JPH0862886A

JPH0862886A - 静電荷像現像用二成分現像剤

Info

Publication number: JPH0862886A
Application number: JP6198407A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Nakazato; 健一中里; Nobuyuki Aoyanagi; 伸之青柳; Takashi Shintaku; 隆新卓; Mikio Unno; 幹夫海野
Original assignee: Mitsubishi Chemical Corp
Current assignee: Mitsubishi Chemical Corp
Priority date: 1994-08-23
Filing date: 1994-08-23
Publication date: 1996-03-08
Anticipated expiration: 2018-12-15
Also published as: JP3480053B2

Abstract

(57)【要約】【構成】トナー及びキャリアから成り、且つ初期現像
剤用トナーの摩擦帯電量をＱ_s、補給用トナーの摩擦帯
電量をＱ_fとしたとき、｜Ｑ_s｜＞｜Ｑ_f｜＞０である
ことを特徴とする静電荷像現像用二成分現像剤。【効果】本発明の静電荷像現像用二成分現像剤は、連
続使用した場合にも初期から安定した画像濃度が得ら
れ、カブリ等の画像汚れもなく、或いはプリンタや複写
機内のトナー飛散による汚染も少なく、更に環境変化に
対して安定した画像特性を安定して維持するなどの多大
な工業的利益を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録等
において使用される静電荷像現像用二成分現像剤に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】電子複写機等で使用される現像剤は、そ
の現像工程において、例えば静電荷像が形成されている
感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程にお
いて感光体から転写紙に転写された後、定着工程におい
てコピー紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形
成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャ
リアとトナーから成る二成分現像剤及びキャリアを必要
としない一成分現像剤（磁性トナー、非磁性トナー）が
知られている。

【０００３】該現像剤に含有されるトナーとしては、正
荷電性トナーと負荷電性トナーがあり、従来より正荷電
性トナーに帯電性を付与するものとしては、ニグロシン
系染料、４級アンモニウム塩等、また負荷電性トナーに
帯電性を付与するものとしては含金染料等の帯電制御剤
やキャリアに所定の帯電性を付与するコーティング剤等
が知られていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、光導電性有機感
光体を搭載した正規現像の複写機が増加傾向を示し、本
複写機用現像剤として正荷電性トナーとシリコーン樹
脂、フッ素樹脂などで被覆されたキャリアを組み合わせ
た二成分現像剤が使用されている。しかしながら、芯材
の一部がシリコーン樹脂等で被覆された樹脂被覆キャリ
アと、例えば四級アンモニウム塩化合物を帯電制御剤と
して用いた正荷電性トナーとを組み合わせた現像剤を使
用して複写機でコピーした場合には、初期画質は良好で
あるが、長時間の繰り返しコピーでは次第に画像濃度が
低下し、階調性の変化が大きいなどの画質変化があり問
題があった。

【０００５】しかして、本発明の目的は、初期画質に優
れ、且つ長期の繰り返しコピーにおいても高い画像品質
を有する耐久性能に優れた静電荷像現像用二成分現像剤
を提供することにある。本発明の他の目的は、温度・湿
度などの環境依存性がなく、経時変化の少ない二成分現
像剤を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を鋭意検討した結果、スタート用現像剤（初期現像
剤）に用いるトナーの帯電量と補給に用いるトナーの帯
電量を違えることにより、現像剤の帯電量推移を適度な
レベルに調整することで優れた現像剤性能が得られるこ
とを見い出し、本発明に到達した。

【０００７】すなわち、本発明の要旨は、トナー及びキ
ャリアから成り、且つ初期現像剤用トナーの摩擦帯電量
をＱｓ、補給用トナーの摩擦帯電量をＱｆとしたとき、
｜Ｑｓ｜＞｜Ｑｆ｜＞０であることを特徴とする静電荷
像現像用二成分現像剤に存する。以下、本発明を詳細に
説明する。

【０００８】本発明に使用し得る樹脂成分としては、ト
ナーに適した公知の種類のものが使用できる。例えば、
ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチル
スチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
（スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及び
スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等）、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体（スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体及びス
チレン−メタクリル酸フェニル共重合体等）、スチレン
−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−
アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のス
チレン系樹脂（スチレンまたはスチレン置換体を含む単
重合体または共重合体）、塩化ビニル樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、並
びにポリカーボネート樹脂等があるが、本発明に用いる
のに特に好ましい樹脂としてはスチレン系樹脂、飽和も
しくは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等が挙
げることができる。また、上記樹脂は単独に使用するに
限らず、２種以上併用することもできる。

