JPH0856567A - カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法 - Google Patents

カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法

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JPH0856567A
JPH0856567A JP6201825A JP20182594A JPH0856567A JP H0856567 A JPH0856567 A JP H0856567A JP 6201825 A JP6201825 A JP 6201825A JP 20182594 A JP20182594 A JP 20182594A JP H0856567 A JPH0856567 A JP H0856567A
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milk
pectin
acidic
concentrated beverage
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Yuichi Maruoka
裕一 丸岡
Kunikatsu Tanaka
国勝 田中
Toshinari Matsunami
俊成 松波
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Abstract

(57)【要約】 【構成】pH3.0〜4.0に調整した酸性乳、ペクチ
ン及びカルシウム成分を含む原材料を均質化した濃縮飲
料であって、酸性下において、前記濃縮飲料中の粒子の
平均径が4.0μm以下であるカルシウム強化乳性酸性
濃縮飲料、並びに前記原材料のうち酸性乳とペクチンと
を含む原材料を均質化処理した後、カルシウム成分を混
合する濃縮飲料の製造方法。 【効果】前記濃縮飲料は、飲用時のカルシウム含有量が
牛乳並みに強化されており、しかも乳性酸性飲料の風味
をも合わせ持っている。従ってカルシウム強化された新
規な乳性酸性飲料としての利用が期待できる。また前記
製造方法では、前記濃縮飲料を、容易に且つ工業的に製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原材料として酸性乳、
ペクチン及びカルシウム成分を含み、長期間保存時にお
いて乳蛋白質成分の凝集・沈殿を実質的に生じることが
なく、風味が良好な新規なカルシウム強化乳性酸性濃縮
飲料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乳性酸性飲料は、マイルドな風味
と消費者の自然志向、更に健康な飲料として、今日の清
涼飲料業界において代表的な地位を占めている。しか
し、これらの乳蛋白質含有酸性飲料は、乳蛋白質が酸性
下において不安定なために、乳蛋白質の凝集・沈殿を生
じやすい。この凝集・沈殿を生じた飲料は、著しく外観
を損ねるばかりでなく、飲用時に風味も変化して清涼感
を損ねる。
【0003】この様な問題を解決するために種々の技術
が開発されている。例えば、ショ糖脂肪酸エステルを添
加する方法(特公昭59−41709号公報)、ペクチ
ン又はペクチンとカラギーナンを添加する方法(特公昭
61−22928号公報)、タマリンド種子多糖類及び
グアーガムペクチンを添加する方法(特公平1−255
53号公報)、ペクチンとフィチン酸とを添加する方法
(特開平4−99442号公報)及び酸乳を加圧均質化
する方法(特開平5−43号公報)等が提案されてお
り、乳蛋白質が酸性下において均質化された種々の飲料
が市販されている。
【0004】一方、日本人に不足しているカルシウムを
補うために、カルシウム含有量を増加させた各種カルシ
ウム強化飲料が注目されている。しかし、従来提案され
ているカルシウム強化飲料は、そのpHが略中性付近の
ものであり、前記乳蛋白質が酸性下において均質化処理
した飲料において、カルシウムが強化されたものについ
ては知られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸性
下において、乳蛋白質とカルシウム成分とが均質化して
おり、長期保存時においても乳蛋白質成分の凝集・沈澱
が実質的に生じることがない風味良好な新規なカルシウ
ム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
pH3.0〜4.0に調整された酸性乳、ペクチン及び
カルシウム成分を含む原材料を均質化した濃縮飲料であ
って、酸性下において、前記濃縮飲料中の粒子の平均径
が4.0μm以下であることを特徴とするカルシウム強
化乳性酸性濃縮飲料が提供される。また本発明によれ
ば、必須原材料として、pH3.0〜4.0に調整され
た酸性乳、ペクチン及びカルシウム成分を用いた、カル
シウム強化乳性酸性濃縮飲料の製造方法であって、前記
必須原材料のうち酸性乳とペクチンとを含む原材料を均
質化処理した後、カルシウム成分を混合することを特徴
とするカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料の製造方法が提
供される。
【0007】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
のカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料(以下濃縮飲料と称
す)は、pH3.0〜4.0に調整された酸性乳、ペク
チン及びカルシウム成分を含む原材料を均質化した濃縮
飲料であって、酸性下において、濃縮飲料中の粒子の平
均径が4.0μm以下、好ましくは1.5〜3.0μm
以下、特に好ましくは1.5〜2.5μmであることを
特徴とする。前記平均径が4.0μmを超えると、乳蛋
白質成分の凝集・沈澱が顕著に生じ、得られる飲料の外
観並びに風味を損ねる。
【0008】前記原材料に用いる酸性乳は、乳をpH
3.0〜4.0に酸性化したものであって、該乳として
は、動物、植物の由来を問わず用いることができる。具
体的には例えば牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳;大
豆乳等の植物乳が挙げられ、原料形態としては全脂乳、
脱脂乳あるいは乳清等を用いることができ、更には粉
乳、濃縮乳から還元した乳等も使用できる。これらの乳
は、酸性乳調製時において単独若しくは混合物として用
いることができる。
【0009】前記乳を酸性化して酸性乳とするには、公
知の乳酸菌等の微生物による有機酸の生成による方法、
有機酸類、無機酸類、果汁又はこれらの混合物等を乳に
添加する方法、あるいはこれらの方法を併用する方法等
により行うことができる。このような乳の酸性化は、得
られる酸性乳のpHが3.0〜4.0となるように調製
できれば公知の方法で行うことができる。前記乳に添加
し得る有機酸類としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、
酒石酸、グルコン酸、琥珀酸、フマル酸等を挙げること
ができ、前記無機酸類としては、リン酸等を挙げること
ができる。また果汁としては、リンゴ、オレンジ、ブド
ウ、グレープフルーツ、アセロラ、ストロベリー、パイ
ン、レモン等を挙げることができる。
【0010】前記酸性乳の使用量は、得られる本発明の
濃縮飲料に含まれる乳蛋白質成分の含有量が、0.1〜
5.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%となる
ようにするのが望ましい。乳蛋白質成分の含有量が0.
1重量%未満では、乳特有の風味が得られず、一方5.
0重量%を超える場合には、粘調性が増して清涼感が欠
けた風味となり、更には乳蛋白質成分の凝集・沈殿が生
じる恐れがあるので好ましくない。
【0011】前記原材料に用いるペクチンは、前記酸性
乳に作用してカゼイン−ペクチン複合体を形成し、乳蛋
白質成分を安定化させる作用等を有する原材料であっ
て、具体的には低メトキシルペクチン又は高メトキシル
ペクチンのいずれでも使用することができるが、高メト
キシルペクチンが特に好ましい。該高メトキシルペクチ
ンとしては、メトキシル基が65〜75%のものが好適
である。前記ペクチンの使用量は、得られる濃縮飲料中
の乳蛋白質及びカルシウムの濃度によって左右されるの
で、前述のカゼイン−ペクチン複合体を形成し、乳蛋白
質成分を安定化させる作用を発揮する量であれば特に限
定されるものではなく、適宜選択することができる。好
ましくは得られる濃縮飲料中のペクチン濃度が、0.1
重量%〜1.5重量%、特に0.25重量%〜0.7重
量%となる使用量が好ましい。0.1重量%未満ではペ
クチンによる乳蛋白質の安定化の効果が得られない恐れ
があり、一方1.5重量%を越えると粘度が高くなり過
ぎて糊感が生じ、清涼感が失われる恐れがあるので好ま
しくない。
【0012】前記原材料として用いるカルシウム成分と
しては、好ましくは水溶性カルシウム塩が好ましく、水
溶性の有機酸塩又は無機酸塩のいずれでも使用すること
ができる。具体的には例えば、乳酸カルシウム、グルコ
ン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、フマル酸カルシ
ウム、琥珀酸カルシウム等の有機酸塩;塩化カルシウム
等の無機酸塩等を好ましく挙げることができる。前記カ
ルシウム成分の使用量は、得られる濃縮飲料100gあ
たり、カルシウムが200〜1000mg、更に好まし
くは300〜600mg含有されるような使用量が望ま
しい。カルシウムの含有量が100gあたり200mg
未満では、濃縮飲料を通常3〜6倍に希釈して飲用する
場合において、飲用時のカルシウム濃度が低くなり、目
的とするカルシウム強化効果が希薄になり、一方、10
0gあたり1000mgを超えると良好な風味が得られ
ない恐れがあるので好ましくない。
【0013】本発明の濃縮飲料には、濃縮飲料中の粒子
の平均径を4.0μm以下とすることができ、長期保存
時においても均質化を保持することができれば、他の原
材料が含まれていてもよい。該他の原材料としては、甘
味を付与する糖類等を挙げることができ、該糖類として
