JPH0833865A - ウエットオンウエット塗装方法 - Google Patents

ウエットオンウエット塗装方法

Info

Publication number
JPH0833865A
JPH0833865A JP10938295A JP10938295A JPH0833865A JP H0833865 A JPH0833865 A JP H0833865A JP 10938295 A JP10938295 A JP 10938295A JP 10938295 A JP10938295 A JP 10938295A JP H0833865 A JPH0833865 A JP H0833865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
coating
wet
based paint
paint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10938295A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Oda
浩明 小田
Yasumasa Okumura
保正 奥村
Yutaka Inoue
裕 井上
Hisashi Isaka
尚志 井坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP10938295A priority Critical patent/JPH0833865A/ja
Publication of JPH0833865A publication Critical patent/JPH0833865A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱硬化型水性塗料(A)を塗装し、硬化させ
ることなく、該塗面に熱硬化型水性塗料(B)を塗装す
るウエットオンウエット塗装方式において、該水性塗料
(A)の基体樹脂の中和価を10〜40KOHmg/g
とし、かつ該水性塗料(B)の基体樹脂の中和価を該水
性塗料(A)よりも10〜20KOHmg/g大きくす
ることを特徴とする塗装方法。 【効果】 複数の熱硬化性水性塗料をウエットオンウエ
ットで塗装しても両塗装膜間で混層や反転を生じること
なく、塗膜外観や平滑性に優れた塗膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の水性塗料をウエ
ットオンウエット方式で塗装して塗膜外観や平滑性に優
れた複層塗膜を形成できる新規な塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】複数の熱硬化型水性塗料を
ウエットオンウエット方式で塗装することは従来から多
く行われている。例えば、自動車車体の塗装において、
カチオン電着塗装した車体の外板部(例えば、ドアー、
パネルフード、パネルルーフ、パネルトランクリッド、
フェンダー等)に熱硬化型水性中塗塗料(イ)を噴霧塗
装し、硬化させることなく、次いで内板部(例えば、ボ
ンネット内、トランクルーム、ドア内部等)に外板部の
上塗塗膜とほぼ同色に調色した熱硬化型水性中塗塗料
(ロ)を塗装した後に、加熱して該水性中塗塗料(イ)
及び(ロ)の両塗膜を硬化し、次いで外板部に上塗塗料
を塗装することが行なわれている。この場合、内板部の
外板部に近い部分に該中塗塗料(イ)が塗装され、又外
板部の内板部に近い部分に該中塗塗料(ロ)が塗装され
ることが避け得ないため、外板部と内板部との境界部分
においては、該中塗塗料(イ)と(ロ)がウエットオン
ウエットで重なりあっていることになる。
【0003】また、自動車車体のセンターピラー部分
は、カチオン電着塗装後、熱硬化型水性中塗塗料を塗装
し、硬化させることなく該センターピラー部分のみに熱
硬化型水性黒色上塗塗料を塗装している。
【0004】しかしながら、上記の如く複数の熱硬化型
水性塗料をウエットオンウエット方式で塗り重ねる従来
の方法では、ウエット両塗膜層間で混層又は反転が生じ
て、得られる複層塗膜の塗膜外観や平滑性等が低下した
り、塗膜に肌アレが発生したりするという欠陥が生じて
いた。かかる欠陥は、その上に更に上塗り塗膜を形成し
ても、解消できないことが多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、複数の
熱硬化型水性塗料をウエットオンウエットで塗り重ねる
塗装方式における上記欠陥が解消された新規な塗装方法
を提供するところにある。
