JPH09241670A - 高温塑性加工用潤滑剤 - Google Patents

高温塑性加工用潤滑剤

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JPH09241670A
JPH09241670A JP5504096A JP5504096A JPH09241670A JP H09241670 A JPH09241670 A JP H09241670A JP 5504096 A JP5504096 A JP 5504096A JP 5504096 A JP5504096 A JP 5504096A JP H09241670 A JPH09241670 A JP H09241670A
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JP
Japan
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lubricant
highly basic
temperature plastic
plastic working
high temperature
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JP5504096A
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English (en)
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Hajime Ihara
肇 伊原
Naoki Kihara
直樹 木原
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KYODO YUSHI KK
Kyodo Yushi Co Ltd
Original Assignee
KYODO YUSHI KK
Kyodo Yushi Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 800℃から1200℃の領域で行われる高
温塑性加工において、圧延ロール表面の摩耗及び肌荒れ
を抑制し、透明液状で給油個所を汚染することがなく、
かつ安価である高温塑性加工用潤滑剤を提供すること。 【解決手段】 高塩基性アルカリ土類金属サリシレート
及び無水カルボン酸を含有する高温塑性加工用潤滑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材の高温塑性加
工に際し、工具表面への鋼材の焼付や、工具表面の摩
耗、肌荒れ等を防止する事を目的に開発した高温塑性加
工用潤滑剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼材の熱間圧延や熱間型鍛造など
の高温塑性加工では工具の保護の為、高温塑性加工用潤
滑剤が使用され効果をおさめている。このような潤滑剤
としては、高温で潤滑効果のある黒鉛、水ガラス、窒化
ホウ素、雲母、二硫化モリブデン、酸化鉄、炭酸カルシ
ウム、フッ素化黒鉛、金属石ケンなどの固体潤滑剤;硫
化油脂、硫化オレフィン、ジンクジアルキルジチオフォ
スフェート、リン酸エステルなどの極圧潤滑剤;鉱油、
油脂、油脂重合体、合成エステルなどの油性向上剤;メ
タクリレートコポリマーやブチレンブタジエン共重合体
などの付着性向上剤兼流動点降下剤の4種類の内、単独
あるいは、2種類以上を組み合わせた物に、場合によっ
てジターシャリブチルクレゾールやアルファナフチルア
ミンなどの酸化防止剤を加えたものが一般に用いられて
いる。
【0003】熱間圧延や熱間鍛造などの高温塑性加工で
は、鋼材の温度は、800〜1200℃の領域で行われ
る。この様な温度では、上記の極圧添加剤や、油性向上
剤では、酸化や熱分解が起こり、潤滑面で十分な効果を
発揮できない。この為、高温塑性加工では低温での塑性
加工に比べ、潤滑面に対し多量の給油が行われるが十分
な効果を得ることが難しい。一方、黒鉛や酸化鉄などの
固体潤滑剤は、800℃以上の高温においても、分解し
にくく十分な効果を持つ事から、高温塑性加工用潤滑剤
に用いられる。
【0004】但し、固体潤滑剤は以下の二つの短所を有
する。ひとつは、固形物粒子によって構成される為、潤
滑剤として用いられる場合、液体中に分散しなければな
らない。ところが、分散という形をとった場合、固体潤
滑剤は液体に比べ、密度が大きい事から、長時間保管し
た場合に液体から分散沈降してしまうという問題を起こ
す。従って、固体潤滑剤を配合した潤滑剤は長期保存が
できず、定期的に攪拌して分離した固体潤滑剤を液中に
再分散させる事が必要となる。しかし、固体潤滑剤の中
には、粒子の二次凝集等が生じ再分散が難しい物があ
る。この場合、潤滑剤の性能低下や、再分散しきれない
固体潤滑剤が、ストレーナーや給油弁等に詰まり現象を
起こす事がある。この問題を解決する為に、液体に固体
潤滑剤を分散させる際には、分散剤の添加や固体潤滑剤
粒子の表面の安定化処理等が行われる。しかし、いずれ
も、高価かつ製造に当たり煩雑な工程が必要となる。
又、潤滑剤の粘度を高くする事によって、固体潤滑剤粒
子は分離し難くなるが、粘度が高い場合、一般的な液状
潤滑剤を給油する設備には適用が難しくなり、新たに高