は、例えばショ糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、乳
糖、麦芽糖、各種オリゴ糖等を挙げることができる。更
に、風味及び外観を良くするために、他の原材料とし
て、果汁、野菜エキス、アスパルチーム、ステビア、グ
リチルリチン、香料、色素等を用いることもできる。
【0014】本発明の濃縮飲料を製造するには、前記p
H3.0〜4.0に調整された酸性乳と、ペクチンと、
カルシウム成分とを必須原材料として、まず必須原材料
のうち酸性乳とペクチンとを含む原材料を均質化処理し
た後、カルシウム成分を混合する方法等により得ること
ができる。即ち、前記方法においては、原材料の調合及
び処理工程の順序を規定することにより、保存安定性良
好な濃縮飲料を製造することを可能としたのであって、
酸性乳、ペクチン及びカルシウム成分を含む原材料を同
時に均質化処理した場合には、保存安定性良好な濃縮飲
料を得ることができない。
【0015】前記酸性乳とペクチンとを含む原材料を調
製するには、酸性乳とペクチンとをpH3.0〜4.0
において混合するのが望ましい。このため酸性乳は前述
の方法等によりpH3.0〜4.0に調整される。即
ち、乳蛋白質の主成分であるカゼインは、等電点(pH
4.6)以下では、構成アミノ酸残基に由来してプラス
荷電したミセルとして存在する。一方、ペクチンはpH
2.5以上では、構成ガラクチュロン酸のカルボキシル
基に由来するマイナスに荷電した可溶性多糖類として存
在する。従って、等電点以下の酸性乳とペクチンとを混
合すると、ペクチンが乳蛋白質ミセル上のプラス荷電を
隠蔽し、形成されたカゼイン−ペクチン複合体は、ペク
チンが有する過剰なマイナス荷電により複合体粒子間の
反発が生じて、結果的に安定化するものと考えられる。
従ってpH3.0未満での混合は、ペクチンのカルボキ
シル基の解離度及びマイナス荷電が大きく減少し、カゼ
イン−ペクチン複合体間の反発力が弱まって不安定化す
るので好ましくない。またpH4.0を超えての混合
は、清涼感が失われ、良好な風味が得られないので好ま
しくない。前記ペクチンの混合は、ペクチンを水に希釈
した状態で行うことができる。
【0016】前記酸性乳とペクチンとを含む原材料に、
更に前記他の原材料等を含有させることもできる。
【0017】次いで、前記酸性乳とペクチンとを含む原
材料を均質化処理するには、例えば食品加工に一般的に
用いられるホモゲナイザー等の均質化処理装置を用いて
行うことができる。均質化処理条件は、特に限定される
ものではないが、例えば高圧均質機の場合、好ましくは
圧力100〜300kg/cm2において行うことがで
きる。
【0018】この均質化処理は、後述するカルシウム成
分の混合前に行う必要がある。カルシウム成分混合後に
均質化処理しても、得られる濃縮飲料中の粒子の平均径
が4.0μmを超え、保存安定性の保持ができない。乳
蛋白質の安定化には、カゼイン−ペクチン複合体を形成
させることが必要であるが、カルシウム共存下では、カ
ルシウム−ペクチンの反応が優先され、安定なカゼイン
−ペクチン複合体が形成されないためと考えられる。
【0019】次に均質化処理後のカルシウム成分の混合
は、好ましくは前述の水溶性カルシウム塩等を添加し、
均一に撹拌混合すればよい。このカルシウム成分の混合
は、例えばカルシウム塩を水又は温水(50℃前後)に
て、10〜20重量%溶液として添加し、一般食品加工
に用いられる撹拌機により、撹拌混合するのが好まし
い。カルシウム添加混合後に再度の均質化処理は必須で
はないが、行うことにより更に安定性が向上する。
【0020】このような方法により、濃縮飲料中の粒子
の平均径が4.0μm以下の保存安定性に優れ、乳蛋白
質の凝集・沈殿が実質的に生じることのない風味良好な
カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料を得ることができる
が、必要に応じて得られた濃縮飲料を壜充填等する前
に、殺菌処理を行うのが好ましい。殺菌処理条件は、一
般の酸性加工食品において行われる80℃以上、達温〜
60分間程度で行うことができる。
【0021】得られる本発明の濃縮飲料は、通常水等に
3〜6倍程度に希釈して飲用することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の濃縮飲料は、乳蛋白質成分とカ
ルシウム成分とが酸性下において、均質分散されている
ので、飲用時のカルシウム含有量が牛乳(可食部100
g当たりカルシウム100mg:四訂日本食品標準成分
表)並みに強化されており、しかも乳性酸性飲料の風味
をも合わせ持っている。従ってカルシウム強化された新
規な乳性酸性飲料としての利用が期待できる。また本発
明の製造方法では、前記濃縮飲料を、容易に且つ工業的
に製造することができる。
【0023】
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】乳酸菌により発酵したpH3.1の乳酸菌
発酵乳2,000gに、グラニュウ糖1,900gを添
加混合した後、3重量%に溶解したペクチン水溶液70
