JP3713037B2 - カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法 - Google Patents

カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP3713037B2
JP3713037B2 JP2004204454A JP2004204454A JP3713037B2 JP 3713037 B2 JP3713037 B2 JP 3713037B2 JP 2004204454 A JP2004204454 A JP 2004204454A JP 2004204454 A JP2004204454 A JP 2004204454A JP 3713037 B2 JP3713037 B2 JP 3713037B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
milk
acidic
calcium
dietary fiber
beverage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004204454A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004283182A (ja
Inventor
竜二 竹内
孝敏 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Calpis Co Ltd
Original Assignee
Calpis Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calpis Co Ltd filed Critical Calpis Co Ltd
Priority to JP2004204454A priority Critical patent/JP3713037B2/ja
Publication of JP2004283182A publication Critical patent/JP2004283182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3713037B2 publication Critical patent/JP3713037B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、カルシウム入り乳性酸性飲料であって、原材料として酸性乳、カルシウム成分及び大豆食物繊維を含み、カルシウムが強化されているにも関らず長期間保存時において乳性蛋白質成分の凝集・沈殿を生じることがなく、かつ高分子多糖類に起因する粘度上昇を示さない新規なカルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法に関する。
従来、乳性酸性飲料は、マイルドな風味と消費者の健康志向に伴い、近年の清涼飲料市場においても消費者から高い支持を受けている。
しかし、乳性酸性飲料は、乳性蛋白質が酸性下において不安定化するために乳性蛋白質および乳性蛋白質会合物の凝集・沈殿を生じやすい。このような凝集・沈殿を生じた飲料は、外観不良となるばかりでなく飲用時の風味も清涼感が損なわれて製品の品質低下を招く。
この様な問題を解決するために種々の技術が開発されている。例えば、ショ糖脂肪酸エステルを添加する方法(特許文献1)、ペクチン又はペクチンとカラギーナンとを添加する方法(特許文献2)、タマリンド種子多糖類及びグアーガムとペクチンとを添加する方法(特許文献3)、ペクチンとフィチン酸とを添加する方法(特許文献4)および酸乳を加圧均質化する方法(特許文献5)等が提案されており、乳性蛋白質の均質化処理及び/又は安定剤の添加された種々の乳性酸性飲料が商品化されている。
一方、日本人に不足しているカルシウムを補うために、カルシウム含有量を増加させた各種カルシウム含有飲料、カルシウム強化乳性酸性飲料が注目されている。
酸性下におけるカルシウム強化乳性酸性飲料の場合、前述のカルシウムを含まない酸性下における乳性蛋白質の凝集・沈澱を防止するための均質化処理や安定剤の添加では、必ずしも乳性蛋白質の安定化が図れず、当該分野においては、乳性酸性飲料でもカルシウムを含むものと含まないものとで、乳性蛋白質の安定化技術が区別されている。
このようなカルシウム強化乳性酸性飲料において、乳性蛋白質を安定化する技術としては、酸性乳とペクチンおよびカルシウム成分を含む原材料を均質化処理する方法、又は酸性乳およびペクチンを含む原材料を均質化処理した後にカルシウム成分を添加する方法(特許文献6)、乳酸発酵した酸乳にシロップ、HMペクチン、カルシウムを加えた後、均質化処理する方法(特許文献7)、乳酸発酵した酸乳にシロップ、ブロックワイズ型HMペクチン、カルシウムを添加する方法(特許文献8)等が提案されている。このようにカルシウム強化乳性酸性飲料において乳性蛋白質とペクチンとを反応させて、乳性蛋白質とカルシウムイオンとの反応を阻害することにより乳性蛋白質の凝集・沈殿を防止することは、既によく知られている。しかし、ペクチンを使用した場合には、ペクチン由来の糊感が生じたり、また清涼感が損なわれる恐れがある。更に、冷やして飲用する場合にペクチンが存在していると粘度が高くなるために、例えばポストミックス式自動販売機等に供給すると定量的な自動送液による販売が困難になる。