【０００９】更にまた、特公昭５１−２３３５４号公
報、特開昭５０−４４８３６号公報に記載されている架
橋系バインダー樹脂、或いは特公昭５５−６８９５号公
報、特公昭６３−３２１８０号公報に記載されている非
架橋系バインダー樹脂も使用できる。そして、該トナー
用バインダー樹脂のガラス転移温度は、熱分析法（示差
熱分析装置、示差走査熱量分析装置等）で測定した時の
転移開始温度（変曲点）が５０℃以上であることが好ま
しい。ガラス転移温度が５０℃未満の場合には、４０℃
以上の高温で長時間にトナーを放置した時、トナーの凝
集或いは固着を招き使用上問題がある。

【００１０】本発明で用いる着色剤としては、公知の適
当な顔料または染料が使用できる。例えば、酸化チタ
ン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、紺
青、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、ハンザイエローＧ、ローダミン系染
料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロ
ー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アント
ラキノン染料、モノアゾ及びジアゾ系染顔料などを相当
するトナーの色に着色剤を単独または混合して併用でき
る。

【００１１】着色剤の含有量は、現像により可視像を形
成することができるようトナーを着色するに十分な量あ
ればよく、例えば樹脂１００重量部に対して０．５〜２
０重量部とするのが好ましい。更に、好ましくは２〜１
５重量部である。更に、本発明現像剤のトナーは公知の
正荷電性または負荷電性の帯電制御剤を単独または併用
して使用してもよいが、現像剤のトナーのブローオフ帯
電量が正荷電性である場合に本発明は有効に作用する。

【００１２】正荷電性帯電制御剤としては、例えばニグ
ロシン系染料、四級アンモニウム塩化合物、トリフェニ
ルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン
樹脂などがある。負荷電性の帯電制御剤としては、Ｃ
ｒ、Ｃｏ、Ａｌ、Ｆｅ等の金属含有アゾ染料、サリチル
酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリ
ックスアレン化合物などがある。例えば四級アンモニウ
ム塩化合物としては、下記一般式（Ｉ）〜（Ｖ）で表さ
れる化合物が例示される。

【００１３】

【化１】

【００１４】（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃およびＲ₄はそ
れぞれ置換基を有していてもよいアルキル基または置換
基を有していてもよいアラルキル基を表し、Ｙは水素ま
たは水酸基を表す。なお、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃またはＲ₄
がアルキル基の場合、炭素数はそれぞれ１〜１８が好ま
しく、アラルキル基としてはベンジル基が好ましい。）

【００１５】

【化２】

【００１６】（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃およびＲ₄はそ
れぞれ上記一般式（Ｉ）におけると同意義。）

【００１７】

【化３】

【００１８】（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃およびＲ₄はそ
れぞれ上記一般式（Ｉ）におけると同意義。）

【００１９】

【化４】

【００２０】（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃およびＲ₄はそ
れぞれ上記一般式（Ｉ）におけると同意義であり、Ａは
置換基を有していてもよい芳香族環残基、例えば、

【００２１】

【化５】

【００２２】（式中、Ｒ₅およびＲ₆はそれぞれ水素原
子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基また
はアミノ基を表す。）を表す。）

【００２３】

【化６】

【００２４】（式中、Ｒ₁およびＲ₂はそれぞれ上記一
般式（Ｉ）におけると同意義であり、Ａは上記一般式
（IV）におけると同意義である。）イミダゾール系化合物としては下記一般式（VI）又は
（VII)で表わされる化合物が例示される。

【００２５】

【化７】

【００２６】（式中、Ｒ₁₁、Ｒ₁₂およびＲ₁₃はそれぞれ
水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換
基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有し
ていてもよいアリール基を表す。Ｒ₁₁、Ｒ₁₂またはＲ₁₃
がアルキル基の場合、炭素数としてはそれぞれ１〜２０
が好ましい。）

