JP3941132B2 - 抗真菌剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、抗真菌剤に関する。さらに、詳しくはイミダゾール系抗真菌剤および4級アンモニウム塩を配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
世界的に抗真菌剤の主流であるイミダゾール系抗真菌剤はその化学構造中にイミダゾール基を有する薬剤である。主として真菌の細胞膜を障害することにより、抗真菌作用を表すとされている。
【0003】
イミダゾール系抗真菌剤としてはクロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、ビフォナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、チオコナゾールなどがスイッチOTC化された成分として知られている。
【0004】
クロトリマゾールは外用剤のみに使われ、白癬菌、その他カンジダ等に有効である。健康皮膚に適用した場合ほとんど体内の吸収は認められないが、局所的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがあるとされ、皮膚に対する直接的な刺激作用やアレルギー作用の関与が考えられている。
【0005】
硝酸エコナゾールは、白癬菌、その他カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスなどにも殺菌力を示す。健康皮膚に適用した場合ほとんど体内への吸収は認められず、通常の外用使用では全身性の副作用は殆ど問題ないとされているが局所的にはクロトリマゾールと同様の副作用が認められている。
【0006】
ビフォナゾールは、クロトリマゾールと同様の作用を示す。ヒト病原真菌の多くに効果が認められている。他のイミダゾール系抗真菌剤に比べ、外用での皮膚浸透性に優れ、皮膚組織での薬剤貯留性が高いといわれている。クロトリマゾールと同様局所的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがある。
【0007】
硝酸ミコナゾールは、白癬菌、カンジダをはじめ、小胞子菌、表皮菌、アスペルギルスなどの諸菌種に対して強い殺菌力を発揮し、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌をはじめとするグラム陽性菌に対し強い殺菌力を有する。我が国でも現在医薬用として最も繁用されている抗菌剤の一つである。クロトリマゾールと同様局所的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがある。
【0008】
4級アンモニウム塩とはカチオン界面活性剤で4級アンモニウム塩に属するものを言う。例えば塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウムなどがある。4級アンモニウム塩の陽イオンが菌体の表面に吸着し、さらに細胞内に入って細胞内の蛋白質に影響を与えることにより殺菌力を示すのではないかと言われている。
【0009】
塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムは細菌、真菌に殺菌力を示すが、副作用として皮膚に長時間使用すると肌荒れ、発疹、そう痒感などの過敏症状が知られている。
【0010】
塩化デカリニウムは、細菌(特に黄色ブドウ球菌、溶血連鎖球菌殺菌)、真菌に殺菌力を示すといわれている。主に、口腔内殺菌剤、歯痛、歯槽膿漏剤に配合されている。
【0011】
イミダゾール系抗真菌剤と4級アンモニウム塩の配合された薬剤は知られていないが、特開昭64−66121号にイミダゾール系抗真菌剤とサリチル酸または安息香酸を配合した例が知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に治りにくいといわれている水虫の治療には、長期に薬を塗布しなければ成らず、冬場に水虫の症状が治まるのは完治したのではなく、菌の活動が緩慢になっただけであり、治療効果の高い薬剤の開発が望まれている。更に水虫症状の原因が、白癬菌かカンジダかという区別は専門医が顕微鏡でみるか、菌を培養することによってのみ判別できるものであり、判別が難しいことから双方に効く薬剤が重要である。また前述のごとくイミダゾール系抗真菌剤は局所的な副作用は皮膚の刺激感、発赤、発疹などがあり、これらの薬剤中への配合量を減じて副作用を発祥させない工夫も必要である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、白癬菌、カンジダの双方に殺菌効力を有する薬剤でかつ使用感の改善を目的とし、イミダゾール系抗真菌剤と有効に作用する薬剤を選択するため種々のスクリーニングを実施した。ある種の4級アンモニウム塩に殺菌力を相乗的に増強する効果があることを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は、イミダゾール系抗真菌剤および4級アンモニウム塩を配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物である。
【0015】
イミダゾール系抗真菌剤の内、好ましいものはミコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ビフォナゾールなどである。またミコナゾール、エコナゾールはその塩も使用することができる。特に硝酸塩は広く用いられている。
