JPH08325925A - エアーバッグ用低通気織物の製造方法 - Google Patents

エアーバッグ用低通気織物の製造方法

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JPH08325925A
JPH08325925A JP7250765A JP25076595A JPH08325925A JP H08325925 A JPH08325925 A JP H08325925A JP 7250765 A JP7250765 A JP 7250765A JP 25076595 A JP25076595 A JP 25076595A JP H08325925 A JPH08325925 A JP H08325925A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等の安全装置用のエアーバッグに関
し、衝突時にバッグを膨張させ、衝撃を吸収し乗員を保
護することを目的に使用されるエアーバッグ用基布であ
り、殊にノンコートで低通気性の織物を提供する。 【構成】 合成繊維からなる糸を、経糸及び/又は緯糸
に用いて織物を製織し、次いで得られた織物をテンター
で把持しながら100℃〜170℃の過熱蒸気によって
一気に収縮熱処理を行なうことを特徴とするエアーバッ
グ用低通気織物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌、例えば自動
車等の安全装置用の材料として使用され、衝突時に基布
よりなるバッグを膨張させ、衝撃を吸収し乗員を保護す
る事を目的に使用されるエアーバッグ用基布の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の乗り物において乗員の
安全を確保する為の装置が次々と開発されている。中で
もエアーバッグは新しい安全保護装置として注目されて
おり、実用化が進んでいる。これらエアーバッグは衝突
時のショックをセンサーが受けて高圧ガスを発生させ、
そのガスでエアーバッグを瞬時に膨らませ乗員を保護し
ようとする物である。この為エアーバッグに使用される
バッグへの要求としてガスの漏れを出来るだけ防ぐ為の
気密性や適当な強度があり、又エアーバッグは通常運転
席側においてはステアリング内へ収納される為、コンパ
クトで織りたたみやすい事が必要とされる。従来エアー
バッグはナイロンやポリエステル繊維等からなる織物に
気密性や耐熱性の向上の為、クロロプレンやシリコンゴ
ム等を織物に塗布、積層したゴムコートエアーバッグ布
が用いられてきた。
【0003】しかしながらこの様なゴムコート布の場合
気密性と言う点では十分要求を満たす事が可能である
が、ステアリング内への収納性の点においては基布の厚
みが厚くなったり又目付けも多くなる為コンパクトで織
りたたみやすいとは言えず問題があった。さらに風合い
も堅くなるため、エアーバッグが膨張し乗員の顔面に接
触した際、かえって乗員の顔面を傷付ける事もあり好ま
しいものではなかった。もう1つの大きな問題としてゴ
ムを塗布する工程が必要な為加工コストが高くなり一般
に普及するには難しいものがあった。
【0004】そこで、エアーバッグ用基布を更に低価格
化する事が課題として取り上げられ、その方法としてゴ
ムコートを要しないノンコートエアーバッグ基布の開発
が進められている。
【0005】これらノンコートエアーバッグ用の基布と
しては、例えば特開平1−122752号公報記載の高
密度織物を製織後低通気性基布を得る為に更に収縮加
工、熱固定カレンダー等を施す工法や、又は特開平6−
41844号公報記載の織物を化学収縮処理する事で低
通気性布を得る方法等がある。
【0006】しかしこれらのノンコートエアバッグ基布
では、例えば熱固定カレンダーを施す工法では低通気性
布を得る事は可能であるが熱固定カレンダーにより基布
を構成する糸−糸が圧着される為に基布の風合いが堅く
なり柔軟性を損なう問題が生じてしまう。
【0007】又化学収縮処理等を行なう方法では基布を
構成する糸状が膨潤する事で基布の糸−糸間の空隙を防
ぎ低通気性布とする為、糸の膨潤により強力低下を生じ
たりする為好ましくない。
【0008】いづれにしてもノンコートエアーバッグと
して使用出来るまでにはたくさんの工程を通過させる必
要が有り、その為加工の途中でシワが発生したりする為
好ましくなくノンコートエアーバッグ布の最大の利点で
