JPH08336683A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH08336683A
JPH08336683A JP14855795A JP14855795A JPH08336683A JP H08336683 A JPH08336683 A JP H08336683A JP 14855795 A JP14855795 A JP 14855795A JP 14855795 A JP14855795 A JP 14855795A JP H08336683 A JPH08336683 A JP H08336683A
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JP
Japan
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claw
moving
sewing machine
moving claw
sewing
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JP14855795A
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English (en)
Inventor
Osamu Kamiya
修 神谷
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動爪を休止させる際のミシンの使い勝手を
向上する。 【構成】 移動爪18は下メスホルダ4に前後方向にス
ライド可能に取り付けられ、下メスホルダ4は操作ダイ
ヤル10によって左右に移動されるように配置されてい
る。操作ダイヤル10の切換レバー17が押し下げられ
ると、下メスホルダ4が移動爪18と一体的に水平に左
右に移動して、かがり幅が調節される。かがり幅調節範
囲を越えて切換レバー17が押し下げられると、移動爪
18がカム面10aによって手前方向に移動され、下メ
ス6と移動爪18とが衝突して、移動爪18が弾性変形
を伴って下メス6の左側に休止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縫い針と移動爪とを協
働させる縫製と、移動爪を休止させた縫製とを可能なミ
シンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりそのようなミシンでは、縫い
針、ルーパ、移動爪、固定爪が協働して布送り方向(前
後方向)に直交する方向(左右方向)に渡るかがり縫い
目を、前後方向に伸びる布の切断部に形成する。その移
動爪及び固定爪の奥側の先端は縫い目の糸が抜けるよう
に、針板の切り欠け部で空中に張り出している。
【0003】かがり縫い目の左右方向の幅(かがり幅)
は、縫い針の針落ち点(針通過経路)近傍に固定された
固定爪と移動爪の左右方向で針落ち点に遠い方の端部
(右端部)との間の距離に対応している。かがり幅の設
定に際して、移動爪を左右方向に移動させるミシンや、
前後方向で左右方向の幅が増減している移動爪を前後方
向に移動させるミシンがある。移動爪を左右方向に移動
させるミシンでは、移動爪の左右方向の移動経路のため
に針板が左右方向に切り取られる。また、移動爪を前後
方向に移動させるミシンでは、移動爪の前後方向の移動
経路のために針板が前後方向に切り取られる。
【0004】上述したようなミシンを布を針板に置かず
に作動させると、縫い針、ルーパ、移動爪、固定爪が協
働して、糸だけの縫い目(空縫い)を構成することがで
きる。布にかがり縫い目を形成する前に予めその空縫い
を行っておけば、布に形成された縫い目のほつれが防止
される。
【0005】また、上述したようなミシンでは、移動爪
を休止させて、布端を湾曲させた状態で縫製する巻き縫
いを行うことができる。そのように、かがり縫いから巻
き縫いに縫い方を切換える機構としては、下記の公報に
記載された種々の切換機構が知られている。
【0006】実開昭59−125380号公報には、縫
製機構の右側方に設けられた装置によって移動爪を右水
平方向に移動させる切換機構が記載されている。実開昭
59−67169号公報には、移動爪を斜め下方に下降
する切換機構が記載されている。これら公報に記載され
た切換機構では、移動爪がルーパーの運動経路を通って
休止位置に移動するので、ルーパーを特定位置に位置さ