【0016】
また4級アンモニウム塩とは、カチオン界面活性剤で4級アンモニウム塩に属するものを言い、本発明で好ましいものは、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウムなどがある。
【0017】
イミダゾール系抗真菌剤の配合量は、0.2〜1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%である。
【0018】
4級アンモニウム塩の配合量は、0.1〜1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%である。例えば塩化ベンゼトニウム配合量は、0.5〜1.0重量%であり、塩化ベンザルコニウムの配合量は0.1〜1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%である。
【0019】
イミダゾール系抗真菌剤1重量部に対し、4級アンモニウム塩は0.1重量部〜1重量部配合することが好ましく、更には0.1重量部〜0.5重量部配合することが好ましい。
【0020】
本発明の有効成分は、必要に応じて公知の添加剤などを混合して常法により、液剤、ローション剤、乳剤、チンキ剤、軟膏剤、クリーム剤、水性ゲル剤、油性ゲル剤、エアゾール剤などの外用製剤とすることができる。
【0021】
水溶性成分としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、エタノール、マクロゴール類などが挙げられる。
【0022】
油性成分としては、アジピン酸ジイソプロピル、ステアリルアルコール、セタノール、スクワラン、中鎖トリグリセライドなどが挙げられる。
【0023】
高分子としては、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロースなどが挙げられる。
【0024】
pH調整剤としてはクエン酸、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、ジイソプロパノールアミンなどの有機アミン類などが挙げられる。
【0025】
抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロール、エリソルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0026】
着色剤としては、酸化チタンなどが挙げられる。
【0027】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。
【0028】
安定化剤としてはEDTA−2Naなどが挙げられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
更に本発明の特に好ましいものはイミダゾール系真菌剤および塩化デカリニウムを配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物である。
【0030】
すなわち、相乗殺菌効果の認められた4級アンモニウム塩類中から更に皮膚刺激性,製剤化などを検討してみると表1に示すごとく塩化デカリニウムが最適であった。
【0031】
【表1】
Figure 0003941132
【0032】
本発明において、硝酸ミコナゾールの有効配合量は、0.2〜1重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%である。
【0033】
また、塩化デカリニウムの有効配合量は、0.05〜0.5重量%であり、好ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0034】
硝酸ミコナゾール1重量部に対し、塩化デカリニウムは0.1重量部〜1重量部であり、好ましくは0.1重量部〜0.5重量部である。
【0035】
【発明の効果】
本発明の薬剤は、殺菌効果が増強された極めて効力の強い抗真菌剤である。
【0036】
以下、試験例を挙げて本発明の効果を具体的に示す。
【0037】
試験例1
(1)供試菌株
供試菌株は以下の菌を用いた。
【0038】
Trichophyton rubrum
Trichophyton mentagrophytes
(2)胞子液の調製方法
1/10サブロー寒天培地が入った試験管のスラントに供試菌を植菌し,28℃で3〜4週間培養した。培養後,滅菌スパーテルで菌体をかき取り,それを滅菌したガラスビーズと10mlの0.1%Tween80含有生理食塩水が入った三角フラスコ(100ml容)に移し1時間振とうした後,綿栓ろ過し,胞子液とした。胞子液は冷蔵保存し1ヶ月以内に使用した。
【0039】
(1/10サブロー寒天培地の組成)
グルコース4.0g,ペプトン1.0g,リン酸2水素カリウム(無水)1.5g,硫酸マグネシウム(7水和物)1.0g,硝酸ナトリウム1.0g,寒天20.0g,蒸留水1000ml。
【0040】
(3)供試薬剤の調製
供試薬剤は硝酸ミコナゾール,塩化ベンザルコニウム,塩化デカリニウム,塩化ベンゼトニウム及びサリチル酸を使用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合わせ2倍希釈系列を作製した。
【0041】
(4)試験方法
希釈した供試薬剤とサブロー寒天培地(栄研)とを1:99の割合で混合し固化した後,約105個/mlの胞子液を接種した.28℃で5日間培養し,菌の発育の有無を確認した.
