが、また側部には
吐出口２７ｂが形成されている。さらにまた、内部中心
部には支持片部２９を介して軸受部３０が形成されてい
る。

【００１０】回転子３１は回転軸３２にロータヨーク３
３および永久磁石３４を樹脂モールドにより取り付けて
構成されており、この樹脂モールド部により回転子モー
ルド部３５が形成されている。そして、この回転子モー
ルド部３５の上部にインペラ部３６が形成されている。
この回転子３１は、回転軸３２の下端部および上端部が
前記軸受凹部２５ａおよび軸受部３０に支承されて回転
自在に設けられており、この場合、回転子配置用空間部
２５に回転子モールド部３５における永久磁石３４部分
が微小隙間Ｇを存して配置され、また、ポンプ室２８内
に前記インペラ部３６が配置されている。

【００１１】さて、前記固定子２１には、電装室２６の
上面から上方へ凹となるほぼ矩形状の位置決め凹部３７
が３つ形成されており、各位置決め凹部３７は所定角度
（この場合機械角で６０°）離れていて、それぞれ上記
微小隙間Ｇとは連通していない。この位置決め凹部３７
の上端部は前記回転子３１の永久磁石３４の側面に対応
している。また、回転子配置用空間部２５の内面には、
各位置決め凹部３７の各間に位置し、且つ前記微小隙間
Ｇひいてはポンプ室２８に連通する冷却凹部３８が形成
されている。

【００１２】一方、電装室２６の上面には、回路基板３
９が取り付けられており、これには３個の位置検出素子
４０が立設状態に実装されている。各位置検出素子４０
は、前記位置決め凹部３７に嵌合されて位置決めされて
おり、この状態で前記永久磁石３４の側面に対応してい
る。

【００１３】上記構成のポンプモータは、ブラシレスモ
ータであり、３相の固定子巻線２３が位置検出素子４０
による位置検出信号に基づいて適宜タイミングで通断電
されることにより、回転子３１が回転され、これにより
インペラ部３６が回転して、流体例えば水を吸入口２７
ａから吸入して吐出口２７ｂから吐出する。このとき、
水の一部は微小隙間Ｇにを経て冷却凹部３８に流入し、
これにて位置検出素子４０が冷却される。

【００１４】上述した本実施例によれば、固定子鉄心２
２および固定子巻線２３を樹脂モールドした固定子モー
ルド部２４により、固定子２１自体の防水を図るから、
従来の防水隔壁が不要で、部品数の削減および組立性の
向上を図ることができる。そして、この固定子モールド
部２４に位置決め凹部３７を形成し、この位置決め凹部
３７に位置検出素子４０を嵌合して位置決めしているか
ら、位置検出素子４０が固定子２１に正確に位置決めさ
れることになり、この固定子２１は回転子３１と正確な
位置関係であることから、結局、位置検出素子４０は、
回転子３１の永久磁石３４と正確に位置決めされること
になり、位置検出精度が向上し、しかも、固定子２１に
支えられる形態となるから、取付け強度が高くなる。

【００１５】さらに、本実施例によれば、固定子モール
ド部２４に、位置決め凹部３７に隣接し且つ微小隙間Ｇ
を介してポンプ室２８に連通する冷却凹部３８を形成し
たから、モータ運転時に発熱があっても位置検出素子４
０がほぼ一定温度状態に保たれ、これにより、位置検出
素子４０の検出精度が常に安定する。

【００１６】図４および図５は本発明の第２の実施例を
示しており、この実施例においては、次の点が第１の実
施例と異なる。すなわち位置決め凹部４１は、位置検出
素子４０の後ろ側に補助ヨーク収容用のスペース４１ａ
を設けており、このスペース４１ａに、磁性材製の補助
ヨーク４２を挿入配設しており、もって、位置検出素子
４０の永久磁石３４と反対側に補助ヨーク４２を設けて
いる。この第２の実施例によれば、位置検出素子４０を
透過する磁束密度が増加し、位置検出精度がさらに向上
する。

