JP3977727B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。詳しくは本発明は、電子写真法、特に非磁性一成分現像方式によるプリンタなどに好適に使用しうる静電荷像現像用トナーに関する。本発明のトナーは、現像性に必要な高い帯電能力をもち、カブリが少なく、耐久性が求められる現像方式に適用した場合にも、連続実写での画質変化が少なく、優れた定着性及び耐ブロッキング性を有する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法に用いられる乾式現像方式としては、一般に鉄粉、フェライト粉末等のキャリアとトナーとを混合して用いる二成分系現像方式とキャリアを用いない一成分現像方式とがある。このうち前者にはトナーの消費に伴ってその必要量のみを補給する、いわゆるトナー濃度コントロール機構が必要となるため、装置の大型化及びコスト高の面で問題がある。
一方、後者は磁性一成分方式及び非磁性一成分方式が主流であり、装置の小型化が可能なため、近年増加しているパーソナルプリンタ、フルカラープリンタを中心にこの方式を採用するものが多くなってきている。
トナーに要求される性能は、画像を形成した場合、画像濃度が十分で画像欠陥がないこと、長期間安定に使用できること、紙に十分に定着すること、トナー生産工程や貯蔵、輸送中にブロッキングを引き起こさないこと等、生産工程から形成画像、使用機器に対する問題等極めて多岐に亘る。これらの要求の中には、例えば定着性と耐ブロッキング性とのように相反する傾向を示し、その両立が容易でないものもある。
【0003】
かかる要求に対応するために、溶融混練する材料の性状、配合処方、混練条件等に関し、多くの提案がなされてきている。また、トナー表面に付着させる外添剤についても多くの提案がなされており、例えば、アミノ変成シリコーンをコートしたシリカを用いる方法(特開昭59−187539号公報)、特定のシランカップリング剤で処理されたシリカを用いる方法(特開昭50−198470号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法は必ずしも、トナーに要求される性能を十分に満足させるものではない。また装置に採用される現像、転写、その他の方式によっては必ずしも十分な効果を奏することが出来ない。特に帯電性を確保するためにトナーに比較的大きな負荷のかかる一成分方式においては、連続実写を行うことによって、例えば上記外添シリカ等の脱離、トナー内部への埋まり込み等が起こりやすく、適正な現像に必要な帯電性を維持することが難しいことがある。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その課題はトナーに大きな負荷のかかる一成分方式等の現像方法での連続実写においても安定した画質が得られ、定着性及び耐ブロッキング性の両立にも優れたトナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、高帯電の外添微粒子をトナー母体微粒子の表面に特定方法で固着させることによって、連続実写でのトナー物性の変化が少なくなり、定着性及び耐ブロッキング性の両立にも効果があることを見い出し、かかる知見に基づいて本発明に到達した。
即ち本発明の要旨は、バインダー樹脂及び着色剤を含む母体微粒子に外添微粒子が添加されてなる静電荷像現像用トナーであって、該外添微粒子が母体微粒子の表面に圧縮剪断応力条件下に固着されたものであり、かつ固着前の母体微粒子のBET法による比表面積に対する固着後のトナーのBET法による比表面積の比が2.2以上、3.2以下であり、かつ該外添微粒子のうち少なくとも一種類の帯電量の絶対値が300μC/g以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
本発明で用いる母体微粒子は、バインダー樹脂、着色剤その他の添加剤から常法に従って製造される。
上記バインダー樹脂としては、トナーに適した公知の種々のものが使用できる。例えばスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等があるが、より好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂、飽和若しくは不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用いても併用してもよい。また、これらの樹脂は定着方式に従い、非架橋樹脂としても架橋樹脂としても或いはその混合物としても用いられる。また、バインダー樹脂の製造方法としてはバルク重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、界面重合、気相重合等があるが、重合方法の如何によらず使用可能である。