粘度用の給油設備を用意しなければならない。次の問題
として、黒鉛や酸化鉄、二硫化モリブデンなどの固体潤
滑剤は黒色であり、これを配合した潤滑剤は給油場所を
著しく汚染する事が挙げられる。白色系の固体潤滑剤も
存在するが、潤滑性が良好なフッ素化黒鉛や窒化ホウ素
は著しく高価である。白色で安価な固体潤滑剤として
は、炭酸カルシウムや雲母などがあるが、潤滑性が不十
分である。従って、高温塑性加工用潤滑剤には黒色で周
囲を汚染するという問題はあるものの、安価で潤滑性の
良好な黒鉛、酸化鉄、二硫化モリブデンなどが用いられ
ているのが現状である。以下ここでは熱間圧延を主とし
て例にとり説明するが、これに限られるものではない。
【0005】一方、本発明者らは、先に、水に水溶性ポ
リマーを1〜5重量%溶解した水溶液または、基グリー
スに酸化鉄粉末と炭酸カルシウム粉末を添加分散して成
り、酸化鉄粉末の含有量が3〜30重量%で、炭酸カル
シウム粉末の含有量が0.13〜18.8重量%である事を
特徴とする高温塑性加工用潤滑剤を開示した(特開平6
−234991号)。この高温塑性加工用潤滑剤は、9
00℃以上でステンレス鋼を圧延した場合のロール表面
に対する圧延材料の焼きつき防止において、満足すべき
性能を有している。しかし、この潤滑剤は、黒色である
ため給油個所を汚染し、また、粘度が高いため、従来よ
り使用されている一般的な液状潤滑油給油設備を用いて
給油することができない。
【0006】本発明者らは、この問題を解決するためさ
らに検討を行い、黒色固体潤滑剤を含有せず、透明液状
で低粘度であって、一般的な液状潤滑油給油設備で給油
可能であり、かつ、800℃から1200℃の領域で行
われる高温塑性加工において工具の摩耗や、肌あれの抑
制に効果があり、環境を汚染しない潤滑剤組成物を提案
した(特願平7−3555号)。この組成物は、高塩基
性アルカリ土類金属サリシレート、または高塩基性アル
カリ土類金属サリシレートに鉱油及びエステルの内1種
または2種を加えたものを有効成分とするものである。
この組成物を、2重式熱間圧延機のロール表面に、ウオ
ーターインジェクション方式による潤滑給油設備にて給
油し、SUS430鋼板の熱間圧延を行った。その結
果、給油箇所潤滑剤で汚染せず、かつ、ロール表面の摩
耗及び、肌荒れを防止する事ができた。すなわち、SU
S430の鋼板10本を熱間圧延しても、設備の周囲に
汚染が無く、ロール表面に肌荒れ及び摩耗が、全く認め
られなかった。しかし、この組成物を使用して、多数
(50本)のSUS430鋼板を圧延した所、圧延ロー
ル表面に摩耗及び肌荒れが発生し、潤滑性が不十分であ
ることがわかった。摩耗及び肌荒れが発生したロール
で、圧延を行うと、圧延材表面に肌荒れが転写し、品質
が低下する為、圧延継続が不可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、800℃から1200℃の領域で行われる高温塑性
加工において、従来と比べ、厳しい塑性加工条件におい
ても、圧延ロール表面の摩耗及び肌荒れを抑制し、透明
液状で給油個所を汚染することがなく、かつ安価である
高温塑性加工用潤滑剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、高塩基性アル
カリ土類金属カルボキシレート及び無水カルボン酸を含
有する高温塑性加工用潤滑剤である。本発明の潤滑剤
は、鋼材の高温塑性加工に際し工具表面への鋼材の焼付
や、工具表面の摩耗、肌荒れ等を防止することができ
る。本発明の潤滑剤は、高塩基性アルカリ土類金属カル
ボキシレート及び無水カルボン酸に加えて、更に、鉱油
及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を
含んでいても良い。本発明の潤滑剤は、800℃から1
200℃の領域で行われる高温塑性加工において、工具
と鋼材の双方あるいは、片方にエアースプレーや、ウオ
ーターインジェクション方式によって給油された場合、
高塩基性アルカリ土類金属カルボキシネートの潤滑性不
足を原因とする工具の肌あれや摩耗を起こさない。
【0009】本発明の潤滑剤に使用される高塩基性アル
カリ土類金属カルボキシレートとしては、芳香族カルボ
ン酸または脂肪族カルボン酸の高塩基性アルカリ土類金
属塩が挙げられる。芳香族カルボン酸としては炭素原子
数7〜20のものが好ましく、具体的にはサリチル酸、
安息香酸、トルイル酸、フタル酸、アントラニル酸、ニ
コチン酸等挙げられ、また脂肪族カルボン酸としては、
炭素原子数6〜36のものが好ましく、具体的には、オ
レイン酸、リノール酸、これらの混合物等が挙げられ
る。好ましいアルカリ土類金属としては、カルシウム、
マグネシウム、バリウムが挙げられる。高塩基性アルカ
リ土類金属カルボキシレートの具体例としては、高塩基
性カルシウムサリシレート、高塩基性カルシウムオレー
ト、高塩基性マグネシウムサリシレート、高塩基性マグ
ネシウムオレート、高塩基性バリウムサリシレート、高
塩基性バリウムオレート等が挙げられる。いずれを用い
ても同様の効果を得る事ができる。従って、以下この明
細書においては高塩基性カルシウムサリシレートについ
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0010】本発明に使用される高塩基性カルシウムサ
