JPH0472382A - 蓄熱材 - Google Patents

蓄熱材

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JPH0472382A
JPH0472382A JP2186681A JP18668190A JPH0472382A JP H0472382 A JPH0472382 A JP H0472382A JP 2186681 A JP2186681 A JP 2186681A JP 18668190 A JP18668190 A JP 18668190A JP H0472382 A JPH0472382 A JP H0472382A
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百瀬 千秋
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中河原 清
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は蓄熱材に関し、更に詳しくはパラフィン類を主
成分として用いた蓄熱材に関する。
〔従来の技術〕
従来蓄熱材はその原理から物質の顕熱を利用するもの、
物質の相変化潜熱を利用するもの、物質の化学反応熱を
利用するもの等がある。現在実用的な面より物質の相変
化潜熱を利用する蓄熱材が注目を集めており、蓄熱式空
調機器、蓄熱式建材、各種保温器具や保温装置等に利用
されつつある。
この相変化潜熱を利用する蓄熱材の一つとしてパラフィ
ン等の有機物質を用いた所謂有機蓄熱材があり、この有
機蓄熱材は長期寿命に優れているので最近特に注目され
ている。
元来、潜熱型蓄熱材は無機系、有機系を含め固体から液
体への相変化時に蓄熱し、液体から固体への相変化時に
放熱する。このためこれら潜熱型蓄熱材を利用するため
には液化時に流動して漏れないような形態を保つような
配慮が要求される。
このために開発された密閉容器や袋に収納する方法に於
いては、充分なる強度を有する容器等を使用すればコス
トが高く実用的ではなく、また簡易的なものにすれば容
易に破損して液が漏れたり溢れたりする恐れがあり、長
期間使用する点では問題が生じる。
従って容器に収納する手段に代わって、 (イ〕多孔質
物質内に収納する方法、(ロ)マイクロカプセル化する
方法等が提案され、またこれらを組み合わせた方法が使
用されつつある。更にはまた、(ハ)ポリオレフィン、
通常は架橋ポリオレフィンに収納させてカプセル中に閉
じ込める方法も提案されている。
しかしながら上記各方法によってもパラフィン等の滲み
出しが完全には防止できずに大きな問題となっており、
その他製造上の工程が複雑でコスト高となる問題が生し
る。またその他の従来方法として結晶性ポリエチレン等
の結晶状ポリオレフィンに練り込む方法も知られている
が、その成形品は高温ではパラフィン等が相分離して滲
み出す問題が生し、また低温では機械的強度が低くて脆
く容易に破損する問題等が生しる。例えば深夜電力を利
用する蓄熱式床暖房にこの種の蓄熱材を通用しようとす
る場合、機械的強度が低いと限られた空間内に能率良く
しかも所望の形状或いは配置状態で設置することが困難
であり、また蓄熱のための外部からのエネルギーの供給
が必要となり、蓄熱後の高温度に於ける初期形状の維持
等にも困難が生じて正常な長期運転が不可となりやすい
一方、潜熱型蓄熱材は前記したように、相変化温度(パ
ラフィン等では結晶転移温度、即ち融点とも言う)は、
本質的に物質によってほぼ一定の値であり、したがって
所望の蓄熱温度、放熱温度はその都度相応する相変化温
度を有する蓄熱材物質を選ぶ必要がある。本来所望の蓄
熱温度を有する物質が存在することは極めて稀であり、
簡単、容易には見つからないのが実情である。たとえ存
在しても前記したような相変化による液化の問題等があ
って、実際的には使いにくい面があり、これらの問題が
解決され、更に蓄熱温度、放熱温度を希望に応じ適宜に
調節できるようになれば極めて好都合である。例えば人
体温度付近の温度で使用しうる蓄熱材等を製作する場合
等乙こ於いて蓄熱材の蓄熱温度、放熱温度を適宜に調節
