JP2903257B2 - セルロース系嵩高性シート - Google Patents

セルロース系嵩高性シート

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は壁材、天井材等の建築材料、車両、家具、装
飾品類、材、包装材、吸収材などに用いられる加工
性、装飾性、機能性に優れリサイクル又は廃棄処理容易
なセルロース系嵩高性シートに関するものである。
〔従来技術とその問題点〕
パルプを主体とする嵩高性マツト及びシートとして
は、従来解繊されたパルプを積層し、バインダーで接着
する乾式法による不織布、或はこれらの片面もしくは両
面にレーヨンなどの長繊維を付加したもの、又は熱溶融
性繊維又は粉体をパルプ繊維と混合し加熱融着させシー
トを形成させたものがある。
これらは嵩高性は大であるがパルプ繊維をそのまま使
用しているため水と接触した場合嵩高性は失われ再乾燥
しても復元性に乏しい。エンボス加工をほどこしたマツ
ト及びシートとしては、発泡剤を加えた塩化ビニル樹脂
コンパウンドを加熱発泡エンボス加工して製造したシー
トが壁紙などに使用されているがセルロース系主体のも
のはない。該シートは塩化ビニル樹脂を主体とするもの
で、吸湿性が全くなく、建築材料として使用する場合、
湿度調整機能がなく結露性であり、燃焼時には発煙量が
極めて大で且つハロゲン系化合物のガスが多量に発生す
ることが火災時の安全対策上問題となつている。
パルプに架橋剤を反応させて嵩高性とする技術は知ら
れており嵩高性不織布の可能性は推測されているが、こ
のようにして嵩高性を大とすれば架橋後の解繊時に短繊
維化することと、架橋反応による水酸基の減少による水
素結合量の低下、又嵩高性のため接着点が少いなどの理
由からそのままシート化したものは嵩高性は優れていて
もシート強度が著しく低く成形性もなく実用的なレンズ
には至らない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、公知技術の以上の問題点を解決すべく
鋭意研究を行つた。その結果、架橋パルプに一定量のパ
ルプと熱融着性繊維を混合し、抄造して得られるセルロ
ース系嵩高性シートが上述の技術問題を解決しうること
を知つて本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明は上記目的を
達成するものでその要旨は以下の通りである。
(1)架橋パルプとパルプ及び熱融着性繊維を混合し抄
造してなるセルロース系嵩高性シート。
(2)架橋パルプはフイブリル化したパルプを架橋して
製造したものである前記第(1)項記載のセルロース系
嵩高性シート。
(3)熱融着性繊維として融点の異る2種類以上の熱可
塑性ポリマーを複合溶融紡糸してなる複合熱融着性繊維
を使用する前記第(1)項記載のセルロース系嵩高性シ
ート。
(4)架橋パルプは架橋剤をパルプに反応させる際に繊
維の柔軟剤を共存させて製造したものである前記第
(1)項記載のセルロース系嵩高性シート。
本発明のセルロース系嵩高性シートはパルプに架橋剤
を反応させて嵩高性とした架橋パルプと熱融着性繊維を
混抄することに加えてパルプそのものを混合使用するこ
とにより嵩高性と共に強度を保持し、又コスト的にも費
用を要する架橋パルプの1部又は多くの部分をパルプに
かえて使用することにより必要な強度を保ち、コスト的
にも妙味のある嵩高性シートが得られる。これはパルプ
の有する水素結合が働いてシート強度を向上させること
が考えられる。しかしパルプの混合率を増やすと強度は
上るが嵩高性は低下する。架橋剤を多く反応させたもの
はパルプの混合率を増やしても嵩高性はある程度保つこ
とができる。本発明におけるパルプの混合率は5%以上
で効果が見られ85%以下が有効である。
一般に通常の紙はパルプをビーターやリフアイナーに
よつて叩解を行い抄紙、製造されるが、叩解によつてパ
ルプ表面にフイブリル化即ちパルプ繊維表面に枝分かれ
した微細な繊維が生じる。これが抄紙時に相互にからみ
合い製造する紙の引張強度他の向上、物性の改質をもた
らす。
本発明における架橋パルプは好ましくは上述のフイブ
リル化操作を行つたパルプに架橋剤を反応させ、これを
水中で解繊して製造することにより嵩高性が極めて優れ
たパルプとなり、これを用いて抄造したシートの引張強
