JPH0841450A - 蓄熱体 - Google Patents

蓄熱体

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JPH0841450A
JPH0841450A JP6181104A JP18110494A JPH0841450A JP H0841450 A JPH0841450 A JP H0841450A JP 6181104 A JP6181104 A JP 6181104A JP 18110494 A JP18110494 A JP 18110494A JP H0841450 A JPH0841450 A JP H0841450A
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JP
Japan
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heat storage
polyolefin
storage body
density polyethylene
organic
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Pending
Application number
JP6181104A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Tsubaki
健治 椿
Mikio Sei
三喜男 清
Koichi Takahama
孝一 高濱
Akira Sugawara
亮 菅原
Hitoshi Kudo
均 工藤
Nobuaki Yabunouchi
伸晃 薮ノ内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂に有機系蓄熱材を担持した蓄熱体であっ
て、有機系蓄熱材のしみだしが少なく、且つ、寸法変化
率の小さい蓄熱体を提供する。 【構成】 メトロフローレートが5g/10min 以上のポ
リオレフィンからなる基質に、固相−液相間を可逆的に
相転移する有機系蓄熱材が分散した状態で担持させてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は相転移に伴う潜熱を利用
した蓄熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりパラフィン等の有機系蓄熱材を
樹脂に担持した蓄熱体は、この有機系蓄熱材の固相−液
相間の相転移に伴う潜熱を利用した潜熱蓄熱材である。
このような固相−液相間の相転移を利用した潜熱蓄熱材
においては、相の転移により液体になった際、有機系蓄
熱材が担持されている樹脂から流出するのを防ぐ配慮が
必要となる。このため、特開昭59−170180号公
報では樹脂として超高分子ポリエチレン、特開昭62−
187782号公報ではポリオレフィンが提案されてい
る。しかし、近年の蓄熱体の使用範囲の拡大に伴い、有
機系蓄熱材のしみ出しをより少なく、且つ、より寸法変
化率が小さく変形しない蓄熱体が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、樹脂に
有機系蓄熱材を担持した蓄熱体であって、有機系蓄熱材
のしみだしが少なく、且つ、寸法変化率の小さい蓄熱体
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
蓄熱体は、メトロフローレートが5g/10min 以上のポ
リオレフィンからなる基質に、固相−液相間を可逆的に
相転移する有機系蓄熱材が分散した状態で担持させてな
ることを特徴とする。
【0005】本発明の請求項2に係る蓄熱体は、請求項
1記載の蓄熱体において、上記基質が、さらに結晶化度
40%以下の結晶性ポリオレフィンを構成材料とするこ
とを特徴とする。
【0006】本発明の請求項3に係る蓄熱体は、請求項
1又は請求項2記載の蓄熱体において、上記有機系蓄熱
材が結晶性ハイドロカーボン、結晶性脂肪酸、及び結晶
性脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種であるこ
とを特徴とする。
【0007】本発明の請求項4に係る蓄熱体は、請求項
1乃至請求項3いずれか記載の蓄熱体において、上記メ
トロフローレートが5g/10min 以上のポリオレフィン
が低密度ポリエチレンであることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項5に係る蓄熱体は、請求項
4記載の蓄熱体において、低密度ポリエチレンが直鎖低
密度ポリエチレンであることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項6に係る蓄熱体は、請求項
1乃至請求項3いずれか記載の蓄熱体において、上記メ
トロフローレートが5g/10min 以上のポリオレフィン
が高密度ポリエチレンであることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項7に係る蓄熱体は、請求項
2乃至請求項6いずれか記載の蓄熱体において、結晶化
度40%以下の結晶性ポリオレフィンがポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体のうちの少なくとも
1種以上であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項8に係る蓄熱体は、請求項
1乃至請求項7いずれか記載の蓄熱体において、上記基
質が、無機フィラー、ガラス繊維、ウィスカー、金属繊
維、有機フィラー、有機繊維からなる群のうち少なくと
も1種以上の添加剤を構成材料とすることを特徴とす
る。
【0012】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
蓄熱体は、メトロフローレート(MFR)が5g/10mi
n 以上のポリオレフィンからなる基質に、固相−液相間
