JPH09102350A - コネクタ、その製造方法、その製造用金型およびリテーナの装着方法 - Google Patents

コネクタ、その製造方法、その製造用金型およびリテーナの装着方法

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JPH09102350A
JPH09102350A JP34522195A JP34522195A JPH09102350A JP H09102350 A JPH09102350 A JP H09102350A JP 34522195 A JP34522195 A JP 34522195A JP 34522195 A JP34522195 A JP 34522195A JP H09102350 A JPH09102350 A JP H09102350A
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retainer
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terminal fitting
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connector
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治 川瀬
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/40Securing contact members in or to a base or case; Insulating of contact members
    • H01R13/42Securing in a demountable manner
    • H01R13/436Securing a plurality of contact members by one locking piece or operation
    • H01R13/4361Insertion of locking piece perpendicular to direction of contact insertion
    • H01R13/4362Insertion of locking piece perpendicular to direction of contact insertion comprising a temporary and a final locking position

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  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮係止位置に挿入すべきリテーナが誤って本
係止位置まで挿入されるのを阻止する。 【解決手段】 雌ハウジング1の前面には、キャビティ
5に設けられたランスの撓み変形空間に達するリテーナ
挿入孔10が形成されている。リテーナ挿入孔10は雌
ハウジング1の一側の側面に開口している。リテーナ3
はまず、側面の開口部11から矢線A方向にリテーナ挿
入孔10に挿入されて、仮係止位置に保持される。雌形
端子金具の挿入後に、リテーナ3は前面側からリテーナ
挿入孔10の奥方に押し込まれて、ランスの撓み変形を
規制する本係止位置に移行される。リテーナ3を仮係止
位置に向けて押し込む方向と、仮係止位置から本係止位
置に向けて押し込む方向とが直交しているから、仮係止
位置に一旦保持すべきリテーナ3を誤って本係止位置に
押し込んでしまうおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コネクタハウジン
グに対して前後方向に沿って変位可能に装着されるリテ
ーナにより端子金具の二重係止を行う形式のコネクタ、
その製造方法、その製造用金型およびリテーナの装着方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のコネクタの一例として、フ
ロントリテーナタイプと称して、コネクタハウジングの
前面側からリテーナを押し込むことで端子金具の二重係
止を行うコネクタが知られている。このコネクタを図2
6および図27により説明する。コネクタハウジングa
の内部には端子金具bを後方から挿入可能とするキャビ
ティcが形成され、その底面に端子金具bと係合する撓
み変形可能なランスdが設けられている。一方コネクタ
ハウジングaの前面にはリテーナ挿入孔eが形成され、
その中に上記したランスdの撓み変形空間fに突入可能
な突入部hを設けたリテーナgが装着されるようになっ
ている。
【0003】図26の鎖線に示すリテーナgがリテーナ
挿入孔e内に差し込まれると、まず同図の実線に示すよ
うに差し込み深さの浅い仮係止位置に保持される。その
位置ではリテーナgの突入部hはランスdの撓み変形空
間fの手前に留まっている。したがってこの状態で端子
金具bをキャビティc内に挿入すると、端子金具bはラ
ンスdを撓み変形させつつ押し込まれ、正規位置まで挿
入されたところでランスdが弾性的に復元変形して端子
金具bと係合することで一次係止される。続いて、リテ
ーナgを図27に示すように奥方の本係止位置に押し込
むと、突入部hがランスdの撓み変形空間fに突入して
その撓み変形が規制され、これにより端子金具bの抜け
止めが確実になされて、いわゆる二次係止された状態と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のも
のでは、リテーナgを仮係止位置に向けて押し込む方向
と、仮係止位置から本係止位置に向けて押し込む方向と
が同じであるため、仮係止位置では一応リテーナgを保
持する機構は設けられているものの、リテーナgがいき
なり本係止位置まで誤って押し込まれてしまう場合があ
る。このように端子金具bの挿入前にリテーナgが本係
止位置まで押し込まれると、ランスdが撓み変形できな
いことでそれが邪魔になって端子金具bを正規位置まで
挿入できない。そのため、リテーナgを一旦仮係止位置
まで戻してから端子金具bを挿入し、しかるのち改めて
リテーナgを本係止位置に押し込むという操作が必要と
