JPH0885002A - 複合加工旋盤 - Google Patents

複合加工旋盤

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JPH0885002A
JPH0885002A JP24886094A JP24886094A JPH0885002A JP H0885002 A JPH0885002 A JP H0885002A JP 24886094 A JP24886094 A JP 24886094A JP 24886094 A JP24886094 A JP 24886094A JP H0885002 A JPH0885002 A JP H0885002A
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JP
Japan
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tool
axis
turret
turning
swivel
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JP24886094A
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English (en)
Inventor
Shoji Momoi
昭二 桃井
Sakae Hatano
栄 羽田野
Yoshinori Mori
吉範 森
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Yamazaki Mazak Corp
Original Assignee
Yamazaki Mazak Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合加工旋盤において、ワークの側面加工と
端面加工の際の工具軸移動を最小にし、切削モーメント
荷重を小さくし、刃先の割り出し精度を向上し、刃物台
をコンパクト化し、固定工具に対する回転工具の熱の影
響を防止する。 【構成】 刃物台14の旋回頭15に設けられた固定工
具21および回転工具22によりそれぞれ旋削加工およ
びミル加工を行う複合加工旋盤であって、旋回頭15
は、移動面内のX軸とZ軸との間で構成される45°の
角度で傾斜した旋回軸34と、旋回軸の中心側に固定工
具、外側に回転工具の各装着孔21a,22aが配置さ
れた工具装着面部15aと、旋回軸を中心に旋回頭を旋
回させ、工具装着面15aが主軸軸線Zと平行になる第
一の割り出し位置および工具装着面15aが主軸軸線Z
と直交する第二の割り出し位置に位置決めする駆動手段
31〜45とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋削加工およびミル加
工の両機能を有する複合加工旋盤に関し、特に共通の工
具装着面に固定工具装着孔および回転工具装着孔を別々
に設けた刃物台に関する。
【0002】
【従来の技術】複合加工旋盤とは、旋盤において旋削加
工機能にミル加工機能が加わったものを指し、ミル加工
はフライス、ドリル、タップ加工等を含む。従来の複合
加工旋盤の刃物台としては、ドラム式旋回頭(以下タレ
ットという)に水平方向(以下H方向ともいう)および
垂直方向(以下V方向ともいう)の刃物工具を備えたも
のや、本出願人の提案した2ポジションHVタレット
(特開昭 59-227343参照)等がある。いずれも水平方向
と垂直方向の工具刃先の位置が相互に大きく離れてお
り、また工具軸もタレット旋回中心線からかなり離れて
いる。例えば、図9に示された2ポジションHVタレッ
ト3は、V方向とH方向における工具刃先1a,2aが
相互に大きく離れており、また各工具軸もタレット旋回
中心線tに対して大きく離れた位置にある。
【0003】このようなドラムタレットや2ポジション
HVタレットでは、工具の刃先位置が工具の向きを変え
