JPH09110690A - 抗真菌剤 - Google Patents

抗真菌剤

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JPH09110690A
JPH09110690A JP8144693A JP14469396A JPH09110690A JP H09110690 A JPH09110690 A JP H09110690A JP 8144693 A JP8144693 A JP 8144693A JP 14469396 A JP14469396 A JP 14469396A JP H09110690 A JPH09110690 A JP H09110690A
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antifungal
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三千男 山岸
Shigeo Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】白癬菌、カンジダの双方に効力を有する硝酸ミ
コナゾールの効力を更に増強し治療効果の高い薬剤の開
発する。 【構成】イミダゾール系抗真菌剤および4級アンモニウ
ム塩を配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗真菌剤に関する。さ
らに、詳しくはイミダゾール系抗真菌剤および4級アン
モニウム塩を配合することを特徴とする抗真菌剤用組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】世界的に抗真菌剤の主流であるイミダゾ
ール系抗真菌剤はその化学構造中にイミダゾール基を有
する薬剤である。主として真菌の細胞膜を障害すること
により、抗真菌作用を表すとされている。
【0003】イミダゾール系抗真菌剤としてはクロトリ
マゾール、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、ビフ
ォナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾー
ル、チオコナゾールなどがスイッチOTC化された成分
として知られている。
【0004】クロトリマゾールは外用剤のみに使われ、
白癬菌、その他カンジダ等に有効である。健康皮膚に適
用した場合ほとんど体内の吸収は認められないが、局所
的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがあるとさ
れ、皮膚に対する直接的な刺激作用やアレルギー作用の
関与が考えられている。
【0005】硝酸エコナゾールは、白癬菌、その他カン
ジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスなどにも殺菌
力を示す。健康皮膚に適用した場合ほとんど体内への吸
収は認められず、通常の外用使用では全身性の副作用は
殆ど問題ないとされているが局所的にはクロトリマゾー
ルと同様の副作用が認められている。
【0006】ビフォナゾールは、クロトリマゾールと同
様の作用を示す。ヒト病原真菌の多くに効果が認められ
ている。他のイミダゾール系抗真菌剤に比べ、外用での
皮膚浸透性に優れ、皮膚組織での薬剤貯留性が高いとい
われている。クロトリマゾールと同様局所的な副作用は
皮膚の刺激感、発赤、発疹などがある。
【0007】硝酸ミコナゾールは、白癬菌、カンジダを
はじめ、小胞子菌、表皮菌、アスペルギルスなどの諸菌
種に対して強い殺菌力を発揮し、黄色ブドウ球菌、化膿
連鎖球菌をはじめとするグラム陽性菌に対し強い殺菌力
を有する。我が国でも現在医薬用として最も繁用されて
いる抗菌剤の一つである。クロトリマゾールと同様局所
的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがある。
【0008】4級アンモニウム塩とはカチオン界面活性
剤で4級アンモニウム塩に属するものを言う。例えば塩
化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリ
ニウムなどがある。4級アンモニウム塩の陽イオンが菌
体の表面に吸着し、さらに細胞内に入って細胞内の蛋白
質に影響を与えることにより殺菌力を示すのではないか
と言われている。
【0009】塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウ
ムは細菌、真菌に殺菌力を示すが、副作用として皮膚に
長時間使用すると肌荒れ、発疹、そう痒感などの過敏症
状が知られている。
【0010】塩化デカリニウムは、細菌(特に黄色ブド
ウ球菌、溶血連鎖球菌殺菌)、真菌に殺菌力を示すとい
われている。主に、口腔内殺菌剤、歯痛、歯槽膿漏剤に
配合されている。
【0011】イミダゾール系抗真菌剤と4級アンモニウ
ム塩の配合された薬剤は知られていないが、特開昭64
−66121号にイミダゾール系抗真菌剤とサリチル酸
または安息香酸を配合した例が知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般的に治りにくいと
いわれている水虫の治療には、長期に薬を塗布しなけれ
ば成らず、冬場に水虫の症状が治まるのは完治したので
はなく、菌の活動が緩慢になっただけであり、治療効果
の高い薬剤の開発が望まれている。更に水虫症状の原因
が、白癬菌かカンジダかという区別は専門医が顕微鏡で
みるか、菌を培養することによってのみ判別できるもの
であり、判別が難しいことから双方に効く薬剤が重要で
ある。また前述のごとくイミダゾール系抗真菌剤は局所
的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがあり、こ
れらの薬剤中への配合量を減じて副作用を発祥させない
工夫も必要である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、白癬菌、
カンジダの双方に殺菌効力を有する薬剤でかつ使用感の
改善を目的とし、イミダゾール系抗真菌剤と有効に作用
する薬剤を選択するため種々のスクリーニングを実施し
た。ある種の4級アンモニウム塩に殺菌力を相乗的に増
強する効果があることを見いだし、その知見に基づいて
本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、イミダゾール系抗真
菌剤および4級アンモニウム塩を配合することを特徴と
する抗真菌剤用組成物である。
【0015】イミダゾール系抗真菌剤の内、好ましいも
のはミコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、
ビフォナゾールなどである。またミコナゾール、エコナ
ゾールはその塩も使用することができる。特に硝酸塩は
広く用いられている。
【0016】また4級アンモニウム塩とは、カチオン界
面活性剤で4級アンモニウム塩に属するものを言い、本
発明で好ましいものは、塩化ベンゼトニウム、塩化ベン
ザルコニウム、塩化デカリニウムなどがある。
【0017】イミダゾール系抗真菌剤の配合量は、0.
