JPH0867895A - 耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの肌荒れ防止用潤滑剤組成物及び該潤滑剤組成物を用いた圧延方法 - Google Patents

耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの肌荒れ防止用潤滑剤組成物及び該潤滑剤組成物を用いた圧延方法

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JPH0867895A
JPH0867895A JP20718694A JP20718694A JPH0867895A JP H0867895 A JPH0867895 A JP H0867895A JP 20718694 A JP20718694 A JP 20718694A JP 20718694 A JP20718694 A JP 20718694A JP H0867895 A JPH0867895 A JP H0867895A
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lubricant
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highly basic
weight
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JP20718694A
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Tamotsu Kawakami
保 川上
Kazunobu Yamamoto
和順 山本
Hajime Ihara
肇 伊原
Naoki Kihara
直樹 木原
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KYODO YUSHI KK
Kyodo Yushi Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
KYODO YUSHI KK
Kyodo Yushi Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高塩基性カルシウムスルホネートからなる潤
滑剤に、無水アルケニルコハク酸を加えてなる耐摩耗鋳
鉄製圧延ロールの肌荒れ防止用潤滑剤組成物。 【効果】 長期間に渡り、耐摩耗鋳鉄製圧延ロール表面
の酸化皮膜の形成を抑制する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗鋳鉄製圧延ロー
ルの肌荒れ防止用潤滑剤組成物及び該潤滑剤組成物を用
いた鋼の熱間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼の熱間圧延には、圧延ロールと
してハイクロム鋳鉄製、アダマイト鋳鉄製及びNiグレ
ーン鋳鉄製の3種類が主として使用されてきた。しか
し、これらのロールでは、鋼熱間圧延の過酷な条件下で
は、耐摩耗性及び耐肌あれ性が不十分であった。近年、
耐摩耗性が従来ロールに比べ飛躍的に向上した特開昭5
8−87249号に開示されたような耐摩耗鋳鉄製圧延
ロールが開発され、前記の3種類のロールと置き替わり
つつある。特開昭58−87249号に開示されている
ような耐摩耗鋳鉄製圧延ロールは従来の圧延ロールと同
様に、鋼の熱間圧延時において、ロール表面に圧延材の
表面スケールが展着し、Fe2O3 とFe3O4 を主成分とする
黒皮と呼ばれる表面酸化物が生成する。耐摩耗鋳鉄製圧
延ロールは摩耗に関しては、改善されているものの表面
酸化物の発生は従来ロールと変わらない。圧延の進展に
よって、この表面酸化物が剥離する現象が発生する。表
面酸化物が剥離した部分は、酸化皮膜が残存した部分と
段差を生じる事によりロール肌荒れとなる。このロール
肌荒れ模様が、圧延材に転写され表面品位を低下させ
る。従ってロールの交換や研磨が必要となり本来の耐摩
耗鋳鉄製圧延ロールの効果を著しく低下させている。
【0003】本発明者らは上記の課題を解決するには、
耐摩耗鋳鉄製圧延ロール表面の酸化膜形成を抑制できる
潤滑剤を開発する事が望ましいと考えた。この理由は、
従来使用されてきたハイクロム鋳鉄製、アダマイト鋳鉄
製及びNiグレーン鋳鉄製のロールは圧延時に生成する
表面酸化物が素地よりも耐摩耗性に優れているため、積
極的にロール表面に酸化膜を形成させる事がロールの耐
摩耗性向上に寄与した。これに対し、耐摩耗鋳鉄製圧延
ロールは素地そのものが耐摩耗性に優れている為、酸化
膜の耐摩耗性は必要ない。むしろ、酸化膜を生成させな
い方が剥離の発生もない為望ましいと考えた。この問題
を解決する為、本発明者らは、先に特開平6−2002
82号記載の方法を提案した。この方法は、熱間潤滑剤
組成物を、ウォーターインジェクション方式給油によっ
て、耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの表面に圧延中に塗布する
事によって、ロール表面のFe2O3 とFe3O4 を主成分とす
る酸化皮膜の形成を抑制する事を特徴とするものであ
る。
【0004】特開平6−200282号記載の潤滑剤
