JPH0840466A

JPH0840466A - 通気袋

Info

Publication number: JPH0840466A
Application number: JP19612294A
Authority: JP
Inventors: Hiroki Yamada; 大機山田
Original assignee: NIDAIKI KK
Current assignee: NIDAIKI KK
Priority date: 1994-07-27
Filing date: 1994-07-27
Publication date: 1996-02-13

Abstract

(57)【要約】【目的】雑菌の侵入を防止して通気を確保し、袋内の
通気を均等にできて強度に支障がない通気袋を安価に提
供する。【構成】前後のフイルム１１，１２を両側端で、吸水
性のない毛羽立ち加工したポリプロピレンの不織布１３
を介在させて両側端と底部にヒートシールによる熱着部
１０を突出した袋１とし、底部を除く両側端の熱着部１
０に、所定間隔をおいて、外端面から袋体の内空部に届
くヒートシールされない無着部を、介在した不織布１３
の両面に設けて設けて約３mm径の通気孔２と成し、その
通気孔２を、途中に屈曲部を有する形状としている。即
ち、横孔２１，２３の間に例者孔２２を連通して横孔２
１，２３を段違いとした形状の通気孔２としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、通気袋に関するもので
あり、殊に食品の鮮度保持袋として、またガス抜きでき
て電子レンジでの加熱調理用として、或いは蒸気殺菌を
伴う有害菌の除菌袋及び蒸気殺菌できる食物の育成袋と
して、さらに外気からの雑菌の侵入を防止する通気袋と
して有効に使用されるものである。

【０００２】

【従来の技術】通気袋のうち、電子レンジで加熱使用す
る際に、或いは蒸気殺菌する際に袋内の蒸気やガスを抜
くことが袋の破損防止から必要であり、従来では微孔を
無数に透設して成る有孔フイルム袋が有効に使用されて
いた。そして、さらに外気からの雑菌の侵入を防止する
ために、微孔を無数に透設して成る有孔フイルム袋を、
その微孔の位置をずらして二重袋にすることで通気を確
保すると共に、直進する性質の雑菌の侵入を阻止するも
のがある。また、袋本体に比較的大きな通気孔を透設し
てその部位に不織布を接着し、不織布で雑菌の侵入を阻
止するものがある。

【０００３】これらによると、二重袋構造、或いは不織
布で雑菌を捕獲できるが、袋本体に通気孔を透設するた
め強度不足で破れる心配があり、また特定位置の一部だ
けに通気孔を施したものでは、ガス抜きが均等にできず
破れるおそれも残るものである。さらに、通気孔を袋の
下部に透設できないため下部での通気が不良となるもの
であった。また、いずれも量産し難い構造でありコスト
高となっていたのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、電子
レンジでの加熱使用や蒸気殺菌する際に袋内で生じるガ
スや蒸気を外に逃がして袋内昇圧による破れを防止し、
通気を確保すると共に、雑菌の侵入を防止でき、量産し
易く強度に支障のない通気袋を安価に提供するものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、ヒー
トシールによる熱着部を形成して製袋されたプラスチッ
ク製の袋において、ヒートシール性を有する微細な連続
気孔体の濾過材を該熱着部に介在して熱着し、該熱着部
にヒートシールされない無着部を外端面から袋体内に連
通して設けることで袋体の内外を通気導通させる通気孔
を濾過材の両面に複数形成し、夫々の該通気孔を、途中
に屈曲部を有する形状とした構成としている。なお、濾
過材を、吸水性のないプラスチック不織布とし、或いは
ヒートシール加工すると共に、撥水性のある滅菌用パル
プ紙又は滅菌用不織布とし、さらにパルプ紙にワックス
剤とフッ素の混合液を含浸又はコーティングして耐水耐
油性を保有させた濾過材としてもよい。また、ヒートシ
ールによる熱着部を除いた袋体の内面に、吸水不織布又
はパルプ紙を配置した袋体としてもよい。

【０００６】

【作用】ヒートシールによる熱着部に、ヒートシールさ
れない無着部を端面から複数部位設けて袋体の内外を通
気導通させる通気孔を形成したため、袋体としての強度
に支障がなく、途中に屈曲部を有する形状の通気孔とし
たため、直進する性質の雑菌が通気孔に侵入しても屈曲
部からそれ以上奥へ進めないことから雑菌が袋内に侵入
することがないのである。

【０００７】また、ヒートシールによる熱着部に、微細
な連続気孔体の濾過材を製袋時に一体にヒートシールし
ているため、無着部での屈曲通気孔に濾過材が介在され
ていることから、侵入した雑菌や異物が濾過材に係着さ
れて除去される効果が一層大きく、清浄空気による通気
が確保できるのである。