なって、煩雑な作業を余儀なくされる欠点があった。
【0005】また、特に雄側のハウジングに対してフロ
ントタイプのリテーナを装着する場合は、フードがあ
り、なおかつフード内に雄型端子金具のタブが突出して
いることから、それらが邪魔になって簡単に手を入れる
ことができず、そのために専用の治具を用いてリテーナ
を装着する必要があって、作業性が悪いという欠点があ
り、またリテーナの装着に伴ってタブを変形させてしま
うおそれもあった。
【0006】さらに別の問題としてコスト面の問題があ
る。すなわち、例示したようなコネクタでは一般に、リ
テーナgを仮係止位置に保持した状態に仮組みし、その
のち端子挿入現場に搬送するようになっている。詳細に
は、ハウジングaとリテーナgとを仮組みするまでに
は、ハウジングaとリテーナgをそれぞれ個別の成形機
によって成形し、そののちこれらを仮組み現場に持ち込
んで組み付けを行うようにしていた。そして、このよう
な組付けはパーツフィーダを備えた自動機か、あるいは
作業者の人手によって行われていた。つまり、ハウジン
グa、リテーナgの成形およびこれらの組み付けとを別
個に行うものであり、成形、搬送、組み付けといった工
程を経て仮組みのコネクタが完成される。また、作業者
の手作業によって組み付けられる場合は、別の検査工程
が必要となる。これでは、完成に至るまでの多くの工程
数が製品コストの上昇を招き、またハウジングa、リテ
ーナgごとに金型の管理を必要とするため、さらに管理
コストも上乗せされることとなる。
【0007】なお、同じフロントタイプでも、リテーナ
を本係止位置に押し込むことで、ランスとは別に設けら
れた弾性係止片を端子金具の別の部位に係合させること
で二重係止を行う形式のものがあり、またリアタイプと
して、リテーナをコネクタハウジングの後面側から押し
込んで、端子金具のあご部等に当接させることで二重係
止を行うものもあるが、これらのタイプのものでも、上
記したと同様の問題を抱えていた。
【0008】本発明は上記のような事情に基づいて完成
されたものであって、その目的は、仮係止位置に挿入す
べきリテーナが誤って本係止位置まで挿入されるのを阻
止し得るようにしたコネクタを提供することにある。ま
た他の目的は、コネクタを安価に製造することができる
方法ならびに金型を提供することにある。さらに他の目
的は、端子金具の変形を招くことなくリテーナの装着が
簡単に行えるようにしたコネクタならびにリテーナの装
着方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、端子金具を挿入可
能なキャビティを内部に設けたコネクタハウジングと、
そのコネクタハウジングに対して前後方向に沿って仮係
止位置と本係止位置との間で変位可能に装着されるリテ
ーナとからなり、そのリテーナは前記本係止位置に押し
込まれたときに前記端子金具を抜け止め状態に係止可能
とするコネクタであって、前記コネクタハウジングに
は、前記リテーナを仮係止位置と本係止位置との間で移
動可能に挿入するリテーナ挿入孔がそのコネクタハウジ
ングの側面に開口して形成され、リテーナは側面の開口
から前記リテーナ挿入孔に挿入されて仮係止位置に保持
されたのち、前後方向の移動により本係止位置に押し込
まれる構成となっているところに特徴を有する。
【0010】請求項2の発明は、コネクタハウジングの
内部には端子金具が挿入可能なキャビティが形成され、
そのコネクタハウジングに対して前後方向に沿って押し
込み装着が可能でその装着時に端子金具を抜け止め状態
に係止可能とするリテーナを備えたコネクタの製造方法
であって、相対的に接離可能に配設された一対の金型を
型閉じして、リテーナが前後方向の移動可能に挿入され
るリテーナ挿入孔を側面に開口して設けたハウジング
と、前記リテーナ挿入孔の側方に位置するリテーナとを
同時に成形し、型開きしたのちリテーナを前記リテーナ
挿入孔の側面の開口から挿入して所定の状態で組み付け
る構成としたところに特徴を有する。
【0011】請求項3の発明は、コネクタハウジングの
内部には端子金具が挿入可能なキャビティが形成され、
そのコネクタハウジングに対して前後方向に沿って押し
込み装着が可能でその装着時に端子金具を抜け止め状態
に係止可能とするリテーナを備えたコネクタを製造する
金型であって、相対的に接離可能に対応した一対の金型
が設けられ、型閉じされた両金型の間には、リテーナが
前後方向の移動可能に挿入されるリテーナ挿入孔を側面
に開口して設けたハウジングと、前記リテーナ挿入孔の
側方に位置するリテーナとをそれぞれ成形可能な成形空
間が形成されるようになっているとともに、型開き後に
リテーナを前記リテーナ挿入孔の側面の開口から挿入可
能とする挿入手段を設けた構成としたところに特徴を有
する。
【0012】請求項4の発明は、端子金具を挿入可能な
キャビティを内部に設けたコネクタハウジングと、その
コネクタハウジングに対して前記端子金具の挿入方向に
沿って仮係止位置と本係止位置との間で変位可能に装着
されるリテーナとからなり、そのリテーナは前記本係止
位置に押し込まれたときに前記端子金具を抜け止め状態
に係止可能とするコネクタにおいて、前記コネクタハウ
ジングには、前記リテーナを仮係止位置と本係止位置と
の間で移動可能に挿入するリテーナ挿入孔がそのコネク
タハウジングの側面に開口して形成され、前記リテーナ
はその一部を前記開口部に臨ませた状態で前記仮係止位
置に挿入され、前記コネクタハウジングの側面側から前
記本係止位置への押し込み操作が可能とされる構成とな
っているところに特徴を有する。
【0013】また請求項5の発明は、端子金具を挿入可
能なキャビティを内部に設けたコネクタハウジングと、
そのコネクタハウジングに対して前記端子金具の挿入方
向に沿って仮係止位置と本係止位置との間で変位可能に
装着されるリテーナとからなり、そのリテーナは前記本
係止位置に押し込まれたときに前記端子金具を抜け止め
状態に係止可能とするコネクタにおいて、そのリテーナ
を装着する方法であって、前記リテーナは前記コネクタ
ハウジングの側面から端子金具の挿入方向と交差する方
向に沿って前記仮係止位置に挿入されたのち、コネクタ
ハウジングの側面側からの操作により端子金具の挿入方
向に沿って前記本係止位置に押し込まれる構成としたと
ころに特徴を有する。
