【発明の詳細な説明】
7-(2-アミノエチル)-ベンゾチアゾロン
本発明は新規化合物、それらの製造法、それらを含有する医薬組成物およびそ
れらの使用を含む治療法に関する。
国際特許出願No. WO 92/08708(本出願の優先日後に公告された)は幾つかの
生物学的に活性なアミンおよびそれらのβ2-アドレノレセプターアゴニストおよ
びドーパミンDA2-アゴニストとしての活性度を開示している。
今般、本発明者らは従来技術で知られているものより優れた利点を有する7-
(2-アミノエチル)-ベンゾチアゾロン誘導体グループを見い出した。
本発明によれば、式I
(式中、XおよびYは独立して-S(0)n-または-0-であり、nは0、1または2
であり、p、qおよびrは独立して2または3であり、Zは場合によってはハロ
ゲン、-OR1、-N02またはNR2R3により置換されたフェニル、あるいは5または6
員のN、OまたはSを含有する複素環であり、そしてR1、R2およびR3は独立して
水素またはC1〜6-アルキルである)の化合物およびその医薬上許容しうる誘導体
が提供される。
また、本発明によれば、
a)式II
の化合物またはその誘導体を式III
L-(CH2)p-X-(CH2)q-Y-(CH2)r-Z (III)
(式中、p、q、r、X、YおよびZは上記で定義された通りであり、そしてL
は脱離基である)のアルキル化剤でアルキル化すること;
b)上記で定義されたような式IIの化合物を還元剤の存在下、式IV
0=CH-(CH2)p-1-X−(CH2)q-Y-(CH2)r-Z (IV)
(式中、p、q、r、X、YおよびZは上記で定義された通りである)の化合物
でアルキル化すること;
c)式V
(式中、p、q、r、X、YおよびZは上記で定義された通りである)の化合物
の選択的還元;
d)式Va
(式中、p、q、r、X、YおよびZは上記で定義された通りである)の化合物
の選択的還元;
e)1個以上の官能基が保護されている式Iの対応する保護化合物からの保護基
の除去;および
所望により、または必要に応じて、得られる式Iの化合物をその医薬上許容しう
る誘導体に、またはその逆に変換することを包含する式Iの化合物またはその薬
学的に許容しうる誘導体の製造法が提供される。
工程a)において、脱離基Lの例としては塩化物、臭化物および沃化物のよう
なハロゲン化物、並びにメタンスルホニルオキシまたはp-トルエンスルホニル
オキシのようなアルキルまたはアリールスルホニルオキシ基が挙げられる。反応
は好ましくは塩基、例えば炭酸ナトリウムまたはカリウムのような無機塩基、あ
るいはトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンのよ
うな有機塩基の存在下で行なわれる。反応は好都合にはエーテル、例えばテトラ
ヒドロフランまたはジオキサン;ケトン、例えばブタノンまたはメチルイソブチ
ルケトン;置換アミド、例えばジメチルホルムアミド;あるいは塩素化炭化水素
、例えばクロロホルムのような溶媒中、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度
で行なわれる。
式IIIのアルキル化剤は公知の方法により対応するアルコール(すなわち、L
がOHである化合物)から製造することができる。例えば、アルコールはハロゲン
化剤と反応してLがハロゲン原子である式IIIの化合物を与えることができる。
適当なハロゲン化剤の例としてはトリフェニルホスフィン-テトラハロゲノメタ
ン付加物(好都合には例えばトリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素の反応に
より現場で生成される)が挙げられる。反応はアセトニトリルまたは塩素化炭化
水素、例えばジクロロメタンのような溶媒の存在下、0〜30℃の範囲の温度で行
なうことができる。
工程b)において、適当な還元剤の例としては標準または高い温度および圧力
において、反応溶媒としてエタノールのようなアルコール、酢酸エチルのような
エステル、テトラヒドロフランのようなエーテル、水または溶媒混合物を使用し
、木炭のような支持体上の白金、酸化白金、パラジウム、酸化パラジウム、ラネ
ーニッケルまたはロジウムのような触媒が存在する水素が挙げられる。あるいは
、還元剤はジボランのような水素化物または水素化ホウ素ナトリウム、水素化シ
アノホウ素ナトリウムもしくは水素化アルミニウムリチウムのような金属水素化
物であってよい。これらの還元剤との反応に適した溶媒は使用する特定の水素化
物に依存するが、その例としてはメタノールまたはエタノールのようなアルコー
ル:ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテルまたはテトラヒドロフランの
ようなエーテルが挙げられる。
式IVの化合物を使用するアルキル化はイミン中間体を生成し、それを上記の条
件下で還元すると式Iの化合物を与える。
式IIおよびIVの化合物、並びに式IIIに相当するアルコールは知ら
れており、または公知の技術により製造することができる。
工程c)およびd)において、反応は慣用の還元技術を使用して行なうことがで
きる。還元剤は求電子試薬、例えばジボラン、または求核試薬、例えば水素化ア
ルミニウムリチウムもしくは水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウム
ナトリウムのような複合金属水素化物であってよい。溶媒は好ましくは反応条件
に対して不活性である。例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたは1,
2-ジメトキシエタンのような非プロトン性溶媒が好ましい。反応は約0〜100℃
の温度で行なうことができる。
式VおよびVaの化合物は慣用手段によるアミンおよび酸または酸塩化物のカ
ップリングによって製造することができる。例えば、カップリングはSheehanお
よびHessのJ. Am. Chem. Soc., 77, 1067(1955年)に記載の方法を使用してジ
シクロヘキシルカルボジイミドまたはStaabのAngew. Chem. Int. Ed. Engl., 1,
351(1962年)に記載されているように1,1-ジカルボニルジイミダゾールの存在
下で行なうことができる。カップリング反応に必要なアミンは知られており、ま
たは例えばJ. Med. Chem., 30, 1166(1987年)に記載されているような慣用の
方法により製造することができる。
式Vaの中間体は新規であり、したがって本発明の別の見地によれば、式Va
(式中、p、q、r、X、YおよびZは上記で定義された通りである)の化合物
が提供される。
さらに、式Iの化合物の製造についての詳細を実施例に示す。
上記の工程において、出発物質に存在する何れかの官能基、例えばヒドロキシ
またはアミノ基を保護する必要があり、そのため工程e)は1個以上の保護基の
除去を含む。適当な保護基およびそれらの除去法は例えばT.W. GreeneおよびP.G
.M. Wutsの「有機合成における保護基」、John Wily and Sons社(1991年)に
記載されているものである。ヒドロキシ基は例えばフェニルメチル、ジフェニル
メチルまたはトリフェニルメチルのようなアリールメチル基により、あるいはテ
トラヒドロピラニル誘導体として保護することができる。
適当なアミノ保護基の例としては、ベンジル、(R,S)-α-フェニルエチル、
ジフェニルメチルまたはトリフェニルメチルのようなアリールメチル基およびア
セチル、トリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルのようなアシル基が挙
げられる。慣用の脱保護法を使用することができる。アリールメチル基は例えば
木炭上のパラジウムのような金属触媒の存在下で水添分解することにより除去で
きる。テトラヒドロピラニル基は酸性条件下での加水分解により開裂することが
できる。アシル基は水酸化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基を用いた
加水分解により除去することができ、またトリクロロアセチルのような基は例え
ば亜鉛および酢酸を用いた還元により除去することができる。
式Iの化合物の薬学的に許容しうる誘導体はその薬学的に許容しうる塩、エス
テルおよびアミドを含む。
