JP2545000Y2 - ランドセルの背裏 - Google Patents

ランドセルの背裏

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JP2545000Y2
JP2545000Y2 JP1990035198U JP3519890U JP2545000Y2 JP 2545000 Y2 JP2545000 Y2 JP 2545000Y2 JP 1990035198 U JP1990035198 U JP 1990035198U JP 3519890 U JP3519890 U JP 3519890U JP 2545000 Y2 JP2545000 Y2 JP 2545000Y2
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leather
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polymer
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JP1990035198U
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一人 赤股
祐太郎 谷
直正 守安
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、天然皮革のもつ汗を吸い込むようなサラッ
とした質感があり吸汗性、表面強度に優れた学童向けの
ランドセルの背裏に関する。
〔従来の技術〕
従来、ランドセルの背裏材には合成皮革、人工皮革、
天然皮革などが使用されている。合成皮革や人工皮革な
どの皮革様シートよりなるランドセル背裏材は、該構成
皮革様シートの表面樹脂層としてポリウレタン樹脂、ポ
リアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などで構成されてい
る。これらの背裏材は、見た目の重厚感や色の深みはあ
るものの天然皮革のもつサラッとした質感や吸汗性に劣
るものであった。
一方、皮革様シートの被覆層へ天然皮革粉末やコラー
ゲンなどを混入して天然皮革類似の外観及び質感を再現
する試みが多数提案されている。例えば特公昭63−2364
4号公報、特公昭63−315677号公報等が挙げられる。し
かし、これらの皮革様シートは単に粒径の大きい皮革粉
末やコラーゲン粉末などを混入しているのみであり、表
面はザラツキ感があり天然皮革に類似のスムースな、又
はナチュラルなタッチが得られない。また、コラーゲン
粉末の見掛け嵩密度が0.3g/cm3以上と高いため吸汗性に
劣り、サラッとした質感が得られない。更に、特公昭61
−163850号公報にはコラーゲン粉末を添加したシート状
物についての提案があるが、ここで使用されているコラ
ーゲン粉末は短繊維状であるためポリウレタンとの相溶
性が悪く分散不良を生じ易く吸汗性に斑を生じ易くまた
吸汗性にも劣るものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
本考案は、天然皮革のもつ汗を吸い込むようなサラッ
とした質感を有し、吸汗性、表面強度に優れたランドセ
ルの背裏を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、繊維質基体層の表面に弾性重合体を主体と
する被覆層を有する皮革様シートであって該被覆層の表
面が非繊維状で平均粒径10μ以下かつ見掛け嵩密度0.1
〜0.3g/cm3のコラーゲン粉末とポリウレタンを主体とし
た重合体との混合物よりなることを特徴とするランドセ
ルの背裏である。
本考案の被覆層を有する繊維質基体層は、通常の繊
維、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロ
ニトリル、ポリオレフイン、ポリビニルアルコールなど
の合成繊維、再生セルロースなどの化学繊維、天然繊
維、あるいは特殊形態の繊維、例えばポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリロニトリルなどの極細繊維あるい
は少なくとも1成分を溶解除去することにより極細繊維
束状繊維や特殊多孔繊維などに変成することのできる多
成分繊維から選ばれた繊維で構成されたニードルパンチ
や高速流体流により絡合処理された繊維絡合不織布、繊
維立毛編織布、不織布と編織布の積層布などの布帛から
選ばれた1種類の布帛に、ポリウレタン、アクリル系重
合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレ
ン・ブタジエン共重合体などの合成ゴムなどの弾性重合
体の群から選ばれた少なくとも1種類の弾性重合体を主
体とした含浸用組成液を含浸し、次いで必要に応じ、重
合体の塗布用組成液を塗布して重合体の被溶剤中でスポ
ンジ構造に凝固させ、多成分繊維を極細繊維束状繊維や
