JPH08325957A - 合成皮革及びその製造方法 - Google Patents

合成皮革及びその製造方法

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JPH08325957A
JPH08325957A JP14817195A JP14817195A JPH08325957A JP H08325957 A JPH08325957 A JP H08325957A JP 14817195 A JP14817195 A JP 14817195A JP 14817195 A JP14817195 A JP 14817195A JP H08325957 A JPH08325957 A JP H08325957A
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和弘 菅谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成皮革を構成するポリウレタン樹脂皮膜層
の少なくとも最表皮層に特定の化合物を含有させること
により、表面の感触に優れ、各種の悪臭を効果的に消臭
するとともに、任意に着色可能な合成皮革およびその製
造方法を提供する。 【構成】 繊維基材表面にポリウレタン樹脂接着層を介
してポリウレタン樹脂皮膜層を積層してなる合成皮革で
あって、少なくとも前記ポリウレタン樹脂皮膜層の最表
皮層が、マンガン(II)イオンに対しアスコルビン酸及
びオキシ多塩基酸から選ばれる少なくとも一種の酸、又
はそれらの塩を結合させてなる化合物を含有しているこ
とを特徴とする合成皮革。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靴、鞄、袋物、衣料、
家具、車両用等に広く使用される合成皮革に関し、サラ
ッとしたドライタッチ性と消臭性を有する合成皮革及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、天然皮革にかわって編布、織布、
不織布等の基材にポリウレタン等の合成樹脂弾性体を積
層して形成した合成皮革、人工皮革が広く利用されるよ
うになっているが、これら合成皮革、人工皮革は表面が
ウエットで、しかも寒冷時に表面に触れるとひんやりと
した感触を与えるため、サラッとしたドライタッチで寒
冷時にも温もりを感じる天然皮革様の表面感触により近
づけるために種々の改良が加えられている。これらの合
成皮革、人工皮革の風合い、触感等を天然皮革に近づけ
るための方法としては、例えば合成樹脂中に皮革粉末等
を添加する方法が提案されており、例えば50〜250
メッシュの皮革粉末を、該皮革粉末に対して重量比で7
0〜30重量%の熱可塑性樹脂コンパウンドに添加し、
更にこれに発泡剤を添加してこれらを混合した後、加熱
圧延して発泡シートとした人工皮革(特開昭63−10
641号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記特開
昭63−10641号公報に記載された人工皮革は樹脂
中に皮革粉末を添加して発泡しているために、皮革粉末
が人工皮革全体に分散しており、このため皮革粉末を多
量に添加しないと表面感触の充分な向上が得られず、ま
た皮革粉末を多量に添加すると、表面感触の向上は得ら
れるものの人工皮革全体の強度が低下して実用に耐え得
ないものとなるという相矛盾する欠点があった。
【0004】一方、上記の合成皮革や人工皮革は、悪臭
が蓄積したり、発生したりしている場所で使用されるこ
ともあるが、これらの合成皮革や人工皮革は、消臭効果
を有するものではなく、悪臭を除去することができな
い。また、合成皮革や人工皮革に消臭効果を付与する方
法としては、合成皮革や人工皮革に活性炭や硫酸第一鉄
等の消臭剤を含有させることが考えられる。しかしなが
ら、活性炭は黒色であるために得られる合成皮革や人工
皮革が黒色または濃色のものに限られ、又、硫酸第一鉄
は空気中の酸素によって容易に褐色に変色し易く、合成
皮革や人工皮革の色調を損なうため、活性炭を用いたも
のと同様に黒色または濃色に限られ、いずれのものも種
々の美麗な着色が要求される製品の材料としては不適で
あった。
【0005】本発明は上記の従来技術の欠点を解決し、
表面の感触に優れ、消臭性を有し、かつ美麗な着色が可
能な合成皮革及びその製造方法を提供することをその目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の合成皮革は、繊