【００２７】

【化８】

【００２８】（式中、Ｒ₁₁、Ｒ₁₂およびＲ₁₃は上記一般
式（VI）におけると同意義であり、Ｒ ₁₄、Ｒ₁₅およびＲ
₁₆はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基を表す。Ｒ₁₄、Ｒ
₁₅またはＲ₁₆がアルキル基の場合、炭素数としてはそれ
ぞれ１〜２０が好ましい。）トリフェニルメタン系化合物としては、下記一般式（VI
II) で表わされる化合物が例示される。

【００２９】

【化９】

【００３０】（式中、Ｒ₁₇はアルキル基を表わす。Ｒ₁₇
の炭素数としては１〜５が好ましい。）ニグロシン系染料としては、カラーインデックス番号Ｓ
ｏｌｖｅｎｔＢｌａｃｋ７で示されるものが例示さ
れ、その表面を変性処理したものでもよい。市販されて
いるものとしては、オリエント化学工業社製のボントロ
ンシリーズ（ＥＸ、Ｎｏ１、Ｎｏ２、Ｎｏ３、Ｎｏ４、
Ｎｏ７、Ｎｏ９、Ｎｏ１０、Ｎｏ１１、Ｂｓ）などがあ
る。

【００３１】特に、帯電制御剤として四級アンモニウム
塩化合物を使用し、シリコーン樹脂被覆キャリアと組合
わせた場合に、現像剤の初期帯電量は比較的低いがコピ
ーするに従い帯電量が高くなり、その帯電量変化に従い
画像濃度が変化するという問題が顕著になるので、本発
明は有効に作用する。帯電制御剤の使用量は所望する帯
電量見合いで選定すればよく、帯電制御剤の添加量は樹
脂１００重量部に対し０．０１〜１０重量部程度が好ま
しく、それらの必要に応じトナー粒子の内部に内添した
り、トナー粒子表面に外添してもよく、更に現像剤中に
添加して使用してもよい。

【００３２】その他、本発明現像剤のトナー構成成分と
して熱特性や物理特性などを改善する目的で助剤を少量
添加してもよく、例えば、ポリアルキレンワックス、パ
ラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石
鹸等が使用できる。その添加量は、トナー粒子１００重
量部に対して０．０１〜１０重量部が好ましい。本発明
に用いるトナーの外添剤としては、流動性改善剤、抵抗
調整剤、帯電調整剤、研磨剤などの目的で公知の各種外
添剤が使用でき、好ましくは酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、マグネタイト、フェライト、導電性
チタニア、ハイドロタルサイト類化合物より少なくとも
１種以上を選択して使用すればよい。

【００３３】流動性改善剤、帯電調整剤の目的で使用す
る外添剤を第１外添剤とし、該外添剤としては湿式法或
いは乾式法で作製される酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等の酸化物微粉末がよく、更に好適に
は、酸化物微粉末をオルガノアルコキシラン、オルガノ
クロルシラン、オルガノシラザン、オルガノジシラン、
オルガノシラン等のシランカップリング剤などで疎水化
処理したものがよい。更に、第１外添剤のＢＥＴ比表面
積（Ｓ１）は２０〜５００ｍ²／ｇが好ましく、この範
囲内だとトナーの貯蔵安定性、トナー供給部からの現像
器への補給性、現像部でのトナー搬送性等に優れてい
る。比表面積が２０ｍ²／ｇ未満では十分な流動性改善
機能、搬送機能が付与できず、また５００ｍ²／ｇより
大きいとトナー粒子同士の隔壁機能が減じる為、高温保
管時のトナー凝集、固着を招きやすく、更に感光体への
フィルミングを発生しやすいなどの問題がある。

【００３４】抵抗調整剤、帯電調整剤、研磨剤の目的で
使用する外添剤を第２外添剤とし、該外添剤としては、
マグネタイト微粒子、フェライト微粒子、錫、アンチモ
ン等をドーピングした導電性チタニア、ハイドロタルサ
イト類化合物などがよく、必要に応じ公知のカップリン
グ剤、アミノ基含有スチレン系樹脂等が表面処理したも
のでもよい。更に、第２外添剤のＢＥＴ比表面積（Ｓ
２）は１〜５０ｍ²／ｇが好ましい。比表面積が１ｍ²
／ｇ未満だと感光体に深い溝状の傷が発生し、５０ｍ²
／ｇより大きいと感光体の適度な研磨効果がなく好まし
くない。また、第１外添剤と第２外添剤の比表面積の関
係は、Ｓ１＞Ｓ２であることがよく、この範囲外では外
添剤の添加効果が十分に機能せず好ましくない。

