JPH08631U - 電子部品送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品を高い精度と再現性をもって取上位置へ
送ることができ、コンパクトな寸法をもち、かつ比較的
少数の機械的素子を含み、かつ急速にかつ簡単な方法で
交換することができる如き、テープに装てんした電子部
品を送るための装置を提供する。 【解決手段】 送り機構はテープを移動させるための送
りピン６７を備えた摺動機構１３とし、前記テープの望
ましくない移動を防止するために前記送り機構に連結さ
れた鎖錠ピン６２を備えた鎖錠機構と、持上ピン５８を
備えかつ取上位置で部品を前記テープから持ち上げるた
めに前記送り機構に連結された持上機構９とを備え、前
記鎖錠機構と持上機構の両者がハウジング３によって支
持されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はカバー箔によって覆われたテープ内に装てんした電子部品を取上位置 へ送るための、交換可能のカセットとした装置であって、前記テープ用の供給リ ールと、前記供給リール用のホルダーと、前記部品をもつ前記テープを前記取上 位置へ移動させるための送り機構と、テープのカバー箔を引き取って巻き取るた めの巻取機構と、前記ホルダーと前記機構のための共通の支持体をなしかつ前記 取上位置の前記テープ用の孔と前記巻取機構の巻取リール用の軸受を含むハウジ ングとを備えた装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

テープに装てんした電子部品を送るための従来既知の装置は別れた個々の、製 品次第の機械的素子からなり、これらの素子は或る場合には組合わされて、しか しながら一般には別れて部品取付装置のフレーム上に設けられている。この部品 取付装置は前記部品を供給されるものでありかつ部品を引き続き処理しその据付 ける働きをするものである。かかる既知の装置は、異なった寸法をもちかつ他の 種類の部品を担持したテープを取り扱うために再調節するとき、分離した機械的 素子の大部分を交換しなければならないので、融通性がない。普通の比較的長い 接続ワイヤをもたずしかも穴のあいていない基板に表面据付けされるのに適した チップ形式の部品の範囲は次第に広がっている；部品が装てんされるテープの寸 法変動もまた増大している。部品とテープのこの多様性の結果として、ストック すべき各機械的素子の異なった寸法標本の数は多くなる。そしてこれらの機械的 素子の交換は部品据付装置自身において行われなければならない。最後に、各機 械的素子は別個に調節し、位置決めをしなければならず、このことにより、装置 全体の精度と部品の処理及び据付けの再現性が得られなくなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は部品を高い精度と再現性をもって取上位置へ送ることができ、 コンパクトな寸法をもち、かつ比較的少数の機械的素子を含み、かつ急速にかつ 簡単な方法で交換することができる如き、テープに装てんした電子部品を送るた めの装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このために本考案装置は、前記送り機構は前記テープを移動させるための送り ピンを備えた摺動機構とし、前記装置は更に、前記テープの望ましくない移動を 防止するために前記送り機構に連結された鎖錠ピンを備えた鎖錠機構と、持上ピ ンを備えかつ前記取上位置で部品を前記テープから持上げるために前記送り機構 に連結された持上機構とを備え、前記鎖錠機構と持上機構の両者もまた前記ハウ ジングによって支持される点に特徴を有する。

【０００５】 本考案の上記構成によれば、すべての所要の機械的素子がカセットを作るべく 高い精度で組合わされる非常にコンパクトなユニットが得られる。このカセット は一般のカセットと同じ利益をもつ、即ち標準の寸法をもち、標準部品からの組 立て、及び急速でかつ簡単な交換が可能であるといった利益がある。供給すべき 部品を引き続き処理するために、このカセットは全体としてもう１つの装置、例 えば部品据付装置に連結し、この据付装置に対して位置決めするだけでよい。ま た本考案装置はいろいろな異なった部品とテープのより小さなシリーズものに適 用できかつそれらを処理するのに適している。

【０００６】 ヨーロッパ特許出願ＥＰ００７１３０２Ａ１はテープ中に装てんした電子部品 を送る装置を開示している。この既知装置では、一方ではリールホルダーが、他 方では送り、鎖錠機構が別々のユニットを構成し、巻取ユニットがリールホルダ ー上に設けられる。更に、すべてのユニットは多−部分構造をなしている。この 装置は特に、同系列の電子部品の非常に大きなシリーズものを処理するのに適し ている。別の系列の部品を処理するための配置と適用には時間がかかる。