式Iの化合物の適当な薬学的に許容しうる塩の例としては、塩酸塩、臭化水素
酸塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、
4-メトキシ安息香酸塩、2-または4-ヒドロキシ安息香酸塩、4-クロロ安息香
酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン
酸塩、メタンスルホン酸塩、スルファミック酸塩(sulphamates)、アスコルビ
ン酸塩、サリチル酸塩、酢酸塩、ジフェニル酢酸塩、トリフェニル酢酸塩、アジ
ピン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、グルコン酸塩、ヒ
ドロキシ-ナフタレンカルボン酸塩、例えば1-ヒドロキシ-または3-ヒドロキシ
-2-ナフタレンカルボン酸塩、またはオレイン酸塩のような無機酸および有機酸
から誘導される酸付加塩が挙げられる。化合物はまた適当な塩基を用いて種々な
塩を生成することができる。そのような塩の例としては、ナトリウムおよびカリ
ウムのようなアルカリ金属、並びにカルシウムおよびマグネシウムのようなアル
カリ土類金属の塩が挙げられる。式Iの化合物は塩、好都合には薬学的に許容し
うる塩の形態で得ることができる。所望ならば、そのような塩は慣用の方法を使
用して遊離塩基に変換することができる。薬学的に許容しうる塩は式Iの化合物
を適当な酸または塩基と適当な溶媒の存在下で反応させることにより製造できる
。
式Iの化合物の適当な薬学的に許容しうるエステルはC1〜6-アルキルエステル
、例えばエチルエステルを含む。エステルは慣用技術、例えばエステル化または
エステル交換により生成することができる。
適当なアミドの例としては未置換の、またはモノ-もしくはジ-
置換のC1〜6-ルキルまたはフェニルアミドが挙げられ、そして慣用技術、例えば
その相当する酸のエステルとアンモニアまたは適当なアミンの反応により生成す
ることができる。
式Iの化合物は互変異性を示すこともあり、また1個以上の不斉炭素原子を含
有してもよく、そのため光学異性および/またはジアステレオ異性を示すことが
ある。ジアステレオマーは慣用技術、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶
により分離することができる。種々の光学異性体は慣用技術、例えば分別結晶ま
たはHPLC技術を使用する化合物のラセミ状または他の混合物の分離により単離す
ることができる。別法として、所望の光学異性体はラセミ化をひき起こさない条
件下で適当な光学的に活性な出発物質を反応させることにより生成することがで
きる。
「アルキル」なる用語は直鎖状、分枝状または環状の飽和または不飽和アルキ
ル基を意味する。
Zがハロゲン、-OR1、-NO2または-NR2R3により置換されたフェニルである場合
、そのような基のうち1個だけで置換されることが好ましい。フェニルは-(CH2
)p-X-(CH2)q-Y-(CH2)r-基に対してオルト、メタまたはパラ位に置換されう
るが、フェニルが-(CH2)p-X-(CH2)q-Y-(CH2)r-基に対してオルトまたはパ
ラ位に置換される化合物が好ましい。
Zが示す特定の5または6員の複素環基の例としてはフラニル、ピリジニルお
よびチエニルが挙げられる。しかしながら、Yがフェニルである式Iの化合物が
好ましい。
Zが置換されるハロゲンの例としては、臭素、塩素およびフッ素が挙げられる
。
Zがフェニルである式Iの化合物が好ましい。
XおよびYの一方が-0-である式Iの化合物が好ましい。
rが2である式Iの化合物が好ましい。
p+qが5である式Iの化合物が好ましい。
-(CH2)p-X-(CH2)q-Y-(CH2)r-が示す特定の基の例としては、
-(CH2)3-S-(CH2)2-0-(CH2)2-
-(CH2)3-SO2-(CH2)2-0-(CH2)2-
-(CH2)3-0-(CH2)2-0-(CH2)2-
-(CH2)2-0-(CH2)3-0-(CH2)2-
-(CH2)2-0-(CH2)2-0-(CH2)2-
-(CH2)2-SO2-(CH2)3-0-(CH2)2-
-(CH2)2-S-(CH2)3-0-(CH2)2-
が挙げられる。
式Iの化合物はそれらが動物において薬理活性を示すという点で有用である。
特に、本化合物はβ2-アドレノレセプターアゴニストである。その活性度はI.G.
Dougall, D. Harper, D.M. JacksonおよびP. LeffのBr. J. Pharmacol., 104,
1057(1991年)に記載のように、単離したモルモットの気管で証明されうる。本
化合物はまた、ドーパミンDA2-アゴニストである。牛の下垂膜におけるDA2結合
部位についての供試化合物の結合親和性はそれぞれD.R. Sibley,A. DeLeanおよ
びI. Creeseの前下垂体ドーパミンレセプター、相互転換のできる高いおよび低
い親和性状態のD-2ドーパミンレセプターの測定、J. Biol. Chem., 257(11)
, 6351〜6361(1982年)に記載のように、非加水分解性GTP類似体の不存在また
は存在下における〔3H〕-N-n-プロピルノルアポモルフィンおよび〔3H〕-スピ
ペ
ロンの置換により測定することができる。DA2活性度はまた、BrownおよびO'Conn
orのBr. J. Pharmacol., 73, 189P(1981年)に記載されているように、単離し
たウサギの耳の動脈を用いた機能スクリーンで証明されうる。本化合物はまた、
有利なDA2:β2活性比を示す。
式Iの化合物は可逆性気道閉鎖症として知られている症状の治療に使用される
。「可逆性気道閉鎖症」なる用語が喘息、例えば気管支喘息、アレルギー性喘息
、内因性喘息、外因性喘息および塵埃喘息、特に慢性または転化性の喘息(例え
ば後発喘息および気道の反応過敏):気管支炎など(例えば英国特許第2,022,07
8号およびBr.J. Pharmacol., 24, 4983(1987年)を参照)のような症状を包含
することは当業者ならばよく理解されよう。特に喘息が興味深い。
本明細書で使用される「治療」なる用語は疾患の症状の軽減だけでなく予防も
また包含する。
したがって、本発明の別の見地によれば、可逆性気道閉鎖症の治療、または予
防の方法が提供される。本法は治療的に有効な量の式Iの化合物またはその薬学
的に許容しうる誘導体をこのような症状に病む、またはかかりやすい患者に投与
することからなる。
式Iの化合物はまた、種々の他の症状、例えば炎症性およびアレルギー性皮膚
疾患、うっ血性心不全および緑内障の治療に使用される。
上記の使用において、もちろん投与量は使用する化合物、投与方法および所望
する治療に応じて変化する。しかしながら、一般に、式Iの化合物を動物の体重
1kgあたり約1μg〜約20mgの1日投与量で、好ましくは1日に1〜4回の分割
量で、または持効性形態で
投与した場合に満足ゆく結果が得られる。人間の場合、全1日投与量は70μg〜1
,400mgの範囲であり、投与に適した単位投与形態は固体または液体の薬用希釈剤
または担体と混合された20μg〜1,400mgの化合物からなる。
式Iの化合物は単独で、または局所、経腸または非経口投与に適した医薬組成
物の形態で使用することができる。
肺への局所投与に適した形態の組成物の例としてはエアゾル剤、例えば加圧ま
たは非加圧粉末組成物が挙げられ;
経口投与に適した形態の組成物の例としては錠剤、カプセル剤および糖剤が挙
げられ;
皮膚への投与に適した形態の組成物の例としてはクリーム剤、例えば水中油形
乳剤または油中水形乳剤が挙げられ;
静脈内投与に適した形態の組成物の例としては注射剤および浸剤が挙げられ;
そして
眼への投与に適した形態の組成物の例としては滴剤および軟膏剤が挙げられる
。
本発明によれば、好ましくは80重量%未満、より好ましくは50重量%未満の式
Iの化合物またはその薬学的に許容しうる誘導体を薬学的に許容しうる希釈剤ま
たは基剤と混合して含有する医薬組成物もまた提供される。
このような希釈剤および担体の例は錠剤および糖剤の場合、ラクトース、スタ
ーチ、タルク、ステアリン酸であり;カプセル剤の場合、酒石酸またはラクトー
スであり;そして注射用液剤の場合、水、アルコール、グリセリン、植物油であ
る。
式Iの化合物を肺に投与する場合、加圧または非加圧粉末として
