JPH0862352A - 携帯時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁北の表示用装置を具備する携帯時計の厚さ
が厚くなってしまう。 【解決手段】 携帯時計は、地上の磁北を表示する装置
１４を有する。その地上の磁北表示用装置は、時計のム
ーブメント２の側面の外周領域の携帯時計のケース３２
に適合される。詳細には、地上の磁北表示用装置は、軸
１８に固定された永久磁石１６と、その軸に固定された
方向表示器２４を具備する。三つの特有の実施例に関
し、本発明の携帯時計により、第一に、磁北の表示が、
第二に、使用者が予め決定された任意の方向に従うこと
が、第三に、使用者が位置する地球上の少なくとも一つ
の位置からメッカに向くことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地上の磁北を表示
する装置を有する携帯時計に関する。詳細には、本発明
はその地上の磁北の表示用装置に関し、その活動要素
は、二極性の永久磁石によって形成される。

【０００２】

【従来の技術】地上の磁北（以下磁北）表示用装置を有
する携帯時計は、独国特許文献第Ｇ８３０６７１６．７
号から周知である。その文献は、ケースを具備する携帯
時計を説明し、該ケースには、アナログの時間表示器に
結合された時計のムーブメントが適合される。その文献
には、時計のムーブメントと携帯時計の文字盤の間に配
置された環状の二極式の永久磁石によって形成された磁
北表示用装置が提供され、上記説明された時間表示器を
保持する軸と永久磁石の軸が同軸になるように、その環
状の永久磁石は配置される。

【０００３】更に磁北表示用装置は、環状の永久磁石に
対して第一端部で固定された方向表示器を有し、その第
二端部が、携帯時計の文字盤に提供された円形の隙間に
位置することにより、その携帯時計の使用者は、地上の
磁束の方向に整列する環状の永久磁石の磁軸の方向を配
置可能である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記説明された磁北を
表示する装置を有する携帯時計は、ある主要な課題を有
する。

【０００５】最初に、時計のムーブメントと携帯時計の
文字盤の間に永久磁石を配置することにより、その携帯
時計の厚さが増加し、それは、携帯時計が腕に装着され
る際の快適さの理由と、美的なデザインの理由から、厚
さがより薄い携帯時計を提供するという時計屋の不変の
関心事に反する。

【０００６】携帯時計のムーブメントの中央軸と同軸
に、つまりその携帯時計の針の軸と同軸に、環状の永久
磁石の配置することは、計時用のムーブメントが磁性部
分、つまり低い磁気抵抗を示する部分を具備する場合
に、磁北表示用装置の作動に不都合である。そのような
永久磁石が、詳細には電気ムーブメントの電池から十分
に分離されない場合、そのような磁性部分は、地上の磁
性領域を妨害し、更に永久磁石をその地上の磁性領域か
ら独立して方向付けしてしまう。

【０００７】それゆえ、永久磁石が時計のムーブメント
の磁性部分の近くに配置される場合、磁北表示用装置
は、正確に作動しない。一方、磁性部分がムーブメント
から遠くに移動され、その永久磁石の磁性部分の引力を
減少させる場合、携帯時計の厚さはかなり増加され、そ
のような時計は将来の市場には向かない。

【０００８】更に、磁性部分を具備するムーブメント上
への永久磁石の配置により、地上の磁束は、その磁性部
分によって限定される領域に集中される。それゆえ、磁
北の装置の永久磁石を横断する地上の磁束密度は減少さ
れる。そのため、その装置の効果も減少される。

【０００９】本発明の目的は、磁北の表示用装置を具備
する携帯時計を提供して上記課題を解決することであ
り、装置の配置によって、携帯時計の厚さが厚くされる
ことがない又は厚くされる量がより小さくされ、更に、
その磁気の作用によって、地上の磁北の正確な表示が可
能になる。

【００１０】

【課題を解決するための手段】これを達成するために、
本発明は、最初に、時計のムーブメントと、該時計のム
ーブメントが内部に適合されたケースと、該ケース内に
適合された磁北表示用手段とを具備する携帯時計に関す
る。その磁北表示用手段は、第一回転軸の周りを回転可
能な二極式の永久磁石と、該永久磁石に確実に固定され
た方向表示器とを具備する。永久磁石は、該第一回転軸
に概略垂直な磁軸を限定する半径方向の磁化を示す。そ
の携帯時計は、永久磁石が時計のムーブメントの側面の
外周領域内に配置されることを特徴とする。