を可逆的に相転移する有機系蓄熱材が分散した状態で担
持したものである。
【0013】上記基質にメトロフローレートが5g/10
min 以上の範囲のポリオレフィンが用いられる。上記メ
トロフローレート(以下MFRと記す)とは、溶融樹脂
の流れ性を表した値であり、JIS−K−7210に基
づいて、例えば、ポリエチレンはJIS−K−6760
の標準の試験方法(温度190℃、荷重2.16kg
f)で測定された値である。上記MFRが5g/10min
未満であると、有機系蓄熱材のしみだしが多くなる。上
記MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして
は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチ
レン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン等が挙げられる。特に好ましくは、低密度
ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレンであるが、これに限定するものではない。なお、
低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレンは、JIS−K−6760で規定されてい
るものである。
【0014】上記蓄熱体の基質に、MFRが5g/10mi
n 以上のポリオレフィンと共に、樹脂として結晶化度4
0%以下の結晶性ポリオレフィンを構成材料とすると、
担持した有機系蓄熱材のしみだしがより少なくできる。
上記結晶化度40%以下の結晶性ポリオレフィンとして
は、例えば、ポリプロピレン、アタクチックポリプロピ
レン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体が挙げら
れる。このα−オレフィンとしては、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。上記低結晶
性のポリオレフィンはX線回折法による結晶化度が40
%以下である。
【0015】上記有機系蓄熱材は固相−液相間を可逆的
に相転移する性質を有する物質であって、MFRが5g
/10min 以上のポリオレフィンと相溶性を有するものが
望ましく、上記結晶化度40%以下の結晶性ポリオレフ
ィンを用いる場合はこの結晶性ポリオレフィンとも相溶
性を有するものが望ましい。この有機系蓄熱材として
は、特に限定はしないが、具体的には、パラフィン、パ
ラフィンワックス、イソパラフィン、ポリエチレンワッ
クス等のハイドロカーボン、脂肪酸、及び脂肪酸エステ
ル類(以下脂肪酸類と記す)等が挙げられる。上記有機
系蓄熱材は、融点が5〜90℃のものが好ましく、望ま
しくは融点が20〜80℃のものである。これらは1種
のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。な
お、水分と接触する蓄熱体に用いる場合は、脂肪酸類を
劣化させるので、ハイドロカーボンの方が好ましい。上
記有機系蓄熱材は、蓄熱の効率を保持する点より、20
cal/g以上の相転移熱量を有する結晶性物質である
ことが望ましい。
【0016】本発明の蓄熱体に用いられる構成材料の配
合比率は、蓄熱体の用途により適宜決められるが、例え
ば、MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンは10
〜30重量%、有機系蓄熱材は30〜90重量%が適当
である。
【0017】さらに、樹脂として、結晶化度40%以下
の結晶性ポリオレフィンを用いる場合の配合比率は、例
えば、上記MFRが5g/10min 以上のポリオレフィン
は5〜20重量%、結晶化度40%以下の結晶性ポリオ
レフィンは10〜40重量%、有機系蓄熱材は40〜8
5重量%が適当である。
【0018】上記樹脂に有機系蓄熱材を担持させるに
は、例えば、樹脂の融点以上の温度で混練機等で混練
し、この溶融混合物を成形することによって実現でき
る。上記蓄熱体は、例えば、押出成形、射出成形等通常
のプラスチックの成形方法で製造することができる。上
記蓄熱体には、樹脂、及び、有機系蓄熱材の他に無機、
及び有機のフィラー、ガラス繊維、ウィスカー、金属繊
維、有機繊維からなる群のうち少なくとも1種以上の添
加剤を構成材料としてもよい。上記無機、及び有機のフ
ィラーとしては、有機ベントナイト、炭酸カルシウム等
が挙げられる。上記添加剤を加えると、有機系蓄熱材の
しみだしをより少なくすることができる。さらに、必要
に応じて、難燃剤、及び、酸化防止剤等を添加し、分散
させてもよい。また、上記蓄熱体には、必要に応じて、
架橋処理を施してもよい。この架橋処理の方法として
は、硫黄による加硫、過酸化物架橋、γ線または電子線
による放射線架橋が挙げられるが、過酸化物架橋、又
は、放射線架橋が好ましい。架橋が内部まで浸透する
と、潜熱量の低下を招くため、表面のみを架橋して、樹
脂被覆層を形成する、透過性の弱い電子線による放射線
架橋がより望ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げる。
【0020】実施例1 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を30重量%、有機系蓄熱材としてパラフィ
ン125品(日本精蝋株式会社製:125F)を70重
量%の配合比率で配合して成形材料とした。この成形材
料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を冷却し、
切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方体の蓄熱
体を作製した。
【0021】実施例2 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが20g/10minの高密度ポリエチレン(密度0.