吸入させることができる。式Iの化合物の加圧粉末組成物は液化ガス噴射剤また
は圧縮ガスを含有しうる。非圧縮粉末組成物において、微粉末状活性成分を例え
ば直径100μmまでの粒子からなるより大きな薬学的に許容しうる担体と混合して
使用することができる。適当な不活性基剤の例としては結晶性ラクトースが挙げ
られる。
式Iの化合物は類似構造の化合物よりも毒性が低く、有効であり、長く作用し
、広範囲の活性を有し、強力であり、副作用が少なく、容易に吸収され、または
他の有用な薬理学的特性を有するという利点がある。
以下の実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。温度は摂氏度である。反応は窒素またはアルゴンの不活性雰囲気下で行なっ
た。分取用HPLC分離は一般にDYNAMAX(登録商標)60A C-18逆相カラムを使用し
て行なった。
実施例1
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル
〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-オン塩酸塩
a)3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルチオ〕プロピオン酸
乾燥DMF(10ml)中における2-〔2-フェニルエトキシ〕エタンチオール(2.1
3g)の溶液をDMF(50ml)中における水素化ナトリウム(0.60g、油中80%)の冷
却された(0℃)撹拌懸濁液に滴加した。混合物を0℃で90分間撹拌した。次に
乾燥DMF(10ml)中における3-ブロモプロピオン酸(3.15g)の溶液を滴加し、
そして反応物を室温で16時間撹拌した。水(250ml)を加え、そして全体を濃塩
酸でpH 2/3まで酸性にした。水溶液をエーテルで数回抽出し、合一したエーテル
層を水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgS04)し、そして減圧下で蒸発させた
。これにより粗製酸を得、それをジクロロメタン:エーテル/6:1(1滴の酢
酸/100mlの溶離剤)を使用するシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによ
り精製して副題化合物(2.15g)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:2.6〜2.8(m, 4H), 2.81(t, 2H), 2.89(t,2H), 3.6
-3.76(m, 4H), 7.2〜7.4(m,5H)。
b)3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル〕プロピオン酸
水(50ml)中におけるペルオキシモノ硫酸カリウム(15.6g、OXONE(登録商標
))の溶液をメタノール(50ml)中における工程a)からの物質(2.15g)の冷
却(0℃)溶液に滴加した。添加終了後、氷浴を取り外し、そして反応混合物を
室温で4時間撹拌した。全体を水に注ぎ込み、クロロホルムで3回抽出した。合
一した有機抽出物を水洗し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で蒸発させて副題化合物
を白色固体(1.91g、79%)として得た。
質量スペクトル:EI TMS誘導体343〔(M-15)+〕
1H NMR(CDCl3)δ:2.76(t, 2H), 2.91(t, 2H), 3.19(m, 4H),3.72(
t, 2H), 3.86(t, 2H), 7.15〜7.3(m, 5H)。
c)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル〕プロパンアミド
トリエチルアミン(0.70ml)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.9
8g)、そして最後にジシクロヘキシルカルボジイミド
(1.49g)をDMF(25ml)中における7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキシ-1,3
-ベンゾチアゾール-2(3H)-オン臭化水素酸塩(1.62g)および工程b)からの
物質(1.75g)の撹拌溶液に加えた。全体を室温で16時間撹拌した。氷酢酸(0.1
ml)を加え、撹拌を15分間続けた。DMFを減圧下で除去し、そして残留物を酢酸
エチル(50ml)でスラリーにした。懸濁されたジシクロヘキシル尿素を濾過によ
り除去した。濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO4)した
。溶媒を減圧下で除去して残留物を得、それをジクロロメタン:エタノール/95
:5を使用するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して副題化合物
(1.89g、71%)を得た。融点142〜144℃。
質量スペクトル:FAB +ve479〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.50(m, 2H), 2.61(t, 2H), 2.81(t, 2H),3.2
〜3.4(brm, 6H+D2O), 3.64(t, 2H), 3.75(t, 2H), 6.70(d,1H), 6.80
(d, 1H), 7.15〜7.30(m, 5H), 8.14(t, 1H), 10.0(brs,1H), 11.5(s,
1H)。
元素分析値(C22H26N2O6S2として)
実測値 ; C55.03% H 5.55% N 5.90% S 13.07%
理論値 ; C55.21% H 5.48% N 5.85% S 13.39%
d)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホ
ニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-オン塩酸塩
ボラン-テトラヒドロフラン溶液(THF中1.0M、15ml)を乾燥テトラヒドロフ
ラン(100ml)中における工程c)からの生成物(2.06g)の撹拌溶液に滴加した
。薄層クロマトグラフィーが出発物質がもう
残存していないことを示すまで、反応を不活性雰囲気下で還流した。反応を冷却
し、メタノール(3.5ml)を加えた(注意!)。反応をさらに30分間撹拌した。
溶媒を減圧下で除去し、残留物をメタノール(100ml)に溶解し、それに濃塩酸
(比重1.18、0.75ml)を加えた。これを30分間還流した。冷却し、減圧下でメ
タノールを除去して油状残留物を得、それはエーテルで摩砕すると粗製表題化合
物を淡黄色の固体として与えた。表題化合物の一部を溶離剤としてメタノールお
よび0.1%トリフルオロ酢酸を使用する分取用逆相HPLCにより精製した。最後に
、少量のエタノールに溶解し、乾燥エーテル性塩酸で処理し、溶媒を除去して塩
酸塩を製造し、表題化合物を白色の粉末として得た。融点201〜203℃。
質量スペクトル:FAB+ve 465〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.01(m,2H),2.80(m,4H),2.98(brs,2H),3.
10(t,4H),3.36(t,2H),3.66(t,2H),3.77(t,2H),6.77(d,1H)
,6.88(d,1H),7.2〜7.35(m,5H),8.98(brs,2H),10.13(brs,1H),
11.77(s,1H)。
元素分析値(C22H28N2O5S2・HClとして)
実測値 ;C 52.31% H 5.85% N 5.54% S 12.54% Cl l7.48%
理論値 ;C 52.73% H 5.83% N 5.90% S 12.79% Cl l7.08%
実施例2
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロポキシ〕エチ
ルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-オン塩酸塩
a)2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロポキシ〕酢酸副題化合物を3-〔2-
フェニルエトキシ〕プロパノール(Can.