【0006】本発明の他の目的は、複数の熱硬化性水性
塗料をウエットオンウエットで塗装しても両塗装膜間で
混層や反転を生じることなく、塗膜外観や平滑性に優れ
た塗膜が得られる新規な塗装方法を提供するところにあ
る。
【0007】本発明のこれら及び更に他の目的は、以下
の記載から明らかになるであろう。
【0008】本発明は、熱硬化型水性塗料(A)を塗装
し、硬化させることなく、該塗面に熱硬化型水性塗料
(B)を塗装するウエットオンウエット塗装方式におい
て、該水性塗料(A)の基体樹脂の中和価を10〜40
KOHmg/gとし、かつ該水性塗料(B)の基体樹脂
の中和価を該水性塗料(A)よりも10〜20KOHm
g/g大きくすることを特徴とする塗装方法を提供する
ものである。
【0009】本発明者は、前記従来技術の欠陥を解消す
るべく鋭意研究した結果、ウエットオンウエットで塗り
重ねる両熱硬化型水性塗料中の基体樹脂の中和価を特定
範囲内に調整することによって上記欠陥が解消され、目
的が達成されることを見出した。本発明は、かかる新た
な知見に基づいて完成されたものである。
【0010】熱硬化型水性塗料(A)は、熱硬化型水性
塗料(B)の塗装に先立って被塗面にあらかじめ塗装す
る塗料であり、本発明においては、該水性塗料(A)の
基体樹脂の中和価が10〜40KOHmg/g、好まし
くは20〜30KOHmg/gの範囲に包含されている
ことが必要である。該基体樹脂の中和価が10KOHm
g/gより小さくなると水分散安定性が低下するととも
に水性塗料(B)の塗膜と混層又は反転しやすくなり、
一方40KOHmg/gより大きくなると塗装作業性、
塗膜の耐水性等が低下するので、いずれも好ましくな
い。
【0011】本発明において、基体樹脂の「中和価」と
は該基体樹脂1gが有しているカルボキシル基のうち中
和されたカルボキシル基の量をKOHのmg数に換算し
たものを意味する。この中和は基体樹脂のカルボキシル
基のすべてであってよく、又その一部であってもよい。
従って、基体樹脂のカルボキシル基のすべてを中和した
場合には、該基体樹脂の中和価はその酸価と等しい値に
なる。また、基体樹脂のカルボキシル基の一部を中和し
た場合には、該基体樹脂の中和価は、その酸価よりも小
さい値となる。
【0012】本発明における熱硬化型水性塗料(A)と
しては、上記所定の中和価を有している限りにおいて、
従来公知の塗料を使用できる。即ち、熱硬化型水性塗料
(A)は、基体樹脂及び架橋剤を水に溶解又は分散して
なり、さらに必要に応じて着色顔料、メタリック顔料、
体質顔料、各種添加剤、有機溶剤等を配合してなる熱硬
化型水性塗料である。
【0013】上記基体樹脂は、水性塗料(A)の塗膜を
形成する主要成分であって、その分子中に架橋性官能基
及びカルボキシル基を併存するそれ自体既知のものが使
用できる。ここで、カルボキシル基は、中和により基体
樹脂を水性化するためのものである。架橋性官能基とし
ては、例えば水酸基、エポキシ基、イソシアネート基、
アミノ基等があげられ、これらは1種又は2種以上併存
してもさしつかえない。そして、該官能基は基体樹脂1
分子あたり2個以上結合していることが好ましい。カル
ボキシル基及び架橋性官能基の導入は既知の方法によっ
て行われる。
【0014】かかる基体樹脂としては、例えばカルボキ
シル基及び架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂及びこれらの変性樹脂等から選ばれた1種又は2種以
上が好適に使用でき、これらの数平均分子量は約1,0
00〜100,000、特に約2,000〜30,00
0の範囲が適している。また、該基体樹脂として、カル
ボキシル基及び架橋性官能基を有する三次元架橋した重
合体粒子の水性エマルジョンも使用できる。
【0015】水性塗料(A)の基体樹脂中のカルボキシ
ル基量は、未中和の状態で酸価に基づいて10〜50K
OHmg/g、特に20〜30KOHmg/gであるこ
とが好ましい。そして、該樹脂中のカルボキシル基の一
部又は全部を中和して、中和価を前記所定範囲に調整す
ることによって水性塗料(A)に適用できる基体樹脂が
得られる。
【0016】ここで、カルボキシル基の中和に用いられ
る中和剤としては、例えば、アンモニア;エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、
モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−