【００１１】そのような特徴の結果、磁北表示用装置の
活動要素を形成する永久磁石により、必ずしも携帯時計
の厚さが増加するわけではなく、そのような永久磁石
は、携帯時計の時計のムーブメントの側面に配置され
る。

【００１２】本発明の特有の特徴に関し、永久磁石は軸
に固定され、その軸には、方向表示器が固定される。方
向表示器は、携帯時計の文字盤とクリスタルの間に配置
され、永久磁石は、その携帯時計の裏面の覆い部と文字
盤の間に配置される。

【００１３】第一実施例の変形例に関し、永久磁石は、
携帯時計に収容された時計のムーブメントの外周側面領
域の外部に配置される。第二実施例に関し、永久磁石
は、時計のムーブメントの外周領域の内部に配置され、
二つの旋回支軸を有する永久磁石を保持する軸は、その
時計のムーブメントのフレーム構造に適合された二つの
ベアリング内にそれぞれ固定される。

【００１４】本発明に関する磁北表示用装置による地上
の磁北の方向の正確な表示を保証するために、本発明
は、第二に、時計のムーブメントが磁性部分、詳細には
電気の時計のムーブメントを具備する携帯時計に関す
る。磁北表示用装置の永久磁石は、上記説明されたよう
に携帯時計のケース内にかつ該磁性部分から十分離れて
配置され、その結果、その最小エネルギ位置は、携帯時
計を横断する地上の磁束によって基本的に決定される。

【００１５】本発明の特有の特徴に関し、永久磁石は、
携帯時計のケースの狭い空間に収容されるように、比較
的小さい直径の軸に直接固定されたリングによって形成
され、方向表示器は、環状の永久磁石の半径方向の寸法
よりかなり大きい縦の寸法を有し、非磁性材料で形成さ
れる。

【００１６】従って、永久磁石で形成される磁北表示用
装置の活動要素は、携帯時計に含まれる時計のムーブメ
ントの磁性部分から離されることが可能であり、その
際、活動要素は、方向表示器によって表示される磁北方
向の正確な判断を害することなくその携帯時計のケース
の端部に配置される。その方向表示器は、非磁性である
ため、本発明の磁北表示用装置の精度及び感度を害する
ことなく時計のムーブメントの磁性部分に近接すること
が可能である。

【００１７】地上の磁北表示用装置及び方向表示器の活
動要素が互いに材料的に分けられるため、本発明に関
し、方向表示器が地上の磁北の方向に正確に向けられる
ように、永久磁石の磁軸に関して方向表示器は向けら
れ、その際、方向表示器は、位置決め用参考目印に整列
される。方向表示器の縦の軸と永久磁石の磁軸の間の角
度の分離部は、時計のムーブメントに存在する磁性部分
によってもたらされる地上の磁性領域の妨害、及び上述
された位置決め用参考目印の位置に依存する。

【００１８】本発明の他の目的は、磁北を表示する装置
を有する携帯時計を提供することであり、例えば上記説
明されたように、使用者がそのような携帯時計を腕に有
して方向に従う、つまり、地上の磁北に関して予め決定
された方向に従うことが可能になる。

【００１９】本発明の他の目的は、磁北表示用装置を具
備する携帯時計を提供することであり、例えば上記説明
されたように、その装置は、少なくとも一つの他の位置
から与えられた位置の方向を表示する。詳細には、方向
が与えられる位置はメッカである。

【００２０】本発明の他の特徴及び効果は、限定ではな
く例としての添付の図面を参照し、以下の説明により、
説明される。

【００２１】

【発明の実施の形態】図１により、本発明の第一実施例
が以下説明される。

【００２２】図１において、携帯時計１は、時間のアナ
ログ表示を行う二つの針４及び６に結合された時計のム
ーブメント２を具備する。更に携帯時計１は、硝子ぶち
１０に締結されたクリスタル８と、携帯時計のケースの
裏面の覆い部を形成するケースバンド１２とを具備す
る。

【００２３】更に携帯時計１は、地球の磁北の方向を表
示する装置１４を具備する。その装置１４は、回転軸２
０を限定する軸１８に固定された二極式の永久磁石１６
を具備する。二極式の永久磁石１６は、回転軸２０に垂
直な（図示されない）磁軸を限定する。

【００２４】磁石１６を有する軸１８は、保持器２２の
内部に収容される。その保持器２２は、時計のムーブメ
ント１２の側面の外周領域の外部のケースバンド１２に
適合される。