【０００８】なお、濾過材を、吸水性のないプラスチッ
ク不織布とし、或いはヒートシール加工すると共に、撥
水性のある滅菌用パルプ紙又は滅菌用不織布とし、さら
にパルプ紙にワックス剤とフッ素の混合液を含浸又はコ
ーティングして耐水耐油性としたものでは、袋内への吸
水が阻止されて袋内の腐敗が防止されるのである。ま
た、屈曲通気孔が形成されるヒートシールを除いた袋体
の内面に吸水不織布又はパルプ紙を配置すれば、袋に収
容した魚介類、肉類等からのドリップ等を吸収できて袋
内を清潔に保つことができるのである。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の詳細を図示実施例について説
明する。図１に示す本例は、前後のポリプロピレンのフ
イルム１１，１２を両側端で、吸水性のない毛羽立ち加
工したポリプロピレンの不織布１３を介在させてヒート
シールし、底部を長手方向にヒートシールした形状の袋
１であり、両側端と底部にヒートシールによる熱着部１
０が突出している。

【００１０】本例で特徴ある構成は、その底部を除く突
出した両側端の熱着部１０に、所定間隔をおいて、外端
面から袋体の内空部に届くヒートシールされない無着部
を、介在した不織布１３の両面に設けて通気孔２と成す
もので、図２及び図３のように、通気孔２の途中に反転
状の屈曲部を有する形状としたことである。即ち、横孔
２１，２３の間に傾斜孔２２を連通して横孔２１，２３
を段違いとした形状の通気孔２としたものであり、熱着
部１０の上部で約１cm間隔で設けてある。なお、通気孔
２の径は約３mmとしている。

【００１１】この熱着部１０に通気孔２をヒートシール
されない無着部とする手段は、図４のように、ヒートシ
ールする熱盤３の接着対向面に通気孔２の形状の孔３１
を欠設すればよく、これにより孔３１部に当接したフイ
ルムが溶融温度まで加熱されないため熱着しないのであ
る。

【００１２】また、介在した不織布１３は、実際はヒー
トシールによってフイルム１１，１２に溶着するため、
ヒートシールされない無着部だけに不織布１３が原形を
保つのであり、その残存した不織布１３の部分の両側に
通気孔２が形成されることになる。

【００１３】このように構成した本例は、まず、外気の
雑菌が通気孔２に侵入しても、直進する性質の雑菌が不
織布１３或いは屈曲部の傾斜孔２２の壁に付着し、それ
以上奥へ進めないことから雑菌が袋内に侵入することが
ないのである。特に、毛羽立ち状態とした不織布１３を
用いれば雑菌を一層確実に係着捕獲できるのである。

【００１４】電子レンジでの使用の場合は、加熱により
袋内に生じるガスが通気孔２から外に放出されるためガ
スによる内圧を下げることができて袋の破れを防止で
き、安全性が確保できるのである。蒸気殺菌の場合も同
様であり、内圧ガス抜きが図れて安全に殺菌できるので
ある。殺菌後は、外気の雑菌が袋内に侵入することがな
いため無菌状態を保持できるのである。

【００１５】このように本例によると、外からの雑菌を
不織布１３と屈曲通気孔２の傾斜孔２２で阻止して通気
を行うものであり、この通気孔２が袋本体ではなく、ヒ
ートシール部であるため丈夫な袋となり、袋内のガス抜
きによりムレを防止して均一な通気が図れるのであり、
食品の場合は鮮度を保持できるのである。また、吸水性
のない不織布１３のため、外部からの水分の導入を阻止
して袋内腐敗を防止できるのである。さらに、不織布１
３がヒートシール部だけに配置されるため袋内が透視で
きて内容物の状態確認に支障がないのである。

【００１６】本例は前記のように構成したが、本発明に
おいてはこれに限定されない。例えば、袋フイルムの材
質は問わず、ヒートシールできるプラスチックフイルム
であればよく、複合フイルムでもよい。また、ヒートシ
ール性を有する微細な連続気孔体の濾過材も限定され
ず、プラスチック製の不織布であれば、ポリエステル系
不織布やナイロン系不織布でもよく、ヒートシール時に
無着部が伝熱溶解しないよう耐熱温度の高い不織布が最
適である。その不織布製品は、メルトブロー、スパンボ
ンド、ケミカルボンド、スパンレース、ニードルパン
チ、サーマルボンド等によっても造られ、吸水性のない
ものが一層良好である。

