JPH0832747B2 - スチレン系共重合体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系共重合体及びその製造方法

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JPH0832747B2
JPH0832747B2 JP25253287A JP25253287A JPH0832747B2 JP H0832747 B2 JPH0832747 B2 JP H0832747B2 JP 25253287 A JP25253287 A JP 25253287A JP 25253287 A JP25253287 A JP 25253287A JP H0832747 B2 JPH0832747 B2 JP H0832747B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系共重合体及びその製造方法に関
し、詳しくは共重合体連鎖の立体化学構造が主としてシ
ンジオタクチック構造からなると共に、反応性の置換基
を有する新規なスチレン系共重合体ならびにその効率の
よい製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来から、反応性スチレン系共重合体としては、スチ
レンとジビニルベンゼンとの共重合体が知られ、イオン
交換樹脂などの基材に用いられている。
しかし、上記従来の共重合体は、その立体化学構造が
アタクチック構造となっているため、比較的低い温度に
おいて架橋反応が進行して硬化し、反応性を失うという
問題があった。また、この共重合体は、架橋反応後にお
いても耐熱性,耐薬品性等の物性が充分満足すべきもの
とならず、実用上様々な制約があった。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは上述の反応性スチレン系共重合
体の有する問題点を解消して、耐熱性,耐薬品性等の物
性のすぐれた新たな反応性スチレン系共重合体を開発す
べく鋭意研究を重ねた。その結果、スチレン等のスチレ
ン系モノマーとジビニルベンゼン等の反応性核置換基を
有するスチレン系モノマーを特定の触媒の存在下で共重
合させることによって、シンジオタクチック構造の反応
性スチレン系共重合体が得られ、これが上記目的とする
物性を備えたものであることを見出した。本発明はかか
る知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、一般式 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子あるいは炭素,酸
素,窒素,硫黄,リンまたは珪素原子を含む置換基を示
し、mは1〜3の整数を示す。なお、mが複数のときは
各R1は同じでも異なってもよい。〕 で表わされる繰返し単位〔I〕および 一般式 〔式中、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の不飽
和炭化水素基を示し、nは1あるいは2の整数を示す。
なお、nが2のときは各R2は同じでも異なってもよ
い。〕 で表わされる繰返し単位〔II〕を有し、繰返し単位〔I
I〕の含有割合が共重合体全体の0.1〜50モル%であり、
かつ数平均分子量が2,000〜3,000,000であって、その立
体規則性がペンタッドで50%以上又はダイアッドで85%
以上のシンジオタクチック構造であるスチレン系共重合
体を提供するとともに、 一般式 〔式中、R1,mは前記と同じである。〕で表わされるスチ
レン系モノマー〔I〕および 一般式 〔式中、R2,nは前記と同じである。〕で表わされるスチ
レン系モノマー〔II〕を、 (A)チタン化合物および(B)アルミノキサンを主成
分とする触媒の存在下で共重合することを特徴とする前
記スチレン系共重合体の製造方法を提供するものであ
る。
本発明のスチレン系共重合体は、前述の如く繰返し単
位〔I〕および繰返し単位〔II〕よりなるものである
が、ここで繰返し単位〔I〕は前記一般式〔a〕で表わ
される。式中、R1は水素原子や塩素,臭素,沃素などの
