JPH0893903A - 降坂路における車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

降坂路における車両用自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH0893903A
JPH0893903A JP6223681A JP22368194A JPH0893903A JP H0893903 A JPH0893903 A JP H0893903A JP 6223681 A JP6223681 A JP 6223681A JP 22368194 A JP22368194 A JP 22368194A JP H0893903 A JPH0893903 A JP H0893903A
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JP
Japan
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speed
vehicle
road
accelerator
downhill
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Application number
JP6223681A
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English (en)
Inventor
Kazumi Hoshiya
一美 星屋
Yasunori Nakawaki
康則 中脇
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般的な走行、スポーツ走行のいずれの場合
にも、降坂制御を運転者の感覚にマッチさせることがで
きるようにする。 【構成】 降坂路か否かを判断する手段と、アクセル操
作を検出する手段と、ブレーキ操作を検出する手段とを
備え、アクセル踏み込み時であり且つ高速段走行時に降
坂路が判断された場合にはブレーキ操作に応答して高速
段を禁止し低速段へシフトダウンすると共に、アクセル
踏み込み時であり且つ高速段でない走行時に降坂路が判
断された場合にはブレーキ操作の有無にかかわらずアク
セルを戻したことによる高速段へのシフトアップを禁止
するようにして運転者のアクセルワークによる減速要求
にマッチさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、降坂路における車両用
自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機においては、一般に、
車速及びエンジン負荷(スロットル開度等)をパラメー
タとした変速マップを備え、走行時にその時点における
車速及びエンジン負荷の情報をこの変速マップに当ては
めることにより選択すべき変速段を決定するようにして
いる。
【0003】しかしながら、この変速マップは、一般的
な平地走行状態を基に作成したものであるため、例えば
降坂路や登坂路を走行するときには、必ずしも最適な変
速段を与えるものではなかった。
【0004】このような事情に鑑み、例えば特公昭59
−8698号公報には、平坦路走行用、登坂路走行用等
の走行路の状態に応じた変速マップを別々に備え、これ
らを適宜に切換えて使用する技術が提案されている。
【0005】この特公昭59−8698号公報において
は、スロットル開度や車速等をパラメータとして平坦路
での基準車両加速度(走行加速度の予想値)を予め求め
ておき、この基準車両加速度と車速から演算した実際の
車両加速度とを比較して該実際の加速度が基準加速度よ
りも所定値以上大きいときは降坂路を走行中、小さいと
きは登坂路を走行中というように判断する技術が併せて
開示されている。
【0006】又更に、特開平5−71623号公報にお
いては、降坂路と判断されると共にアクセルが解放され
ていると判断され、且つフットブレーキが操作されたと
判断されたときに、エンジンブレーキ力を高めるために
シフトダウンができるように変速マップを切換える技術
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−71623号を始め、一般に従来は、「降坂路
における制御」というものが、運転者の減速意思を確認
し、その操作の補助をするというポリシーで実行される
ものであったため、低速段にシフトダウンする条件が、
上述したように、降坂路と判断されること、アクセ