できれば極めて有利となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、パラフィン類の従来
の有機蓄熱材の上記難点を解消することであり、更に詳
しくは蓄熱量が大きく、用いたパラフィン類が使用状態
で溶融・液化することなく、低温で容易に破損すること
なく、適度の柔軟性を有し、しかもその蓄熱温度を適宜
に調節できる蓄熱材を開発することである。
[課題を解決するための手段〕 この課題はパラフィンIOQ重量部と、炭化水素系有機
高分子性バインダ成分5〜50重量部とを主成分として
なり、該パラフィン類が最高結晶転移温度のことなる2
種以上のパラフィン類からなることを特徴とする蓄熱材
を提供することにより解決される。
本発明に於いて使用されるを機高分子性バインダ成分は
、(a)熱可塑性エラストマー、(b)低結晶性ポリオ
レフィン系熱可塑性プラスチックス、(c)炭化水素ゴ
ム1〜20重量部と結晶性ポリオレフィン1〜20重量
部の混合物、(d)炭化水素ゴムと該ゴムの架橋剤から
なる架橋される組成物、(e)炭化水素ポリマー、加水
分解しうるシラン系化合物及び有機過酸化物を主成分と
してなる水架橋性組成物からなる(aJ〜(e)の群か
ら選ばれた少なくとも1種類である。本成分はゴム的性
質を有し、パラフィン類と充分混合され、パラフィン類
をうまく包み込んだ状態で担持するのでパラフィン類成
分量よりも圧倒的に少ない量ながら、常温〜4o″C以
上の高温度に於いてもパラフィン類の液化、相分離やブ
リードを生じ難く、形状保持能があってしかも成形加工
性に優れている。また最高結晶転移温度の異なるパラフ
ィン類を2種以上併用するので蓄熱温度、放熱温度の選
択範囲が広がると共に、パラフィン類の選択とその比率
を自由に選択することにより蓄熱温度、放熱温度を適宜
に調節することができる。
(発明の作用並びに構成] 本発明に於いて使用されるパラフィン類としては、融点
もしくは流動点が一20〜100°Cのものであり、好
ましい具体例としては、各種パラフィン、ロウ、ワック
スをはしめ、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸や
ポリエチレングリコール等のアルコール類を例示するこ
とができ、これら2種以上の混合物として使用される。
JIS K 7121 (プラスチックの転移温度測定
方法)に従って測定すると、パラフィン類のあるものは
唯一つの結晶転移温度を有しくこの場合はその温度がT
イ□、となる)、またあるものは2以上の多数の結晶転
移温度を有する。
本発明で使用するパラフィン類は必ずしも明確な融点(
全体が固体から液体に相変化する温度)を示すものに限
定しないが、多くのパラフィン類については一般にT 
!I M Xが融点に該当する。このT、−の異なる2
種以上のパラフィン類を併用して用いると、各々の結晶
転移温度が蓄熱に利用しうると想定されるが、本発明者
らの検討によれば、用いた2種以上の各々の結晶転移温
度とは全く異なった新たな結晶転移温度が得られ、後述
する有機高分子性バインダ成分と充分均一に混合され、
溶融・滴下しない状態の組成物の状態に至っても新たな
結晶転移温度が蓄熱、放熱に利用できることを発見し、
本発明に至った経緯がある。
新たな結晶転移温度は唯一の転移温度(主としてメイン
の転移温度)を有する場合もあり、また2以上の多数の
転移温度の場合もあり、更に蓄熱時の転移温度(即ち蓄
熱温度)と放熱時の転移温度(即ち放熱温度)がほぼ同
し場合もあり、またかなり異なる場合もある。これらの
転移温度は2種以上のパラフィン類の選択と混合比率に
よって調節でき、望む蓄熱温度、放熱温度を得て、利用
することができる。
本発明に於いて併用される2種以上のパラフィン類の選
択は、特に制限はないが、基本的によく混合されるもの
が好ましい。2種以上のパラフィン類の混合比率も特に
制限はなく、任意の比率で使用しうるが、希望する蓄熱
温度、放熱温度を得る目的から、通常各々5〜95重量
%の範囲で使用する。好ましい併用例、その割合は後述
する実施例で示される。
本発明に於いて用いられる有機高分子性バインダ成分は
以下に示される(a)〜(e)の群から選はれる少なく
とも1種である。
(a)  熱可塑性エラストマm: ゴム並びにプラスチックスの分野で「熱可塑性エラスト