特殊多孔繊維に変成し、必要に応じ更に弾性重合体を主
体とした重合体被膜層を付与して得た弾性重合体を主体
とした重合体と繊維集合体とからなる基体層とその表面
に弾性重合体を主体とした重合体の多孔質または非多孔
質の被覆層を有するシート状物である。
本考案で表面層に使用するコラーゲンは、動物の皮
膚、骨、腱を酵素などにより処理精製し、高分子状のコ
ラーゲン繊維を抽出し、コラーゲン繊維間に架橋反応さ
せた後粉砕して得られる平均粒径2〜10μ、JIS K 6721
により求めた見掛け嵩密度0.1〜0.3g/cm3の非繊維状の
コラーゲン粉末であり、例えば昭和電工製のCX240やCX2
60などが挙げられる。該コラーゲンの平均粒径が10μよ
り大きいと表面にザラツキ感が出て徽目の細かいスムー
スな面が得られず、天然皮革様のスムースでナチュラル
なタッチが得られない。また、見掛密度が0.3g/cm3より
大きくなると、コラーゲン粒子の嵩高さが小さくなるた
め樹脂との親和性が低下し塗膜強度が小さくなり、耐久
性が低下し、更に、水分や汗を吸い込む能力が減少して
目標とする吸汗性が得られない。また、見掛け嵩密度が
0.1g/cm3より小さくなると、コラーゲン粒子の強度が小
さくなり塗膜強度が小さくなる。
該コラーゲン粉末とポリウレタンを主体とした重合体
の重量比は1:2〜1:1の範囲である。コラーゲン粉末の量
が少なくなるとコラーゲンの特徴である吸汗性やサラッ
としたタッチが得られず、また、逆にコラーゲンの量が
多くなるとコラーゲン粉末が重合体により十分固定出来
ず、皮膜強度が低下するとともに風合いも悪くなる。
本考案で、コラーゲン粉末と混合するポリウレタン
は、平均分子量500〜2500のポリマージオール、例え
ば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポ
リエステルエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオ
ール、ポリカーボネートジオールなどの群から選ばれた
少なくとも1種類のポリマージオールと、有機ポリイソ
シアネート、例えば、芳香族ジイソシアネート、芳香族
トリイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基
を有する脂肪族ジイソシアネート、トリフエニルメタン
4,4′,4″−トリイソシアネートなどの群から選ばれた
少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと、活性水
素原子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤
として反応させて得たポリウレタンである。
コラーゲンとポリウレタンを主体とした重合体の組成
物は、重合体の溶液にコラーゲン粉末が分散した分散液
として表面に塗布する。塗布液には必要に応じて染料や
顔料などの着色剤、安定剤、帯電防止剤、平滑剤などを
添加して用いる。更に、抗菌剤、消臭剤を添加して同時
に、又は後加工により消臭抗菌性を付与することも好ま
しい。塗布液を塗布する方法は、例えば、刻目を有する
ロール、平滑面ロールなどのロールを用いて塗布するロ
ール塗布法、スプレー塗布法、表面接触法などの方法で
塗布する。好ましい塗布方法は塗布の均一性の点からロ
ール塗布法である。
塗布量は、乾燥コラーゲンの重量にして5〜50g/m2
好ましくは5〜30g/m2の範囲である。コラーゲンの塗布
量が5g/m2より少ないと表面全体がコラーゲン粉末で覆
われないため、全体が徽目細かいマット調の表面となら
ず、また、サラッとしたタッチも得られない。コラーゲ
ンの塗布量が多いと外観はさほど悪化はしないもののザ
ラツキが出て皮膜強度が低下し、耐久性に劣るものとな
る。
コラーゲンとポリウレタンを主体とした重合体の組成
物を付与された表面は、コラーゲン粒子の大きさとほぼ
同程度の微細な凹凸を有する。この微細な凹凸により光
が散乱され、ギラツキのない徽目細かいマット調の外観
となる。コラーゲン粒子は重合体によって完全には覆わ
れておらず、コラーゲン粒子の多くはその一部が直接表
面に露出している。本考案の皮革様シートは、顔料によ
っても着色することが出来るが、染色することにより色
に一層の深みが出て好ましい。染色方法は、金属錯塩染
料、酸性染料、分散染料などを使用して、ウインス染色
法、ジッガー染色法などにより染色する。
本考案で得た皮革様シートは、良好な吸汗性を有し、
天然皮革のもつサラッとした質感と、天然皮革に類似の
ぬめり感のないスムースでナチュラルなタッチで見た目
に重厚感と色の深みがあり、表面強度に優れた皮革様シ
ートとなる。
〔実施例〕
次に、本考案の実施態様を具体的な実施例で説明する
が、本考案はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%はことわりのない限り、重
量に関するものである。