ルが解放されること、及びブレーキが操作されるこ
と、の3つとされており、走行状態がこの3つの条件に
合致する場合には低速段にシフトダウンするが、1つで
も合致しない場合にはシフトダウンしないという構成が
採用されていた。即ち従来は、降坂路であれば直ちに降
坂制御に入るのではなく、アクセル解放及びブレーキ操
作が検出されることを条件とし、これを運転者の減速の
意思の表明と見做して降坂制御に入っていた。そのた
め、当該降坂制御による車両の挙動が必ずしも現実の運
転者の要求と一致しないことがあるという問題があっ
た。
【0008】例えば従来のものは、降坂路において、加
速時にはアクセル開度は大きくなく高速段で走行すると
いう一般的な走行の場合には運転者の感覚にマッチする
が、スポーツ走行をする場合には運転者の感覚にマッチ
しないことがあった。即ち、例えばスポーツ走行でコー
ナから抜けるときには、降坂路であっても低速段に維持
して、あるいはキックダウンして加速しようとする場合
がよくある。
【0009】しかしながら従来は、アクセル解放且つブ
レーキ操作が降坂制御に入る条件とされていたため、例
えばコーナ手前等でアクセルが戻されたときには高速段
へのパワーオフアップシフトが発生してしまい、その結
果エンジンブレーキ力が低下し、運転者のアクセルワー
クによる減速要求にマッチした走行をしないことがあっ
た。
【0010】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、従来の降坂制御に対する考え方
を拡張して非ブレーキ操作時にも、条件次第で降坂制御
に入れるようにし、運転者が真にエンジンブレーキを必
要としているようなときには高速段へのシフトアップを
禁止し、より運転者の感覚にマッチした走行をすること
のできる降坂路における車両用自動変速機の制御装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1にその要
旨を示すように、降坂路を走行中か否かを判断する手段
と、降坂路を走行中と判断されたときには、所定の条件
の下に高速段を禁止し、低速段にシフトダウンする降坂
路における車両用自動変速機の制御装置において、アク
セル操作を検出する手段と、フットブレーキ操作を検出
する手段と、アクセル踏み込み時であり且つ前記高速段
走行時に降坂路が判断された場合には、フットブレーキ
操作を条件として前記高速段を禁止して低速段にシフト
ダウンする手段と、アクセル踏み込み時であり且つ前記
高速段でない走行時に降坂路が判断された場合には、フ
ットブレーキ操作の有無にかかわらずアクセルが戻され
たことによる前記高速段へのシフトアップを禁止する手
段と、を備えたことにより、上記課題を解決したもので
ある。
【0012】
【作用】本発明によれば、アクセル踏み込み時であり且
つ高速段走行時に降坂路と判断された場合、フットブレ
ーキが操作されることを条件に高速段を禁止し、低速段
へシフトダウンするようにする。
【0013】一方、高速段でない走行時にアクセル踏み
込み時であり且つ高速段でない走行時に降坂路と判断さ
れた場合には、フットブレーキ操作の有無にかかわらず
アクセルが戻されたことによる高速段へのシフトアップ
を禁止する。
【0014】この結果アクセル開度を増減することによ
って加減速するようなスポーツ走行において、コーナ手
前でアクセルを戻してエンジンブレーキを効かすという
ような操作を支障なく実行できるようになる。従って一
般的な走行、スポーツ走行のいずれの場合にも、降坂制
御を運転者の要求する感覚にマッチさせることができ
る。
【0015】即ち、従来はアクセルが解放され且つブレ
ーキが操作されることをもって運転者の減速の意思を判
断し、降坂制御に入っていたのであるが、本発明におい
ては、降坂制御に入る判断を非ブレーキ操作時にまで拡
張しようとするものである。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】図2は本発明が適用された車両用自動変速
機(及びエンジン)の全体概要図である。
【0018】この自動変速機2は、トルクコンバータ部
20と、オーバードライブ機構部40と、前進3段後進
1段のアンダードライブ機構部60とを備える。
【0019】前記トルクコンバータ部20は、ポンプ2
1、タービン22、ステータ23、及びロックアップク
ラッチ24を備えた周知のものであり、エンジン1のク
ランクシャフト10の出力をオーバードライブ機構部4
0に伝達する。