維基材表面にポリウレタン樹脂接着層を介してポリウレ
タン樹脂皮膜層を積層してなる合成皮革において、少な
くとも前記ポリウレタン樹脂皮膜層の最表皮層が、マン
ガン(II)イオンに対しアスコルビン酸及びオキシ多塩
基酸から選ばれた少なくとも1種の酸又はその塩を結合
させてなる化合物を含有したことを特徴とするものであ
る。また本発明の合成皮革の製造方法は、編布、織布、
不織布等の繊維基材表面にポリウレタン樹脂接着層を介
して、ポリウレタン樹脂皮膜層を積層する合成皮革の製
造方法において、少なくともポリウレタン樹脂皮膜層の
最表皮層にマンガン(II)イオンに対しアスコルビン酸
及びオキシ多塩基酸から選ばれた少なくとも1種の酸又
はその塩を結合させてなる化合物を含有させることを特
徴とするものである。
【0007】本発明の合成皮革に使用される繊維基材と
しては、単糸繊度が5デニール以下の繊維からなる編
布、織布、不織布等が挙げられるが、片面又は両面が起
毛又は立毛されているものが好ましい。なお、不織布は
ニードルパンチや高速流体流により絡合処理された不織
布であり、この不織布には予めポリウレタン樹脂や合成
ゴム等の弾性重合体が付与されているもの、或いは付与
されていないもの、いずれであっても使用できる。ま
た、繊維基材を構成する繊維としては、ポリエステル、
ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、
ポリビニルアルコール等の合成繊維、綿、麻等の天然繊
維、レーヨン、スフ、アセテート等の再生繊維の単独又
はこれらの混紡繊維、或いは少なくとも一成分を溶解除
去したり、二成分繊維を分割したりすることにより極細
繊維に変性された多成分繊維等を用いることができる。
【0008】本発明に使用されるポリウレタン樹脂は、
平均分子量500〜4000のポリマージオール、例え
ば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポ
リエステル・エーテルジオール、ポリカプロラクトンジ
オール、ポリメチルバレロラクトンジオール、ポリカー
ボネートジオール等の中から選ばれた少なくとも一種の
ジオールと、有機ポリイソシアネート、例えば、芳香族
ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジ
イソシアネート、環状基を有する脂肪族ジイソシアネー
ト等の群から選ばれた少なくとも一種の有機ポリイソシ
アネートと、活性水素原子を少なくとも2個有する低分
子化合物を鎖伸長剤、例えば、脂肪族ジオール、脂環族
ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、ヒドラジ
ン誘導体等の群から選ばれた少なくとも一種の鎖伸長剤
とを反応させて得たポリウレタン樹脂である。これらの
ポリウレタン樹脂は、アミノ酸、シリコーン、フッ素等
を反応させて得た変性ポリウレタン樹脂であってもよ
い。また、これらのポリウレタン樹脂の組成は、得られ
る合成皮革の指向する用途目的に応じて、風合い、耐加
水分解性、耐光劣化性、耐変色性等の各種性能を満足す
るものの中から適宜選ぶことができる。尚、接着層に使
用するポリウレタン樹脂としては、二成分系ポリウレタ
ン樹脂を、また皮膜層に使用するポリウレタン樹脂とし
ては、一成分系ポリウレタン樹脂を用いるのが好まし
い。
【0009】上記接着層及び皮膜層を形成するポリウレ
タン樹脂は、必要に応じて添加される各種の添加剤、例
えば、着色剤、架橋剤、安定剤、充填剤等の如く公知の
添加剤をとともに、適宜の溶剤に溶解されポリウレタン
樹脂溶液とされる。
【0010】上記のポリウレタン樹脂を溶解する有機溶
剤として好ましくは、例えば、メチルエチルケトン、メ
チル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、
ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等であるが、
アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ブタノール、トルエン、キシレン、メチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、N−メチルピロリドン等やこれらの任意の
比率の混合物なども使用することができる。