以上の理由により酸性下でカルシウムが添加されても均質化された乳性蛋白質の安定性が高く、冷却時に低粘性を示し風味良好な性質を兼ね備えたカルシウム入り乳性酸性飲料が求められている。
特公昭59−41709号公報 特公昭61−22928号公報 特公平1−25553号公報 特開平4−99442号公報 特開平5−43号公報 特開平8−56567号公報 特開平8−112058号公報 特開平8−112059号公報
本発明の目的は、カルシウムが強化されているにも関らず長期保存時において乳性蛋白質成分の凝集・沈殿が実質的に生じることなく、低温において粘度上昇が生じない風味良好な新規のカルシウム入り乳性酸性濃縮飲料を提供することにある。
即ち、本発明によれば、原材料としてpH3.0〜4.0に調整した酸性乳と、乳以外のカルシウム成分と、大豆食物繊維とを含み、前記酸性乳と、前記カルシウム成分及び/又は前記大豆食物繊維とを含む原材料を混合し、均質化処理した混合液等の少なくとも前記酸性乳を含む原材料に対して均質化処理を行った均質化液を含み、前記乳以外のカルシウム成分の含有量が、カルシウム含有量で乳性酸性飲料100mlあたり50mg以上であり、前記大豆食物繊維の含有量が、乳性酸性飲料100mlあたり、食物繊維分含有量で0.03〜5gであり、且つ5℃における粘度が100cp以下であることを特徴とする乳成分が均質化した、定量的な自動送液用やポストミックス自動販売機用等に有用である、ペクチンを含まない、カルシウム入り乳性酸性飲料が提供される。
また本発明によれば、酸性乳、乳以外のカルシウム成分及び大豆食物繊維を含み、5℃における粘度が100cp以下の乳成分が均質化した、ペクチンを含まない、カルシウム入り乳性酸性飲料の製造法であって、原材料としてのpH3.0〜4.0に調整した酸性乳と、カルシウム含有量が乳性酸性飲料100mlあたり50mg以上となる乳以外のカルシウム成分と、乳性酸性飲料100mlあたり、食物繊維分含有量で0.03〜5gの大豆食物繊維とを混合するにあたり、前記酸性乳と、前記カルシウム成分及び/又は前記大豆食物繊維とを含む混合物等の少なくとも前記酸性乳を含む原材料に対して均質化処理する工程を含むことを特徴とするカルシウム入り乳性酸性飲料が提供される。
本発明のカルシウム入り乳性酸性飲料は、カルシウムが強化されているにも関らず、長期保存においても乳性蛋白質の凝集・沈殿が実質的に生じることなく保存安定性に優れており、低温下における粘度上昇が低く、乳性酸性飲料の良好な風味を有する。従って、カルシウムが強化された新規な乳性酸性飲料として、容易に且つ工業的に市場へ供給することができる。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明のカルシウム入り乳性酸性飲料(以下本飲料と称す)は、pH3.0〜4.0に調整した酸性乳が、カルシウム成分を含む系の酸性飲料中においても均質化されており、低温下において粘度上昇がなく、例えば5℃にて好ましくは粘度100cp以下、特に好ましくは80cp以下を示し、爽やかな風味を有することを特徴とする。前記5℃における粘度が100cpを超えると、カップ式自動販売機等に供給した際に規定の送液量が得られずに支障をきたす恐れがあるので好ましくない。
本飲料において原材料として用いる酸性乳は、乳をpH3.0〜4.0に酸性化したものであって、原料乳としては牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、大豆乳等の植物乳が挙げられ、形態としては全脂乳、脱脂乳あるいは乳清等を用いることができ、更には粉乳、濃縮乳からの還元乳等も使用できる。これらの乳は、酸性乳調製時において単独もしくは混合物として用いることができる。
前記乳を酸性化して酸性乳とするには、公知の乳酸菌等の微生物による有機酸の生成による方法、有機酸類、無機酸類、果汁又はこれらの混合物等を乳に添加する方法、あるいはこれらの方法を併用する方法等により行なうことができる。このような乳の酸性化は、得られる酸性乳のpH3.0〜4.0となるように調整できれば公知の方法により行なうことができる。前記乳に添加し得る有機酸類としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、琥珀酸、フマル酸等を挙げることができ、前記無機酸類としては、リン酸等を挙げることができる。また、果汁としては、リンゴ、オレンジ、葡萄、グレープフルーツ、ストロベリー、パイン、レモン等を挙げることができる。
本発明において得られる本飲料の無脂乳固形分含有量は、飲用時に希釈せず直接飲むストレートタイプの場合には、0.1〜5.0重量%(乳性蛋白質含有量0.03〜1.7重量%)、好ましくは0.6〜3.0重量%(乳性蛋白質含有量0.2〜1.0重量%)となるようにするのが望ましい。0.1重量%未満では、乳性酸性飲料特有の風味が得られ難く、5.0重量%を越えると粘度上昇して清涼感に欠ける風味となり、また乳性蛋白質の凝集・沈殿を抑制することが困難になる恐れがあるので好ましくない。飲用時に希釈する濃縮タイプの場合には、0.3〜15.0重量%(乳性蛋白質含有量0.1〜5.1重量%)、好ましくは1.5〜6.0重量%(乳性蛋白質含有量0.5〜2.0重量%)となるようにするのが望ましい。0.3重量%未満では、希釈飲用時に乳性酸性飲料特有の風味が得られ難く、15.0重量%を越えると製品の粘度上昇が大きく、製造時および使用時に際して扱いにくくなり、更に清涼感に欠ける風味となるので好ましくない。
