JPH0854899A - 符号化装置 - Google Patents

符号化装置

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JPH0854899A
JPH0854899A JP6189294A JP18929494A JPH0854899A JP H0854899 A JPH0854899 A JP H0854899A JP 6189294 A JP6189294 A JP 6189294A JP 18929494 A JP18929494 A JP 18929494A JP H0854899 A JPH0854899 A JP H0854899A
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quantization
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quantized
encoding
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JP6189294A
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Shiyuuichi Kawama
修一 河間
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スケーリングファクタの量子化を最適化する 【構成】 スケーリングファクタ量子化・符号化部5
は、スケーリングファクタ抽出部4からの対応する帯域
でのスケーリングファクタFとビット配分部3からのビ
ット配分数Bとに基づいて、スケーリングファクタFを
越えない最大の量子化値FQ'を求め、スケーリングフ
ァクタFをその量子化値FQによって正規化した際の正
規化値の符号がビット配分数Bで定まる符号割り当て範
囲を越えなければFQ'をスケーリングファクタ量子化
値FQとする。また、FQ'が符号割り当て範囲を越え
れば(FQ'+dFQ)(dFQ:スケーリングファクタの
量子化幅)をスケーリングファクタ量子化値FQとす
る。こうして、量子化・符号化部7における量子化器の
入力範囲が有効に使用できるように最適にスケーリング
ファクタの量子化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、楽音データあるいは
音声データ等のディジタルデータをスケーリングファク
タで正規化して符号化する符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】楽音や音声は、そのダイナミックレンジ
や周波数レンジが広いために、高音質でPCM(パルス
符号化)によってディジタル化する際には、ビット長が
16で、44.1kHzか48kHzでサンプリングするの
が一般的である。このときのビットレートは高く、70
5.6kbps(44.1kHz)あるいは768kbps(48kHz)
である。そこで、このビットレートを1/4〜1/8程度
まで低ビットレート化するために、上記PCMディジタ
ルデータを高能率で圧縮する符号化装置がある。
【0003】この符号化装置では、入力データのダイナ
ミックレンジを落とさずに、どの振幅レベルでも量子化
時の精度を落とさないで符号化するために、所定時間の
フレーム単位で入力データの絶対値の最大値を検出し、
その最大値をスケーリングファクタとして量子化する。
そして、フレーム内の入力データを上記量子化したスケ
ーリングファクタで割って、全データを絶対値で1(あ
るいは特定の数値)以下の数値に正規化する。こうし
て、正規化することによって、レベルの小さな周波数成
分もレベルの大きな周波数成分と同等に扱うことができ
るので、帯域間のレベル差が大きい帯域分割型符号化方
式に特に有効である。尚、上記正規化はフレーム毎に且
つ各周波数帯域毎に行われる。この帯域分割型符号化方
式の代表例が、国際標準であるMPEG1/Audio(正式
にはISO/IEC11172−3)である。帯域の分割
数は一定である。
【0004】上述のように、上記符号化装置において
は、量子化されたスケーリングファクタで入力データを
割ってデータを“1"以下の数値に正規化するので、ス
ケーリングファクタの量子化の範囲は、データのダイナ
ミックレンジ以上必要なのである。そこで、スケーリン
グファクタの量子化では、スケーリングファクタを越え
る最も小さい量子化値を探索するのが一般的である。こ
れにより、正規化した入力データは必ず“1"以下の数
値にすることができる。
【0005】また、一般的には、このスケーリングファ
クタの量子化はデシベル換算で等間隔で行われる。ま
た、MPEG1/Audioでは、各帯域とも、スケーリン
グファクタの量子化の範囲は126dBであり、量子化
ビット数に6ビットを割り当てている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスケーリングファクタの量子化を行う符号化装置に
は以下のような問題がある。すなわち、上記正規化した
入力データを量子化器に配分されたビット数で量子化す
る際に、正規化した入力データの絶対値の最大値が
“1"より小さいほど(つまり、スケーリングファクタ自
身の量子化誤差が大きいほど)有効に量子化されず、そ
の誤差が大きくなる。この具体例を図10に示す。
【0007】図10は、7段(量子化ビット数=3)のミ
ッドトレッド型量子化器(原点に階段の踏み面部(トレッ
ド)があるためにこう呼ばれている)の量子化特性を示
す。横軸は入力信号の振幅であり、縦軸は量子化後の振
幅を示す。各踏み面部には符号(3ビット2進数表現)が
割り当てられている。上記従来の符号化装置ではスケー
リングファクタを越える最も小さい量子化値をスケーリ
ングファクタ量子化値とするので、スケーリングファク
タ自身の量子化誤差が−1.9dB(0.804)と大きく
なるような場合が生ずる。ところで、上記量子化器の入
力として、上述のようにスケーリングファクタ自身の量
子化誤差が−1.9dB(0.804)と大きくなるような
信号を入力した際における量子化範囲は、図中破線で囲
まれた矩形の領域(イ)となる。
【0008】この量子化範囲とは、入力信号を量子化し
て得られた量子化値が正規化の範囲内に収まり、且つ、
量子化値に符号を割り当てることができるような入力信