度も大きく向上する。これはパルプ繊維の表面に分枝生
成、ブラツシ状化したフイブリル、ミクロフイブリルが
架橋反応により捲縮状態で固定化されより嵩高性のもの
となると思われる。抄紙時にはこれらが相互にからみ合
い引張強度を上げると思われる。
本発明に係る嵩高性のパルプと混合して使用されるパ
ルプも好ましくはフイブリル化されたものを使用すれば
一層の強度アツプとなり、嵩高性シートの欠点である強
度低下をやわらげて実用性の高いものとする。
本発明に係る熱融着性繊維とは熱可塑性繊維の内、軟
化点が150℃以下、物によつては100℃以下の低いポリマ
ーの繊維で加熱により溶融し接着強度を上げ、熱圧着す
ることにより容易にヒートシール又はエンボス加工が可
能な繊維をいう。
その具体例としては、エチレン−酢ビ共重合繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維などを挙げることがで
き、特に製紙用として開発されたフイブリル化されたポ
リエチレン系低融点合成パルプなどが好ましい。
更に好ましいものとしては融点の異る2種類以上のポ
リマーで複合化された複合熱融着性繊維である。
該複合熱融着性繊維を配合する場合、本発明のシート
のエンボス加工、ヒートシールなどの成形加工は加熱温
度を該繊維中の高融点ポリマーの軟化点より低いが低融
点ポリマーの軟化点より高い温度で成形加工をほどこ
す。
例としてエンボス加工について云えば、このことによ
り加熱加工時に低融点ポリマー繊維が溶解し、複合熱融
着性繊維が相互に固着しエンボス加工が行われる。高融
点ポリマー繊維は形状が変らずシート自体の強度保持に
寄与しエンボス加工時に加熱されない部分は、嵩高性パ
ルプにより嵩高性が保たれるので嵩高性で且エンボス加
工された強固で装飾性に優れた本発明のセルロース系嵩
高性シートを保つことができる。
本発明のシートにおいて複合熱融着性繊維の比率が少
なければエンボス加工がされにくくエンボス加工された
シート自体の強度も落ちてくる。混合比率が多くなれば
嵩高性パルプの特徴が失われる。
従つて、複合熱融着性繊維の混合比率は重量比で5%
以上必要で50重量%程度までの範囲が好ましい。逆に熱
融着性繊維を多くして吸湿性や風あいなどをコントロー
ルすることもできる。
複合熱融着性繊維中の低融点ポリマーの融点が高い場
合にはエンボス加工温度を高くする必要があり、パルプ
繊維の劣化をおこし易いので該融点は低いほどよく200
℃以下で好ましくは180℃以下80℃以上である。
融点の異る2種類以上のポリマーを組み合わせた複合
熱融着性繊維としてはその組み合わせるポリマー及び該
繊維の製法については数多くあり、それらは本発明の対
象繊維として使用できる。
その具体例としては第1にポリプロピレン/ポリエチ
レン複合繊維(商品名:チツソポリプロES繊維)があり
低融点成分の融点がいずれも135℃以下であり100℃以下
のものもありかかる目的には特に望ましいものである。
そのほかにポリエステル/低融点ポリエステル、ポリ
エステル/低融点ポリエチレン、ポリプロピレン/低融
点エチレン−酢ビコポリマー、ナイロン66/ナイロン
6、ナイロン6/ポリエチレン、ポリエステル/ナイロン
6などがあり同様に使用できる。
架橋反応によりパルプに嵩高性を与えるものとして
は、分子内にセルロースと反応する2ケ以上の官能基を
有するもので、これらはセルロース分子内又は分子間架
橋によりパルプの形状を捲縮状態に固定化させるため嵩
高性となり、寸法安定性の優れたものとなる。
架橋剤の化学構造は官能基間に少なくとも2ケ以上の
原子を有するものでメチロール、アルコキシメチル、ア
ルデヒド、イソシアネート、エポキシ、ビニルカルボン
酸、酸無水物その他セルロースのヒドロキシル基と反応
するものを複数個有する。
又、エピクロルヒドリンのような含ハロゲン化合物に
ついては苛性ソーダなどのアルカリを用いることにより
効果的に架橋させ使用することができる。
更に好ましくは架橋性官能基間に環状構造を有するも
のである。特に架橋性官能基としてN−メチルロール基
を有する化合物は反応性に富み好ましい。又これらの安
定化又は/及び反応性のコントロールのためにアルコキ
シ化したN−アルコキシメチル化合物も同様である。具
体例としては次のものがあげられる。
ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールジヒドロキ
シエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチ
ロールウロン、(テトラ、トリ、ジ)メチロールアセチ
レンジ尿素、(テトラ、トリ、ジ)メチロールメラミン
などである。
これらのN−メチロール化合物を使用した場合製品を
高温での処理、pHが中性以外での処理などで微量のホル
マリンが生成する。この対策としてホルマリン捕捉剤の
使用などで遊離のホルマリンを抑制する方法がある。
又、非ホルマリン系の架橋剤を使用することによつて
解決できる。このようなものとしては、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリグリ
シジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
トなどのエポキシ化合物、ジヒドロキシエチレン尿素及
び1,3ジメチル誘導体などが有効である。
これらの架橋剤の使用量はパルプに対して2重量%以
上反応させたものが有効で50%以内が好ましい。
フイブリル化操作を行つたパルプを用いて架橋反応を
行つたものはこれを水中で解繊するのは特に困難であ
る。すなわち、パルプ繊維自体及びパルプ繊維上に分枝
生成したフイブリルが架橋により硬くなり、衝撃により
破砕され易くなる。又、繊維同志のからみ合いもあり、
短繊維化され易くなる。
本発明は、かかる問題点を解決するために好ましくは
架橋剤をパルプに反応させる際に繊維の柔軟剤を共存さ
せて、架橋パルプを製造することが特徴の一つである。
本発明における繊維の柔軟剤としては、通常繊維工業
において使用されている柔軟剤及び柔軟仕上剤、平滑剤
などが使用できる。これらは繊維表面の摩擦抵抗を下げ
滑り易くすることで解繊を容易とし、かつ、生成物が架
橋構造をとるので本来は硬いものとなるがこれをやわら
げしなやかなものとする。
又、家庭用として市販されている、洗濯時に使用され
ている柔軟仕上剤も有効である。
これらの柔軟剤としては、カチオン系、アニオン系、
両性、ノニオン系があり、又これらを組み合わせて使用
することができる。好ましいものとしてはカチオン系が
ある。パルプ繊維は水中でマイナスに帯電しているた
め、カチオン系のものは吸着しやすく少量で効果を発揮
する。
これらは単独で乳化又は樹脂及び非イオン系基材など
を加えて乳化して使用できる。
カチオン系のものとして第4級アンモニウム塩系、ア
ミン系、アミド系があり、 第4級アンモニウム塩の例としては、 アミン系としては、 アミド系としては、 などがある。
生成シートを吸水性に富むものとしたい場合はアニオ
ン系の柔軟剤を使用して目的を達することができる。
本発明における柔軟剤の使用量は0.1%以下の付着で
十分効果が得られる。通常0.05%以下の付着量で使用で
きるので解繊し抄紙する場合排水上COD又はBOD負荷が軽
いものとなり好ましい。
本発明における架橋パルプの製造方法は、リフアイナ
ーなどによりフイブリル化したパルプを架橋剤、触媒お
よび必要に応じて繊維の柔軟剤を添加した溶液に接触さ
せた後、所定量の架橋剤が付着するようにしぼり、しか
る後乾燥し加熱、架橋反応を行わせる。
反応終了後は解繊し過乾燥して製造する。かかる方
法により、しなやかで嵩高性の極めて大きな架橋パルプ
を製造することができ、該架橋パルプは無処理のものと
比較して厚みが無荷重で8〜14倍のものが得られる。上
記方法によつて製造された本発明に係る架橋パルプはパ
ルプ、熱融着性繊維および必要に応じて熱水溶解性繊維
(バインダー繊維)のチヨツプ(注,1cm以下好ましくは
数mmの長さに切断した切断物)と共に通常の方法で抄紙
又は集積させ若干の加圧下加熱乾燥し嵩高性のシート又
はマツトを得る。パルプの混合率及び加熱時の圧力によ
つて異るが、このようにして得られたものは未架橋パル
プを使用し、同様にして得たものと比して容易に2倍以
上の嵩高性とすることができ、風あいに優れたものとな
る。ここで必要に応じて使用される熱水溶解性繊維は架
橋パルプを主体とする系の湿式法シート化が湿紙の強度
が低く困難である場合に、湿潤時の強度を上げ高速で均
質な嵩高性シートを得るために加えるものである。そし
てこれらは架橋パルプ繊維を相互に接着させるので、乾