J.Chem.,52,888(1974年)に記載の方法に従って2-フェニルメチル-1,3-ジ
オキサンから製造した)を使用して実施例1a)に記載の一般法に従って製造し
た。
1H NMR(CDCl3)δ:1.89(m,2H),2.90(q,2H),3.49〜3.60(m,6H),
4.05(s,2H),7.21〜7.30(m,5H)。
b)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロポキシ〕アセトアミド
副題化合物を実施例1c)に記載の一般法に従って製造した。融点150〜151℃
。
質量スペクトル:FAB+ve 431〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.73(m,2H),2.63(t,2H),2.79(t,2H),3.2
〜3.4(brm,6H+D2O),3.54(t,2H),3.76(brs,2H),6.69(d,1H),6.7
9(d,1H),7.16〜7.29(m,5H),8.12(t,1H),9.92(s,1H),11.61(s
,1H)。
元素分析値(C22H26N2O5Sとして)
実測値 ; C 60.90% H 6.02% N 6.40% S 6.91%
理論値 ; C 61.37% H 6.09% N 6.51% S 7.45%
c)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロポキシ〕
エチルアミノ〕エチル〕-1,3−ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
表題化合物を実施例1d)に記載の一般法に従って製造した。融点159〜160℃
。
質量スペクトル:FAB+ve 417〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.75(t,2H),2.79(t,2H),2.87(t,2H),
3.12(m,4H),3.45(m,4H+D2O),3.58(m,4H),6.77(d,1H),6.85(d
,1H),7.18〜7.27(m,5H),8.99(brs,2H),10.16(s,1H),11.8(brs
,1H)。
元素分析値(C22H28N2O4S・HClとして)
実測値 ;C 58.33% H 6.54% N 6.37% S 6.79% Cl 7.96%
理論値 ;C 58.33% H 6.23% N 6.18% S 7.08% Cl 7.83%
実施例3
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕プロピ
ルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
a)3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕プロパンニトリル
ジクロロメタン(100ml)および水(100ml)中における3-(2-フエニルエト
キシ)エタノール(8.0g、Can.J.Chem.,52,888(1974年)に記載の方法に従
って2-フェニルメチル-1,3-ジオキソランから製造した)、水酸化ナトリウム(
50g)および塩化テトラブチルアンモニウム(0.5g)の混合物を室温で72時間撹
拌した。混合物を水で希釈し、有機層を分離した。水層をさらにジクロロメタン
で抽出した。合一した有機抽出物を希塩酸水溶液および水で洗浄し、乾燥(MgSO4
)し、そして減圧下で蒸発させて粗生成物を得た。この物質を溶離剤としてエ
ーテル:石油エーテル(沸点60〜80℃)/1:1を使用するシリカ上のフラッシ
ュクロマトグラフィーにより精製して、副題化合物を油状物(9.84g、90%)と
して得た。
質量スペクトル:EI 219(M)+
1H NMR(CDCl3)δ:2.55(t,2H),2.90(t,2H),3.61〜3.74(m,
8H),7.18〜7.36(m,5H)。
b)3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕プロパナール
水素化ジイソブチルアルミニウム(3.3ml、トルエン中1.5M)をテトラヒドロ
フラン中における工程a)からの3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕
プロパンニトリル(1.0g)の冷却された(0℃)撹拌溶液に滴加した。30分後、
室温まで加温して、さらに2時間撹拌した。水および10%塩酸水溶液を注意して
加え、反応をさらに5分間撹拌した。反応混合物をエーテルで数回抽出し、合一
したエーテル抽出物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、乾
燥(MgSO4)し、そして減圧下で蒸発させて副題化合物を黄色の油状物として得
た。この物質を精製することなく次の工程で使用した。
c)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕プ
ロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール−2(3H)オン塩酸塩
水素化シアノホウ素ナトリウム(0.333g)をメタノール(180ml)中における
工程b)からの3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕プロパナール(2.2
g)、6%水性酢酸(2ml)および7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-
ベンゾチアゾール-2(3H)オン臭化水素酸塩(2.05%)の撹拌溶液に加えた。反
応を室温で2時間撹拌し、そしてHPLC分析によりその間にすべての出発物質が消
費されたことがわかった。反応を濃水酸化アンモニウム水溶液で塩基性にし、メ
タノールを減圧下で除去して粗生成物を得た。溶離剤としてクロロホルム中のメ
タノールを使用するシリカ上のクロマトグラフィー、溶離剤としてメタノールお
よび0.1%水性トリフルオ
ロ酢酸を使用する分取用逆相HPLCにより精製し、最後に塩酸塩を生成して、表題
化合物を白色の固体として得た。融点186〜190℃。
質量スペクトル:FAB+ve 417〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.80〜1.88(m,2H),2.78〜2.86(m,4H),2.97(t
,2H),3.09(t,2H),3.46(t,2H),3.47〜3.58(m,4H),3.60(t,2H)
,6.76(d,1H),6.88(d,1H),7.16〜7.29(m,5H),8.70(brs,2H),10
.13(s,1H),11.76(brs,1H)。
元素分析値(C22H28N2O4S・-HCl・1.42H2Oとして)
実測値 ;C 55.24% H 5.98% N 5.92% S 6.36% Cl 7.35%
理論値 ;C 55.20% H 6.41% N 5.88% S 6.70% Cl 7.41%
実施例4
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕エチル
アミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
a)2-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕酢酸
水素化ナトリウム(油中60%分散液、0.86g)を石油エーテルで数回洗浄し、
テトラヒドロフラン(5ml)中で懸濁した。テトラヒドロフラン(10ml)中にお
ける2-〔2-フェニルエトキシ〕エタノール(1.5g、Can.J.Chem.,52,888(
1974年)に記載の一般法に従って2-フェニルメチル-1,3-ジオキソランから製造
した)の溶液をその懸濁液に滴加し、そして混合物を55℃で15分間、次に室温で
2時間撹拌した。テトラヒドロフラン(5ml)中におけるクロロ酢酸(0.85g)
を加え、撹拌を室温で17時間継続した。テトラヒドロフランを減圧下で除去し、
残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液およびジエチルエーテルに分配した(エー
テル層を捨てた)。
分離した水層を水性希塩酸で酸性にし、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出
物を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして減圧下で蒸発させて淡褐
色の油状物(1.48g)を得た。溶離剤としてエーテル:石油エーテル(沸点60〜8
0℃)/1:1を使用するシリカ上のクロマトグラフィーにより、副題化合物(1
.07g)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:2.94(t,2H),3.49〜3.82(m,6H),4.16(s,2H),
7.18〜7.34(m,5H)。
b)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イソ〕
エチル〕-2-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチル〕アセトアミド
副題化合物を実施例1c)に記載の一般法に従って製造した。
質量スペクトル:FAB+ve 417〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.61(t,2H),2.79(t,2H),3.31(m,6H),3.60
(t,2H),3.82(s,2H),6.69(d,1H),6.79(d,1H),7.15〜7.29(m,5
H),7.72(t,1H),9.91(brs,1H),11.61(brs,1H)。
c)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エトキシ〕エ
チルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
表題化合物を実施例1d)に記載の一般法に従って製造した。融点123℃。