号の振幅(−7/6〜7/6)と量子化値の振幅(−1〜1)
とで囲まれた範囲(以下、符号割り当て範囲と言う)内に
収まる範囲のことである。したがって、上述のように、
スケーリングファクタ自身の量子化誤差が−1.9dB
(0.804)と大きくなるような信号が7段(量子化ビッ
ト数=3)のミッドトレッド型量子化器に入力された場
合には、符号“011"が割り当てられている最大の段
および符号“101"が割り当てられている最小の段が
使用されず、この量子化器は実質5段の量子化器として
動作することになる。
【0009】これでは、量子化を有効に行っているとは
言えず、粗い量子化を行ってしまうことになる。そのた
め、入力信号の振幅に対する量子化幅の割合が相対的に
大きくなる。そして、データの量子化誤差の最大値は量
子化器の量子化幅の1/2であるから、データの量子化
誤差も大きくなってしまうのである。
【0010】ところで、従来は、上記スケーリングファ
クタの量子化とデータの量子化とは独立に行われてい
る。したがって、データの量子化に際して、図10に領
域(イ)で示すように、入力波形の範囲が上記量子化ビッ
ト数で定まる上記符号割り当て範囲(つまり、量子化器
本来の能力範囲)より狭くなっても何も対策は行われな
いのである。
【0011】そこで、この発明の目的は、スケーリング
ファクタの量子化を最適化することによって、データの
量子化効率を上げ、量子化誤差を抑えて、圧縮した音響
データの音質をより良くする符号化装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、スケーリングファクタ抽出
部で抽出されたスケーリングファクタをスケーリングフ
ァクタ量子化・符号化部で量子化して符号化し,得られた
スケーリングファクタ量子化値を用いて正規化部で入力
データを正規化し,この入力データの正規化値を量子化・
符号化部で量子化して符号化する符号化装置において、
上記スケーリングファクタ抽出部は,1フレーム内にお
ける所定数の入力データの絶対値の最大値をスケーリン
グファクタとして抽出すると共に、上記スケーリングフ
ァクタ量子化・符号化部は、上記スケーリングファクタ
の値を越えない最大量子化値および上記スケーリングフ
ァクタを越える最小量子化値を求めると共に,上記求め
たスケーリングファクタの値を越えない最大量子化値を
スケーリングファクタ量子化値の候補として出力する量
子化・符号化手段と、上記量子化・符号化部における量子
化ビット数によって定まる符号を割り当てることが可能
な範囲を上記スケーリングファクタ量子化値の候補が超
えるか否かを所定の手順で判定すると共に,上記候補が
上記範囲を越えないと判定した場合には上記候補をスケ
ーリングファクタ量子化値として出力する一方,上記候
補が上記範囲を越えると判定した場合には,上記量子化・
符号化手段に対して上記スケーリングファクタを越える
最小量子化値の算出を指令する指令信号を出力し,上記
量子化・符号化手段によって得られた上記スケーリング
ファクタを越える最小量子化値をスケーリングファクタ
量子化値として出力する判定手段を有することを特徴と
している。
【0013】また、請求項2に係る発明は、スケーリン
グファクタ抽出部で抽出されたスケーリングファクタを
スケーリングファクタ量子化・符号化部で量子化して符
号化し,得られたスケーリングファクタ量子化値を用い
て正規化部で入力データを正規化し,この入力データの
正規化値を量子化・符号化部で量子化して符号化する符
号化装置において、上記スケーリングファクタ抽出部は
1フレーム内における所定数の入力データの絶対値の最
大値をスケーリングファクタとして抽出すると共に、上
記量子化・符号化部における量子化ビット数で定まる符
号を割り当てることが可能な範囲の閾値と当該量子化ビ
ット数とを対応付けてなるテーブルを格納するテーブル
格納部を備えて、上記スケーリングファクタ量子化・符
号化部は、上記スケーリングファクタの値を越えない最
大量子化値および上記スケーリングファクタを越える最
小量子化値を求めると共に,上記求めたスケーリングフ
ァクタの値を越えない最大量子化値をスケーリングファ
クタ量子化値の候補として出力する量子化・符号化手段
と、上記量子化・符号化部における量子化ビット数によ
って定まる符号を割り当てることが可能な範囲を上記ス
ケーリングファクタ量子化値の候補が超えるか否かを上
記テーブルを参照して判定すると共に,上記候補が上記
範囲を越えないと判定した場合には上記候補をスケーリ
ングファクタ量子化値として出力する一方,上記候補が
上記範囲を越えると判定した場合には,上記量子化・符号
化手段に対して上記スケーリングファクタを越える最小
量子化値の算出を指令する指令信号を出力し、上記量子
化・符号化手段によって得られた上記スケーリングファ
クタを越える最小量子化値をスケーリングファクタ量子
化値として出力する判定手段を有することを特徴として
いる。
【0014】また、請求項3に係る発明は、スケーリン
グファクタ抽出部で抽出されたスケーリングファクタを
スケーリングファクタ量子化・符号化部で量子化して符
号化し,得られたスケーリングファクタ量子化値を用い
て正規化部で入力データを正規化し,この入力データの
正規化値を量子化・符号化部で量子化して符号化する符
号化装置において、上記スケーリングファクタ抽出部
は,1フレーム内における所定数の入力データの絶対値
の最大値をスケーリングファクタとして抽出すると共
に、上記スケーリングファクタの量子化値に上記量子化
・符号化部における量子化ビット数で定まる符号を割り
当てることが可能な範囲の閾値である第1閾値を加算し
てなる第2閾値と,上記スケーリングファクタの値が上
記第2閾値を越えないようにする最小の上記量子化値お
よびその符号とを対応付けてなるテーブルを,上記量子
化ビット数毎に格納するテーブル格納部を備えて、上記
スケーリングファクタ量子化・符号化部は、上記テーブ
ルを参照して、上記スケーリングファクタを越える最小
の上記第2閾値を検索すると共に,上記検索された第2
閾値に対応付けられている量子化値をスケーリングファ
クタ量子化値として出力する量子化値検索手段を有する
ことを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1に係る発明では、スケーリングファク
タ抽出部によって、1フレーム内における所定数の入力