【0020】前記オーバードライブ機構部40は、サン
ギヤ43、リングギヤ44、プラネタリピニオン42、
及びキャリア41からなる1組の遊星歯車装置を備え、
この遊星歯車装置の回転状態をクラッチC0 、ブレーキ
B0 、一方向クラッチF0 によって制御している。
【0021】前記アンダードライブ機構部60は、共通
のサンギヤ61、リングギヤ62、63、プラネタリピ
ニオン64、65及びキャリア66、67からなる2組
の遊星歯車装置を備え、この2組の遊星歯車装置の回転
状態、前記オーバードライブ機構部40及び出力軸70
との連結状態を、クラッチC1 、C2 、ブレーキB1〜
B3 及び一方向クラッチF1 、F2 によって制御してい
る。
【0022】自動変速機2を制御するコンピュータ84
には、エンジン1の負荷あるいはアクセル開度を反映さ
せるためのスロットル開度を検出するスロットルセンサ
80、車速を検出する車速センサ(出力軸70の回転数
センサ)82、パーキングレンジ、ドライブレンジ、L
レンジ等の運転者によって選択されたシフトポジション
の信号を出力するシフトポジションスイッチ86、フッ
トブレーキが踏まれている際に信号を出力するフットブ
レーキスイッチ88、エンジン回転数を検出するエンジ
ン回転速度センサ90、アイドル接点の状態(アクセル
解放時オン、踏み込み時オフ)を出力するアイドル接点
スイッチ92、動力性能重視(パワーパターン)の走行
をするか、燃費性能重視(ノーマルパターン)の走行を
するかを選択するパターンセレクトスイッチ94、クル
ーズ制御(自動定車速走行)を実現するためのクルーズ
制御スイッチ97、オーバードライブ(第4速段)での
走行を禁止するオーバードライブオフスイッチ97等の
各種制御のための信号が入力されている。
【0023】車速センサ82の情報は、車両の実走行加
速度を求めるためにも使用される。
【0024】コンピュータ84は各センサ、スイッチ等
からの入力信号をパラメータとして、予め設定された
(従来と同様の)スロットル開度−車速の基本変速マッ
プに従ってまず選択されるべき変速段を求める。そして
当該変速段となるように、油圧制御回路98内のソレノ
イドバルブS1 、S2 、S3 、S4 等を駆動・制御す
る。その結果、図3に示されるように各クラッチ、ブレ
ーキ等が係合又は解放され、前進4段(第4速段はオー
バードライブ)、後進1段の変速段が達成される。
【0025】ここにおいて、コンピュータ84は図4〜
図6に示すような制御フローに従って、走行状態に応じ
て登降坂路における特別制御を行う。
【0026】図4はこの登降坂路における特別制御の概
略フローを示している。
【0027】制御フローの理解を容易とするために、こ
の特別制御の概略をまず説明しておく。
【0028】〈登坂路における制御〉登坂路を走行中と
判定されると、所定の条件の下に、第3速段にシフトダ
ウンされた後第4速段にシフトアップされるのが禁止さ
れ、(たとえ基本変速マップ上で第4速段にシフトアッ
プすべきと判断されても)第3速段がホールドされる。
主たる目的は動力性能の確保及びビジーシフトの防止で
ある。
【0029】登坂路の場合、第4速段から第3速段への
強制シフトダウンは実行しない。即ち、基本変速マップ
上で第4速段から第3速段へシフトダウンすべきと判断
されたときにのみ、それと同期してシフトダウンされ
る。その理由は、アクセルを踏み込んで走行している際
に、運転者の予期せぬ時期にシフトダウンが実行される
と、違和感を覚える恐れがあるためである。
【0030】〈降坂路における制御〉降坂路における制
御では、「降坂路」と判定するための路面勾配の閾値
が、比較的大きな第1勾配及びこれより小さい第2勾配
の2種類用意される。
【0031】第1勾配を閾値として「降坂路」と判定さ
れると、以下のような制御が実行される。
【0032】即ち、第4速段で走行中の場合は、アクセ
ル解放、フットブレーキオンの条件の下に第4速段から
第3速段へシフトダウンされる。これは基本変速マップ
上の変速判断とは同期しない強制シフトダウンである
が、フットブレーキオンが条件となっているため運転者
に違和感を与えることはない。
【0033】又、第3速段で走行中の場合は、第1勾配
より大きな勾配の降坂路、アクセル解放、フットブレー
キオンの条件が満足され続ける限り第4速段にシフトア
ップされるのが禁止され、(たとえ基本変速マップ上で
第4速段にシフトアップすべきと判断されても)第3速
段がホールドされる。第1勾配は比較的大きく設定され
ているため、この第1勾配に係る制御が実行される頻度
