JPH07258672A - 金属加工油組成物及び水中油滴型エマルジョン - Google Patents

金属加工油組成物及び水中油滴型エマルジョン

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JPH07258672A
JPH07258672A JP7629094A JP7629094A JPH07258672A JP H07258672 A JPH07258672 A JP H07258672A JP 7629094 A JP7629094 A JP 7629094A JP 7629094 A JP7629094 A JP 7629094A JP H07258672 A JPH07258672 A JP H07258672A
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JP
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oil
emulsion
acid
aluminum
composition
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JP7629094A
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Teruaki Onishi
輝明 大西
Masayuki Nakajima
誠之 中島
Yutaka Kusano
裕 草野
Hitoshi Hotta
仁 堀田
Kazuyoshi Suzuki
和好 鈴木
Harumi Maruyama
晴己 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Oil Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Cosmo Oil Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B45/00Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B45/02Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
    • B21B45/0239Lubricating
    • B21B45/0242Lubricants
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
    • B21B2003/001Aluminium or its alloys

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)モノエタノールアミン及び/又はジエ
タノールアミンを0.01〜5重量%、(b)トリエタ
ノールアミンを1〜10重量%、(c)脂肪酸を4〜3
0重量%、及び(d)鉱油、油脂及び合成油から選ばれ
る1種又は2種以上を65〜90.99重量%の割合で
含有する金属加工油組成物及びその金属加工油組成物を
2〜20容量%含有する水中油滴型エマルジョン。 【効果】 潤滑性及び乳化安定性の両性能を満足し、エ
マルジョン粒径分布を適正にコントロールすることがで
き、この結果その水中油滴型エマルジョンを、金属加
工、例えばアルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧
延に使用して、表面品質に優れた金属加工製品、例えば
アルミニウム及びアルミニウム合金圧延板を得ることが
できる。しかも、非イオン系乳化剤とは異なり排水処理
時に分解可能なため、従来の設備のまま使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑性及び乳化安定性
の両性能に優れ、エマルジョン粒径分布がコントロール
可能であり、かつ表面品質に優れたアルミニウム圧延板
などの金属加工製品を得ることができる金属加工油組成
物及びその水中油滴型エマルジョンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属加工製品、例えばアルミニウム及び
アルミニウム合金の熱間圧延板製品は、板の表面品質に
よりその商品価値が決まり、その表面品質は使用する加
工油又は圧延油の性能によって大きく左右される。用い
られる加工油又は圧延油は、一般的には鉱油を基油とし
て、油性剤、極圧剤、防腐剤、酸化防止剤、防錆剤など
が配合され、乳化剤としてオレイン酸などの脂肪酸のト
リエタノールアミン塩及び非イオン系界面活性剤などが
添加されている加工油又は圧延油である。これらの金属
加工油又は圧延油の中で、乳化系に脂肪酸トリエタノー
ルアミン塩を使用しているアニオン系金属加工油又は熱
間圧延油は、水中油滴型エマルジョンとして使用され
る。そして、この水中油滴型エマルジョンにした金属加