ハロゲン原子、あるいは炭素,酸素,窒素,硫黄,リン
または珪素原子を含む置換基を示し、mは1〜3の整数
を示す。この繰返し単位〔I〕の具体例をあげれば、ス
チレン単位、p−メチルスチレン単位;m−メチルスチレ
ン単位;o−メチルスチレン単位;2,4−ジメチルスチレン
単位;2,5−ジメチルスチレン単位;3,4−ジメチルスチレ
ン単位;3,5−ジメチルスチレン単位;p−エチルスチレン
単位;m−エチルスチレン単位;p−ターシャリーブチルス
チレン単位などのアルキルスチレン単位、p−クロロス
チレン単位;m−クロロスチレン単位;o−クロロスチレン
単位;p−ブロモスチレン単位;m−ブロモスチレン単位;o
−ブロモスチレン単位;p−フルオロスチレン単位;m−フ
ルオロスチレン単位;o−フルオロスチレン単位;o−メチ
ル−p−フルオロスチレン単位などのハロゲン化スチレ
ン単位、p−メトキシスチレン単位;m−メトキシスチレ
ン単位;o−メトキシスチレン単位;p−エトキシスチレン
単位;m−エトキシスチレン単位;o−エトキシスチレン単
位などのアルコキシスチレン単位、p−カルボキシメチ
ルスチレン単位;m−カルボキシメチルスチレン単位;o−
カルボキシメチルスチレン単位などのカルボキシエステ
ルスチレン単位、p−ビニルベンジルプロピルエーテル
単位などのアルキルエーテルスチレン単位、p−トリメ
チルシリルスチレン単位などのアルキルシリルスチレン
単位、ビニルベンゼンスルホン酸エチル単位さらにはビ
ニルベンジルジメトキシホスファイド単位等、あるいは
これら二種以上混合したものがあげられる。
一方、繰返し単位〔II〕は前記一般式〔b〕で表わさ
れる。式中、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の
不飽和炭化水素基、例えばビニル基,アリル基,メタリ
ル基,ホモアリル基,ペンテニル基,デセニル基等を示
し、nは1あるいは2の整数を示す。この繰返し単位
〔II〕の具体例をあげれば、p−ジビニルベンゼン単
位,m−ジビニルベンゼン単位,トリビニルベンゼン単
位,p−アリルスチレン単位,m−アリルスチレン単位,メ
タリルスチレン単位,ホモアリルスチレン単位,ペンテ
ニルスチレン単位,デセニルスチレン単位等、あるいは
これら二種以上混合したものがあげられる。
本発明の共重合体においては、上記繰返し単位〔II〕
の含有割合が共重合体全体の0.1〜50モル%、好ましく
は1〜15モル%の範囲である。また、本発明の共重合体
の分子量は、数平均分子量(Mn)が2,000〜3,000,000の
範囲である。
なお、本発明の共重合体は、シンジオタクチック構造
(詳しくは共シンジオタクチック構造)、即ち炭素−炭
素結合で形成される共重合体連鎖に対して側鎖であるフ
ェニル基または置換フェニル基が交互に反対方向に位置
する立体構造を有するものであり、そのシンジオタクテ
ィシティーは、核磁気共鳴法(NMR法)によって定量さ
れる。具体的には13C−NMR(同位体炭素による核磁気共
鳴スペクトル)による芳香環のC1炭素シグナル,メチン
・メチレン炭素シグナルまたは、1H−NMRによるプロト
ンシグナルの解析による。NMRにより測定されるタクテ
ィシティーは、連続する複数個の繰返し単位の存在割
合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリア
ッド,5個の場合はペンタッドでもって示すことができる
が、本発明の共重合体は、ペンタッドで50%以上又はダ
イアッドで85%以上のシンジオタクチック構造を有する
ものを示す。しかしながら置換基の種類や繰返し単位
〔II〕の含有割合等によってシンジオタクティシティー
の度合いは若干変動する。
また、本発明の共重合体では、結合している繰返し単
位〔I〕相互間,繰返し単位〔II〕相互間のみならず、
繰返し単位〔I〕と〔II〕の相互間がそれぞれシンジオ
タクチック構造(共シンジオタクチック構造)となって
いる。このような共重合体は、繰返し単位〔I〕,〔I
I〕のランダム共重合体,交互共重合体,ブロック共重
合体など様々であり、さらに、若干量のアイソタクチッ