ある製造費の低減と言う面では満足出来るものではなか
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点を解決するためになされたもので
あり、ノンコートエアーバッグ基布としては従来通りの
低通気性で軽量、コンパクトで機械特性の優れた基布を
満足する事はもちろんであるが、更に柔軟で工程シワ等
の発生が少なく低価格なノンコートエアーバッグ基布の
提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、合成繊維からなる糸を、経糸及
び/又は緯糸に用いて織物を製織し、次いで得られた織
物にテンターで把持しながら100℃〜170℃の過熱
蒸気によって一気に収縮熱処理を行なう事を特徴とする
エアーバッグ用低通気織物の製造方法である。過熱蒸気
を得る方法としては、飽和蒸気を何らかの熱源を用いて
過熱する事で得られる。一般的な熱源としては電熱ヒー
ター等が挙げられる。又、織物を製織−収縮熱処理する
場合、巻き取りや放置によるシワ等を抑制し効率よく生
産出来ると言う点から、該工程を連続で実施した方が好
ましいが、それに限定するものではなく、非連続で実施
しても何ら問題はない。
【0011】本発明において合成繊維からなる糸を、経
糸及び/又は緯糸に用いて織物を製織し、次いで得られ
た織物を収縮乾燥させる場合、過熱蒸気を用いる事が必
要である。織物を収縮させる場合乾熱にて行った場合、
湿熱に比べ生機を収縮させる為のエネルギーが小さい為
にその乾燥温度を高くする必要がある。その様な条件で
加工した場合低通気性布を得る事が出来ずノンコートエ
アーバッグとしての要件を満たす事が出来ない。
【0012】熱水中で織物を収縮させその後乾燥させる
方法では、十分な低通気性を得る事は可能であるが、収
縮−乾燥といった2つの工程を必要とする為、工程シワ
が発生したり又工程が長い為に製造コストも高くなり好
ましくない。
【0013】本発明において過熱蒸気を用いて織物を処
理する場合、100℃〜170℃の範囲で行なう事が好
ましく更に好ましくは110℃〜160℃の範囲で行な
う事が望ましい。
【0014】過熱蒸気の温度が170℃を越えると、織
物は十分に収縮するが、その収縮が糸の屈曲を発生させ
厚み方向に逃げる為にかえって基布の糸−糸間に空隙を
発生させ通気性を良くしてしまう為好ましくない。又ポ
リアミド繊維を用いた場合には、高温下から常温下へ急
激に移動する時に生じる糸の後伸びの発生量が多くなり
これが、基布の緻密な構造を破壊し空隙を作ることで通
気性が良くなってしまう為ノンコートエアーバッグとし
ての気密性を得る事が出来なくなる為好ましくない。
【0015】逆に過熱蒸気の温度が100℃未満である
と、蒸気である事より低通気性を得る為に必要な基布収
縮は十分得る事が可能であるが、加工後の基布は乾いて
おらず濡れたままの状態である為再度乾燥させる必要性
が有り、この様な作業を行った場合基布の通気度が上昇
したり、基布に新たなシワ、汚れ等が発生する可能性が
ある為好ましくない。又製造コストも高くなる為好まし
くない。
【0016】又、この様な過熱蒸気により織物を収縮さ
せる場合、テンター等で把持しながら処理する事が必要
である。過熱蒸気による湿熱処理の場合、乾熱処理に比
べ低い温度でより大きな収縮率が得られるメリットはあ
るが、その収縮応力により、織物を構成する糸状が必要
以上に屈曲し逆に基布の繊構造が破壊される為好ましく
ない。この様な基布構造になると、特に耐熱試験等を実
施した場合、更に基布構造がくずれ、糸の屈曲による空
隙を生じやすくなり通気度熱安定性が悪くなる為好まし
くない。
【0017】本発明において用いられる合成繊維はポリ
アミド繊維である事が望ましい。エアーバッグ布に天然
繊維等を用いた場合、長期間の耐久性が保証できない為
好ましくない。ポリアミド繊維とは46ナイロン、6ナ
イロン、66ナイロン、610ナイロン、11ナイロ
ン、12ナイロン等の脂肪族ポリアミド、テレフタル
酸、イソフタル酸等の芳香族ポリアミド、例えばヘキサ
メチレンテレフタルアミド、テトラメチレンイソフタル
アミド、ヘキサメチレンイソフタルアミドなど、及びこ
れらを主たる構成成分とする共重合ポリアミド、混合ポ
リアミドを示す。好ましくは6ナイロン、66ナイロ
ン、46ナイロンが特徴的に用いられる。更に合成繊維
としてポリエステル繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリ
エステル繊維等を用いても良い。又繊維糸条としてはモ
ノフィラメント糸では基布が堅くなり、糸−糸間の空隙
も出来やすくなる事より低通気性が得られない為マルチ
フィラメント糸を用いる事が好ましい。
【0018】本発明において得られる低通気性織物は2
00デニールから600デニールの合成繊維マルチフィ
ラメント糸からなりカバーファクターが1700以上で
ある事が望ましく更に好ましくは250デニールから5
00デニールである。エアーバッグ基布を構成する繊維
糸条が600デニールを越えるとエアーバッグ布の強力
としては強くなり好ましいが目付けの増加やノンコート
布の利点である折り畳性、柔軟性が失われる為好ましく
ない。その為よりノンコート布の特性を生かす為には5
00デニール以下である事が更に好ましい。逆にエアー
バッグ布を構成する繊維糸条が200デニール未満であ
ると目付けの減少や折り畳性の点において大きな利点を
得るが肝心なエアーバッグ布としての強力が不足し、展
開途中や乗員との接触により基布が破壊する可能性があ
る為好ましくない。エアーバッグ布強力の面から考える
と250デニール以上である事がより好ましい。織物の
カバーファクターは経糸と緯糸の織物密度(本/inc
h)と各々の糸デニールの平方根の積の和から求められ
る。そのカバーファクターは1700以上であり更に好
ましくは2000以上である事が望ましい。カバーファ
クターが1700未満であると低通気性の基布が得られ
ないと共にエアーバッグ布を袋状に縫製する時の縫製部
において目ずれが発生しやすくなり、その為その部分よ
りガスが漏れたり、もしくはその部分より破壊する可能
性がある為好ましくない。織物としては平織りが一般的
であるが、特に限定されるものではなく、エアーバッグ
布に必要な織物特性を有すれば問題はない。織物を製造
する織機は上記のカバーファクターを満足するものであ
ればいかなるものでも良いが、一般的にはウオータージ
ェットルーム、エアージェットルーム、レピア織機を用
いる事が望ましい。
【0019】本発明においてエアーバッグ用低通気織物
の通気度はJIS−L1096−A法によりフラジール
試験機を用い124Paにおける通気度は1.0cc/
cm 2 /sec未満である事が必要で有り更に好ましく
は0.6cc/cm2 /sec未満である事が望まし
い。124Paにおける通気度が1.0cc/cm2
sec以上であると車輌が衝突し、エアーバッグを膨ら
ませる時の高温ガスが発生した時に、そのガスがエアー
バッグ基布を通り抜け乗員顔面をやけど等で傷付ける可
能性が大きくなる為好ましくない。通気性の下限として
は、特に規定はなくより低通気性である事が好ましい。
又、通気度熱安定性としては120℃×400hrの耐
熱処理を実施した後の通気度上昇率が初期通気度の5倍
以下である事が好ましい。エアバッグは常時車中におい
て放置される為特に夏期等の車内温度上昇に備え熱的に
安定している事が必要である。通気度上昇率が5倍を越
えるとエアバッグとしての設計上安定性に問題が生じて
くる為好ましくない。
【0020】本発明におけるエアーバッグ用低通気織物
のカンチレバー法による剛軟度は125mm未満である
事が望ましい。カンチレバー法による剛軟度が125m
mを越えると言う事は基布が堅くなる事を意味し、エア
ーバッグが膨張し乗員と接触した際にその基布の堅さに
より乗員が傷付けられたり、エアーバッグを収納する為
の折り畳み性が悪くなる為好ましくない。
【0021】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はもとよりこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0022】
【実施例1】420デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2131であった。この生機をテンター把
持機能を有するHIGH TEMPERATUREST
EMER(以下テンター把持機能付きHTSと記す)を
用い115℃の過熱蒸気条件で2分間湿熱収縮処理を実
施した。これにより得られた基布の物性を測定した所、
124Paにおける通気度は0.15cc/cm2 /s
ecでカンチレバー法による基布剛軟度もタテ方向75
mm、ヨコ方向85mmと柔らかく、後加工によるシワ
や汚れのないエアーバッグ布を得る事が出来た。又、こ
の基布の120℃×400hr処理後の通気度は0.3