工剤又は圧延剤は、例えば熱間圧延装置ではロールと材
料間の潤滑とロールの冷却を兼ねて、クーラントの循環
方式で用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この熱間圧
延油エマルジョンは、繰り返し使用されていくにつれ
て、オレイン酸などの脂肪酸のトリエタノールアミン塩
のうちの脂肪酸が優先的にロール、圧延されたアルミニ
ウム板及び発生したアルミニウム粉に付着して持ち去ら
れる。このため、エマルジョンの乳化力が低下してエマ
ルジョンが不安定になり、水中に分散する油滴の粒径を
一定の粒径分布にコントロールすることが非常に困難に
なるという問題があった。そこで、その対策として、オ
レイン酸などの脂肪酸の添加量を過剰にすることが考え
られる。しかし、脂肪酸濃度を増加させると熱間圧延油
エマルジョンの粒径が大きくなり、熱間圧延油エマルジ
ョンが不安定となる。そのため、エマルジョン粒径分布
のコントロールが困難となる問題がある。このことは、
アルミニウムの熱間圧延油に限らず、脂肪酸−トリエタ
ノールアミン塩系の金属加工油エマルジョンにも同様の
ことが言える。また、熱間圧延油エマルジョンの場合、
その他の方法として非イオン系界面活性剤を用いてこれ
らの性能を両立する試みもあるが、最適なエマルジョン
粒径分布にコントロールすることが十分でなく、さらに
排水処理性が悪く、排水処理装置に負担がかかるという
問題がある。本発明は、上記の状況に鑑みてなされたも
のであり、潤滑性及び乳化安定性の両性能に優れ、最適
なエマルジョン粒径分布を継続して保つことができ、か
つ排水処理性にも優れ、この結果表面品質に優れた金属
加工製品、例えばアルミニウム圧延板及びアルミニウム
合金圧延板を得ることができる、金属加工用、例えばア
ルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延用の金属加
工油組成物及びその水中油滴型エマルジョンを提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の金
属加工用又はアルミニウム及びアルミニウム合金熱間圧
延用水中油滴型エマルジョン及びそれに使用する金属加
工油又は熱間圧延油の有する上記課題を解決するため
に、鋭意研究を重ねた結果、従来使用されている脂肪酸
−トリエタノールアミン塩系金属加工油又は圧延油にモ
ノエタノールアミン又はジエタノールアミン、あるいは
これらの混合物を特定量添加することにより、乳化剤と
して脂肪酸のモノあるいはジエタノールアミン塩を生成
させ、これにより従来の脂肪酸−トリエタノールアミン
塩系金属加工油又は圧延油に比べて、極めて乳化安定性
に優れ、最適なエマルジョン粒径分布にコントロールす
ることができ、しかも長期間に亘ってその最適なエマル
ジョン粒径分布を保つことができ、さらに潤滑性にも優
れることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(a)モノエタノー
ルアミン及び/又はジエタノールアミンを0.01〜5
重量%、(b)トリエタノールアミンを1〜10重量
%、(c)脂肪酸を4〜30重量%、及び(d)鉱油、
油脂及び合成油から選ばれる1種又は2種以上を65〜
90.99重量%の割合で含有することを特徴とする金
属加工油組成物を提供するものである。また、本発明
は、(a)モノエタノールアミン及び/又はジエタノー
ルアミンを0.01〜5重量%、(b)トリエタノール
アミンを1〜10重量%、(c)脂肪酸を4〜30重量
%、及び(d)鉱油、油脂及び合成油から選ばれる1種
又は2種以上を65〜90.99重量%の割合で含有す
る金属加工油組成物を2〜20容量%含有することを特
徴とする水中油滴型エマルジョンを提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の金属加工油組成物において使用さ
れる(a)成分は、モノエタノールアミン及び/又はジ
エタノールアミンである。モノエタノールアミンとジエ
タノールアミンは、それぞれ単独で用いてもよいし、混
合して用いてもよいが、特にジエタノールアミンの配合
量が0.05〜3.5重量%の範囲が好ましい。モノエ
タノールアミンとジエタノールアミンを混合して用いる
場合に、その混合割合は、特に限定されるものではな
く、種々の割合で使用可能である。
【0007】本発明の金属加工油組成物において使用さ
れる(c)成分である脂肪酸としては、例えばカプリン
酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ウンデシレン
酸、ラウロレイン酸、エルカ酸、リンデル酸、ツズ酸、
フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アス
クレピン酸、パクセン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレ
オステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、モロクチ酸、
ステアリドン酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペ
ニン酸、キシメニン酸、マルバニン酸、ヒドノカルピン
酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、サビニン酸、
イプロール酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブ
レットール酸、アリューリット酸、リシノール酸、カム
ロレイン酸、リカン酸などが挙げられる。これらの脂肪
酸のうち、炭素数10〜22の脂肪酸が好ましく、潤滑
性と基油への溶解性を考慮すると、特にオレイン酸が好
ましい。これらの脂肪酸は、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0008】本発明の金属加工油組成物において使用さ
れる(d)成分の基油は、鉱油、油脂及び合成油の何れ
でもよく、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用
いられる。ここで、鉱油としては、例えば白灯油、スピ
ンドル油、マシン油、タービン油、シリンダー油などが
挙げられ、油脂としては、例えば鯨油、牛脂、豚油、ナ
タネ油、ヒマシ油、ヌカ油、パーム油、ヤシ油などが挙
げられ、合成油としては、例えばポリアルファオレフィ
ン(PAO)、ポリブテン、エステル類などが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらの基油
のうち、粘度が2〜80mm2/s(40℃)のものが
好ましい。
【0009】本発明の金属加工油組成物においては、
(a)成分であるモノエタノールアミン及び/又はジエ
タノールアミンの配合量は、0.01〜5重量%である
が、モノエタノールアミンの配合量は、0.01〜4重
量%が好ましく、特に0.05〜2.5重量%が好まし
い。また、ジエタノールアミンの配合量は、0.01〜
4重量%が好ましく、特に0.05〜3.5重量%が好
ましい。このモノエタノールアミン及び/又はジエタノ
ールアミンの配合量が5重量%を超えると、溶解性が悪
くなり、原液の安定性も悪くなり、泡が消えにくくな
る。また、モノエタノールアミン及び/又はジエタノー
ルアミンの配合量が0.01重量%未満であると乳化力
が低下し、安定なエマルジョンを形成できず、粒子径分
布も広がり粒子径のコントロールができなくなる。
(b)成分であるトリエタノールアミンの配合量は、1
〜10重量%である。(c)成分である脂肪酸の配合量
は、4〜30重量%、好ましくは8〜20重量%であ
る。
【0010】(a)成分、(b)成分及び(c)成分
は、上記の範囲で配合されればよいが、モノエタノール
アミンの配合量は、トリエタノールアミン100重量部
に対し0.01〜25重量部の範囲が好ましく、さらに
0.1〜10重量部の範囲が好ましく、特に0.2〜5
重量部の範囲が好ましい。また、ジエタノールアミンの
配合量は、トリエタノールアミン100重量部に対し
0.01〜50重量部の範囲が好ましく、さらに0.1
〜30重量部の範囲が好ましく、特に0.5〜10重量
部の範囲が好ましい。モノエタノールアミン及び/又は
ジエタノールアミンの配合量が少な過ぎると、エマルジ
ョンの粒径分布が広がり、粒径分布コントロールの効果
が少ない。一方、この配合量が多過ぎると、エマルジョ
ンが安定過ぎてフリーオイルが発生せず、泡の発生が多
くなり易い。さらに、モノエタノールアミンの配合量が
多過ぎると、pHが高くなり過ぎてアルミニウム表面を
黒く変色させる問題が出てくることがある。また、モノ
エタノールアミン及び/又はジエタノールアミンと、ト
リエタノールアミンとの合計配合量は、脂肪酸100重
量部に対し10〜50重量部の範囲が好ましく、さらに
20〜40重量部の範囲が好ましく、特に25〜35重
量部の範囲が好ましい。モノエタノールアミン及び/又
はジエタノールアミンと、トリエタノールアミンとの合
計配合量が少ないと乳化安定性が不足する傾向があり、
一方多過ぎると溶解せず、原液の安定性が悪くなり易
い。
【0012】また、本発明の金属加工油組成物において
は、乳化助剤を含有させることが好ましい。この乳化助
剤としては、親油基と親水基の両方を有する化合物を用
いることができ、例えばエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエー
テル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールジブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ジヘキシレングリコールなどが
挙げられる。乳化助剤の含有量は、通常0.1〜10重