アミノプロパノール、3−アミノプロパノール等の第1
級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、
ジ−n−プロパノールアミン、ジ−iso−プロパノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエ
タノールアミン等の第2級モノアミン;ジメチルエタノ
ールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジ
メチルアミノエタノール等の第3級モノアミン;ジエチ
レントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミ
ン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピル
アミン等のアミノ化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属
水酸化物等を使用することができる。
【0017】また架橋剤は、上記基体樹脂を三次元に架
橋硬化させるためのものであって、例えばアミノ樹脂及
びポリイソシアネート化合物等から選ばれた1種又は2
種以上が使用できる。ここで、アミノ樹脂としては、メ
ラミン、尿素、ベンゾグアナミン等のアミノ成分とホル
ムアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化ア
ミノ樹脂、該樹脂のメチロール基の一部又は全部を炭素
数1〜5のモノアルコールによってエーテル化したもの
等を挙げることができる。また、ポリイソシアネート化
合物としては、脂肪族、脂環族、芳香族ポリイソシアネ
ート化合物等の1分子中に2個以上のイソシアネート基
を有するものが例示できる。これらの化合物にブロック
剤を反応させてなるブロックポリイソシアネート化合物
であっても良い。
【0018】水性塗料(A)における基体樹脂及び架橋
剤の配合比率は、特に制限されないが、該両成分の合計
重量に基づいて、基体樹脂は50〜90重量%、好まし
くは60〜80重量%、架橋剤は50〜10重量%、好
ましくは40〜20重量%である。
【0019】該水性塗料(A)は、自動車車体等の金属
製又はプラスチック製の被塗物に直接塗装することがで
きるが、これらの被塗物は、例えばカチオン電着塗料等
のプライマー等を必要に応じてあらかじめ適宜塗装して
おくことが好ましい。
【0020】該水性塗料(A)は、粘度20〜200
秒、好ましくは30〜100秒/フォードカップ#4/
20℃に調整しておき、スプレー塗装、静電塗装等で、
硬化塗膜に基づいて10〜60μmの膜厚に塗装するこ
とが好ましい。
【0021】熱硬化型水性塗料(B)は、上記水性塗料
(A)の未硬化塗膜面に塗装する塗料であり、本発明に
おいては、該水性塗料(B)の基体樹脂の中和価を、該
水性塗料(A)よりも10〜20KOHmg/g大きく
することが必要である。水性塗料(B)の基体樹脂の中
和価と水性塗料(A)の基体樹脂の中和価との差が10
KOHmg/gより小さくなると該両塗膜が混層又は反
転しやすくなり、一方その差が20KOHmg/gより
大きくなると塗装作業性及び塗膜の耐水性等が低下する
ので、いずれも好ましくない。
【0022】本発明における熱硬化型水性塗料(B)と
しては、上記所定の中和価を有している限りにおいて従
来公知の塗料を使用できる。即ち、熱硬化型水性塗料
(B)は、基体樹脂及び架橋剤を水に溶解又は分散して
なり、さらに必要に応じて着色顔料、体質顔料、各種添
加剤、有機溶剤等を配合してなる熱硬化型水性塗料であ
る。
【0023】上記基体樹脂は、水性塗料(B)の塗膜を
形成する主要成分であって、その分子中に架橋性官能基
及びカルボキシル基を併存するそれ自体既知のものが使
用できる。架橋性官能基としては、例えば水酸基、エポ
キシ基、イソシアネート基、アミノ基等が挙げられ、こ
れらは1種又は2種以上併存してもさしつかえない。そ
して、該官能基は基体樹脂1分子あたり2個以上結合し
ていることが好ましい。カルボキシル基及び架橋性官能
基の導入は既知の方法によって行われる。
【0024】かかる基体樹脂としては、例えばカルボキ
シル基及び架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂及びこれらの変性樹脂等から選ばれた1種又は2種以
上が好適に使用でき、これらの数平均分子量は約1,0
00〜100,000、特に約2,000〜30,00
0の範囲が適している。また、該基体樹脂として、カル