【0011】本発明に使用されるマンガン(II)イオン
に対しアスコルビン酸及びオキシ多塩基酸から選ばれた
少なくとも一種の酸またはそれらの塩を結合させてなる
化合物(以下、単に「マンガン(II)−有機酸化合物」
と記すことがある)は下記のものが挙げられる。
【0012】マンガン(II)イオンを形成する化合物の
具体例としては、水に溶解して2価のマンガンイオンを
形成する物であれば任意の物が使用できる。具体的には
硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン、臭化マン
ガン、ヨウ化マンガン等のマンガン(II)無機塩及び酢
酸マンガン、没食子酸マンガン、リンゴ酸マンガン、フ
マル酸マンガン等のマンガン(II)有機塩が挙げられる
が、特に、硫酸マンガン、塩化マンガンが好適である。
【0013】マンガン(II)イオンと結合させるアスコ
ルビン酸としては、ビタミンCとしても知られているL
−アスコルビン酸であっても、D−アラボアスコルビン
酸又はD−エリソルビン酸ともいわれ、ビタミンCのよ
うな生理活性には乏しいが、合成が容易のためよく利用
されるD−アスコルビン酸であっても使用できるが、特
に好ましくは、L−アスコルビン酸である。また、アス
コルビン酸に代えて、アスコルビン酸のナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩を使
用することもできる。
【0014】オキシ多塩基酸は、水に可溶であれば特に
制限はなく、例えばクエン酸、イソクエン酸、乳酸、酒
石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、グルコン酸、オキシ安
息香酸、サリチル酸、これらのアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩等が挙げられるが、コストなど実用性からみて
クエン酸が好適である。これらのアスコルビン酸並びに
オキシ多塩基酸は、マンガン(II)イオンに配位結合も
しくはキレート結合して、水溶液中で安定な化合物を生
成する。
【0015】本発明に使用するマンガン(II)−有機酸
化合物においてマンガン(II)−アスコルビン酸にオキ
シ多塩基酸を共存させるのがより好ましい。このオキシ
多塩基酸を併用するこよにより、例えば、そのマンガン
(II)−有機酸化合物を含有したポリウレタン樹脂と空
気中の悪臭ガスを接触させて反応を行ったとき、硫化物
イオンとの反応性が高く、含硫化合物の除去が可能とな
る。またアンモニアの中和固定化分だけその能力が増加
される。
【0016】上記のマンガン(II)−有機酸化合物は、
2価のマンガンイオンを形成する一種以上の化合物の水
溶液に、アスコルビン酸およびオキシ多塩基酸から選ば
れる一種以上の有機酸を適当量添加して、両成分を結合
させた後、噴霧乾燥、凍結乾燥等の手段によって粉末化
することによって得られる。このとき、有機酸としてア
スコルビン酸とオキシ多塩基酸を併用することにより、
悪臭の主成分の一つであるアンモニアおよび硫化水素に
対する消臭効果がより優れた合成皮革を得ることができ
る。また、粉末化したマンガン(II)−有機酸化合物を
更に公知の手段にて微粉末化したものであってもよい。
上記のマンガン(II)−有機酸化合物は、最大粒径が5
0μm以下、好ましくは30μm以下である。最大粒径
が大きすぎると、ポリウレタン樹脂表皮層を形成する際
に、スジ引きが発生する虞がある、。
【0017】マンガン(II)−有機酸化合物において、
マンガン(II)イオンと有機酸の成分比率は特に限定さ
れるものではないが、アスコルビン酸を単独で用いる場
合にあっては、モル比でマンガン(II)イオン1に対
し、アスコルビン酸0.1〜1.0の範囲が好ましく、
より好ましくはマンガン(II)イオン1に対し、アスコ
ルビン酸0.25〜0.75の範囲である。また、酸成
分がオキシ多塩基酸単独である場合は、モル比でマンガ
ン(II)イオン1に対し、オキシ多塩基酸0.5〜1.
0が好ましく、より好ましくはマンガン(II)イオン1
に対し、オキシ多塩基酸0.75〜1.0である。更
に、有機酸として、アスコルビン酸と多塩基酸を併用し
て用いる場合は、モル比でマンガン(II)イオン1に対
し、アスコルビン酸とオキシ多塩基酸のトータルを0.
5〜1.5とするのが好ましく、より好ましくはアスコ
ルビン酸とオキシ多塩基酸のトータルが0.75〜1.
