JPH087345Y2 - 冷蔵庫におけるドア−イン−ドアを有する多用途食品貯蔵室構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は冷凍室、冷蔵室その他の
食品貯蔵室を具備した複合冷蔵庫に関したもので、特に
冷蔵室ドアに設置した別途のドアによって使用できる多
用途食品貯蔵室の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】今日、家庭用として広く使用されている
冷蔵庫は冷凍室と冷蔵室に区画されており、冷凍室には
冷凍食品が貯蔵され、冷蔵室には冷蔵食品が貯蔵される
ように構成されている。

【０００３】しかし、今日貯蔵食品特に冷蔵食品の種類
が多様化され、これら貯蔵食品を分類して各食品の貯蔵
最適温度に応じて貯蔵できる冷蔵庫が必要となった。特
に、冷蔵室の中に中間温度室又は新鮮室を設置して、使
用者が冷蔵室ドアを開閉しなくてもこの中間温度室内に
貯蔵された食品を取出せるように冷蔵室ドアの中央部に
別途のドアを配置したものが開示されている。

【０００４】その代表的な例が米国特許第４，５８６，
３４７号に記載されている。この従来例によれば、複合
冷蔵庫の中間温度室は、冷蔵室ドアの内側に設置された
合成樹脂等で成形したドアパネルを利用して、水平方向
隔壁と垂直方向隔壁とにより単一体に形成してある。即
ち、中間温度室の上部は水平方向隔壁で区画し、垂直方
向隔壁で中間温度室の左右側部を区画し、中間温度室の
下部は着脱式棚を利用して限定させて構成されている。
このドアパネルによって構成される中間温度室の内側即
ち、冷蔵室ドアの開放空間領域をカバー部材によって内
壁部を形成して新鮮室が構成され、又垂直方向隔壁の一
部が切欠されて冷蔵室から冷気を導入する冷気流入口が
設けられている。

【０００５】そして、中間温度室内部の貯蔵食品はアウ
トドア形式のドアを利用して出し入れするようになって
おり冷気が損失されないようにしている。

【０００６】即ち、中間温度室は冷蔵室ドアの内部のド
アパネルに形成される水平方向の隔壁を利用して上部の
空間を限定させ、又、垂直方向の隔壁を利用して左右側
部を区画し、着脱式の棚を利用して下部を区画してな
り、上記ドアパネルの反対側即ち、開放部分にカバー部
材を設けることによって内部壁を形成している。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の中間温度室を具備した複合冷蔵庫は上部隔壁と両側
面隔壁を設置するのに伴う作業性に難点があって、中間
温度室に多様な食品を貯蔵させることができない構造に
なっている。その理由は、水平方向隔壁の除去ができ
ず、カバー部材が常に固定される状態になっているから
である。更に、中間温度室の多用途室としての利用が不
可能となっている。

【０００８】本考案はこのような問題点を解決するため
に構成したもので、冷蔵庫容積を最大に活用できるよう
に離脱可能な多用途食品貯蔵室の構造を提供することに
その目的がある。

【０００９】本考案の他の目的は多用途食品貯蔵室から
食品を取り出すときのドアの開閉による冷気の流出を最
小限におさえることである。

【００１０】本考案の更に他の目的は設置時食品の種類
によって多用途保管できる食品貯蔵室の構造を提供する
ことにある。もっと具体的に説明すると、多用途食品貯
蔵室の室内温度を冷凍室内の温度より高く、冷蔵室の他
の貯蔵部の温度より高いかほぼ同一に維持できる多用途
食品貯蔵室を提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の多用途食品貯蔵室の構造においては、冷蔵
室ドアの内側面に一般に合成樹脂で形成されるドアパネ
ルに垂直方向の両側面部に隣接して一定高さの壁部を突
設して、その壁部の同一高さの突出面にアングル型フレ
ームに複数個の四角孔が形成されたフック結合部材を接
着剤などで付着設置してある。そして、この結合部材を
利用してこの冷蔵室の大略上端の適所に着脱式の上部棚
を取り付け多用途食品貯蔵室の天井面を形成する。この
上部棚の下面にすぐ隣接させて同様に結合部材を利用し
てカバー部材を取り付け、このカバー部材のすぐ下には
カバー部材に形成されている冷気調節装置を通じて流入
される冷気が多用途食品貯蔵室内を循環してから冷蔵室
へ流出されるようにするための冷気流出用間隔をおいて
下部棚が取り付けられる。

【００１２】また、この多用途食品貯蔵室が位置される
冷蔵室ドアの中心部にアウトドア形式のドア−イン−ド
アが設置され、このドア−イン−ドアはその下側前面に
おいて下部棚の上部と一致するように配置されその下側
側面の所定部位に開閉用蝶番がピボッティングされて開
閉可能となっている。