本飲料において原材料に用いる大豆食物繊維は、大豆製品の製造工程において副成するオカラから抽出・精製された多糖類であり、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下でマイナスに荷電しているものであれば良い。好ましくは構成糖類としてガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラムノース、キシロース、フコース、グルコース等を含み、ガラクツロン酸の含有量が好ましくは約20重量%のものを挙げることができる。このような大豆食物繊維製品としては、食物繊維分(AOAC法)として約60%含有するものが商品化(例えば三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、商品名:SM−900,SM−700等)されており、これらを好ましく用いることができる。このような大豆食物繊維は、冷水および温水に溶解し易く約30重量%濃度の水溶液を調製することができる。
乳性蛋白質は等電点(pH4.6)以下では、構成アミノ酸残基に由来してプラス荷電したミセルとして存在する。従って、等電点以下の乳性蛋白質に前記大豆食物繊維を混合すると乳性蛋白質の回りに大豆食物繊維の多糖類層ができると共に、マイナス電荷の反発によりタンパク粒子の凝集が防止されるものと考えられる。このような作用機構はペクチンに類似しているが、本発明者は、大豆食物繊維はペクチンと比べてカルシウムとの反応性が低く、低粘度のために、カルシウム入りの本飲料において、ペクチンとは異なった顕著な効果を示すことを見出した。この際、大豆食物繊維以外の他の食物繊維成分、例えばポリデキストロース(カルターフードサイエンス(株)製、商品名:ライテス)、コーンダイエタリーファイバー(日本食品加工(株)商品名:日食セルファー)、デンプン加工ファイバー(松谷化学工業(株)製、商品名:パインファイバー)、グアーガム等の水溶性食物繊維を大豆食物繊維の代わりに使用した場合には、本発明のような作用効果は得られない。
従って、本飲料に含有される大豆食物繊維は、カルシウム成分を含む乳性酸性飲料において、乳性蛋白質の凝集・沈澱を防止し長期間安定化させ、且つ低温保存時においても飲料の粘度上昇を抑制する作用等を示すものと考えられる。
前記大豆食物繊維の使用量は、得られる本飲料100ml当り、大豆食物繊維中に含まれる食物繊維分として0.03〜5g、好ましくは0.1〜2g含有されるような使用量が望ましい。前記食物繊維の使用量が本飲料100g当り0.03g未満の場合には、カルシウム添加に際して本飲料の安定性を保つことが困難になる。一方、本飲料100ml当り5gを超える添加の場合には、粘度の上昇および大豆食物繊維由来による風味不良等が生じて、爽やかな風味が得られ難くなるので好ましくない。
本飲料において原材料に用いるカルシウム成分としては、好ましくは水溶性カルシウム塩が好ましく、水溶性の有機酸塩及び/又は無機酸塩のいずれでも使用できる。具体的には例えば、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、琥珀酸カルシウム等の有機酸塩、塩化カルシウム等の無機酸塩等を好ましく挙げることができる。前記カルシウム成分の使用量は、飲用時に希釈する濃縮タイプの場合は希釈時濃度換算値にて得られる本飲料100ml当り、カルシウム分として50〜300mg、更に、好ましくは50〜150mg含有されるような使用量が望ましい。カルシウムの含有量が、得られる本飲料100ml当り50mg未満ではカルシウム強化の表示をすることができず(栄養改善法の一部改正による栄養表示基準:平成8年5月24日施行)、添加効果も希薄になる。一方、300mgを超えるとカルシウム塩の風味が強くなり、良好な風味が得られ難くなるので好ましくない。
本飲料には、均質化および安定性に対して影響を及ぼさない他の原材料を含有させることもできる。該他の原材料としては、甘味料として蔗糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、乳糖、麦芽糖、各種のオリゴ糖等を挙げることができる。更に、風味および外観を良好にするために、果汁、野菜エキス、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン、香料、色素等を用いることもできる。
本飲料を製造するには、前記pH3.0〜4.0に調整された酸性乳と大豆食物繊維とカルシウム成分とを必須原材料として、これらの必須原材料、必要により甘味料としての糖類等が混合されるようにし、酸性乳が均質化するように少なくとも酸性乳を含む原材料に対して均質化処理を行なう方法等により得ることができる。均質化処理は、例えば食品加工に一般に用いられるホモゲナイザー等の均質化処理装置を用いて行なうことができる。均質化条件は、特に限定されるものではないが、例えば高圧均質化装置の場合、好ましくは100〜300kg/cm2において処理することができる。均質化処理の必須原材料の混合順は、特に限定されず、前述のとおり少なくとも酸性乳を含む原材料に対して行なえば良い。このような均質化処理により、平均粒子径4μm以下の本飲料を製造することができるが、必要に応じて本飲料を容器充填する前に殺菌処理を行なうのが好ましい。殺菌処理条件は、一般食品加工において行われる温度80℃以上、時間達温〜60分程度で行うことができる。