ク若しくはアタクチック構造のスチレン系(共)重合体
との混合物や共重合体鎖中に組み込まれたものであって
もよい。
以上の如き本発明の共重合体は、繰返し単位〔I〕,
〔II〕に相応するモノマーの共重合により、また得られ
た共重合体を原料として、分別,ブレンド若しくは有機
合成的手法を適用することにより、所望の立体規則性及
び反応性置換基を有する態様のものを製造することがで
きる。
そのうち、上述した本発明の製造方法によれば、一層
効率よくかつ高品質のスチレン系共重合体を得ることが
できる。
本発明の製造方法に用いる原料モノマーは、前記一般
式〔a′〕で表わされるスチレン系モノマー〔I〕およ
び一般式〔b′〕で表わされるスチレン系モノマー〔I
I〕である。このスチレン系モノマー〔I〕と〔II〕
が、共重合してそれぞれ繰返し単位〔I〕,〔II〕を構
成する。したがって、このスチレン系モノマー〔I〕,
〔II〕の具体例としては、前述した繰返し単位〔I〕,
〔II〕の具体例に対応したものをあげることができる。
本発明の方法では、これらのスチレン系モノマー
〔I〕,〔II〕は原料として、(A)チタン化合物およ
び(B)アルミノキサンを主成分とする触媒の存在下で
共重合させるわけであるが、ここで触媒の(A)成分で
あるチタン化合物としては様々なものがあるが、好まし
くは、一般式 TiR3 aR4 bR5 cX1 4-(a+b+c) …〔III〕 またはTiR3 dR4 eX1 3-(d+e) …〔IV〕 〔式中、R3,R4およびR5はそれぞれ水素原子,炭素数1
〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素
数6〜20のアリール基,アルキルアリール基,アリール
アルキル基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,シクロペ
ンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基あるいは
インデニル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。a,b,c
はそれぞれ0〜4の整数を示し、d,eはそれぞれ0〜3
の整数を示す。〕 で表わされるチタン化合物およびチタンキレート化合物
よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であ
る。
この一般式〔III〕または〔IV〕中のR3,R4およびR5
それぞれ水素原子,炭素数1〜20のアルキル基(具体的
にはメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,アミ
ル基,イソアミル基,イソブチル基,オクチル基,2−エ
チルヘキシル基など),炭素数1〜20のアルコキシ基
(具体的にはメトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,
ブトキシ基,アミルオキシ基,ヘキシルオキシ基,2−エ
チルヘキシルオキシ基など),炭素数6〜20のアリール
基,アルキルアリール基,アリールアルキル基(具体的
にはフェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基な
ど),炭素数1〜20のアシルオキシ基(具体的にはヘプ
タデシルカルボニルオキシ基など),シクロペンタジエ
ニル基,置換シクロペンタジエニル基(具体的にはメチ
ルシクロペンタジエニル基,1,2−ジメチルシクロペンタ
ジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基な
ど)あるいはインデニル基を示す。これらR3,R4およびR
5は同一のものであっても、異なるものであってもよ
い。また、X1はハロゲン原子、すなわち塩素,臭素,沃
素あるいは弗素を示す。さらにa,b,cはそれぞれ0〜4
の整数を示し、またd,eはそれぞれ0〜3の整数を示
す。
このような一般式〔III〕で表わされる四価チタン化
合物およびチタンキレート化合物の具体例としては、メ
チルチタニウムトリクロライド,チタニウムテトラメト