ボキシル基及び架橋性官能基を有する三次元架橋した重
合体粒子の水性エマルジョンも使用できる。
【0025】水性塗料(B)の基体樹脂中のカルボキシ
ル基量は、未中和の状態で酸価に基づいて20〜60K
OHmg/g、特に30〜50KOHmg/gであるこ
とが好ましい。そして、該樹脂中のカルボキシル基の一
部又は全部を中和して、中和価を前記所定の範囲に調整
することによって水性塗料(B)に適用できる基体樹脂
が得られる。この中和には、水性塗料(A)の場合と同
様の中和剤を使用できる。
【0026】また架橋剤は、上記基体樹脂を三次元に架
橋硬化させるためのものであって、例えばアミノ樹脂及
びポリイソシアネート化合物等から選ばれた1種又は2
種以上が使用できる。これら架橋剤の具体例は、前記水
性塗料(A)の場合と同様である。
【0027】水性塗料(B)における基体樹脂及び架橋
剤の配合比率は、特に制限されないが、該両成分の合計
重量に基づいて、基体樹脂は50〜90重量%、好まし
くは60〜80重量%、架橋剤は50〜10重量%、好
ましくは40〜20重量%である。
【0028】水性塗料(B)は、水性塗料(A)の未硬
化塗面に塗装する。例えば、水性塗料(A)を塗装し、
室温で数分放置してから、該水性塗料(B)を塗装する
ことが好ましい。
【0029】該水性塗料(B)は、粘度20〜200
秒、好ましくは30〜100秒/フォードカップ#4/
20℃に調整しておき、スプレー塗装、静電塗装等で、
硬化塗膜に基づいて10〜60μmの膜厚に塗装するこ
とが好ましい。
【0030】本発明の塗装方法は、上記水性塗料(A)
を塗装し、架橋硬化させることなく、ウエットオンウエ
ット塗装方式で、該塗面に水性塗料(B)を塗装するも
のである。
【0031】かかる塗装方法の具体例としては、次のよ
うな場合が挙げられる。
【0032】カチオン電着塗装した自動車車体の外板
部及び内板部にそれぞれの水性中塗塗料(イ)、(ロ)
を塗装する工程において、該水性中塗塗料(イ)として
水性塗料(A)を、該水性中塗塗料(ロ)として水性塗
料(B)をそれぞれ使用する場合。即ち、外板部に水性
中塗塗料(A)を噴霧塗装し、それを硬化させることな
く、次いで内板部に外板部の上塗塗膜と同色に調色した
水性中塗塗料(B)を塗装してから、該両中塗塗膜を同
時に加熱硬化する工程において、外板部と内板部の境界
部分及び内板部に水性塗料(A)が飛散したダスト部分
においては水性塗料(A)の未硬化塗膜面に水性塗料
(B)がウエットオンウエット状態で重なりあってい
る。また、水性塗料(B)の飛散粒子が水性塗料(A)
の未硬化塗膜面に塗着していることもある。
【0033】自動車車体をカチオン電着塗装後、外板
部全面に上記水性中塗塗料(イ)を塗装し、硬化させる
ことなく該外板部のセンターピラー部分のみに水性黒色
上塗塗料を塗装するにあたり、水性中塗塗料(イ)とし
て水性塗料(A)を、該水性黒色上塗塗料として水性塗
料(B)をそれぞれ使用する場合。
【0034】水性メタリック塗料又は水性着色塗料及
び水性クリヤー塗料を2コート1ベイク方式で塗装する
にあたり、水性メタリック塗料又は水性着色塗料として
水性塗料(A)を、水性クリヤー塗料として水性塗料
(B)をそれぞれ使用する場合。
【0035】本発明において、上記水性塗料(A)及び
水性塗料(B)の塗装は目的に応じて任意の方法で行う
ことができ、例えば、エアスプレー、エアレススプレ
ー、静電塗装、浸漬塗装、電着塗装等で行うことが好ま
しい。これらの塗装膜厚も適宜選択できるが、硬化塗膜
に基づいて10〜60μm、特に20〜40μmの範囲
が適している。また、水性塗料(A)を塗装してから、
室温程度で約1〜10分放置して架橋反応させることな
く乾燥してから、水性塗料(B)を塗装することが好ま
しい。その後、約110〜160℃で約20〜60分加
熱して、該両塗膜を同時に架橋硬化せしめる。ここで、
加熱硬化する前に、40〜70℃程度で、1〜30分程
度予備乾燥しておくと、ワキ発生防止に有効である。
【0036】
【発明の効果】本発明塗装方法により、次の様な顕著な
効果が得られる。
【0037】(1)水性塗料(A)及び水性塗料(B)
のそれぞれの基体樹脂の中和価を前記のように調整した
ので、該両塗料をウエットオンウエットで塗り重ねても
両層間で混層又は反転が生じることがなく、得られる塗
膜の塗膜外観や平滑性等の低下が防止できると共に、塗
面に肌アレが発生することもなくなった。
【0038】(2)従来の水性ベース塗料/水性クリヤ