【０００７】 本考案装置においては、前記ハウジングは、移送みぞ、持上ピン、巻取リール 等の如き所定の製品に特有の幾つかの交換可能の機械的素子用の支持体として作 用し、この目的で幾つかの位置決め面をもつ。前記ハウジングは標準素子として 構成できるため、形状と寸法に極めて高い精度を要求されるにも拘らず、コスト は比較的低い。このハウジング自体は、既に存在しそして今後も予期されるすべ ての寸法と形状の部品とテープに適する。１つ又は２つ以上の交換可能の製品次 第の機械的素子の交換によって、本装置は異なった形状と寸法の部品とテープに 急速にかつ簡単に適合することができる。すべての交換可能の機械的素子はハウ ジングに対して正確に位置決めされるため、部品据付装置に対してカセットを取 り付けて位置決めすることのみによって、送られそして供給される部品のその後 の処理のために、非常に精密な全体的位置決めが得られる。

【０００８】 本考案装置の好適実施例では、摺動機構が送りスライダと駆動スライダを含み 、これらのスライダは送り方向にお互いに確実に形状−連結されかつ送り方向に 対して横方向にお互いに摩擦的に力−連結されており、送りピンは送りスライダ に固着され、鎖錠ピンはレバーに固着され、前記レバーは固定した軸線のまわり に回動でき、かつ送りスライダと協働し、一方、駆動スライダはカム路とカム従 動子からなるカム系によって送り方向に可動である点に特徴を有する。

【０００９】 上記構成によれば、本装置の本質的な機械的素子の数は限定され、この結果、 公差や遊隙も限定され、再現性は確実に促進される。摺動機構に依って、極めて 小さな寸法をもった本装置の極めてコンパクトな構造が得られる。本装置の幅が 小さいことは、多数の電子部品を引き続き処理し、基板に同時に据付ける操作に 関連して実際上極めて重要である。上記操作のためには、処理すべき部品とテー プの寸法に応じて、幾つかの例えば１０乃至２０個のカセットユニットが所定の 区域内に配置されなければならない。前記構成によれば、８，１６，２４及び３ ２ｍｍの標準幅をもった処理すべきテープの幅より８ｍｍだけ大きい全体の最大 幅をもったカセットユニットが得られることが実際に見出された。

【００１０】 本考案装置の他の好適実施例においては、カム路が交換可能のカム板に設けら れる。送りスライダの送り運動はカム系による駆動スライダの運動によってもた らされる。送りスライダの、それ故送りピンの送りストロークはカム路の輪郭に 依存する。カム路をもつカム板は交換可能であるので、本装置は、配列変えをす ることができまた電子部品が異なったピッチで離間していてその処理のために異 なった送りストロークを必要とする如きテープに急速にかつ能率よく適用するこ とができる。既知の標準テープでは、部品は４ｍｍの倍数に等しいピッチで離間 している。カム板は駆動スライダ上に、そしてカム従動子はハウジング上に取付 けることができ、或いはこれとは逆の関係に取付けることができる。

【００１１】 本考案装置の他の好適実施例は、送りスライダが駆動スライダと協働する案内 を具え、駆動スライダと前記案内がばねによってお互いに摩擦的に押し付けられ ている点に特徴を有する。このようにすれば、駆動スライダと送りスライダ間の 簡単な摩擦連結が得られる。送りスライダの確実な送り運動は前記カム系と前記 摩擦連結による駆動スライダの運動によってもたらされる。前記スライダ間のこ の連結は本装置又は部品を担持したテープのつかえ又は破損に起因する妨害を避 けるように伝えられる最大力を制限する一種の滑り継手として作用する。またば ねの適当な選択によって、得られる最大摩擦力は調整することができる。

【００１２】 駆動スライダは例えばカム、レバー等によって送り方向におけるその運動の前 進ストロークと戻りストロークの両方で確実に駆動されることができる。本考案 装置の更に他の好適実施例では、駆動スライダは送り方向の前進ストローク中に ばねの作用に抗して変位せしめられ、戻りストロークはばねの作用の下で起こさ れ、前記ばねは同時にカム路とカム従子をお互いに押し付ける点に特徴を有する 。

【００１３】 本考案装置の他の好適実施例においては、摺動機構が衝合アームを具え、前記 衝合アームは巻取機構の駆動素子と協働してこの巻取機構を駆動する如く構成さ れており、一層コンパクトで完全な本装置が提供される。前記衝合アームは駆動 スライダ又は送りスライダ上に定着することができる。