上記バインダー樹脂は、軟化点が好ましくは90〜150℃、より好ましくは100〜140℃であり、ガラス転移点が好ましくは45〜70℃、より好ましくは50〜67℃である。軟化点、ガラス転移点が前記範囲である場合、外添微粒子の固着性が良好となるため望ましい。
【0007】
上記スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらスチレン系樹脂は必要に応じて架橋性モノマーを共重合することにより架橋樹脂として使用することが出来る。また、これらスチレン系樹脂の製造方法としてはバルク重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等が挙げられる。
【0008】
上記ポリエステル樹脂は、2価のアルコール単量体と2価のカルボン酸単量体及び/又はその誘導体と必要に応じて3価以上の多価アルコール単量体や多価カルボン酸単量体及び/又はその誘導体との重縮合によって得られる。2価のアルコール単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他の2価のアルコール単量体が挙げられる。2価のカルボン酸単量体及び/又はその誘導体としては、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ジフェン酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステルを主成分とするものが挙げられる。3価以上の多価アルコール単量体としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。また3価以上の多価カルボン酸及び/又はその誘導体としては、トリメリト酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸及びこれらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステルその他を挙げることができる。また、これらポリエステル樹脂の製造方法としてはバルク重合、溶液重合、界面重合等が挙げられる。
【0009】
上記着色剤としては、公知の顔料、染料等を用いることができる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、紺青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料などの着色剤を単独または混合して相当するトナーの色として用いる。着色剤の含有量は、現像により可視像を形成することができるようトナーを着色するに十分な量であればよく、例えばバインダー樹脂100重量部に対して3〜20重量部とするのが好ましい。
【0010】
また本発明のトナーは、公知の磁性粒子を着色剤として用いる磁性トナーとすることもできる。該磁性粒子としては、複写機等の使用環境温度(通常、0℃〜60℃付近)において、フェリ磁性あるいはフェロ磁性等を示す強磁性物質が使用される。使用される磁性粒子としては、例えばマグネタイト(Fe3O4)、マグヘマタイト(γ−Fe2O3)、マグネタイトとマグヘマタイトの中間体、フェライト(MXFe3-XO4;式中、MはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、Cd等或いはその混晶系)等のスピネルフェライトやBaO・6Fe2O3、SrO・6Fe2O3等の6方晶フェライト、Y3Fe5O12、Sm3Fe5O12等のガーネット型酸化物、CrO2等のルチル型酸化物、Fe、Mn、Ni、Co、Cr等の金属やその他の強磁性合金等のうち、0℃〜60℃付近でフェロ磁性、フェリ磁性を示すものが挙げられ、中でもマグネタイト、マグへマタイト、マグネタイトとマグヘマタイトの中間体等の平均粒径3μm以下、より好ましくは0.05〜1μm程度の微粒子が性能的にも価格的にも好ましい。磁性微粒子は単独で使用するには限らず、2種以上を併用することもできる。非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止や帯電制御等の観点で添加する場合は、その添加量はバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。また、磁性トナーとして使用する場合の添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して磁性体を20重量部以上、150重量部以下が好ましい。
【0011】