955g/cm3 、昭和電工株式会社製:ショウレック
スF6200V)を30重量%、有機系蓄熱材としてパ
ラフィン125品(日本精蝋株式会社製:125F)を
70重量%の配合比率で配合して成形材料とした。この
成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を冷
却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方体
の蓄熱体を作製した。
【0022】実施例3 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.91g/cm3 、出光石油化学株式会社製:モアテ
ック1018G)を30重量%、有機系蓄熱材としてパ
ラフィン125品(日本精蝋株式会社製:125F)を
70重量%の配合比率で配合して成形材料とした。この
成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を冷
却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方体
の蓄熱体を作製した。
【0023】比較例1 ポリオレフィンとして、MFRが0.35g/10min の
高密度ポリエチレン(密度0.953g/cm3 、三菱
油化株式会社製:BZ50U)を30重量%、有機系蓄
熱材としてパラフィン125品(日本精蝋株式会社製:
125F)を70重量%の配合比率で配合して成形材料
とした。この成形材料を140℃に加熱しながら混練し
た溶融物を冷却し、切断し、厚さ15mm、長さ50m
m角の直方体の蓄熱体を作製した。
【0024】実施例4 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を10重量%、結晶化度40%以下のエチレ
ン−プロピレン共重合体(三井石油化学株式会社製:タ
フマーP0680)を20重量%、有機系蓄熱材として
パラフィン125品(日本精蝋株式会社製:125F)
を70重量%の配合比率で配合して成形材料とした。こ
の成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を
冷却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方
体の蓄熱体を作製した。
【0025】実施例5 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を10重量%、結晶化度40%以下のアタク
チックポリプロピレン(住友化学株式会社製:スミチッ
クSS−30B)を20重量%、有機系蓄熱材としてパ
ラフィン125品(日本精蝋株式会社製:125F)を
70重量%の配合比率で配合して成形材料とした。この
成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を冷
却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方体
の蓄熱体を作製した。
【0026】比較例2 ポリオレフィンとして、MFRが0.35g/10min の
高密度ポリエチレン(密度0.953g/cm3 、三菱
油化株式会社製:BZ50U)を10重量%、結晶化度
40%以下のアタクチックポリプロピレン(住友化学株
式会社製:スミチックSS−30B)を20重量%、有
機系蓄熱材としてパラフィン125品(日本精蝋株式会
社製:125F)を70重量%の配合比率で配合して成
形材料とした。この成形材料を140℃に加熱しながら
混練した溶融物を冷却し、切断し、厚さ15mm、長さ
50mm角の直方体の蓄熱体を作製した。
【0027】得られた実施例1〜5、及び、比較例1〜
2の蓄熱体のしみ出し、及び、寸法変化を評価した。し
み出しは次のようにして求めた。図1に示す温度条件の
雰囲気中で100サイクルの寒熱試験を行った。試験
後、蓄熱体を取り出し、70℃で蓄熱体の周囲にしみ出
した有機系蓄熱材を拭き取り、減少した重量から溶融離
脱率を計算した。 ・溶融離脱率(%)=(蓄熱体の重量減少量/初期の有
機系蓄熱材の含有重量)×100 寸法変化率は上記寒熱試験の前後における、蓄熱体の各
辺の寸法を測定して変化率を計算した。 ・寸法変化率(%)=(寒熱試験の前後における辺の寸
法の差/初期の辺の寸法)×100 結果は表1に示すとおり、実施例1〜5はいずれも比較
例1〜2に比べて溶融離脱率、寸法変化率とも良好であ
った。
【0028】
【表1】
【0029】実施例6 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を10重量%、結晶化度40%以下のエチレ
ン−プロピレン共重合体(三井石油化学株式会社製:タ
フマーP0680)を20重量%、有機系蓄熱材として
パラフィン140品(日本精蝋株式会社製:140F)
を70重量%の配合比率で配合して成形材料とした。こ
の成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を
冷却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方
体の蓄熱体を作製した。
【0030】実施例7 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を10重量%、結晶化度40%以下のアタク
チックポリプロピレン(住友化学株式会社製:スミチッ
クSS−30B)を20重量%、有機系蓄熱材としてパ
ラフィン140品(日本精蝋株式会社製:140F)を
70重量%の配合比率で配合して成形材料とした。この