【００２５】方向表示器２４は、軸１８に確実に結合さ
れる。その方向表示器２４は、以下より詳細に説明され
るように、作用して磁北の方向を表示する。

【００２６】永久磁石１６は、時計のムーブメント２の
側面の外周領域に配置され、更に携帯時計１の文字盤２
６とその携帯時計の裏面の覆い部の間に配置される。特
に、本実施例の装置１４の配置により、携帯時計１の厚
さはほとんど増加していない。方向表示器２４は、携帯
時計１の文字盤２６とクリスタル８の間に、時針６と同
一の高さに配置され、分針４は、方向表示器２４の上を
通過するように配置される。そのため、方向表示器２４
によって、携帯時計１の厚さが増加することはない。

【００２７】図２には、図１の第一実施例の変形例が示
される。携帯時計３１はケースバンド３２を具備し、ケ
ースバンド３２上には、クリスタル８及び分離可能な裏
面の覆い部３４が締結される。時計のムーブメント２は
ケーシングリング３６に固定され、ケーシングリング３
６の表面には、携帯時計３１の文字盤２６が提供され
る。更にその携帯時計３１は磁北表示用装置１４を具備
し、その装置１４は、図１に示されたものと同一である
が、ケーシングリング３６内に配置される。図２には、
永久磁石１６の磁軸３８が示されている。図１で既に説
明された他の関連部品は、ここでは詳細にもう一度説明
されない。

【００２８】永久磁石１６は、時計のムーブメント２の
外周領域の外側に配置される。実施例のこの変形例で
は、時計のムーブメント２は、ケースバンド３２に関し
て中心から外れた位置に配置される。磁北の方向を表示
する装置１４の配置により、ここでも携帯時計３１が過
度に厚くされることはない。

【００２９】ケーシングリング３６に適合された保持器
２２は二つのベアリング４０及び４２を有し、ベアリン
グ４０及び４２には、それぞれ軸１８の二つの旋回支軸
４４及び４６が案内される。軸１８の第一端部を形成す
る第一旋回支軸４６は、保持器２２に適合された受け石
４８に支持される。軸１８の第二端部を形成する旋回支
軸４４は、ベアリング４０を横断し、そのベアリング４
０を越えて延長され、その結果、方向表示器を形成する
針２４の管は、旋回支軸４４に確実に固定されることが
可能である。

【００３０】図３には、図２によって説明された第一変
形例と同等の、第一実施例の第二変形例が示される。こ
の図３には、下から見られかつ裏面の覆い部が除かれた
携帯時計５１が示される。その携帯時計５１は、ケーシ
ングリング５４に固定された時計のムーブメント５２を
具備する。図１及び２によって説明されたものと類似
の、磁北の方向を表示する装置１４は、図２と同等の方
法でケーシングリング５４に適合される。

【００３１】時計のムーブメント５２は、詳細には、モ
ータ５６と電池の区画５８を具備する電気的なムーブメ
ントである。モータ５６の固定子６０及び区画５８に適
合される（図示されない）電池は、磁性部分、つまり、
迅速に磁束を伝導する磁気抵抗の低い部分を形成する。

【００３２】磁北の方向を表示する装置１４の保持器２
２は、その装置１４の（図３には見られない）永久磁石
を包囲し、時計のムーブメント５２の側面の外周領域６
４に対して内側の領域６２に限定される。詳細には、保
持器２２は、時計のムーブメント５２の磁性部分から分
離され、更に時計のムーブメント５２の中心軸に関し
て、電池の区画５８の反対側に配置される。該電池の区
画５８は、時計のムーブメント５２の電気回路に電圧を
与えるのに必要な電池を収容する。

【００３３】磁北の方向を表示する装置１４の永久磁石
は、ムーブメント５２の電気回路に電圧を与える電池か
ら分離され、その電池は、携帯時計５１を横断する地上
の磁束を妨害する主要な磁気要素の一つである。時計の
ムーブメント５２と装置１４とを携帯時計５１に適合さ
せる際、時計のムーブメント５２の磁性部分から装置１
４の永久磁石を分離する距離は、十分に確保されなけれ
ばならず、その結果、永久磁石のエネルギが最小の位置
は、携帯時計５１を横断する地上の磁束によって基本的
に決定される。