2〜1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%であ
る。
【0018】4級アンモニウム塩の配合量は、0.1〜
1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%である。
例えば塩化ベンゼトニウム配合量は、0.5〜1.0重
量%であり、塩化ベンザルコニウムの配合量は0.1〜
1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%である。
【0019】イミダゾール系抗真菌剤1重量部に対し、
4級アンモニウム塩は0.1重量部〜1重量部配合する
ことが好ましく、更には0.1重量部〜0.5重量部配
合することが好ましい。
【0020】本発明の有効成分は、必要に応じて公知の
添加剤などを混合して常法により、液剤、ローション
剤、乳剤、チンキ剤、軟膏剤、クリーム剤、水性ゲル
剤、油性ゲル剤、エアゾール剤などの外用製剤とするこ
とができる。
【0021】水溶性成分としては、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、エタノ
ール、マクロゴール類などが挙げられる。
【0022】油性成分としては、アジピン酸ジイソプロ
ピル、ステアリルアルコール、セタノール、スクワラ
ン、中鎖トリグリセライドなどが挙げられる。
【0023】高分子としては、カルボキシビニルポリマ
ー、メチルセルロースなどが挙げられる。
【0024】pH調整剤としてはクエン酸、水酸化ナト
リウムなどの無機塩基、ジイソプロパノールアミンなど
の有機アミン類などが挙げられる。
【0025】抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシト
ルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BH
A)、α−トコフェロール、エリソルビン酸、ピロ亜硫
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0026】着色剤としては、酸化チタンなどが挙げら
れる。
【0027】界面活性剤としては、例えばポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、モ
ノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリ
ド、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベー
ト類、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステ
ル、レシチンなどが挙げられる。
【0028】安定化剤としてはEDTA−2Naなどが
挙げられる。
【0029】
【発明の実施の形態】更に本発明の特に好ましいものは
イミダゾール系真菌剤および塩化デカリニウムを配合す
ることを特徴とする抗真菌剤用組成物である。
【0030】すなわち、相乗殺菌効果の認められた4級
アンモニウム塩類中から更に皮膚刺激性,製剤化などを
検討してみると表1に示すごとく塩化デカリニウムが最
適であった。
【0031】
【表1】
【0032】本発明において、硝酸ミコナゾールの有効
配合量は、0.2〜1重量%であり、好ましくは0.5
〜1重量%である。
【0033】また、塩化デカリニウムの有効配合量は、
0.05〜0.5重量%であり、好ましくは0.1〜
0.5重量%である。
【0034】硝酸ミコナゾール1重量部に対し、塩化デ
カリニウムは0.1重量部〜1重量部であり、好ましく
は0.1重量部〜0.5重量部である。
【0035】
【発明の効果】本発明の薬剤は、殺菌効果が増強された
極めて効力の強い抗真菌剤である。
【0036】以下、試験例を挙げて本発明の効果を具体
的に示す。
【0037】試験例1 (1)供試菌株 供試菌株は以下の菌を用いた。
【0038】Trichophyton rubrum Trichophyton mentagrophytes (2)胞子液の調製方法 1/10サブロー寒天培地が入った試験管のスラントに供試
菌を植菌し,28℃で3〜4週間培養した。培養後,滅菌ス
パーテルで菌体をかき取り,それを滅菌したガラスビー
ズと10mlの0.1%Tween80含有生理食塩水が入った三角フ
ラスコ(100ml容)に移し1時間振とうした後,綿栓ろ過
し,胞子液とした。胞子液は冷蔵保存し1ヶ月以内に使
用した。
【0039】(1/10サフ゛ロー寒天培地の組成)ク゛ルコース4.0g,
ヘ゜フ゜トン1.0g,リン酸2水素カリウム(無水)1.5g,硫酸マク゛ネシウム(7水
和物)1.0g,硝酸ナトリウム1.0g,寒天20.0g,蒸留水1000ml。
【0040】(3)供試薬剤の調製 供試薬剤は硝酸ミコナゾール,塩化ベンザルコニウム,
塩化デカリニウム,塩化ベンゼトニウム及びサリチル酸
を使用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に
合わせ2倍希釈系列を作製した。
【0041】(4)試験方法 希釈した供試薬剤とサブロー寒天培地(栄研)とを1:
99の割合で混合し固化した後,約105個/mlの胞子液を
接種した.28℃で5日間培養し,菌の発育の有無を確認
した.なお,DMSO濃度は胞子の発芽に影響を与えない1
%以下になるようにした。
【0042】(5)判定および算出式 相乗効果の判定は培養終了時に菌の発育が認められない
最小の薬剤濃度(MIC:最小発育阻止濃度,μg/m
l)からFICインデックス(Fractional Inhibitory C
oncentration index)を算出した。
【0043】 (算出式) FICインデックス=a/a0+b/b0 a:硝酸ミコナゾールと供試薬剤併用時での硝酸ミコナ
ゾールのMIC a0:硝酸ミコナゾール単独でのMIC b:硝酸ミコナゾールと供試薬剤併用時での供試薬剤の
MIC b0:供試薬剤単独でのMIC (判定) 以下の基準により併用効果の有無を判定し
た。
【0044】 >2 : 拮抗作用 2以下〜1より大きい : 相加作用 1以下 : 相乗作用 (6)結果 相乗効果を判断するFICインデックス値は静菌的評価で
あること及び1次スクリーニングであることを考慮し1.
0以下を相乗効果があるものと設定した。
【0045】その結果,表2に示すようにほとんどの薬
剤で相加もしくは相乗効果が認められた。
【0046】
【表2】
【0047】試験例2 (1)供試菌株 供試菌株は以下の菌を用いた。
【0048】Trichophyton rubrum Trichophyton mentagrophytes (2)胞子液の調製方法 試験例1と同様に調製した。
【0049】(3)供試薬剤の調製 供試薬剤は硝酸ミコナゾール,硝酸エコナゾール,クロ
トリマゾール,ビフォナゾール及び塩化デカリニウムを
使用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合
わせ2倍希釈系列を作製した。
【0050】(4)試験方法 試験例1と同様に行った。
【0051】(5)判定および算出式 試験例1と同様に算出,判定した。
【0052】(6)結果 結果は表3に示す。
【0053】
【表3】 イミダゾール系抗真菌剤と塩化デカリニウム
の相乗効果
【0054】その結果,表に示すようにクロトリマゾー
ルのT.mentagrophytes菌に対する効果を除き,塩化デカ
リニウムと強い相乗効果を示した。
【0055】以上の結果から,塩化デカリニウムとの組
み合わせによる相乗効果は,硝酸ミコナゾールばかりで
なくイミダゾール系抗真菌剤全般で発現することが明ら
かになった。
【0056】試験例3 (1)供試菌株 供試菌株は以下の菌を用いた。
【0057】Trichophyton rubrum Trichophyton mentagrophytes (2)胞子液の調製方法 試験例1と同様に調製した。
【0058】(3)供試薬剤の調製 供試薬剤は硝酸ミコナゾール(MCZ)サリチル酸,塩化ベ
ンザルコニウム(BAC)及び塩化デカリニウム(DQ)を使用
し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合わせ
2倍希釈系列を作製した。
【0059】(4)試験方法 ろ過滅菌した20mMリン酸緩衝液(pH6.5)20mlに各薬剤100
μlを添加し混和した後,胞子液を105個/mlになるよう
に加え(通常50〜200μl)攪拌した.30℃に保温し0,1,2
及び3日目の生残する胞子数を測定した。なお,DMSO濃
度は胞子の発芽に影響を与えない1%以下になるように
した。
【0060】(5)生残胞子数の測定方法 胞子液及び試験液中の生残胞子数は滅菌生理食塩水また
はLP希釈液(ダイゴ)を用い10倍希釈系列を作製し,各
希釈液50μlを予め調製したサブロー寒天培地(栄研)
に塗抹し,28℃でT.rubrumの場合4日間以上,T.mentag
rophytesの場合3日間以上培養し出現したコロニー数よ
り,胞子液または試験液中の生残胞子数を算出した。
【0061】(6)相乗効果の判定 文献(Antimicrobial Agents and Chemotherapy,Feb.197
7,p.225-228)より,単独時と併用時の生残胞子数の差が
約2オーダー以上あれば相乗効果があると判断した。
【0062】〔試験結果〕 (1)硝酸ミコナゾールの殺菌曲線 滅菌生理食塩水(pH6.5)中での硝酸ミコナゾール単独時
の殺菌力を確認した。その結果,図1に示す様に殺菌力
は濃度依存的に増大した。併用効果の試験は相乗殺菌効
果の判定がし易い3.13μg/ml濃度を選択した。
【0063】(2)薬剤併用時の殺菌曲線 各薬剤の硝酸ミコナゾールとの基準内最大配合比を表4
に示す。
【0064】
【表4】
【0065】*)硝酸ミコナソ゛ールの配合量を1とした場合。
【0066】併用時の殺菌力は硝酸ミコナゾール3.13μ
g/mlに各薬剤をそれぞれ最大配合比で添加して確認し
た。
【0067】図2に示すように併用時の殺菌力はサリチ
ル酸を除き,硝酸ミコナゾール単独時よりも増強されて
いるのが確認された。
【0068】次に各薬剤の効果の詳細な検討を行った。
【0069】サリチル酸の結果を図3に示す。
【0070】サリチル酸単独では全く殺菌力は認められ
ず,併用時の殺菌力も硝酸ミコナゾール単独とほぼ同等