マー」として知られているものが例示できる。特に少な
くとも前記した意味での室温以上で且つ使用したパラフ
ィン類のTffiaX+10’Cの温度域では、好まし
くは少なくとも室温以上で且つT、、、、つ+20°C
の温度域では、ゴム弾性を有するものが使用される。勿
論、Tイax +20°Cより高温度でもゴム弾性を持
続するものも好ましい。具体的にはスヂレン系、オレフ
ィン系、ウレタン系、エステル系等の各種の従来公知の
熱可塑性エラストマーの中から上記条件に適合したもの
が適宜に選択して使用される。
好ましい具体例としては、スチレン系ブロック共重合体
エラストマー及びオレフィン系エラストマーである。こ
の際のスチレン系ブロック共重合体エラストマーとして
は、例えばA−BA(但しAはポリスチレン、Bはポリ
ブタジェン、ポリイソプレン、又はこれらに水素を付加
したエチレン・ブチレン等を示す)を例示できる。また
オレフィン系熱可塑性エラストマとしては、例えばエチ
レン−プロピレン共重合体やエチレン−プロピレン−ジ
エン三元共重合体にポリエチレン又はポリプロピレンが
混合された混合物、エチレン−プロピレン共重合体やエ
チレン−プロピレン−ジエン三元共重合体にエチレン又
はプロピレンがグラフト重合されたもの等を例示するこ
とができる。かかる熱可塑性エラストマー類は、T I
’l a X以下の温度ではゴム弾性を有するが故に、
パラフィン類をうまく包み込むことができる。更に上記
エラストマーはT m i xより高温度に於いてもゴ
ム弾性を持続するために、そのような高温度に於いても
熔融したり滴下することもなく、またパラフィン類の相
分離もなくブリードを生しることもない蓄熱材を得るこ
とができる。
(ト))低結晶性ポリオレフィン系熱可望性プラスチッ
クス: αオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブテンの
コポリマー類、ハロゲン、カルボン酸又はその誘導体を
化学的に含むαオレフィンのホモポリマー類、コポリマ
ー類、或いはカルボン酸又はその誘導体とαオレフィン
とのコポリマー類であり、−船釣にオレフィン含有量4
0〜100重量%、好ましくは60〜100重量%、且
つX線回折法で測定した結晶化度が50%以下、好まし
くは5〜40%の低結晶性ポリオレフィンである。例え
ばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテ
ン共重合体、塩素化ポリエチレン等であり、JTS K
 6760で測定されるMFR(190−6)が0.0
1〜20g/10分、好ましくは0.1〜5 g/10
分であるものである。これらは1種又は2種以上で使用
されるが、就中JIS K 7121 (プラスチック
の転移温度測定方法)によって測定される最高結晶転移
温度(通常は融点に該当する)が使用したパラフィン類
のT□。より少なくとも10 ’C高いもの、より好ま
しくはT * m xより少なくとも20″C高いもの
が好ましく使用される。かかるポリオレフィン類はその
低結晶性の故にパラフィン類との混合性、及び担持性が
良好である。
(c)  炭化水素ゴムと結晶性ポリオレフィンとの混
合物: 炭化水素ゴム1〜20重量部と結晶性ポリオレフィン1
〜20重量部の混合物である。
結晶性ポリオレフィンとしては、その成分としてポリメ
チレン、ポリエチレン、ポリスチレン等のホモポリマー
、メチレンを主体としてエチレン、プロピレン等が共重
合したもの、エチレンを主体としてメチレン、プロピレ
ン、ブテン等が共重合したもの、プロピレンを主体とし
て他のオレフィンが共重合したもの等オレフィン同士の
コポリマー、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフ
ィンと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、アクリル酸、
メタクリル酸等とのコポリマー等であるが、就中JIS
 K 7121によって測定される最高結晶転移温度が
使用したパラフィン類のT s a xより少なくとも
10°C高いもの、好ましくはT、□より少なくとも2
0°C高いものが使用される。特にこれら結晶性ポリオ