ることによって大きく変わるため、元の加工位置に戻す
のに軸移動距離が長くなる。すなわち加工アイドルタイ
ムが発生し、加工プログラムも繁雑なものになる。ま
た、工具刃先がタレット旋回中心線から遠い位置にある
ため、旋削によるモーメント荷重が大きく、剛性の面で
不利である。このため剛性を確保するには、タレットの
クランプ装置に大きな力を持たせる必要があり、機械が
大型になる。また工具刃先がタレット旋回中心線から遠
くなるほど、タレットの回転割り出しによる位置決め精
度も悪くなる。
【0004】また、従来の刃物台では、固定工具(以下
旋削工具という)または回転工具の内、使用しない側の
工具軸には切削水、切り粉等の侵入を防止するためダミ
ー工具を装着している。そうすると、旋削加工工程とミ
ル加工工程が替わる毎に、ダミー工具も交換しなくては
ならないため、使用しない工具を抜いてダミー工具を装
着し、使用する方のダミー工具を抜いて使用工具を装着
する。したがって、自動工具交換装置(以下ATCとい
う)は同じところを2往復しなければならず、工具交換
時間が長くなり、加工アイドルタイムが発生する。さら
にダミー工具を装着すると、ATCを使用する場合、工
具マガジンにもダミー工具を入れておくため、使用可能
工具の本数が少なくなる。
【0005】また、従来の刃物台で傾斜面の加工をする
場合、ワークの中心線に対して垂直な旋回中心線を有す
るタレットにより、タレットを任意の角度で位置決め
し、送り軸によって傾斜面の加工を行っている。この場
合、回転工具軸とタレット旋回中心線が直交しているた
め、回転工具駆動系を刃物台本体にコンパクトに納める
のが難しく、配線の処理も困難である。さらに、このよ
うな従来のタレットに傾斜面加工の機能を持たせるため
には複雑な構造を必要とする。
【0006】以上のほか、旋削工具と回転工具を共通の
工具孔に選択的に装着してそれぞれの加工を行う刃物台
がある。これにより、刃物台をコンパクトに構成するこ
とができ、小型の機械で大きいワークの複合加工ができ
るという利点がある。しかし、共通な装着孔にすると、
回転工具は数千RPMで回転作動するのでかなりの発熱
をともない、装着部に熱変位を生じる。この熱変位を生
じた装着孔に旋削工具を装着すると刃先位置が変化し、
この誤差がワーク径の両側に出て旋削加工の精度を低下
させる問題がある。また、回転工具はベアリングで支持
されており、この浮いた状態へ旋削工具を装着すること
になるので、剛性を確保するための機構が複雑になると
いう問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(1)本発明は、旋削加工およびミル加工の両機能を有
する複合加工旋盤において、水平方向と垂直方向の間で
工具の向きを変える際に、工具移動ストロークが最小限
にとどまり、加工時間が短縮され、加工精度が向上し、
また加工プログラムも簡易化される複合加工旋盤を提供
する。 (2)また、旋削によるモーメント荷重が小さく、剛性
の点で有利であり、精度の高い加工ができる複合加工旋
盤の刃物台を提供する。 (3)また、タレットの回転割り出しによる刃先の位置
決め精度の良い複合加工旋盤を提供する。 (4)また、工具移動ストロークを小さくして刃物台を
コンパクト化し、相対的に大きいワークの加工が可能な
複合加工旋盤を提供する。 (5)また、回転工具と旋削工具を別々の工具装着孔に
装着して、回転工具の作動による熱変位が旋削工具に影
響するのを防止し、また、必要に応じて冷却手段を設け
ることにより、さらに確実に熱の影響を遮断することが
できる複合加工旋盤を提供する。 (6)また、旋削とミルの加工工程が替わる際に、ダミ
ー工具の代わりに、使用しない工具装着孔を迅速に塞ぐ
ことができるカバー手段を備えた複合加工旋盤を提供す
る。 (7)また、僅かな構造の修正でタレットに精度の高い
傾斜面加工の機能を持たせることが可能な複合加工旋盤