は従来より低減される。
【0034】一方、第2勾配に係る降坂路の制御は次の
ように実行される。
【0035】即ち、アクセルが踏み込まれた状態でも
(第2勾配に係る)降坂路の判定は常に行われており、
降坂路と判定されると、第4速段走行中の場合は、次に
アクセルが解放され且つ該アクセル解放から所定時間以
内にフットブレーキが操作されたときに、(緩い勾配で
はあっても)運転者の減速意思があるとして、第4速段
走行中の場合よりエンジンブレーキの強い第3速段へ強
制シフトダウンされる。
【0036】一方第3速段走行中の場合は、アクセルが
解放されたときにブレーキ操作の有無にかかわらず高速
段が禁止され、第3速段がホールドされる。この結果、
結局第3速段走行中の場合は、パワーオフアップシフト
(アクセルを全閉したことによって発生するアップシフ
ト)が効果的に禁止されることになる。
【0037】ところで、後述の制御フローでは、アクセ
ルを踏み込んで走行しているときにこの(緩い)第2勾
配を閾値とする降坂路の判定を行っている。これは、条
件の性質上従来の降坂制御の閾値のように、あまり判定
勾配が大きいと、そのような降坂路でアクセルを踏込ん
で走行するということもほとんどなくなり、事実上本制
御が実施される機会がなくなってしまうためである。従
ってアクセル踏み込み時に降坂路の判定をする場合は、
従来の考え方による「きつい勾配での減速補助という降
坂制御」でなく、「降坂路をスポーツ走行する際の降坂
制御」を実行するためであるということで第1勾配より
緩い第2勾配で降坂路と判断しているものである。
【0038】以下、上述したような登降坂制御を実行す
るための制御フローを図4を参照して説明する。
【0039】この制御フローがスタートすると、まず、
ステップ102において本登降坂制御を実行するための
前提条件が成立しているか否かが判断される。
【0040】この前提条件は、具体的には、 1)自動変速機の車速センサ82が正常であること、 2)シフトポジションスイッチ86がドライブレンジと
されていること、 3)第3速段、又は第4速段のいずれかが出力中である
こと、 4)車速が所定値以上であり且つ所定値以下、例えば1
5km/h 〜125km/hの範囲に入っていること、 5)オーバードライブのオフスイッチ97がオフ(非作
用)、即ちオーバードライブ(第4速段)が許可し得る
状態とされていること、 6)クルーズ制御スイッチ96がオフ、具体的にはクル
ーズ非制御状態が連続して所定時間T1 以上検出されて
いること、である。
【0041】これらの条件のうち1つでも満足しなかっ
た場合には、ステップ124に進んで各フラグが零にリ
セットされる。この結果、実質的にこの図4の制御フロ
ーが終了される。
【0042】なお、1)において自動変速機の車速セン
サ82が正常であることを条件としたのは、車速センサ
82がフェイルしていた場合には、本制御を実行するた
めに必須の登降坂の判定自体ができなくなるためであ
る。
【0043】2)、3)においてドライブレンジの第3
速段又は第4速段のいずれかが出力中であることを条件
としたのは、本制御をドライブレンジの第3速段及び第
4速段におけるホールド、あるいはシフトダウンに限定
して実行するためである。
【0044】4)において車速が所定値以内に入ってい
ることを条件としたのは、車速が所定値以下のときは
(本制御の適用範囲外である)第2速段あるいは第1速
段に入るべき状態であり、又車速が所定値以上のとき
は、エンジンのオーバーランを防止するために第4速段
に維持されるべきだからである。
【0045】5)においてオーバードライブオフスイッ
チが非作用状態であることを条件としたのは、運転者に
よってオーバードライブ(第4速段)での走行が意識的
に避けられているときは、本制御によって第3速段及び
第4速段におけるホールドやシフトダウンを実行する余
地がもともとないためである。
【0046】6)においてクルーズ制御が非作用状態と
されていることを条件としたのは、クルーズ制御が実行
されている場合には、車速を一定に維持するために、別
途のルーチンで変速段が自動制御されるためである。
【0047】ステップ102において前提条件が全て成
立していると判断されると、フローはステップ104に
進む。ステップ104では、まず、登坂路の判定条件が
成立するか否かが判断される。この場合、非登坂路から
登坂路と判定するときと登坂路から非登坂路と判定する
ときとで若干のヒステリシスが設けられている。
【0048】具体的には、MOBG≦SBG43−KD