レフィンの転移温度は、蓄熱材を床暖房装置等の如く熱
源を有する蓄熱装置や器具等に調温装置を取り付けて使
用する場合には、用いるパラフィン類のT□8よりも充
分に高いことが好ましい。
例えばパラフィン類のT +* m xが46°Cの場
合には結晶性ポリオレフィンの当該転移温度は60°C
以上、好ましくは80°C以上、より好ましくは100
℃以上である。
炭化水素ゴムとしては天然ゴム、SBR,BRlIR,
I IR,EPM、EPDM及びエチレン−酢酸ビニル
共重合体ゴム等が例示される。
これら各炭化水素ゴムはそれ自体は夫々良く知られたも
のであり、夫々のゴムとしては従来から知られたものが
いずれも使用される。この炭化水素ゴムの使用により本
組成物にゴム的特性が賦与され、パラフィン類に対する
相溶性が向上する。一方結晶性ポリオレフィンの使用に
より変形温度が高温度に保持される。
(d)  炭化水素ゴムと炭化水素ゴムの架橋剤からな
る架橋される組成物: 該組成物は充分なゴム的特性を有し、また架橋すること
により変形温度が高温度に保持される。
ここで使用される炭化水素ゴムとしては上記(c)で記
載したものと同種のものが挙げられ、炭化水素ゴムの架
橋剤としては該ゴムを架橋させうるものであれば広く使
用できる。天然ゴム、SBR,、BRS IR,I I
R,EPM、EPDMでは硫黄系加硫剤が好ましく、ま
た天然ゴムSBR,IIRではP−キシレンジオキシム
等のオキシム類も使用できる。また天然ゴム、EPM、
、EPDM、エチレン酢酸ビニル共重合体ゴムではジク
ミルパーオキサイド等の有機過酸化物系架橋剤も用いる
ことができる。架橋剤の使用量は炭化水素ゴム1.00
重量部に対し、0.5〜20重量部程置部好ましい。
またこの組成物には必要に応じ硫黄系架橋剤を用いる場
合に加硫促進剤を併用することもできる。この加硫促進
剤としては、例えばジフェニルグアニジン等のグアニジ
ン系促進剤、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチア
ゾール系促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド等
のチウラム系促進剤を例示でき、その他アルデヒドーア
ミン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、ジチ
オカルバメート系化合物等も使用することができる。更
には酸化亜鉛等の金属酸化物、トリエタノールアミン等
のアミン類も使用できる。オキシム類を架橋剤として使
用した場合には、硫黄や上記加硫促進剤の他に酸化鉛を
助剤として使用することが好ましい。
有機過酸化物を架橋剤として用いた場合には、硫黄、オ
キシム類、上記加硫促進剤の他にビニル−トリス(β−
メトキシエトキシ)シラン等のシラン系カンブリング剤
、アクリルエステル系化合物等を架橋助剤として使用す
ることもできる。この架橋助剤の使用量は適度の架橋度
を得るに適した量で適宜に使用されれば良く、通常炭化
水素ゴム100重量部に対し、O〜30重量部程置部あ
る。
本組成物とパラフィン類とを主としてなる蓄熱材はJT
S C3005に従って測定した架橋度に対して1%以
上、好ましくは2%以上に架橋されることが好ましい。
架橋度が1%以上、好ましくは2%以上とすることによ
り、蓄熱材の温度が使用したパラフィン類のT m a
 x以上となっても溶融や滴下することなく形状保持を
可能とする。
(e)  炭化水素系ポリマー、加水分解しうるシラン
系化合物及び有機過酸化物を主成分としてなる水架橋性
組成物: 該組成物は水や湿気の存在下で架橋する性質(水架橋性
)を有し、水架橋した状態に於いてはゴム的特性を示す
ここで使用される炭化水素系ポリマーとしては、天然ゴ
ム、SBR,BR,IR等の汎用ゴム類をはしめ、その
他ポリメチレン、ポリエチレン、ポリスチレン等のホモ
ポリマー、メチレンを主体としてエチレン、プロピレン
等が共重合したもの、エチレンを主体としてメチレン、
プロピレン、ブテン等が共重合したもの、プロピレンを
主体として他のオレフィンが共重合したもの等のオレフ
ィン同士のコポリマー、エチレン、プロピレン、ブテン
等のオレフィンと他の千ツマ−例えば酢酸ビニル、アク