25である。
【0018】本発明に使用するマンガン(II)−有機酸
化合物の添加量として好ましくは、ポリウレタン樹脂等
の樹脂固形分100重量部に対して0.5〜50重量部
である。マンガン(II)−有機酸化合物の添加量が少な
すぎると、本発明の主目的である合成皮革表面のサラッ
としたドライタッチ性と消臭効果の向上が充分なものに
ならず、多すぎると、ポリウレタン樹脂との分散性が低
下して皮膜層の強度低下を招くおそれがあり、且つ合成
皮革の風合いが硬くなる。
【0019】本発明の合成皮革においては、繊維基材と
ポリウレタン樹脂皮膜層との間に発泡層を設けることも
できる。この発泡層はポリウレタン樹脂の湿式多孔質
層、乾式多孔質層又は乾式発泡層のいずれでもよい。こ
れらの発泡層は、繊維基材に直接に発泡層を形成する方
法、繊維基材に接着剤を介して発泡層を形成する方法等
の公知の方法によって形成される。
【0020】次に、本発明の合成皮革の製造方法につい
て説明する。なお、本発明の合成皮革の製造方法とし
て、ここでは、ペーパー・キャスティングによる製造方
法を例にとって説明する。
【0021】先ず、表面に凹凸紋様のある離型紙の該表
面上にマンガン(II)−有機酸化合物を含有する一成分
系ポリウレタン樹脂溶液をナイフコーター等の手段によ
り塗布し、乾燥してポリウレタン樹脂をゲル化させて皮
膜層を形成させ、さらに架橋剤と促進剤を含有した二成
分系ポリウレタン樹脂溶液からなる接着剤を該皮膜層上
にナイフコーター等の手段により塗布する。次いで、接
着剤層上に繊維基材を載置圧着し、乾燥して巻き取った
後、数日間反応熟成のため保温して、ポリウレタン樹脂
接着層の反応を完結させるとともに、繊維基材と接着
層、接着層と皮膜層との密着性を完全なものとする。こ
の後、離型紙を剥離することによって、離型紙の表面の
凹凸紋様がポリウレタン樹脂皮膜層に転写されて、天然
皮革の表面に酷似した外観と触感を有する合成皮革が得
られる。尚、ポリウレタン樹脂溶液にマンガン(II)−
有機酸化合物を混合する際には、マンガン(II)−有機
酸化合物は有機溶剤に不溶であるため、ポリウレタン樹
脂の希釈に使用する溶剤に均一に分散させた後ポリウレ
タン樹脂溶液の組成物と混合される。
【0022】上記の合成皮革の製造方法において、各層
を得るための塗布量は、その目的用途に応じて広い範囲
で変化させることができ、約10〜1500g/m
2 (配合液)の範囲で適宜選定される。また、各ポリウ
レタン樹脂層を得るためのゲル化及び乾燥は、いずれも
従来技術同様でよいものであり、例えば、50〜150
℃程度の温度で数分間〜数時間(但し、二成分系ポリウ
レタン樹脂の場合は、更に数十時間の反応硬化時間を要
する)の乾燥で優れた特性を有する合成皮革が得られ
る。
【0023】
【作用】本発明の合成皮革は、ポリウレタン樹脂層の少
なくとも最表皮層となる層に、マンガン(II)−有機酸
化合物を含有させることにより、天然皮革様のサラッと
したドライタッチ性を有する表面感触と消臭性を付与さ
せることができ、例えば悪臭や異臭が発生したり、蓄積
する場所で使用される靴、手袋、袋物、家具、車両用等
の素材として有用である。
【0024】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定
されるものではない。なお、文中、部又は%とあるのは
特に断りのない限り重量基準である。
【0025】〔実施例1〕絞付き離型紙上に、硫酸マン
ガン1モルとL−アスコルビン酸0.5モルとクエン酸
0.5モルとから得られたマンガン(II)−有機酸化合
物3部とポリエステル系ポリウレタン樹脂100部(固
形分30%)、着色剤20部、及び希釈溶剤としてジメ
チルホルムアミド20部とメチルエチルケトン20部と
を配合して得られるポリウレタン樹脂配合液をナイフコ
ーターで130g/m2・Wetの量で塗布し、110℃で
3分間加熱乾燥させポリウレタン樹脂皮膜層を形成し