【００３５】これら添加剤の使用量は所望する性能によ
り適時選定すればよく、例えば樹脂１００重量部に対し
０．００５〜１０重量部程度が好ましい。添加量が０．
００５重量部より少ないと目的とする効果が発揮され
ず、１０重量部より多いと感光体へのフィルミングが発
生するなど問題がある。本発明で使用する初期現像剤用
トナーの摩擦帯電量（Ｑｓ）と補給用トナーの摩擦帯電
量（Ｑｆ）の関係は、｜Ｑｓ｜＞｜Ｑｆ｜＞０であり、
ＱｓとＱｆの調整はトナーの外添剤の種類、添加量等で
行えばよい。｜Ｑｓ｜≦｜Ｑｆ｜の場合には、実写時の
初期の段階で現像剤の帯電量の上昇が大きくなり、トナ
ー濃度の低下度合いが大きくなり、ひいては画像濃度の
低下を引き起こし易く好ましくない。本発明においては
外添剤の種類及び／又は外添量を、初期現像剤用トナー
と補給用トナーとで変えることによって、それぞれの帯
電量を異なるものにすることができる。例えばトナーが
正荷電性の場合には、初期現像剤用トナーの用いる外添
剤としてはキャリアに対して正荷電性を示すものを多く
使用し、またはキャリアに対して負荷電性のものを少な
く使用するなどして帯電調整すればよい。特に、正荷電
性トナーの場合には少なくともハイドロタルサイト類化
合物を外添剤として用いるのが好適である。ハイドロタ
ルサイト類としては公知のものが使用でき、例えば次に
示す一般式（IX）または（Ｘ）で表される化合物があ
る。

【００３６】

【数１】Ｍ¹ _y1・Ｍ² _y2・Ｍ³ _x・（ＯＨ）₂・Ａ_x/n・ｍＨ₂Ｏ …（IX）

【００３７】上記一般式（IX）中の記号の意味は下記の
通りである。Ｍ¹：Ｍｇ、Ｃａ、Ｓｒ及びＢａより成る群から選ばれ
る１種以上の２価金属Ｍ²：Ｚｎ、Ｃｄ、Ｐｂ及びＳｎより成る群から選ばれ
る１種以上の２価金属Ｍ³：３価金属Ａ：ｎ価のアニオンｎ：自然数ｘ、ｙ１、ｙ２、ｍは以下の関数式を満たす正数。

【００３８】０＜ｘ≦０．５ｙ１＋ｙ２＝１−ｘ０≦ｍ＜２

【００３９】

【数２】Ｍ⁴ _(1-x)・Ｍ⁵ _x・（ＯＨ）₂・Ａ_x/n・ｍＨ₂Ｏ ……（Ｘ）

【００４０】上記一般式（Ｘ）中の記号の意味は下記の
通りである。Ｍ⁴：Ｍｇ、Ｍｎ、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｉ、Ｃｕ及びＺｎよ
り成る群から選ばれる１種以上の２価金属Ｍ⁵：３価金属Ａ：ｎ価のアニオンｎ：自然数ｘ、ｍは以下の関数式を満たす正数。

【００４１】０＜ｘ≦０．５０≦ｍ＜２上記一般式（IX）において、Ｍ¹はＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ及
びＢａより成る群から選ばれる１種以上の２価金属であ
ればよく、適宜選択できるが、これらの中でも好ましい
例としては、Ｍｇ、Ｃａ、ＭｇとＣａ、ＭｇとＳｒ、Ｍ
ｇとＢａなどを例示できる。さらには、ＭｇもしくはＭ
ｇとＣａをより好ましい例として挙げることができる。