を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】フレーム上に設けられた
主軸頭と、前記主軸頭内に回転自在に設けられてワーク
を保持する主軸と、主軸軸線と平行および直角方向に前
記フレーム上を移動する刃物台とからなり、前記刃物台
の旋回頭に設けられた固定工具および回転工具によりそ
れぞれ旋削加工およびミル加工を行う複合加工旋盤であ
って、前記旋回頭は、移動面内のX軸とZ軸との間で構
成される45°の角度で傾斜した旋回軸と、前記旋回軸
の中心側に固定工具、外側に回転工具の各装着孔が配置
された工具装着面部と、前記旋回軸を中心に旋回頭を旋
回させ、工具装着面が主軸軸線と平行になる第一の割り
出し位置および工具装着面が主軸軸線と直交する第二の
割り出し位置に位置決めする駆動手段とからなる複合加
工旋盤によって、上記第1ないし第5の課題を解決す
る。上記複合加工旋盤において、前記タレットの固定工
具装着孔および回転工具装着孔を選択的に自動閉鎖する
シャッターを設けることによって、上記第6の課題を解
決する。上記複合加工旋盤において、前記タレットをそ
の旋回中心線回りの任意の位置で固定できる位置決め手
段を備えることによって、上記第7の課題を解決する。
【0009】
【実施例】図1は本発明による複合加工旋盤の一実施例
の側面図である。旋盤本体を支持するフレームすなわち
ベッド11の水平面11aにキャレッジベース12が取
り付けられている。キャレッジベース12は水平面上に
Z軸方向の長手送りとY軸投影線方向の横送りを備え、
キャレッジ13が載置されている。キャレッジ13のX
軸方向の摺動面13aは、主軸中心線を通るZ軸を含む
垂直面に対して一定角度で傾斜しており、その上に摺動
可能に刃物台14が載置され、刃物台14の下側に工具
を備えたタレット(旋回頭)15が取り付けられてい
る。図示左側のベッド傾斜面11bに、主軸頭すなわち
スピンドルヘッド16およびテールストック17が取り
付けられている。旋盤本体の後方(図示右側)にはAT
Cのマガジン18が配置されている。ベッド傾斜面11
bの下方には切り粉を処理する搬送車19が配置されて
いる。
【0010】図2は図1の刃物台部分のほぼ正面を示す
A矢視図である。ベッド傾斜面11bの図示左側にはワ
ークWを装着した主軸16a(先端部分)、反対側には
テールストック17がそれぞれ配置されている。ベッド
水平面11a上のキャレッジベース12にはキャレッジ
13が載置され、キャレッジ上に刃物台14が載置され
ている。刃物台下部には傾斜した旋回中心線まわりに旋
回可能なタレット15が取り付けられ、その下面に旋削
工具21および回転工具22の装着孔が設けられてい
る。
【0011】図3は図1の複合加工旋盤の主要構成要素
の配置を示す正面図である。Z軸上の図示左側にはC軸
機能付きビルトイン主軸16aが配置され、反対側には
テールストック17が配置されている。刃物台14下部
には、移動面内のX軸とZ軸との間で、垂直線からほぼ
45°傾斜した旋回中心線Tまわりに旋回可能なタレッ
ト15が設けられている。タレット下端の工具装着面1
5aには、旋回中心線Tを基準にして中心側に旋削工具
21、外側に回転工具22の各装着孔が設けられてい
る。これにより、旋回中心線T上にクランプ面を一致さ
せて旋削工具21が装着可能になり、旋回中心線T上に
刃先を一致させて回転工具22が装着可能になってい
る。図は説明上旋削工具21および回転工具22を装着
した状態を示しているが、加工時はいづれかの工具が選
択的に装着されるものである。タレット15の旋回動作
は、後述する駆動手段で行われ、工具装着面15aが主
軸軸線Zと平行になる第一の割り出し位置および工具装
着面15aが主軸軸線Zと直交する第二の割り出し位置
に位置決めすることができる。実線で示された第一の位
置決め位置のタレット15の状態では、これらの工具2
1,22はワークWの側面加工を行うためV方向を向い
ているが、旋回中心線Tを中心に180度タレット15