【0014】
【発明の作用および効果】
<請求項1の発明>リテーナはまずコネクタハウジング
の側面の開口からリテーナ挿入孔内に挿入されて仮保持
位置に保持され、しかるのち前後方向に沿って押し込ま
れることで本係止位置に移行される。リテーナを仮係止
位置に向けて押し込む方向と、仮係止位置から本係止位
置に向けて押し込む方向とが異なっているから、仮係止
位置に一旦保持すべきリテーナを誤って本係止位置に押
し込んでしまうのが防止できる。したがってリテーナの
戻し操作等が不要となって、組み付け作業を能率良く行
うことができる効果が得られる。
【0015】<請求項2および請求項3の発明>一対の
金型を閉じた状態において、ハウジングはその側面に開
口したリテーナ挿入孔を設けた形状に成形され、リテー
ナはそのリテーナ挿入孔の側方の位置において併せて成
形される。型開きされたのち、挿入手段によってリテー
ナが側面の開口からリテーナ挿入孔に挿入されて、リテ
ーナとハウジングが所定の状態で一体的に組み付けられ
る。金型内でハウジング、リテーナの成形とこれらの組
付けとをともに行うことができるため、工程短縮によっ
て安価なリテーナ一体のコネクタを得ることができる効
果がある。
【0016】<請求項4および請求項5の発明>リテー
ナは、コネクタハウジングの側面の開口部から端子金具
の挿入方向と交差する方向に沿って挿入されて、リテー
ナ挿入孔の仮係止位置に装着され、しかるのち開口部に
臨んだリテーナの一部を介して、コネクタハウジングの
側面側から端子金具の挿入方向に沿って本係止位置に押
し込み操作される。それにより、端子金具が抜け止め状
態に係止される。リテーナの押し込み操作を何の邪魔も
ないコネクタハウジングの側面側から行うことができる
ので、リテーナの装着作業をきわめて能率良く行うこと
ができ、またリテーナが端子金具に当たる等により端子
金具を変形させることを未然に防止し得る効果が得られ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。 <第1実施形態>図1ないし図13は本発明の第1実施
形態を示す。この実施形態では、本発明をフロントリテ
ーナタイプの雌側のコネクタに適用した場合を例示して
おり、雌側のコネクタハウジング1(以下、雌ハウジン
グという)と、その前面側から押し込み装着されること
で雌型端子金具2を二重係止するリテーナ3とを備えて
いる。
【0018】雌ハウジング1は、合成樹脂材により略直
方体形状に一体成形されたものであって、図1および図
4に示すように、その内部には複数のキャビティ5が形
成されている。キャビティ5内には、雌型端子金具2が
後面側(図4の右側)から挿入可能とされ、また前面側
には相手の雄型端子金具52のタブ60(第2実施形態
の図15参照)が挿入される端子挿入口6が形成されて
いる。キャビティ5は上下2段に分かれて形成され、下
段側では4個が横方向に並んで設けられ、また上段側で
は左右両端部に2個が設けられて、合計6個が形成され
ている。
【0019】上下のキャビティ5は上下対称形状に形成
されており、下段のキャビティ5における天井面および
上段のキャビティ5における底面には、それぞれ片持ち
梁状をなして撓み変形可能なランス7が設けられてい
る。このランス7は、雌型端子金具2を一次係止するの
に機能するものであって、下側のキャビティ5について
見ると、雌型端子金具2がキャビティ5の後面側から挿
入されると、ランス7がその上方に設けられた撓み変形
空間8内に撓み変形しつつ雌型端子金具2が押し込ま
れ、雌型端子金具2が正規位置まで挿入されると、ラン
ス7が復元弾力で元形に復帰しつつ雌型端子金具2のあ
ご部9に嵌まり、雌型端子金具2を抜け止め状態に一次
係止するようになっている。上段側のランスも撓み変形
方向が上記と逆となるだけであって、同様に機能する。
【0020】雌ハウジング1の前面には、上下のキャビ
ティ5の形成位置の間の位置において、リテーナ3を挿
入可能とするリテーナ挿入孔10が奥方に向けて形成さ
れている。そのリテーナ挿入孔10の奥方は、上記した
ランス7の撓み変形空間8と連通している。また、その
リテーナ挿入孔10は、図1に示すように、雌ハウジン
グ1の一方の側面に開口している。その開口部11は、
リテーナ3の前後方向の幅と略同じ長さを有している。
【0021】リテーナ3は、同じく合成樹脂材により形
成され、図1に示すように、上記したリテーナ挿入孔1
0内に挿入可能な平板状に形成されており、その前縁側
がランス7の撓み変形空間8内に突入可能な突入部3a
となっている。このリテーナ3は、上記したリテーナ挿
入孔10に対して、まず雌ハウジング1の側面の開口部
11から図1の矢線A方向に挿入される。その場合リテ
ーナ3は、図4に示すように、その後端縁(同図の左側
縁)が、リテーナ挿入孔10における雌ハウジング1の
前面側の開口から一定寸法突出した状態で挿入されて保
持される。この位置がリテーナ3の仮係止位置であっ
て、この仮係止位置では、リテーナ3の突入部3aがラ
ンス7の撓み変形空間8の手前側に留まっている。
【0022】上記のようにリテーナ3を仮係止位置に保
持するために、リテーナ挿入孔10の左右の幅方向の略
中央部における天井面には、前方(図4の左側)に向け
て片持ち梁状に突出された撓み変形可能なロック片13
が設けられている。ロック片13の先端部の下面にはロ
ック突部14が形成されており、図7にも示すように、
突出方向の前面側が先狭まりのテーパ面15となってお
り、同図の手前側の側面も同じく先狭まりのテーパ面1
6となっている。
【0023】一方のリテーナ3の上面における突入部3
a側には、上記したロック片13のロック突部14が嵌
合可能なガイド溝18が、図1、7の矢線Aに示す挿入
方向に沿って形成されている。ガイド溝18の同図の手
前側の側壁は、ロック突部14のテーパ面15と対応し
たテーパ面19に形成されている。また、ガイド溝18
の長さ方向の途中位置には係止部20が形成され、係止
部20の挿入方向Aの前面側はテーパ面21となってい
る。
【0024】すなわち、リテーナ3はガイド溝18にロ
ック突部14を嵌めつつ図1、7の矢線A方向に挿入さ
れ、途中でロック片13が撓み変形しつつロック突部1
4がテーパ面21から係止部20上に乗り上げ、リテー