データの絶対値の最大値がスケーリングファクタとして
抽出される。そして、スケーリングファクタ量子化・符
号化部の量子化・符号化手段によって、上記スケーリン
グファクタを越えない最大量子化値が求められ、スケー
リングファクタ量子化値の候補として出力される。そう
すると、上記スケーリングファクタ量子化・符号化部に
おける判定手段によって、上記量子化・符号化手段から
のスケーリングファクタ量子化値の候補が量子化・符号
化部における量子化ビット数によって定まる符号を割り
当てることが可能な範囲を超えるか否かが所定の手順で
判定される。そして、上記候補が上記範囲を超えないと
判定すると、上記候補がスケーリングファクタ量子化値
として出力される。
【0016】一方、上記候補が上記範囲を越えると判定
すると、上記量子化・符号化手段に対して、上記スケー
リングファクタを越える最小量子化値の算出を指令する
指令信号が出力される。そして、上記量子化・符号化手
段によって得られた上記スケーリングファクタを越える
最小量子化値がスケーリングファクタ量子化値として出
力される。
【0017】以後、正規化部によって上記判定手段から
出力されるスケーリングファクタ量子化値を用いて上記
入力データが正規化され、この入力データの正規化値が
上記量子化・符号化部によって量子化されて符号化され
る。その際に、上記量子化・符号化部によって入力デー
タを量子化して得られる量子化値は、上記量子化・符号
化部において符号を割り当てることが可能な範囲を越え
ない最も広い量子化範囲内に収まる。
【0018】また、請求項2に係る発明では、スケーリ
ングファクタ抽出部によって、1フレーム内における所
定数の入力データの絶対値の最大値がスケーリングファ
クタとして抽出される。そして、スケーリングファクタ
量子化・符号化部の量子化・符号化手段によって、上記ス
ケーリングファクタを越えない最大量子化値が求めら
れ、スケーリングファクタ量子化値の候補として出力さ
れる。そうすると、上記スケーリングファクタ量子化・
符号化部における判定手段によって、テーブル格納部に
格納されているテーブルが参照されて、上記候補が量子
化・符号化部における量子化ビット数によって定まる符
号を割り当てることが可能な範囲を超えるか否かが判定
される。そして、上記候補が上記範囲を超えないと判定
すると、上記候補がスケーリングファクタ量子化値とし
て出力される。
【0019】一方、上記候補が上記範囲を越えると判定
すると、上記量子化・符号化手段に対して、上記スケー
リングファクタを越える最小量子化値の算出を指令する
指令信号が出力される。そして、上記量子化・符号化手
段によって得られた上記スケーリングファクタを越える
最小量子化値がスケーリングファクタ量子化値として出
力される。
【0020】また、請求項3に係る発明では、スケーリ
ングファクタ抽出部によって、1フレーム内における所
定数の入力データの絶対値の最大値がスケーリングファ
クタとして抽出される。そうすると、上記スケーリング
ファクタ量子化・符号化部における量子化値検索手段に
よって、テーブル格納部に格納されているテーブルが参
照されて、上記スケーリングファクタを越える最小の第
2閾値が検索され、上記第2閾値に対応付けられている
量子化値が得られる。そして、この得られた量子化値が
スケーリングファクタ量子化値として出力される。
【0021】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。本実施例では帯域分割型符号化装置を例に説
明するが、この発明は、他のスケーリングファクタを利
用する符号化装置にも適用できる。
【0022】<第1実施例>図1は、本実施例の符号化
装置の一実施例を示すブロック図である。ディジタルの
楽音データや音声データ(以下、単に入力データと言う)
が入力端子1に入力され、N個の帯域通過フィルタから
なる帯域分割部2によりN組の帯域のデータとなる。
尚、各帯域を1≦n≦Nの数値で表す。また、上記入力
データのビット数は16ビットであるとする。但し、図
1においては、簡略化のために、帯域“1"と帯域“n"
と帯域“N"の3つの帯域で代表している。
【0023】こうして得られたN組の帯域のデータのう
ち、帯域nのデータは、フレーム単位(データ数にして
Iサンプルずつの単位)でまとめられ、スケーリングフ
ァクタ抽出部4nでデータDn(i)(0≦i≦I−1)の絶
対値の最大値fnを抽出し、この最大値fnをスケーリン
グファクタとする。尚、スケーリングファクタfnのデ
シベル値をFn(=20log10n)と表わす。ビット配分
部3は、各帯域毎にデータを量子化する際のビット数の
配分を以下のようにして決定する。すなわち、FFT
(高速フーリエ変換)や各帯域のパワー等を使用して、入
力データの周波数領域でのパワー分布を解析し、人間の
聴覚特性(特にマスキング特性)を適用して、各帯域毎に
量子化誤差がマスクされるのに必要なビット数を計算す
るのである。こうしてビット配分部3によって求められ
た帯域nのビット配分数Bnは、帯域nのスケーリング
ファクタ量子化・符号化部5n,帯域nの量子化・符号化部
nおよびマルチプレクサ8に送出される。尚、図1に
おいては上記ビット配分部3に入力データを直接入力し
ているが、帯域分割部2における各帯域毎の出力データ
を入力してもよい。
【0024】上記スケーリングファクタ量子化・符号化
部5nは、スケーリングファクタ抽出部4nからのスケー
リングファクタFnとビット配分部3からのビット配分
数Bnとに基づいてスケーリングファクタFnを量子化お
よび符号化し、得られたスケーリングファクタ量子化値
FQnとその符号FCnとをマルチプレクサ8に送出す
る。また、スケーリングファクタ量子化値FQnを正規
化部6nに送出する。尚、本実施例の特徴である上記ス
ケーリングファクタ量子化・符号化部5nの動作について
は、後に詳細に説明する。
【0025】上記正規化部6nでは、帯域分割部2で得
られた帯域nのデータDn(i)をスケーリングファクタ量
子化値FQnの真数値fQn(=10FQn/20)で除して“±
1"の範囲内に在る数値Nn(i)に正規化する。そして、
この正規化データNn(i)を量子化・符号化部7nで量子化
及び符号化する。その際に、量子化・符号化部7nは、図
10と同様のミッドトレッド型量子化器を有し、この量
子化器はビット配分部3によって与えられたビット配分
数Bnに応じた段数“2Bn−1"を持ち、量子化幅dQn