リシレートは公知である。例えば、市販品としては、オ
スカ化学社のOSCA453、OSCA435、OSC
A438;シェル化学社のSAP005Caサリチレー
トなどが挙げられる。高塩基性カルシウムサリシレート
は、例えば、所定の溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール等のアル
コール系溶媒、鉱油)にアルキルサリチル酸の中性カル
シウム塩を溶解し、次いで、この溶液に高塩基性カルシ
ウムサリシレートとして要求される塩基価に相当する水
酸化カルシウムを添加し、混合し、その後、添加した水
酸化カルシウムを炭酸化するのに十分な過剰の二酸化炭
素ガスを通じた後、活性白土等の濾過助剤を添加して濾
過し、濾液を減圧蒸留して揮発性の溶媒を除去すること
により製造する事ができる。この方法で製造された高塩
基性カルシウムサリシレートは、炭酸カルシウムを安定
に分散している透明な液体であり、従来から使用してい
る液状圧延油用給油設備で給油可能である。また、高塩
基性カルシウムサリシレートは、鉱油またはエステルに
任意に溶解させることが可能である。炭酸カルシウムは
公知の固体潤滑剤であり、白色である為、給油時に環境
を汚染しないという長所を持つ。
【0011】本発明に使用される高塩基性カルシウムサ
リシレートのうち、以下の式で表されるものは特に好ま
しい。 [ R1R2C6H2(OH)-COOCaOOC-C6H2(OH)R1R2]n・(CaCO3)m 式中R1は炭素数5〜28のアルキル基又は炭素数6〜3
0のアリール基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜28
のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を示す。
m/nは0.2〜12である。本発明の潤滑剤において、
高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレート100重量
部に対して、無水カルボン酸0.5〜30重量部を含有
することが好ましい。本発明の潤滑剤が、さらに鉱油及
びエステルからなる群から選択される少なくとも1種を
含む場合、高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレート
3〜90重量部、鉱油及びエステルからなる群から選択
される少なくとも1種10〜97重量部、に対して、無
水カルボン酸0.5〜30重量部を含有することが好ま
しい。高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレートの含
有量が3重量%未満になると、十分な潤滑性が発揮でき
なくなる。
【0012】本発明に使用される高塩基性カルシウムカ
ルボキシレートは、塩基価に換算し、40以上、好まし
くは100以上、さらに好ましくは150以上のCaC
3を含有していることが好ましい。塩基価とは、試料
1g中に含まれる全塩基成分を中和するのに要する塩酸
と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。この塩基価
は、JISK2501において、全塩基価として規定さ
れている。従って、高塩基性カルシウムカルボキシレー
トは、塩基成分であるCaCO3 を多く含有する程、塩
基価が高くなる。本発明に使用される高塩基性カルシウ
ムカルボキシレートの塩基価が40未満の場合は、十分
な潤滑性が得られなくなる。
【0013】本発明に使用される鉱油及びエステルはい
ずれもロールと圧延材の間に潤滑膜を形成し、摩擦係数
を下げ、工具の肌荒れや焼付を抑制する働きがある。
又、高塩基性カルシウムカルボキシレート単体の粘度が
高く、一般的な液状潤滑油給油設備の潤滑剤ポンプで給
油する事が不可能な場合、比較的粘度の低い鉱油または
エステルあるいは鉱油とエステルの混合物を加える事に
よって、潤滑剤ポンプで給油が可能な粘度に調整する事
が可能となる。鉱油としては、スピンドル油、マシン
油、モーター油の様な比較的粘度の低いものが好まし
い。エステルとしては、2−エチルヘキサノール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル等のアルコール中のOH基の少なくとも1個が炭素数
4〜22のカルボン酸によってエステル化された、比較
的粘度の低いものが好ましい。この摩擦係数低下効果及
び、粘度調整効果を十分に発揮させるには、鉱油または
エステルあるいは鉱油とエステルの混合物を、高塩基性
アルカリ土類金属カルボキシレートと、鉱油及び/また
はエステルの総重量に対して10.0重量%以上加えるこ
とが望ましい。
【0014】本発明の潤滑剤に、上記の鉱油やエステル
のほか、比較的粘度が低い極圧剤(例えば、トリブチル
ホスフェート)やアルコール(例えば、オレイルアルコ
ール)等を加える事によっても、同様な摩擦係数低下効
果及び、粘度調整効果を達成できる。又、従来の高温塑
性加工用潤滑剤に使用されている付着性向上剤や、流動
点降下剤、酸化安定剤なども加える事が可能である。
【0015】本発明の潤滑剤は、高塩基性カルシウムカ
ルボキシレート、あるいは更に鉱油及び/又はエステル
を含む潤滑剤100重量部に対し、無水カルボン酸を0.