ー塗料のウエットオンウエット塗装では、水性ベース塗
膜中の水等の揮散に長時間を必要としていたが、本発明
の方法で水性ベース塗料として水性塗料(A)を、水性
クリヤー塗料として水性塗料(B)を使用すると、水性
塗料(A)のウエット塗膜上にそのまま水性塗料(B)
を塗装できるので、工程を簡素化できる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明について、製造例、実施例及
び比較例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0040】製造例1 熱硬化型水性塗料(A−1)の
調製 ポリエステル樹脂1,000部(固形分重量、以下同
様)、ジメチルアミノエタノール40部、イミノ基含有
メチルエーテル化メラミン樹脂(三井サイテック(株)
製、商品名「サイメル703」)300部、チタン白顔
料(堺化学工業(株)製、商品名「R−41」)1,5
00部及びカーボンブラック(三菱化学(株)製、商品
名「三菱カーボンブラックM−100」4.5部を、脱
イオン水1,720部に混合分散して熱硬化型水性塗料
(A−1)を調製した。
【0041】上記ポリエステル樹脂は、ネオペンチルグ
リコール0.75モル、トリメチロールプロパン0.2
5モル、アジピン酸0.4モル及び無水フタル酸0.5
モルを反応容器に加え、220℃で5時間反応させたの
ち、無水トリメリット酸を0.035モル添加し、16
0℃で1時間反応させて得られたものであり、数平均分
子量約6,000、酸価25KOHmg/g、水酸基価
110KOHmg/gである。また、このポリエステル
樹脂は、塗料中で、中和剤のジメチルアミノエタノール
によりそのカルボキシル基が1当量中和されており、中
和価が25KOHmg/gである。
【0042】製造例2 熱硬化型水性塗料(B−1)の
調製 ポリエステル樹脂1,000部、ジメチルアミノエタノ
ール56部、イミノ基含有メチルエーテル化メラミン樹
脂(三井サイテック(株)製、商品名「サイメル70
3」)300部、硫酸バリウム540部及びカーボンブ
ラック(三菱化学(株)製、商品名「三菱カーボンブラ
ックM−100」)60部を脱イオン水1,720部に
混合分散して熱硬化型水性塗料(B−1)を調製した。
上記ポリエステル樹脂は、ネオペンチルグリコール0.
87モル、トリメチロールプロパン0.13モル、アジ
ピン酸0.45モル及び無水フタル酸0.5モルを反応
容器に加え、220℃で5時間反応させたのち、無水ト
リメリット酸を0.05モル添加し、160℃で1時間
反応させて得られたものであり、数平均分子量約8,0
00、酸価35KOHmg/g、水酸基価52KOHm
g/gである。また、このポリエステル樹脂は、塗料中
で、ジメチルアミノエタノールでそのカルボキシル基が
1当量中和されており、中和価が35KOHmg/gで
ある。
【0043】製造例3 熱硬化型水性塗料(B−2)の
調製 製造例2において、ポリエステル樹脂原料の無水トリメ
リット酸の使用量を0.06モルに変更して、酸価40
KOHmg/g、水酸基価50KOHmg/gのポリエ
ステル樹脂を調製し、これをジメチルアミノエタノール
で1当量中和し、中和価40KOHmg/gとした以外
は製造例2と同様にして、熱硬化型水性塗料(B−2)
を調製した。
【0044】製造例4 熱硬化型水性塗料(B−3)の
調製 製造例2におけるポリエステル樹脂を製造例1における
ポリエステル樹脂に置換し、且つジメチルアミノエタノ
ールの使用量を40部とした以外は製造例2と同様にし
て、熱硬化型水性塗料(B−3)を調製した。
【0045】製造例5 熱硬化型水性塗料(B−4)の
調製 製造例2において、ポリエステル樹脂原料の無水トリメ
リット酸の使用量を0.04モルに変更して、酸価30
KOHmg/g、水酸基価55KOHmg/gのポリエ
ステル樹脂を調製し、これをジエチルアミノエタノール
で1当量中和し、中和価30KOHmg/gとした以外
は製造例2と同様にして、熱硬化型水性塗料(B−4)
を調製した。
【0046】製造例6 熱硬化型水性塗料(B−5)の
調製 製造例2において、ポリエステル樹脂原料の無水トリメ
リット酸の使用量を0.12モルに変更して、酸価50
KOHmg/g、水酸基価47KOHmg/gのポリエ
ステル樹脂を調製し、これをジエチルアミノエタノール
で1当量中和し、中和価50KOHmg/gとした以外
は製造例2と同様にして、熱硬化型水性塗料(B−5)
を調製した。
【0047】製造例7 熱硬化型水性塗料(B−6)の