得られる本飲料は、ストレートタイプの場合はそのまま飲用することが、また飲用時に希釈する濃縮タイプの場合は3〜6倍程度に水で希釈して飲用することができる。
以下実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
脱脂乳を酪農用乳酸菌により37℃、18時間発酵した発酵乳(pH3.1)26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、6重量%大豆食物繊維(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、商品名:SM−900)溶液5.0kgを加えて撹拌混合した。次いで混合液に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kg(得られる乳性酸性濃縮飲料100gあたりのカルシウム含有量245mg)と50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に撹拌した後、全量が100kgとなるように水7.95kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。得られた原液を、ラボラトリーホモゲナイザー(マントンゴーリン社製、形式:15M−8BA)により、圧力150kg/cm2、処理流量2500ml/分で均質化処理を行った。均質化処理液を50℃まで加熱した後に、バニラ系調合香料を加え、更に85℃まで達温殺菌して200ml容ガラス壜に熱時充填した。得られたカルシウム入り乳性酸性濃縮飲料(大豆食物繊維含有量0.3重量%)の5℃における粘度をビスメトロン粘度計(芝浦システム株式会社製)およびNo.2ローターを用いて測定したところ69cpであった。懸濁粒子の平均径をレーザー解析式粒度分布装置(型式SALD−1100、島津製作所製)により測定したところ、2.15μmであった。また12ヶ月間室温保存においても乳蛋白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であった。12ヶ月保存後の平均粒径は2.29μmであった。粘度測定、室温保存試験の結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、3重量%ペクチン溶液(富士商事(株)販売、商品名:ペクチンFL)10.0kgを加えて撹拌混合した。次いで混合液に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて撹拌し均一溶解した後、全量が100kgとなるように水2.95kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。得られた混合液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(ペクチン含有量0.3重量%)の5℃における粘度は201cpであった。懸濁粒子の平均径を実施例1と同様に測定したところ、1.87μmであった。12ヶ月間室温保存において上層で離水が生じた。保存後の平均粒径は1.93μmであった。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、6重量%大豆食物繊維溶液5.0kgを加えて撹拌混合した。得られた混合液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。次いで均質化処理液に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に撹拌した後、全量が100kgとなるように水7.95kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(大豆食物繊維含有量0.3重量%)の5℃における粘度は67cpであった。懸濁粒子の平均径を実施例1と同様に測定したところ、2.18μmであった。12ヶ月間室温保存において乳蛋白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であった。保存後の平均粒径は2.39μmであった。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、3重量%ペクチン溶液10.0kgを加えて撹拌混合した。得られた混合液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。次いで均質化後に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に溶解した後、全量が100kgとなるように水2.95kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(ペクチン含有量0.3重量%)の5℃における粘度は184cpであった。平均粒径を実施例1と同様に測定したところ、2.48μmであった。