は、高塩基性カルシウムスルホネート10%以上を必須
成分とし、鉱油、エステル、球状シリカ粒子を加えた潤
滑剤、及びその潤滑剤を用いた鋼の熱間圧延方法であ
る。発明者らは、熱間圧延機6スタンドミル列の第2ス
タンドにおいて、ウォーターインジェクション方式によ
る潤滑給油設備を用い、この潤滑剤を耐摩耗鋳鉄製圧延
ロールに給油する事によって、表面酸化皮膜を抑制する
事ができた。この結果、ロール表面の酸化皮膜剥離を起
因とするロール肌荒れは無くなり、圧延材の表面品質を
大幅に向上させる事が可能となった。本発明者らは引き
続き、この潤滑剤を用い長期にわたり、ロール表面の酸
化皮膜剥離を抑制し、ロール交換周期を延長する試みを
行った。ロールの交換作業は、長時間の圧延作業の休止
を必要とし、作業能率を大幅に低下させる。従って、ロ
ール交換周期が延長できた場合大きな利得が得られる。
【0005】ところが、この潤滑剤を用い従来と比べ多
量の圧延を行った所、ロール表面の酸化皮膜の剥離が頻
発し、圧延の長期継続が不可能となった。その原因は、
この潤滑剤の表面酸化皮膜の抑制効果が、圧延量を増や
した場合、低下する事にあることがわかった。この現象
を詳細に調べてみると、ロール表面への潤滑剤の合計給
油時間が従来の2倍を超えた場合、ロール表面の潤滑剤
付着量が非常に少なくなり、このため、潤滑剤が十分に
ロール表面の酸化皮膜形成を抑制できず、酸化皮膜の剥
離が発生することがわかった。
【0006】本発明者らは、この原因が、ロール表面の
状態変化にあると考え、付着低下現象の起こった実機ロ
ールの表面をオージェ電子分光及びX線回折法によって
分析した。その結果、潤滑剤付着量が減少したロールの
表面にはスルホン酸基(−SO3 H)層が形成されてい
る事がわかった。スルホン酸基はこの潤滑剤の必須成分
である高塩基性アルカリ土類金属スルホネート化合物
〔(R−SO3 −M・nMCO3 (R;炭化水素基、
M;アルカリ土類金属)〕を構成している官能基の一つ
である。アルカリ土類金属スルホネート化合物は僅かに
水溶性である為、希釈水中に乳化した時に、一部分が溶
解し、スルホン酸イオンを形成する。このスルホン酸イ
オンがロール表面と反応し、前記のスルホン酸基層を生
成させたと考えられる。従来の給油時間では、このスル
ホン酸基層は形成されなかったが、今回、従来の2倍以
上の時間、ロール表面に潤滑剤の給油を行った事から、
スルホン酸基層が形成されたと考えられる。
【0007】このスルホン酸基層は、無機化合物である
事から、有機化合物によって構成された特開平6−20
0282号に記載されている潤滑剤は、親和性が無く、
付着しない。それに対し、無機化合物である水とは親和
性が大きい。従って、ロール表面にスルホン酸基層がで
きた場合、水は濡れやすいが、潤滑剤は濡れ難いという
状態を呈する。このスルホン酸基層は、ロール表面を研
磨し、除去可能である。しかし、研磨作業は、ロール交
換作業を必要とする為、目的であるロール交換周期の延
長は満足しない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記欠点のない潤滑剤組成物、すなわち、ウォータ
ーインジェクション方式給油によって、耐摩耗鋳鉄製圧
延ロールの表面に給油された場合、高塩基性アルカリ土
類金属スルホネートを原因とするロール表面へのスルホ
ン酸反応膜の形成がおこらず、潤滑剤組成物がロール表
面に継続的に付着する耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの肌荒れ
防止用潤滑剤組成物及び該潤滑剤組成物を用いた鋼の熱
間圧延方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、高塩基性アル
カリ土類金属スルホネートに、無水カルボン酸を加えて
なる耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの肌荒れ防止用潤滑剤組成
物である。本発明の潤滑剤組成物に使用される潤滑剤
(基油)は、高塩基性アルカリ土類金属スルホネート単
独でもよいが、更に、鉱油及びエステルからなる群から
選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。また本発
明の潤滑剤組成物に使用される潤滑剤は、更に粒子径5
〜20μmの球状シリカ粒子を含んでいてもよい。本発
明の潤滑剤組成物は、ウォーターインジェクション方式
給油によって、耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの表面に給油さ
れた場合、高塩基性アルカリ土類金属スルホネートを原
因とするロール表面へのスルホン酸反応膜の形成がおこ
らず、潤滑剤がロール表面に継続的に付着する。従っ
て、ロール表面のFe2O3 とFe3O4 を主成分とする酸化皮
膜の形成を、長期間安定に抑制することが可能となる。
【0010】本発明の潤滑剤組成物に使用される高塩基
性アルカリ土類金属スルホネートとしては、高塩基性カ
ルシウムスルホネート、高塩基性マグネシウムスルホネ
ート及び高塩基性バリウムスルホネートが挙げられる。
いずれを用いても同様の効果が得られる。従って、以下
この明細書においては高塩基性カルシウムスルホネート