【００４２】上記一般式（IX）でのＭ²は、Ｚｎ、Ｃ
ｄ、Ｐｄ及びＳｎより成る群から選ばれる１種以上の２
価金属であればよく、適宜選択できるが、これらの中で
も好ましい例としては、Ｚｎ、Ｃｄ、Ｐｂ、ＺｎとＣｄ
などを例示できる。さらには、Ｚｎ及び／またはＣｄを
より好ましい例として挙げることができる。上記一般式
（IX）でのＭ³は、３価金属であって、例えばＡｌ、Ｂ
ｉ、Ｉｎ、Ｓｂ、Ｂ、Ｔｉなどを例示できる。これらの
中でもＡｌをより好ましく例示できる。

【００４３】上記一般式（IX）において、Ａはｎ価のア
ニオンを示し、例えば、ＣＯ₃ ^2-、ＯＨ^-、ＨＣ
Ｏ₃ ^-、サリチル酸イオン^-、クエン酸イオン^3-、酒石
酸イオン^2-、ＮＯ₃ ^-、Ｉ^-、（ＯＯＣ−ＣＯＯ）^2-、
〔Ｆｅ（ＣＮ）₆〕^4-などを例示することができる。こ
れらの中でもより好ましい例としては、ＣＯ₃ ^2-及びＯ
Ｈ^-を挙げることができる。

【００４４】上記一般式（IX）において、ｘは０＜ｘ≦
０．５、好ましくは０．２≦ｘ≦０．５、より好ましく
は０．２≦ｘ≦０．４、とくには０．２５≦ｘ≦０．３
５の正数であり、ｙ１＋ｙ２は１−ｘに相当し、ｙ１≧
ｙ２を満足するのがより好ましく、特にはｙ１＞ｙ２が
更に好ましい。また、ｍは０≦ｍ＜２の数である。ｍ＝
０もしくはそれに近いｍの小さい化合物を得るには、脱
結晶水処理したものを用いるとよい。

【００４５】一方、上記一般式（Ｘ）において、Ｍ⁴は
Ｍｇ、Ｍｎ、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｉ、Ｃｕ及びＺｎより成る
群から選ばれる一種以上の２価金属であればよく、適宜
選択できるが、これらの中でも特にＭｇが好ましく例示
できる。また、上記一般式（Ｘ）において、Ｍ⁵は３価
金属であって、例えば、Ａｌ、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｃｏ、Ｉｎ
などを例示できるが、これらの中でもＡｌをより好まし
く例示できる。

【００４６】上記一般式（Ｘ）のＡは、ｎ価のアニオン
を示し、例えば、ＣＯ₃ ^2-、ＯＨ^-、ＨＣＯ₃ ^-、サリ
チル酸イオン^-、クエン酸イオン^3-、酒石酸イオン^2-、
ＮＯ ₃ ^-、Ｉ^-、（ＯＯＣ−ＣＯＯ）^2-、〔Ｆｅ（Ｃ
Ｎ）₆〕^4-などを例示することができる。これらの中で
もより好ましい例としては、ＣＯ₃ ^2-を挙げることがで
きる。

【００４７】上記一般式（Ｘ）において、ｘは０＜ｘ≦
０．５、好ましくは０．１≦ｘ≦０．４の正数であり、
また、ｍは０≦ｍ＜２の数である。ｍ＝０もしくはそれ
に近いｍの小さい化合物を得るには、脱結晶水処理した
ものを用いるとよい。本発明に係わる化合物（IX）及び
（Ｘ）は、いずれも、結晶粒子径が約０．１〜約１μｍ
程度が好ましく、またＢＥＴ比表面積が約５０ｍ²／ｇ
以下が好ましく、約３０ｍ²／ｇ以下がより好ましい。
さらに、平均２次粒子径が約５μｍ以下、より好ましく
は約２μｍ以下、特には約１μｍ以下であるものの使用
が好ましい。

【００４８】本発明において、上記化合物自体の離型性
や現像剤に対する摩擦帯電性、吸着性等を向上させる目
的で、上記一般式（IX）及び（Ｘ）で表される化合物を
表面処理剤で表面処理することができる。このような表
面処理剤の例としては、例えば、高級脂肪酸類、アニオ
ン系界面活性剤、シランカップリング剤、チタネート系
カップリング剤、グリセリンと脂肪酸のエステル類など
を例示することができるが、これらに限定されるもので
はない。