【００１４】 本考案装置の更に別の好適実施例においては、巻取機構は駆動素子を定着した 駆動ディスクと、摩擦継手と、被動ディスクと、リールリムと、着脱自在のリー ルフランジと、ハウジングに連結したカバー板とを含み、送りつめが被動ディス クに設けられ、鎖錠つめがカバー板に設けられ、これらのつめはリールリムの内 周にあるラチェット歯と協働する点に特徴を有する。上記構成によれば極めてコ ンパクトな巻取機構の構造が得られる。この巻取機構は単一の交換可能の部品、 即ち着脱自在のリールフランジのみを含む。異なった幅寸法の別の種類のテープ を取り扱うためには、リールフランジを交換するだけでよい。

【００１５】 本考案の更に他の好適実施例においては、リールホルダーはハウジングに回動 自在に取付けており、本装置が運転状態にありかつ空のリールからのテープの最 後の部分が処理されている間に、このリールホルダーは外方へ揺動し、空のリー ルは新しい充てんされたリールと置き替えられることができる。例えば接着テー プによって新しいテープの先端が先行のテープの終わりに連結されると、この新 しいテープは本装置を停止することなく通されることができる。

【００１６】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例に基づき詳述する。 図１〜３に示す装置１は基本素子としてかつリールホルダー５を固着する支持 体として作用するハウジング３と、電子部品を支持するテープＴ用の案内７と、 持上機構９と、巻取機構１１を含み；摺動機構１３の形をなす送り・鎖錠機構は ハウジング３の空所１４内に摺動可能に軸支される。これらの機構はハウジング と組合わせてカセットユニットを形成する。本装置はテープＴ中に装てんされた 電子部品を取上位置Ｐに送る作用をする。本装置１はこの目的で、部品取付装置 の如きもう１つの装置に連結される。この部品取付装置は取上位置Ｐへ供給され た部品を引き続き処理する働きをする。前記２つの装置は、持上機構９の中心線 が、部品取付装置の一部を成す図示していない取上装置の中心線と一致するよう に相互に位置決めされる。ハウジング３は成形された横断面をもった棒１５，１ ７を設ける基準面を上側と下側に具える。前記棒は前記部品取上装置に対してカ セットユニットを位置決めする働きをする。リールホルダー５は棒１７に固着さ れた旋回ピン１９上に枢着される。数字２１はリールホルダー５上に固着したリ ールシャフトを示し、このシャフト上にリール２３は軸支される。摺動機構１３ は主として駆動スライダ２５と送りスライダ２６から成る。駆動スライダ２５は 垂直方向に変位でき、このスライダ中のスロット２９と協働するレバー又は駆動 ローラ２７によって往復動するように駆動される。駆動スライダ２５は２つの同 じ着脱自在のカム板３１を具え、各カム板は固定したカムローラ３５と協働する カム路３３をもち、前記ローラはカム従動子として作用し、かつハウジング３の 内壁に固着されている。クランプ・ブロック３９を介して作用するばね３７によ り駆動スライダ２５は送りスライダ２６上の２つの案内４１に押し付けられる。 駆動スライダ２５の垂直往復駆動運動は交換可能のカム板３１とカムローラ３５ からなるカム系によって駆動スライダ２５の、及びこれと共に送りスライダ２６ の水平往復送り運動に変換される。前記送りスライダもまた垂直方向の短い往復 運動を行なう。この送りスライダ２６の垂直ストロークはハウジング３の壁に取 り付けた固定カムローラ４４と協働する送りスライダ中のスロット４３によって 制限される。４６は鎖錠レバーを示す。スライダの作用は詳しく後述する。

【００１７】 案内７はテープＴを送り、案内するための移送みぞ８を具える。送りスライダ ２６は巻取機構１１の駆動ローラ５２と協働する衝合アーム５１を固着している 。前記駆動ローラはカバー箔Ｆを引き出したり巻き取ったりする働きをする。こ のカバー箔は電子部品を収容したテープＴ中の空所を閉鎖する。持上機構９はハ ウジング３の基準面上に設けられる。持上機構９は駆動棒５４により駆動される 。駆動棒５４と駆動ローラ２７は好適には同じ駆動装置に連結する；駆動棒５４ と駆動ローラは、任意の速度で、同期駆動される。ハウジング３は板状カバー４ により一側を閉鎖される。