さらに所望によりその他の添加剤を含有させることができる。例えば、トナーに帯電性を賦与したい場合は、公知の正荷電性または負荷電性の帯電制御剤を単独または併用して使用してもよい。正荷電性帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、第4アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などがある。また負荷電性帯電制御剤としては、Cr,Co,Al,Fe等の金属含有アゾ染料、サリチル酸金属化合物、カリックスアレン化合物、アルキルサリチル酸金属化合物などがある。帯電制御剤の選択においても着色剤同様、揮発性不純物を極力含まないものを使用することが好ましい。
【0012】
帯電制御剤の使用量は所望する帯電量に応じて選定すればよい。帯電制御剤の添加量はバインダー樹脂100重量部に対し通常、0.05〜10重量部程度であり、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して1〜5重量部である。帯電制御剤の含有率が少なすぎると帯電性の向上効果が期待できず、また過剰であるとトナーの品質が低下する。
また、耐オフセット性改良等の目的でポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石鹸等を、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部程度添加してもよい。
【0013】
上述した各成分からトナーの母体微粒子を製造するのは常法に従って行うことができる。通常は、先ずバインダー樹脂、着色剤、更に必要に応じて添加される帯電制御剤やその他の添加剤を混合機で均一に分散混合し、次いで混合物を密閉式ニーダー、又は一軸若しくは二軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッシャー、ハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル、高速ローター回転式ミル等で細粉砕し、風力分級機(例えば、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレーターなど)等で分級する方法が採用される。
【0014】
得られたトナーの母体微粒子の粒径は、好ましくは4〜15μm、より好ましくは5〜9μmである。ここで、粒径はマルチサイザー(コールター社製)等を用いて測定することが出来る。
また、母体微粒子の帯電量は、好ましくは絶対値が40μC/g以下、より好ましくは絶対値が35μC/g以下である。母体微粒子の帯電量が前記範囲を超える場合は、外添中に外添微粒子と母体微粒子の間の反発による外添微粒子分散不良が発生し画質悪化の影響がある場合があり好ましくない。母体微粒子の帯電量は、次の方法で測定することができる。
[帯電量の測定方法]
▲1▼ノンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製F100)50gと外添微粒子0.1gとを秤量し、レシプロシェーカーで1分間攪拌する(攪拌強度500rpm)。
▲2▼ブローオフ測定装置(東芝ケミカル社製)で帯電量を測定する。
【0015】
本発明においては、トナーに良好な帯電性をもたせるため、上述の母体微粒子の表面に外添微粒子を固着させる。
固着させる外添微粒子は各種無機及び有機微粉末であり、例えば微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等を用いることができ、これらは、シリコンオイルやシリコンワニス、シランカップリング剤等で表面処理されていてもよい。
トナーに良好な帯電性を持たせるためには、外添微粒子の中に帯電量の絶対値が300μC/g以上、1500μC/g以下の粒子が含まれていることが必要である。外添微粒子の帯電量の絶対値は好ましくは400μC/g以上、更に好ましくは450μC/g以上である。外添微粒子の帯電量の絶対値が300μC/g以下であると、トナーに十分な帯電性を賦与することができず、かぶりの悪化等の悪影響がでるため好ましくない。外添微粒子の帯電量の測定は、前記母体微粒子の帯電量の測定と同様の方法で行うことができる。
また、母体微粒子の帯電と外添微粒子の帯電は、同極性であることが帯電量安定化の面から好ましい。
【0016】
また、外添微粒子の中にBET法による比表面積が120m2/g以上の粒子が含まれていることが好ましい。それによって、トナーに十分な流動性が賦与され、ベタソリッド部の追従性によい影響が見られる。なお、該BET値は、島津製作所社製フローソーブ2300を用いてN2吸着比表面積を測定した値とする。
さらに、上記外添微粒子の量は、下記式(1)で求められる、母体微粒子に対する全外添微粒子の被覆率が80%以上となる量であるのが好ましく、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上になる量である。上記被覆率が80%以上であると、トナーに十分な帯電性や流動性を与えることができ、画像濃度の低下や、白地かぶりの悪化、ベタソリッド部の追従性等に好影響を及ぼす。