質量スペクトル:FAB+ve 403〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.78(t,2H),2.85(t,2H),3.09(m,4H),3.56
(m,6H),3.65(t,2H),6.77(d,1H),6.83(d,1H),7.08〜7.29(m,5
H),9.00(s,2H),10.15(s,1H),11.69(s,1H)。
元素分析値(C21H26N2O4S・HClとして、0.18モル過剰のHCl)
実測値 ;C 56.62% H 6.15% N 6.43% Cl 9.40%
理論値 :C 56.62% H 6.14% N 6.29% Cl 9.37%
実施例5
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルチオ〕エ
チルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
a)3-メルカプトプロパノール
水中(100ml)におけるチオ尿素(36g)の溶液3-ブロモプロパノール(33ml
)と混合し、4時間還流した。混合物を僅かに冷却し、10%水酸化ナトリウム水
溶液(190ml)を加えた。再び、混合物をさらに3時間加熱還流し、冷却し、そ
して室温で17時間放置した。反応混合物を濃硫酸でpH4まで酸性にし、ジエチル
エーテルで抽出した。合一した有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮し
て粗生成物を黄色の液体として得た。蒸留により、副題化合物(14.67g)を得た
。
質量スペクトル:EI 92(M)+
1H NMR(CDCl3)δ:1.40(m,1H),1.91(m,3H),2.63(q,2H),3.75(
t,2H)。
b)2-フェニルメチル-1,3-オキサチアン
トルエン(200ml)中における工程a)からのチオール(14.67g)の溶液に、
p-トルエンスルホン酸(1g)およびフェニルアセトアルデヒド(18.3ml)を加
えた。Dean & Stark装置を使用して反応を還流した。適当な量の水を集めた後
、反応混合物を冷却し、飽和重炭酸ナトリウムおよび飽和ブラインで洗浄し、そ
して乾燥(K2CO3)した。粗生成物を蒸留(沸点100〜110℃/0.3ミリバール)と
して黄
色の液体(19.65g)を得た。
質量スペクトル:EI 194(M)+
1H NMR(CDCl3)δ:1.66(d,1H),1.95(m,1H),2.7(m,1H),2.94(m
,2H),3.10(m,1H),3.53(t,1H),4.14(d,1H),4.90(t,1H),6.69
〜7.32(m,5H)。
c)3-〔2-フェニルエトキシ〕プロパンチオール
カルシウム削り屑(3.5g)を液体アンモニア(500ml)に滴加し、全体を10分
間激しく撹拌した。エーテル(7ml)中における工程b)からのチオアセタール
(10g)を暗青色の溶液に7分間にわたって滴加した。混合物を2時間撹拌し、
次に泡立ちがやむまで塩化アンモニウムで急冷した。窒素下で一晩パージするこ
とにより、過剰のアンモニアを蒸発させた。残留固体を10%希塩酸水溶液でpH1
〜2まで酸性にし、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合一し、水および
ブラィンで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして減圧下で濃縮して副題化合物(8.2
9g)を得た。
質量スペクトル:EI 196(M)+
1H NMR(CDCl3)δ:1.29(d,1H),1.86(m,2H),2.56(q,2H),2.87(
t,2H),3.49(t,2H),3.64(t,2H),6.97〜7.31(m,5H)。
d)2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルチオ〕酢酸
水素化ナトリウム(60%、3.38g)を石油エーテルで洗浄し、0℃でジメチル
ホルムアミド(5ml)中に懸濁した。ジメチルホルムアミド(10ml)中における
工程c)からのチオール(8.29g)の溶液を滴加した。撹拌を0〜8℃で2時間
継続し、その間ジメチルホルムアミド(15ml)中におけるブロモ酢酸(5.88g)
の溶液を滴加した。撹拌を促すために、さらにジメチルホルムアミド(20ml)を
加えた。
室温で17時間後、ジメチルホルムアミドを減圧下で除去した。残留物を飽和重炭
酸ナトリウム水溶液およびジエチルエーテルに分配した(エーテル層を捨てた)
。水層を分離し、塩酸でpH1〜2まで酸性にし、ジエチルエーテルで抽出した。
エーテル抽出物を合一し、水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そし
て減圧下で濃縮した。粗製物質を溶離剤として石油エーテル(沸点60〜80℃):
エーテル/1:1を使用するシリカ上のクロマトグラフィーで処理して、副題化
合物(7.10g)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:1.86(m,2H),2.70(t,2H),2.87(t,2H),3.21(
s,2H),3.51(t,2H),3.63(t,2H),7.17〜7.30(m,5H),9.74(s,1H
)。
e)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルチオ〕アセトアミド
7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-オン
臭化水素酸塩を使用して副題化合物を実施例1c)に記載の一般法に従って製造
し、溶離剤としてジクロロメタン:エタノール/9:1を使用するシリカ上のク
ロマトグラフィーにより精製して副題化合物(1.08g)を得た。
質量スペクトル:FAB+ve 447〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.70(m,2H),2.65(t,2H),2.67(t,2H),2.78
(t,2H),3.05(s,2H),3.28(q,2H),3.41(t,2H),3.53(t,2H),6
.71(d,1H),6.83(d,1H),7.15〜7.43(m,5H),8.05(s,1H),9.9(s
,1H),11.62(s,1H)。
f)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルチオ
〕エチルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
表題化合物を実施例1d)に記載の一般法に従って製造した。粗生成物を溶離
剤として0.1%水性トリフルオロ酢酸およびメタノールを使用する逆相HPLCによ
り精製した。融点209〜211℃。
質量スペクトル:FAB+ve 433〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.82(m,2H),2.62(m,4H),2.87(m,4H),2.93
(m,2H),3.16(m,2H),3.53(t,2H),3.65(t,2H),6.83(d,1H),6
.94(d,1H),7.26〜7.37(m,5H),9.02(s,2H),10.21(s,1H),11.83
(s,1H)。
元素分析値(C22H28N2O3S2・HClとして、0.46モル過剰のH2O)
実測値 : C 55.36% H 6.35% N 6.12% S 13.30%
理論値 : C 55.36% H 6.32% N 5.87% S 13.41%
実施例6
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルスルホニ
ル〕エチルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
a)2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルスルホニル〕酢酸
副題化合物を実施例1b)に記載の一般法を使用して2-〔3-〔2-フェニル
エトキシ〕プロパンチオ〕酢酸〔実施例5d)〕から製造した。
質量スペクトル:FAB+ve 287〔M+H〕+
1H NMR(CDCl3)δ:2.12(m,2H),2.87(t,2H),3.41(t,2H),
3.58(t,2H),3.67(t,2H),3.97(s,2H),7.00〜7.43(m,5H),8.79(
s,1H)。
b)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルスルホニル〕アセトアミド
表題化合物を実施例1c)に記載の一般法に従って製造した。粗製物質を溶離
剤としてジクロロメタン:メタノール/9:1を使用するシリカ上のフラッシュ
クロマトグラフィーにより精製した。
質量スペクトル:FAB+ve 479〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.92(q,2H),2.62(t,2H),2.81(t,2H),3.27
(m,4H),3.49(t,2H),3.58(t,2H),4.04(s,2H),6.70(d,1H),6
.83(d,1H),7.17〜7.29(m,5H),8.47(t,1H),9.96(s,1H),11.66(
d,1H)。
c)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-フェニルエトキシ〕プロピルスル
ホニル〕エチルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
表題化合物を実施例1d)に記載の一般法に従って製造した。粗製物質を溶離
剤として0.1%水性トリフルオロ酢酸およびメタノールを使用する逆相HPLCによ
り精製した。融点217〜220℃。
質量スペクトル:FAB+ve 465〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.91(quin,2H),2.81(t,2H),2.87(t,2H),3
.20(m,4H),3.34(t,2H),3.51(t,2H),3.57(q,4H),6.77(d,1H)
,6.86(d,1H),7.17〜7.31(m,5H),9.27(s,2H),10.15(s,1H),11.