【００１８】 図４はピストン５６がその中で変位可能の円筒状ハウジング５５から主として 成る持上機構９を含む本装置の一部を拡大図で示す。前記ピストンは駆動ピン５ ７に連結され、持上ピン５８に連結される。５９は戻しばねを示す。ハウジング ５５は取付部材６０を具え、この取付部材によって持上機構９はハウジング３に 固着され、そして持上ピン５８の中心軸が空所中心でテープＴの底に具えた一連 の開口の１つの中心を通るように、ハウジングに対して位置決めされる。テープ Ｔは鎖錠レバー４６に固着した鎖錠ピン６２により後述するようにしてこの位置 に整列せしめられる。レバー５６はハウジングに固定した旋回シャフト６３上に 回動自在に軸支される。更に、鎖錠レバー４６は送りスライダ２６中のみぞ６５ と協働するカムローラ６４を具える。６７は送りスライダ２６に固着した送りピ ンを示す。

【００１９】 図５はカバー箔Ｆを巻取機構１１へ案内する案内部材６９を示す。

【００２０】 図６はハウジング３の空所１２内に設けた巻取機構１１の拡大断面を示す。送 りスライダ２６上の衝合アーム５１により往復運動するように駆動される前記駆 動ローラ５２はハウジング３の壁中のアーチ状の開口５３を経て駆動ディスク７ １に連結する。摩擦板７２により、駆動ディスク７１は送りつめ７４をもった被 動ホイール７３と協働する。この送りつめはリールリム７６の内周のラチェット 歯７５と協働する。巻取機構のこれらの回転部分は非回転のカバー板７７により おおわれる。このカバー板７７はハウジング３に固定され、鎖錠つめ７８を具え 、この鎖錠つめもまたラチェット歯７５と協働する。リールフランジ７９は差込 継手８０によってリールリム７６に連結され、このリールと巻取機構の交換可能 の部分を構成する。駆動ローラ５２を介して、駆動ディスク７１は振動運動をし て駆動され、ディスク７１は摩擦板７２を介してホイール７３を駆動する。送り つめ７４とラチェット歯７５によりリールリム７６は段歩的に回転せしめられ、 各段歩的進みの後に、リム７６は鎖錠つめ７８によって新しい位置に保持される 。リールリム７６のこの段歩的回転によって、カバー箔ＦはテープＴから引き出 され、案内素子６９を経てリール７６，７９へ導かれ、このリールに巻き取られ る。摩擦板７２を介してリールリムに伝えられる最大トルクは調節ナット７０に よって次の如く調節される、即ち前記リール上の箔の直径が増大するにつれて、 前記板７２によって形成される摩擦継手が滑り始めて、カバー箔Ｆが破れないよ うにする。

【００２１】 図７〜１０は運転サイクルの相継ぐ段階における送りピン６７と鎖錠ピン６２ の位置を示す。簡明のため、テープＴは空所Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄをもちかつスプロケ ット孔ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅをもつものとして平面図で示す。これらの孔はピッチ Ｒで、実際上は４ｍｍの間隔をあけており、かつ箔Ｆでおおわれていない。テー プＴ中の各空所は中心開口Ｏをもち、この開口は、各空所が取上位置にあるとき に、正確に位置決めされた持上ピン５８と整列して置かれる。相継ぐ部品の中心 間の距離はピッチＲの複数倍とする２つの相継ぐ開口Ｏ間のピッチＳに一致する 。送りスライダによって生ぜしめる送りストロークはピッチＳに等しい。鎖錠レ バー４６の旋回シャフト６３はハウジングに固定しているので、鎖錠ピン６２と 放出ピン５８は相互に正確に位置決めされる。持上ピン５８の中心線Ｈ−Ｈは基 準になる。

【００２２】 図７は送りストロークが生ぜしめられ、関連した部品Ｅが空所から除かれ、そ して送りスライダ２６の戻りストロークが始まった後の状態を示す。テープＴは 、旋回シャフト６３のまわりのレバー４６の回転により鎖錠ピン６２がスプロケ ット孔ａと掛合する結果として持上ピン５８に対して所定位置に保持される。レ バー４６の回転は送りスライダの小さな最初の下向き移動中に送りスライダ２６ のみぞ６５とレバー４６上のローラ６４間の協働によって起こされる。送りスラ イダ２６は、送りスライダ中のスロット４３の上壁が固定したカムローラ４４に 掛合するまで、駆動スライダの下向き移動において摩擦力によって被動スライダ ２５と一緒に連れて行かれる。図示の状態で、空所Ｂ，Ｃ，Ｄはまだカバー箔Ｆ によって閉鎖されている。