12ヶ月間室温保存において乳蛋白質成分が上層で離水をおこした。保存後の粒子の平均径は2.57μmであった。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgを加えて混合し、得られた混合液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。次いで6重量%に溶解した大豆食物繊維溶液5.0kgを加えて撹拌混合した。混合液に50重量%乳酸0.97kgを加えて均一に撹拌した後、全量が100kgとなるように水7.95kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(大豆食物繊維含有量0.3重量%)の5℃における粘度は69cpであった。平均粒径を実施例1と同様に測定したところ、2.25μmであった。12ヶ月間室温保存においても乳蛋白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であった。保存後の平均粒径は2.46μmであった。結果を表1に示す。
Figure 0003713037
実施例4
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、6重量%に溶解した大豆食物繊維溶液3.33kgおよび1.67kg(得られる飲料中の大豆食物繊維含有量はそれぞれ0.2重量%および0.1重量%)を別個に加えて撹拌混合し、2種類の混合液をそれぞれ調製した。次いでそれぞれの混合液に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に撹拌した後、全量が100kgとなるように濃度調整水を加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を2種類調製した。得られた原液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(大豆食物繊維含有量0.2重量%および0.1重量%)の5℃における粘度はそれぞれ68cp、62cpであった。得られた飲料中の平均粒径を実施例1と同様に測定したところ、それぞれ2.26μm、2.57μmであった。どちらも12ヶ月間室温保存において乳蛋白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であった。保存後の平均粒径はそれぞれ2.39μm、2.65μmであった。結果を実施例1の結果と合わせて表2に示す。
Figure 0003713037
実施例5
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、6重量%に溶解した大豆食物繊維5.0kgを加えて撹拌混合した。次いで混合液に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液16.45kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて撹拌溶解した後、全量が100kgとなるように水1.38kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。得られた原液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填したところ、5℃における粘度は78cpであった。得られた飲料中の粒子の平均径を実施例1と同様に測定したところ、3.29μmであった。12ヶ月間室温保存においても乳蛋白質成分の凝集・沈殿は生じず安定であった。12ヶ月保存後の平均粒径は3.92μmであった。結果を実施例1の結果と合わせて表3に示す。
Figure 0003713037
比較例3
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に撹拌し、全量が100kgとなるように水12.95kgを加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。得られた原液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填したところ、5℃における粘度は61cpであった。平均粒径を実施例1と同様に測定したところ、2.73μmであった。12ヶ月間室温保存において乳蛋白質成分は凝集・沈殿を生じた。保存後の平均粒径は3.99μmであった。結果を実施例1の結果と合わせて表4に示す。
比較例4
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、3重量%ポリデキストロース(カルターフードサイエンス(株)製、商品名:ライテス)溶液10.0kgを加えて撹拌混合した。得られた混合液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。次いで、均質化後に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に溶解した後、全量が100kgとなるように水を加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(ポリデキストロース含有量0.3重量%)の5℃における粘度は64cpであった。平均粒径を実施例1と同様に測定したところ、3.07μmであった。10日間室温保存したところ、乳蛋白質成分の凝集・沈殿を生じた。結果を実施例1の結果と合わせて表4に示す。