実施例1 基材シートとして、ポリエチレンテレフタレートを分
散成分、ポリエチレンを分散媒成分とする多成分繊維の
絡合不織布に、ベージュ系着色剤を含むポリエチレンア
ジペート系ポリウレタンの20%ジメチルホルムアミド
(DMF)溶液を含浸し、更に表面に150g/m2の量塗布して
40%DMF水溶液中で凝固後ポリエチレンを溶解除去して
得た極細繊維束状繊維の不織布にポリウレタンが多孔質
状態で含有してなる基体層の一面にポリウレタン微多孔
質被覆層を有するシートを用いた。この基材シートの表
面に、ポリエチレンアジペート系ポリウレタン(10
%)、ベージュ系顔料、耐光剤からなるDMF/アセトン=
1/1溶液をグラビアロールを用いたロール塗布法により1
00g/m2塗布した後、ポリエチレンアジペート系ポリウレ
タンの30%DMF/アセトン=1/1溶液100部に平均粒径5μ
m、見掛け嵩密度0.25g/cm3のコラーゲン粉末30部添加
した組成液をグラビアロールを用いたロール塗布法によ
り40g/m2塗布し乾燥した。次いで、温度150℃で加熱エ
ンボスを行い、皮革様シートに仕上げた。
得られた皮革様シートは風合いが柔らかで、良好な吸
汗性を有しており、天然皮革に類似のサラッとした質感
とぬめり感のないスムースでナチュラルなタッチを有す
る触感であって、見た目の重厚感を有するランドセルの
背裏材であった。
この皮革様シートをランドセルの背裏に用いてランド
セルを作製し着用したところ、汗をかいてもべたつか
ず、サラッとした感触であった。
実施例2 ポリエチレンテレフタレートを分散成分、ポリエチレ
ンを分散媒成分とする多成分繊維の絡合不織布に、ベー
ジュ系着色剤を含むポリエチレンアジペート系ポリウレ
タンの20%DMF溶液を含浸し、40%DMF水溶液中で凝固後
ポリエチレンを溶解除去して得た極細繊維束状繊維の不
織布にポリウレタンが多孔質状態で含有してなる基体層
を得た。
離型紙上へポリエステル系ポリウレタンの30%DMF/メ
チルエチルケトン(MEK)=1/1溶液100部に平均粒径5
μm、見掛け嵩密度0.25g/cm3のコラーゲン粉末20部及
びベージュ系顔料20部を添加した組成液を40g/m2塗布し
乾燥後、ポリウレタン系接着剤のDMF/MEK溶液を塗布
し、先の基体層を貼り合わせて皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは風合いが柔らかで、良好な吸
汗性を有しており、天然皮革に類似のサラッとした質感
とぬめり感のないスムースでナチュラルなタッチを有す
る触感であって、表面強度に優れたランドセルの背裏材
であった。
この皮革様シートをランドセルの背裏に用いてランド
セルを作製し着用したところ、汗をかいてもべたつか
ず、サラッとした感触であった。
比較例1 実施例2においてポリウレタン溶液にコラーゲン粉末
を添加しない以外は同様にして皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表面にベトツキ感があり、吸
汗性に欠け、また、表面強度の弱いものであった。
この皮革様シートを背裏に用いてランドセルを作製、
着用したところ、汗で背中がべたつき、蒸れる感じであ
った。
〔考案の効果〕
本考案の背裏を使用したランドセルは、吸汗性に優れ
るため、背中に汗をかいても、べたついたり蒸れること
がなく、長時間快適に着用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の背裏を使用したランドセルの斜視図で
ある。図中1は背裏である。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維質基体層の表面に弾性重合体を主体と
    する被覆層を有する皮革様シートであって該被覆層の表
    面が非繊維状で平均粒径10μ以下かつ見掛嵩密度0.1〜
    0.3g/cm3のコラーゲン粉末とポリウレタンを主体とした
    重合体との混合物よりなることを特徴とするランドセル
    の背裏。
JP1990035198U 1990-03-30 1990-03-30 ランドセルの背裏 Expired - Lifetime JP2545000Y2 (ja)

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JPH03125416U JPH03125416U (ja) 1991-12-18
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JPH0669741B2 (ja) * 1985-01-16 1994-09-07 東レ株式会社 シ−ト状物
JPS63315677A (ja) * 1987-06-19 1988-12-23 Ain Eng Kk 皮革様表面層を有する成形品

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