せた後に、移動爪が移動されていた。上記公報に記載さ
れたような、かがり幅を設定する際に、かがり爪を左右
方向に移動するミシンでは、かがり幅を設定する操作部
材と縫い方を切り換える操作部材とが別々にミシンに設
けられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かがり
幅の設定に際して、移動爪を前後方向に移動させるミシ
ンでは、移動爪の前後方向の位置に関わらず、移動爪の
先端が空中に張り出しているように、針板が前後方向に
切り取られている。従って、移動爪の奥側の先端と針板
の切り欠き部との端部との間の隙間が大きくなり、移動
爪の奥側の先端から抜けた空縫いの糸がミシン内部に進
入しやすくなる。そして、進入した空縫いの糸がミシン
内部の機構に絡まって、ミシンが作動不能になる恐れが
ある。あるいは、空縫いの糸のミシン内部への進入を防
止するために、針板の切り欠き部の前後方向を短くする
と、かがり幅の設定範囲が乏しくなったり、一種類のか
がり幅しか設定できなかったりといった制約が生じる。
【0008】上記公報に記載されたミシンでは、かがり
幅の設定に際して、移動爪を左右方向に移動させてお
り、上述した移動爪を前後方向に移動するミシンのよう
な、縫製時の不具合や制約は生じないが、ルーパーを特
定位置に位置させる手間があり面倒であった。また、上
記公報に記載されたミシンでは、移動爪が筒状に形成さ
れたかがり縫い目の側面を横切るように移動されるの
で、移動爪からかがり縫い目の糸を取り除いた後でない
と、移動爪を休止のために移動できない。更に、上記公
報に記載されたような、かがり幅を設定する際に、かが
り爪を左右方向に移動するミシンでは、かがり幅を設定
する操作部材と縫い方を切り換える操作部材とが別々で
あり、上述した面倒さに加え、操作部材を探したり持ち
換える必要があるため操作性が低いと共に、ミシン表面
に突出した操作部材が多いためミシンの美観が損なわれ
るという問題点があった。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、かがり幅の設定の制約の解消さ
れた、使い勝手の良い、美観の低下を防止されたミシン
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1記載のミシンは、布送り方向に対し
て交差する方向に移動可能で、縫い針と協働する移動爪
と、移動爪を休止させる場合、布送り逆方向に移動爪を
移動する休止手段と、移動爪を布送り相互方向及び布送
り方向に対して交差する方向に移動するために操作され
る操作手段を備えている。
【0011】また、請求項2記載のミシンは、移動爪の
布送り相互方向の移動と移動爪の布送り方向に対して交
差する方向の移動とを一相互方向の操作によって行える
操作手段を備えている。
【0012】更に、請求項3記載のミシンは、予め決め
られた範囲で操作される場合、移動爪を布送り方向に対
して交差する方向に移動させ、予め決められた範囲を越
えて操作されると、移動爪を布送り逆方向に移動させる
操作手段を備えている。
【0013】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1記載のミ
シンにおいては、移動爪は布送り方向に対して交差する
方向に移動可能で、縫い針と協働する。休止手段は、移
動爪を休止させる場合、布送り逆方向に移動爪を移動す
る。操作手段は移動爪を布送り相互方向及び布送り方向
に対して交差する方向に移動するために操作を同一部材
で操作可能にする。
【0014】また、請求項2記載のミシンにおいては、
操作手段は、移動爪の布送り相互方向の移動と移動爪の
布送り方向に対して交差する方向の移動とを一相互方向
の操作によって行えるようにしている。
【0015】更に、請求項3記載のミシンにおいては、
操作手段は、予め決められた範囲で操作される場合、移
動爪を布送り方向に対して交差する方向に移動させ、予
め決められた範囲を越えて操作されると、移動爪を布送
り逆方向に移動させる操作を同一部材で操作可能にす
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、布送り方向を(ミシンの)「前
後方向」、ミシンの布送り方向に略直交する方向を(ミ
シン前面から見た)「左右方向」、布送り方向に布を送
り込む側(ミシン前面側)を「手前側」、ミシン後方側