比較例5
実施例1と同様に調整した乳酸菌発酵乳26.5kgに、グラニュウ糖45.0kg、麦芽糖液糖4.7kgを添加し均一溶解した後、3重量%パインファイバー(松谷化学工業社製)溶液10.0kgを加えて撹拌混合した。得られた混合液について実施例1と同じ条件で均質化処理を行った。次いで、均質化後に17重量%濃度に溶解した乳酸カルシウム水溶液9.88kgと50重量%乳酸0.97kgとを加えて均一に溶解した後、全量が100kgとなるように水を加えてよく撹拌し、乳性酸性濃縮飲料の原液を調製した。実施例1と同様に殺菌を行ないガラス壜充填した。得られた乳性酸性濃縮飲料(パインファイバー含有量0.3重量%)の5℃における粘度は65cpであった。平均粒径を実施例1と同様に測定したところ、3.31μmであった。10日間室温保存したところ、乳蛋白質成分の凝集・沈殿を生じた。結果を実施例1の結果と合わせて表4に示す。
Figure 0003713037

Claims (7)

  1. 原材料としてpH3.0〜4.0に調整した酸性乳と、乳以外のカルシウム成分と、大豆食物繊維とを含み、
    少なくとも前記酸性乳を含む原材料に対して均質化処理を行った均質化液を含み、
    前記乳以外のカルシウム成分の含有量が、カルシウム含有量で乳性酸性飲料100mlあたり50mg以上であり、前記大豆食物繊維の含有量が、乳性酸性飲料100mlあたり、食物繊維分含有量で0.03〜5gであり、且つ5℃における粘度が100cp以下であることを特徴とする乳成分が均質化した、ペクチンを含まない、カルシウム入り乳性酸性飲料。
  2. 前記均質化液が、前記酸性乳、前記乳以外のカルシウム成分及び前記大豆食物繊維を含む原材料、前記酸性乳及び前記乳以外のカルシウム成分を含む原材料、若しくは前記酸性乳及び前記大豆食物繊維を含む原材料を混合し、均質化処理した混合液である請求項1に記載のカルシウム入り乳性酸性飲料。
  3. 前記大豆食物繊維が、ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラムノース、キシロース、フコース及びグルコースを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカルシウム入り乳性酸性飲料。
  4. 定量的な自動送液用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルシウム入り乳性酸性飲料。
  5. ポストミックス自動販売機用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルシウム入り乳性酸性飲料。
  6. 酸性乳、乳以外のカルシウム成分及び大豆食物繊維を含み、5℃における粘度が100cp以下の乳成分が均質化した、ペクチンを含まない、カルシウム入り乳性酸性飲料の製造法であって、
    原材料としてのpH3.0〜4.0に調整した酸性乳と、カルシウム含有量が乳性酸性飲料100mlあたり50mg以上となる乳以外のカルシウム成分と、乳性酸性飲料100mlあたり、食物繊維分含有量で0.03〜5gの大豆食物繊維とを混合するにあたり、
    少なくとも前記酸性乳を含む原材料に対して均質化処理する工程を含むことを特徴とするカルシウム入り乳性酸性飲料。
  7. 少なくとも前記酸性乳を含む原材料が、前記酸性乳、前記乳以外のカルシウム成分及び前記大豆食物繊維を含む混合物、前記酸性乳及び前記乳以外のカルシウム成分を含む混合物、前記酸性乳及び前記大豆食物繊維を含む混合物である請求項6に記載の製造法。
JP2004204454A 2004-07-12 2004-07-12 カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法 Expired - Lifetime JP3713037B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204454A JP3713037B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204454A JP3713037B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8158482A Division JPH104876A (ja) 1996-06-19 1996-06-19 カルシウム入り乳性酸性飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004283182A JP2004283182A (ja) 2004-10-14
JP3713037B2 true JP3713037B2 (ja) 2005-11-02

Family

ID=33297215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004204454A Expired - Lifetime JP3713037B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3713037B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4537120B2 (ja) * 2004-05-27 2010-09-01 株式会社ヤクルト本社 酸性乳飲料