77(s,1H)。
元素分析値(C22H28N2O5S2・HClとして)
実測値 : C 52.57% H 6.05% N 5.73% S 12.61%
理論値 : C 52.73% H 5.83% N 5.59% S 12.79%
実施例7
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルチオ〕プロ
ピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
a)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルチオ〕プロパンアミド
副題化合物を実施例1c)に記載の一般法を使用して製造した。実施例1a)
からの化合物を使用した。
質量スペクトル:FAB+ve 447〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.26〜2.33(t,2H),2.54〜2.72(m,6H),2.75〜2
.83(t,2H),3.19〜3.28(q,2H),3.50〜3.63(2×t,4H),6.68(d,1H
),6.78(d,1H),7.15〜7.3(m,5H),7.95(t,1H),9.89(s,1H),11.
60(brs,1H)。
b)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルチオ〕
プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
副題化合物を実施例1d)に記載の一般法を使用して製造した。融点211〜213
℃。
質量スペクトル:FAB+ve 433〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.85(m,2H),2.59(t,2H),2.65(t,2H),2.81
(t,2H),2.85(t,2H),2.97(t,2H),3.08(m,2H),3.56(t,2H),3
.61(t,2H),6.76(d,1H),6.87(d,1H),7.17〜7.30(m,
5H),8.9(brs,2H),10.14(s,1H),11.76(s,1H)。
元素分析値(C22H28N2O3S2・HClとして)
実測値 :C 56.49% H 6.40% N 6.12% S 13.78% Cl 7.98%
理論値 :C 56.33% H 6.23% N 5.97% S 13.67% Cl 7.56%
実施例8
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル
〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン4-メチルベン
ゼンスルホン酸塩
a)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホ
ニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン
実施例1の表題化合物(4.9g)の水溶液(500ml)を過剰の水性炭酸水素ナト
リウムと混合した。遊離塩基をクロロホルムで抽出し、合一した抽出物を水洗し
、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして減圧下でクロロホルムを除去して副題化合
物をオフホワイト色の固体(4.22g、91%)を得た。融点69〜70℃。
b)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホ
ニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン4-メチル
ベンゼンスルホン酸塩
遊離塩基の一部をメタノールに溶解し、1モル当量の4-メチルベンゼンスル
ホン酸を加えた。溶液を減圧下で蒸発させ、集めた固体を再結晶(メタノール/
水)して表題化合物を白色の針状結晶として得た。融点170〜171℃。
実施例9
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕
エチルスルホニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)
オンヘミコハク酸塩
表題化合物をコハク酸を使用して実施例8a)およびb)に記載の一般法に従
って製造した。
融点182〜183℃、光沢のある白色プレート(メタノール/水から再結晶した)
。
実施例10
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル
〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オンヘキサン酸塩
表題化合物をヘキサン酸を使用して実施例8a)およびb)に記載の一般法に
従って製造した。融点131〜132℃、白色の針状結晶(メタノール/水から再結晶
した)。
実施例11
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル
〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン酒石酸塩
表題化合物を酒石酸を使用して実施例8a)およびb)に記載の一般法に従っ
て製造した。融点158〜162℃(メタノール/水から再結晶した)。
実施例12
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-フェニルエトキシ〕エチルスルホニル
〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン1-ヒドロキシ
-2-ナフトエ酸塩(Xinafoate)
表題化合物を1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を使用して実施例
8a)およびb)に記載の一般法に従って製造した。融点176〜177℃、白色の針
状結晶(メタノール/水から再結晶した)。
実施例13
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-〔2-アミノフェニル〕エトキシ〕エチ
ルスルホニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン
二塩酸塩
a)3-〔2-〔2-〔2-ニトロフェニル〕エトキシ〕エチルスルホニル〕プロパ
ン酸メチル
濃硝酸(3.25ml)をトリフルオロ酢酸中における3-〔2-〔2-フェニルエト
キシ〕エチルスルホニル〕プロパン酸メチル(15.12g)(実施例1b)に記載の
方法により製造した酸から製造した)の冷却(氷/塩)された撹拌溶液に30分間
にわたって滴加した。反応を室温まで加温し、一晩撹拌し、水で希釈し、そして
酢酸エチルで数回抽出した。合一した有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、
乾燥(MgSO4)し、そして減圧下で濃縮して3-〔2-〔2-ニトロフェニル〕エト
キシ〕エチルスルホニルプロピオン酸メチル異性体の粗製混合物を得た。副題化
合物を溶離剤としてヘキサン:酢酸エチル/1:1を使用する分取用順相HPLCに
より他の異性体から分離した。
1H NMR(CDCl3)δ:2.80〜2.84(t,2H),3.17〜3.24(m,4H),3.32〜3.3
6(m,2H),3.71〜3.78(m,2H),3.84〜3.87(t,2H),7.36〜7.41(m,2H
),7.54(t,1H),7.91(d,1H)。
b)3-〔2-〔2-〔2-ニトロフェニル〕エトキシ〕エチルスルホニル〕プロピ
オン酸
リチウム金属(0.59g)をメタノール(200ml)中に溶解した。水
(100ml)を加え、次にメタノール(50ml)中における工程a)からの化合物(6
.05g)を冷却(氷/塩)溶液に滴加した。反応を室温まで加温し、撹拌を一晩継
続した。溶媒を減圧下で除去し、残留物質を水で希釈した。塩基性水溶液を酢酸
エチル(その後捨てた)で洗浄し、pH2まで酸性にし(濃塩酸)、そして酢酸エ
チルで抽出した。これらの抽出物を合一し、水およびブラインで洗浄し、乾燥(
MgSO4)し、そして溶媒を減圧下で蒸発させて粗生成物を得、それをさらに溶離
剤としてジクロロメタン:メタノール/9:1を使用するシリカ上のフラッシュ
クロマトグラフィーにより精製して副題化合物を得た。
質量スペクトル:TS 349〔(M+NH4)+〕
c)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-3-〔2-〔2-〔2-ニトロフェニル〕エトキシ〕エチルスルホニル〕
プロパンアミド
7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-オン
臭化水素酸塩および工程b)からの生成物を使用して副題化合物を実施例1c)
に記載の一般法に従って製造し、溶離剤としてクロロホルム中における6%エタ
ノールを使用するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して副題化合物を得
た。
質量スペクトル:FAB+ve 524〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.5(m,4H),2.60(t,2H),3.09(t,2H),3.24
(m,4H),3.68(t,2H),3.74(t,2H),6.70(d,1H),6.80(d,1H),7
.47(t,1H),7.55(d,1H),7.62(t,1H),7.91(d,1H),8.14(t,1H)
,9.91(s,1H),11.62(s,1H)。
d)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチ
アゾール-7-イル〕エチル〕-3-〔2-〔2-〔2-アミノフェニル〕エトキシ〕
エチルスルホニル〕プロパンアミド
ヒドラジン水和物(10ml)を新しく洗浄したラネーニッケル、工程c)からの
化合物(2.21g)およびエタノール(50ml)の撹拌懸濁液に滴加した。反応終了
後、ラネーニッケルを濾過して除去し(火炎危険に注意!)、エタノールを減圧
下で蒸発させた。残留物を水およびジクロロメタンに分配し、そて水層をさらに
ジクロロメタンで抽出した。合一した抽出物を水およびブラインで洗浄し、乾燥
(MgSO4)し、減圧下で蒸発させて粗生成物を得た。この物質をさらに精製する
ことなく使用した。
質量スペクトル:FAB+ve 494〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.4〜2.8(t,8H),3.2〜3.4(m,6H),3.58(t,2H
),3.76(t,2H),6.46(t,1H),6.59(d,1H),6.70(d,1H),6.80(d
,1H),6.86〜6.93(m,2H),8.16(t,1H),9.93(brs,1H),11.63(s,1
H)。
e)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-〔2-アミノフェニル〕エトキシ〕
エチルスルホニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)
オン二塩酸塩
表題化合物を工程d)からの生成物を使用して実施例1d)に記載の一般法に
従って製造した。粗製反応生成物を溶離剤として0.1%水性トリフルオロ酢酸中
におけるアセトニトリルを使用する分取用逆相HPLCにより精製した。融点65℃(
軟化)。
質量スペクトル:FAB+ve 480〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.00〜2.08(m,2H),2.8〜3.3(m,10H),3.39〜3.