【００３４】実際には、装置１４の永久磁石が、時計の
ムーブメント５２の磁気部分の近くに配置される場合、
その磁性部分及び詳細にはそれらの構成によって、装置
１４の永久磁石の配置が決定される。この場合、その装
置１４は、磁北の方向を表示する効力が完全ではなくな
り、その結果、永久磁石のエネルギが最小の位置は、磁
性部分によって決定される。磁北を表示する装置１４の
配置及び携帯時計５１内の時計のムーブメント５２に関
する永久磁石の配置により、本発明はこの問題を解決す
る。更に、携帯時計５１の厚さを増すことなく、本発明
は、磁北を表示する装置１４の効力及び感度の問題を解
決する。

【００３５】図４には、本発明に関する携帯時計の第二
実施例が部分的に示される。

【００３６】この第二実施例では、磁北を表示する装置
１４は、時計のムーブメント７２に適合される。

【００３７】図１〜３で既に説明された関連部品は、こ
こでは再度詳細に説明されない。

【００３８】永久磁石１６が固定された装置１４の軸１
８は、時計のムーブメントのフレーム構造７２の第一部
分７４と第二部分７６の間に適合される。ベアリング４
０及び４２は、この目的のために時計のムーブメントの
部分７４及び７６にそれぞれ提供された二つの開口部に
適合される。更に、軸１８の旋回支軸４６は受け石４８
に支持され、旋回支軸４４は、文字盤２６の方向にベア
リング４０を横断する。装置１４の方向表示器を形成す
る針２４の軸７８は、旋回支軸４４に確実に締結され
る。

【００３９】それゆえ、軸１８及び磁石１６は、完全に
時計のムーブメント７２の厚さ内に収容される。更に、
針２４は文字盤２６上に配置される。

【００４０】時計のムーブメントが磁性部分を具備する
場合、磁性部分に近接する領域の地上の磁束の流動方向
は、その磁性部分の存在によって変更される。更に、磁
性部分の存在によってもたらされる永久磁石の磁軸方向
の妨害は、永久磁石及びその磁性部分の相対位置の作用
によって変化する。そのため、地上の磁北によって限定
される関連部品のフレーム構造内で、磁性部分に関して
永久磁石の配置が変化する場合、磁北表示用装置の永久
磁石の磁軸によって限定される方向は、磁北の方向に関
して可変の偏向角度を示す。

【００４１】図５及び６により、上記説明された問題に
対する、本発明による解決方法が以下説明される。

【００４２】図５には、上から見られた、二極式の永久
磁石１６及びその磁軸３８、磁石１６が固定された軸１
８、及び本発明に関する地上の磁北を表示する装置の方
向表示器２４が示される。

【００４３】図６には、本発明に関する携帯時計、及び
詳細にはその携帯時計の文字盤８２の配置の概略の平面
図が示される。方向表示器２４の回転軸２０は、文字盤
８２の端部に配置され、更に１２時の位置に整列され
る。針４及び６による一日の時間の表示に関する表示に
加えて、矢印８５によって形成される位置決め用参考目
印８４が提供される。

【００４４】地上の磁北の方向の正確な表示を保証する
ために、方向表示器２４の縦の軸８６は、角度αだけ角
度が付けられている。その角度αは、以下の方法で正確
に決定される。その方法では、方向表示器２４は、妨害
されていない地上の磁性領域の南北方向に整列された縦
の軸８６を有し、その際にその縦の軸８６は目印８４に
整列される。実際には、角度αの値は、理論的に計算さ
れる必要がない。この方法で、永久磁石１６の磁軸３８
に対して方向表示器２４の角度を配置するために、位置
決め用参考目印８４の矢印８５は、方向表示器２４の組
立の際に、妨害されていない磁性領域の南北方向に沿っ
て容易に配置可能である。これを達成するために、妨害
されていない地上の磁束の正確な南北方向を表示する関
連部品のフレームを使用する可能性が特に高い。一度、
（図示されない）時計のムーブメント及び文字盤８２が
正確に位置決めされると、上記説明された方向表示器を
構成する針２４は、以下の方法で装置１４の軸１８に固
定される。その方法では、針２４の縦の軸８６は目印８
４上に整列される。つまり、その縦の軸８６は、位置決
め用参考目印８４の矢印８５によって与えられた方向に
従って向けられる。

【００４５】上記説明されたものによりもたらされる結
果として、方向表示器２４の縦の軸８６及び位置決め用
参考目印８４の矢印８５は、地上の磁北の方向を正確に
示し、その際、縦の軸８６は位置決め用参考目印８４上
に整列される。