【００４９】また、本発明現像剤のトナー粒子の製造法
は、従来から用いられる各種トナー製造方法が適用でき
るが、例えば一般的な例としては、まず樹脂、着色剤、
ワックス、帯電制御剤等を混合機で均一に分散混合し、
次いで混合物を密閉式ニーダー、或いは１軸または２軸
の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッシャー、ハン
マーミル等で粗粉砕し、ジェットミル、高速ローター回
転式ミル等で微粉砕し、風力分級機（例えば、慣性分級
方式のエルボジェット、遠心分級方式のミクロプレック
ス、ＤＳセパレーターなど）等で分級すればよい。トナ
ーの平均粒径は、３〜２０μｍが好適である。

【００５０】更に、トナーに外添処理する場合には、分
級トナーと外添剤を高速撹拌機（ヘンシェルミキサー、
スーパーミキサーなど）で撹拌混合すればよい。本発明
のキャリアは、芯材が鉄粉、マグネタイト粉、フェライ
ト粉などの磁性キャリアで、例えば芯材の少なくとも一
部がシリコーン樹脂で被覆されているような樹脂被覆キ
ャリアであってもよい。キャリアはトナーより大きい平
均粒子径２０〜２００μｍ程度のものが使用できる。フ
ェライトの芯材としては、一般式（ＭＯ）_m（Ｆｅ₂Ｏ
₃）_nで示されるフェライト粉が好ましく、（ＭＯ）成
分としては、ＣｕＯ、ＺｎＯ、ＮｉＯ、ＦｅＯ、Ｍｎ
Ｏ、ＭｇＯ、ＢａＯ等の成分を１種または２種以上選定
して使用すればよい。

【００５１】シリコーン樹脂としては、ケイ素原子がシ
ロキサン結合を介して互いに結合して網目状に伸び広が
った巨大分子からなるものであって、該巨大分子表面の
シロキサン結合を介して他の３以下のケイ素原子としか
結合していないケイ素原子は通常水酸基を有している
が、この水酸基の一部がメチル基、またはメチル基及び
フェニル基と置換してなる樹脂である、メチルシリコー
ン樹脂又はメチルフェニルシリコーン樹脂が好ましい。
また、必要に応じシリコーン樹脂の硬化触媒、例えば
酸、アルカリ、アミン、金属の有機酸塩などを使用して
も良い。更に、被覆する樹脂としてスチレン−アクリル
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、変性シリコーン樹脂などを適度に併用してもよい。

【００５２】キャリア芯材への皮膜形成方法は公知の常
法と同様に行えばよく、例えば、シリコーン樹脂を有機
溶剤に溶解または分散させて、被覆液を調整し、浸漬
法、ドライスプレー法及びフローコーターを使用する流
動スプレー法等により芯材に被覆し、乾燥し、次いで加
熱し硬化処理を行う。現像剤はトナーと樹脂被覆キャリ
アを公知の混合装置、例えば、ボールミル、Ｖ型混合
機、Ｙ型混合機、ナウターミキサー、スーパーミキサー
等で混合・撹拌して得られ、キャリアとトナーの混合比
は、トナー１重量部に対してキャリア５〜１００重量部
とするのが好ましい。＜ＢＥＴ比表面積測定方法＞ＢＥＴ比表面積は市販され
ている窒素吸着によるＢＥＴ比表面積装置を用いて測定
することができ、例えば、（株）島津製作所製流動式比
表面積自動測定装置（フローソープ２３００形）などが
ある。＜トナーの摩擦帯電量測定方法＞現像剤に使用するキャ
リアを９．６ｇとトナー０．４ｇをガラス瓶に入れ、シ
ェーカーで１５分混合・撹拌し、現像剤を作製し、該現
像剤の帯電量を東芝ケミカル製ブローオフ測定装置で測
定する。尚、ブローオフ帯電量測定装置の条件は、ブロ
ー圧が１ｋｇ／ｃｍ²で、使用金網が３００ｍメッシュ
ＳＵＳ製で、測定時間が２０秒で、帯電量は測定時間２
０秒間の最大値で求める。

【００５３】

【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りは以下の実施
例により何等制限されるものではない。尚、下記実施例
中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を意味す
るものとする。トナーａ：