を旋回することにより、これらの工具は、第二の位置決
め位置に移動し、点線で示すようなH方向に向いて配置
される。また後述するように、このタレット15には、
旋回中心線T回りにV方向からH方向までの180度間
で任意の位置に固定して加工を行うB軸機能を持たせる
ことができる。
【0012】図4は、図1のタレット15の駆動機構を
示す説明図である。タレット15の図示下側に回転工具
22、上側に旋削工具21が装着された状態を示す。ま
ず、タレット15の旋回機構を説明すると、インデック
スモータ31の回転がタレット駆動ギア32からタレッ
ト旋回ギア33へ伝達され、このタレット旋回ギアに取
り付けられた円筒状のタレット旋回軸34が回転され、
このタレット旋回軸に固定されたタレット15がV方向
からH方向までの180度旋回される。タレット15の
固定は、カップリングシリンダ35を備えたカップリン
グ機構36で固定される。後述するB軸機能を付与する
ときは、カップリングシリンダ35を含むカップリング
機構36を除去し、インデックスモータ31はサーボモ
ータに交換される。このサーボモータにより、V方向か
らH方向までの180°の間で任意の角度の位置決めが
行われる。
【0013】次に回転工具22の回転機構を説明する。
ミル回転軸モータ37の回転が複数の伝達ギア38を介
してミル回転伝達軸39を回転し、その先端にあるベベ
ルギア40に接続されたアイドルギア41を介してアイ
ドル回転軸42に回転が伝えられる。回転工具22を回
転するときは、アイドル回転軸42の駆動ギア43がミ
ル回転軸44のギア45に接続され回転工具22が回転
される。
【0014】図5は、タレット15の工具装着面15a
に設けられた使用しない工具の装着孔に、切削水、切粉
等が侵入するのを防止するスライドカバー方式のシャッ
ター51の説明図である。(A)、(B)は、旋削工具
21使用時のシャッター51の状態を示す。この状態で
は、シャッター先端の下面に設けられたゴムパッキン5
2が、使用しない回転工具の装着孔22aの周囲に密着
し、一方旋削工具の装着孔21aと一致する孔51aが
設けられ、旋削工具21はこの孔51aを通して装着孔
21aに取り付けられる。この状態で旋削工具21によ
る加工が行われると、使用しない回転工具の装着孔22
aはシャッター51のゴムパッキン52で塞がれている
ので、切削水、切粉等の侵入が確実に防止される。次に
回転工具22を使用する場合を説明する。(C)、
(D)は、それぞれこの場合のシャッター51の側面図
および平面図を示す。旋削工具使用状態から回転工具使
用状態へ移るときは、ATC(図示していない)で旋削
工具が抜き取られたあと、シャッター51は(D)の矢
印方向にスライドされ、このとき回転工具の装着孔22
aに密着していたパッキング52は、シャッター下面の
カム溝(図示していない)によりタレット15の工具装
着面15aに対して垂直方向に持ち上げられ、工具装着
面上をスライドする。次に抜き取られた旋削工具21の
装着孔位置にくると、シャッター51のバネ機能によ
り、パッキング52は旋削工具の装着孔21aの周囲に
密着する。そしてシャッター51が移動したあとの回転
工具装着孔22aに、ATCによる回転工具22の装着
が行われる。この場合も旋削工具装着孔21aはパッキ
ング52で塞がれているので、切削水、切粉等の侵入は
確実に防止される。このシャッター51の工具装着面1
5aに対するリフト動作とスライド動作は、タレット面
に設けられた1本のアクチュエータシリンダ(図示して
いない)で行われる。
【0015】上記のように構成された本発明の複合加工
旋盤の作用を説明する。まず旋削加工においてワーク側
面とワーク端面との間を旋削工具21が移動する場合、
図4のタレット駆動機構の構成で説明したように、イン
デックスモータ31の回転が駆動ギア32、旋回ギア3
3、旋回軸34に伝達され、タレット15が旋回され
る。このとき、図3に示すように、V方向に向いた旋削