キシド,チタニウムテトラエトキシド,チタニウムモノ
イソプロポキシトリクロライド,チタニウムジイソプロ
ポキシジクロライド,チタニウムトリイソプロポキシモ
ノクロライド,テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チ
タニウム,シクロペンタジエニルチタニウムトリクロラ
イド,ビスシクロペンタジエニルチタニウムジクロライ
ド,シクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイ
ド,シクロペンタジエニルトリメチルチタニウム,ペン
タメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサ
イド,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメチルチ
タニウム,四塩化チタン,四臭化チタン,ビス(2,4−
ペンタンジオナート)チタニウムオキサイド,ビス(2,
4−ペンタンジオナート)チタニウムジクロライド,ビ
ス(2,4−ペンタンジオナート)チタニウムジブトキシ
ドなどが挙げられる。(A)成分のチタン化合物として
は、上述のほか、一般式 〔式中、R6,R7はそれぞれハロゲン原子,炭素数1〜20
のアルコキシ基,アシロキシ基を示し、kは2〜20を示
す。〕 で表わされる縮合チタン化合物を用いてもよい。
さらに、上記チタン化合物は、エステルやエーテルな
どと錯体を形成させたものを用いてもよい。(A)成分
の他の種類である一般式〔IV〕で表わされる三価チタン
化合物は、典型的には三塩化チタンなどの三ハロゲン化
チタン,シクロペンタジエニルチタニウムジクロリドな
どのシクロペンタジエニルチタン化合物があげられ、こ
のほか四価チタン化合物を還元して得られるものがあげ
られる。これら三価チタン化合物はエステル,エーテル
などと錯体を形成したものを用いてもよい。
一方、上記(A)チタン化合物成分とともに、触媒の
主成分を構成する(B)成分としては、アルミノキサン
が用いられるが、具体的には一般式 〔式中、R8は炭素数1〜8のアルキル基を示し、pは2
〜50を示す。〕 で表わされるアルキルアルミノキサンがあげられる。こ
のアルキルアルミノキサンは種々の方法により調製する
ことができ、例えば、アルキルアルミニウムを有機溶
剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、重合
時に当初アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を
添加する方法。さらには金属塩などに含有されている
結晶水、無機物や有機物への吸着水をアルキルアルミニ
ウムと反応させるなどの方法がある。なお、上記の水に
はアンモニア、エチルアミン等のアミン、硫化水素等の
硫黄化合物、亜燐酸エステル等の燐化合物などが20%程
度まで含有されていても差し支えない。
本発明の方法に用いる触媒は、前記(A),(B)成
分を主成分とするものであり、前記の他さらに所望によ
り他の触媒成分、例えば一般式AlR9 3〔式中、R9は炭素
数1〜8のアルキル基を示す。〕で表さわれるトリアル
キルアルミニウムや他の有機金属化合物などを加えるこ
ともできる。
この触媒を使用するにあたっては、触媒中の(A)成
分と(B)成分との割合は、各成分の種類,原料である
一般式〔a′〕で表わされるスチレン系モノマー〔I〕
および一般式〔b′〕で表わされるスチレン系モノマー
〔II〕の種類その他の条件により異なり一義的に定めら
れないが、通常は(B)成分中のアルミニウムと(A)
成分中のチタンとの比、即ちアルミニウム/チタン(モ
ル比)として1〜106、好ましくは10〜104である。
本発明の方法では、前記(A),(B)成分を主成分
とする触媒の存在下で、上記スチレン系モノマー
〔I〕,〔II〕を共重合するが、この共重合は塊状でも
よく、ペンタン,ヘキサン,ヘプタンなどの脂肪族炭化
水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素あるいはベ
ンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒
中で行ってもよい。また、重合温度は特に制限はない
が、一般には0〜90℃好ましくは20〜70℃である。
さらに、得られるスチレン系共重合体の分子量を調節
するには、水素の存在下で共重合反応を行うことが効果
的である。
本発明の方法によって得られるスチレン系共重合体
は、シンジオタクティシティーの高いものであるが、重
合後、必要に応じて塩酸等を含む洗浄液で脱灰処理し、
さらに洗浄,減圧乾燥を経てメチルエチルケトン等の溶
媒で洗浄して可溶分を除去し、得られる不溶分を更にク
ロロホルム等を用いて処理すれば、極めてシンジオタク
ティシティーの大きい高純度のスチレン系共重合体が入
手できる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例1 (1)(B)アルミノキサンの調製 反応容器中に、トルエン200mlを入れ、さらにトリメ
チルアルミニウム47.4ml(492ミリモル)および硫酸銅
5水塩(CuSO4・5H2O)35.5g(142ミリモル)を添加し
て、アルゴン気流下に、20℃で24時間反応させた。
得られた反応溶液から硫酸銅を濾別し、トルエンを留
去することによりメチルアルミノキサン12.4gを得た。
ここで得られたメチルアルミノキサンは、ベンゼンの凝
固点降下法によって測定した分子量が721であった。
(2)スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の製造 内容積1.4lの撹拌機付き反応容器に、トルエン180ml
と上記(1)で得られたメチルアルミノキサンをアルミ
ニウム原子として、1.5ミリモル加え、次いでテトラエ
トキシチタニウム0.15ミリモルを加えた。得られた溶液
を加熱し、50℃でスチレン142.5mlとジビニルベンゼン
含有モノマー(ジビニルベンゼン(m−,p−体混合物)
66.1重量%,エチルスチレン(m−,p−体混合物)33.9
重量%)7.5mlとの混合物を加え、2時間反応を行っ
た。その後、メタノールを注入して反応を停止した。次
に、塩酸とメタノールの混合液を加えて触媒成分を分解
した。
ここで得られたスチレン系共重合体の収量は、42.8g
であった。さらに、このスチレン系共重合体をメチルエ
チルケトン(p−t−ブチルカテコール2重量%含有)
で50℃にて2時間洗浄したところ、99%が不溶分であっ
た。このメチルエチルケトンに不溶なスチレン系共重合
体をクロロホルムに溶解し、可溶分よりスチレン系共重
合体のクロロホルム溶液を得た。このクロロホルムに可
溶なスチレン系共重合体の重量平均分子量は360,000、
数平均分子量は110,000であり、融点は240℃であった。
また、このスチレン系共重合体が、シンジオタクチッ
ク構造の熱反応性スチレン系共重合体であることを、示
差走査熱量計(DSC),赤外線吸収スペクトル(IR)お
よび核磁気共鳴スペクトル(NMR)の結果から証明す
る。
(a)DSCによる測定 上記のスチレン系共重合体を昇温したところ、初回の
昇温過程では240℃で融点を示すことがわかった。ま
た、DSCのチャートから初回の昇温過程で示す融点前後
に、熱反応と考えられる発熱ピークが認められた。
(b)IRによる測定 上記のスチレン系共重合体のIRスペクトルのうち、ジ
ビニルベンゼンの重合部位に残っている二重結合のピー
クは、1620cm-1により確認できた。
(c)NMRによる測定 1H−NMR 上記のスチレン系共重合体の1-H−NMRスペクトルを第
1図(a)に示す。それぞれのピークを帰属すると次に
如くである。
このメチレン,メチンのシグナルから上記のスチレン
系共重合体の立体構造は、シンジオタクチック構造であ
ることが確認できた。また、それぞれのピークより組成
を算出すると、スチレン単位85.6モル%,ジビニルベン
ゼン単位9.4モル%,エチルスチレン単位5.0モル%であ
った。
13C−NMR 上記のスチレン系共重合体の13C−NMRスペクトルを第
1図(b)に示す。この芳香環C1炭素シグナルが、145.