【0017】
【数2】
【0018】
【表2】
式(1)中、
Dt:母体微粒子の平均粒径(μm)
ρt:母体微粒子の真密度(g/cm3)
Dn:外添微粒子nの平均粒径(μm)
ρn:外添微粒子nの真密度(g/cm3)
Wn:外添微粒子nの添加部数
(母体微粒子を100重量部としたときの重量部数)
a:外添剤の種類の数。
【0019】
ここで、母体微粒子の平均粒径(Dt)は、たとえば、マルチサイザー(コールター社製)等により求めることができる。また、外添微粒子の平均粒径(Dn)は、例えば、透過型電子顕微鏡による観察によって得られた画像から、必要に応じて自動計算を行う画像処理装置を用いることにより求めることができる。母体微粒子の真密度(ρt)および外添微粒子の真密度(ρn)は、たとえば、差圧式、浮沈式、浸漬式等の一般的な密度測定法より適宜選択して求めることができる。
【0020】
固着させる外添微粒子のBET法による比表面積は母体微粒子の比表面積に比べてはるかに大きいため、通常、固着後のトナーのBET法による比表面積は固着前の母体微粒子の比表面積と比して増加する。
本発明においては、固着前の母体微粒子のBET法による比表面積に対する固着後のトナーの比表面積の比は1以上、3.2以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下である。固着前の母体微粒子の比表面積に対する固着後のトナーの比表面積の比が前記の値を超える場合は、連続実写における外添微粒子固着状態の変化が大きくなり、画質の劣化が著しくなるため好ましくない。
【0021】
本発明における、母体微粒子表面への外添微粒子の固着方法は限定されないが、前記の通りに固着前の母体微粒子の比表面積に対する固着後のトナーの比表面積の比を3.2以内におさめるためには、圧縮剪断応力条件下に行うことが好ましい。即ち、被処理粒子に対して実質的な粉砕効果を伴うことなく粒子表面に対して圧縮応力及び剪断応力を加えることのできる装置(以下、圧縮剪断処理装置という)を使用して、母体微粒子と外添微粒子との混合物を圧縮剪断応力条件下におき、外添微粒子を母体微粒子の表面に固着させることが望ましい。この固着処理により、外添微粒子は母体微粒子の表面に強固に固着され、連続実写時にも外添微粒子の脱離や埋まり込みが起こり難いので、帯電性や流動性の低下による画質悪化等の問題が起こりにくい。
【0022】
好適に使用される圧縮剪断処理装置は一般に、両者間の面間隔を保持しながら相対的に運動するヘッド面とヘッド面、ヘッド面と壁面、或いは壁面と壁面、によって構成される狭い間隙部を有し、被処理粒子は該間隙部を強制的に通過させられることによって、実質的に粉砕されることなく、粒子表面に対して圧縮応力及び剪断応力が加えられように構成されている。使用される圧縮剪断処理装置としては、例えばホソカワミクロン社のメカノフュージョン装置および同様の機構を有する処理装置等が挙げられる。
圧縮剪断処理装置による固着処理条件は、使用する装置の形状、母体微粒子の軟化点やガラス転移温度等により最適化されるため限定されないが、通常、40〜80℃、好ましくは50〜70℃で処理することが望ましい。処理時間は装置の機種、装置のスケール、処理量、母体微粒子や外添微粒子の組成等に応じて最適化されるため限定されないが、通常、10〜120分程度である。
【0023】
本発明のトナーは、静電荷像を現像するものであれば、用いる現像方法に限定はなく、磁性トナー、非磁性トナーの何れに用いてもよく、一成分系現像用、二成分系現像用の何れに用いてもよい。また、接触帯電方式であっても非接触帯電方式であってもよく、接触現像方式であっても非接触現像(飛翔現像)方式であってもよい。また、黒色トナー、単色カラートナー、フルカラートナー用の何れにも使用できる。中で、本発明のトナーは、非磁性一成分現像用のトナーとして好適であり、カラートナーまたはフルカラー用トナーとして好適に用いることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、「部」は特記する以外は「重量部」を表す。
【0025】
[実施例1]
【0026】
【表3】
【0027】
上記の材料を混合機で混合した後、二軸混練機(池貝鉄工社製PCM−30)で溶融混練し、ジェットミルで粉砕して平均粒径8.5μmの母体微粒子を得た。母体微粒子の帯電量は27μC/g、BET法による比表面積は0.45m2 /gであった。
この母体微粒子100部に、外添微粒子として帯電量750μC/g、比表面積170m2 /gのシリカ(日本アエロジル社製:R974)を1.25部、帯電量460μC/g、比表面積30m2 /gのシリカ(日本アエロジル社製:NY50)を1.0部添加し、圧縮剪断処理装置(ホソカワミクロン社製:メカノフュージョンシステムAMS−LAB)で60℃、15分間処理し、母体微粒子上にシリカを固着させてトナーを得た。