【００１３】即ち、ドア−イン−ドアは上部に把手が付
着され、両側面は折畳式支持体に支持されているから、
上記開閉用ハンドルを外側に引っ張るとドア−イン−ド
アが上記開閉用蝶番を中心に旋回開放され、大略冷蔵庫
ドアに対して９０°の角度で開くことによって、開放状
態ではドアプレート上に引出した食品を一時的に積んで
置いて別途のお盆などに移すことができる構造となって
いる。

【００１４】ここで、本考案に適用される上部棚と下部
棚とカバー部材の構造について説明すると次のようにな
る。

【００１５】上部棚及び下部棚はドアパネルの縦方向の
壁部の間に挟まれるような幅を有するドア側の前面部
と、両側面から両壁部の幅と同一の幅のフランジ部を有
する庫内側の後面部とからなり、このフランジ部にはフ
ック部材が固定されてドアパネルの壁部に設けた結合部
材に取り付けられるようになっている。

【００１６】カバー部材は下部棚の後面部の幅と一致す
るように形成された左右側壁と後壁とからなり、後壁は
垂直背壁と傾斜した上部壁とからなっている。左右側壁
にはドアパネルの壁部の結合部材に固定されるように前
面の所定部位にフック部材が設けられている。上記傾斜
面には所定間隔で多数の孔が穿孔されており、その孔を
開閉可能とする冷気調節装置が設けられている。

【００１７】

【実施例】以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

【００１８】図１は冷蔵室ドア３の中心部の適所に形成
されたドア−イン−ドアを開放状態で表わした本考案の
多用途食品貯蔵室の構造を有する複合冷蔵庫の下部を切
除した斜視図である。ドア−イン−ドア６は冷蔵室ドア
３の開口部５の下側壁に蝶番され、開口部５の両側面に
固定された折畳式の支持体２０に支持される。以下詳し
く記述されるドアパネルの壁部８には下部棚９とカバー
部材１１が設置され、多用途食品貯蔵室４を形成してい
る。

【００１９】従って、図面のようにドア−イン−ドア６
が開放状態であれば、下部棚９に貯蔵される飲料水や果
物等を容易に取り出すことができる。また、上部把手６
１を上方に押し上げるとドア−イン−ドア６が閉じるか
ら冷気の流出が防止されて、冷蔵室ドア３を開くことに
よる多量の冷気の損失を防止することができる。

【００２０】図２は本考案に基づく多用途食品貯蔵室４
の内部構成を表わした一部切欠断面図であり、図３は図
２に示す多用途食品貯蔵室４を区画するカバー部材１１
と下部棚９の分解した状態を表わした斜視断面図であ
る。

【００２１】複合冷蔵庫１は通常冷凍室と冷蔵室２で区
画されるから各々該当ドアを持つ。図面では冷蔵室２の
ドア３だけが図示されていて、このドア３の内部側のド
アパネルには所定の高さの壁部８が垂直方向に形成され
ている。この壁部８はその突出部に所定の間隔で後述の
フック部材１２を受納させるように孔が穿設されたフッ
ク結合部材７が固定される。

【００２２】ここで、多用途食品貯蔵室４は上部棚１
７、下部棚９とそれ等の間に配列されるカバー部材１１
とから区画形成される。

【００２３】上部棚１７と下部棚９は図面のように同一
形態のものを使用するが、互いに相異な構造としてもよ
い。上部棚１７はドア−イン−ドア６の上部に近接して
設置されるからその下部が多用途食品貯蔵室４の天井面
を形成する。また、下部棚９はリセプタクルとなるもの
であるから下部棚９はドア−イン−ドア６の下側面に一
致して設置されるのが望ましい。下部棚９の前面部９Ａ
はドアパネルの両側壁部８間の内側幅よりも小さな幅で
形成されており、両側壁部８の間にはめこまれる。下部
棚９の後面部９Ｂは前面部９Ａが両壁部８の間に完全に
挿入される位置に両壁部８の間の外側幅と同一な幅を持
つよう両側面にフランジ部を設け、このフランジ部には
一つ以上のフック部材９Ｃが結合部材７の孔と同一な間
隔に固定されている。また、下部棚９の側壁は冷蔵室２
内で所定の長さに連結されており、背面壁は前面部９Ａ
の高さよりも高く上向延長されている。

【００２４】カバー部材１１は側面壁１１Ａが下部棚９
の側面壁と同一な長さを持つよう冷蔵室２の内部に延長
され、この側面壁１１Ａの前端にはカバー部材１１を冷
蔵室ドアパネルの所定位置に取り付けるため結合部材７
の孔に挿入させるべく所定個所にフック部材１２が固定
されている。

【００２５】カバー部材１１の上部壁１１Ｂは緩やかな
傾斜面となっており、冷蔵室の冷気を流入することがで
きる大略四角形の冷気流入口１０が所定間隔をおいて多
数個穿孔されている。カバー部材１１には下部壁は形成
されないで下部棚９と連通される状態になり、背壁１１
Ｃは側面壁１１Ａと上部壁１１Ｂと一体に鋳形される。