【００２３】 図８は、送りスライダ２６が、図７に示す短い下向きストロークの後にかつ駆 動スライダ２５のその後の下向き移動の結果として、水平方向の戻りストローク を起こす状態を示す。テープＴは同じ位置に留まり、鎖錠ピン６２は依然として 同じスプロケット孔ａに掛合したままである。

【００２４】 図９は駆動スライダによって駆動ストロークを開始する状態を示す。この駆動 スライダは摩擦によって送りスライダ２６をそれと一緒に短い上向きストローク で、カムローラ４４がスロット４３の下壁と掛合するまで、連れて行く。送りス ライダ２６のこの運動の結果、レバー４６は旋回シャフト６３のまわりに反時計 回りに回転し、鎖錠ピン６２はスプロケット孔ａから外れる；しかしその間に送 りピン６７はスプロケット孔ｅと掛合して、テープＴは制御された状態に留まる 。

【００２５】 最後に図１０は送りストロークの終点に向かう状態を示す。テープＴはスプロ ケット孔間のピッチＲの３倍に等しい図示の実施例の２つの相継ぐ開口Ｏ間のピ ッチＳに等しい送り距離にわたって送りピン６７によって移送される。このとき 空所Ｂはその開口Ｏの中心を持上ピン５８の中心線Ｈ−Ｈと整列されて配置され る。この状態でテープＴは送りピン６７により位置決めされる。送りスライダ２ ６は逆転の個所に達し、短時間停止する。鎖錠レバー４６もまた停止する。送り ストローク中に、カバー箔ＦはテープＴから引き離されて空所Ｂをむきだしにし 、その中に置かれた部品Ｅに接近可能となす。この状態でこの部品は空所から取 り除かれる。

【００２６】 送りスライダ２６が駆動スライダによって連れて行かれ、再び短い下向きスト ロークを始めると直ちに、鎖錠レバー４６は時計回りに回転して、鎖錠ピン６２ がスプロケット孔ｄと掛合する一方、送りピン６７がスプロケット孔ｅから外さ れるようになる。図７に示す状態に再び達して、テープＴは鎖錠ピン６２によっ て所定位置に保持される。

【００２７】 いろいろな部品は次の如く構成され、釣り合わされ、お互いに適合せしめられ 、かつ相互に同期せしめられている、即ちテープＴが常に制御状態に保たれ、即 ち鎖錠ピン６２又は送りピン６７の何れかがスプロケット孔の１つと掛合するよ うになされる。これらの理由で、２つのピンは決して同じスプロケット孔と掛合 しない。一方のピンから他方のピンへのテープＴの割り出し移送の間に、常に重 なりが生じ、このとき２つのピンは同時に或る１つのスプロケット孔に掛合する 。機械的部材の運動は、部品を中にもっている空所が開放したときにテープの移 送が起こらないように調節される。

【００２８】 本考案装置の別の実施例は図１１に示す。この図では、第一の実施例の素子に 相当する素子には同じ参照数字を付している。図示の装置８１はハウジング３を 有し、このハウジングはリールシャフト２１に軸支したリール２３から電子部品 を支持するテープを送るための案内７を具える。ハウジング３には更に持上機構 ９、巻取機構１１、鎖錠ピン６２をもったレバー４６が固着されている。このハ ウジングは駆動スライダ２５と、送りピン６７をもった送りスライダ２６からな る摺動機構１３を収容する。駆動スライダ２５は２つの同じカム板３１を具え、 各カム板はカム路８２を介して固定カムローラ３５と協働する。この実施例では 、巻取機構１１を駆動するための駆動ローラ５２と協働する衝合アーム５１は駆 動スライダ２５上に固着される。送りスライダは送りスライダの垂直ストローク を制限するためにハウジング上のカムローラ４４と協働するスロット４３を具え る。送りスライダは更に駆動スライダ用の２つの案内４１を具え、案内ローラ８ ３を支持する。３つの別の案内ローラ８５はハウジング３内に軸支される。細長 いコイルばね８７は一端をピン８８によりハウジング３に連結し、他端を衝合ア ーム５１上のピン８９に固着されており、このばね８７は案内ローラ８３と８５ をめぐり、送りスライダ２６に力を及ぼして、案内４１が駆動スライダに押し付 けられて、駆動スライダ上のカム路８２がカムローラ３５に押し付けられるよう になす。この実施例では、駆動スライダ２５はばね８７の作用に抗して前進上向 きストロークでのみ駆動される；駆動スライダ２５の戻りストロークはばね８７ の作用の下で起こる。図示の実施例では、巻取機構１１は図示しないばねの作用 に抗して、駆動スライダ２５の戻りストロークのときに衝合アーム５１によって 駆動される。