工具21のクランプ面がタレット旋回中心線T上にある
ので、タレット旋回中心線Tまわりに180度旋回して
H方向に向けた後も、旋削工具21は元の位置のすぐ近
くにある。したがって端面加工位置までの工具刃先の移
動制御がきわめて容易に行われる。例えば図9に示すよ
うな従来のタレット3に比較して、本発明の場合は工具
刃先の位置制御が格段に向上している。
【0016】また旋削工具21の刃先位置からタレット
旋回中心線Tまでの距離がきわめて小さいので、旋削加
工時のモーメントが小さくタレット15の剛性の面で有
利であり、加工精度が向上する。タレット15の旋回に
よって工具21,22の向きを変えるとき、工具移動ス
トロークが小さいのでタレット15を小型化することが
でき、さらに従来のドラム式タレットや2ポジションH
Vタレットの場合と異なり、タレット15の工具刃先は
常にタレット旋回中心線Tを向いているので、タレット
15の旋回領域が小さく、この点でもタレット15を小
型に構成することができる。したがってコンパクトな刃
物台により相対的に大きなワークが加工でき、刃物台の
剛性も向上し精度の高い加工ができる。
【0017】さらに旋削工具21が回転工具22と独立
の装着孔に取り付けられるので、回転工具22の作動に
よる熱変位の影響を極力小さくすることができる。その
上、剛性の要求が比較的強くない回転工具22をタレッ
ト15の外側に配置し、タレット15の基部側に旋削工
具21を配置したので、熱容量の大きい基部側で熱を分
散させ旋削工具21への影響を少なくする効果がある。
また必要に応じて、両工具装着孔の間に冷却手段を設け
ることもできるので、旋削工具21は熱による精度低下
が防止される。さらに、回転工具のベアリング支持とい
う剛性面での不利を旋削工具に及ぼす問題が解消され
る。
【0018】次にミル加工の場合を説明する。図4のタ
レット駆動機構の構成で説明したように、ミル回転軸モ
ータ37の回転が伝達ギア38、伝達軸39、ベベルギ
ア40、アイドルギア41を経てアイドル回転軸42に
伝達され、その駆動ギア43がミル回転軸44のギア4
5に接続され、回転工具22が回転される。回転工具2
2をワーク側面からワーク端面に移動する場合、図3に
示すように、V方向に向いた回転工具22の刃先位置が
タレット旋回中心線T上にあるので、タレット旋回中心
線Tまわりに180度旋回してH方向に向けた後も、回
転工具22の工具刃先はほぼ元の位置にある。したがっ
て、旋削工具21の場合以上に工具刃先位置の位置制御
が容易であり、かつ高い精度で行うことができる。
【0019】また、使用しない工具装着孔は、ダミー工
具の代わりにスライドカバー式のシャッターで蓋をする
ので、旋削加工工程とミル加工工程が替わる毎に、ダミ
ー工具を交換する必要がなくなり、工程の交替時にシャ
ッターが瞬時に作動するので工具交換時間が非常に短く
なり、加工アイドルタイムがなくなる。さらに、ATC
を使用する場合、工具マガジンにダミー工具を入れる必
要がなく、すべて使用可能工具を装着できる。
【0020】なお、本発明の刃物台では、旋削およびミ
ル加工の両荷重に耐えられるショートテーパーシャンク
を有する工具を採用することにより、タレットおよび工
具マガジンの工具装着孔を統一し、工具交換時間をさら
に短縮することもできる。
【0021】また、図1に示すように、本発明の刃物台
14は、キャレッジベース12により水平面上でZ軸方
向とY軸投影線方向に移動可能にし、キャッレジ13の
傾斜した横送り面に沿ってX軸上を移動可能にした構成
であるから、傾斜面上と水平面上の直線2軸合成による
Y軸制御を行い、高精度、高剛性のY軸加工が可能であ
る。この場合、旋削の主分力を直接Y軸で受けないの
で、旋削剛性が高く、また刃物台14のオーバーハング
がないので、安定した精度維持ができる。さらに刃物台
14が作業者の邪魔にならず作業性が良い。このような
Y軸加工を実施したワークWの例を図6に示す。(A)