は、 dQn=1/{2(Bn-1)−1} …(1) である。
【0026】上記量子化・符号化部7nは、上記量子化幅
dQnで正規化データNn(i)を量子化および符号化し、
符号Cnを求める。 Cn(i)=round(Nn(i)/dQn) …(2) ここで、「round(x)」は、xの小数点以下第1位を四捨
五入することによってxを整数化する関数である。尚、
符号Cn(i)はビット配分数Bnで表現され、マルチプレ
クサ8に送出される。
【0027】上記マルチプレクサ8は、各帯域nのデー
タDn(i)の符号Cn(i),ビット配分数Bnおよびスケーリ
ングファクタの符号FCnを、ある決まったフォーマッ
トに従ってフレーム単位でまとめ上げてビットストリー
ムにする。このビットストリームは、出力端子9から外
部に伝送される。
【0028】次に、上記スケーリングファクタ量子化・
符号化部5nによる量子化および符号化の動作を詳細に
説明する。スケーリングファクタ量子化・符号化部5
nは、一般的には量子化・符号化手段のみを有して、上述
したように、スケーリングファクタFnを越える最小の
スケーリングファクタ量子化値FQnを探索することに
よってスケーリングファクタFnを量子化する。すなわ
ち、 Fn≦FQn=Fl+FCn×dFQ (0≦FCn≦2SB−1) …(3) ここで、 Fl:スケーリングファクタ量子化値の下限
値 dFQ:スケーリングファクタFnの量子化幅 SB:スケーリングファクタFnの量子化ビット数 を満たす最小のFQnおよびFCnを探索するのである。
尚、式(3)は、デシベル次元である。
【0029】ところが、本実施例においては、以下のよ
うにしてスケーリングファクタFnを量子化するのであ
る。図2は、本実施例におけるスケーリングファクタ量
子化・符号化部5nの詳細なブロック図である。量子化・
符号化手段41nは、 Fn≧FQ'n=Fl+FC'n×dFQ (0≦FC'n≦2SB−1) …(4) を満たす最大のFQ'nおよびFC'nを探索する。あるい
は、従来と同様に式(3)に基づいてスケーリングファク
タ量子化値FQnおよびその符号FCnを求め、 FQ'n=FQn−dFQ FC'n=FCn−1 によってFQ'nおよびFC'nを求めてもよい。こうして
求められた量子化値FQ'nおよびその符号FC'nは、ス
ケーリングファクタ量子化値FQnおよびその符号FCn
の候補として、判定手段42nに送出される。
【0030】上記判定手段42nは、上記スケーリング
ファクタFnの真数値fnを上記スケーリングファクタ量
子化値の候補FQ'nの真数値fQ'n(=10FQ'n/20)で
正規化した(割った)値(スケーリングファクタFnの量
子化誤差でもある)を、式(2)に従って符号化する(但
し、式(2)中の正規化データNn(i)をfn/fQ'nに置き
換える)。こうして得られた符号がビット配分数Bnで定
まる割り当て可能な符号の最大値2(Bn-1)を越えるか否
かを判定する。その結果、越えない(すなわち、上記符
号割り当て範囲を超えない)と判定すれば、上記量子化
値FQ'nをスケーリングファクタ量子化値FQnと確定
する。また、上記FC'nをスケーリングファクタFn
符号FCnと確定するのである。そして、上記確定され
たスケーリングファクタ量子化値FQnとスケーリング
ファクタFnの符号FCnとを出力する。
【0031】しかしながら、上記スケーリングファクタ
nの正規化値を式(2)に従って符号化して得られた符
号が上記最大値2(Bn-1)を越えると判定すれば、上記量
子化・符号化手段41nへ、式(3)を満たす最小の量子化
値FQnおよびその符号FCnの算出を指令する指令信号
を出力する。そして、量子化・符号化手段41nから送出
されてくるスケーリングファクタFnを越える最小の量
子化値(すなわち、(FQ'n+dFQ))とその符号(すな
わち、(FC'n+1))とをスケーリングファクタ量子化
値FQnとその符号FCnと確定するのである。そして、
上記確定されたスケーリングファクタ量子化値FQn
スケーリングファクタFnの符号FCnとを出力する。
【0032】つまり、本実施例におけるスケーリングフ
ァクタ量子化・符号化部5nは、通常のスケーリングファ
クタの量子化で得られる量子化値よりデータDn(i)の量
子化幅dFQだけ小さいスケーリングファクタ量子化値
を量子化・符号化手段41nによって選んだ際に、このス
ケーリングファクタ量子化値がビット配分数Bnで定ま
る上記符号割り当て範囲を越えるか否かを判定手段42
nで調べることによって、スケーリングファクタ量子化
値FQnを最適に選ぶのである。
【0033】上述のことを、図10に従って具体的に説
明する。今、スケーリングファクタFnの量子化幅dF
Qを“2dB"とし、式(3)に従った従来のスケーリング
ファクタの量子化の際における量子化誤差が−1.9dB
(0.804)であるとする。先ず、上述したように、式
(4)によって、従来のスケーリングファクタ量子化値よ
りも量子化幅dFQだけ小さい量子化値がスケーリング
ファクタ量子化値の候補FQ'nとして選ばれる。そうす
ると、スケーリングファクタFnの量子化誤差は、従来
の量子化誤差(−1.9dB(0.804))に量子化幅dF
Qが加算された値、 −1.9dB(0.804)+2dB=0.1dB(1.012) となる。したがって、スケーリングファクタFnの正規
化値の絶対値は“1"を越えることになる。
【0034】ところが、このスケーリングファクタFn
の正規化値の絶対値“1.012"は量子化出力値が
“1"(最大符号が割り当てられる段)を越える入力値の
境界“7/6"よりは小さい(換言すれば、上記符号割り
当て範囲を越えない)ので、スケーリングファクタFn
量子化値の候補FQ'nがスケーリングファクタ量子化値
FQnと確定されるのである。その際における量子化範
囲は、図10中における一点鎖線で囲まれた矩形の領域
(ロ)である。この場合、従来の量子化範囲(矩形領域
(イ))よりも量子化幅dFQの分だけ広くなっているた
めに、符号“011"が割り当てられている最大の段お
よび符号“101"が割り当てられている最小の段も使
用されて量子化され、従来よりも量子化誤差が少なくな
るのである。
【0035】尚、上記スケーリングファクタFnの正規
化値の絶対値が量子化出力値が“1"を越える入力値の
境界“7/6"より大きい(換言すれば、上記符号割り当