量%の範囲であり、好ましくは0.5〜3重量%の範囲
である。
【0013】また、本発明の金属加工油組成物において
は、前記成分以外に、従来の金属加工油又は圧延油組成
物に用いられる成分、例えば油性剤、極圧剤、酸化防止
剤、防錆剤、防腐剤、殺菌剤などの各種添加剤を適宜添
加することができる。油性剤としては、例えば油脂及び
脂肪酸エステルなどが挙げられ、極圧剤としては、例え
ばトリクレジルフォスフェートなどのリン系化合物など
が挙げられ、酸化防止剤としては、例えば2,4−ジ−
tert−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系
化合物などが挙げられ、防錆剤としては、例えば1,
2,3−ベンゾトリアゾール及びその誘導体などが挙げ
られ、殺菌剤としては、例えばトリアジン系、チアゾリ
ン系及びモルホリン系などが挙げられる。
【0014】本発明の金属加工油組成物の一般的性状と
しては、粘度(40℃)が通常20〜80mm2/sの
範囲であり、全酸価が通常20〜30mgKOH/gの
範囲であり、塩基価が通常10〜18mgKOH/gの
範囲であることが好ましい。本発明の金属加工油組成物
は、前記各必須成分及び必要に応じて各種添加剤を所定
量適宜配合して混合することにより製造することができ
る。各種必須成分及び各種添加剤の混合方法及び添加方
法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により
行うことができ、混合順序及び添加順序も種々の混合順
序及び添加順序で行うことができる。
【0015】本発明の水中油滴型エマルジョンは、上記
本発明の金属加工油組成物を水に混合し、乳化させるこ
とにより調製することができる。水中油滴型エマルジョ
ン中の油分の濃度は、2〜20容量%であり、特に4〜
15容量%が好ましい。油分が少ないと、潤滑性が悪く
なる傾向があり、油分が多過ぎると材料がかみ込まなく
なる傾向があり、また圧延ロール(60〜100℃)の
冷却が十分でなくなる。本発明の水中油滴型エマルジョ
ンの調製方法は、通常のエマルジョン調製法の種々の方
法により行うことができ、例えば40℃の水に金属加工
油組成物を徐々に加え、その後60℃に温度を上げて2
4時間ポンプで循環して調製する方法が挙げられる。ポ
ンプの循環条件としては、特に限定されるものではな
く、例えばポンプのノズルの先端系を5mmφにし、容
量を7l/minにし、ノズル先端を液中に設置するな
どの条件が挙げられる。
【0016】本発明の水中油滴型エマルジョンの粒径
は、通常0.3〜20μmの範囲にすればよく、好まし
くは0.5〜10μmの範囲にすればよい。さらに、エ
マルジョン粒径分布の50%点の粒径が2〜5μmの範
囲にあることが好ましく、特に2〜3μmの範囲にある
ことが好ましい。また、標準偏差が1〜2の範囲にある
ことが好ましい。なお、標準偏差は、使用中あまり変化
しない方が好ましく、具体的には標準偏差の変動幅が0
〜0.5の範囲が好ましく、特に0〜0.2の範囲が好
ましい。この水中油滴型エマルジョンを金属加工装置又
はアルミニウム熱間圧延装置に適用した場合、エマルジ
ョンの粒径が小さくなると、潤滑が得られない潤滑不足
が起こり、粒径が大きくなると一般に潤滑がよい方向に
いくが、エマルジョンが非常に不安定になる。本発明の
水中油滴型エマルジョンの一般的性状としては、pHが
通常7〜9の範囲であり、予備アルカリ度が通常15〜
24の範囲であり、静置中層油分濃度が通常4.5〜
5.8%の範囲であることが好ましい。本発明の水中油
滴型エマルジョンは、金属加工又はアルミニウムもしく
はアルミニウム合金の熱間圧延に使用することができ
る。熱間圧延としては、粗・仕上げ兼用、粗用及び仕上
げ用の何れにも適用することができる。金属加工には、
圧延の他、切削、研削などの加工が含まれる。
【0017】
【作用】水中油滴型エマルジョンによる潤滑機構は、次
のように考えられる。すなわち、例えばアルミニウム及
びアルミニウム合金熱間圧延において圧延ロールへ噴射
されたエマルジョンは、ロール表面で乳化破壊し、油分
と水とに分離する。分離した油がロール表面に付着し、
ロールと圧延板との接触弧内に引き込まれて摩擦を低減
し、圧延荷重を低減する。潤滑性に寄与するオレイン酸
などの脂肪酸は、脂肪酸のトリエタノール塩の分解によ
り供給される。脂肪酸のジエタノールアミン塩又はモノ
エタノールアミン塩はトリエタノールアミン塩に比べて
乳化力が強く、乳化剤として脂肪酸のジエタノールアミ
ン塩又はモノエタノールアミン塩は安定に存在する。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。実施例及び比較例の
評価試験は、次の方法により行った。
【0019】(1)粒径分布 メークアップ法(1l建浴の場合) 40℃の水940mlに所定濃度(6容量%)に相当す
る量(60ml)の圧延油を徐々に加えてポンプ循環を
行う。全量添加した後、エマルジョンの温度を60℃に