について説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。本発明に使用される高塩基性カルシウムスルホ
ネートは公知である。例えば、市販品としてはウイトコ
社のブライトンC300や、ルブリゾール社のルブリゾ
ール5347などがある。高塩基性カルシウムスルホネ
ートは、例えば、所定の溶媒(例えば、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素溶剤、メタノール等の脂肪族ア
ルコール、水等)中に、アリールスルホン酸又はアルキ
ルスルホン酸と過剰モル(例えば、スルホン酸1モルに
対して、3〜10モル)の水酸化カルシウムを加え、次
いで炭酸ガスを通じた後、溶媒を除去して製造された物
が好ましい。この理由は、この方法で製造された高塩基
性カルシウムスルホネートは、CaCO3 を安定に分散
している透明な液体であり、鉱油またはエステルに任意
に溶解する事から、従来の圧延油の給油法として一般に
用いられていた、ウォーターインジェクション方式の給
油設備によって、給油が可能である安定な液状の潤滑剤
を構成することが、可能となるからである。
【0011】高塩基性カルシウムスルホネート中には、
CaCO3 が含まれており、このCaCO3 は圧延ロー
ルに付着した後、圧延材と接触し、加熱されて、CaO
に分解する。CaOの様なアルカリ土類金属の酸化物
は、圧延材表面に存在するスケールと反応し、表面スケ
ールを、CaOとFeOの固溶体を主成分としたスケー
ルに改質する働きを有する。このCaOとFeOの固溶
体を主成分としたスケールは、一般的な鋼の熱間圧延時
の圧延材表面に生成するFeOを主成分としたスケール
とは異なり、ロール表面に展着しないので酸化皮膜の形
成を抑制する事が可能となる。この作用は、高塩基性カ
ルシウムスルホネート中に含まれるCaCO3 の働きに
よると考えられる。この場合、高塩基性カルシウムスル
ホネートはその中にCaCO3 がコロイド状に安定に分
散している透明で安定な液状の物質である為、CaCO
3 の粉体とは異なり微細なCaCO3 がロール表面に均
一に付着し、前記のロールに対する、スケールの展着を
むらなく抑制する事ができると考えられる。
【0012】本発明の高塩基性カルシウムスルホネート
は、単独で潤滑剤を構成してもよいが、潤滑剤中に少な
くとも10重量%含有させる事が好ましい。この理由
は、含有量が10重量%以上の場合、CaCO3 量が、
CaOとFeOの固溶体の形成に十分な量であるのに対
して、10重量%未満の場合は、CaCO3 量が少なく
CaOとFeOの固溶体の形成が不十分となり、所期の
効果が得られないためである。本発明の高塩基性カルシ
ウムスルホネート中にはCaCO3 が少なくとも塩基価
に換算し、100以上ある事が好ましい。塩基価とは、
試料1g中に含まれる全塩基成分を中和するのに要する
塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。この塩基
価は、JIS2501において、全塩基価として規定さ
れているものと同じである。従って、高塩基性カルシウ
ムスルホネートは、塩基成分であるCaCO3 を多く含
有する程、塩基価が高くなる。本発明の高塩基性カルシ
ウムスルホネートの塩基価は100〜500が好まし
い。塩基価が100未満では、CaCO3 がCaOに変
化した後、FeOと固溶体を形成し難くなり、また50
0より高くした場合、CaCO3 を安定に分散させるこ
とが難しくなる。
【0013】本発明の潤滑剤組成物は、高塩基性カルシ
ウムスルホネート10〜90重量%に対し、鉱油及びエ
ステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を10〜
90重量%の割合で加える事によって、より一層の効果
が得られる。鉱油及びエステルはいずれもロールと圧延
材の間に潤滑膜を形成し、摩擦係数を下げ、耐摩耗鋳鉄
製圧延ロールの肌荒れを抑制する働きがある。又、高塩
基性カルシウムスルホネート単独では粘度が高く、ポン
プで給油する事が不可能な場合、比較的粘度の低い鉱油
またはエステルあるいは鉱油とエステルの混合物を加え
る事によって、ポンプで給油が可能な粘度に調整する事
が可能となる。本発明の潤滑剤に使用される鉱油として
は、スピンドル油、マシン油、モーター油の様な比較的
粘度の低いものが好ましい。また、エステルとしては2
−エチルヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスルトール等のアルコール中のOH
基の内1以上を炭素数4〜22の脂肪酸によってエステ
ル化したものが、比較的粘度が低い事から好ましい。鉱
油またはエステルあるいは鉱油とエステルの混合物の添
加量が10重量%未満あるいは90重量%を超える場合
には、所期の摩擦係数低下効果及び粘度調整効果を十分
に発揮させることができない。
【0014】本発明の潤滑剤は更に、比較的粘度が低い
極圧剤やアルコール等を加える事によっても所期の摩擦
係数低下効果及び粘度調整効果を十分に発揮させること
ができる。
【0015】本発明の潤滑剤組成物には更に、粒子径5
〜20μmの球状シリカ粒子を0.1〜10.0重量%