0g(得られる濃縮飲料中のペクチン濃度0.3重量
%)を加えて撹拌混合した。得られた混合液を、ラボラ
トリーホモゲナイザー(マントンゴーリン社製、型式:
15M−8BA)により、圧力150kg/cm2、処
理流量2,500ml/分で均質化処理を行った。次い
で均質化処理後の混合液に、15重量%濃度に溶解した
乳酸カルシウム水溶液1,400g(得られる濃縮飲料
100gあたりのカルシウム含有量360mg)を加え
て均一に混合撹拌した後、濃度調整水として水1000
gを加えて濃縮飲料を調製した。得られた濃縮飲料中の
粒子の平均径を、レーザー解析式粒度分布装置(型式S
ALD−1100、島津製作所製)により測定したとこ
ろ、2.5μmであった。続いて、50℃まで加熱し、
酵母を失活させた後に調合香料を加え、更に、80℃達
温まで加熱殺菌して、550ml容壜に充填した。得ら
れた殺菌乳酸菌飲料は、1年間室温保存においても乳蛋
白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であった。
【0025】
【比較例1】実施例1と同様に調製した乳酸菌発酵乳
2,000gに、グラニュウ糖1,900gを混合した
後、15重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液
1,400gを混合し、更に3重量%濃度に溶解したペ
クチン水溶液700gを加えて良く撹拌した。次いで、
水1,000gを加えて混合し、得られた混合液につい
て、実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。得られ
た飲料中の粒子の平均径を、実施例1と同様に測定した
ところ、10.0μmであった。また実施例1と同様に
殺菌を行い、壜充填した後、室温保存したところ乳蛋白
質成分の沈殿が生じた。
【0026】
【比較例2】実施例1と同様に調製した乳酸菌発酵乳
2,000gに、グラニュウ糖1,900gを混合した
後、3重量%濃度に溶解したペクチン水溶液700gを
混合し、更に15重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム
水溶液1,400gを加えて良く撹拌した。次いで、水
1,000gを加えて混合し、得られた混合液につい
て、実施例1と同じ条件で均質化処理を行って濃縮飲料
を調製した。得られた濃縮飲料中の粒子の平均径を、実
施例1と同様に測定したところ、12.8μmであっ
た。また実施例1と同様に水での希釈、殺菌を行い、壜
充填した後、室温保存したところ乳蛋白質成分の沈殿が
生じた。
【0027】
【比較例3】実施例1と同様に調製した乳酸菌発酵乳
2,000gに、グラニュウ糖1,900gを混合した
後、15重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液
1,400gを加え、実施例1と同様に均質化処理を行
った。次いで均質化処理液に3重量%濃度に溶解したペ
クチン水溶液700gを混合した後、更に実施例1と同
じ条件で均質化処理を行って濃縮飲料を調製した。得ら
れた濃縮飲料中の粒子の平均径を、実施例1と同様に測
定したところ、9.0μmであった。また実施例1と同
様に水での希釈、殺菌を行い、壜充填した後、室温保存
したところ乳蛋白質成分の沈殿が生じた。
【0028】
【実施例2】実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳
2,000gに、グラニュウ糖1,900g及び3重量
%濃度に溶解したペクチン700gを添加して良く撹拌
した後、実施例1と同様に均質化処理を行った。次いで
得られた均質化混合液に対して、15重量%濃度に溶解
した乳酸カルシウム溶液を、それぞれ1,400g(得
られる濃縮飲料100gあたりのカルシウム含量360
mg)、1,700g(同440mg)、2,000g
(同500mg)を添加撹拌した後、全量が7,000
gになるように濃度調整水を加えて濃縮飲料を調製し
た。濃縮飲料中の粒子の平均径を実施例1と同様に測定
した。続いて、実施例1と同様にして殺菌、充填を行
い、保存試験を行った。濃縮飲料中の粒子の平均径及び
保存試験結果を表1に示す。尚、殺菌後の飲料中の粒子
の平均径も、濃縮飲料中のものと同様であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【実施例3】実施例1と同様にして調製した乳酸菌発酵
乳2,000gにグラニュウ糖1,900gを混合した
後、3重量%濃度に溶解したペクチン溶液480g(得
られる濃縮飲料中のペクチン濃度0.2重量%)、70
0g(同0.3重量%)、940g(同0.4重量%)
をそれぞれ添加し、実施例1と同様な条件で均質化を行
った。それぞれの混合液に、15重量%濃度の乳酸カル
シウム溶液1,400gを添加してよく撹拌した後、全
量が7000gになるように濃度調整水を加えて濃縮飲
料を調製した。得られた濃縮飲料中の粒子の平均径を実
施例1と同様に測定した。続いて、実施例1と同様にし
て殺菌、充填を行い、保存試験を行った。濃縮飲料中の