cc/cm2 /secと比較的安定していた。
【0023】
【実施例2】420デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2131であった。この生機をテンター把
持機能付きHTSを用い150℃の過熱蒸気条件で2分
間湿熱収縮処理を実施した。これにより得られた基布の
物性を測定した所、124Paにおける通気度は0.2
5cc/cm2 /secでカンチレバー法による基布剛
軟度もタテ方向65mm、ヨコ方向80mmと柔らか
く、後加工によるシワや汚れのないエアーバッグ布を得
る事が出来た。又、この基布の120℃×400hr処
理後の通気度は0.5cc/cm2 /secと比較的安
定していた。
【0024】
【実施例3】500デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が47本/インチ、ヨ
コ糸方向が47本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2102であったこの生機をテンター把持
機能付きHTSを用い115℃の過熱蒸気条件で2分間
湿熱収縮処理を実施した。これにより得られた基布の物
性を測定した所、124Paにおける通気度は0.20
cc/cm2 /secでカンチレバー法による基布剛軟
度もタテ方向85mm、ヨコ方向100mmと柔らか
く、後加工によるシワや汚れのないエアーバッグ布を得
る事が出来た。又、この基布の120℃×400hr処
理後の通気度は0.55cc/cm2 /secであり比
較的安定していた。
【0025】
【実施例4】300デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が64本/インチ、ヨ
コ糸方向が63本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2199であったこの生機をテンター把持
機能付きHTSを用い115℃の過熱蒸気条件で2分間
湿熱収縮処理を実施した。これにより得られた基布の物
性を測定した所、124Paにおける通気度は0.18
cc/cm2 /secでカンチレバー法による基布剛軟
度もタテ方向65mm、ヨコ方向75mmと柔らかく、
後加工によるシワや汚れのないエアーバッグ布を得る事
が出来た。又、この基布の120℃×400hr処理後
の通気度は0.38cc/cm2 /secであり比較的
安定していた。
【0026】
【実施例5】300デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が55本/インチ、ヨ
コ糸方向が55本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは1905であったこの生機をテンター把持
機能付きHTSを用い120℃の過熱蒸気条件で2分間
湿熱収縮処理を実施した。これにより得られた基布の物
性を測定した所、124Paにおける通気度は0.36
cc/cm2 /secでカンチレバー法による基布剛軟
度もタテ方向60mm、ヨコ方向70mmと柔らかく、
後加工によるシワや汚れのないエアーバッグ布を得る事
が出来た。又、この基布の120℃×400hr処理後
の通気度は0.85cc/cm2 /secであり比較的
安定していた。
【0027】
【比較例1】420デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2131であったこの生機をHTSを用い
テンターで枠固定する事なくフリーの状態で180℃の
過熱蒸気条件で2分間湿熱収縮処理を実施した。これに
より得られた基布の物性を測定した所124Paにおけ
る通気度は1.1cc/cm2 /secと高くエアーバ
ッグ布としての特性から外れる基布しか得られなかっ
た。又、この基布の120℃×400hr処理後の通気
度は5.8cc/cm2 /secと高く熱安定性が悪い
基布となった。
【0028】
【比較例2】420デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2131であったこの生機をHTSを用い
テンターで枠固定する事なくフリーの状態で80℃で湿
度95%の条件で2分間処理を実施した。しかしこの処
理が終わった後の基布は乾いていなかった為更にテンタ
ーで180℃の温度で乾燥した。これにより得られた基
布の物性を測定した所124Paにおける通気度は1.