成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶融物を冷
却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角の直方体
の蓄熱体を作製した。
【0031】実施例8 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.91g/cm3 、出光石油化学株式会社製:モアテ
ック1018G)を10重量%、結晶化度40%以下の
アタクチックポリプロピレン(住友化学株式会社製:ス
ミチックSS−30B)を20重量%、有機系蓄熱材と
してパラフィン140品(日本精蝋株式会社製:140
F)を70重量%の配合比率で配合して成形材料とし
た。この成形材料を140℃に加熱しながら混練した溶
融物を冷却し、切断し、厚さ15mm、長さ50mm角
の直方体の蓄熱体を作製した。
【0032】比較例3 ポリオレフィンとして、MFRが0.35g/10min の
高密度ポリエチレン(密度0.953g/cm3 、三菱
油化株式会社製:BZ50U)を10重量%、結晶化度
40%以下のアタクチックポリプロピレン(住友化学株
式会社製:スミチックSS−30B)を20重量%、有
機系蓄熱材としてパラフィン140品(日本精蝋株式会
社製:140F)を70重量%の配合比率で配合して成
形材料とした。この成形材料を140℃に加熱しながら
混練した溶融物を冷却し、切断し、厚さ15mm、長さ
50mm角の直方体の蓄熱体を作製した。
【0033】実施例9 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を10重量%、結晶化度40%以下のアタク
チックポリプロピレン(住友化学株式会社製:スミチッ
クSS−30B)を19重量%、有機系蓄熱材としてパ
ラフィン140品(日本精蝋株式会社製:140F)を
70重量%、添加剤として有機ベントナイト(クニミネ
工業株式会社製:S−BEN78)を1重量%の配合比
率で配合して成形材料とした。この成形材料を140℃
に加熱しながら混練した溶融物を冷却し、切断し、厚さ
15mm、長さ50mm角の直方体の蓄熱体を作製し
た。
【0034】実施例10 MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして、M
FRが50g/10minの直鎖低密度ポリエチレン(密度
0.92g/cm3 、東ソー株式会社製:ニポロン−L
M75)を10重量%、結晶化度40%以下のアタク
チックポリプロピレン(住友化学株式会社製:スミチッ
クSS−30B)を19重量%、有機系蓄熱材としてパ
ラフィン140品(日本精蝋株式会社製:140F)を
70重量%、添加剤として炭酸カルシウム(丸尾カルシ
ウム株式会社製:MCコート、s−1)を1重量%の配
合比率で配合して成形材料とした。この成形材料を14
0℃に加熱しながら混練した溶融物を冷却し、切断し、
厚さ15mm、長さ50mm角の直方体の蓄熱体を作製
した。
【0035】得られた実施例6〜10、及び、比較例3
の蓄熱体のしみ出し、及び、寸法変化を評価した。しみ
出しは次のようにして求めた。図2に示す温度条件の雰
囲気中で100サイクルの寒熱試験を行った。試験後、
蓄熱体を取り出し、80℃で蓄熱体の周囲にしみ出した
有機系蓄熱材を拭き取り、減少した重量から溶融離脱率
を計算した。寸法変化率は上記寒熱試験の前後におけ
る、蓄熱体の各辺の寸法を測定して変化率を計算した。
結果は表2に示すとおり、実施例6〜10はいずれも比
較例3に比べて溶融離脱率、寸法変化率とも良好であっ
た。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至請求項8いずれか
記載の蓄熱体は、メトロフローレートが5g/10min 以
上のポリオレフィンに有機系蓄熱材を担持した蓄熱体で
あるので、有機系蓄熱材のしみだしを低減し、且つ、使
用中の寸法変化率が小さく、変形を生じない。
【0038】本発明の請求項2に係る蓄熱体によれば、
特に、基質に結晶化度40%以下の結晶性ポリオレフィ
ンを構成材料とするため、有機系蓄熱材のしみだしをよ
り小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5、及び比較例1〜2の寒熱試験の
条件の説明図である。
【図2】実施例6〜10、及び比較例3の寒熱試験の条
件の説明図である。
【符号の説明】
なし
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】本発明の請求項1に係る蓄熱体は、メルト
フローレートが5g/10min 以上のポリオレフィンから
なる基質に、固相−液相間を可逆的に相転移する有機系
蓄熱材が分散した状態で担持させてなることを特徴とす
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明の請求項4に係る蓄熱体は、請求項
1乃至請求項3いずれか記載の蓄熱体において、上記
ルトフローレートが5g/10min 以上のポリオレフィン
が低密度ポリエチレンであることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明の請求項6に係る蓄熱体は、請求項
1乃至請求項3いずれか記載の蓄熱体において、上記
ルトフローレートが5g/10min 以上のポリオレフィン
が高密度ポリエチレンであることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
蓄熱体は、メルトフローレート(MFR)が5g/10mi
n 以上のポリオレフィンからなる基質に、固相−液相間