調製 製造例3で用いたポリエステル樹脂(酸価40KOHm
g/g、水酸基価50KOHmg/g)をジエチルアミ
ノエタノールで0.625当量中和し、中和価25KO
Hmg/gとした以外は製造例3と同様にして、熱硬化
型水性塗料(B−6)を調製した。
【0048】製造例8 熱硬化型水性塗料(B−7)の
調製 製造例3で用いたポリエステル樹脂(酸価40KOHm
g/g、水酸基価50KOHmg/g)をジエチルアミ
ノエタノールで0.375当量中和し、中和価15KO
Hmg/gとした以外は製造例3と同様にして、熱硬化
型水性塗料(B−7)を調製した。
【0049】実施例1〜2及び比較例1〜5 ダル鋼板(表面をリン酸亜鉛処理)にエポキシ樹脂系カ
チオン電着塗料(「エレクロン#9800」、商品名、
関西ペイント社製)を電着塗装し(膜厚25μm、硬化
塗膜として、以下同様)、加熱硬化させてから、該電着
塗面の全面に上記で調製した熱硬化型水性塗料(A)を
スプレー塗装し(膜厚30〜35μm)、室温で3分放
置後、上記熱硬化型水性塗料(B)を膜厚が0〜20μ
mに傾斜するようにスプレー塗装し、室温で7分放置し
てから60℃で10分予備乾燥し、次いで140℃で3
0分加熱して両塗膜を同時に硬化せしめた。
【0050】尚、上記塗装において、水性塗料(A)の
塗装時の粘度は50秒/フォードカップ#4/20℃
に、又水性塗料(B)の塗装時の粘度は50秒/フォー
ドカップ#4/20℃に、夫々調整した。
【0051】上記で得られた塗膜の塗面状態を、成膜
部、傾斜部及びダスト部について次のようにして調べ
た。
【0052】ここで、成膜部は熱硬化型水性塗料(A)
の塗面に熱硬化型水性塗料(B)が膜厚20μmに塗装
されてなる部分、傾斜部は該水性塗料(B)の膜厚が2
0〜0μmに傾斜した部分、ダスト部は水性塗料(A)
の塗面に水性塗料(B)が粒状(ダスト状)に付着して
いる部分をいう。評価基準は、○が塗面全体において光
沢(目視評価)及び平滑性(目視評価)が良好、△が塗
面の一部において光沢が低下し、平滑性も十分でない、
×が光沢及び平滑性が著しく劣る、を夫々示す。
【0053】また、上記塗装時の塗装作業性を、次のよ
うにして調べた。即ち、上記と同様に塗装しかつ焼付前
の両塗膜がウエット塗板を垂直に7分間放置後、60℃
で10分予備乾燥してただちに140℃で30分間焼き
付けて下記の基準に基づいて評価した。
【0054】○が水性塗料(A)のウエット塗面(硬化
塗膜として30μm)に水性塗料(B)を硬化塗膜とし
て20μm以上50μmまで塗装しても、塗面にタレや
ワキ等が発生しない、△が水性塗面(A)のウエット塗
面(硬化塗膜として30μm)に水性塗料(B)を硬化
塗膜として20μm以上塗装すると、塗面にタレやワキ
等の発生が認められる、×が水性塗料(A)のウエット
塗面(硬化塗膜として30μm)に水性塗料(B)を硬
化塗膜として20μm以下で塗装しても、塗面にタレや
ワキ等の発生が認められる、を夫々示す。
【0055】塗装工程、並びに得られた塗膜の塗面状態
及び塗装時の塗装作業性の試験結果を、下記表1に示
す。
【0056】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/02 PDE (72)発明者 井坂 尚志 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化型水性塗料(A)を塗装し、硬化
    させることなく、該塗面に熱硬化型水性塗料(B)を塗
    装するウエットオンウエット塗装方式において、該水性
    塗料(A)の基体樹脂の中和価を10〜40KOHmg
    /gとし、かつ該水性塗料(B)の基体樹脂の中和価を
    該水性塗料(A)よりも10〜20KOHmg/g大き
    くすることを特徴とする塗装方法。
  2. 【請求項2】 該水性塗料(A)の基体樹脂の中和価
    が、20〜30KOHmg/gである請求項1の塗装方
    法。
  3. 【請求項3】 該水性塗料(A)が、カルボキシル基及
    び架橋性官能基を有する基体樹脂と架橋剤とを含有して
    なる塗料である請求項1の塗装方法。
  4. 【請求項4】 該水性塗料(A)の基体樹脂の酸価が、
    10〜50KOHmg/gである請求項1の塗装方法。
  5. 【請求項5】 該水性塗料(B)が、カルボキシル基及
    び架橋性官能基を有する基体樹脂と架橋剤とを含有して
    なる塗料である請求項1の塗装方法。
  6. 【請求項6】 該水性塗料(A)の基体樹脂の酸価が、