45(m,2H),3.71(t,2H),3.81(t,2H),4.5(brs,3H),
6.77(d,1H),6.89(d,1H),7.28〜7.36(m,4H),9.04(brs,2H),10.1
5(s,1H),11.6(s,1H)。
実施例14
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-〔4-ニトロフェニル〕エトキシ〕エチ
ルスルホニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン
塩酸塩
a)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-3-〔2-〔2-〔4-ニトロフェニル〕エトキシ〕エチルスルホニル〕
プロパンアミド
実施例1c)に記載の一般法に従って、7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキ
シ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン臭化水素酸塩および3-〔2-〔2-〔4-
ニトロフェニル〕エトキシ〕エチルスルホニル〕プロピオン酸〔実施例13a)〕
を使用し、そして溶離剤としてジクロロメタン中における8%エタノールを使用
するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して副題化合物を得た。
質量スペクトル:FAB+ve 524〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.45(t,2H),2.60(t,2H),2.97(t,2H),3.2
〜3.4(m,6H),3.69〜3.77(m,4H),6.70(d,1H),6.80(d,1H),7.53
(d,2H),8.12(d,3H),9.91(brs,1H),11.6(brs,1H)。
b)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-〔4-ニトロフェニル〕エトキシ〕
エチルスルホニル〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)
オン塩酸塩
表題化合物を実施例1d)に記載の一般法に従って製造した。粗製反応生成物
を溶離剤として0.1%水性トリフルオロ酢酸中におけるアセトニトリルを使用す
る分取用逆相HPLCにより精製した。融点75
〜78℃。
質量スペクトル:FAB+ve 510〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:2.01(quin,2H),2.83(t,2H),2.98(t,4H),3
.12(t,4H),3.39(t,2H),3.70〜3.79(m,4H),6.76(d,1H),6.88(d
,1H),7.55(d,2H),8.16(d,2H),8.83(brs,2H),10.13(s,1H),1
1.76(s,1H)。
実施例15
7-〔2-〔2-〔3-〔2-〔4-フルオロフェニル〕エトキシ〕プロピルスルホニ
ル〕エチルアミノ〕エチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オ
ン塩酸塩
a)2-〔4-フルオロフェニル〕エチルアリルエーテル
2-〔4-フルオロフェニル〕エタノール(7.0g)をDMF(50ml)中における水
素化ナトリウム(1.25g、沸点60〜80℃である石油エーテルで予め洗浄した油中8
0%分散液)の撹拌懸濁液にゆっくりと加えた。混合物を室温で30分間撹拌した
。次に、臭化アリル(6.0g)をゆっくりと加え、全体を一晩撹拌した。反応混合
物を水およびエーテルに分配した。水層をさらにエーテルで抽出し、合一したエ
ーテル抽出物を水洗し、そして乾燥(MgSO4)した。エーテルを減圧下で除去し
て粗製副題化合物を無色の油状物(8.7g、96%)として得た。
質量スペクトル:EI 180(M)+
1H NMR(CDCl3)δ:2.9(t,2H),3.6(t,2H),4.0(t,2H),5.2(m,2
H),5.9(m,1H),6.95(m,2H),7.2(m,2H)。
この反応を5倍のスケールで繰り返したところうまくいった。
b)2-〔3-〔2-〔4-フルオロフエニル〕エトキシ〕プロピ
ルチオ〕酢酸
工程a)からの化合物(15g)およびチオグリコール酸(6.8ml)を大気にさら
した三角フラスコ中、室温で2時間撹拌し、さらにチオグリコール酸(3.4ml)
を加えた。さらに30分間の撹拌後、反応を終了させた。粗製物質を溶離剤として
ジクロロメタン:酢酸/99:1を使用するシリカ上のクロマトグラフィーで処理
して副題化合物を無色の油状物(19.69g、87%)として得た。
質量スペクトル:FAB+ve 273〔(M+H)+〕
1H NMR(CDCl3)δ:1.87(m,2H),2.71(t,2H),2.85(t,2H),3.31(
d,2H),3.51(t,2H),3.65(t,2H),6.98(m,2H),7.18(m,2H)。
c)2-〔3-〔2-〔4-フルオロフェニル〕エトキシ〕プロピルスルホニル〕酢
酸
水(500ml)中における炭酸水素カリウム(150g)の溶液を水(50ml)中にお
ける工程b)からの酸(39.5g)の撹拌混合物に20分間にわたって加えた。OXONE
(登録商標、278g)の水溶液(400ml)を少しずつ加え、反応混合物を一晩撹拌
した。次に、水(1リットル)を加え、全体を(非酸性物質を除去するため)エ
ーテルで抽出した。水層を20%水性硫酸で酸性にし、エーテルで3回抽出した。
エーテル層を合一し、水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして減
圧下で濃縮して淡黄色の油状物(41.7g)を得た。油状物を放置して白色の固体
を沈殿させた。固体を濾過により除去し、少量のエーテル:ペンタン/1:1で
洗浄して副題化合物を得た。融点47〜48℃。
質量スペクトル:FAB+ve 305〔(M+H)+〕
1H NMR(CDCl3)δ:2.12(m,2H),2.84(t,2H),3.32(m,2H),3.58(
t,2H),3.65(t,2H),4.00(s,2H),6.98(m,2H),7.16(m,2H),8.8
0(brs,1H)。
d)N-〔2-〔4-ヒドロキシ-2-オキソ-3H-1,3-ベンゾチアゾール-7-イル〕
エチル〕-2-〔3-〔2-〔4-フルオロフェニル〕エトキシ〕プロピルスルホニ
ル〕アセトアミド
カルボニルジイミダゾール(1.94g)をDMF(15ml)中における工程c)からの
酸(3.64g)の撹拌溶液に加えた。撹拌を室温で40分間継続した。この溶液に、
7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン臭
化水素酸塩(3.48g)、その後トリエチルアミン(1.7ml)を加えた。全体を一晩
放置した。次に、反応混合物を10%水性塩酸およびエーテル(各100ml)の迅速
な撹拌混合物にゆっくりと加えた。淡黄色の固体が徐々に沈降し、それを濾過し
、ペンタンで洗浄し、そして真空乾燥した。これにより副題化合物をバフ色の物
質として得、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
質量スペクトル:FAB+ve 497〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.91(m,2H),2.61(t,2H),2.80(t,2H),3.30
(m,4H),3.48(t,2H),3.56(t,2H),4.03(s,2H),6.70(d,1H),6
.82(d,1H),7.10(t,2H),7.28(m,2H),8.46(t,1H),9.95(s,1H)
,11.66(s,1H)。
e)7-〔2-〔2-〔3-〔2-〔4-フルオロフェニル〕エトキシ〕プロピルスル
ホニル〕エチルアミノ〕エチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H
)オン塩酸塩
表題化合物を工程d)からの化合物を使用して実施例1d)に記載
の一般法に従って製造した。粗製反応生成物を溶離剤として、0.1%水性トリフ
ルオロ酢酸中における35%THFを使用する分取用逆相HPLCにより精製した。融点2
40〜245℃。
質量スペクトル:FAB+ve 483〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.91(m,2H),2.80(t,2H),2.85(t,2H),3.14