トナーの平均粒径は8.5μm、BET法による比表面積は1.1m2 /g、外添微粒子の被覆率は102.5%であった。
【0028】
[実施例2]
実施例1における外添微粒子を、R974を1.6部のみとした以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。トナーの平均粒径は8.5μm、BET法による比表面積は1.0m2 /g、外添微粒子の被覆率は93.7%であった。
[実施例3]
実施例1における着色剤を、Pigment Blue No.15:3(大日本インキ化学工業株式会社製)を7部とした以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。圧縮剪断処理前の母体微粒子の帯電量は30μC/g、BET法による比表面積は0.40m2 /gであり、圧縮剪断処理後のトナーの平均粒径は8.5μm、BET法による比表面積は1.1m2 /g、外添微粒子の被覆率は102.5%であった。
【0029】
[比較例1]
実施例1における処理を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)での処理とした以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。処理後のトナーの平均粒径は8.5μm、BET法による比表面積は1.9m2 /g、外添微粒子の被覆率は102.5%であった。
[比較例2]
実施例1における外添微粒子を、帯電量250μC/g、比表面積30m2/gのシリカ(日本アエロジル社製:RY50)3.0部のみとした以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。圧縮剪断処理後のトナーの平均粒径は8.4μm、BET法による比表面積は1.0m2 /g、外添微粒子の被覆率は87.9%であった。
【0030】
上記各トナーを、有機光導電体(OPC)感光体を有する非磁性一成分接触方式のフルカラープリンタに装着して実写を行い、下記の方法に従って画像評価を行った。評価は、印刷初期(5枚目)および4kp(4000枚目)にて判断した。
【0031】
(1)画像濃度(表中、「ID」と表示)
ベタソリッド部のある画像パターンにて印字された黒ベタ部を日本平板機材社製X−lite936(光源C2、Aレスポンス)で測定した。評価基準は次の通りである。
【0032】
【表4】
○:1.3以上、
△:0.8〜1.3、
×:0.8以下。
【0033】
(2)かぶり(表中、「BG」と表示)
上記(1)の印字画像のうちの白色部分を日本電色社製白度計にて測定し、印字前との紙との差を調べた。評価基準は次の通りである。
【0034】
【表5】
○:1.0以下、
△:1.0〜2.0、
×:2.0以上。
【0035】
(3)ベタ追従性(表中、「ベタ」と表示)
A4サイズのベタ画像を印刷し、目試にて評価した。評価基準は次の通りである。
【0036】
【表6】
○:スリーブ2週目以降の画像濃度に変化が見られない、
△:スリーブ2周目以降の画像濃度が低い、
×:スリーブ2周目以降がかすれる。
【0037】
各例の製造条件等を表−1に、評価結果を表−2に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
初期画像評価及び連続実写の結果、実施例1〜3のトナーはいずれも良好な画像濃度、かぶり及びベタ追従性を示したが、比較例のトナーは初期画質に問題があるか、あるいは連続実写における画質の悪化が見られた。
【0041】
【発明の効果】
本発明によって、現像性に必要な高い帯電能力をもち、カブリが少なく、耐久性が求められる現像方式に適用しても連続実写での画質変化が少ないトナーが提供される。
Claims (4)
- バインダー樹脂及び着色剤を含む母体微粒子に外添微粒子が添加されてなる静電荷像現像用トナーであって、該外添微粒子が母体微粒子の表面に圧縮剪断応力条件下に固着されたものであり、かつ固着前の母体微粒子のBET法による比表面積に対する固着後のトナーのBET法による比表面積の比が2.2以上、3.2以下であり、かつ該外添微粒子のうち少なくとも一種類の帯電量の絶対値が300μC/g以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 外添微粒子のうち少なくとも一種類が、BET法による比表面積が120m2 /g以上である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 母体微粒子の帯電量の絶対値が40μC/g以下である、請求項1乃至3の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
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