はワークWの側面における各種の加工例、(B)および
(C)はワークWの端面における溝加工および角面加工
をそれぞれ示す。
【0022】次に、本発明の複合加工旋盤の刃物台14
は、図4の刃物台駆動機構で述べたように、タレット1
5のカップリング機構36の除去およびインデックスモ
ータ31をサーボモータに交換するだけでB軸加工が可
能である。このような構成により、タレット旋回中心線
Tを中心に、V方向とH方向の180度間の任意の位置
までタレット15を回転制御して位置決めし、送り軸と
の同期機能をもたせることにより、傾斜面への加工がで
きる。この場合もタレット旋回中心線Tから工具刃先ま
での距離が小さいため、高い剛性を維持した加工が可能
であるから加工精度が向上する。
【0023】図7はB軸加工の作用説明図である。一例
として円筒ワークWに斜めスロットSをB軸加工で形成
する場合を説明する。まず(A)は、比較のため、回転
工具22のX軸送りでワークWに基準孔Rを加工終了し
た状態を示す。(A’)は(A)においてa方向からみ
た斜視図である。次にワークWの基準孔Rと反対側に斜
めスロットSを加工するため、(B)に示すように、タ
レット15が旋回され、V方向とH方向の間の所要の角
度まで回転割り出しが行なわれる。(B’)は(B)に
おいてb’方向からみた斜視図、(B”)はb”方向か
らみた側面図である。タレット15は回転工具22がワ
ークWとの傾斜角が斜めスロットSの角度θと一致する
ように割り出される。次に(C)に示すように、主軸の
C軸割り出しによりワークWが回転され、基準孔Rと反
対側が回転工具22と対向する位置にくる。このC軸割
り出しのみでは回転工具22の刃先位置が加工位置から
sだけずれているので、(D)に示すように、今度はタ
レット15のY軸移動により、ずれsの補正が行われ
る。こうして回転工具22の加工開始位置が決まると、
後は(E)に示すように、切削送りh−g−h−gによ
り斜めスロットSの加工が完了する。この場合、切削h
はX,Y,Z軸の合成送り、切削gはZ軸送りで実行さ
れる。図8にB軸加工の実施例を示す。(A)はワーク
Wの端面に対する傾斜面加工の例、(B)はワークWの
円筒面に対する斜め孔加工の例、(C)はワークWの端
面における各種の傾斜面加工の例を示す。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合加工
旋盤によれば、水平方向と垂直方向の間で工具の向きを
変える際に、工具軸移動が最小限にとどまり、加工時間
が短縮され、加工精度が向上し、また加工プログラムも
簡易化される。また旋削工具クランプ面がタレット旋回
中心線上にあるため、切削によるモーメント荷重が小さ
く、剛性の点で有利であり、精度の高い加工ができる。
旋削工具刃先はタレット旋回中心線に近く、回転工具刃
先はタレット旋回中心線上にあるので、タレットの回転
割り出しによる刃先の位置決め精度も良い。さらに工具
移動ストロークが小さいので刃物台をコンパクト化する
ことができ、相対的に大きいワークの加工が可能であ
る。回転工具と旋削工具は別々の工具装着孔に装着する
ので、回転工具の作動による熱変位が旋削工具に影響せ
ず、また、必要に応じて冷却手段を設けることにより、
さらに確実に熱の影響を遮断することができ、旋削加工
精度の低下を防止することができる。また、工程の交替
時に使用しない工具装着孔は、スライドカバー式のシャ
ッターで瞬時に蓋をするので、旋削とミルの加工工程が
替わる毎に、ダミー工具を交換する必要がなくなり、加
工アイドルタイムがなくなる。さらに、ATCを使用す
る場合、工具マガジンにダミー工具を入れる必要がな
く、すべて使用可能工具を装着できる。さらに僅かな構
造の修正で、タレットに傾斜面加工の機能を持たせるこ
とが可能であり、タレットの旋回をサーボモータで駆動
することにより、工具の傾斜を連続的に変化させること
ができ、精度の高い傾斜面の加工を容易に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合加工旋盤の実施例の側面図で