を「奥側」とそれぞれ称す。
【0017】上下動する縫い針Nは、布を載置するベッ
ド部(図略)の上方に配置され、ベッド部の内部には左
右方向に往復揺動するルーパー(図略)が備えられてい
る。ベッド部の上面には、縫い針Nを通過させる切り欠
き部が形成された針板1が配置されている。
【0018】縫い針Nの通過経路である針落ち点1aの
近傍の針板1には、固定爪2が固着されている。この固
定爪2は、略針状の形状をした細幅の部材であり、その
固定爪2の先端部が、奥側に向かって切り欠き部の空中
に張り出している。針板1の裏面(下面)には、下方及
び奥側に開放した案内溝3が前後方向に伸び、切り欠き
部と連通して形成されている。案内溝3の奥側の開口部
には、図4に示すように、平らな傾斜面3aが奥側から
手前側に下降するように形成されている。
【0019】また、下メスホルダ4の左側面には支軸4
aが左方向に立設され、支軸4aはミシン基枠Wに左右
方向に移動可能に支持されている。下メスホルダ4の凹
部4dは、支軸4aに平行な案内軸5に摺動可能に係合
する。案内軸5は止めねじTによってミシン基枠Wに固
定されている。下メスホルダ4の上端部には、水平面4
iが形成されている。下メスホルダ4の右側面には、下
メス6がねじ7により固定されている。下メス6の右側
面には、上下動する上メスUが摺動可能に接触し、下メ
ス6と協働して布を縫製に先立ち切断するように配置さ
れている。
【0020】また、下メスホルダ4の支軸4aの左先端
の止め輪9とミシン基枠Wとの間には、圧縮ばね8が挿
通されその両方を押圧し、下メスホルダ4は、左方向に
移動するように付勢されている。支軸4aには、かがり
幅や縫い方を設定するための操作ダイヤル10が回転可
能及び左右方向摺動可能に取り付けられている。操作ダ
イヤル10は、下メスホルダ4を支持する支軸4aに共
通して支持されており、部品の低減化が図られている。
その操作ダイヤル10は、その円周部より右方向に突出
したツマミ部10bによってミシン前面から回転操作可
能に構成されている。
【0021】その操作ダイヤル10の右側面には、端面
カム10aが一体的に形成されている。この端面カム1
0aは、連続的な変化量(操作ダイヤル10の左右方向
の肉厚に相当)を有している。この端面カム10aは、
操作ダイヤル10の回転中心(支軸4a)を中心とする
円状に配置されている。この操作ダイヤル10は、下メ
スホルダ4の左側に配置されているので、下メスホルダ
4の左側面に一体的に形成された突起部4bが端面カム
10aに圧縮ばね8の作用により圧接されている。その
端面カム部10aの変化量によって、下メスホルダ4は
左右方向に移動して、作業者の所望のかがり幅を得るこ
とができる。
【0022】操作ダイヤル10の左側面に対向するミシ
ン基枠Wには、調節ねじ11が操作ダイヤル10の左側
面に当接するように螺合されている。調節ねじ11は下
メスホルダ4に固定された下メス6が針落ち点1aに対
して適正な布切断幅を決めるためのもので、調節後、ナ
ット12により固定される。ナット12とミシン基枠W
の間には、操作ダイヤル10の停止角度を決めるための
板ばね13が取り付けられている。この板ばね13は、
操作ダイヤル10の小径外周面及びその小径外周面に形
成された位置決め溝10cと係合する。この板ばね13
が位置決め溝10cに係合する際には、かがり幅は最長
かがり幅(7mm)に設定される。併せて、板ばね13
が操作ダイヤル10の小径外周面を圧接することによ
り、操作ダイヤル10に対して制動作用を及ぼしてい
る。
【0023】更に、下メスホルダ4の左側面の下方に
は、上下方向に伸びる切換レバー17の下端が、カラー
14、座金15、締めねじ16により揺動可能に取り付
けられ、切換レバー17の中央部には、左方向に伸びる
ピン17aが立設し、操作ダイヤル10の右側面に形成
された溝カム10dに摺動可能に係合している。切換レ
バー17の上端17bは、移動爪18の貫通穴18aに
挿通され、移動爪18は前後方向に摺動可能に下メスホ
ルダ4の上部4cに取り付けられている。カム溝10d
は、操作ダイヤル10の回転軸を中心とした半径方向に
偏心するカムであり、端面カム10aよりも操作ダイヤ
ル10の回転軸よりに配置されている。
【0024】固定爪2との間に糸を渡される舌部18b
は水平面をなし、舌部18bの手前側には前後方向に直
交する垂直面が下方に向かって形成されている。そし