5cc/cm2/secと高くエアーバッグ布としての
特性から外れる基布しか得られなかった。又乾燥時のシ
ワ等が発生し外観上も好ましくなく、2工程通す事より
製造コストも高くなった。又、この基布の120℃×4
00hr処理後の通気度は8.2cc/cm2 /sec
と高く熱安定性が悪い基布となった。
【0029】
【比較例3】420デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2131であったこの生機を乾熱にてテン
ターで枠固定する事なくフリーの状態で180℃の乾熱
乾燥処理を2分間実施した。これにより得られた基布の
物性を測定した所124Paにおける通気度は1.3c
c/cm2 /secと高くエアーバッグ布としての特性
から外れる基布しか得られなかった。
【0030】
【比較例4】420デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2131であったこの生機を95℃の熱水
で2分間処理した後乾熱にてテンターで枠固定する事な
くフリーの状態で180℃の乾熱乾燥処理を2分間実施
した。これにより得られた基布の物性を測定した所12
4Paにおける通気度は1.1cc/cm2 /secと
高くエアーバッグ布としての特性から外れる基布しか得
られなかった。又基布には熱水処理後に完全に濡れた基
布をマングルで絞った時のシワ等が発生し外観上も好ま
しくなく、2工程通す事より製造コストも高くなった。
【0031】
【比較例5】650デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が52本/インチ、ヨ
コ糸方向が52本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは2651であったこの生機を乾熱にてテン
ターで枠固定する事なくフリーの状態で180℃の乾熱
乾燥処理を2分間実施した。これにより得られた基布の
物性を測定した所124Paにおける通気度は1.3c
c/cm2 /secと高くエアーバッグ布としての特性
から外れる基布しか得られなかった。又基布剛軟度もタ
テ方向で115mm、ヨコ方向で140mmと堅い基布
となってしまった。
【0032】
【比較例5】220デニールのナイロン66フィラメン
ト糸を用い、織密度がタテ糸方向が50本/インチ、ヨ
コ糸方向が50本/インチの平織組織の基布をウオータ
ージェットルームを使用し製織した。この生機のカバー
ファクターは1483であったこの生機を乾熱にてテン
ターで枠固定する事なくフリーの状態で180℃の乾熱
乾燥処理を2分間実施した。これにより得られた基布の
物性を測定した所124Paにおける通気度は2.8c
c/cm2 /secと高くエアーバッグ布としての特性
から外れる基布しか得られなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によればノンコートエアーバッグ
に必要な低通気性をはじめ、軽量、コンパクトで外観良
好なエアーバッグ布を得る事が可能であると共に、製造
コストも低い安価な基布を得る事が可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維からなる糸を、経糸及び/又は緯
    糸に用いて織物を製織し、次いで得られた織物をテンタ
    ーで把持しながら100℃〜170℃の過熱蒸気によっ
    て一気に収縮熱処理を行なうことを特徴とするエアーバ
    ッグ用低通気織物の製造方法。
  2. 【請求項2】合成繊維がポリアミド繊維である請求項1
    に記載のエアーバッグ用低通気織物の製造方法。
  3. 【請求項3】合成繊維からなる糸が、200〜600デ
    ニールのマルチフィラメント糸であり、織物のカバーフ
    ァクターが1700以上である請求項1に記載のエアー
    バッグ用低通気織物の製造方法。
  4. 【請求項4】低通気織物の124Pa下における通気度
    が1.0cc/cm 2 /sec未満であり、かつ耐熱処
    理後の通気度上昇率が初期通気度の5倍以下である請求
    項1に記載のエアーバッグ用低通気織物の製造方法。
  5. 【請求項5】低通気織物のカンチレバー法による剛軟度
    が125mm未満である請求項1に記載のエアーバッグ
    用低通気織物の製造方法。
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