5〜30.0重量部、好ましくは、1.0〜20.0重量部加
えることによって、800℃から1200℃の領域で行
われる高温塑性加工において、著しく潤滑性を向上させ
ることができる。
【0016】本発明に使用される無水カルボン酸は、構
造中に酸無水物基を有し、炭素原子数8〜100、好ま
しくは12〜90のものであって、特に脂肪族無水カル
ボン酸であることが好ましい。例えば、無水オクテニル
コハク酸、無水ドデセニルコハク酸、無水C72アルケニ
ルコハク酸、無水C90アルケニルコハク酸及び無水C
100 アルケニルコハク酸等の無水コハク酸に少なくとも
1個のアルケニル基が結合した、無水アルケニルコハク
酸が望ましい。この無水アルケニルコハク酸は公知な物
で良い。例えば、ポリイソブチレンやα−オレフィンを
マレイン化する事によって製造された物等が挙げられ
る。これらの無水カルボン酸は、透明液状でありかつ、
高塩基性カルシウムカルボキシレート及び、高塩基性カ
ルシウムカルボキシレートに鉱油及びエステルからなる
群から選択される少なくとも1種を含有させた潤滑剤に
対し、任意に溶解可能である。
【0017】本発明の潤滑剤は、固有の粘度が40℃で
1000mm2/s 以下であることが好ましい。その理由
は、一般的な潤滑剤ポンプは潤滑剤の粘度が40℃で1
000mm2/s 以下の場合、給油が容易な為である。粘度
が1000mm2/s を超える潤滑剤を給油すると、一般的
に潤滑剤ポンプとして用いられるギヤー方式やプランジ
ャー方式のポンプでは吸入負圧の低下や吐出圧力の増大
によって、給油が不能となる事が多い。この現象は、本
発明の潤滑剤を工具へ、給油する場合、大きな障害とな
る。
【0018】本発明の潤滑剤は、一般に潤滑剤ポンプと
して使用されるギヤー方式やプランジャー方式のポンプ
によって、工具と鋼材の双方または片方に、エアースプ
レーや、ウオーターインジェクション方式によって給油
し、鋼材の高温塑性加工時における、工具の摩耗や肌荒
れを、抑制することができる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例を説明する。撹拌機を有する
ステンレス製加熱釜に、高塩基性カルシウムカルボキシ
レート、鉱油、エステル(以下これらを「潤滑基油」と
呼ぶ)及び無水カルボン酸を、表2〜6に示す重量比率
で投入し、50〜80℃にて均一となるまで(例えば、
30〜60分)攪拌することにより、潤滑剤を製造し
た。この潤滑剤を、2重式熱間圧延機のロール表面に、
液状潤滑油用給油ポンプを用いたウオーターインジェク
ション方式による潤滑剤給油設備を用い、表1に示す熱
間圧延条件及び潤滑剤給油量で、給油した。尚、潤滑油
の粘度が高く液状潤滑油用給油ポンプにて給油できない
比較例については、直接ロール表面に潤滑剤を手塗りし
て潤滑性を評価した。又、ロール表面に潤滑剤を手塗り
した比較例及び、潤滑剤を使用しない比較例の場合は、
ウオーターインジェクション方式の給油設備より、希釈
水のみ噴射した。結果を表2〜6に示す。
【0020】
【発明の効果】本発明の潤滑剤は、黒色固体潤滑剤を含
有しない透明液状で低粘度の潤滑剤であり、一般的な液
状潤滑油給油設備で給油可能であり、800℃から12
00℃の領域で行われる高温塑性加工において、従来の
5倍以上の材料を加工しても、工具の摩耗や、肌あれの
抑制に効果があり、ロールの研磨回数が減ると共に、ロ
ール寿命が長く、大幅なコスト削減となる。又、研磨回
数が減ると、ロール研磨時に必要となるロール交換も減
少できる。さらに本発明の潤滑剤は、環境を汚染する事
がない。
【0021】
【表1】 <熱間圧延条件及び潤滑剤給油量> ────────────────────────────────── 圧延ロール 高炭素高合金鋳鉄ロール 150mmΦ×150 mmL 圧延材 SUS430鋼板 厚さ4mm 幅25mm 長さ100mm 50本 (ロールの同一箇所にて圧延した) 圧下率、ロール周速 10%、14mpm 鋼材加熱温度 1100℃ 仕上げ厚さ 3.6mm 潤滑剤給油量 上下ロールに 合計 0.1リットル/分 潤滑剤給油ポンプの型式 プランジャーポンプ 希釈水量 上下ロールに 合計 1.0リットル/分 ロール水切り板 ゴム製
【0022】