【００２６】カバー部材１１の上部壁１１Ｂ上には冷気
調節装置１４が設けられ、冷気調節装置１４は冷気流入
口１０と同一の大きさの冷気流入口１０Ａを有する左右
滑走可能な開閉部材１５とこの開閉部材１５の移動を案
内するガイド部材１３で構成される。

【００２７】従って、図４に示すように冷気調節装置１
４において開閉部材１５の冷気流入口１０Ａが上部壁１
１Ｂの冷気流入口１０と一致される状態では多用途貯蔵
室４を完全に開放する状態になって冷蔵室内の温度と類
似する温度で維持され、図５に示すように開閉部材１５
が止めピン１６まで移動される状態では上部壁１１Ｂの
冷気流入口１０を完全に密閉する状態になって多用途食
品貯蔵室４内の温度が冷蔵室２の温度より高くなる。

【００２８】以上の構成よりなる上部棚１７と下部棚９
とカバー部材１１を冷蔵室ドア３の壁部８に設置された
状態を図２に示す。即ち、下部棚９はドア−イン−ドア
６の下側面と一致してその前面部９Ａが壁部８の間には
めこまれ、後面部９Ｂに隣接してカバー部材１１が位置
される。カバー部材１１と下部棚９の後面部９Ｂの上部
先端の間には間隙１９が形成されるが、この間隙は多用
途食品貯蔵室４からの空気が冷蔵室２に流通されるよう
にするか密閉されるようになる。カバー部材１１の上部
には多用途食品貯蔵室４の天井になる上部棚１７が位置
される。参照符号１８は照明灯であって、ドア−イン−
ドア６と連動して点灯することができる。

【００２９】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように構成され
ているので、多用途食品貯蔵室４は下部棚９にカン類等
を保管して、ドア−イン−ドア６の開放により容易に食
品を取り出せるようになり、カバー部材１１によって、
冷蔵室２内の冷気が外部に流失されることを最少化する
ことができる。また、上部棚１７、下部棚９及びカバー
部材１１を除去することによって冷蔵室２の容積を拡張
させることができて、冷蔵室２を多用途に利用すること
ができる。更に、多用途食品貯蔵室４内の温度を貯蔵食
品の種類に応じて冷蔵室２内の温度と異なるよう調整す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】冷蔵室ドアの上部適所にドア−イン−ドアが設
置された本考案による多用途食品貯蔵室を有する複合冷
蔵庫の一部切欠斜視図である。

【図２】本考案の多用途食品貯蔵室の構造を表わした複
合冷蔵庫の一部切欠断面図である。

【図３】本考案による多用途食品貯蔵室の分解斜視図で
ある。

【図４】本考案による多用途食品貯蔵室に設置されたカ
バー部材の冷気調節部の断面図であり、複数個の四角形
開口部が完全開放の状態で調節された状態を示す図であ
る。

【図５】図４における冷気調節部の四角形開口部が完全
閉鎖状態に調節された状態を示す断面図である。

【符号の説明】

４ 多用途食品貯蔵室 ７ フック結合部材 ８ 壁部 ９ 下部棚 ９Ａ 前面部 ９Ｂ 後面部 ９Ｃ フック部材 １１ カバー部材 １２ フック部材 １４ 冷気調節装置 １７ 上部棚

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷蔵室と冷蔵室ドア、冷凍室、および前
   記冷蔵室ドア上に形成される補助ドアを備えた多用途食
   品貯蔵室を有する複合冷蔵庫の多用途食品貯蔵室構造で
   あって、 前記多用途食品貯蔵室は、前記冷蔵室ドアの内側面の左
   右に縦方向に設置した結合部材と、 後壁と左右の側壁とを有し上下部が開放されたカバー部
   材であって、前記後壁には冷気調節装置を備え、前記左
   右の側壁に突出形成された複数個の突起により前記結合
   部材に脱着可能にフック結合されたカバー部材と、 前記カバー部材の上部に配置され前記多用途食品貯蔵室
   の天井面を形成する上部棚と、 左右の側壁と下部壁とを有し上部が開放された下部棚で
   あって、前記左右の側壁に突出形成された複数個の突起
   により前記結合部材に脱着可能にフック結合された下部
   棚とから形成されており、 前記下部棚が前記カバー部材の下端との間に所定の間隔
   を設けて設置され、冷気吐出口を形成している多用途食
   品貯蔵室構造。
2. 【請求項２】 前記冷気調節装置が、前記後壁に所定の
   間隔にて穿孔された複数の冷気流入口と、前記冷気流入
   口に対応する複数の穴を有し、前記冷気流入口の上面で
   左右に滑走可能な開閉部材とを有する冷気調節装置であ
   る請求項１に記載の多用途食品貯蔵室構造。