て、垂直面の下端には、水平面な三角形状のテーパー部
18fが連続して形成され、左から右に張り出す右端部
を有している。そのテーパー部18fの右端部とは反対
側の左端部には、左右方向に直交する垂直面な基部18
gがテーパー部18fに連続して形成されている。この
基部18gの手前側には、前後方向に伸びる長穴18e
が貫通して形成されている。その長穴18eには、下メ
スホルダ4の左側面から突出するガイドピン4gに摺動
可能に係合している。
【0025】この基部18gの手前側上端には、右方向
に延びる水平面が連続するように形成され、その水平面
には、腕部18cが基部18gに面するように垂直に形
成されている。この腕部18cの奥側先端は、基部18
gに対して接近するように曲げられており、下メスホル
ダ4の上部4cを基部18gと協働して狭持する。上部
4cを狭持する移動爪18は、その上部4cに対して摺
動可能である。
【0026】また、基部18gの手前側下端には、水平
面が連続して形成され、その水平面には貫通穴18aが
形成されている。その水平面の奥側には、更に、前後方
向に直交する上方に延びる垂直面が形成され、その垂直
面から前後方向に伸びる押上腕部18dが下方に曲げら
れている。この移動爪18が上部4cに取り付けられた
際、押上腕部18dが水平面4iに当接し、その舌部1
8bを上方に押し上げるように構成されている。
【0027】移動爪18は全体的に弾性板材で構成され
ているが、その舌部18bや基部18gは、縫製に際し
て掛けられるかがり縫い目の糸によっては弾性変形され
ず、無負荷時の形状を保っている。この舌部18bは、
かがり縫い時には、固定爪2と同一水平面上で平行に位
置し、そこに位置する舌部18bの奥側先端が空中に張
り出すための必要最小限の切り欠き部が針板1には形成
されている。
【0028】下メスホルダ4の手前側面には、支軸4a
を中心とする円弧状の円弧部4hが形成され、操作ダイ
ヤル10のツマミ部10bに対向している。その円弧部
4hの上端部及び下端部には手前方向に突出した突出部
4e,4fが形成され、ツマミ部10bの回転範囲を規
制している。
【0029】次に、上述した構成のミシンの操作方法に
ついて説明する。
【0030】最も上にツマミ部10bが位置していると
き(t0 )、移動爪18の舌部18bは針落ち点1a及
び固定爪2に左右方向で最も接近し、かがり幅及び切断
幅が最短(5mm)である。この状態で、作業者がツマ
ミ部10bを最上位置から下方に押し下げると、操作ダ
イヤル10が反時計回りに回転する。そして、端面カム
部10aの右方向への突出量(変化量)が徐々に増加
し、下メスホルダ4が右方向に水平に移動する。続い
て、板ばね13が位置決め溝10cに係合する位置(係
合位置)まで、ツマミ部10bが押し下げられると、舌
部18bは針落ち点1a及び固定爪2と左右方向で最も
離間し、かがり幅及び切断幅が最長(7mm)となる
(t1 )。上述したかがり幅が最短乃至最長に変化する
際には、舌部18bは水平に左右方向に端面カム部10
aによって移動される。このように、板ばね13と位置
決め溝10cとの係合により回転抵抗が急に増加するの
で、かがり幅を設定するための操作範囲の限界(最長か
がり幅)が現在設定されていることを、作業者はそのツ
マミ部10bを操作する感触により知ることができる。
【0031】そして、板ばね13が位置決め溝10cに
係合する状態から、ツマミ部10bが更に押し下げられ
ると、板ばね13が位置決め溝10からはみ出て、切換
レバー17が反時計回りに溝カム10dによって揺動さ
れる。よって、舌部18bが、図6(a)に示す位置か
ら手前方向に移動され、図6(b)に示すように、溝カ
ム10dの変化量が短くなり(カム面が操作ダイヤル1
0の回転軸に寄って形成され)、舌部18bは針板1の
下方に傾斜面3aに沿って下降し始める。次に、舌部1
8bのテーパー部18fが下メス6の奥側の面に衝突し
(t2 )、舌部18bの付け根部分となる基部18gが
下メス6によって左側に弾性変形され、舌部18bがテ
ーパー部18fの右端部に沿う下メス6によって右から
左に移動される。このとき、端面カム部10aの右方向
への突出量(変化量)が再び減少し始め(t3 )、つい
には、下メスホルダ4が最も左方向に移動する(t4
)。こうして、図5及び図6(c)に示すように、針
落ち点1a及び固定爪2から手前方向及び左方向に離間
した舌部18bは、縫製に寄与しない休止状態になる。