ナ3が雌ハウジング1の反対側の側壁に突き当たったと
ころで、図8に示すように、ロック片13が復元変形し
つつロック突部14が係止部20の後面側に嵌合するこ
とで、リテーナ3が上記した仮係止位置に保持されるよ
うになっている。
【0025】仮係止位置に保持されたリテーナ3は、雌
ハウジング1の前面側から図2の矢線B方向に押圧され
ることで、リテーナ挿入孔10内のさらに奥方に挿入さ
れて保持される。この位置がリテーナ3の本係止位置で
あって、この本係止位置では、図5に示すように、リテ
ーナ3の突入部3aがランス7の撓み変形空間8内に突
入して、ランス7の撓み変形を規制するように機能す
る。
【0026】リテーナ3を本係止位置に保持するため
に、リテーナ3の上面には、図7に示すように、上記し
たロック片13のロック突部14が嵌合可能な係止溝2
3が、ガイド溝18と直交して切られている。この係止
溝23は、係止部20の挿入方向Aのすぐ後面側で、か
つガイド溝18から同図の左側に一定寸法隔たった位置
から形成されている。
【0027】したがって、リテーナ3を仮係止位置から
図2の矢線B方向に押し込むと、ロック片13が撓み変
形しつつロック突部14がガイド溝18のテーパ面19
に沿ってリテーナ3の上面に乗り上げ、本係止位置まで
押し込まれたところで、ロック片13が復元変形しつつ
ロック突部14が係止溝23に嵌まり、リテーナ3が抜
け止め状態で保持されるようになっている。
【0028】続いてその作用を説明する。まず、リテー
ナ3を雌ハウジング1の側面に設けられた開口部11か
ら、図1の矢線A方向に沿ってリテーナ挿入孔10内に
挿入し、図2および図4に示すようにリテーナ3を仮係
止位置に保持する。この仮係止位置では、リテーナ3の
突入部3aはランス7の撓み変形空間8の手前側に留ま
っており、したがってランス7が撓み変形可能な状態に
ある。
【0029】かかる状態で雌型端子金具2をキャビティ
5内に後方から挿入すると、雌型端子金具2はランス7
を撓み変形空間8内に向けて撓み変形させつつ押し込ま
れ、正規位置まで挿入されたところでランス7が弾性的
に復元変形して、図4に示すように雌型端子金具2のあ
ご部9に嵌合することで、雌型端子金具2が抜け止め状
態に一次係止される。
【0030】続いて、リテーナ3を図2に示す状態か
ら、雌ハウジング1の前面から突出した後縁部を同図の
矢線B方向に押して、図3および図5に示すように、奥
方の本係止位置に保持する。この本係止位置では、リテ
ーナ3の突入部3aがランス7の撓み変形空間8に突入
するため、ランス7の撓み変形が規制され、それにより
雌型端子金具2の抜け止めが確実になされて、いわゆる
二次係止された状態となる。
【0031】なお、キャビティ5内に雌型端子金具2を
挿入した際、図6に示すように半挿入状態にあると、ラ
ンス7が撓み変形空間8内に撓んで突出したままの状態
となる。そのためリテーナ3を仮係止位置から本係止位
置に押し込もうとした場合に、リテーナ3がランス7に
突き当たることで押し込みができず、それにより雌型端
子金具2が半挿入状態にあることが検知される。
【0032】以上のように、リテーナ3を仮係止位置に
向けて押し込む方向と、仮係止位置から本係止位置に向
けて押し込む方向とが直交していて、互いに異なってい
るから、仮係止位置に一旦保持すべきリテーナ3を誤っ
て本係止位置に押し込んでしまうおそれがない。したが
ってリテーナ3の戻し操作等が不要となって、組み付け
作業が能率良く行われる。
【0033】また上記したコネクタは、一つの金型内に
おいて、雌ハウジング1とリテーナ3の成形工程と、こ
れらの仮組み工程とを行うことが可能であって、続いて
その製造用金型並びに製造方法を説明する。製造用金型
は射出成形システムに組み込まれたものであって、その
要部は以下に説明するようになっているが、図10ない
し図13に示す図面では、金型並びにコネクタともに説
明の便宜のために簡略化して図示されている。またここ
で、雌ハウジング1の前部側とは図10の左側をいい、
リテーナ3の前部側とは同図の右側をいう。
【0034】本実施形態の金型は、互いに対をなす固定
金型31と可動金型32とを備えている。固定金型31
の成形面には、リテーナ3の後部側の一部を形成するリ
テーナ成形凹部34が形成されている。詳細には、その
リテーナ成形凹部34は、リテーナ3が雌ハウジング1
に対して仮係止位置に組み付けられた場合に、雌ハウジ
ング1の前面から突出するリテーナ3の後端部分を成形
するものである。そのリテーナ成形凹部34の図示上方
には、正面逆T字形をなすコア部35が突設されてい
る。コア部35の水平部36は、リテーナ3の残りの前
部側の上面、並びに雌ハウジング1の前部側の一部の下
面を形成するためのものである。一方、コア部35の垂
直部37は、後記する可動金型32のハウジング成形凹
部39内の上端よりも少し下方位置から下端にわたって
進入して、雌ハウジング1の前面から図示下面にわたっ
て開口するリテーナ挿入孔10を形成するためのもので
ある。
【0035】一方の可動金型32は、図示しない駆動機
構に接続されて図示左右方向に所定のストロークで進退
駆動され、固定金型31に対して接離可能となってい
る。可動金型32の成形面には、固定金型31のコア部
35の水平部36とともに雌ハウジング1を成形するハ
ウジング成形凹部39が形成されている。このハウジン
グ成形凹部39の奥面には、突き出しピン40を進退自
由に挿通した挿通孔41が形成されている。
【0036】上記のハウジング成形凹部39の図示下面
側には、コア部35の水平部36の嵌入空間43を介し
て、リテーナ3の前部側を成形するためのリテーナ成形
凹部44が、固定金型31のリテーナ成形凹部34と対
応して形成されている。リテーナ成形凹部44の下面に
は上下方向の挿通孔45が形成され、その中には、シリ
ンダ駆動機構により進退駆動される挿入用ピン46が挿
通されている。
【0037】続いて、上記のように構成された成形用金
型を使用して、雌ハウジング1、リテーナ3の成形さら
にはその組付けを行う手順を説明する。まず図10に示
すように、突き出しピン40ならびに挿入用ピン46が
それぞれ後退した状態において可動金型32が前進し
て、両金型31、32が閉じられる。このとき固定金型
31のコア部35の垂直部37が、可動金型32のハウ