【００５４】

【表１】・スチレン／ｎ−ブチルアクリレート＝８２／１８共重合樹脂１００部（フロー軟化温度１３０℃、ガラス転移温度６１℃）・着色剤カーボンブラックＭＡ１００Ｓ６部・低分子量ポリプロピレン５５０Ｐ２部（三洋化成工業社製）・帯電制御剤ボントロンＰ５１２部（オリエント化学工業社製、4 級アンモニウム塩化合物）

【００５５】を配合し、連続式の２軸押出機を用いて混
練し、冷却し、粉砕し、分級して、平均粒径１０μｍの
黒色トナーａを得た。黒色トナーａに実施例及び比較例
の外添処理を施し、初期現像剤用トナーと補給用トナー
をそれぞれ作製した。得られた初期現像剤用トナー４部
とＣｕ−Ｚｎ−フェライト粉の芯材をメチルシリコーン
含有樹脂で表面コートした平均粒径１００μｍ、飽和磁
化５５ｅｍｕ／ｇの樹脂被覆キャリア９６部をＶ型混合
機で混合、撹拌し初期現像剤を作製した。

【００５６】次に、初期現像剤と補給用トナーを使用し
て、有機光導電体を感光体とし、熱ロール定着方式、ブ
レードクリーニング方式、現像槽内現像剤へのトナー補
給コントロールに透磁率センサー方式を採用したコピー
速度２７枚（Ａ４）／分の正規現像方式（感光体表面電
位；ＤＣ−５００Ｖ、バイアス電圧；ＤＣ−２００Ｖ）
の複写機で、通常環境の温度２３〜２５℃、湿度５０〜
５５％ＲＨの環境下で２０，０００枚の実写テストを実
施した。

【００５７】＜実施例１＞・初期現像剤用トナートナーａ１００部に対して、シリカ粉末（日本アエロジ
ル社製Ｒ９７２、ＢＥＴ比表面積：１１０ｍ²／ｇ）
０．２部とハイドロタルサイト類化合物（脂肪酸で処理
されたＭｇ_0.5・Ｚｎ_0.17・Ａｌ_0.33・（ＯＨ）₂・
（ＣＯ₃）_0.165・０．４５Ｈ₂Ｏ、ＢＥＴ比表面積：
８ｍ²／ｇ）０．１部をヘンシェルミキサーにて外添処
理してトナーＳ１を得た。

【００５８】・補給用トナートナーａ１００部に対して、シリカ粉末（日本アエロジ
ル社製Ｒ９７２、ＢＥＴ比表面積：１１０ｍ²／ｇ）
０．２５部とハイドロタルサイト類化合物（脂肪酸で処
理されたＭｇ_0.5・Ｚｎ_0.17・Ａｌ_0.33・（ＯＨ）₂・
（ＣＯ₃）_0.165・０．４５Ｈ₂Ｏ、ＢＥＴ比表面積：
８ｍ²／ｇ）０．１部及びマグネタイト粉末（一次粒子
径：０．２５μ、ＢＥＴ比表面積：７ｍ²／ｇ）０．
３部をヘンシェルミキサーにて外添処理してトナーＦ１
を得た。

【００５９】・評価結果結果を表１に示すが、初期の段階からコピー画像濃度が
安定して、コピー白地部の汚れであるカブリの増加がな
く、またトナー飛散量も少なく複写機内の汚染もなく良
好であり、連続複写しても耐久性能、コピー画質安定性
の優れた現像剤及びトナーであった。

【００６０】＜実施例２＞・初期現像剤用トナートナーａ１００部に対して、シリカ粉末（日本アエロジ
ル社製Ｒ９７２、ＢＥＴ比表面積：１１０ｍ²／ｇ）
０．２部とハイドロタルサイト類化合物（脂肪酸で処理
されたＭｇ_0.5・Ｚｎ_0.17・Ａｌ_0.33・（ＯＨ）₂・
（ＣＯ₃）_0.165・０．４５Ｈ₂Ｏ、ＢＥＴ比表面積：
８ｍ²／ｇ）０．３部及びマグネタイト粉末（一次粒子
径：０．２５μ、ＢＥＴ比表面積：７ｍ²／ｇ）０．
３部をヘンシェルミキサーにて外添処理してトナーＳ２
を得た。