リル酸、メタクリル酸等とのコポリマー等が挙げられる
シラン系化合物としては、一般式RR’5iY2(但し
、Rは1価のオレフィン性不飽和を含む炭化水素基又は
ハイドロカーボンオキシ基、Yは加水分解しうる有機基
、R゛は基R又は基Yを表す)で表される化合物が使用
され、更に具体例としてはこの種シラン化合物として既
知のもの、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等が
挙げられる。シラン系化合物は前記炭化水素系ポリマー
100重量部に対して一般に0.05〜10重量部、特
Qこ0.5〜5重量部で使用される。該シラン系化合物
は後記する有機過酸化物の作用により炭化水素系ポリマ
ーにグラフトされ、且つ水により炭化水素系ポリマー間
に架橋点を形成する作用をなす。
を機過酸化物としては、その分解温度以上、特にloo
’c以上の温度に於いて前記炭化水素系ポリマーに遊離
ラジカルを発生させ得る化合物が使用され、具体例とし
て例えばジクミルパオキサイト′、2.5−ジー(t−
ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3等が挙げられる。有
機過酸化物は前記炭化水素ポリマー100重量部に対し
て一般に0.005〜2重量部、特に0.05〜0.5
重量部で使用される。該有機過酸化物は前記炭化水素系
ポリマーに遊離ラジカルを発生させ、前記シラン系化合
物を炭化水素系ポリマーにグラフトさせる作用をなす。
本組成物に於いては必要に応じシラン系化合物の縮合触
媒を使用することもできる。この際の縮合触媒としては
、通常シラノール縮合触媒として知られているものが使
用され、例えばジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、
ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛の如きカルボン酸塩、チ
タン酸エステル、キレート化合物の如き有機金属化合物
等が挙げられる。この種縮合触媒の使用量は前記炭化水
素系ポリマー100重量部に対し、0.1重量部以下程
度であり、該縮合触媒は水による架橋反応を促進する効
果を有する。
本組成物はパラフィン類と共に有機過酸化物の分解温度
以上、通常140″C以上に設定された密閉混合機内で
少なくとも30秒以上充分混合される。この工程で有機
過酸化物が炭化水素系ポリマーにラジカルを発生させ、
シラン系化合物が該炭化水素系ポリマーにグラフトされ
、この結果、本組成物は水架橋性となる。
本組成物とパラフィン類と混合してなる蓄熱材の水架橋
後の架橋度は1%以上、好ましくは2%以上である。
本発明に於いてはパラフィン類100重量部に対して有
機高分子性バインダ成分は5〜50重量部である。特に
5〜30重量部程置部するのが好ましい。5重量部未満
ではパラフィン類OT 1m ! X以下の温度におい
て柔軟性がなく、取扱性に難があり、またT m a 
x以上の高温度に於いて蓄熱材を所望の形状に保持し難
くなり、一方50重量部を超える過大量ではパラフィン
類の配合量が少なくなって蓄熱量もそれに比例して少な
(なる。
本発明に於いては、パラフィン類と有機高分子性バイン
ダ成分の他に必要に応じて各種の添加剤を配合すること
ができる。例えば老化防止剤、酸化防止剤、着色剤、顔
料、帯電防止剤の他、用途に応じて防黴剤、難燃剤、防
凧剤等である。
本発明蓄熱材はその使用に際しては、原則的には従来の
この種蓄熱材の使用態様が全て採用できるが、特にシー
ト状の本発明蓄熱材を防護フィルム、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル等のフィルムで被覆
し、この上から更にアルミニウムの如き金属箔を用いて
均熱化層を設けるのが好ましい。また前記フィルムとア
ルミニウム等の金属箔を貼り合わせたラミネートフィル
ムで被覆しても良い。
尚本発明に於いては、パラフィン類と炭化水素系有機高
分子性バインダ成分を混合することが必要であるが、こ
の際機械的手段によって混合されることが好ましい。
特に上記高分子性バインダ成分として炭化水素系ゴムと
ポリオレフィン類を併用する場合、又は熱可塑性エラス
トマーを使用する場合、上記2つの場合を併用する場合