〜3.21(m,4H),3.24(2H+D2O),3.49(t,2H),3.54(q,4H),6.76(d
,1H),6.87(d,1H),7.10(t,2H),7.27(t,2H),9.14(s,2H),10.1
5(s,1H),11.78(s,1H)。
元素分析値(C22H27N2FO5S2・HClとして)
実測値 : C 50.58% H 5.62% N 5.61% S 12.26%
理論値 : C 50.91% H 5.44% N 5.40% S 12.36%
実施例16
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔2-〔3-〔2-〔2-チエニル〕エトキシ〕プロピルチ
オ〕エチルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン塩酸塩
実施例15c)の酸化のために実施例1b)に記載の一般法を利用することを除
けば、実施例15に記載の方法に従って2-チエニルエタノールを使用して表題化
合物を製造した。融点220〜221℃。
質量スペクトル:FAB+ve 471〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.90〜1.98(m,2H),2.53(m,2H),2.85(t,2H)
,3.03(t,2H),3.16(m,2H),3.25(m,2H),3.37(m,2H),3.53(m,2
H),3.60(t,2H),6.76(d,1H),6.88(m,2H),6.94(m,1H),7.33(d
d,1H),9.09(brs,2H),10.14(s,1H),11.78(brs,1H)。
元素分析値(C20H26N2O5S3・HClとして)
実測値 : C 46.67% H 5.51% N 5.68% S 18.42%
理論値 : C 47.37% H 5.37% N 5.52% S 18.97%
実施例17
4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-〔2-ピリジル〕エトキシ〕エチルチオ
〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン二塩酸塩
a)2-〔2-〔2-ブロモエチルチオ〕エチル〕-1,3-ジオキソラン
乾燥アセトニトリル(150ml)中における2-〔2-〔1,3-ジオキソラン-2-イ
ル〕エチルチオ〕エタノール(13.6g、水素化ナトリウムを使用するメルカプト
エタノールおよび2-〔2-ブロモエチル〕-1,3-ジオキソランの縮合により製造
した)の冷却(0℃未満)された撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(20g)
および四臭化炭素(38g)を加えた。溶液を4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除
去し、残留物をシリカ上に予め吸収させた。物質を溶離剤として10%酢酸エチル
/石油エーテルを使用するシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで処理して
副題化合物を透明な油状物(4.45g)として得た。この物質をさらに精製するこ
となく次の工程で使用した。
b)2-〔2-〔2-〔2-〔2-ピリジル〕エトキシ〕エチルチオ〕エチル〕-1,3-
ジオキソラン
ガスクロマトグラフィー分析が反応終了を示すまで、工程a)からの物質(6.
12g)、硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム(1g)および2-ピリジルエタ
ノール(2.85ml)をジクロロメタンおよび20%水性水酸化ナトリウム(各20ml)
と一緒に撹拌した。有機層を
分離し、水洗し、そして乾燥(MgSO4)した。溶媒を減圧下で除去して油状物を
得た。この物質をさらに溶離剤として酢酸エチル:石油エーテル(沸点60〜80℃
)/4:1を使用するシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
副題化合物を黄色の油状物(0.770g)として得た。
1H NMR(CDCl3)δ:1.92(m,2H),2.65(m,4H),3.07(t,2H),3.62(
t,2H),3.85(m,4H),3.95(m,2H),4.94(t,1H),7.13(m,1H),7.2
2(d,1H),7.60(td,1H),8.53(d,1H)。
c)3-〔2-〔2-〔2-ピリジル〕エトキシ〕エチルチオ〕プロパナール
工程b)からの物質(0.850g)を80%ギ酸(10ml)に溶解し、室温で22時間放
置した。混合物をエーテルおよび水に分配した。層を分離し、水層をエーテルで
抽出した。エーテル抽出物を合一し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そ
して減圧下で蒸発させて副題化合物を油状物(0.70g)として得た。
1H NMR(CDCl3)δ:2.69(m,4H),2.87(t,2H),3.06(t,2H),3.64(
t,2H),3.85(t,2H),7.13(td,1H),7.21(d,1H),7.60(td,1H),8
.53(d,1H),9.74(s,1H)。
d)4-ヒドロキシ-7-〔2-〔3-〔2-〔2-〔2-ピリジル〕エトキシ〕エチル
チオ〕プロピルアミノ〕エチル〕-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン二塩酸塩
工程c)からの物質(0.700g)をメタノール(20ml)に溶解した。この溶液に
、7-〔2-アミノエチル〕-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)オン
臭化水素酸塩(0.655g)、シアノホウ水素化ナトリウム(0.100g)および6%水
性酢酸(pHを6まで調整
する)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌し、次に濃水酸化アンモニウム溶液で塩
基性にした。溶媒を減圧下で除去し、残留物質を溶離剤としてジクロロメタン中
におけるメタノールを使用するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製した。
得られる合一したフラクションをさらに溶離剤として0.1%水性トリフルオロ酢
酸中におけるアセトニトリルを使用する逆相HPLCにより精製し、その後塩酸塩を
生成し純粋な試料の表題化合物を得た。融点50〜60℃(軟化)。
質量スペクトル:FAB+ve 434〔(M+H)+〕
1H NMR(D6-DMSO)δ:1.86(m,2H),2.55(t,2H),2.62(t,2H),2.88
(m,2H),2.91(m,2H),2.95(m,2H),3.28(t,2H),3.58(t,2H),3
.85(t,2H),6.78(d,1H),6.88(d,1H),7.85(t,1H),7.96(d,1H)
,8.45(t,1H),8.78(d,1H),9.17(brs,2H),10.17(brs,1H),11.78
(brs,1H)。
元素分析値(C21H27N3O3S2・2HCl・5H2Oとして)
実測値 :C 47.69% H 6.08% N 7.79% S 10.88% Cl 12.84%
理論値 :C 47.27% H 6.05% N 7.88% S 12.02% Cl 13.29%
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/425 AED 9454−4C
31/44 ABL 9454−4C
ABN
C07D 417/12 213 7602−4C
333 7602−4C
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,
CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,J
P,KP,KR,LK,LU,MG,MN,MW,NL
,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,
SK,UA,US
(72)発明者 ブラウン,ロジヤー・チヤールズ
イギリス国レスターシヤー州エル・イー11
0キユー・エヌ.ロクバロウ.ゴースカ
バート.ダンカンウエイ8
(72)発明者 チエシヤー,デイビツド・レイナルフ
イギリス国ノツテインガムシヤー州エヌ・
ジー9 4デイー・エイ.ビーストン.パ
ークロード46
(72)発明者 インス,フランシス
イギリス国レスターシヤー州エル・イー11
3エス・ピー.ロクバロウ.レコンフイ
ールドロード78