かそれ以下であった。1次スクリーニングのFICインデ
ックスの結果からもサリチル酸は静菌的な併用効果と推
測される。
【0071】塩化ベンザルコニウムの結果を図4に示
す。
【0072】塩化ベンザルコニウム単独では T.rub.で
同等,T.menta.で硝酸ミコナゾール以上の殺菌力が認め
られ,併用時では両菌で1日目で検出限界以下となっ
た。
【0073】塩化デカリニウムの結果を図5に示す。
【0074】塩化デカリニウム単独の殺菌力は硝酸ミコ
ナゾール単独と同等で,併用すると2日目で検出限界以
下となった。
【0075】殺菌力での相乗効果の判定は文献(Antimi
crobial Agents and Chemotherapy,Feb.1977,p.225-22
8)から単独時と併用時の生残胞子数の差が2オーダー
以上あれば効果有りと判断されるため,塩化ベンザルコ
ニウム及び塩化デカリニウムに相乗的な殺菌力があると
判断した。
【0076】試験例4 (1)供試菌株 供試菌株は以下の菌を用いた。
【0077】Candida albicans Staphylococcus aureus (2)菌液の調製方法 C.albicansはサブロー寒天培地(栄研)で28℃24時間培
養し,約106個/mlになるように滅菌生理食塩水に懸濁し
たものを菌液とした.S.aureusはミュラーヒントン培地
(栄研)で37℃18時間培養し,約106個/mlになるように
滅菌生理食塩水に懸濁したものを菌液とした。
【0078】(3)供試薬剤の調製 供試薬剤は硝酸ミコナゾール及び塩化デカリニウムを使
用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合わ
せ2倍希釈系列を作製した。
【0079】(4)試験方法 希釈した供試薬剤とサブロー寒天培地(栄研)とを1:
99の割合で混合し固化した後,C.albicansの菌液を接
種した。30℃で2日間培養し,菌の発育の有無を確認し
た。
【0080】希釈した供試薬剤とミュラーヒントン寒天
培地(栄研)とを1:99の割合で混合し固化した後,
S.aureusの菌液を接種した。30℃で24時間培養し,菌の
発育の有無を確認した。
【0081】(5)判定および算出式 試験例1と同様に算出,判定した。
【0082】(6)結果 結果を表5に示した。
【0083】
【表5】
【0084】硝酸ミコナゾールと塩化デカリニウム配合
による相乗効果はカンジダ及び黄色ブドウ球菌に対して
も認められた。
【0085】試験例5.硝酸ミコナゾールと塩化デカリ
ニウム併用時の配合比(1:0.12〜1.00)の影響について試
験例3と同様の試験を行い検討した結果を図6に示す。
【0086】その結果、併用時の殺菌力は1:0.12以上の
配合比で硝酸ミコナゾール及び塩化デカリニウム単独時
の殺菌力より強く,相乗効果も認められた。
【0087】試験例6.レシチンの影響 クリームの基剤として用いられるレシチンは4級アンモ
ニウム塩等の殺菌剤の不活化剤として知られているため
〔石関忠一ら,衛生試験所報告,第91号(1973)〕,硝酸
ミコナゾール及び塩化デカリニウムの相乗効果に及ぼす
影響について検討した。
【0088】レシチン濃度は硝酸ミコナゾール単独の場
合,配合比(硝酸ミコナゾール:レシチン=1:0.5)に
合わせ,塩化デカリニウム単独時及び硝酸ミコナゾール
併用時の場合,レシチン濃度を1.57μg/mlにして試験例
3と同様の試験を行った。
【0089】その結果,これらのレシチン濃度での影響
は全く認められなかった。
【0090】
【実施例】以下実施例を挙げ、本発明を具体的に説明す
る。
【0091】実施例1 (クリーム処方例) 硝酸ミコナゾール 100g リドカイン 200g 塩化デカリニウム 10g ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 400g ソルビタンモノステアレート 200g 1,3−ブチレングリコール 1,500g 中鎖脂肪酸トリグリセリド 1,500g グリセリンモノステアレート 250g EDTA−2Na 10g 精製水 全10,000g (製造方法)水相成分(1,3−ブチレングリコール、
EDTA−2Na、塩化デカリニウム、精製水)に油相
成分(硝酸ミコナゾール、リドカイン、ソルビタンモノ
ステアレート、中鎖脂肪酸トリグリセリド、グリセリン
モノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレート)を加え、それぞれ加温後、通常の方法で
クリーム10,000gを製造した。
【0092】実施例2 (液剤処方例) 硝酸ミコナゾール 100g 塩化デカリニウム 20g グリチルリチン酸ジカリウム 50g BHT 5g エタノール 5,000g 精製水 全10,000ml (製造方法)エタノールに薬剤を溶解後、精製水を加え
全量を10,000mlとした。
【0093】実施例3 (ゲルクリーム処方例) 硝酸ミコナゾール 100g 塩化デカリニウム 20g リドカイン 200g ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 100g プロピレングリコール 1,000g 流動パラフィン 500g ステアリルアルコール 100g カルボキシビニルポリマー 50g ジイソプロパノールアミン 100g 精製水 全10,000g (製造方法)油相成分(硝酸ミコナゾール、リドカイ