【００４６】位置決め用参考目印８４は、方向表示器２
４が適切に整列される少なくとも一つの点を限定する任
意の手段によって形成可能である。方向表示器２４がそ
の回転軸２０を中心に回転すると、単一の位置決め用点
により、方向表示器２４の縦の軸８６のために提供され
る方向が限定可能になる。それゆえ、位置決め用参考目
印が点以外の幾何学的な形状を限定する場合、その幾何
学的な形状は、回転軸２０を遮断する一般的な方向を示
す。

【００４７】本発明に関する地上の磁北の方向を表示す
る装置１４の配置により、装置１４の永久磁石１６が限
定される領域を横断する地上の磁束上の時計のムーブメ
ントの磁性部分によりもたらされる変調は修正される。
その際、装置１４の方向表示器２４は、本発明の携帯時
計に提供される位置決め用参考目印８４上に整列され
る。

【００４８】それゆえ、方向表示器２４が、位置決め用
参考目印８４上に整列された縦の軸８６を有さない場
合、方向表示器２４は、正確に地上の磁北の方向を表示
せず、更に、方向表示器２４の縦の軸８６と、位置決め
用参考目印８４によって限定される方向との間の角度の
分離部は大きくなる。

【００４９】方向表示器２４が地理的な北の方向を表示
可能にするために、磁気偏角の大きさを限定する目盛部
８８が文字盤８２上に提供される。地球の表面のある位
置の磁気偏角は、磁北の地理的な方位に相当する、つま
り、地理的な北の方向と磁北の方向の間に形成される角
度と等しい。図６に示される携帯時計の使用者の位置の
磁気偏角が認識されることにより、方向表示器２４の縦
の軸８６は、その磁気偏角に相当する目盛上に整列可能
になる。図６には、方向表示器２４の右に配置された目
盛部８８の部分は、負の磁気偏角に相当する、つまり、
磁気偏角の西Ｗに相当し、その方向表示器２４の左に配
置された目盛部８８の部分は、正の磁気偏角に相当す
る、つまり、磁気偏角の東Ｅに相当する。

【００５０】第一の近似として、目盛部８８は直線であ
る。しかしながら、好適な実施例では、目盛部８８は以
下の方法で整列されて提供される。その方法では、零の
磁気偏角に相当する目盛と、方向表示器２４の回転軸２
０に関する零でない磁気偏角に相当する他の目盛との間
に形成される角度は、永久磁石の領域を流動する地上の
磁束上の変調を統合し、その際、時計のムーブメントは
磁性部分６０を具備する。

【００５１】時計のムーブメントが磁性部分を具備しな
い場合、永久磁石１６の磁軸３８と方向表示器の縦の軸
８６との間の角度αは零の値を有し、磁気偏角を考慮可
能な目盛部８８は、直線である。

【００５２】図６の実施例では、方向表示器２４の移動
を限定する二つの停止部材９０及び９１が提供される。
図６から明らかなように、方向表示器２４の回転軸２０
は、携帯時計の文字盤８２の端部に配置され、更に、方
向表示器２４を構成する針は、文字盤８２の中央方向に
向けられ、その際、その針は、位置決め用参考目印８４
の矢印８５に整列される。それゆえ、本発明に関する装
置が配置されると、方向表示器２４によって磁北の方向
の正確な判断が可能になり、その際、本発明の携帯時計
の端部に配置された地上の磁北を表示する装置の永久磁
石が配置される、つまり、その携帯時計に含まれる時計
のムーブメントの側面の外周領域に配置される。方向表
示器２４は、非磁性材料で形成される。それゆえ、時計
のムーブメントの磁性部分の近くにそのような方向表示
器２４が存在することにより、本発明の磁北を表示する
装置の精度及び感度が狂うことはない。

【００５３】図７〜９により、予め決定された方向に従
う、本発明に関する携帯時計の第三実施例が以下説明さ
れる。

【００５４】携帯時計９４は、本発明に関する地上の磁
北の表示を行う装置１４を具備する。携帯時計９４は、
使用者の腕に装着される腕時計である。その携帯時計
は、ケース９８内に配置された文字盤９６を具備する。