    20〜60KOHmg/gである請求項1の塗装方法。
JP10938295A 1994-05-20 1995-05-08 ウエットオンウエット塗装方法 Pending JPH0833865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10938295A JPH0833865A (ja) 1994-05-20 1995-05-08 ウエットオンウエット塗装方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13092994 1994-05-20
JP6-130929 1994-05-20
JP10938295A JPH0833865A (ja) 1994-05-20 1995-05-08 ウエットオンウエット塗装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0833865A true JPH0833865A (ja) 1996-02-06

Family

ID=26449141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10938295A Pending JPH0833865A (ja) 1994-05-20 1995-05-08 ウエットオンウエット塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0833865A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4917679B1 (ja) * 2011-05-24 2012-04-18 日本ペイント株式会社 窯業建材用複層塗膜形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4917679B1 (ja) * 2011-05-24 2012-04-18 日本ペイント株式会社 窯業建材用複層塗膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4096069B2 (ja) 多層コートラッカー塗装法
DE19512017C1 (de) Verfahren zur Mehrschichtlackierung
EP0965392B1 (en) A repair coating process of multilayer coating films
JP4407728B2 (ja) 複層塗膜形成方法
KR20050061453A (ko) 차량 위에 삼중피복 마무리를 적용하기 위한 연속적 방법
JPH09503548A (ja) 水稀釈性ストーン衝撃保護ペイント及び補償ペイント、それらの用途及びそれらの製造方法
JP2010029765A (ja) 自動車車体の塗装方法
US5635251A (en) Wet-on-wet coating method
JP4669846B2 (ja) 2トーンコーティングされた基材を製造する方法
JP2000000514A (ja) メタリック塗膜形成方法
JPH0833865A (ja) ウエットオンウエット塗装方法
JPH08290102A (ja) 塗装方法
JP3314198B2 (ja) 塗装方法
KR100435941B1 (ko) 복층도막의 형성방법
KR20010020716A (ko) 자동차 차체의 도장법
JP3262320B2 (ja) 自動車車体の塗装法
JP3758105B2 (ja) 複層塗膜形成法
JP2001179171A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2001131487A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JPS62258784A (ja) 自動車外板部の防食塗装法
JP4323015B2 (ja) 塗膜形成法
JPH10244221A (ja) 自動車上塗塗装方法
JPS61114780A (ja) 自動車外板部の塗装方法
JP2001046952A (ja) 塗膜形成法
JPS62243660A (ja) 塗料および複合塗膜形成法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040721

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02