の割合で加える事によって、ロール表面に対する潤滑剤
組成物の付着性を顕著に向上させることができる。この
目的で使用される球状シリカ粒子は、シリカを2000
℃以上に加熱し溶融した状態で、ノズルより噴霧し、急
冷した後、遠心沈降法によって分級して製造された物が
好ましい。本来シリカ粒子は、表面が親水性であるた
め、エマルションとなった場合、水部分に移行し易い。
しかし、球状シリカ粒子は、多面体状シリカ粒子等の表
面積の大きなシリカ粒子と比較して、親水性が低く、エ
マルションとなった場合、水部分に移行しにくいという
性質を有するからである。本発明の潤滑剤組成物をウォ
ーターインジェクション方式で給油する場合、ロール表
面に付着した潤滑剤組成物のエマルションが速やかに潤
滑剤と希釈水に分離し、潤滑剤のみがロール表面に付着
する事が要求される。ところが、高塩基性カルシウムス
ルホネートはその構造中に、スルホン酸基を持つ事から
アニオン系界面活性剤としての働きがあり、水に対し比
較的乳化し易い。この作用により、希釈水中で粒子径の
小さいエマルションを形成する為、ロール表面上で潤滑
剤が分離せず、そのままロール冷却水によって洗い流さ
れ易い傾向がある。そして、潤滑剤中に含まれる高塩基
性カルシウムスルホネートの割合が大きいほどこの作用
は大きい。従って、この現象を改善し、冷却水に洗い流
されにくい性質を潤滑剤に付与する事によって、付着性
を向上させれば、より一層の肌荒れの抑制効果を得る事
ができる。
【0016】前記の性質を持つ高塩基性カルシウムスル
ホネートの乳化性を抑制するには、特公昭63−462
98号に開示されているような、油溶性高分子化合物を
圧延油に添加し、圧延油エマルションの粒子径を大きく
し、ロール表面への付着性を増加させる方法がある。と
ころが、前記公報に開示されている油溶性高分子化合物
は、対イオンとして脂肪酸および/又は脂肪族とリン酸
のジエステルを用いているため、高塩基性カルシウムス
ルホネート中のCaCO3 分がこの対イオンに対しケン
化反応を起こし、所期の性能が低下するという問題があ
る。本発明者らは、種々の乳化抑制効果を持つ物質を高
塩基性カルシウムスルホネートに添加して乳化性の抑制
を試みた。しかし、高塩基性カルシウムスルホネート中
の塩基性成分の反応性が強いため、安定な効果を持つ物
質を得る事は難しかった。そこで本発明者らは、塩基性
成分に対し安定であり、かつ乳化抑制効果を持つ物質を
CaCO3 と反応性を持たない無機物質に求め、検討を
行った。その結果、球状シリカ微粒子が高塩基性カルシ
ウムスルホネートに対し安定であり、かつ、優れた乳化
抑制効果を持つ事を見出した。
【0017】この乳化抑制効果の詳細な作用原理は不明
であるが、球状シリカ微粒子が、強い表面活性によって
粒子径の細かいエマルション粒子を凝集させ、粒子径の
大きなエマルションに変化させ、ロール表面に潤滑剤が
凝集分離して付着させるという様な事が考えられる。但
し、この球状シリカ粒子は、粒径が細か過ぎる場合、乳
化抑制効果が過剰となりエマルションの形成を妨げる。
このため、ノズルへ至る前の配管中で、潤滑剤が希釈水
より分離し、給油不能となる。一方、球状シリカ粒子の
粒径が大きすぎる場合、乳化の抑制効果が低下する。従
って、球状シリカ粒子の粒径は5〜20μmの範囲が適
当である。球状シリカ粒子は潤滑剤に対し、0.1〜1
0重量%の割合で含有させる事が好ましい。この理由は
含有量が0.1重量%未満の場合、前記の乳化抑制効果
が不十分であり、10.0重量%を越える場合、乳化抑
制効果が過剰となるからである。
【0018】本発明に使用される無水カルボン酸は、構
造中に酸無水物基を有し、ウォーターインジェクション
方式にてロール表面に給油された際、希釈水中で水と反
応して酸無水物基が開環し、カルボン酸に変化するもの
であれば、いかなるものでもよい。無水カルボン酸は、
高塩基性カルシウムスルホネート、あるいは更に鉱油及
び/又はエステル、あるいは更に粒子径5〜20μmの
球状シリカ粒子を含む潤滑剤に均一に溶解可能な物質が
望ましい。これは、無水カルボン酸が、前記効果を発揮
するには、潤滑剤中に安定に溶解していることが必要と
されるためである。このような無水カルボン酸として
は、例えば、炭素原子数5〜100、好ましくは8〜9
0のものが好ましい。例えば、無水ペンテニルコハク
酸、無水オクテニルコハク酸、無水ドデセニルコハク
酸、無水C72アルケニルコハク酸、無水C90アルケニル
コハク酸等の無水コハク酸に1以上のアルケニル基が結
合した無水アルケニルコハク酸、無水安息香酸、無水桂
皮酸、無水トルイル酸、無水フタル酸に1以上のアルケ
ニル基が結合した無水アルケニルフタル酸、例えば、無
水オクテニルフタル酸、無水ドデセニルフタル酸、無水
90アルケニルフタル酸等の無水芳香族カルボン酸等が
挙げられる。
【0019】前記の様な無水カルボン酸は、化学的に活
性であり、容易に耐摩耗鋳鉄製ロールの表面と反応する
と考えられる。この反応は、高塩基性カルシウムスルホ
ネートが加水分解して生成するスルホン酸の耐摩耗鋳鉄
製ロール表面に対する反応と比べて強いため、カルボン
酸の反応膜が、優先してロール表面に生成し、スルホン
酸イオンの反応が不可能となるものと考えられる。本発
明では、無水カルボン酸は有効であるが、これと同様な