にはあえて機械的手段に依らなくてもパラフィン類とバ
インダ成分とを混合できるが、その他の場合にはこの機
械的手段による混合が極めて好ましい。該機械的手段に
ての混合とは、パラフィン類と炭化水素系有機高分子性
バインダ成分の双方中の少なくとも1成分の溶融物に残
余の成分が少なくとも膨潤、好ましくは溶解することに
より、或いは高温度により、混合対象となる何れの成分
も外力にて流動変形しうる状態に於いて撹拌、混合、或
いは混練する行為を意味する。例えば100〜200°
Cに保持されたパラフィン類の溶融物に炭化水素系有機
高分子性バインダを溶解し、得られる高温度の溶液を撹
拌混合する態様−4m合各成分が軟化する温度、例えば
50〜250°Cで2本ロール、バンバリーミキサ、押
出機、2軸混練押出機等の通常の混練機を使用して混練
混合する態様等が例示される。混合の程度は、可及的に
充分であることが好ましいが、一般には1〜150分程
度の混合を行って目視にて−様に混合されたと判断され
る程度で本発明の目的は連球される。
このように炭化水素系有機高分子性バインダ成分とパラ
フィン類とを機械的手段にて混合して−様な組成物とし
た場合、たとえ該パラフィン類の使用量が上記の如く大
量(この量はバインダ成分100重量部当たりのパラフ
ィン類量に換算すると、333〜2000重量部になる
)であっても、驚くべきことに、得られた組成物は成形
加工性に冨み、しかもパラフィン類の移行問題が高度に
改善される。
機械的手段による均一混合という一見常識的とも思われ
る手段ではあるが、これにより上記両成分を上記の如き
割合で一様均一な組成物となしうることは正に予想外の
ことといわざるを得ないことである。
〔実 施 例〕
以下に実施例を示して本発明の詳細な説明する。
実施例1〜I4、比較例1〜7 第1表に示す組成(割合は全て重量部)配合で各成分を
充分均一に混合した後、成形して厚さ5■の蓄熱材を得
た。この際、実施何重、実施例3、実施例7〜11、実
施例14及び比較例1〜7は、130〜180°Cに加
熱した容器中で充分撹拌、混合し、溶融混合物を型に流
し込んで成形したものであり、実施例2ば予めプレブレ
ンドし、シリンダー温度200°Cの2軸混練押出機で
混合した後、型に流し込んで成型した上、温水で架橋さ
せたものである。
また実施例4〜6及び実施例12〜13は室温でロール
混合した後、165°Cで30分プl/ス成型した。
各実施例及び比較例につき、第1表に示す特性を以下の
方法で測定した。
*に1356 Fパラフィン *2:125°Fパラフイン *1115°Fパラフィン *4:流動パラフィン *5:ゴム用ステアリン酸 *6:日本油脂社製 PEG  1540*7:スチレ
ン−エチレンブチレン−スチレンフロック共重合体 *8:エチレンー酢酸ビニル共重合体 (νへ25χ、MFR3g/10分、結晶化度18χ)
*9:EPDM *10:ポリエチレン (密度 0.95g/cffl、 MFR0,4g/1
0分)*11ニジクミルパーオキシト *12:ビニルトリメトキシシラン *13:ポリ(2,2,4−)リメチルーL2−ジヒド
ロキノリン) *14:チバガイギー社製 商品名「イルガノックス1010 J 最大蓄熱温度、蓄熱温度範囲、最大放熱温度、放熱温度
範囲: JIS K 7121に準してDSC装置で測定。これ
らの特性は使用したパラフィン類の示す結晶転移温度特
性が反映した本蓄熱材の蓄熱、放熱特性を表すもので、
最大蓄熱温度とは、最も大きな蓄熱或いは吸熱を示す温
度であり、この最大蓄熱温度以外に目立った蓄熱を示す
温度がある場合にはかかる温度を、またある温度範囲で
蓄熱が認められた場合にはその温度範囲を、「蓄熱温度
範囲」として第1表に示した。一方、放熱についても蓄
熱と同様に最大放熱温度、及び放熱温度範囲を用いて第
1表に示した。
蓄熱量: JIS K 7122に準してDSC装置に
より解熱(kj/kg)を測定し、kcal/kgに換
算して表示した。
柔軟性:蓄熱材を10mm巾の短冊状に切り取り、両端
を把持して90°に曲げ、破損するかどうかを調べて破
損のないものを良とした。
形状保持性:最大蓄熱温度よりも20°C高い温度のオ
ーブン中で充分加熱し、その状態を目視観察し、形状的