上昇し、24時間循環した後粒径分布を測定する。 (2)乳化安定性 上記メークアップ法により調製したエマルジョンを2
0分間静置後、中層部の油分濃度を測定する。 バブコックフラスコ中に試料を入れ1500rpm
(650G)で20分間遠心分離を行い、フリーオイル
及びクリームの生成をバブコックフラスコ内の目盛りで
測定する。 (3)Feイオンとの反応性 鋳鉄(FC−200)、アルミニウム(JIS A10
50)を各5gずつ6容量%油分濃度の水中油滴型エマ
ルジョン1lに浸漬し、60℃で300rpmのマグネ
チックスターラーで撹拌しながら10日間反応を行う。
このエマルジョンを、油分濃度、pH、Fe分の各項目
について分析する。
【0020】実施例1〜5 基油、モノエタノールアミン及び/又はジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン及びオレイン酸の必須成分
と、TCP(トリクレジルフォスフェート)、乳化助剤
(DEG:ジエチレングリコール)及び殺菌剤の添加剤
を表1の配合割合で順次混合してアルミニウム熱間圧延
油組成物を調製した。これらのアルミニウム熱間圧延油
組成物をメークアップ法により水中に添加して乳化さ
せ、それぞれ水中油滴型エマルジョンを調製した。得ら
れた水中油滴型エマルジョンについて、乳化安定性、F
eイオンとの反応性及び粒径分布を測定した。乳化安定
性及びFeイオンとの反応性の結果を表2に示し、粒径
分布の結果を表3に示した。なお、実施例2のアルミニ
ウム熱間圧延油組成物の性状は、粘度が32.9mm2
/s(40℃)、全酸価が26.6、塩基価が14.0
であり、6容量%の水中油滴型エマルジョンの性状は、
pHが8.8、予備アルカリ度が20、静置中層油分濃
度が5.2であった。また、その他の実施例のアルミニ
ウム熱間圧延油組成物の性状も、粘度(40℃)が25
〜50mm2/sの範囲であり、全酸価が20〜30m
gKOH/gの範囲であり、塩基価が10〜18mgK
OH/gの範囲であり、水中油滴型エマルジョンの性状
も、pHが7〜9の範囲であり、予備アルカリ度が15
〜24の範囲であり、静置中層油分濃度が4.5〜5.
8%の範囲であった。
【0021】比較例1 モノエタノールアミンとジエタノールアミンを添加しな
いで、基油、トリエタノールアミン及びオレイン酸と、
TCP(トリクレジルフォスフェート)、乳化助剤(D
EG:ジエチレングリコール)及び殺菌剤の添加剤を表
1の配合割合で順次混合してアルミニウム熱間圧延油組
成物を調製した。このアルミニウム熱間圧延油組成物を
メークアップ法により水中に添加して乳化させ、水中油
滴型エマルジョンを調製した。得られた水中油滴型エマ
ルジョンについて、乳化安定性、Feイオンとの反応性
及び粒径分布を測定した。乳化安定性及びFeイオンと
の反応性の結果を表2に示し、粒径分布の結果を表3に
示した。
【0022】比較例2 モノエタノールアミンとトリエタノールアミンを添加し
ないで、基油、ジエタノールアミン及びオレイン酸の必
須成分と、TCP(トリクレジルフォスフェート)、乳
化助剤(DEG:ジエチレングリコール)及び殺菌剤の
添加剤を表1の配合割合で順次混合してアルミニウム熱
間圧延油組成物を調製した。このアルミニウム熱間圧延
油組成物をメークアップ法により水中に添加して乳化さ
せ、水中油滴型エマルジョンを調製した。得られた水中
油滴型エマルジョンについて、乳化安定性、Feイオン
との反応性及び粒径分布を測定した。乳化安定性及びF
eイオンとの反応性の結果を表2に示し、粒径分布の結
果を表3に示した。なお、表1において、各成分の配合
量を示す数値の単位は、重量%である。
【0023】
【表1】 注 1):鉱油(粘度:30mm2/s(40℃)) 2):ポリ−α−オレフィン(粘度:30mm2/s
(40℃))
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表2および表3に示すように、実施例1〜
5は、適正なエマルジョン粒径分布を有する。なお、実
施例1の水中油滴型エマルジョンの粒径分布のみを図1
に示しているが、粒径分布がシャープであり、適正な粒
径分布であることが分かる。また、比較例2も適正なエ
マルジョン粒径分布を有するが、比較例1は、ブロード
過ぎる。比較例2は、フリーオイルがなく、泡立ちが多
かった。また、クリームが多いため圧延機回りが汚れ易
い。
【0027】圧延テスト(1) 実施例1〜5、比較例1及び2の水中油滴型エマルジョ
ンをアルミニウム熱間圧延用エマルジョンとして使用
し、下記条件にてアルミニウムの熱間圧延を行った。そ
のときのアルミニウム板の表面品質を下記の基準に従っ
て目視で判定した。また、10日間使用後のエマルジョ
ン安定性を下記の基準に従って判定した。その結果を表