性能を有すると考えられるカルボン酸は有効ではない。
その理由は、カルボン酸を添加した場合、極性の大きな
カルボン酸と高塩基性カルシウムスルホネート中の塩基
成分との間でケン化反応等が生じ、安定に存在する事が
不可能となるからである。これに対し、無水カルボン酸
中の酸無水物基は、極性が小さく、反応性に乏しい為、
高塩基性カルシウムスルホネートに添加した場合も安定
な形で存在する事ができる。
【0020】無水カルボン酸は水と反応し、容易にカル
ボン酸に変化するともに、ロール表面にカルボン酸反応
膜を形成しスルホン酸イオンの反応を防止する。このカ
ルボン酸反応膜は、有機化合物である事から、有機物で
ある高塩基性カルシウムスルホネートや、鉱油、エステ
ルと親和性が強い。従って、ロール表面にカルボン酸反
応膜ができた場合、潤滑剤は濡れやすく、水は濡れにく
いという状態を呈する。従って、有機化合物を主体とす
る高塩基性カルシウムスルホネート、あるいは更に鉱油
及び/又はエステル、あるいは更に粒子径5〜20μm
の球状シリカ粒子を含む潤滑剤組成物がロール表面に、
安定して、継続的に付着可能となる。
【0021】これらの無水カルボン酸は、高塩基性カル
シウムスルホネート、あるいは更に鉱油及び/又はエス
テル、あるいは更に粒子径5〜20μmの球状シリカ粒
子を含む潤滑剤100重量部に対し0.5〜50重量部
添加することが好ましく、更に好ましくは1〜40重量
部である。その理由は、含有量が0.5重量部未満の場
合、所期の効果が不十分であり、また50重量部を超え
ると潤滑剤の量が少なくなり、所期の目的であるロール
表面の酸化皮膜生成の抑制が不可能となるためである。
【0022】本発明の潤滑剤組成物は、潤滑剤に適当な
粘度の鉱油及び/又はエステルを含有させることによっ
て、固有の粘度が40℃で1000mm2 /s以下とし
たものが好ましい。この理由は、潤滑剤組成物の粘度が
40℃で1000mm2 /s以下の場合、一般的な潤滑
剤組成物搬送ポンプを用いて容易に給油できるためであ
る。一般に潤滑剤組成物搬送ポンプとして用いられるギ
ヤー方式やプランジャー方式のポンプは潤滑剤組成物の
粘度が高すぎる場合、吸入不良や圧力損失増大によっ
て、給油が不能となる事が多い。この現象は、本発明の
潤滑剤組成物をロールへ安定供給する際に、大きな障害
となる。本発明の熱間圧延方法は、本発明の潤滑剤組成
物を用い、ウォーターインジェクション方式の給油設備
を用いて、ロール表面に給油する事を特徴とする鋼の熱
間圧延方法であって、この方法によって、耐摩耗性圧延
ロール表面の酸化皮膜の形成を抑制する事が可能とな
る。給油された潤滑剤組成物は、配管中で希釈水の配管
乱流によって強制エマルションとなった後、ノズルを介
してロール表面に噴射される。
【0023】
【発明の効果】本発明の潤滑剤組成物を用いて鋼の熱間
圧延を行なった場合、従来の3倍以上の長期に渡り、耐
摩耗鋳鉄製圧延ロール表面の酸化皮膜の形成を抑制する
事が可能となった。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本発明の
潤滑剤組成物は、例えば、撹拌機を有するステンレス製
加熱釜に、高塩基性カルシウムスルホネートと、必要な
場合には、更に鉱油、エステル、球状シリカ粒子と、無
水カルボン酸とを、表1に示す重量比率で投入し、50
〜100℃にて、均一となるまで、例えば、30分〜2
時間、撹拌することにより容易に製造することができ
る。又、既に、実機タンクに保管されている高塩基性カ
ルシウムスルホネートと、必要な場合には、更に鉱油、
エステル、球状シリカ粒子とを含む潤滑剤に、無水カル
ボン酸を表1に示す重量比率で所定量投入し加熱攪拌し
てもよい。実機ウォーターインジェクション設備におい
て、高塩基性カルシウムスルホネートと、必要な場合に
は、更に鉱油、エステル、球状シリカ粒子とを含む潤滑
剤の給油系統とは、別個に、無水カルボン酸の給油設備
を独立して設置し、前記高塩基性カルシウムスルホネー
トを含有する潤滑剤と無水カルボン酸を表1に示す重量
比率で、同時にロール給油した場合も、同様な効果が得
られることは、容易に考えられる所である。
【0025】本発明の潤滑剤組成物を、潤滑剤を熱間仕
上げ圧延機6スタンドミル列の第2スタンドにおいて、
ウォーターインジェクション方式による潤滑剤給油設備
を用い、以下に示す熱間圧延条件及び潤滑剤組成物給油
量で、耐摩耗鋳鉄製圧延ロールに給油し、従来の3倍の
圧延材を圧延した。それに伴い、ロール表面に対し、従
来の3倍の時間、潤滑剤組成物が給油された。 熱間圧延条件及び潤滑剤給油量 F2スタンド圧延ロール 耐摩耗鋳鉄製圧延ロール 735 〜830 mmΦ×1840 mmL 同上 圧下率、速度 40〜50% ,120〜180mpm 仕上温度、巻取温度 860 〜930 ℃, 550 〜750 ℃ 仕上げ寸法 1.62〜4.82mmt × 620〜1738mmW 潤滑剤給油量 上下ロールに 合計 0.4リットル/分 希釈水量 上下ロールに 合計 84リットル/分 ロール冷却水量 16m3 /分
【0026】