て範囲を越える)場合には、スケーリングファクタFn
量子化値の候補FQ'nより1ステップ大きい(すなわ
ち、スケーリングファクタFnの量子化幅dFQを加え
た)値をスケーリングファクタ量子化値FQnと確定する
のである。その際における量子化範囲は、従来の量子化
範囲になるのである。
【0036】上記帯域分割部2から出力される他の帯域
のデータも上記帯域nのデータの場合と全く同様に処理
される。
【0037】次に、復号化について説明する。図3は、
本実施例の符号化装置によって得られた符号を復号化す
る復号化装置の一実施例を示すブロック図である。図1
に示す符号化装置の出力端子9から出力されたビットス
トリームは、図示しない伝送路(無線系,有線系,蓄積系
(半導体メモリ等)がある)を通して復号化装置の入力端
子11に入力される。
【0038】上記入力端子11に入力されたビットスト
リームから、デマルチプレクサ12によって、各帯域n
別に符号Cn(i),ビット配分数Bnおよびスケーリングフ
ァクタの符号FCnがフレーム単位で取り出される。ス
ケーリングファクタ復号化・逆量子化部13nには、スケ
ーリングファクタの符号FCnが入力される。そうする
と、スケーリングファクタ復号化・逆量子化部13nは、
式(3)によってスケーリングファクタ量子化値FQn
求めて逆正規化部15nに送出する。また、復号化・逆量
子化部14nは、入力される符号Cn(i)およびビット配
分数Bnに基づいて、上記符号化装置における量子化・符
号化部7nと逆の動作によって逆量子化してデータNQn
(i)を求める。具体的には、ビット配分数Bnを用いて、
式(1)によって量子化幅dQnを求め、この求められた
量子化幅dQnを用いて、式(5)によって逆量子化して
データNQn(i)を算出する。 NQn(i)=Cn(i)×dQn …(5)
【0039】こうして得られたデータNQn(i)は正規化
されたままの状態である。そこで、逆正規化部15n
送出され、逆正規化部15nによってスケーリングファ
クタ量子化値FQnの真数値fQn倍されて、帯域nのデ
ータDQn(i)が得られる。こうして得られた全帯域のデ
ータDQ1(i)〜DQN(i)(0≦i≦I−1)が帯域合成部
16によって合成されて、ディジタルの楽音データある
いは音声データに復元され、出力端子17から出力され
るのである。
【0040】このように、本実施例においては、上記符
号化装置におけるスケーリングファクタ抽出部4nで、
帯域毎に、データDn(i)の絶対値の最大値をスケーリン
グファクタFnとして抽出する。また、上記スケーリン
グファクタ量子化・符号化部5nの量子化・符号化手段4
nによって式(4)を満たす最大のスケーリングファク
タ量子化値FQ'nおよびその符号FC'nを探索する。そ
して、判定手段42nによって、スケーリングファクタ
抽出部4nからのスケーリングファクタFnの真数値fn
をその量子化値FQ'nの真数値fQ'nで正規化した値
を、式(2)に従って符号化する。そして、この得られた
符号がビット配分数Bnで定まる上記符号割り当て範囲
を越えないと判定すれば、上記量子化値FQ'nをスケー
リングファクタ量子化値FQnとし、上記FC'nをスケ
ーリングファクタFnの符号FCnとする。
【0041】一方、上記スケーリングファクタFnの真
数値fnの正規化値を式(2)に従って符号化した際の符
号が上記符号割り当て範囲を越えると判定した場合に
は、量子化・符号化手段41nによって式(3)を満たす最
小の量子化値(FQ'n+dFQ)を求めてスケーリングフ
ァクタ量子化値FQnとする一方、スケーリングファク
タFnの符号FCnを(FC'n+1)とするのである。
【0042】すなわち、本実施例においては、スケーリ
ングファクタFnを越えない最も大きい量子化値をスケ
ーリングファクタ量子化値の候補とした際に、その候補
がビット配分数Bnによって定まる量子化・符号化部7n
での上記符号割り当て範囲を超えない場合には、上記候
補をスケーリングファクタ量子化値FQnとする。一
方、越える場合には、スケーリングファクタFnを越え
る最も小さい量子化値をスケーリングファクタ量子化値
FQnとするのである。こうすることによって、上記ス
ケーリングファクタ量子化値FQnで正規化した正規化
データNn(i)を量子化する際に、得られる量子化値が上
記符号割り当て範囲を超えない最も広い量子化範囲内に
収まるようにスケーリングファクタFを量子化できる
のである。したがって、データD(i)の量子化が有
効に行われて量子化誤差が低減され、より高い音質の符
号化復号化データを得ることができるのである。
【0043】尚、上記実施例における量子化・符号化部
nに内蔵される量子化器は、図10に示すようなミッ
ドトレッド型量子化器である。このミッドトレッド型量
子化器は量子化幅が総て同じであり線形(均一)である。
しかしながら、この発明における量子化器は、非ミッド
トレッド型であり、非線形であり、非均一であっても、
式(4)を満たす最大の量子化値FQ'nがビット配分数B
nで定まる上記符号割り当て範囲を超えるか否かの判定
ができれば、上述と同様のことができるのである。
【0044】<第2実施例>本実施例は、第1実施例と
同じ効果をテーブルを使用して得る実施例である。つま
り、予め、ビット配分数Bnで定まる上記符号割り当て
範囲の閾値TQを求めてテーブル化しておく。そして、
上記テーブルを参照して、スケーリングファクタFn
量子化した際に量子化値が上記符号割り当て範囲を越え
るか否かを判定するのである。
【0045】以下、第1実施例と同様に、ミッドトレッ
ド型量子化器の場合を例に、具体的に説明する。図4
は、本実施例における符号化装置のブロック図である。
本実施例における入力端子21,帯域分割部22,ビット
配分部23,スケーリングファクタ抽出部24n,正規化
部26n,量子化・符号化部27n,マルチプレクサ28お
よび出力端子29は、第1実施例における入力端子1,
帯域分割部2,ビット配分部3,スケーリングファクタ抽
出部4n,正規化部6n,量子化・符号化部7n,マルチプレ
クサ8および出力端子9と全く同じであるから説明を省
略する。
【0046】上記符号化装置は、上述のテーブルを格納
するテーブル格納部30を有して、以下に詳述するよう
にして、スケーリングファクタ量子化・符号化部25n
よって、スケーリングファクタFnの量子化および符号
化を行うのである。