【表2】 実施例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 潤滑基油(重量部) (1) 100 3 − − − − 3 − − − − (2) − − 3 10 30 30 − 3 10 30 30 (3) − − − − − − − − − − − (4) − 97 97 90 70 60 97 97 90 70 60 (5) − − − − − 10 − − − − 10無水カルボン酸(重量部) (6) − − − − − − − − − − − (7) − − − − − − − − − − − (8) 15 15 15 15 15 15 1 1 1 1 1 (9) − − − − − − − − − − − (10) − − − − − − − − − − −カルボン酸(重量部) (11) − − − − − − − − − − − (12) − − − − − − − − − − − (13) − − − − − − − − − − − 粘度40℃mm2/s 600 65 70 75 70 140 47 52 57 52 72 給油性 可 可 可 可 可 可 可 可 可 可 可 汚染 無 無 無 無 無 無 無 無 無 無 無 潤滑性 A A A A A A A A A A A
【0023】
【表3】 実施例 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 潤滑基油(重量部) (1) − − − − − 3 − − − − − (2) 30 30 30 30 30 − 3 10 30 30 30 (3) − − − − − − − − − − − (4) 70 70 70 70 70 97 97 90 70 60 70 (5) − − − − − − − − − 10 −無水カルボン酸(重量部) (6) 15 − − − − − − − − 1 − (7) − 15 − − − − 0.5 1 − − − (8) − − 0.5 30 − − 0.5 − − − − (9) − − − − 15 − − − 1 − − (10) − − − − − 15 − − − − 1カルボン酸(重量部) (11) − − − − − − − − − − − (12) − − − − − − − − − − − (13) − − − − − − − − − − − 粘度40℃ mm2/s 80 100 51 300 400 90 51 56 58 71 74 給油性 可 可 可 可 可 可 可 可 可 可 可 汚染 無 無 無 無 無 無 無 無 無 無 無 潤滑性 A A B B A A A A A B B
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】 比較例 1 2 3 4 5 6 7 8 潤滑基油(重量部) (1) − 100 − − − − − − (2) − − 30 30 30 3 30 90 (3) − − − − − − − − (4) − − 70 70 70 97 35 10 (5) − − − − − − 35 −無水カルボン酸(重量部) (6) − − − − − − − − (7) − − − − − − − − (8) 100 − − − − − − (9) − − − − − − − − (10) − − − − − − − −カルボン酸(重量部) (11) − − 15 − − − − − (12) − − − 15 − − − − (13) − − − − 15 − − − 粘度40℃mm2/s 700 500 65 35 100 50 110 900 給油性 可 可 可 可 可 可 可 可 汚染 無 無 無 無 無 無 無 無 潤滑性 E E E E E E E E
【0026】
【表6】 比較例 9 10 11 12 13 14 15 16 潤滑基油(重量部) (1) − − − − − (14) (15) (16) (2) 30 30 − − − (3) − − 100 30 30 (4) 70 70 − 70 60 (5) − − − − 10 無水カルボン酸(重量部) (6) − − − − − (7) − − − − − (8) 0.1 40 − − − (9) − − − − − (10) − − − − − カルボン酸(重量部) (11) − − − − − (12) − − − − − (13) − − − − − 粘度40℃mm2/s 140 500 378 148 218 (17) 49000 − 給油性 可 可 可 可 可 不可 不可 − 汚染 無 無 無 無 無 無 無 無 潤滑性 D D E E E E E E
【0027】(1) 高塩基性カルシウムサリシレート 塩
基価180 (商品名OSCA453) (2) 高塩基性カルシウムサリシレート 塩基価320 (商
品名OSCA438) (3) 高塩基性カルシウムオレート 塩基価180 (4) 鉱油A(精製鉱油ISO VG5) (5) トリメチロールプロパントリオレート (6) 無水オクテニルコハク酸 (7) 無水ドデセニルコハク酸 (8) 無水C72アルケニルコハク酸 (9) 無水C90アルケニルコハク酸 (10)無水C100 アルケニルコハク酸 (11)オレイン酸 (12)ステアリン酸 (13)ダイマー酸