このように、かがり縫いから巻き縫いへの縫い方の切換
が行われたとき、切断幅は、最短(5mm)になる。
【0032】このツマミ部10bは、最上位置から板ば
ね13による係合部との係合位置を通過して最下位置ま
で、一気に下方に回転操作可能である。また、ツマミ部
10bを最下位置から係合位置まで上方に回転操作すれ
ば、巻き縫いからかがり縫いに縫い方が切り換わる。更
に、ツマミ部10bは、最下位置から係合位置を通過し
て最上位置まで、一気に上方に回転操作可能である。こ
のように、移動爪18の前後相互方向の移動と移動爪1
8の左右方向の移動とが下方の回転操作によって行える
ので、移動爪18の前後相互方向の移動と移動爪18の
左右方向の移動との操作とが連続して行え、ミシンの操
作性が向上している。上述した実施例では、下メス6及
び移動爪18の操作部材が共通化されているので部品点
数が少なくてすむ。更に、ミシン表面に突出した操作部
材が低減されミシンの美観が低下が防止されている。
【0033】上述した実施例においては、前後方向の移
動に伴う弾性体である移動爪18の下メス6による弾性
変形によって、移動爪18が縫い針Nの通過経路から離
間されので、ルーパーを特定位置に停止させる手間や移
動爪の移動距離が低減され、ミシンの使い勝手が向上し
ている。更に、その弾性体である移動爪18が下メス6
によって弾性変形されるので、縫い針Nの通過経路と下
メス6とを前後方向に接近して配置して、切断された布
の切断部と縫い針Nの通過経路とのずれを防止すること
ができる。また、上述した実施例においては、移動爪1
8が弾性体で一体に形成され、移動爪18が下メス6に
よって縫い針Nの通過経路から離間されるので、移動爪
18を休止させる構成が簡単になる。
【0034】上述した実施例によれば、移動爪18の左
右方向の移動によりかがり幅を設定可能で、手前側の布
送り逆方向に移動されてかがり爪を休止し(縫い方切り
換え)、その操作はいずれも同一の操作手段によって行
われる。従って、移動爪18の休止に際して、前後方向
に移動爪18を移動しているので、ルーパーを特定位置
に位置させる手間が解消されている。
【0035】上述した実施例では、その移動爪18は縫
い針Nやルーパーによって糸を掛けられるように、前後
方向に伸びて針落ち点近傍に配置され、移動爪18の先
端が空中に張り出し、移動爪18の先端から糸がミシン
奥側に抜けるように構成されている。従って、実開昭5
9−125380号公報に記載されたように、移動爪を
筒状のかがり縫い目の側面を横切るように移動するため
に、かがり縫い目の糸を移動爪から除去した後でないと
移動爪が移動できず、かがり縫いから巻き縫いへの連続
した切り換えに際して、必ず移動爪からかがり縫い目の
糸を除去する手間がかかるミシンに比べ、上述した実施
例では、移動爪18を筒状のかがり縫い目の軸方向(前
後方向)の移動させているので、移動爪18の移動に伴
ってかがり縫い目の糸が自然に移動爪18から抜け、か
がり縫いから巻き縫いへの連続した切換ができる。
【0036】上述した実施例では、かがり縫いと巻き縫
いとの縫い方の切り換えに際して、移動爪18を下メス
6に衝突させている。従って、実公平3−49651号
公報に記載されたように、移動爪を前後水平方向に移動
可能に支持し、メスを移動爪の移動経路の右脇(最長か
がり幅以上)まで移動させた後、メスよりも手前側へ水
平に移動爪を移動させるミシンに比べ、上述した実施例
によれば、移動爪18の移動量が短いので、ミシンの操
作性が良い。
【0037】また、実公平3−49651号公報に記載
されたように、その巻き縫い時には下メスを固定爪に最
も接近の位置(最短かがり幅)させるために、下メスを
右脇に一旦移動させる操作と、下メスを最も左側までに
移動させる操作とが必要であるミシンに比べ、上述した
実施例においては、かがり幅の設定操作と縫い方の切換
操作とが連続した回転操作で可能なので、切換時の使い
勝手が良い。
【0038】実公平3−49651号公報に記載された
ように、移動爪の前後方向の移動経路を確保するため
に、針板の右端部(下メスの布送り方向上流側)を前後
方向に切り取っており、布端部の落ち込みの恐れがある
ミシンに比べ、上述した実施例によれば、移動爪18が
下メス6に衝突して下メス6の左側方の針板1の下方に
降下するので、移動爪18の移動経路のために針板1を
大幅に切り取る必要が無く、布端部の落ち込みが防止さ