【0047】上記ミッドトレッド型量子化器において
は、上記ビット配分数Bnで定まる上記符号割り当て範
囲の閾値tqは、データの量子化ビット数Bを用いて、 tq=(2B−1)/(2B−2) …(6) と表せる。例えば、図10に示すように、量子化ビット
数Bが“3"である場合には、tq=7/6となる。そこ
で、式(6)に基づいて求めた量子化ビット数Bと閾値tq
との関係をテーブル化しておく。その際に、閾値tqをデ
シベル値TQとしておく。そして、第1実施例の場合と
同様に、スケーリングファクタFnの真数値fnをスケー
リングファクタ量子化値の候補FQ'nの真数値fQ'n
正規化した値fn/fQ'nのデシベル表現(Fn−FQ'n)
(これは、スケーリングファクタFnの量子化誤差でもあ
る)が閾値TQを越えるか否かを判定することによっ
て、スケーリングファクタ量子化値を決定するのであ
る。
【0048】ここで、本実施例においては、fn/fQ'n
の演算処理を無くしてスケーリングファクタ量子化・符
号化部25nの構成を簡素化するために、真数表現によ
るfn/fQ'nをデシベル表現の量子化誤差(Fn−F
Q'n)に変えて、スケーリングファクタ量子化・符号化部
25nは量子化誤差(Fn−FQ'n)を算出するようにして
いる。また、それの応じて、上記テーブルを図6に示す
ようにデシベル表現にしてテーブル格納部30に格納し
ておくのである。尚、図6においては、量子化ビット数
Bの範囲を2≦B≦16としている。
【0049】上記構成の符号化装置は次のように動作す
る。図5は、本実施例におけるスケーリングファクタ量
子化・符号化部25nの詳細なブロック図である。量子化
・符号化手段51nは、第1実施例と同様にして、スケー
リングファクタ抽出部24nで抽出されたスケーリング
ファクタFnに基づいて、式(4)を満たす最大の量子化
値FQ'nおよびその符号FC'nを探索する。そして、上
記スケーリングファクタ量子化値FQnの候補FQ'n
その符号FC'nを判定手段52nに送出する。
【0050】上記判定手段52nは、上記量子化・符号化
手段51nからの候補FQ'nとスケーリングファクタ抽
出部24nからのスケーリングファクタFnとに基づい
て、スケーリングファクタFnの量子化誤差(Fn−FQ'
n)を算出する。そして、ビット配分部23から配分され
たビット配分数Bnに基づいてテーブル格納部30に格
納されたテーブル(図6参照)を検索して、帯域nにおけ
る上記符号割り当て範囲の閾値TQnを求める。そし
て、上記算出されたスケーリングファクタFnの量子化
誤差(Fn−FQ'n)と閾値TQnとの大小関係を調べ、 Fn−FQ'n<TQn であれば、データDn(i)の絶対値の最大値を量子化して
もその量子化値が上記符号割り当て範囲を越えないの
で、スケーリングファクタ量子化値の候補FQ'nをスケ
ーリングファクタ量子化値FQnと確定して出力するの
である。一方、 Fn−FQ'n≧TQn であれば、データDn(i)の絶対値の最大値を量子化して
もその量子化値が上記符号割り当て範囲を越えるので、
上記量子化・符号化手段51nへ、式(3)を満たす最小の
量子化値FQn及びその符号FCnの算出を指令する指令
信号を出力する。そして、量子化・符号化手段51nから
送出されてくる算出値に基づいて、スケーリングファク
タ量子化値FQnを(FQ'n+dFQ)として出力するの
である。
【0051】上述のように、上記実施例においては、ス
ケーリンファクタ量子化・符号化部25nの判定手段52
nは、スケーリンファクタ量子化値の候補FQ'nが上記
符号割り当て範囲を越えるか否かの判定処理をテーブル
を参照して行うので、上記判定処理を容易に行うことが
できる。したがって、上記判定手段52nの構成を簡単
にすることができる。
【0052】<第3実施例>本実施例は、第1実施例と
同じ効果をテーブルを使用して得る他の実施例である。
図7は、本実施例における符号化装置における符号化部
のブロック図である。本実施例における入力端子31,
帯域分割部32,ビット配分部33,スケーリングファク
タ抽出部34n,正規化部36n,量子化・符号化部37n,
マルチプレクサ38および出力端子39は、第1実施例
における入力端子1,帯域分割部2,ビット配分部3,ス
ケーリングファクタ抽出部4n,正規化部6n,量子化・符
号化部7n,マルチプレクサ8および出力端子9と全く同
じである。また、本実施例におけるテーブル格納部40
に格納するテーブルは以下のようなテーブルである。
【0053】式(3)に式(6)で表される上記符号割り当
て範囲の閾値TQ(以下、第1閾値と言う)を加算するこ
とによって、式(7)が得られる。 Fn<FQn+TQn=Fl+FCn×dFQ+TQn=TFn …(7) そして、スケーリングファクタFnが式(7)における第
2閾値TFnを越えない最小のスケーリングファクタ量
子化値FQnとその符号FCnを探索すれば、データD
n(i)の絶対値の最大値を量子化した際にその量子化値が
上記符号割り当て範囲を越えないようにスケーリングフ
ァクタFnを量子化できるのである。
【0054】そこで、本実施例においては、式(7)を満
たす最小のスケーリングファクタ量子化値FQnおよび
その符号FCnとその際の第2閾値TFnとを対応付けて
ビット配分数Bn毎にテーブル化して、テーブル格納部
40に格納するのである。図9は、上記テーブルの一例
を示し、Fl=−30dB、dFQ=2dB、SB=6ビ
ットであり、データのビット配分数B=3の場合におけ
るスケーリングファクタ量子化値FQおよびその符号F
Cと第2閾値TFとの関係を示す。但し、帯域を示す添
字“n"は省略している。
【0055】上記構成の符号化装置におけるスケーリン
グファクタ量子化・符号化35nは、次のように動作す
る。図8は、上記スケーリングファクタ量子化・符号化
部35nの詳細なブロック図である。ここで、ビット配
分部33からの帯域nのビット配分数Bnは“3"である
とする。そうすると、量子化値検索手段61nは、スケ
ーリングファクタ抽出部34nで求められたスケーリン
グファクタFnとテーブル格納部40に格納されたビッ
ト配分数Bn=3に対応するテーブル(図9参照)の第2
閾値TFnとを比較し、スケーリングファクタFnより大
きく、且つ、最も近い第2閾値TFnを検索する。
【0056】例えば、上記得られたスケーリングファク
タFn=2.1dBであるとすると、第2閾値TFn=3.