ジング成形凹部39内に嵌入する。この状態で雌ハウジ
ング1とリテーナ3のそれぞれの成形空間に溶融樹脂が
充填される。これにより、コア部35の垂直部37の存
在によって前面から図示下面にわたって開口したリテー
ナ挿入孔10を有する雌ハウジング1と、その下方に位
置するリテーナ3とが成形される。そして、所定の時間
が経過して樹脂が固化したら、可動金型32が後退する
ことで図11に示すように型開きが行われる。このと
き、雌ハウジング1、リテーナ3は可動金型32に保持
されている。
【0038】型開きされたら、図12に示すように、リ
テーナ成形凹部44の下面側に設けられた挿入用ピン4
6が進出し、それによりリテーナ3がリテーナ成形凹部
44の奥面で案内されつつ上昇駆動されて、リテーナ挿
入孔10の図示下面側の開口部11から挿入され、それ
によりリテーナ3が仮係止位置に組み付けられる。これ
が完了したら、図13に示すように、挿入用ピン46が
元位置に後退するとともに、突き出しピン40が突出し
て、雌ハウジング1に対してリテーナ3が仮係止された
製品が可動金型32の前方に突き出されて取り出され
る。
【0039】以上のように、雌ハウジング1およびリテ
ーナ3の成形工程と、これらの仮組み工程とを同時に行
うことができるため、搬送組み付けも不要となり、工程
短縮により製品完成のリードタイムを短縮し、製造コス
トの低減が実現できる。また、雌ハウジング1とリテー
ナ3という異種の成形品を一つの金型内で成形すること
ができるため、金型の管理面からも有益である。
【0040】<第2実施形態>図14ないし図16は本
発明の第2実施形態を示す。この実施形態では、上記の
第1実施形態に示した雌側のコネクタと嵌合されるフロ
ントリテーナタイプの雄側のコネクタを例示しており、
雄側のコネクタハウジング51(以下、雄ハウジングと
いう)と、雄型端子金具52を二重係止するためのリテ
ーナ53とを備えている。
【0041】雄ハウジング51は、同様に合成樹脂材に
より一体成形されたものであって、本体部54の前面側
(図15の右側)に、第1実施形態の雌ハウジング1を
内側に嵌合可能なフード部55が形成されている。本体
部54の内部には、6個のキャビティ56が雌ハウジン
グ1側と対応して形成され、各キャビティ56内に後面
側(図15の左側)から雄型端子金具52を挿入する
と、各キャビティ56に設けられたランス57が雄型端
子金具52のあご部59に弾性的に嵌まることで、雄型
端子金具52はタブ50をフード部55内に突出させて
抜け止め状態に一次係止されるようになっている。
【0042】雄ハウジング51の本体部54の前面に
は、上記したランス57の撓み変形空間58に達するリ
テーナ挿入孔62が形成されている。そのリテーナ挿入
孔62は、図14に示すように、本体部54の前端側の
一方の側面から、それに続くフード部55の溝64の一
部にわたって開口されており、その開口部63はリテー
ナ53の前後方向の幅よりも長い寸法に形成されてい
る。
【0043】リテーナ53は第1実施形態と同様に、リ
テーナ挿入孔62内に挿入可能な平板状に形成され、図
14の手前側の端縁が、ランス57の撓み変形空間58
内に突入可能な突入部53aとなっている。このリテー
ナ53は、上記した開口部63の図14の右側の領域に
おいて同図の矢線C方向に挿入されることで仮係止位置
に保持される。この仮保持位置では、リテーナ53の突
入部53aがランス57の撓み変形空間58の手前に留
められる。またリテーナ53の挿入方向Cの後縁側が、
図14の鎖線に示すように開口部63から突出してい
る。
【0044】リテーナ53は続いて同図の矢線D方向に
沿ってリテーナ挿入孔62の奥方に挿入されて本係止位
置に保持される。この本係止位置では、リテーナ53の
突入部53aがランス57の撓み変形空間58内に突入
可能となっている。なお、リテーナ53を仮係止位置並
びに本係止位置に保持する機構については、第1実施形
態と同様であるので、同一部材については同一符号を付
して重複した説明は省略する。
【0045】この第2実施形態の作用を改めて説明する
と、以下のようである。まずリテーナ53は、雄ハウジ
ング51の側面に設けられた開口部63における図14
の右側の領域から、同図の矢線C方向に沿ってリテーナ
挿入孔62に挿入され、図15に示すように仮係止位置
に保持される。ここでは、リテーナ53の突入部53a
はランス57の撓み変形空間58の手前側に留まってい
て、ランス57が撓み変形可能な状態にある。この状態
から、雄型端子金具52をキャビティ56内に後方から
挿入すると、ランス57が撓み変形しつつ押し込まれ、
正規位置まで挿入されたところでランス57が弾性的に
復元変形して、雄型端子金具52のあご部59に嵌合す
ることで抜け止め状態に一次係止される。
【0046】続いて、フード部55の溝54から、リテ
ーナ53の側面の開口部63から突出した部分に指を掛
けて、リテーナ53を図14の矢線D方向に押し込み、
図16に示すように奥方の本係止位置に保持する。ここ
では、リテーナ53の突入部53aがランス57の撓み
変形空間58に突入するため、ランス57の撓み変形が
規制され、それにより雄型端子金具52の抜け止めが確
実になされて、二次係止される。なお、図示はされてい
ないが、雄型端子金具52が半挿入状態にあったときに
は、第1実施形態と同様にそれが検知される。
【0047】このように本実施形態でも、リテーナ53
を仮係止位置に向けて押し込む方向と、仮係止位置から
本係止位置に向けて押し込む方向とが異なっているか
ら、仮係止位置に一旦保持すべきリテーナ53を誤って
本係止位置に押し込んでしまうおそれがなく、同様にリ
テーナ53の戻し操作等が不要となって組み付け作業を
能率良く行うことができる。
【0048】また、本実施形態のようなフード部55を
有する雄ハウジング51に対してフロントタイプのリテ
ーナを挿入する場合は、単に前面から挿入する形式の従
来のものにあっては、まず仮係止位置に装着する場合に
フード部55が邪魔になり、さらに本係止位置に押し込
む場合にはフード部55内に突出した雄型端子金具52
のタブ60が邪魔になって、いずれの場合も挿入作業に
手間取っていた。その点本実施形態では、リテーナ53
の挿入を何の邪魔もない雄ハウジング51の側面側から