1ppm,144.9ppm,142.3ppmに観察された。このシグナルか
ら、上記のスチレン系共重合体の立体構造は、シンジオ
タクチック構造であることが確認できた。
以上の結果から、このスチレン系共重合体は、シンジ
オタクチック連鎖からなる熱反応性共重合体であること
が証明された。
実施例2 スチレン135mlとジビニルベンゼン含有モノマー15ml
との混合物を加えたこと以外は、実施例1(2)と同様
にしてスチレン系共重合体を得た。得られたスチレン系
共重合体の収量は35gであり、以下実施例1(2)と同
様の処理を行ったところ、クロロホルムに可溶な成分の
重量平均分子量は390,000、数平均分子量は140,000であ
り、融点は213℃であった。
なお、このスチレン系共重合体の1H−NMRスペクトル
を第2図に示す。このスペクトルからそれぞれのピーク
より組成を算出するとスチレン単位82.2モル%,ジビニ
ルベンゼン単位13.0モル%,エチルスチレン単位4.8モ
ル%であった。
比較例1 内容積0.5lの撹拌機付き反応器に、トルエン60ml,ス
チレン47.5mlおよびジビニルベンゼン含有モノマー(ジ
ビニルベンゼン66.1重量%,エチルスチレン33.9重量
%)2.5mlを加え、アゾビスイソブチロニトリル開始剤
として60℃で12時間ラジカル重合を行った。その後、実
施例1(2)と同様の操作を行い、クロロホルムに可溶
なアタクチック構造のスチレン−ジビニルベンゼン共重
合体を得た。この共重合体の重量平均分子量は70,000、
数平均分子量は39,000であり、融点は存在しなかった。
〔発明の効果〕
本発明のスチレン系共重合体は、シンジオタクチック
構造を有する反応性樹脂(熱反応性,放射線反応性樹
脂)であり、従来の反応性樹脂に比べて耐熱性,耐薬品
性がすぐれ、熱反応によりイオン交換樹脂の基材となる
架橋物を得ることができるほか、側鎖のビニル基に対し
て種々の化合物を結合して機能性重合体(高分子触媒な
ど)を得るための基材として有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は実施例1で得られたスチレン系共重合体
1H−NMRスペクトルであり、第1図(b)は実施例1
で得られたスチレン系共重合体の13C−NMRスペクトルで
ある。また、第2図は実施例2で得られたスチレン系共
重合体の1H−NMRスペクトルである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子あるいは炭素,酸
    素,窒素,硫黄,リンまたは珪素原子を含む置換基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。なお、mが複数のときは
    各R1は同じでも異なってもよい。〕 で表わされる繰返し単位〔I〕および 一般式 〔式中、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の不飽
    和炭化水素基を示し、nは1あるいは2の整数を示す。
    なお、nが2のときは各R2は同じでも異なってもよ
    い。〕 で表わされる繰返し単位〔II〕を有し、繰返し単位〔I
    I〕の含有割合が共重合体全体の0.1〜50モル%であり、
    かつ数平均分子量が2,000〜3,000,000であって、その立
    体規則性がペンタッドで50%以上又はダイアッドで85%
    以上のシンジオタクチック構造であるスチレン系共重合
    体。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子あるいは炭素,酸
    素,窒素,硫黄,リンまたは珪素原子を含む置換基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。なお、mが複数のときは
    各R1は同じでも異なってもよい。〕 で表わされるスチレン系モノマー〔I〕および 一般式 〔式中、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の不飽
    和炭化水素基を示し、nは1あるいは2の整数を示す。
    なお、nが2のときは各R2は同じでも異なってもよ
    い。〕 で表わされるスチレン系モノマー〔II〕を、 (A)チタン化合物および(B)アルミノキサンを主成
    分とする触媒の存在下で共重合することを特徴とする、
    一般式 〔式中、R1,mは前記と同じである。〕で表わされる繰返
    し単位〔I〕および 一般式 〔式中、R2,nは前記と同じである。〕で表わされる繰返
    し単位〔II〕を有し、かつその立体規則性がペンタッド
    で50%以上又はダイアッドで85%以上のシンジオタクチ
    ック構造であるスチレン系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】(A)チタン化合物が、 一般式 TiR3 aR4 bR5 cX1 4-(a+b+c) または TiR3 dR4 eX1 4-(d+e) 〔式中、R3,R4およびR5はそれぞれ水素原子,炭素数1
    〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素
    数6〜20のアリール基,アルキルアリール基,アリール
    アルキル基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,シクロペ
    ンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基あるいは
    インデニル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。a,b,c
    はそれぞれ0〜4の整数を示し、d,eはそれぞれ0〜3
    の整数を示す。〕 で表わされるチタン化合物およびチタンキレート化合物
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である
    特許請求の範囲第2項記載の製造方法。
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