GSFが所定時間T2 以上成立したと判断されると、車
両が非登坂路から登坂路にさしかかったと判定する。一
方、MOBG>SBG43−KDGSNが所定時間T3
以上成立したと判断されると、車両が登坂路から非登坂
路に移行したと判定する。
【0049】ここで、MOBGは車速センサ(自動変速
機の出力軸70の回転数センサ)82の出力から演算し
た車両の実加速度を示しており、SBG43はスロット
ル開度、車速をパラメータとして各変速段(第3速段、
第4速段)毎に予めマップ化した平坦路走行時の基準車
両加速度を示している。両者共条件により正のときもあ
れば負のときもある。又、KDGSFは、車速に依存し
て中車速までは一定、高車速時に大きくなるように予め
マップ化した所定値(正のみ)、KDGSNは、パター
ンセレクトスイッチ94によるセレクトパターン(パワ
ーパターン、ノーマルパターン)毎に同じく車速に依存
して高車速時に大きくなるように予めマップ化した所定
値(正のみ)である。
【0050】なお、車速(出力軸回転数)が同一の場
合、KDGSF>KDGSN(ノーマル)>KDGSN
(パワー)となるように設定してある。KDGSNより
KDGSFが大きく設定されているのは判定にヒステリ
シスを与えるためであり、KDGSN(パワー)よりK
DGSN(ノーマル)の方が大きく設定されているの
は、パワーパターンのときはノーマルパターンのときよ
りも登坂路から非登坂路に移行したという判断をし難く
することにより、その分第3速段の状態を長めに維持さ
せるためである。第3速段がより長く維持されると、燃
費は若干低下するが、その分ビジーシフトが防止される
と共に加速性やエンジンブレーキの効きは向上し、それ
だけアクセルペダルの動きに敏感な走行ができる。
【0051】このような条件の判定により、登坂路と判
定されたときは、ステップ106に進んで登坂路判定フ
ラグF0 が1にセットされ、一方、登坂路ではないと判
定されたときにはステップ108に進んで該フラグF0
が零にリセットされる。
【0052】ステップ110では降坂路であるか否かが
判定される。なお、ステップ106で既に登坂路である
ことが判定されている場合には、降坂路の判定は必要な
いため、ステップ110がバイパスされる。
【0053】降坂路の判定は、具体的には図5に示され
るような制御フローに従って実行される。
【0054】即ち、ステップ108において登坂路判定
フラグF0 が零にリセットされると、流れはステップ1
10に進み、具体的にはステップ200においてアイド
ル接点スイッチ92がオンであるか否か、即ちアクセル
が解放されているか否かが判断される。
【0055】もし、アイドル接点がオンであると判断さ
れると、流れはステップ202に進みSBGE43のマ
ップがサーチされる。SBGE43とは、変速段(第3
速段、第4速段)、セレクトパターン毎に車速に依存し
て、第1の路面勾配(第1勾配)を基準として予めマッ
プ化されている降坂路用の基準車両加速度(正負あり)
のことである。
【0056】又、ステップ204では、エンジンの燃料
カット(F/C)制御が作動中であるか否かが判断され
る。燃料カット制御が作動中であるときは、ステップ2
06に進んで(マップ上の)基準車両加速度SBGE4
3から所定値(正)を引いた値がこの制御で用いる基準
車両加速度SBGE43として新たに定義される。これ
は、燃料カット制御が実施中のときは、よりエンジンブ
レーキが効くようになるため、その分車両の実加速度も
小さくなると推定されるためである。
【0057】ステップ208では第1降坂路判定フラグ
F1 が零であるか否かが判断される。第1降坂路判定フ
ラグF1 が1であるとき、即ちそれまでに第1勾配以上
の降坂路であると判断されているときにはステップ21
2に進んで車速センサ82の出力から演算した車両の実
加速度MOBGがステップ202(又は206)で求め
られた第1勾配に係る降坂路用の基準車両加速度SBG
E43よりも所定時間T4 以上小さいか否かが判断され
る。小さくなければそのまま(第1降坂路判定フラグF
1 が1のまま)ステップ116へと進むが、小さかった
ときにはステップ114に進んで第1降坂路判定フラグ
F1 が零にリセットされた後にステップ116へと進
む。
【0058】ステップ208で第1降坂路判定フラグF
1 が零であると判定されたときには、ステップ210に
進んで実車両加速度MOBGが基準車両加速度SBGE
43より所定時間T5 以上大きいか否かが判断され、大