【表1】 実施例 1 2 3 4 5 6 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 100 100 100 100 100 100 カルシウムスルホネート 2) 球状シリカ粒子 鉱油A 3) エステル 4) 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 20.0 無水C5 コハク酸5) 無水C8 コハク酸6) 無水C12コハク酸7) 0.5 1.0 20.0 40.0 50.0 無水C72コハク酸8) 無水C90コハク酸9) 無水C8 フタル酸10) 無水C12フタル酸11) 無水C90フタル酸12) 無水C100 コハク酸13) ステアリン酸 オレイン酸 潤滑剤の粘度14) 500 500 350 250 200 200 溶解状態15) 良好 良好 良好 良好 良好 良好 ポンプ給油性 可能 可能 可能 可能 可能 可能 潤滑剤の付着状態16) □ ○ ○ ○ □ ○ 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 3.9 2.9 2.8 2.9 4.0 2.9 ロール肌荒れ 18) 無し 無し 無し 無し 無し 無し
【0027】
【表2】 表1の続き 実施例 7 8 9 10 11 12 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 100 100 100 100 100 100 カルシウムスルホネート 2) 球状シリカ粒子 鉱油A 3) エステル 4) 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 無水C5 コハク酸5) 無水C8 コハク酸6) 20.0 無水C12コハク酸7) 無水C72コハク酸8) 20.0 無水C90コハク酸9) 20.0 無水C8 フタル酸10) 20.0 無水C12フタル酸11) 20.0 無水C90フタル酸12) 20.0 無水C100 コハク酸13) ステアリン酸 オレイン酸 潤滑剤の粘度14) 200 400 500 200 300 500 溶解状態15) 良好 良好 良好 良好 良好 良好 ポンプ給油性 可能 可能 可能 可能 可能 可能 潤滑剤の付着状態16) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 2.9 2.9 2.8 2.9 2.9 2.9 ロール肌荒れ 18) 無し 無し 無し 無し 無し 無し
【0028】
【表3】 表1の続き 実施例 13 14 15 16 17 18 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 100 100 100 100 10 カルシウムスルホネート 2) 10 球状シリカ粒子 鉱油A 3) 90 エステル 4) 90 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 無水C5 コハク酸5) 無水C8 コハク酸6) 無水C12コハク酸7) 0.25 0.5 20 20 無水C72コハク酸8) 0.25 0.5 1.0 40.0 無水C90コハク酸9) 無水C8 フタル酸10) 無水C12フタル酸11) 無水C90フタル酸12) 無水C100 コハク酸13) ステアリン酸 オレイン酸 潤滑剤の粘度14) 500 500 50 500 50 60 溶解状態15) 良好 良好 良好 良好 良好 良好 ポンプ給油性 可能 可能 可能 可能 可能 可能 潤滑剤の付着状態16) □ ○ ○ ○ ○ ○ 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 3.9 3.9 2.9 2.9 2.9 2.8 ロール肌荒れ 18) 無し 無し 無し 無し 無し 無し
【0029】
【表4】 表1の続き 実施例 19 20 21 22 23 24 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 5 99.9 99.0 99.9 カルシウムスルホネート 2) 5 10.0 10.0 球状シリカ粒子 0.1 10.0 0.1 10.0 0.1 鉱油A 3) 45 89.9 80.0 エステル 4) 45 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 無水C5 コハク酸5) 無水C8 コハク酸6) 無水C12コハク酸7) 20 20 20 20 20 0.5 無水C72コハク酸8) 0.5 無水C90コハク酸9) 無水C8 フタル酸10) 無水C12フタル酸11) 無水C90フタル酸12) 無水C100 コハク酸13) ステアリン酸 オレイン酸 潤滑剤の粘度14) 60 300 450 200 650 500 溶解状態15) 良好 良好 良好 良好 良好 良好 ポンプ給油性 可能 可能 可能 可能 可能 可能 潤滑剤の付着状態16) ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 2.9 痕跡 痕跡 痕跡 痕跡 痕跡 ロール肌荒れ 18) 無し 無し 無し 無し 無し 無し
【0030】