れている。
【0039】また、上述した実施例では、移動爪18を
左右方向に移動させかがり幅を設定する、即ち、移動爪
18の前後方向位置は一定である。従って、移動爪を前
後方向に移動させてかがり幅を設定するミシンでは、移
動爪の先端がその移動爪の前後方向位置に関わらず空中
に張り出すように、針板が移動爪の前後方向の移動範囲
よりも大きく切り取られている。そのため、そのような
ミシンでは、空縫いした糸が移動爪から抜けた後に針板
下方に落ち込む恐れが増している。従って、移動爪を前
後方向に移動させがかがり幅を設定するミシンより、上
述した実施例のミシンでは空縫いの糸の抜け方向の針板
1の切り取りが少なりので、布空縫いの糸の落ち込みの
恐れを低減している。更に、前後方向の切り取りが少な
くても、かがり幅の設定範囲は、針板1の前後方向の切
り取り部分の制約を受けず広い範囲で得られる。
【0040】上述した実施例では、かがり縫い時に位置
する移動爪18の前後方向の位置と布の切断位置とが接
近している。従って、特公昭57−43274号公報に
記載されたように、移動爪を前後水平方向に移動可能に
支持し、布送り方向の上流側へ水平に移動爪を移動さ
せ、移動爪を前後方向に移動させるスペースが必要であ
るため、メスをそのスペース分、布送り方向上流側に針
落ち点より遠ざけて配置しているミシンに比べて、上述
した実施例では、切断された布が搬送中に向きを変えら
れ、布端と針落ち点とがずれて、縫い目がずれてしまう
ことが防止されている。
【0041】本発明は上述した実施例に限定されること
なく種々の変形例が考えられ、以下変形例について説明
する。尚、上述した実施例と同じ構成については、同番
号を付し、その説明は省略する。上述した実施例は先の
実施例と以下称す。
【0042】先の実施例の切換レバー17が、操作ダイ
ヤル10に形成された溝カム10dによって揺動される
ように構成されていたが、本変形例では、図8に示すよ
うに、切換レバー117の中央部が下メスホルダ4に回
転可能に取り付けられ、その最下端部117bに引張バ
ネ120の一端が取り付けられている。その引張バネ1
20の他端は、ミシン基枠(図略)に取り付けられ、切
換レバー117を常に時計回りに回動させるように付勢
する。この切換レバー117の下端部117aは、操作
ダイヤル10のツマミ部10bの移動経路に張り出すよ
うに配置されている。切換レバー117の上端は、移動
爪18の貫通穴18aに挿通されている。この操作ダイ
ヤル10には、端面カム10aは形成されているが、溝
カム10dは形成されていない。
【0043】次に、以上のように構成された変形例の操
作について説明する。
【0044】ツマミ部10bが下端部117aに接触し
ない範囲では、移動爪18は左右水平方向に移動し、ツ
マミ部10bが最上位置に位置する場合、かがり幅は最
短(5mm)になる。板ばね13と位置決め溝10cと
が係合する場合、かがり幅は最長(7mm)になる。図
8(b)に示すように、板ばね13と位置決め溝10c
との係合より、ツマミ部10bが下方に押し下げられる
と、ツマミ部10bが下端部117aを押し下げ、切換
レバー117が引張バネ120の付勢力に抗じて反時計
回りに回動される。次に、移動爪18が切換レバー11
7の上端によって手前側に移動され、先の実施例と同様
に、移動爪18が下メス6に衝突して、下メス6の左側
に移動し休止状態になる。このとき、操作ダイヤル10
及び切換レバー117は、板ばね13の制動作用により
引張バネ120の付勢力に抗じて停止している。こうし
て、ツマミ部18を最下位置まで押し下げることによ
り、かがり縫いから巻き縫いへの切り換えが可能であ
る。
【0045】この変形例では、移動爪18を左右方向に
移動する操作時にはツマミ部10bと切換レバー117
とが離間し、移動爪18を前後方向に移動する操作時に
はツマミ部10bと切換レバー117とが接触している
ので、先の実施例のように、ピン17aとカム溝10d
とを常に摺動係合させている構造に比べて、かがり幅設
定のツマミ部10bの操作が省力されている。また、操
作ダイヤル10に溝カム10dを削って形成する必要が
ないので、操作ダイヤル10bの作製が簡単になる。
尚、この変形例は先の実施例の効果も奏する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1記載のミシンにおいては、移動爪が布送