339dBが得られる。その際に、テーブルにおける当
該第2閾値TFn=3.339dBと同じ行に在るFQn
2dBとFCn=16とが、目的とするスケーリングファ
クタ量子化値FQnとその符号FCnである。そこで、上
記量子化値検索手段61nは、こうして求めたスケーリ
ングファクタ量子化値FQnとその符号FCnを出力する
のである。
【0057】本実施例においては、上記スケーリングフ
ァクタ量子化・符号化部35nは、量子化値検索手段61
nによってテーブル格納部40に格納されたテーブルを
引くだけで、データDn(i)の絶対値の最大値を量子化し
た際に上記符号割り当て範囲を越えないようなスケーリ
ングファクタ量子化値FQnとその符号FCnとを得るこ
とができる。したがって、スケーリングファクタ量子化
・符号化部35nは演算処理を必要とはせず、第1実施例
におけるスケーリングファクタ量子化・符号化部5nの処
理や第2実施例におけるスケーリングファクタ量子化・
符号化部25nの処理に比較して、少ない処理によって
目的を達成できるのである。したがって、上記スケーリ
ンファクタ量子化・符号化部35nの構成の簡素化を図る
ことができる。
【0058】但し、上記ビット配分数Bn毎に、図9に
示すようなテーブルを作成してテーブル格納部40に格
納する必要があるので、テーブル格納部40には大きな
テーブルを格納できる容量が必要である。例えば、上記
データDn(i)を量子化する際のビット配分数Bnが取り
得る範囲を2≦Bn≦16とし、スケーリングファクタ
nを量子化する際の量子化ビット数SBを“6"とすれ
ば、テーブル格納部40には第2閾値TFnを15×6
4=960個格納する必要がある。
【0059】尚、第3実施例においては、スケーリング
ファクタ量子化・符号化部25nは、テーブル格納部40
に格納されたテーブルを引くことによって、式(7)を満
たす最小のスケーリングファクタ量子化値FQnとその
符号FCnを得るようにしている。しかしながら、この
発明はこれに限定されるものではなく、スケーリングフ
ァクタ量子化・符号化部35nを図2のように構成して、
直接式(7)を計算することによって、式(7)を満たす最
小のスケーリングファクタ量子化値FQnとその符号F
nを得ても何等差し支えない。
【0060】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の符号化装置は、スケーリングファクタ抽出部に
よって入力データの絶対値の最大値をスケーリングファ
クタとして抽出し、量子化・符号化手段によって上記ス
ケーリングファクタの値を越えない最大量子化値を求め
て候補とし、判定手段によって、上記候補が量子化・符
号化部における符号を割り当てることが可能な範囲を越
えないと判定した場合には上記候補をスケーリングファ
クタ量子化値として出力する一方、越えると判定した場
合には上記量子化・符号化手段によって得られた上記ス
ケーリングファクタの値を越える最小量子化値をスケー
リングファクタ量子化値として出力するので、得られた
スケーリングファクタ量子化値で正規化した入力データ
を量子化する際に得られる量子化値が上記範囲を越えな
い最も広い量子化範囲内に収まるように、上記スケーリ
ングファクタを最適に量子化できる。
【0061】したがって、この発明によれば、量子化・
符号化部によって入力データを量子化する際における入
力データの振幅に対する量子化幅の相対割合を小さくし
て量子化効率を上げることができる。その結果、入力デ
ータの量子化誤差を押えて、音響データを圧縮した際の
音質がよくなる。
【0062】また、請求項2に係る発明の符号化装置
は、判定手段によって、テーブル格納部に格納されたテ
ーブルを参照して、量子化・符号化手段で得られたスケ
ーリングファクタ量子化値の候補が量子化・符号化部に
おける符号を割り当てることが可能な範囲を越えるか否
かを判定し、越えないと判定した場合には上記候補をス
ケーリングファクタ量子化値として出力する一方、越え
ると判定した場合には上記量子化・符号化手段によって
得られたスケーリングファクタの値を越える最小量子化
値をスケーリングファクタ量子化値として出力するの
で、上記スケーリングファクタの最適量子化をテーブル
を用いて効率良く実行できる。
【0063】また、請求項3に係る発明の符号化装置
は、スケーリングファクタ抽出部によって入力データの
絶対値の最大値をスケーリングファクタとして抽出し、
量子化値検索手段によって、テーブル格納部に格納され
たテーブルを参照して、上記スケーリングファクタの量
子化値に量子化・符号化部における符号を割り当てるこ
とが可能な範囲の閾値である第1閾値を加えた値を第2
閾値とした際に、上記スケーリングファクタを越える最
小の上記第2閾値を検索し、この検索された第2閾値に
対応付けられている量子化値をスケーリングファクタ量
子化値として出力するので、上記スケーリングファクタ
の最適量子化を上記テーブルを引くだけででき、更に効
率良く実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の符号化装置における一実施例を示す
ブロック図である。
【図2】図1におけるスケーリングファクタ量子化・符
号化部の詳細なブロック図である。
【図3】図1に示す符号化装置によって得られた符号を
復号する復号化装置の一実施例を示すブロック図であ
る。
【図4】図1とは異なる符号化装置のブロック図であ
る。
【図5】図4におけるスケーリングファクタ量子化・符
号化部の詳細なブロック図である。
【図6】図4におけるテーブル格納部に格納されるテー
ブルの一例を示す図である。
【図7】図1および図4とは異なる符号化装置のブロッ
ク図である。
【図8】図7におけるスケーリングファクタ量子化・符
号化部の詳細なブロック図である。
【図9】図7におけるテーブル格納部に格納されるテー
ブルの一例を示す図である。
【図10】量子化器における量子化範囲の説明図であ