【００５５】装置１４は、二つの環状の部分により限定
される合間に形成される位置決め用参考目印１００と結
合された方向表示器２４を具備する。文字盤９６には、
少なくとも一部分が風配図を形成する目盛部１０２が提
供される。装置１４の軸２０は、北の方向の表示に相当
する目盛に配置される。文字盤９６上の回転軸２０の突
起及び位置決め用参考目印１００を限定する合間は、目
盛部１０２の南北方向に配置される。

【００５６】本発明に関し、中に文字盤９６及び携帯時
計９４の（図示されない）時計のムーブメントが適合さ
れたケース９８は、携帯時計９４のブレスレット１０６
に関して中心軸１０４の周りを回転可能である。これを
達成するために、ケース９８は、ブレスレット１０６に
確実に固定された支持部１１０に回転可能に固定され
る。例として、支持部１１０に関してケース９８を回転
可能な装置は、ケース９８に固定された歯付きホイール
と、支持部１１０に固定されるそのホイールの角度位置
決め用つめを少なくとも一つ具備する。当業者に周知の
他の装置、詳細には、回転する硝子ぶちを有する携帯時
計に使用される装置と同等の装置は、携帯時計９４の適
合に使用可能である。

【００５７】目盛部１０２は、地球の四方点に相当する
少なくとも四つの目盛を具備し、目盛は、位置決め用参
考目印１００及び回転軸２０によって与えられる北方向
を示す。図７〜９で説明される携帯時計９４により、使
用者が携帯時計を装着する際に、進路、つまり予め決定
された方向に容易に従うことが可能になる。

【００５８】図７〜９により、進路に従うために携帯時
計９４が使用可能な方法は、以下説明される。携帯時計
９４が時間表示に使用される際、装置１４の回転軸２０
は、ケース９８の回転軸に関して回転されて、予め決定
された位置に配置される。図７では、その予め決定され
た位置は、支持部１１０に関して携帯時計９４の１２時
の位置に相当する。一方で、使用者が、例えば南西の方
向である、予め決定された方向に従うために携帯時計９
４を使用する場合、南西の方向に相当する目盛部１０２
の目盛１１２が携帯時計９４の支持部１１０の１２時の
位置に回転して配置されるまで、使用者は、携帯時計９
４のケース９８を回転させる。続いて、使用者は、前腕
１１４を概略水平にし、携帯時計が、頭部をさして配置
されるように、前腕１１４を体の胴の前に配置する。そ
れから、図９に示されるように、方向表示器２４が位置
決め用参考目印１００に整列されるまで、使用者自信が
回転する。それゆえ、従うために使用者が選択した、予
め決定された方向は、ケース９８の回転軸１０４と一致
する円形の目盛部の中心に関して、目盛部１０２の目盛
１１２によって与えられる方向に相当する。それから、
この方向は、携帯時計９４の使用者の通常の歩行方向に
相当する。

【００５９】選択された方向に従うために、使用者は、
方向表示器２４が位置決め用参考目印１００に整列され
ているかを確認する。携帯時計９４の使用者が配置され
る場所が磁気偏角を示す場合、及びその磁気偏角を考慮
可能な目盛部が提供される場合、使用者は、方向表示器
２４が、携帯時計９４の使用者の位置の磁気偏角に相当
する目盛部の目盛に整列されているかどうかを確認す
る。

【００６０】図１０により、少なくとも一つの他の位置
に関する予め決定された位置の方向を表示する本発明に
関する携帯時計の第三実施例が以下説明される。

【００６１】その第三実施例に関する携帯時計１２０
は、回転可能な硝子ぶち１２４を有するケース１２２を
具備する。二つの針１２６及び１２７は、一日の時間の
アナログ表示が可能である。更に、携帯時計１２０は、
上記説明されたものと同等の地上の磁北の方向を表示す
る装置１４を具備し、更に、文字盤１２８は、方向表示
器２４と結合された位置決め用参考目印１２５を具備す
る。

【００６２】図１０に示される例では、使用者が、文字
盤１２８上に記された一連の都市からメッカへの方向を
決定可能なように、携帯時計１２０は配列され、更に、
文字盤１２８には、回転する硝子ぶち１２４の回転軸１
３２に関する文字盤１２８の面の角度位置を限定する、
角度参考目印１３０がそれぞれ結合される。与えられた
目印１３０と、回転する硝子ぶちの回転軸１３２と、方
向表示器２４の回転軸２０とによって文字盤１２８の面
に形成される角度は、与えられた角度参考目印１３０に
相当する都市によって限定された位置の磁北の方向と、
メッカの方向との間の磁性の方位に相当する。