きければステップ112で第1降坂路判定フラグF1 が
1にセットされ、大きくなければ零のままステップ11
6へと進む。
【0059】以上の制御フローにより第1勾配を閾値と
する降坂路の判定が実行される。
【0060】一方、ステップ200においてアイドル接
点がオンでないと判断されたとき、即ちアクセル踏み込
み中と判断されたときは、ステップ216に進んでKD
EGのマップがサーチされる。このKDEGは、車速
(出力軸回転数)に依存して該車速が高車速域及び低車
速域にある方が中車速域にあるきとよりも大きく設定さ
れている所定値(加速度:正のみ)であり、且つ結果と
して第1勾配より小さい(緩い)第2の路面勾配(第2
勾配)に対応するようにマップ化されているものであ
る。
【0061】ステップ218では、第2勾配を閾値とし
たときに降坂路と判定されるか否か、即ち第2降坂路判
定フラグF10の値が零となるべきか1となるべきかが判
断される。具体的には、現在当該フラグF10の値が零で
あるときには、MOBG>SBG43+KDEG+KD
GEが所定時間T6 以上成立した場合にステップ220
で当該フラグF10が1にセットされる。又、現在フラグ
F10が1であるときには、MOBG≦SBG43+KD
EGが所定時間T7 以上成立したときにステップ222
で該フラグF10が零にリセットされる。ここで、SBG
43は前述したように、スロットル開度及び車速の双方
のパラメータによって構成されている平坦路(及び登坂
路用)の基準車両加速度であり、KDGEはヒステリシ
スを与えるための所定値(正のみ)である。
【0062】なお、このステップ110内における第1
降坂路判定フラグF1 の処理については、(第2降坂路
判定フラグF10の値の如何にかかわらず)アイドル接点
がオフであると判断されたときは必ず零にリセットされ
るようになっている。
【0063】第2勾配に係る降坂路の判定をアイドル接
点オフ時のみに限って行っている理由は前述した通りで
ある。
【0064】図4に戻って、このようにしてステップ1
16に至ると、ここで登坂制御開始条件が成立するか否
かが判断される。具体的には、 1)フットブレーキスイッチ88がオフ(ブレーキが踏
み込まれていない)、 2)アイドル接点スイッチ92がオフ(アクセルが踏み
込まれている)、 3)基本変速マップによる第3速段へのパワーオンダウ
ンシフト(アクセル踏み込み時のダウンシフト)判断が
成立するか、又は該判断の成立後の第3速段出力中のい
ずれかが成立、 4)登坂路判定フラグF0 が1、なる条件が全て成立し
たときに登坂制御開始条件が成立したと判断され、ステ
ップ118に進んで登坂路用の第4速段禁止要求フラグ
F2 が1に設定される。又、登坂制御開始条件である
1)〜4)のいずれかが不成立であった場合には、ステ
ップ118はバイパスされる。
【0065】なお、前記3)において基本変速マップに
よる第3速段へのパワーオンダウンシフト判断又はその
後の第3速段出力を登坂制御開始条件の1つとしたの
は、前述したように第4速段を走行中に、本制御の実行
によって(運転者の意図せぬときに)第4速段から第3
速段にシフトダウンするのを防止するためである。即
ち、登坂制御においては、第4速段から第3速段への積
極的なシフトダウンはせず、第3速段から第4速段への
シフトアップのみが防止される。
【0066】一方、ステップ120では、降坂制御開始
条件が成立するか否かが判断される。ステップ120の
具体的な制御フローを図6に示す。
【0067】即ち、まずステップ300においてアイド
ル接点スイッチ92がオンであるか否かが判断される。
アイドル接点スイッチ92がオンでないとき、即ちアク
セル踏み込み中のときはステップ301に進んで経過時
間t の値が零にリセットされる。
【0068】ステップ300でアイドル接点スイッチ9
2がオフからオンに変わると経過時間t の実質的なカウ
ントアップが開始され、ステップ302で当該アイドル
接点スイッチ92がオンとなってからの経過時間t が所
定時間t0より小さいか否が判断される。当初は小さいと
判断されるため、流れはステップ304に進んで前述の
ステップ220、あるいは222で設定された第2降坂
路判定フラグF10が1であるか否かが判断される。該フ
ラグF10が1であったときはステップ305に進んで第
4速段か否か判断し、第4速段なら次のステップ306
に進んでフットブレーキスイッチ88がオンか否か、即
ちフットブレーキが踏み込まれているか否が判断され
る。
【0069】これは、アクセルを踏込んだ状態で第2降