行うことができるので、リテーナ53の挿入作業をきわ
めて能率良く行うことができる。なお、第2実施形態の
コネクタでも、第1実施形態と同様に、一つの金型内に
おいて、ハウジングとリテーナの成形工程と、これらの
仮組み工程とを行うことができる。
【0049】<第3実施形態>さらに、図17〜図24
によって本発明の第3実施形態を説明する。この第3実
施形態は、第2実施形態と同様に、フロントリテーナタ
イプの雄側のコネクタに適用した場合を例示しており、
雄ハウジング101と、雄型端子金具102を二重係止
するためのリテーナ103とを備えている。
【0050】雄ハウジング101は合成樹脂材により一
体成形されたものであって、本体部105の前面側(図
19の左側)に、図示しない相手の雌ハウジングを内側
に嵌合可能なフード106が形成されている。本体部1
05の内部には複数個のキャビティ107が形成され、
本体部105の幅方向の両端部においては上下二段に、
中央部においては下段のみに形成されている。上下のキ
ャビティ107は上下対称形状に形成されており、下段
のキャビティ107における天井面および上段のキャビ
ティ107における底面には、それぞれ片持ち梁状をな
して撓み変形可能なランス108が設けられている。な
お図19〜図21では、キャビティ107が下段のみに
形成されている部分の縦断面図を示している。
【0051】このランス108は、雄型端子金具102
を一次係止するのに機能するものであって、下側のキャ
ビティ107について見ると、雄型端子金具102がキ
ャビティ107の後面側から挿入されると、ランス10
8がその上方に設けられた撓み変形空間110内に撓み
変形しつつ雄型端子金具102が押し込まれ、雄型端子
金具102が正規位置まで挿入されると、ランス108
が復元弾力で元形に復帰しつつ雄型端子金具102のあ
ご部111に嵌まり、雄型端子金具102はタブ112
をフード106内に突出させて抜け止め状態に一次係止
されるようになっている。上段側のランスも撓み変形方
向が上記と逆となるだけであって、同様に機能する。
【0052】雄ハウジング101の本体部105の前面
には、奥方が上記したランス108の撓み変形空間11
0に達するリテーナ挿入孔114が形成されている。そ
のリテーナ挿入孔114は、図17に示すように、本体
部105の前端側の一方の側面から、それに続くフード
106の一部にわたって開口されており、その開口部1
15はリテーナ103の前後方向(雄型端子金具102
の挿入方向に沿った方向)の幅よりも長い寸法に形成さ
れている。
【0053】リテーナ103は、同じく合成樹脂材によ
り形成され、図17に示すように、上記したリテーナ挿
入孔114内に挿入可能な平板状に形成されており、そ
の前縁側(図19の右側)がランス108の撓み変形空
間110内に突入可能な突入部117となっている。こ
のリテーナ103は、上記したリテーナ挿入孔114に
対して、その開口部115の図17の左側の領域から矢
線E方向に挿入されるようになっている。またリテーナ
103の挿入方向Eの後縁には、操作突起118が一体
的に突設されている。そして、リテーナ103が上記の
ようにリテーナ挿入孔114に挿入されると、操作突起
118が開口部115から外部に突出した状態で保持さ
れる。この位置がリテーナ103の仮係止位置であっ
て、この仮係止位置では、リテーナ103の突入部11
7がランス108の撓み変形空間110の手前側に留ま
っている。
【0054】上記のようにリテーナ103を仮係止位置
に保持するために、リテーナ挿入孔114の天井面に
は、前方(図19の左側)に向けて片持ち梁状に突出さ
れた撓み変形可能なロック片120が設けられている。
ロック片120の先端部の下面にはロック突部121が
形成されており、図22にも示すように、突出方向の前
面側が先狭まりのテーパ面122となっており、同図の
手前側の側面も同じく先狭まりのテーパ面123となっ
ている。
【0055】一方のリテーナ103の上面における突入
部117側には、上記したロック片120のロック突部
121が嵌合可能なガイド溝125が、図17、22の
矢線Eに示す挿入方向に沿って形成されている。ガイド
溝125の同図の手前側の側壁は、ロック突部121の
テーパ面122と対応したテーパ面126に形成されて
いる。また、ガイド溝125の長さ方向の途中位置には
係止部127が形成され、係止部127の挿入方向Eの
前面側はテーパ面128となっている。
【0056】すなわち、リテーナ103はガイド溝12
5にロック突部121を嵌めつつ図17、22の矢線E
方向に挿入され、途中でロック片120が撓み変形しつ
つロック突部121がテーパ面128から係止部127
上に乗り上げ、リテーナ103が雄ハウジング101の
反対側の側壁に突き当たったところで、図23に示すよ
うに、ロック片120が復元変形しつつロック突部12
1が係止部127の後面側に嵌合することで、リテーナ
103が上記した仮係止位置に保持されるようになって
いる。
【0057】仮係止位置に保持されたリテーナ103
は、詳しくは後記するように、図18の矢線Fに示す後
方に押圧されることで、リテーナ挿入孔114の奥方に
押し込まれて保持される。この位置がリテーナ103の
本係止位置であって、この本係止位置では、図20に示
すように、リテーナ103の突入部117がランス10
8の撓み変形空間110内に突入して、ランス108の
撓み変形を規制するように機能する。
【0058】リテーナ103を本係止位置に保持するた
めに、リテーナ103の上面には、図22に示すよう
に、上記したロック片120のロック突部121が嵌合
可能な係止溝129が、ガイド溝125と直交して切ら
れている。この係止溝129は、係止部127の挿入方
向Eのすぐ後面側で、かつガイド溝125から同図の左
側に一定寸法隔たった位置から形成されている。
【0059】したがって、リテーナ103を仮係止位置
から図18の矢線F方向に押し込むと、ロック片120
が撓み変形しつつロック突部121がガイド溝125の
テーパ面126に沿ってリテーナ103の上面に乗り上
げ、本係止位置まで押し込まれたところで、ロック片1
20が復元変形しつつロック突部121が係止溝129
に嵌まり、リテーナ103が抜け止め状態で保持される
ようになっている。