【００６１】・補給用トナー実施例１のトナーＦ１とした。・評価結果画像濃度、カブリ共に良好であった。

【００６２】＜実施例３＞・初期現像剤用トナートナーａ１００部に対して、シリカ粉末（日本アエロジ
ル社製Ｒ９７２、ＢＥＴ比表面積：１１０ｍ²／ｇ）
０．２部とハイドロタルサイト類化合物（脂肪酸で処理
されたＭｇ_0.75・Ａｌ_0.25・（ＯＨ）₂・（ＣＯ₃）
_0.125・０．５Ｈ₂Ｏ、ＢＥＴ比表面積：１１ｍ²／
ｇ）０．０５部をヘンシェルミキサーにて外添処理して
トナーＳ３を得た。

【００６３】・補給用トナートナーａ１００部に対して、シリカ粉末（日本アエロジ
ル社製Ｒ９７２、ＢＥＴ比表面積：１１０ｍ²／ｇ）
０．２５部とハイドロタルサイト類化合物（脂肪酸で処
理されたＭｇ_0.75・Ａｌ_0.25・（ＯＨ）₂・（ＣＯ₃）
_0.125・０．５Ｈ₂Ｏ、ＢＥＴ比表面積：１１ｍ²／
ｇ）０．１部及びマグネタイト粉末（一次粒子径：０．
２５μ、ＢＥＴ比表面積：７ｍ²／ｇ）０．２部をヘ
ンシェルミキサーにて外添処理してトナーＦ３を得た。・評価結果コピー画像濃度、カブリ共に良好であった。

【００６４】＜比較例１＞・初期現像剤用トナー及び補給用トナー共に実施例１の
トナーＦ１を使用した。・評価結果初期段階で画像濃度の低下が大きく、初期のカブリもや
や悪かった。

【００６５】＜比較例２＞・初期現像剤用トナー及び補給用トナー共に実施例３の
トナーＳ３を使用した。・評価結果初期段階での画像濃度の低下が大きかった。＜測定方法等の簡単な説明＞画像濃度：画像形成された黒部をマクベス反射濃度計で
測定した値。カブリ：画像形成されない白地部の汚れは、日本電色色
差計を用いて使用紙の実写前後のハンター白度（Ｗｂ）
を測定し、その前後の値差より求めた値をカブリとし
た。

【００６６】

【発明の効果】本発明の静電荷像現像用二成分現像剤
は、連続使用した場合にも初期から安定した画像濃度が
得られ、カブリ等の画像汚れもなく、或いはプリンタや
複写機内のトナー飛散による汚染も少なく、更に環境変
化に対しても安定した画像特性を安定して維持するなど
の多大な工業的利益を提供するものである。

【００６７】

【表２】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０３Ｇ 9/10 ３５１３５２ (72)発明者海野幹夫神奈川県茅ヶ崎市円蔵370番地三菱化成株式会社茅ヶ崎事業所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】トナー及びキャリアから成り、且つ初期
現像剤用トナーの摩擦帯電量をＱｓ、補給用トナーの摩
擦帯電量をＱｆとしたとき、｜Ｑｓ｜＞｜Ｑｆ｜＞０で
あることを特徴とする静電荷像現像用二成分現像剤。
【請求項２】キャリアが、芯材の少なくとも一部が樹
脂により被覆されてなる樹脂被覆キャリアであることを
特徴とする請求項１に記載の静電荷像現像用二成分現像
剤。
【請求項３】樹脂がシリコーン樹脂であることを特徴
とする請求項２に記載の静電荷像現像用二成分現像剤。
【請求項４】トナーが更に外添剤を有することを特徴
とする請求項１乃至３に記載の静電荷像現像用二成分現
像剤。
【請求項５】初期現像剤用トナー及び補給用トナーが
有する外添剤の種類及び／又は外添量が互いに異なるこ
とを特徴とする請求項４に記載の静電荷像現像用二成分
現像剤。
【請求項６】外添剤が、酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン、マグネタイト、フェライト、導電性チ
タニア、及びハイドロタルサイト類化合物から成る群よ
り選択される少なくとも一種であることを特徴とする請
求項４又は５に記載の静電荷像現像用二成分現像剤。
【請求項７】トナーが正荷電性であることを特徴とす
る請求項１乃至６に記載の静電荷像現像用二成分現像
剤。