【００６３】文字盤１２８に記された都市からメッカの
方向を正確に決定するために、目印１３４と、使用者が
位置する都市の角度参考目印１３０とが、回転軸１３２
の文字盤１２８の突起に整列されるまで、硝子ぶち１２
４は回転される。続いて、方向表示器２４が、上記説明
されたように参考目印１２５に整列されるまで、携帯時
計１２０は、使用者によって回転される。方向表示器２
４が参考目印１２５に整列されると、メッカの方向は、
回転する硝子ぶちに提供される参考目印１３４及びその
回転する硝子ぶちの回転軸１３２によって限定される方
向に相当する。使用者がメッカの方向を正確に決定する
のをを容易にするために、回転軸１３２に関して参考目
印１３４の反対側の回転する硝子ぶち１２４上に、メッ
カの方向を指す参考目印１３６が提供される。それゆ
え、参考目印１３４及び１３６によって決定される方向
により、使用者は、容易にメッカの方向を決定可能であ
る。

【００６４】実施例の変形例では、ケース１２２が文字
盤１２８を具備する場合、（部分的に示された）地上の
磁北表示用装置１４とケース１２２内に提供された（図
示されない）時計のムーブメントは、適合されて、携帯
時計１２０の（図示されない）ブレスレットに関して回
転する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の第一実施例の断面図である。