【００２９】 同じ幅をもっているが電子部品が異なったピッチで離間している製品テープは 異なった送りストロークを必要とする。本考案によればカセットユニットを上記 要件に適合させるためには最小の調節を要するに過ぎない。カム板３１は、駆動 スライダ２５の駆動ストロークを送りスライダ２６の所望の送りストロークに変 換するカム板と交換するだけでよい。摺動機構１３はカバー４を除くだけで容易 に接近可能となる。カム板３１が駆動スライダ２５と一体であれば、駆動スライ ダ全体が交換される。

【００３０】 カセットユニットを異なったテープ幅をもつ製品テープに適合させるためには もう１つの再調節を必要とする；即ち案内棒１５，１７、持上機構９の全体、テ ープ用の案内、及び巻取機構１１の交換可能のリールフランジ７９を交換しなけ ればならない。

【００３１】 前述の如く、標準寸法をもつ幾つかの標準テープが電子チップ型の部品の装て ん(Packing) のために開発された。これらのテープでは、スプロケット孔のピッ チは４ｍｍであり、相継ぐ部品間の距離に等しく、それ故所要の送りストローク は４ｍｍの倍数に等しく、装てんテープの幅は８ｍｍから１２ｍｍ、１６ｍｍ及 び２４ｍｍの系列を経て３２ｍｍまで増大する。これらの標準寸法を考慮すれば 、機械的部材のストックは、特に普通は使用されない極端な寸法を無視すれば、 少なくとも使用者によって制限されることができる。

【００３２】 本考案によるカセットユニットの融通性は明白に立証された。カセット内に故 意に合体されない素子は空テープを小片に切断する切断装置である。この切断装 置は正確な配置や位置決めを必要としないので、この切断装置を本発明の精密カ セットに結合する必要はない。

【００３３】 上記実施例では、部品はテープ内に入れて供給され、テープの空所は各々底に 中心開口をもつ。従って持上ピン５８は空所の底を突き通す必要がないので、ピ ンの自由端は鈍くそして端面をもつ。しかしながら、部品は空所底に開口をもた ないテープに入れて供給することもでき、この場合には、持上ピン５８は空所の 底を突き通す必要があり、従ってその自由端はとがっている。

【００３４】 カセットユニットのいろいろな部分は金属、特に軽金属の合金又は合成樹脂の 如き任意の普通の材料で作られる；これらの部分は最も経済的方法、例えば射出 成形法によって作られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の一実施例を示す側立面図で、リー
ルホルダーの一部を破断して示した図である。