EP1946645B1 (en) * 2005-11-11 2012-05-23 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Acid milk beverage and process for producing the same
JP2008099681A (ja) * 2006-09-22 2008-05-01 Sanei Gen Ffi Inc 食物繊維及び/又はデキストリン含有組成物の不快味をマスキングする方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2834345B2 (ja) * 1991-07-02 1998-12-09 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 酸性蛋白食品
JP3169450B2 (ja) * 1992-09-01 2001-05-28 不二製油株式会社 ドリンクベース
JP3280768B2 (ja) * 1993-08-20 2002-05-13 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 酸性乳飲料の製造方法
TW323330B (ja) * 1994-10-17 1997-12-21 Toshiba Co Ltd

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004283182A (ja) 2004-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7799363B2 (en) Protein beverage and protein beverage concentrate and methods of making the same
US20080050498A1 (en) Powdered protein beverage mix and methods of making the same
JP3400777B2 (ja) 低カロリー乳含有酸性飲料
JP6424161B2 (ja) 発酵乳含有飲料
JP3313104B2 (ja) 乳含有酸性飲料の製造方法
MX2007013969A (es) Metodo para la fabricacion de soya y preparaciones a base de proteina de leche que tienen un alto contenido de proteina total.
JP2018050619A (ja) 乳性飲料及びその製造方法
JPH104876A (ja) カルシウム入り乳性酸性飲料
JP3030752B2 (ja) カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法
JPH11262379A (ja) 混濁物質入り酸性乳性飲料およびその製造方法
JP3194902B2 (ja) カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法
US20080317928A1 (en) Dairy Product and Process
JP3713037B2 (ja) カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法
JP2014079225A (ja) 酸性乳性濃縮飲料
JP4302916B2 (ja) 乳性酸性飲料及び製造方法
JP4488071B2 (ja) 大豆タンパク質系調製品の製造方法
JP2002300849A (ja) 酸性乳飲料及びその製造方法
JPH0499442A (ja) 乳蛋白含有酸性飲料
US20100189855A1 (en) Method of Making a Beverage Comprising Fruit and Milk
JPH0614709A (ja) 椰子(ココナッツ)果汁を含む果汁乳酸飲料の製造方法
CN106135423A (zh) 乳酸奶果汁饮料及其制造方法
JPH07110196B2 (ja) 乳性蛋白質含有酸性飲料の製造方法
JPH10286061A (ja) カルシウム強化酸性濃縮乳飲料及びその製造方法
JP2018126102A (ja) 酸性乳性飲料
KR20140070666A (ko) 산성화된 우유 기재 음료를 제조하기 위한 저장-안정성 우유 농축액

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080826

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100826

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130826

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term