燥時の強度を大巾に上げることができる。この湿潤時に
使用されるバインダー繊維である熱水溶解性繊維として
はポリビニルアルコール系繊維のチヨツプがある。
これらは抄紙原料に対して重量比で1%以上30%以内
で使用される。
又、生成シートの強度を上げるためには通常使用され
るポリアクリルアミド系紙力増強剤などの紙力増強剤を
用いることも極めて有効である。
本発明に係る架橋パルプ、パルプ、熱融着性繊維及び
バインダー繊維の混合物又は生成シートの性能を向上さ
せるため、上記紙力増強剤以外にも種々の添加剤が混合
使用される。その場合、該添加剤の種類又は量によつて
シートの厚みが変つてくる。かかる添加剤としては耐熱
性、耐候性、耐水性、耐炎性、柔軟性、強度の向上剤な
どの改良剤であり、それぞれ公知の改良剤を添加使用し
て性能向上の効果を発揮できる。
これらのシートの用途として、建造物、車両、船など
に使用される難燃性を要する材料を製造する場合には、
抄造時に不溶性の難燃剤粉末を配合して容易にセルロー
ス系難燃性嵩高性シートを製造することができる。使用
される難燃剤としては不溶性のポリリン酸アンモニウム
が好ましい。又水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムなども使用できる。架橋パルプの原料及びシート製造
時の原料として用いられるパルプとしては針葉樹パルプ
のみならず広葉樹パルプ他のいわゆるセルロース系のパ
ルプ状のものが使用できるし、新聞紙、雑誌他の刊行物
を回収再解繊して使用することもできる。
又、パルプ繊維のみならずレーヨン、ビニロン、ナイ
ロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ポリオレフ
インなどの合成繊維、アルミナ、セラミツクス、金属、
ガラス、炭素などの無機繊維これらのチヨツプを1種類
又は2種類以上混抄してそれぞれの特徴を持たせること
もできる。
又、本発明に係る架橋パルプは抄紙法でのシートの製
造のみならず乾式法、例えば解繊したパルプを空気で輸
送し積層してバインダーで接着させて製造するシートに
ついても適用できる。
更に熱融着性繊維と共に使用すれば本発明の目的とす
る親水性で十分な強度を持ち、水と接触後乾燥により嵩
高性が復元し、かつ、加工成形性の優れたセルロース系
嵩高性シートを製造することができる。
〔作用効果〕
本発明によりパルプを主体とした嵩高性の極めて高く
強度、寸法安定性、風あいなどの優れた嵩高性加工シー
トを得ることができ、セルロース系の特徴を生かした種
々の分野に活用できる。更に該シートに印刷、エンボス
加工をほどこすことにより装飾性の極めて優れたものと
することができ、より高度の利用が可能となる。
実施例1 (架橋パルプの製造) 針葉樹パルプをKRKリフアイナー(熊谷理機工業
(株)製)にかけフリーネス約400のものを調製しフイ
ブリル化パルプとして使用した。該フイブリル化パルプ
を下記の処理液中に浸漬分散させた。
処理液組成 ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素 5 部 硝酸亜鉛 1 部 ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド 0.02部 (ミヨン油脂(株)製 エポコールSD-75) 水 94 部 浸漬後ガラス製のロートで吸引過し、しぼり率が約
2/1(液/パルプ)とし、これを100℃1時間乾燥し次い
で120℃15分加熱反応させた。このものを家庭用ミキサ
ーを用いて水中で解繊した。ミキサーの回転負荷をスラ
イダツクで40Vに調節し弱い撹拌で解繊を行つた所90%
以上解繊されたと認められる時間は20秒以内であつた。
解繊後、ガラス製のロートを用いてやや圧縮しながら吸
引過しシート状のサンプルを得てこれを乾燥した。こ
のものの重量増は9.6%であり、厚みは無荷重で測定し
た結果、架橋剤なしでパルプを同様な処理を行つたもの
に比して12.0倍であつた。
(シート化) 上記によつて得られた架橋パルプとパルプ、ポリプロ
ピレン/ポリエチレン複合熱融着性繊維(チツソ(株)
製チツソポリプロ繊維EAチヨツプ、3デニール、カツト
長5mm)及びポリビニールアルコール繊維(PVAバインダ
ー繊維、クラレ(株)製VP105-2)を分散剤としてポリ