【0060】本第3実施形態は上記のような構造であっ
て、続いてその作用を説明する。まずリテーナ103
は、雄ハウジング101の側面に設けられた開口部11
5における図17の左側の領域から、同図の矢線E方向
に沿ってリテーナ挿入孔114に挿入され、図18の実
線及び図19に示すように仮係止位置に保持される。こ
こでは、リテーナ103の突入部117はランス108
の撓み変形空間110の手前側に留まっていて、ランス
108が撓み変形可能な状態にある。この状態から、雄
型端子金具102をキャビティ107内に後方から挿入
すると、ランス108が撓み変形しつつ押し込まれ、正
規位置まで挿入されたところでランス108が弾性的に
復元変形して、雄型端子金具102のあご部111に嵌
合することで抜け止め状態に一次係止される。
【0061】続いて、開口部115から突出している操
作突起118に指を掛けて、リテーナ103を図18の
矢線F方向に押し込み、図18の鎖線及び図20に示す
ように奥方の本係止位置に保持する。ここでは、リテー
ナ103の突入部117がランス108の撓み変形空間
110に突入するため、ランス108の撓み変形が規制
され、それにより雄型端子金具102の抜け止めが確実
になされて、二次係止される。
【0062】なお、キャビティ107内に雄型端子金具
102を挿入した際、図21に示すように半挿入状態に
あると、ランス108が撓み変形空間110内に撓んで
突出したままの状態となる。そのためリテーナ103を
仮係止位置から本係止位置に押し込もうとした場合に、
リテーナ103がランス108に突き当たることで押し
込みができず、それにより雄型端子金具102が半挿入
状態にあることが検知される。
【0063】以上のように、リテーナ103を仮係止位
置に挿入する操作、さらには本係止位置に押し込む操作
のいずれもが、何の邪魔もない雄ハウジング101の側
面側から行うことができるので、リテーナ103の装着
作業をきわめて能率良く行うことができる。それととも
にフード106内に手や治具を入れる必要がないことか
ら、雄型端子金具102のタブ112を変形させるおそ
れもない。
【0064】また、リテーナ103を仮係止位置に向け
て挿入する方向と、仮係止位置から本係止位置に向けて
押し込む方向とが直交していて、互いに異なっているか
ら、仮係止位置に一旦保持すべきリテーナ103を誤っ
て本係止位置に押し込んでしまうおそれがない。したが
ってリテーナ103の戻し操作等が不要となって、組み
付け作業が能率良く行われる。第3実施形態のコネクタ
も同様に、一つの金型内において、ハウジングとリテー
ナの成形工程と、これらの仮組み工程とを行うことがで
きる。
【0065】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)リテーナを手作業によりリテーナ挿入孔の側面側
の開口部から仮係止位置に挿入する場合は、開口部にお
ける挿入位置が確定されねばならないので、そのような
挿入位置を確定させるガイド機構を設けることが望まし
い。
【0066】(2)第1実施形態において、リテーナ3
を仮係止位置に挿入する場合に、その挿入方向Aの後縁
が開口部11を通過して雌ハウジング1内に完全に挿入
される構造であれば、開口部11の間口は、リテーナ3
を仮係止位置に挿入し得るに足る長さを有していればよ
い。また第2実施形態において、リテーナ53を仮係止
位置に挿入する場合に、その挿入方向Cの後縁が開口部
63を通過して雄ハウジング51内に完全に挿入され、
リテーナ53を本係止位置に押し込む場合には、フード
部55内から治具等を利用して押し込む構造を取れば、
開口部63の間口は、リテーナ53を仮係止位置に挿入
し得るに足る長さを有していればよい。
【0067】(3)製造用金型において、リテーナ挿入
用ピンの進退駆動は、カム機構により行うようにしても
よい。 (4)第3実施形態において、リテーナ103が仮係止
位置に挿入された際、操作突起118が開口部115か
ら外部に突出するようにしたが、図25に示すように、
操作突起118aを短寸に形成して、操作突起118a
が雄ハウジング101の側面と面一に収まる構造として
もよい。この場合、リテーナ103を本係止位置に押し
込むには、ドライバ等の簡易な治具を使用すればよい。
操作突起118aを雄ハウジング101の側面と面一に
収めることで外観がすっきりとまとまり、また操作突起
118aに外部のものがぶつかる等で誤操作されるおそ
れが少なくなる。
【0068】(5)また操作突起に変えて、操作用の凹
部を設けてもよい。 (6)本発明は、上記各実施形態に示したフロントタイ
プのコネクタに限らず、同じフロントタイプでも、リテ
ーナを本係止位置に押し込むことで、ランスとは別に設
けられた弾性係止片を端子金具の別の部位に係合させる
ことで二重係止を行う形式のものや、またリアタイプと
称して、リテーナをコネクタハウジングの後面側から押
し込んで、端子金具のあご部等に当接させることで二重
係止を行う形式のコネクタにも同様に適用することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るリテーナの装着前
の状態の斜視図である。
【図2】リテーナを仮係止位置に装着した状態の斜視図
である。
【図3】リテーナを本係止位置に装着した状態の斜視図
である。
【図4】リテーナを仮係止位置に装着した状態の縦断面
図である。
【図5】リテーナを本係止位置に装着した状態の縦断面
図である。
【図6】端子金具の半挿入を検知した場合の縦断面図で
ある。
【図7】リテーナとロック片との関係を示す斜視図であ
る。
【図8】リテーナが仮係止位置でロックされた状態を示
す一部切欠斜視図である。
【図9】リテーナが本係止位置でロックされた状態を示
す一部切欠斜視図である。
【図10】金型による成形状態を示す断面図である。
【図11】型開き途中の断面図である。
【図12】リテーナの組み付け動作を示す断面図であ
る。
【図13】完成品の取り出し状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係るリテーナの装着
前の状態の斜視図である。
【図15】リテーナを仮係止位置に装着した状態の縦断
面図である。
【図16】リテーナを本係止位置に装着した状態の縦断