ある。
【図2】図1の刃物台部分のほぼ正面を示すA矢視図で
ある。
【図3】図1の複合加工旋盤の主要構成要素の配置を示
す正面図である。
【図4】図1のタレットの駆動機構の説明図である。
【図5】図1の刃物台における、旋削工具使用時のシャ
ッターの(A)側面図および(B)平面図、ならびに回
転工具使用時の同じく(C)側面図および(D)平面図
である。
【図6】本発明の複合加工旋盤で実施した、ワークの
(A)側面の各種加工例、(B)端面の溝加工例および
(C)側面の角面加工例による、Y軸加工の説明図であ
る。
【図7】B軸加工の作用説明図であり、(A),
(A’)基準孔の加工終了、(B),(B’),
(B”)はタレットの角度割り出し、(C)は主軸のC
軸割り出し、(D)はY軸移動による加工開始位置補
正、(E)は切削送りを示す。
【図8】本発明の複合加工旋盤で実施したワークの
(A)端面の傾斜面加工例、(B)側面の斜め孔加工例
および(C)端面の各種加工例による、B軸加工の説明
図である。
【図9】従来例の2ポジションHVタレットの正面図で
ある。
【符号の説明】
11 ベッド(フレーム) 14 刃物台 15 タレット(旋回頭) 16 スピンドルヘッド(主軸頭) 16a 主軸 21 旋削工具(固定工具) 22 回転工具 21a 旋削工具装着孔(固定工具装着孔) 22a 回転工具装着孔 31〜45 駆動手段(34 旋回軸を含む) 51 シャッター T 旋回中心線 W ワーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム上に設けられた主軸頭と、前記
    主軸頭内に回転自在に設けられてワークを保持する主軸
    と、主軸軸線と平行および直角方向に前記フレーム上を
    移動する刃物台とからなり、 前記刃物台の旋回頭に設けられた固定工具および回転工
    具によりそれぞれ旋削加工およびミル加工を行う複合加
    工旋盤であって、 前記旋回頭は、移動面内のX軸とZ軸との間で構成され
    る45°の角度で傾斜した旋回軸と、 前記旋回軸の中心側に固定工具、外側に回転工具の各装
    着孔が配置された工具装着面部と、 前記旋回軸を中心に旋回頭を旋回させ、工具装着面が主
    軸軸線と平行になる第一の割り出し位置および工具装着
    面が主軸軸線と直交する第二の割り出し位置に位置決め
    する駆動手段とからなる複合加工旋盤。
  2. 【請求項2】 前記フレーム上をZ軸方向に移動する第
    一スライドと、前記第一スライド上をY軸方向に移動す
    る第二スライドと、前記第二スライド上をX軸方向に移
    動する第三スライドとを備えた請求項1に記載の複合加
    工旋盤。
  3. 【請求項3】 前記旋回頭の固定工具装着孔および回転
    工具装着孔を選択的に自動閉鎖するシャッターを備えた
    請求項1または2に記載の複合加工旋盤。
  4. 【請求項4】 前記シャッターはアクチュエータにより
    前記旋回頭の工具装着面上を摺動するスライドカバーで
    あって、該スライドカバーの先端下面の回転工具装着孔
    位置には該孔径に一致する形状のパッキンを備え、固定
    工具装着孔位置には該孔よりやや大径の孔を備えた請求
    項3に記載の複合加工旋盤。
  5. 【請求項5】 前記旋回頭をその旋回中心線回りの任意
    の位置で固定できる位置決め手段を備えた請求項1ない
    し4のいずれか1項に記載の複合加工旋盤。
  6. 【請求項6】 前記固定工具および回転工具が共にショ
    ートテーパーシャンクを有する請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載の複合加工旋盤。
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