り方向に対して交差する方向に移動可能で、布送り逆方
向に移動されて休止され、その操作はいずれも同一の操
作手段によって行われる。従って、針板が前後方向に切
り取られて、移動爪の奥側の先端から抜けた空縫いの糸
がミシン内部に進入することが防止し、且つ、かがり幅
の制約が解消され、更に、移動爪の休止し際して、布送
り方向に移動爪を移動しているので、ルーパーを特定位
置に位置させる手間や、移動爪からかがり縫い目の糸を
取り除く手間が解消されている。そして、かがり幅を設
定する操作部材と縫い方を切り換える操作部材とが同一
であり、操作部材を探したり持ち換える必要が解消さ
れ、ミシンの使い勝手が向上していると共に、ミシン表
面に突出した操作部材が低減されミシンの美観が低下が
防止されている。
【0047】また、請求項2記載のミシンにおいては、
移動爪の布送り相互方向の移動と移動爪の布送り方向に
対して交差する方向の移動とが一相互方向の操作によっ
て行えるので、移動爪の布送り相互方向の移動と移動爪
の布送り方向に対して交差する方向の移動との操作とが
連続して行え、ミシンの操作性が向上している。
【0048】更に、請求項3記載のミシンにおいては、
操作手段が予め決められた範囲を越えて操作されると、
移動爪が布送り逆方向に移動されるので、移動爪を休止
させる操作とかがり幅を設定する操作とが連続して行
え、ミシンの操作性が向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のミシンの移動爪移動機構の分解
図である。
【図2】上記ミシンが最短かがり縫い時の平面図であ
る。
【図3】上記ミシンが最短かがり縫い時の正面図であ
る。
【図4】上記ミシンが最短かがり縫い時の右側面図であ
る。
【図5】上記ミシンが巻き縫い時の右側面図である。
【図6】上記ミシンでの最長のかがり縫いから巻き縫い
に移行する際の平面図である。
【図7】上記ミシンでのタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施例のミシンを表す図であ
る。
【符号の説明】
1 針板 2 固定爪 4 下メスホルダ 8 移動爪 10 操作ダイヤル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布送り方向に対して交差する方向に移動
    可能で、縫い針と協働する移動爪と、 前記移動爪を休止させる場合、布送り逆方向に前記移動
    爪を移動する休止手段と、 前記移動爪を布送り相互方向及び前記布送り方向に対し
    て交差する方向に移動するために操作される操作手段と
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 前記移動爪の前記布送り相互方向の移動
    と前記移動爪の前記布送り方向に対して交差する方向の
    移動とが前記操作手段の一相互方向の操作によって行え
    ることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 【請求項3】 前記操作手段が予め決められた範囲で操
    作される場合、前記移動爪が前記布送り方向に対して交
    差する方向に移動し、前記操作手段が予め決められた範
    囲を越えて操作されると、前記移動爪が前記布送り逆方
    向に移動することを特徴とする請求項1記載のミシン。
JP14855795A 1995-06-15 1995-06-15 ミシン Pending JPH08336683A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106868729A (zh) * 2016-12-02 2017-06-20 瑞尔兴工业股份有限公司 缝纫机的闸刀式切断装置
CN109778443A (zh) * 2018-12-29 2019-05-21 杰克缝纫机股份有限公司 包缝机

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106868729A (zh) * 2016-12-02 2017-06-20 瑞尔兴工业股份有限公司 缝纫机的闸刀式切断装置
CN109778443A (zh) * 2018-12-29 2019-05-21 杰克缝纫机股份有限公司 包缝机

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