面図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係るリテーナの装着
前の状態の斜視図である。
【図18】リテーナを仮係止位置に挿入した状態の斜視
図である。
【図19】リテーナを仮係止位置に挿入した状態の縦断
面図である。
【図20】リテーナを本係止位置に押し込んだ状態の縦
断面図である。
【図21】端子金具の半挿入を検知した場合の縦断面図
である。
【図22】リテーナとロック片との関係を示す斜視図で
ある。
【図23】リテーナが仮係止位置でロックされた状態を
示す一部切欠斜視図である。
【図24】リテーナが本係止位置でロックされた状態を
示す一部切欠斜視図である。
【図25】第3実施形態の変形例に係るリテーナを仮係
止位置に挿入した状態の斜視図である。
【図26】従来例におけるリテーナを仮係止位置に装着
した状態の縦断面図である。
【図27】そのリテーナを本係止位置に装着した状態の
縦断面図である。
【符号の説明】
1…雌ハウジング 2…雌型端子金具 3…リテーナ 5…キャビティ 7…ランス 8…撓み変形空間 10…リテーナ挿入孔 11…(側面の)開口部 31…固定金型 32…可動金型 34…リテーナ成形凹部 35…コア部 37…(コア部35の)垂直部 39…ハウジング成形凹部 44…リテーナ成形凹部 46…挿入用ピン 51…雄ハウジング 52…雄型端子金具 53…リテーナ 56…キャビティ 57…ランス 58…撓み変形空間 62…リテーナ挿入孔 63…(側面の)開口部 101…雄ハウジング 102…雄型端子金具 103…リテーナ 107…キャビティ 108…ランス 110…撓み変形空間 114…リテーナ挿入孔 115…(側面の)開口部 118…操作突起 118a…操作突起

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端子金具を挿入可能なキャビティを内部
    に設けたコネクタハウジングと、そのコネクタハウジン
    グに対して前後方向に沿って仮係止位置と本係止位置と
    の間で変位可能に装着されるリテーナとからなり、その
    リテーナは前記本係止位置に押し込まれたときに前記端
    子金具を抜け止め状態に係止可能とするコネクタであっ
    て、 前記コネクタハウジングには、前記リテーナを仮係止位
    置と本係止位置との間で移動可能に挿入するリテーナ挿
    入孔がそのコネクタハウジングの側面に開口して形成さ
    れ、リテーナは側面の開口から前記リテーナ挿入孔に挿
    入されて仮係止位置に保持されたのち、前後方向の移動
    により本係止位置に押し込まれる構成となっていること
    を特徴とするコネクタ。
  2. 【請求項2】 コネクタハウジングの内部には端子金具
    が挿入可能なキャビティが形成され、そのコネクタハウ
    ジングに対して前後方向に沿って押し込み装着が可能で
    その装着時に端子金具を抜け止め状態に係止可能とする
    リテーナを備えたコネクタの製造方法であって、 相対的に接離可能に配設された一対の金型を型閉じし
    て、リテーナが前後方向の移動可能に挿入されるリテー
    ナ挿入孔を側面に開口して設けたハウジングと、前記リ
    テーナ挿入孔の側方に位置するリテーナとを同時に成形
    し、型開きしたのちリテーナを前記リテーナ挿入孔の側
    面の開口から挿入して所定の状態で組み付けることを特
    徴とするコネクタの製造方法。
  3. 【請求項3】 コネクタハウジングの内部には端子金具
    が挿入可能なキャビティが形成され、そのコネクタハウ
    ジングに対して前後方向に沿って押し込み装着が可能で
    その装着時に端子金具を抜け止め状態に係止可能とする
    リテーナを備えたコネクタを製造する金型であって、 相対的に接離可能に対応した一対の金型が設けられ、型
    閉じされた両金型の間には、リテーナが前後方向の移動
    可能に挿入されるリテーナ挿入孔を側面に開口して設け
    たハウジングと、前記リテーナ挿入孔の側方に位置する
    リテーナとをそれぞれ成形可能な成形空間が形成される
    ようになっているとともに、型開き後にリテーナを前記
    リテーナ挿入孔の側面の開口から挿入可能とする挿入手
    段を設けたことを特徴とするコネクタの製造用金型。
  4. 【請求項4】 端子金具を挿入可能なキャビティを内部
    に設けたコネクタハウジングと、そのコネクタハウジン
    グに対して前記端子金具の挿入方向に沿って仮係止位置
    と本係止位置との間で変位可能に装着されるリテーナと
    からなり、そのリテーナは前記本係止位置に押し込まれ
    たときに前記端子金具を抜け止め状態に係止可能とする
    コネクタにおいて、 前記コネクタハウジングには、前記リテーナを仮係止位
    置と本係止位置との間で移動可能に挿入するリテーナ挿
    入孔がそのコネクタハウジングの側面に開口して形成さ
    れ、前記リテーナはその一部を前記開口部に臨ませた状
    態で前記仮係止位置に挿入され、前記コネクタハウジン
    グの側面側から前記本係止位置への押し込み操作が可能
    とされる構成となっていることを特徴とするコネクタ。
  5. 【請求項5】 端子金具を挿入可能なキャビティを内部
    に設けたコネクタハウジングと、そのコネクタハウジン
    グに対して前記端子金具の挿入方向に沿って仮係止位置
    と本係止位置との間で変位可能に装着されるリテーナと
    からなり、そのリテーナは前記本係止位置に押し込まれ
    たときに前記端子金具を抜け止め状態に係止可能とする
    コネクタにおいて、そのリテーナを装着する方法であっ
    て、 前記リテーナは前記コネクタハウジングの側面から端子
    金具の挿入方向と交差する方向に沿って前記仮係止位置
    に挿入されたのち、コネクタハウジングの側面側からの
    操作により端子金具の挿入方向に沿って前記本係止位置
    に押し込まれることを特徴とするコネクタにおけるリテ
    ーナの装着方法。
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