坂路を第4速段で走行中のときは、アクセルがオフとさ
れてから所定時間以内にブレーキ操作が行われたときに
第4速段禁止(第3速段シフトダウン)とするためであ
る。
【0070】又、ステップ305で、第4速段でないと
判断されたときは、ブレーキ操作の有無にかかわらず降
坂制御を行うためステップ306をバイパスする。
【0071】これは、アクセルを踏込んだ状態で第2降
坂路を第3速段で走行中のときは、アクセルがオフとさ
れてから所定時間はブレーキ操作の有無にかかわらず第
4速段禁止(第3速段ホールド)とし、これにより、ア
クセルオフによるアップシフト(いわゆるパワーオフア
ップシフト)を効果的に防止するためである。
【0072】フラグF10が零であったときは、一度ステ
ップ312に進んで第1降坂路判定フラグF1 の値を確
認し、F1 =1のときにのみステップ306に進んでフ
ットブレーキが踏み込まれているか否かが判定される。
フットブレーキが踏み込まれているときにはステップ1
22で降坂路用の第4速段禁止要求フラグF3 が1にセ
ットされる。
【0073】やがて、アイドル接点がオンとされてから
の経過時間t が所定時間t0に達したと判断されたときに
は、ステップ310に進んで第2降坂路判定フラグF10
が零にリセットされる。
【0074】なお、ステップ306においてフットブレ
ーキが踏み込まれていないと判断されたときは、ステッ
プ122をバイパスしてステップ126へ進む。
【0075】再び図4の制御フローに戻る。
【0076】このようにしてステップ126に至ると、
以降は各フラグの値に基づいて実際の処理が為される。
まず該ステップ126で登坂路判定フラグF0 が零であ
るか否かが判断される。又、ステップ128では登坂路
用の第4速段禁止要求フラグF2 が1であるか否かが判
断される。
【0077】登坂路判定フラグF0 が零であるにもかか
わらず、登坂路用の第4速段禁止要求フラグF2 が1で
あると判定されたときには、ステップ130に進んで所
定の時期によりリセット・カウントアップされる登坂制
御復帰タイマが終了しているか否かが判断される。終了
していればステップ132で登坂路用の第4速段禁止要
求フラグF2 を零にリセットするが、終了していなけれ
ば、ステップ142に進んでもう一度登坂路用の第4速
段禁止要求フラグF2 の値を確認し、これが1であった
ときにはステップ146で第4速段が禁止される。
【0078】一方、登坂路判定フラグF0 が零でないと
判断されたとき、あるいは当該フラグF0 が零であると
判断されても登坂路用の第4速段禁止要求フラグF2 が
1でないと判断されたときは、ステップ134に進む。
【0079】ステップ134では第1降坂路判定フラグ
F1 の値が判定される。又、ステップ136では降坂路
用の第4速段禁止要求フラグF3 が1であるか否かが判
断される。第1降坂路判定フラグF1 が零であるにもか
かわらず降坂路用の第4速段禁止要求フラグF3 が1で
あると判断されたときには、ステップ138に進んで所
定の時期よりリセット・カウントアップされる降坂制御
復帰タイマが終了しているか否かが判断され、終了して
いればステップ140で降坂路用の第4速段禁止要求フ
ラグF3 が零にリセットされる。
【0080】しかしながら、第1降坂路判定フラグF1
が零でないとき、あるいは零であっても降坂路用の第4
速段禁止要求フラグF3 が1でないとき、更には降坂制
御復帰タイマが終了していないと判断されたときは、ス
テップ142(144)に進み、登坂路用、あるいは降
坂路用の第4速段禁止要求フラグF2 、F3 のいずれか
一方が1であればステップ146で第4速段が禁止され
る。又、いずれも零であった場合には第4速段が禁止さ
れることなくこの制御フローを終える。
【0081】この実施例によれば、前述したように、ア
クセル踏み込み時においても(第2降坂路による)降坂
制御の判定を行い、降坂路でのスポーツ走行のアクセル
ワークによる減速要求の高いときにはブレーキ操作の有
無にかかわらずアクセルが解放されたことによる高速段
へのアップシフトを禁止するようにしたので、スポーツ
走行の場合に、降坂制御を運転者の感覚にマッチさせる
ことができる。又、一般走行の場合にもアクセルが解放
された時点から所定時間内にフットブレーキが操作され
るようなときは、運転者が急減速を欲していると考え、
比較的小さな路面勾配の道路を走行中であっても低速段
に確実にシフトダウンすることができるようになる。
【0082】この結果、運転者の真の減速要求を従来以