る。
【符号の説明】
2,22,32…帯域分割部、 3,23,33…ビ
ット配分部、4,24,34…スケーリングファクタ抽出
部、5,25,35…スケーリングファクタ量子化・符号
化部、6,26,36…正規化部、 7,27,3
7…量子化・符号化部、8,28,38…マルチプレク
サ、 30,40…テーブル格納部、41,51…量子化
・符号化手段、 42,52…判定手段、61…量子化
値検索手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スケーリングファクタ抽出部で抽出され
    たスケーリングファクタをスケーリングファクタ量子化
    ・符号化部で量子化して符号化し、得られたスケーリン
    グファクタ量子化値を用いて正規化部で入力データを正
    規化し、この入力データの正規化値を量子化・符号化部
    で量子化して符号化する符号化装置において、 上記スケーリングファクタ抽出部は、1フレーム内にお
    ける所定数の入力データの絶対値の最大値をスケーリン
    グファクタとして抽出すると共に、 上記スケーリングファクタ量子化・符号化部は、 上記スケーリングファクタの値を越えない最大量子化値
    および上記スケーリングファクタを越える最小量子化値
    を求めると共に、上記求めたスケーリングファクタの値
    を越えない最大量子化値をスケーリングファクタ量子化
    値の候補として出力する量子化・符号化手段と、 上記量子化・符号化部における量子化ビット数によって
    定まる符号を割り当てることが可能な範囲を上記スケー
    リングファクタ量子化値の候補が超えるか否かを所定の
    手順で判定すると共に、上記候補が上記範囲を越えない
    と判定した場合には上記候補をスケーリングファクタ量
    子化値として出力する一方、上記候補が上記範囲を越え
    ると判定した場合には、上記量子化・符号化手段に対し
    て上記スケーリングファクタを越える最小量子化値の算
    出を指令する指令信号を出力し、上記量子化・符号化手
    段によって得られた上記スケーリングファクタを越える
    最小量子化値をスケーリングファクタ量子化値として出
    力する判定手段を有することを特徴とする符号化装置。
  2. 【請求項2】 スケーリングファクタ抽出部で抽出され
    たスケーリングファクタをスケーリングファクタ量子化
    ・符号化部で量子化して符号化し、得られたスケーリン
    グファクタ量子化値を用いて正規化部で入力データを正
    規化し、この入力データの正規化値を量子化・符号化部
    で量子化して符号化する符号化装置において、 上記スケーリングファクタ抽出部は、1フレーム内にお
    ける所定数の入力データの絶対値の最大値をスケーリン
    グファクタとして抽出すると共に、 上記量子化・符号化部における量子化ビット数で定まる
    符号を割り当てることが可能な範囲の閾値と当該量子化
    ビット数とを対応付けてなるテーブルを格納するテーブ
    ル格納部を備えて、 上記スケーリングファクタ量子化・符号化部は、 上記スケーリングファクタの値を越えない最大量子化値
    および上記スケーリングファクタを越える最小量子化値
    を求めると共に、上記求めたスケーリングファクタの値
    を越えない最大量子化値をスケーリングファクタ量子化
    値の候補として出力する量子化・符号化手段と、 上記量子化・符号化部における量子化ビット数によって
    定まる符号を割り当てることが可能な範囲を上記スケー
    リングファクタ量子化値の候補が超えるか否かを上記テ
    ーブルを参照して判定すると共に、上記候補が上記範囲
    を越えないと判定した場合には上記候補をスケーリング
    ファクタ量子化値として出力する一方、上記候補が上記
    範囲を越えると判定した場合には、上記量子化・符号化
    手段に対して上記スケーリングファクタを越える最小量
    子化値の算出を指令する指令信号を出力し、上記量子化
    ・符号化手段によって得られた上記スケーリングファク
    タを越える最小量子化値をスケーリングファクタ量子化
    値として出力する判定手段を有することを特徴とする符
    号化装置。
  3. 【請求項3】 スケーリングファクタ抽出部で抽出され
    たスケーリングファクタをスケーリングファクタ量子化
    ・符号化部で量子化して符号化し、得られたスケーリン
    グファクタ量子化値を用いて正規化部で入力データを正
    規化し、この入力データの正規化値を量子化・符号化部
    で量子化して符号化する符号化装置において、 上記スケーリングファクタ抽出部は、1フレーム内にお
    ける所定数の入力データの絶対値の最大値をスケーリン
    グファクタとして抽出すると共に、 上記スケーリングファクタの量子化値に上記量子化・符
    号化部における量子化ビット数で定まる符号を割り当て
    ることが可能な範囲の閾値である第1閾値を加算してな
    る第2閾値と、上記スケーリングファクタの値が上記第
    2閾値を越えないようにする最小の上記量子化値及びそ
    の符号とを対応付けてなるテーブルを、上記量子化ビッ
    ト数毎に格納するテーブル格納部を備えて、 上記スケーリングファクタ量子化・符号化部は、 上記テーブルを参照して、上記スケーリングファクタを
    越える最小の上記第2閾値を検索すると共に、上記検索
    された第2閾値に対応付けられている量子化値をスケー
    リングファクタ量子化値として出力する量子化値検索手
    段を有することを特徴とする符号化装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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