【0028】 (14)市販高温塑性加工用潤滑剤A 成分 四三酸化鉄粒子(粒径0.5〜1.0μm) 30.0% 重質炭酸カルシウム粒子(粒径10〜20μm) 18.8% 鉱油ベースリチウムグリース 51.2% (15)市販高温塑性加工用潤滑剤B 成分 四三酸化鉄粒子(粒径0.5〜1.0μm) 30.0% 重質炭酸カルシウム粒子(粒径10〜20μm) 18.8% 水 49.2% アルギン酸ナトリウム 2.0% (16)潤滑剤なし (17)グリースである為、粘度 40℃(mm2/sec)は測定
不能であった。(NLGIちょう度グレードではNo.
2グレード)
【0029】給油性:液状油用潤滑剤ポンプによる給油
の可否 汚染:使用時の設備周囲の汚染の有無 潤滑性の評価:熱間圧延試験終了後、ロールの摩耗及び
肌あれ状態を観察し、以下の5段階で評価した。 A:ロールの摩耗及び肌あれが、全く認められない B:ほとんど認められない C:やや認められる D:認められる E:顕著に認められる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:02 30:04 30:06 30:08 40:24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレ
    ート及び無水カルボン酸を含有する高温塑性加工用潤滑
    剤。
  2. 【請求項2】 鉱油及びエステルからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種を含有する請求項1記載の高温塑性
    加工用潤滑剤。
  3. 【請求項3】 高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレ
    ート100重量部に対して、無水カルボン酸0.5〜3
    0重量部を含有する請求項1または2記載の高温塑性加
    工用潤滑剤。
  4. 【請求項4】 高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレ
    ート3〜90重量部、鉱油及びエステルからなる群から
    選択される少なくとも1種10〜97重量部、及び無水
    カルボン酸0.5〜30重量部からなる請求項2または
    3記載の高温塑性加工用潤滑剤。
  5. 【請求項5】 高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレ
    ートの塩基価が100以上である請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の高温塑性加工用潤滑剤。
  6. 【請求項6】 無水カルボン酸が、無水アルケニルコハ
    ク酸である請求項1〜5のいずれか1項記載の高温塑性
    加工用潤滑剤。
  7. 【請求項7】 無水カルボン酸が、無水オクテニルコハ
    ク酸、無水ドデセニルコハク酸、無水C72アルケニルコ
    ハク酸、無水C90アルケニルコハク酸及び無水C100
    ルケニルコハク酸からなる群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1〜6のいずれか1項記載の高温塑性加
    工用潤滑剤。
  8. 【請求項8】 粘度が40℃において1000mm2/s
    以下である請求項1〜7のいずれか1項記載の高温塑性
    加工用潤滑剤。
  9. 【請求項9】 高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレ
    ートが、高塩基性アルカリ土類金属サリシレートである
    請求項1〜8のいずれか1項記載の高温塑性加工用潤滑
    剤。
  10. 【請求項10】 高塩基性アルカリ土類金属カルボキシ
    レートが、高塩基性アルカリ土類金属オレートである請
    求項1〜8のいずれか1項記載の高温塑性加工用潤滑
    剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039690A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Chevron Oronite Sa 粗沈降物の少ない過塩基性アルカリ金属アルキルヒドロキシベンゾエート
JP2007039689A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Chevron Oronite Sa 粗沈降物の少ない過塩基性アルカリ土類金属アルキルヒドロキシベンゾエート
JP2009155432A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Kyodo Yushi Co Ltd 金属加工油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品

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