【図２】図２は、本発明の第一実施例の第一変形例の断
面図である。

【図３】図３は、図２の第一実施例のの第一変形例と同
等の第二変形例の下面図である。

【図４】図４は、本発明の第二実施例の部分断面図であ
る。

【図５】図５は、本発明に関する地上の磁北表示用装置
を配置した概略の平面図である。

【図６】図６は、本発明に関する携帯時計の文字盤の実
施例の変形例の概略の平面図である。

【図７】図７は、予め決定された方向へ従う本発明に関
する携帯時計の第三実施例及びその操作方法を説明す
る。

【図８】図８は、図７と同様に、予め決定された方向へ
従う本発明に関する携帯時計の第三実施例及びその操作
方法を説明する。

【図９】図９は、図７及び８と同様に、予め決定された
方向へ従う本発明に関する携帯時計の第三実施例及びそ
の操作方法を説明する。

【図１０】図１０は、メッカの方向を使用者に表示する
本発明に関する携帯時計の第四実施例の概略の平面図で
ある。

【符号の説明】

２…時計のムーブメント １４…装置 １６…永久磁石 １８…軸 ２４…方向表示器 ３２…ケース

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 時計のムーブメント（２；５２；７２）
   と、内部に該時計のムーブメントが適合されたケース
   （１２；３２、３４；９８）と、該ケース内に適合され
   た地上の磁北の表示手段（１４）とを具備し、該地上の
   磁北の表示手段は、第一回転軸（２０）の周りを回転可
   能な二極式の永久磁石（１６）と、該永久磁石に確実に
   固定された方向表示器（２４）とを具備し、該永久磁石
   は、該第一回転軸に概略垂直な磁軸（３８）を限定する
   半径方向の磁化を示す、携帯時計において、該永久磁石
   （１６）は、該時計のムーブメントの側面の外周領域に
   配置されることを特徴とする携帯時計。
2. 【請求項２】 該永久磁石（１６）は軸（１８）に固定
   され、該軸（１８）には該方向表示器（２４）が固定さ
   れ、該方向表示器は、文字盤（２６；８２；１２８）と
   該携帯時計のクリスタル（８）の間に配置され、該永久
   磁石は、該携帯時計の該文字盤と裏面の覆い部の間に配
   置されることを特徴とする請求項１に記載の携帯時計。
3. 【請求項３】 該永久磁石（１６）は、該時計のムーブ
   メント（２；５２）の側面の外周領域の外部に配置され
   ることを特徴とする請求項１又は２に記載の携帯時計。
4. 【請求項４】 該永久磁石（１６）は、該時計のムーブ
   メント（７２）の側面の外周領域の内部に配置され、該
   軸（１８）は、該時計のムーブメント内に適合された二
   つのベアリング（４０、４２）にそれぞれ固定された二
   つの旋回支軸（４４、４６）を有する該永久磁石を保持
   することを特徴とする請求項１又は２に記載の携帯時
   計。
5. 【請求項５】 該時計のムーブメント（５２）は磁性部
   分を具備し、該永久磁石（１６）は、基本的に地上の磁
   束によって決定されるエネルギ位置が最小にされる程
   度、該磁性部分から十分離れて該携帯時計のケース内に
   適合されることを特徴とする上記請求項のいずれか一つ
   の項に記載の携帯時計。
6. 【請求項６】 該永久磁石（１６）は、該携帯時計の寸
   法に関して小さい半径方向の寸法のリング形状を有し、
   該方向表示器は、非磁性材料で構成され、更に該第一回
   転軸から、該永久磁石の半径方向の寸法よりかなり超過
   した縦の寸法を示すことを特徴とする請求項５に記載の
   携帯時計。
7. 【請求項７】 該永久磁石（１６）は、電池が該時計の
   ムーブメント（５２）の中心軸に関して限定される領域
   の反対側の、該ケースの領域（６２）に配置されること
   を特徴とする請求項５又は６に記載の携帯時計。
8. 【請求項８】 該方向表示器（２４）は、縦の軸（８
   ６）を限定しかつ位置決め用参考目印（８４、１００、
   １２５）に結合され、該位置決め用参考目印（８４、１
   ００、１２５）に沿って該縦の軸は適合されて整列さ
   れ、該永久磁石（１６）の該磁軸（３８）及び該方向表
   示器（２４）の該縦の軸（８６）は、角度分離部（α）
   を示し、該角度分離部（α）の値は、該磁性部分と、該
   第一回転軸（２０）に関する該位置決め用参考目印の位
   置との作用であり、該値は、該縦の軸（８６）が該位置
   決め用参考目印に整列される際に、地上の磁北の方向を
   正確に該方向表示器（２４）が表示する方法で決定され
   ることを特徴とする請求項５〜７のいずれか一つの項に
   記載の携帯時計。
9. 【請求項９】 該方向表示器（２４）に結合された第一
   目盛部（１０２）を具備し、該目盛部は、少なくとも四
   方点を同定可能であることを特徴をする請求項８に記載
   の携帯時計。
10. 【請求項１０】 該第一回転軸（２０）及び該位置決め
    用参考目印（１００）によって該携帯時計の一般的な面
    に限定される方向は、該第一目盛部（１０２）の南北方
    向に相当することを特徴をする請求項９に記載の携帯時
    計。
11. 【請求項１１】 該携帯時計の一般的な面に垂直な第二
    回転軸（１３２）の周りを回転可能な、メッカの方向の
    表示手段（１２４、１３４、１３６）を具備し、該第二
    回転軸は、該携帯時計の該一般的な面に描かれた、メッ
    カの地理的な位置の代表的な点を限定し、該携帯時計
    は、地球上の位置又は領域を代表する少なくとも一つの
    角度参考目印（１３０）を有し、地球上ではメッカの方
    向を表示する該手段（１３４）に属する方向参考目印が
    整列可能であり、方向参考目印が該時計の使用者の位置
    に相当する該角度参考目印に整列されると、メッカの方
    向は、該方向参考目印によって提供され、更に、該方向
    表示器（２４）の該縦の軸（８６）は、該位置決め用参
    考目印（１２５）上に整列されることを特徴とする請求
    項８〜１０のいずれか一つの項に記載の携帯時計。
12. 【請求項１２】 一連の角度参考目印（１３０）は、一
    連の都市に相当して提供され、各該都市では、該方向参
    考目印（１３４）は適合されて整列され、該角度参考目
    印は、該第二回転軸（１３２）の周りに横設されること
    を特徴とする請求項１１に記載の携帯時計。
13. 【請求項１３】 該第一目盛部（１０２）は、該ケース
    （９８）の要素に横設され、該ケースは、該携帯時計の
    ブレスレット（１０６）に固定されて結合された支持部
    （１１０）に回転可能に固定され、該ケースは、該支持
    部に関して、該携帯時計の１２時の位置に該目盛部のい
    ずれかの目盛を配置する方法で、適合されて回転するこ
    とを特徴とする請求項９又は１０に記載の携帯時計。
14. 【請求項１４】 磁気偏角の大きさを限定する第二目盛
    部（８８）を具備し、該方向表示器の該縦の軸（８６）
    が該第二目盛部のいずれかの目盛に適合されて整列され
    る方法で、該第二目盛部は、該方向表示器（２４）に結
    合されることを特徴とする請求項８、９、１０及び１３
    のいずれか一つの項に記載の携帯時計。