【図２】図１の線II−II上でとった断面図である。

【図３】図２の矢印III の方向で見た装置の側立面図
で、ハウジングの一部を破断して示す図である。

【図４】図３に示す装置の一部の拡大図である。

【図５】図１の装置の一部拡大図である。

【図６】巻取機構の拡大縦断面図である。

【図７】送りスライダを相継ぐ位置の１つで示す図であ
る。

【図８】送りスライダを相継ぐ位置の後続の１つで示す
図である。

【図９】送りスライダを相継ぐ位置の後続の１つで示す
図である。

【図１０】送りスライダを相継ぐ位置の後続の１つで示
す図である。

【図１１】本考案装置のもう１つの実施例の側立面図
で、供給リールの一部を破断して示す図である。

【符号の説明】

３ ハウジング ５ リールホルダー ７ 案内 ８ 移送みぞ ９ 持上機構 １１ 巻取機構 １３ 摺動機構 １４ 空所 １５，１７ 棒 １９ 旋回ピン ２３ リール ２５ 駆動スライダ ２６ 送りスライダ ２７ 駆動ローラ ２９ スロット ３１ カム板 ３３ カム路 ３５ カムローラ ３７ ばね ３９ クランプブロック ４３ スロット ４４ 固定カムローラ ４６ 鎖錠レバー ５１ 衝合アーム ５２ 駆動ローラ ５３ アーチ状の開口 ５４ 駆動棒 ５５ 円筒状ハウジング ５８ 持上ピン ５９ 戻しばね ６２ 鎖錠ピン ６３ 旋回シャフト ６４ カムローラ ６５ みぞ ６７ 送りピン ６９ 案内素子 ７１ 駆動ディスク ７２ 摩擦板 ７３ 被動ホイール ７４ 送りつめ ７５ ラチェット歯 ７６ リールリム ７７ カバー板 ７８ 鎖錠つめ ７９ リールフランジ ８０ 差込継手 ８２ カム路 ８３，８５ 案内ローラ ８７ コイルばね ８８，８９ ピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ヨゼフス マルチヌス マリア ファン ハステル オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ １ (72)考案者 ヨゼフ ヘラルダス ヘンドリク マリア スモルデルス オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ １ (72)考案者 フベルトウス ヨハネス テーレン オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ １ (72)考案者 ペトルス アドリアヌス コルネリス ヴ ェルベルネ オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ １

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カバー箔によって覆われたテープ内に装
   てんした電子部品を取上位置へ送るための、交換可能の
   カセットとした装置であって、ａ）前記テープ用の供給
   リールと、ｂ）前記供給リール用のホルダーと、ｃ）前
   記部品をもつ前記テープを前記取上位置へ移動させるた
   めの送り機構と、ｄ）テープのカバー箔を引き取って巻
   き取るための巻取機構と、ｅ）前記ホルダーと前記機構
   のための共通の支持体をなしかつ前記取上位置の前記テ
   ープ用の孔と前記巻取機構の巻取リール用の軸受を含む
   ハウジングとを備えた装置において、ｆ）前記送り機構
   は前記テープを移動させるための送りピンを備えた摺動
   機構とし、前記装置は更に、ｇ）前記テープの望ましく
   ない移動を防止するために前記送り機構に連結された鎖
   錠ピンを備えた鎖錠機構と、ｈ）持上ピンを備えかつ前
   記取上位置で部品を前記テープから持上げるために前記
   送り機構に連結された持上機構とを備え、前記鎖錠機構
   と持上機構の両者もまた前記ハウジングによって支持さ
   れることを特徴とする電子部品送り装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、摺動機
   構は送りスライダと駆動スライダを含み、これらのスラ
   イダは送り方向にお互に確実に形状−連結され、かつ送
   り方向に対して横方向にお互に摩擦的に力−連結されて
   おり、送りピンは送りスライダに固着され、鎖錠ピンは
   レバーに固着され、前記レバーは固定した軸線のまわり
   に回動できかつ送りスライダと協働し、一方、駆動スラ
   イダはカム路とカム從動子からなるカム系によって送り
   方向に可動であることを特徴とする装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の装置において、前記カ
   ム路は交換可能のカム板に設けていることを特徴とする
   装置。
4. 【請求項４】 請求項２又は３に記載の装置において、
   送りスライダは駆動スライダと協働する案内を具え、駆
   動スライダと前記案内はばねによってお互に摩擦的に押
   付けられていることを特徴とする装置。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の装置において、駆動ス
   ライダは送り方向の前進ストローク中にばねの作用に抗
   して変位せしめられ、戻りストロークはばねの作用の下
   で起こされ、前記ばねは同時にカム路とカム從動子をお
   互に押付けることを特徴とする装置。
6. 【請求項６】 請求項１乃至５の何れか１項に記載の装
   置において、摺動機構は衝合アームを具え、前記衝合ア
   ームは巻取機構の駆動素子と協働してこの巻取機構を駆
   動することを特徴とする装置。
7. 【請求項７】 請求項６に記載の装置において、巻取機
   構は駆動素子を定着した駆動ディスクと、摩擦継手と、
   被動ディスクと、リールリムと、着脱自在のリールフラ
   ンジと、ハウジングに連結したカバー板とを含み、送り
   つめが被動ディスクに設けられ、鎖錠つめがカバー板に
   設けられ、これらのつめはリールリムの内周にあるラチ
   エツト歯と協働することを特徴とする装置。
8. 【請求項８】 請求項１乃至７の何れか１項に記載の装
   置において、リールホルダーはハウジングに回動自在に
   取付けていることを特徴とする装置。