ン、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
流動パラフィン、ステアリルアルコール)を加温溶解
後、室温まで冷却した。ついで、水、プロピレングリコ
ールにカルボキシビニルポリマー及び塩化デカリニウム
を溶解し、室温で放置し、カルボキシビニルポリマーを
膨潤させた。上記油相と水相を室温にて撹拌しゲルクリ
ームを製造した。
【0094】実施例4 (エアゾール剤処方) 原液:硝酸ミコナゾール 50g 塩化デカリニウム 5g グリチルリチン酸ジカリウム 25g エタノール 2,500g 精製水 5,000ml 噴射剤;LPG 5,000ml (製造方法)エタノール、精製水の基剤に主薬成分を溶
解した原液を容器に充填後、バルブを装着し、噴射剤を
充填し、エアゾール剤を作成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】硝酸ミコナゾールのT.rubrum(A)とT.mentag
rophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日
数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す(すなわち、縦軸
の1は101個/ml、2は102個/ml、3は103個/ml、
4は104個/ml、5は105/mlを示す。)。
【図2】各薬剤併用時のT.rubrum(A)とT.mentagroph
ytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日数、縦
軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸ミコナゾー
ル、BACは塩化ベンザルコニウム、DQは塩化デカリニウ
ムを示す。
【図3】サリチル酸併用時のT.rubrum(A)とT.mentag
rophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日
数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸ミコ
ナゾールを示す。
【図4】塩化ベンザルコニウム併用時のT.rubrum(A)
とT.mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸
に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは
硝酸ミコナゾール、BACは塩化ベンザルコニウムを示
す。
【図5】塩化デカリニウム併用時のT.rubrum(A)とT.
mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保
存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸
ミコナゾール、DQは塩化デカリニウムを示す。
【図6】硝酸ミコナゾールと塩化デカリニウム併用時の
配合比の影響についての検討結果を示す。横軸に保存日
数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す)。MCZは硝酸
ミコナゾールを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 敏 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 山岸 三千男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 田中 重男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イミダゾール系抗真菌剤および4級アンモ
    ニウム塩を配合することを特徴とする抗真菌剤用組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)ミコナゾール、エコナゾール、クロ
    トリマゾールまたはビフォナゾールおよび(B)4級ア
    ンモニウム塩を配合することを特徴とする抗真菌剤用組
    成物。
  3. 【請求項3】(A)ミコナゾール、エコナゾール、クロ
    トリマゾールまたはビフォナゾールおよび(B)塩化ベ
    ンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムまたは塩化デカリ
    ニウムを配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物。
  4. 【請求項4】イミダゾール系抗真菌剤および塩化デカリ
    ニウムを配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物。
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