上に変速制御に反映させることができ、それだけ運転フ
ィーリングを向上させることができるようになる。しか
も従来と同様な思想に基づく降坂制御は比較的判定勾配
をきつく設定した第1勾配を基準として(ビジーシフト
を招くことなく)確実に実行できる。
【0083】なお、上記実施例においては、「アクセル
を踏込んだ状態で第3速段を走行中のときに、(ブレー
キ操作にかかわらず)アクセルが戻したことによるシフ
トアップを防止する」という制御を、アクセルの解放を
条件(ステップ300でYES)として実行するように
していたが、この制御は、必ずしもアクセルを「解放」
まで戻すことを条件とする必要はない。例えば、解放さ
れたか否かを確認する代わりに、アクセルを解放に近い
所定値まで戻したか否かを確認するステップを設けるよ
うにしてもよいし、より直接的に、前回アクセル開度よ
り今回のアクセル開度の方が小さくなったか否かを確認
するステップを設けるようにしてもよい。
【0084】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、降
坂路の一般的な走行においては、運転者のブレーキ操作
に応答して高速段を禁止し低速段へシフトダウンされ、
又、降坂路でのスポーツ走行のアクセルワークによる減
速要求の高いときには、ブレーキ操作の有無にかかわら
ずアクセルを戻したことによる高速段へのシフトアップ
が禁止され、一般的な走行、スポーツ走行のいずれの場
合にも降坂制御を運転者の感覚にマッチさせることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明が適用される車両用自動変速機のスケル
トン図
【図3】上記自動変速機の摩擦係合装置の作用状態を示
す線図
【図4】上記実施例において実行される制御フローを示
す流れ図
【図5】図4のステップ110の詳細を示す流れ図
【図6】図4のステップ120の詳細を示す流れ図
【符号の説明】
80…スロットルセンサ 82…車速センサ(出力軸回転数センサ) 84…コンピュータ 86…シフトポジションスイッチ 88…フットブレーキスイッチ 92…アイドル接点スイッチ 94…パターンセレクトスイッチ MOGB…実車両加速度 SGB43…(平坦路での)基準車両加速度 SBGE43…(降坂路での)基準車両加速度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】降坂路を走行中か否かを判断する手段と、
    降坂路を走行中と判断されたときには、所定の条件の下
    に高速段を禁止し、低速段にシフトダウンする降坂路に
    おける車両用自動変速機の制御装置において、 アクセル操作を検出する手段と、 フットブレーキ操作を検出する手段と、 アクセル踏み込み時であり且つ前記高速段走行時に降坂
    路が判断された場合には、フットブレーキ操作を条件と
    して前記高速段を禁止して低速段にシフトダウンする手
    段と、 アクセル踏み込み時であり且つ前記高速段でない走行時
    に降坂路が判断された場合には、フットブレーキ操作の
    有無にかかわらずアクセルが戻されたことによる前記高
    速段へのシフトアップを禁止する手段と、 を備えたことを特徴とする降坂路における車両用自動変
    速機の制御装置。
JP6223681A 1994-09-19 1994-09-19 降坂路における車両用自動変速機の制御装置 Pending JPH0893903A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002122225A (ja) * 2000-10-11 2002-04-26 Toyota Motor Corp 車両用変速制御装置
JP2007078167A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Toyota Motor Corp 車両の減速制御装置
JP2008224046A (ja) * 1999-08-20 2008-09-25 Toyota Motor Corp 自動変速機の制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008224046A (ja) * 1999-08-20 2008-09-25 Toyota Motor Corp 自動変速機の制御装置
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