た。次に、前記表皮層表面に、二成分系ポリエステル系
ポリウレタン樹脂100部(固形分50%)、架橋剤1
0部、促進剤3部及び希釈溶剤としてジメチルホルムア
ミド10部とトルエン10部とを配合して得られるポリ
ウレタン樹脂配合液をナイフコーターで150g/m2
Wetの量で塗布し、この表面に基材としてポリエステル
/レーヨン混紡起毛布の起毛面を貼り合わせて120℃
で3分間加熱乾燥し、巻き取り後50℃で48時間熟成
して接着剤を硬化する。その後離型紙を剥離し合成皮革
を得た。得られた合成皮革は風合い、外観において天然
皮革に酷似し、且つ表面感触も天然皮革様のサラッとし
たドライタッチを有しており、靴用甲材として好適なも
のであった。また得られた合成皮革について下記の方法
で消臭効果を測定した。結果を表1のに示す。
【0026】<消臭試験方法> (1)アンモニア 3リットル容のポリエステルフイルム製の臭い袋に、試
料(サイズ180×250mm,1枚)を入れ、試料の入
っている臭い袋に清浄空気3リットルを入れて密封す
る。臭い袋中のアンモニアの初期濃度を500ppm とす
るのに必要な28%水溶液3.8マイクロリットルをマ
イクロシリンジに採取し、臭い袋中に注入して、密封す
る。完全にガス化させた後、25℃に保存し、30分
後、60分後のアンモニア濃度を北川式ガス検知管にて
測定する。 (2)硫化水素 3リットル容のポリエステルフイルム製の臭い袋に、試
料(サイズ180×250mm,1枚)を入れ、試料の入
っている臭い袋に清浄空気3リットルを入れて密封す
る。臭い袋中の硫化水素の初期濃度を300ppm とする
のに必要な9.4%濃度の硫化水素ガス9.6ミリリッ
トルをガスタイトシリンジに採取し、臭い袋中に注入し
て密封する。25℃に保存し、30分後、60分後の硫
化水素濃度を北川式ガス検知管にて測定する。 (3)トリメチルアミン 3リットル容のポリエステルフイルム製の臭い袋に、試
料(サイズ180×250mm,1枚) を入れ、試料の入
っている臭い袋に清浄空気3リットルを入れて密封す
る。臭い袋中のトリメチルアミンの初期濃度を50ppm
とするのに必要な30%トリメチルアミン水溶液1.2
マイクロリットルをマイクロシリンジに採取し、臭い袋
中に注入して密封する。25℃に保存し、30分後、6
0分後のトリメチルアミン濃度をガステック式ガス検知
管にて測定する。 (4)メチルメルカプタン 3リットル容のポリエステルフイルム製の臭い袋に、試
料(サイズ180×250mm,1枚) を入れ、試料の入
っている臭い袋に清浄空気3リットルを入れて密封す
る。臭い袋中のメチルメルカプタンの初期濃度を100
ppm とするのに必要なメチルメルカプタンガス0.3ミ
リリットルをガスタイトシリンジに採取し、臭い袋中に
注入して密封する。25℃に保存し、30分後、60分
後のメチルメルカプタン濃度を北川式ガス検知管にて測
定する。
【0027】〔実施例2〕絞付き離型紙上に、硫酸マン
ガン1モルとL−アスコルビン酸0.5モルとクエン酸
0.75モルとから得られたマンガン(II)−有機酸化
合物5部とポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100
部(固形分30%)、着色剤20部、及び希釈溶剤とし
てジメチルホルムアミド20部とトルエン20部とを配
合して得られるポリウレタン樹脂配合液をナイフコータ
ーで90g/m2・Wetの量で塗布し、110℃で2分間
加熱乾燥させポリウレタン樹脂皮膜層を形成した。次
に、前記表皮層表面にポリエーテル系ポリウレタン樹脂
100部(固形分30%)、着色剤20部、及び希釈溶
剤としてジメチルホルムアミド20部とメチルエチルケ
トン20部とを配合して得られるポリウレタン樹脂配合
液をナイフコーターで100g/m2・Wetの量で塗布
し、110℃で2分間加熱乾燥させポリウレタン樹脂皮
膜層を形成し、これを中皮層とする。さらに、中皮層表