なお,DMSO濃度は胞子の発芽に影響を与えない1%以下になるようにした。
【0042】
(5)判定および算出式
相乗効果の判定は培養終了時に菌の発育が認められない最小の薬剤濃度(MIC:最小発育阻止濃度,μg/ml)からFICインデックス(Fractional Inhibitory Concentration index)を算出した。
【0043】
(算出式) FICインデックス=a/a0+b/b0
a:硝酸ミコナゾールと供試薬剤併用時での硝酸ミコナゾールのMIC
0:硝酸ミコナゾール単独でのMIC
b:硝酸ミコナゾールと供試薬剤併用時での供試薬剤のMIC
0:供試薬剤単独でのMIC
(判定) 以下の基準により併用効果の有無を判定した。
【0044】
>2 : 拮抗作用
2以下〜1より大きい : 相加作用
1以下 : 相乗作用
(6)結果
相乗効果を判断するFICインデックス値は静菌的評価であること及び1次スクリーニングであることを考慮し1.0以下を相乗効果があるものと設定した。
【0045】
その結果,表2に示すようにほとんどの薬剤で相加もしくは相乗効果が認められた。
【0046】
【表2】
Figure 0003941132
【0047】
試験例2
(1)供試菌株
供試菌株は以下の菌を用いた。
【0048】
Trichophyton rubrum
Trichophyton mentagrophytes
(2)胞子液の調製方法
試験例1と同様に調製した。
【0049】
(3)供試薬剤の調製
供試薬剤は硝酸ミコナゾール,硝酸エコナゾール,クロトリマゾール,ビフォナゾール及び塩化デカリニウムを使用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合わせ2倍希釈系列を作製した。
【0050】
(4)試験方法
試験例1と同様に行った。
【0051】
(5)判定および算出式
試験例1と同様に算出,判定した。
【0052】
(6)結果
結果は表3に示す。
【0053】
【表3】
イミダゾール系抗真菌剤と塩化デカリニウムの相乗効果
Figure 0003941132
【0054】
その結果,表に示すようにクロトリマゾールのT.mentagrophytes菌に対する効果を除き,塩化デカリニウムと強い相乗効果を示した。
【0055】
以上の結果から,塩化デカリニウムとの組み合わせによる相乗効果は,硝酸ミコナゾールばかりでなくイミダゾール系抗真菌剤全般で発現することが明らかになった。
【0056】
試験例3
(1)供試菌株
供試菌株は以下の菌を用いた。
【0057】
Trichophyton rubrum
Trichophyton mentagrophytes
(2)胞子液の調製方法
試験例1と同様に調製した。
【0058】
(3)供試薬剤の調製
供試薬剤は硝酸ミコナゾール(MCZ)サリチル酸,塩化ベンザルコニウム(BAC)及び塩化デカリニウム(DQ)を使用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合わせ2倍希釈系列を作製した。
【0059】
(4)試験方法
ろ過滅菌した20mMリン酸緩衝液(pH6.5)20mlに各薬剤100μlを添加し混和した後,胞子液を105個/mlになるように加え(通常50〜200μl)攪拌した.30℃に保温し0,1,2及び3日目の生残する胞子数を測定した。なお,DMSO濃度は胞子の発芽に影響を与えない1%以下になるようにした。
【0060】
(5)生残胞子数の測定方法
胞子液及び試験液中の生残胞子数は滅菌生理食塩水またはLP希釈液(ダイゴ)を用い10倍希釈系列を作製し,各希釈液50μlを予め調製したサブロー寒天培地(栄研)に塗抹し,28℃でT.rubrumの場合4日間以上,T.mentagrophytesの場合3日間以上培養し出現したコロニー数より,胞子液または試験液中の生残胞子数を算出した。