【表5】 表1の続き 実施例 25 26 27 28 29 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 5.0 100 100 100 100 カルシウムスルホネート 2) 5.0 球状シリカ粒子 0.1 鉱油A 3) 44.9 エステル 4) 45.0 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 無水C5 コハク酸5) 1 20 無水C8 コハク酸6) 無水C12コハク酸7) 0.33 無水C72コハク酸8) 0.33 無水C90コハク酸9) 0.34 無水C8 フタル酸10) 無水C12フタル酸11) 無水C90フタル酸12) 無水C100 コハク酸13) 1 20 ステアリン酸 オレイン酸 潤滑剤の粘度14) 60 500 60 500 600 溶解状態15) 良好 *3 *3 *3 *3 ポンプ給油性 可能 可能 可能 可能 可能 潤滑剤の付着状態16) ◎ □ □ □ □ 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 痕跡 4.0 4.1 4.0 4.1 ロール肌荒れ 18) 無し 無し 無し 無し 無し
【0031】
【表6】 表1の続き 比較例 1 2 3 4 5 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 100 90 100 100 カルシウムスルホネート 2) 10 球状シリカ粒子 10 鉱油A 3) 90 エステル 4) 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 無水C5 コハク酸5) 無水C8 コハク酸6) 無水C12コハク酸7) 0.1 無水C72コハク酸8) 無水C90コハク酸9) 無水C8 フタル酸10) 無水C12フタル酸11) 無水C90フタル酸12) 無水C100 コハク酸13) ステアリン酸 オレイン酸 潤滑剤の粘度14) 500 65 650 160 500 溶解状態15) 良好 良好 良好 良好 良好 ポンプ給油性 可能 可能 可能 可能 可能 潤滑剤の付着状態16) × × × × × 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 14.5 15.0 17.0 16.5 18.0 ロール肌荒れ 18) 有り 有り 有り 有り 有り
【0032】
【表7】 表1の続き 比較例 6 7*1*2 潤滑剤(重量部) カルシウムスルホネート 1) 100 100 100 カルシウムスルホネート 2) 球状シリカ粒子 鉱油A 3) エステル 4) 無水カルボン酸(重量部) 無水安息香酸 無水C5 コハク酸5) 無水C8 コハク酸6) 無水C12コハク酸7) 60 無水C72コハク酸8) 無水C90コハク酸9) 無水C8 フタル酸10) 無水C12フタル酸11) 無水C90フタル酸12) 無水C100 コハク酸13) ステアリン酸 20.0 オレイン酸 20.0 潤滑剤の粘度14) 150 測定不能 測定不能 溶解状態15) 良好 − − ポンプ給油性 可能 − − 潤滑剤の付着状態16) ○ − − 酸化皮膜の厚さ(μm)17) 17.7 − − ロール肌荒れ 18) 有り 有り 有り 1) 高塩基性カルシウムスルホネート塩基価1002) 高塩基性カルシウムスルホネート塩基価5003) 鉱油A(ISO VG46)4) トリメチロールプロパントリオレート5) 無水ペンテニルコハク酸6) 無水オクテニルコハク酸7) 無水ドデセニルコハク酸8) 無水C72アルケニルコハク酸9) 無水C90アルケニルコハク酸10) 無水オクテニルフタル酸11) 無水ドデセニルフタル酸12) 無水C90アルケニルフタル酸13) 無水C100 アルケニルコハク酸14) 潤滑剤の粘度(40℃、mm2/s)15) 無水カルボン酸の溶解状態16) ロール表面の潤滑剤の付着状態評価(目視で確
認); ◎非常に良好に付着している。○良好に付着している。 □付着している。△若干付着している。×付着していな
い。17) ロール表面の酸化皮膜の厚さ平均値(μm)18) 従来の3倍の時間給油し、単位を3回連続して、ロ
ール交換無しで圧延した場合のロール表面の酸化皮膜剥
離を起因とするロール肌荒れ発生の有無*1 製造時にステアリン酸を添加した際、高塩基性カル
シウムスルホネートと反応し、固形物を生じる。従っ
て、粘度は測定不能であり、かつ、給油もできなかっ
た。*2 製造時にオレイン酸を添加した際、高塩基性カルシ
ウムスルホネートと反応し、固形物を生じる。従って、
粘度は測定不能であり、かつ、給油もできなかった。*3 製造時にカルボン酸無水物を添加した際、完全に融
解しなかった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 101:02 105:32 103:00) Z C10N 10:04 20:06 Z 30:10 40:24 Z (72)発明者 伊原 肇 神奈川県横浜市緑区奈良町2998−38 (72)発明者 木原 直樹 神奈川県藤沢市辻堂太平台1−11−14 協 同油脂湘南寮

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高塩基性アルカリ土類金属スルホネート
    からなる潤滑剤に、無水カルボン酸を加えてなる耐摩耗