アクリルアミド(製鉄化学(株)製PAM)を使用して水
中に混合分散させ、タツピー型標準シートマシンで抄紙
し、ヤンキー式乾燥機で乾燥して嵩高性シートを得た。
坪量は200g/m2に設定した。厚みを測定し、JIS P8113に
従つて引張試験を行い裂断長を測定した。
更にこのシートを巾4.0mm、高さ1.2mmの凸状模様のつ
いた型で130℃3分熱プレスしエンボス加工を行つた。
エンボスの深さを測定した後、水に浸漬30分後引き上
げ、エンボス状態の変化を観察した。配合及び測定結果
は表に示す。
比較例1 パルプとチツソポリプロ繊維EAチヨツプを50:50と
し、実施例1と同様にしてシートを製造し引張試験他を
行つた。配合及び測定結果は表に示す。
比較例2 フイブリル化しない針葉樹パルプを用いた以外は実施
例1と同様にして架橋パルプを製造した。架橋パルプの
重量増は9.2%であり、厚みは無荷重で測定した結果、
架橋剤なしで同様な処理を行つたものに比して10.8倍で
あつた。このものを使用して実施例1と同様にしてシー
トを調製し引張強度他を測定した。結果は表に示す。
比較例3 実施例1で製造したフイブリル化したパルプの架橋品
を用い、熱融着性繊維を使用しない以外は実施例1と同
様な試験を行つた。結果は表に示す。
実施例2 実施例1と同様にしてフイブリル化パルプを用い下記
の処理液で処理し架橋パルプを製造した。
処理液 ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素 10 部 硝酸亜鉛 1 部 エポコールSD-75 0.02部 水 89 部 架橋パルプの重量増は18.1%で厚みは無荷重で測定し
た結果、架橋剤なしでパルプを同様な処理をしたものに
比して12.7倍であつた。反応後の解繊性は実施例1の場
合と同様であつた。次にこれを用い実施例1と同様にし
てシートを製造し引張強度他の測定を行つた。結果は表
に示す。
比較例3 熱融着性繊維を使用しない以外は実施例2と同様にし
てシートを製造し試験を行つた。結果は表に示す。
実施例3 実施例1と同様にしてフイブリル化パルプを用い下記
の処理液で処理し架橋パルプを製造した。
処理液 ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素 15 部 硝酸亜鉛 3 部 エポコールSD-75 0.02部 架橋パルプの重量増は26.7%で、厚みは無荷重で測定
した結果、架橋剤なしでパルプを同様な処理をしたもの
に比して13.2倍であつた。反応後の解繊性は実施例1の
場合と同様であつた。
次にこれを用い実施例1と同様にしてシートを製造
し、引張強度他の測定を行つた。結果は表に示す。
実施例4 実施例1と同様にしてフイブリル化パルプを用い下記
の処理液で処理し、架橋パルプを製造した。但し、架橋
反応は120°30′とした。
処理液 グリセロールジグリシジルエーテル 10 部 Zn(BF4)2 2 部 エポコールSD-75 0.02部 水 88 部 架橋パルプの重量増は12.7%で、厚みは無荷重で測定
した結果、架橋剤なしでパルプを同様な処理をしたもの
に比して9.1倍であつた。
又、反応後の解繊性は実施例1と同様であつた。次に
これを用いて実施例1と同様にしてシートを製造し引張
強度他の測定を行つた。結果は表に示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋パルプとパルプ及び熱融着性繊維を混
    合し抄造してなるセルロース系嵩高性シート。
  2. 【請求項2】架橋パルプはフイブリル化したパルプを架
    橋して製造したものである特許請求の範囲第(1)項記
    載のセルロース系嵩高性シート。
  3. 【請求項3】熱融着性繊維として融点の異る2種類以上
    の熱可塑性ポリマーを複合溶融紡糸してなる複合熱融着
    性繊維を使用する特許請求の範囲第(1)項記載のセル
    ロース系嵩高性シート。
  4. 【請求項4】架橋パルプは架橋剤をパルプに反応させる
    際に繊維の柔軟剤を共存させて製造したものである特許
    請求の範囲第(1)項記載のセルロース系嵩高性シー
    ト。
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