【0061】
(6)相乗効果の判定
文献(Antimicrobial Agents and Chemotherapy,Feb.1977,p.225-228)より,単独時と併用時の生残胞子数の差が約2オーダー以上あれば相乗効果があると判断した。
【0062】
〔試験結果〕
(1)硝酸ミコナゾールの殺菌曲線
滅菌生理食塩水(pH6.5)中での硝酸ミコナゾール単独時の殺菌力を確認した。その結果,図1に示す様に殺菌力は濃度依存的に増大した。併用効果の試験は相乗殺菌効果の判定がし易い3.13μg/ml濃度を選択した。
【0063】
(2)薬剤併用時の殺菌曲線
各薬剤の硝酸ミコナゾールとの基準内最大配合比を表4に示す。
【0064】
【表4】
Figure 0003941132
【0065】
*)硝酸ミコナゾールの配合量を1とした場合。
【0066】
併用時の殺菌力は硝酸ミコナゾール3.13μg/mlに各薬剤をそれぞれ最大配合比で添加して確認した。
【0067】
図2に示すように併用時の殺菌力はサリチル酸を除き,硝酸ミコナゾール単独時よりも増強されているのが確認された。
【0068】
次に各薬剤の効果の詳細な検討を行った。
【0069】
サリチル酸の結果を図3に示す。
【0070】
サリチル酸単独では全く殺菌力は認められず,併用時の殺菌力も硝酸ミコナゾール単独とほぼ同等かそれ以下であった。1次スクリーニングのFICインデックスの結果からもサリチル酸は静菌的な併用効果と推測される。
【0071】
塩化ベンザルコニウムの結果を図4に示す。
【0072】
塩化ベンザルコニウム単独では T.rub.で同等,T.menta.で硝酸ミコナゾール以上の殺菌力が認められ,併用時では両菌で1日目で検出限界以下となった。
【0073】
塩化デカリニウムの結果を図5に示す。
【0074】
塩化デカリニウム単独の殺菌力は硝酸ミコナゾール単独と同等で,併用すると2日目で検出限界以下となった。
【0075】
殺菌力での相乗効果の判定は文献(Antimicrobial Agents and Chemotherapy,Feb.1977,p.225-228)から単独時と併用時の生残胞子数の差が2オーダー以上あれば効果有りと判断されるため,塩化ベンザルコニウム及び塩化デカリニウムに相乗的な殺菌力があると判断した。
【0076】
試験例4
(1)供試菌株
供試菌株は以下の菌を用いた。
【0077】
Candida albicans
Staphylococcus aureus
(2)菌液の調製方法
C.albicansはサブロー寒天培地(栄研)で28℃24時間培養し,約106個/mlになるように滅菌生理食塩水に懸濁したものを菌液とした.S.aureusはミュラーヒントン培地(栄研)で37℃18時間培養し,約106個/mlになるように滅菌生理食塩水に懸濁したものを菌液とした。
【0078】
(3)供試薬剤の調製
供試薬剤は硝酸ミコナゾール及び塩化デカリニウムを使用し,溶解,希釈溶媒としてDMSOを用い試験濃度に合わせ2倍希釈系列を作製した。
【0079】
(4)試験方法
希釈した供試薬剤とサブロー寒天培地(栄研)とを1:99の割合で混合し固化した後,C.albicansの菌液を接種した。30℃で2日間培養し,菌の発育の有無を確認した。
【0080】
希釈した供試薬剤とミュラーヒントン寒天培地(栄研)とを1:99の割合で混合し固化した後,S.aureusの菌液を接種した。30℃で24時間培養し,菌の発育の有無を確認した。
【0081】
(5)判定および算出式
試験例1と同様に算出,判定した。
【0082】
(6)結果
結果を表5に示した。
【0083】
【表5】
Figure 0003941132
【0084】
硝酸ミコナゾールと塩化デカリニウム配合による相乗効果はカンジダ及び黄色ブドウ球菌に対しても認められた。
【0085】
試験例5.