粒子の平均径及び保存試験結果を表2に示す。尚、殺菌
後の飲料中の粒子の平均径も、濃縮飲料中のものと同様
であった。
【0031】
【比較例4】実施例1と同様にして調製した乳酸菌発酵
乳2,000gにグラニュウ糖1,900gを混合した
後、3重量%濃度に溶解したペクチン溶液240g(得
られる濃縮飲料中のペクチン濃度0.1重量%)を添加
し、実施例1と同様な条件で均質化を行った。混合液
に、15重量%濃度の乳酸カルシウム溶液1,400g
を添加してよく撹拌した後、全量が7000gになるよ
うに濃度調整水を加えて濃縮飲料を調製した。得られた
濃縮飲料中の粒子の平均径を実施例1と同様に測定し
た。続いて、実施例1と同様にして殺菌、充填を行い、
保存試験を行った。濃縮飲料中の粒子の平均径及び保存
試験結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】この様な問題を解決するために種々の技術
が開発されている。例えば、ショ糖脂肪酸エステルを添
加する方法(特公昭59−41709号公報)、ペクチ
ン又はペクチンとカラギーナンを添加する方法(特公昭
61−22928号公報)、タマリンド種子多糖類及び
グアーガムペクチンを添加する方法(特公平1−25
553号公報)、ペクチンとフィチン酸とを添加する方
法(特開平4−99442号公報)及び酸乳を加圧均質
化する方法(特開平5−43号公報)等が提案されてお
り、乳蛋白質が酸性下において均質化された種々の飲料
が市販されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【実施例1】乳酸菌により発酵したpH3.1の乳酸菌
発酵乳2,000gに、グラニュウ糖1,900gを添
加混合した後、3重量%に溶解したペクチン水溶液70
0g(得られる濃縮飲料中のペクチン濃度0.3重量
%)を加えて撹拌混合した。得られた混合液を、ラボラ
トリーホモゲナイザー(マントンゴーリン社製、型式:
15M−8BA)により、圧力150kg/cm2、処
理流量2,500ml/分で均質化処理を行った。次い
で均質化処理後の混合液に、15重量%濃度に溶解した
乳酸カルシウム水溶液1,400g(得られる濃縮飲料
100gあたりのカルシウム含有量360mg)を加え
て均一に混合撹拌した後、濃度調整水として水1000
gを加えて濃縮飲料を調製した。得られた濃縮飲料中の
粒子の平均径を、レーザー解析式粒度分布装置(型式S
ALD−1100、島津製作所製)により測定したとこ
ろ、2.5μmであった。続いて調合香料を加え、更
に、80℃達温まで加熱殺菌して、550ml容壜に充
填した。得られた殺菌乳酸菌飲料は、1年間室温保存に
おいても乳蛋白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であっ
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【比較例3】実施例1と同様に調製した乳酸菌発酵乳
2,000gに、グラニュウ糖1,900gを混合した
後、15重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液
1,400gを加え、実施例1と同様に均質化処理を行
った。次いで均質化処理液に3重量%濃度に溶解したペ
クチン水溶液700gを混合した後、水1000gを加
え、更に実施例1と同じ条件で均質化処理を行って濃縮
飲料を調製した。得られた濃縮飲料中の粒子の平均径
を、実施例1と同様に測定したところ、9.0μmであ
った。また実施例1と同様に水での希釈、殺菌を行い、
壜充填した後、室温保存したところ乳蛋白質成分の沈殿
が生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 2/38 P (72)発明者 松波 俊成 神奈川県相模原市淵野辺5丁目11番10号 カルピス食品工業株式会社研究開発センタ ー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH3.0〜4.0に調整した酸性乳、
    ペクチン及びカルシウム成分を含む原材料を均質化した
    濃縮飲料であって、酸性下において、前記濃縮飲料中の
    粒子の平均径が4.0μm以下であることを特徴とする
    カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料。
  2. 【請求項2】 必須原材料として、pH3.0〜4.0
    に調整された酸性乳、ペクチン及びカルシウム成分を用
    いた、カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料の製造方法であ
    って、前記必須原材料のうち酸性乳とペクチンとを含む
    原材料を均質化処理した後、カルシウム成分を混合する
    ことを特徴とするカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料の製
    造方法。
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