に見て略原形を保っているものを良とした。不良は溶融
したものである。
滲み出し性:形状保持性が良であった蓄熱材についてポ
リエチレンフィルム袋中に封入し、最大蓄熱温度よりも
20°C高い温度に24時間放置して)iラフイン類が
分離しているかどうかを目視観察した。殆ど以上のない
ものを良とした。不良は明らかに分離が認められるもの
である。
測定結果を第1表に示すが、実用的な特性については本
発明の実施例1〜14の蓄熱材はいずれも30kcal
/kg以上の蓄熱量を有し、実用的に必要な他の特性も
満足するものであった。一方比較例1〜4は形状保持性
、柔軟性、滲み出し性が劣っているか、蓄熱量が不足で
ある。更に蓄熱、放熱特性について見ると、1種類のパ
ラフィン類を用し)だ比較例1〜7は用いたパラフィン
類のT m a x、又は融点に於いて或いはその近傍
温度に於いて蓄熱、放熱特性を示すが、2種類以上のパ
ラフィン類を用いた実施例1〜14は、比較例と照合す
ると明らかなように、異なった鰻大蓄熱温度、最大放熱
温度を示し、大多数は低温側にシフトしている。
第1表の実施例1〜14では各種パラフィン類とその混
合比を変えて測定した蓄熱、放熱特性を示しであるが、
これより所望の蓄熱、放熱温度を微妙に調熱しうること
が明白である。更に、最大蓄熱温度、放熱温度以外の蓄
熱温度範囲、放熱温度範囲に示した温度ももちろん利用
しうる。尚、本発明の蓄熱材は実施例に限定されること
なく、あらゆるパラフィン類の選択と2種以上のパラフ
ィン類の任意の混合比率が必要に応して採用しうる。
〔発明の効果〕
本発明の蓄熱材はパラフィン類の溶融、液化、相分離や
ブリードを生し難く、また蓄熱温度の選択範囲が広く、
この広い温度範囲から適宜に蓄熱温度を選択して決定で
きる。従って例えば人体温度付近で使用する蓄熱材、深
夜電力利用の蓄熱式床暖房用蓄熱材、排熱回収装置用蓄
熱材、更に温室や各種蓄熱装置用の蓄熱材、機器・器具
用蓄熱材等の製造等に極めて有利である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)パラフィン100重量部と、炭化水素系有機高分
    子性バインダ成分5〜50重量部とを主成分としてなり
    、該パラフィン類が最高結晶転移温度のことなる2種以
    上のパラフィン類からなることを特徴とする蓄熱材。
  2. (2)炭化水素系有機高分子性バインダ成分が、 (a)熱可塑性エラストマー、 (b)低結晶性ポリオレフィン系熱可塑性プラスチック
    ス、 (c)炭化水素ゴム1〜20重量部と結晶性ポリオレフ
    ィン1〜20重量部の混合物、 (d)炭化水素ゴムと該ゴムの架橋剤からなる架橋され
    る組成物、 (e)炭化水素ポリマー、加水分解しうるシラン系化合
    物及び有機過酸化物を主成分としてなる水架橋性組成物
    からなる(a)〜(e)の群から選ばれた少なくとも1
    種類である請求項(1)に記載の蓄熱材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011037961A (ja) * 2009-08-08 2011-02-24 Bekku Kk 蓄熱組成物及び蓄熱成形体
JP2013177497A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Jsr Corp 蓄熱マイクロカプセル及びこれを用いた蓄熱材
JP2017145330A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 株式会社イノアックコーポレーション 蓄熱体
JP2020045411A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 株式会社Kri 潜熱蓄熱材組成物

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JP2020045411A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 株式会社Kri 潜熱蓄熱材組成物

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