    鋳鉄製圧延ロールの肌荒れ防止用潤滑剤組成物。
  2. 【請求項2】 潤滑剤が更に、鉱油及びエステルからな
    る群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の
    潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑剤が更に、粒子径5〜20μmの球
    状シリカ粒子を含む請求項1又は2記載の潤滑剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 高塩基性アルカリ土類金属スルホネート
    からなる潤滑剤100重量部に対し、無水カルボン酸を
    0.5〜50重量部加えてなる請求項1、2又は3記載
    の潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 潤滑剤が、高塩基性アルカリ土類金属ス
    ルホネート10〜90重量%と鉱油及びエステルからな
    る群から選ばれる少なくとも1種10〜90重量%から
    なる請求項2、3又は4記載の潤滑剤組成物。
  6. 【請求項6】 潤滑剤が、高塩基性アルカリ土類金属ス
    ルホネート10〜99.9重量%と、粒子径5〜20μ
    mの球状シリカ粒子0.1〜10.0重量%からなる請
    求項3、4又は5記載の潤滑剤組成物。
  7. 【請求項7】 潤滑剤が、高塩基性アルカリ土類金属ス
    ルホネート10〜89.9重量%と、鉱油及びエステル
    からなる群から選ばれる少なくとも1種10〜89.9
    重量%と、粒子径5〜20μmの球状シリカ粒子0.1
    〜10.0重量%からなる請求項4、5又は6記載の潤
    滑剤組成物。
  8. 【請求項8】 高塩基性アルカリ土類金属スルホネート
    の塩基値が100以上である請求項1〜7のいずれか1
    項記載の潤滑剤組成物。
  9. 【請求項9】 高塩基性アルカリ土類金属スルホネート
    が高塩基性カルシウムスルホネートである請求項1〜8
    のいずれか1項記載の潤滑剤組成物。
  10. 【請求項10】 無水カルボン酸が、無水コハク酸に1
    以上のアルケニル基が結合した無水アルケニルコハク
    酸、無水安息香酸、無水桂皮酸、無水トルイル酸及びフ
    タル酸に1以上のアルケニル基が結合した無水アルケニ
    ルフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1〜9のいずれか1項記載の潤滑剤組成物。
  11. 【請求項11】 無水カルボン酸が、無水ペンテニルコ
    ハク酸、無水オクテニルコハク酸、無水ドデセニルコハ
    ク酸、無水C72アルケニルコハク酸、無水C 90アルケニ
    ルコハク酸、無水安息香酸、無水桂皮酸、無水トルイル
    酸、無水オクテニルフタル酸、無水ドデセニルフタル酸
    及び無水C90アルケニルフタル酸からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか1項記
    載の潤滑剤組成物。
  12. 【請求項12】 動粘度が40℃において1000mm
    2/s 以下である請求項1〜11のいずれか1項記載の潤
    滑剤組成物。
  13. 【請求項13】 耐摩耗鋳鉄製圧延ロールを用いた鋼の
    熱間圧延方法において、請求項1〜12のいずれか1項
    に記載の潤滑剤組成物を用い、ウォーターインジェクシ
    ョン方式の潤滑剤給油法によって、ロール表面に給油
    し、ロール表面の酸化皮膜の形成を長期間、安定に抑制
    することを特徴とする鋼の熱間圧延方法。
JP20718694A 1994-08-31 1994-08-31 耐摩耗鋳鉄製圧延ロールの肌荒れ防止用潤滑剤組成物及び該潤滑剤組成物を用いた圧延方法 Pending JPH0867895A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155432A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Kyodo Yushi Co Ltd 金属加工油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品
JP2010275352A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Kyodo Yushi Co Ltd 金属加工油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品

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JP2009155432A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Kyodo Yushi Co Ltd 金属加工油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品
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