【００１７】図６には、本発明の第３の実施例を示して
おり、この第３の実施例においては、次の点が第２の実
施例と異なる。位置決め凹部５１は、固定子モールド部
２４において永久磁石３４の下端面と対向するように形
成されており、そして、位置検出素子４０が永久磁石３
４の下端面と対向するようにしてこの位置決め凹部５１
に嵌合されて位置決めされている。この場合補助ヨーク
４２が位置検出素子４０の永久磁石３４と反対側に取り
付けられている。この実施例においても第２の実施例と
同様の効果を得ることができることに加え、固定子巻線
２３の位置をさほど考慮せずに位置決め凹部５１を形成
することができるようになり、製造性が良くなる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、次の効果を得ることができる。請求項１の発明によ
れば、固定子鉄心および固定子巻線を樹脂モールドした
固定子モールド部により固定子自体の防水を図るから、
防水隔壁が不要で、部品数の削減および組立性の向上を
図ることができる。そして、この固定子モールド部に位
置決め凹部を形成し、この位置決め凹部に位置検出素子
を嵌合して位置決めしているから、位置検出素子が固定
子に正確に位置決めされることになり、この結果、位置
検出素子が回転子の永久磁石と正確に位置決めされ、位
置検出精度の向上を図ることができ、しかも、固定子に
支えられる形態となり、取付け強度を高くできる。

【００１９】請求項２の発明によれば、固定子モールド
部に、位置決め凹部に隣接し且つ微小隙間を介してポン
プ室に連通する冷却凹部を形成したから、モータ運転時
に発熱があっても位置検出素子をほぼ一定温度状態に保
つことができ、位置検出素子の検出精度の安定を図るこ
とができる。

【００２０】請求項３の発明によれば、位置決め凹部に
おいて位置検出素子の永久磁石と反対側に磁性材料から
なる補助ヨークを設けたから、位置検出素子を透過する
磁束密度が増加し、位置検出精度がさらに向上する。

【００２１】請求項４の発明によれば、位置決め凹部を
永久磁石の端面に対向するように形成し、位置検出素子
を永久磁石の端面に対向する状態で位置決めするように
したから、固定子巻線の位置をさほど考慮せずに位置決
め凹部を形成することが可能となり、製造性が良くな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す縦断側面図

【図２】固定子の要部の横断平面図

【図３】冷却凹部部分の破断側面図

【図４】本発明の第２の実施例を示す縦断側面図

【図５】図２相当図

【図６】本発明の第３の実施例を示す図３相当図

【図７】従来例を示す半分破断の側面図

【符号の説明】

２１は固定子、２２は固定子鉄心、２３は固定子巻線、
２４は固定子モールド部、２７はポンプケース部、２８
はポンプ室、３１は回転子、３３はロータヨーク、３４
は永久磁石、３５は回転子モールド部、３６はインペラ
部、３７は位置決め凹部、３８は冷却凹部、４０は位置
検出素子、４１は位置決め凹部、４２は補助ヨーク、５
１は位置決め凹部を示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定子鉄心およびこの固定子鉄心に設け
   られた固定子巻線を有すると共に、これら固定子鉄心お
   よび固定子巻線を樹脂モールドした固定子モールド部を
   有してなる固定子と、 永久磁石を有すると共にこの永久磁石部分を樹脂モール
   ドした回転子モールド部を有してなり、前記固定子と微
   小隙間を存して対向する回転子と、 内部にポンプ室を形成したポンプケース部と、 前記回転子に設けられて前記ポンプ室内に位置するイン
   ペラ部と、 前記固定子モールド部の前記永久磁石部に対向する位置
   に前記微小隙間と連通しないように形成された位置決め
   凹部と、 この位置決め凹部に嵌合されて位置決めされた位置検出
   素子とを具備してなるポンプモータ。
2. 【請求項２】 微小隙間はポンプ室に連通し、固定子モ
   ールド部には、位置決め凹部に隣接し且つこの微小隙間
   を介してポンプ室に連通する冷却凹部が形成されている
   ことを特徴とする請求項１記載のポンプモータ。
3. 【請求項３】 位置決め凹部には位置検出素子の永久磁
   石と反対側に磁性材料からなる補助ヨークが設けられて
   いることを特徴とする請求項１記載のポンプモータ。
4. 【請求項４】 位置決め凹部を永久磁石の端面に対向す
   るように形成し、位置検出素子を永久磁石の端面に対向
   する状態で位置決めしていることを特徴とする請求項１
   記載のポンプモータ。