面に二成分系ポリエーテル系ポリウレタン樹脂100部
(固形分65%)、架橋剤15部、促進剤5部、及び希
釈溶剤としてジメチルホルムアミド10部とトルエン1
0部とを配合して得られるポリウレタン樹脂配合液をナ
イフコーターで120g/m2・Wetの量で塗布し、10
0℃で30秒間予備乾燥し、この表面に基材としてポリ
エステルトリコット粗起毛布の起毛面を貼り合わせて1
20℃で3分間加熱乾燥し、巻き取り後50℃で48時
間熟成して接着剤を硬化する。その後離型紙を剥離し合
成皮革を得た。得られた合成皮革は風合い、外観におい
て天然皮革に酷似し、且つ表面感触も天然皮革様のサラ
ッとしたドライタッチを有し、家具用素材として好適な
ものであった。また得られた合成皮革について実施例1
と同様にして消臭効果を測定した。結果を表1に示す。
【0028】〔実施例3〕マンガン(II)−有機酸化合
物を、硫酸マンガン1モルとL−アスコルビン酸0.5
モルとから得られたマンガン(II)−有機酸化合物に代
える以外は、実施例1と同様にして合成皮革を得た。ま
た、得られた合成皮革について実施例1と同様にして消
臭効果を測定した。結果を表1に示す。
【0029】〔実施例4〕マンガン(II)−有機酸化合
物を、硫酸マンガン1モルとクエン酸0.75モルとか
ら得られたマンガン(II)−有機酸化合物に代える以外
は、実施例1と同様にして合成皮革を得た。また、得ら
れた合成皮革について実施例1と同様にして消臭効果を
測定した。結果を表1に示す。
【0030】〔比較例1〕マンガン(II)−有機酸化合
物を添加しない以外は実施例1と同様にして合成皮革を
得た。得られた合成皮革は表面感触に劣り、且つ消臭効
果のないものであった。また得られた合成皮革について
実施例1と同様にして消臭効果を測定した。結果を表1
に示す。
【0031】〔比較例2〕マンガン(II)−有機酸化合
物を添加しない以外は実施例2と同様にして合成皮革を
得た。得られた合成皮革は表面感触に劣り、且つ消臭効
果のないものであった。また得られた合成皮革について
実施例1と同様にして消臭効果を測定した。結果を表1
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の合成皮革は、ポリウレタン樹脂
皮膜層がマンガン(II)−有機酸化合物を含有すること
により、天然皮革様の表面感触であるサラッとしたドラ
イタッチ性に優れ、且つ消臭性にも優れており、アンモ
ニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水
素等の四大悪臭成分を含む数多くの悪臭ガスに対して優
れた消臭効果を発揮するとともに、任意に着色可能であ
るので、靴、鞄、袋物、衣料、家具、車両用等の材料と
して好適に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材表面にポリウレタン樹脂接着層
    を介してポリウレタン樹脂皮膜層を積層してなる合成皮
    革であって、少なくとも前記ポリウレタン樹脂皮膜層の
    最表皮層が、マンガン(II)イオンに対しアスコルビン
    酸及びオキシ多塩基酸から選ばれる少なくとも一種の
    酸、又はそれらの塩を結合させてなる化合物を含有して
    いることを特徴とする合成皮革。
  2. 【請求項2】 繊維基材表面にポリウレタン樹脂接着層
    を介して、ポリウレタン樹脂皮膜層を積層する合成皮革
    の製造方法において、少なくともポリウレタン樹脂皮膜
    層の最表皮層となる層に、マンガン(II)イオンに対し
    アスコルビン酸及びオキシ多塩基酸から選ばれた少なく
    とも一種の酸又はそれらの塩を結合させてなる化合物を
    含有させたことを特徴とする合成皮革の製造方法。
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