【００１７】濾過材をパルプ紙とする場合は、ヒートシ
ール加工し、或いはプラスチック樹脂を練り込んでヒー
トシール性を保有させてもよく、撥水性を保有させ、ま
たパルプ紙や不織布を滅菌性のあるものとし、或いはパ
ルプ紙にワックス剤とフッ素の混合液を含浸又はコーテ
ィング等して耐水耐油性を保有させてもよい。滅菌用加
工すれば捕獲した雑菌を滅菌できると共に、通気を介し
て袋内での滅菌が図れるのである。また、耐水耐油性の
パルプ紙とすれば、ドリップ等の多い周囲状態での安全
な使用ができるのである。

【００１８】さらに、ヒートシールされない無着部から
成る通気孔の配置位置や形状も適宜であり、途中に介在
させる屈曲部の形状も任意であって、図５及び図６のよ
うに形成してもよく、屈曲部をＳ字状、Ｚ字状，Ｗ字状
等として屈曲部を多くするほど雑菌防止の効果が大きい
のである。通気孔の大きさも、１〜１０mmの範囲が適当
であるが、収容物による通気量を計算して任意の大きさ
とすればよい。

【００１９】なお、袋の形状は適宜であり、前後左右の
フイルムを横断面が四角となるよう四隅部でヒートシー
ルし、底部を長手方向にヒートシールしたガセット袋と
してもよい。この場合、図７のように、巾方向の両面側
部内面に不織布４を配置して、その両側端部を一体にヒ
ートシールしてもよい。或いは、図８のように、袋体の
内面に吸水できる不織布５を配置すれば、ドリップ等を
吸収して袋内を清潔に保つことができるのである。この
場合、滅菌用不織布とすれば一層腐敗を防止できるので
ある。

【００２０】また、電子レンジ用袋としては通気孔を上
部だけに形成してドリップ等の滴下を防止してもよい。
また、上部のヒートシールに形成する通気孔の径を、ヒ
ートシール下部に形成する大きくしてもよい。さらに、
熱着部に通気孔を形成する手段は適宜であり、耐熱性イ
ンクを塗布してヒートシールすることで、該インクの塗
布部を無着部として通気孔を形成してもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明によると、屈曲した通気孔及び介
在した濾過材により雑菌の侵入を防止して通気を確保す
ると共に、ヒートシール部での通気孔の形成によって強
度に支障のない袋となる効果が大きく、安価に製造でき
て各種食品の包装袋、とくに加熱昇圧による破損を防止
できて電子レンジ用袋に好適であり、濾過材の配置がヒ
ートシール部だけのため袋内を透視できることから収容
物の状態確認ができるのである。

【００２２】請求項２では、外部からの水分の導入を阻
止して袋内腐敗を防止できるのである。請求項３では、
撥水性のある滅菌用濾過体のため捕獲した雑菌を滅菌で
きるるのである。請求項４では、耐水耐油性のパルプ紙
のため、外からの水や油の侵入を防止できることから、
ドリップ等の多い周囲状態での安全な使用ができるので
ある。請求項５では、ドリップや水滴等を吸収して袋内
を清潔に保つことができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す一部切欠した斜視図で
ある。

【図２】その要部の一部断面した拡大図である。

【図３】その要部の拡大斜視図である。

【図４】ヒートシール用熱盤の要部拡大斜視図である

【図５】通気孔の別例を示す要部の一部断面した拡大図
である。

【図６】さらに通気孔の別例を示す要部の一部断面した
拡大図である。

【図７】ガゼット袋の実施例を示す一部切欠した斜視図
である。

【図８】袋体構造の別例で、内面に吸水不織布を配置し
た要部の斜視図である。

【符号の説明】

１袋１０熱着部１３，４不織布２通気孔２２傾斜孔３熱盤５吸水不織布

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヒートシールによる熱着部を形成して製
袋されたプラスチック製の袋において、ヒートシール性
を有する微細な連続気孔体の濾過材を該熱着部に介在し
て熱着し、該熱着部にヒートシールされない無着部を外
端面から袋体内に連通して設けることで袋体の内外を通
気導通させる通気孔を濾過材の両面に複数形成し、夫々
の該通気孔を、途中に屈曲部を有する形状としたことを
特徴とする通気袋。
【請求項２】濾過材を、吸水性のないプラスチック不織
布とした請求項１の通気袋。
【請求項３】濾過材を、ヒートシール加工すると共に、
撥水性のある滅菌用パルプ紙又は滅菌用不織布とした請
求項１の通気袋。
【請求項４】パルプ紙に、ワックス剤とフッ素の混合液
を含浸又はコーティングして耐水耐油性を保有させた濾
過材と成した請求項１の通気袋。
【請求項５】ヒートシールによる熱着部を除いた袋体の
内面に、吸水不織布又はパルプ紙を配置した請求項１の
通気袋。