硝酸ミコナゾールと塩化デカリニウム併用時の配合比(1:0.12〜1.00)の影響について試験例3と同様の試験を行い検討した結果を図6に示す。
【0086】
その結果、併用時の殺菌力は1:0.12以上の配合比で硝酸ミコナゾール及び塩化デカリニウム単独時の殺菌力より強く,相乗効果も認められた。
【0087】
試験例6.レシチンの影響
クリームの基剤として用いられるレシチンは4級アンモニウム塩等の殺菌剤の不活化剤として知られているため〔石関忠一ら,衛生試験所報告,第91号(1973)〕,硝酸ミコナゾール及び塩化デカリニウムの相乗効果に及ぼす影響について検討した。
【0088】
レシチン濃度は硝酸ミコナゾール単独の場合,配合比(硝酸ミコナゾール:レシチン=1:0.5)に合わせ,塩化デカリニウム単独時及び硝酸ミコナゾール併用時の場合,レシチン濃度を1.57μg/mlにして試験例3と同様の試験を行った。
【0089】
その結果,これらのレシチン濃度での影響は全く認められなかった。
【0090】
【実施例】
以下実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0091】
実施例1
(クリーム処方例)
硝酸ミコナゾール 100g
リドカイン 200g
塩化デカリニウム 10g
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 400g
ソルビタンモノステアレート 200g
1,3−ブチレングリコール 1,500g
中鎖脂肪酸トリグリセリド 1,500g
グリセリンモノステアレート 250g
EDTA−2Na 10g
精製水 全10,000g
(製造方法)
水相成分(1,3−ブチレングリコール、EDTA−2Na、塩化デカリニウム、精製水)に油相成分(硝酸ミコナゾール、リドカイン、ソルビタンモノステアレート、中鎖脂肪酸トリグリセリド、グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)を加え、それぞれ加温後、通常の方法でクリーム10,000gを製造した。
【0092】
実施例2
(液剤処方例)
硝酸ミコナゾール 100g
塩化デカリニウム 20g
グリチルリチン酸ジカリウム 50g
BHT 5g
エタノール 5,000g
精製水 全10,000ml
(製造方法)
エタノールに薬剤を溶解後、精製水を加え全量を10,000mlとした。
【0093】
実施例3
(ゲルクリーム処方例)
硝酸ミコナゾール 100g
塩化デカリニウム 20g
リドカイン 200g
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 100g
プロピレングリコール 1,000g
流動パラフィン 500g
ステアリルアルコール 100g
カルボキシビニルポリマー 50g
ジイソプロパノールアミン 100g
精製水 全10,000g
(製造方法)
油相成分(硝酸ミコナゾール、リドカイン、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、流動パラフィン、ステアリルアルコール)を加温溶解後、室温まで冷却した。ついで、水、プロピレングリコールにカルボキシビニルポリマー及び塩化デカリニウムを溶解し、室温で放置し、カルボキシビニルポリマーを膨潤させた。上記油相と水相を室温にて撹拌しゲルクリームを製造した。
【0094】
Figure 0003941132
(製造方法)
エタノール、精製水の基剤に主薬成分を溶解した原液を容器に充填後、バルブを装着し、噴射剤を充填し、エアゾール剤を作成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】硝酸ミコナゾールのT.rubrum(A)とT.mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す(すなわち、縦軸の1は101個/ml、2は102個/ml、3は103個/ml、4は104個/ml、5は105/mlを示す。)。
【図2】各薬剤併用時のT.rubrum(A)とT.mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸ミコナゾール、BACは塩化ベンザルコニウム、DQは塩化デカリニウムを示す。
【図3】サリチル酸併用時のT.rubrum(A)とT.mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸ミコナゾールを示す。
【図4】塩化ベンザルコニウム併用時のT.rubrum(A)とT.mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸ミコナゾール、BACは塩化ベンザルコニウムを示す。
【図5】塩化デカリニウム併用時のT.rubrum(A)とT.mentagrophytes(B)に対する殺菌力を示す。横軸に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す。MCZは硝酸ミコナゾール、DQは塩化デカリニウムを示す。
【図6】硝酸ミコナゾールと塩化デカリニウム併用時の配合比の影響についての検討結果を示す。横軸に保存日数、縦軸に生残菌数/mlの対数を示す)。MCZは硝酸ミコナゾールを示す。

Claims (1)

  1. (A)ミコナゾールまたはビフォナゾールおよび(B)塩化デカリニウムを配合することを特徴とする抗真菌剤用組成物。
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