4に示した。 (1)条件 Work Roll径:178mmφ,2段ミル 圧延速度:10m/min テストピース:99.7%アルミニウム熱間圧延板 圧下:1パスで6mmから3mmへ落とす。 テスト枚数:100枚 圧延開始温度:500℃(アルミニウム板温度) 圧延油供油方式:スプレー方式で上下ワークロールへ散
布 圧延油供給量:8.6l/min 圧延油濃度:6容量%エマルジョン 圧延油温度:60℃ (2)アルミニウム板の表面品質判定基準 ○:良い ×:悪い エマルジョン安定性 ○:Feイオン濃度が800ppm以下である ×:Feイオン濃度が800ppmを超える
【0028】
【表4】 表4に示すように、実施例1〜5は、アルミニウム板の
表面品質及びエマルジョン安定性の何れも良好であるの
に対し、比較例1はアルミニウム板の表面品質は良い
が、エマルジョン安定性が劣る。比較例2はエマルジョ
ン安定性は良いが、潤滑性が劣る。
【0029】圧延テスト(2) 実施例2及び3、比較例1及び2の水中油滴型エマルジ
ョンをアルミニウム熱間圧延用エマルジョンとして使用
し、下記条件でアルミニウムの熱間圧延を行った。 Work Roll径:360mmφ 2段回転可逆可
能ミル 圧延速度:80m/min テストピース:99.7%アルミニウム熱間圧延板 圧下:6パスで60mmから6mmへ落とす。 テスト枚数:40枚 圧延開始温度:600℃(アルミニウム板温度) 圧延油供給方式:スプレーで上下Work Rollへ
散布。 圧延油供給量:20l/min 圧延油濃度:6容量%エマルジョン、圧延油温度:60
℃ 上記圧延条件で圧延潤滑性を以下の項目で評価した。 圧延安定性:かみ込み性で評価(入れば○、滑って入ら
なければ×、その中間が△) 板表面性状:熱延上り板表面のアルマイト処理後の均一
性(表面の仕上がり性)を下記の基準により評価した。 ○:良い △:普通 ×:悪い その結果を表5に示す。
【0030】
【表5】 さらに、上記圧延テストで使用されている水中油滴型エ
マルジョンをテスト枚数20枚、40枚の時点でサンプ
リングし、使用途中におけるエマルジョン粒径分布を測
定した。その結果を表6及び表7に示す。
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【発明の効果】本発明の金属加工油組成物は、潤滑性及
び乳化安定性の両性能に優れており、エマルジョン粒径
分布を極めて適正にコントロールすることができ、しか
も長期間に亘ってその最適なエマルジョン粒径分布を保
つことができる。従って、その水中油滴型エマルジョン
を、金属加工、例えばアルミニウム及びアルミニウム合
金の熱間圧延に使用することにより、表面品質に優れた
金属加工製品、例えばアルミニウム及びアルミニウム合
金圧延板を得ることができる。しかも、非イオン系乳化
剤とは異なり排水処理時に分解可能なため、従来の設備
のまま使用できる。本発明は、実用上極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の水中油滴型エマルジョンの粒径分布
を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:00 A Z 40:22 40:24 Z (72)発明者 草野 裕 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本軽 金属株式会社名古屋工場内 (72)発明者 堀田 仁 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本軽 金属株式会社名古屋工場内 (72)発明者 鈴木 和好 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本軽 金属株式会社名古屋工場内 (72)発明者 丸山 晴己 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本軽 金属株式会社名古屋工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)モノエタノールアミン及び/又は
    ジエタノールアミンを0.01〜5重量%、(b)トリ
    エタノールアミンを1〜10重量%、(c)脂肪酸を4
    〜30重量%、及び(d)鉱油、油脂及び合成油から選
    ばれる1種又は2種以上を65〜90.99重量%の割
    合で含有することを特徴とする金属加工油組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属加工油組成物を2〜
    20容量%含有することを特徴とする水中油滴型エマル
    ジョン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008280334A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Rohm & Haas Co 安定化された流体
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