を可逆的に相転移する有機系蓄熱材が分散した状態で担
持したものである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】上記基質にメルトフローレートが5g/10
min 以上の範囲のポリオレフィンが用いられる。上記
ルトフローレート(以下MFRと記す)とは、溶融樹脂
の流れ性を表した値であり、JIS−K−7210に基
づいて、例えば、ポリエチレンはJIS−K−6760
の標準の試験方法(温度190℃、荷重2.16kg
f)で測定された値である。上記MFRが5g/10min
未満であると、有機系蓄熱材のしみだしが多くなる。上
記MFRが5g/10min 以上のポリオレフィンとして
は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチ
レン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン等が挙げられる。特に好ましくは、低密度
ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレンであるが、これに限定するものではない。なお、
低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレンは、JIS−K−6760で規定されてい
るものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至請求項8いずれか
記載の蓄熱体は、メルトフローレートが5g/10min 以
上のポリオレフィンに有機系蓄熱材を担持した蓄熱体で
あるので、有機系蓄熱材のしみだしを低減し、且つ、使
用中の寸法変化率が小さく、変形を生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 亮 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 工藤 均 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 薮ノ内 伸晃 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メトロフローレートが5g/10min 以上
    のポリオレフィンからなる基質に、固相−液相間を可逆
    的に相転移する有機系蓄熱材が分散した状態で担持させ
    てなることを特徴とする蓄熱体。
  2. 【請求項2】 上記基質が、さらに結晶化度40%以下
    の結晶性ポリオレフィンを構成材料とすることを特徴と
    する請求項1記載の蓄熱体。
  3. 【請求項3】 上記有機系蓄熱材が結晶性ハイドロカー
    ボン、結晶性脂肪酸、及び結晶性脂肪酸エステルから選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の蓄熱体。
  4. 【請求項4】 上記メトロフローレートが5g/10min
    以上のポリオレフィンが低密度ポリエチレンであること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の蓄熱
    体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の低密度ポリエチレンが直
    鎖低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項4
    記載の蓄熱体。
  6. 【請求項6】 上記メトロフローレートが5g/10min
    以上のポリオレフィンが高密度ポリエチレンであること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の蓄熱
    体。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の結晶化度40%以下の結
    晶性ポリオレフィンがポリプロピレン、エチレン−プロ
    ピレン共重合体のうちの少なくとも1種以上であること
    を特徴とする請求項2乃至請求項6いずれか記載の蓄熱
    体。
  8. 【請求項8】 上記基質が、無機フィラー、ガラス繊
    維、ウィスカー、金属繊維、有機フィラー、有機繊維か
    らなる群のうち少なくとも1種以上の添加剤を構成材料
    とすることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか
    記載の蓄熱体。
JP6181104A 1994-08-02 1994-08-02 蓄熱体 Pending JPH0841450A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005134101A (ja) * 2003-10-09 2005-05-26 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱体
JP2006132914A (ja) * 2004-02-04 2006-05-25 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱積層体

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JP2005134101A (ja) * 2003-10-09 2005-05-26 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱体
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