JPH08325761A - 不凍液添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液 - Google Patents
不凍液添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液Info
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- JPH08325761A JPH08325761A JP8018889A JP1888996A JPH08325761A JP H08325761 A JPH08325761 A JP H08325761A JP 8018889 A JP8018889 A JP 8018889A JP 1888996 A JP1888996 A JP 1888996A JP H08325761 A JPH08325761 A JP H08325761A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】冷却系統の金属の腐食を防止し、かつ硬水に安
定で、グリコール類の酸化劣化を抑制する不凍液添加
剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液を
提供すること。 【解決手段】一般式 【化１】 （式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル基、または炭
素数１〜５のアルコキシ基である）で表されるケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
少なくとも１種よりなることを特徴とする。
定で、グリコール類の酸化劣化を抑制する不凍液添加
剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液を
提供すること。 【解決手段】一般式 【化１】 （式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル基、または炭
素数１〜５のアルコキシ基である）で表されるケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
少なくとも１種よりなることを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として内燃機関
等の不凍液に用いられる不凍液添加剤、冷却液に用いら
れる冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液に
関する。詳細にはケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコ
キシケイ皮酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属
塩、アンモニウム塩のうち少なくとも１種よりなり、冷
却系統の金属の腐食を防止し、かつ硬水に安定で、グリ
コール類の酸化劣化を抑制する不凍液添加剤、冷却液添
加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液に関する。
等の不凍液に用いられる不凍液添加剤、冷却液に用いら
れる冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液に
関する。詳細にはケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコ
キシケイ皮酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属
塩、アンモニウム塩のうち少なくとも１種よりなり、冷
却系統の金属の腐食を防止し、かつ硬水に安定で、グリ
コール類の酸化劣化を抑制する不凍液添加剤、冷却液添
加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、冷却液に用いられる冷却液添加剤
として、特開平２−１８２７８２号公報記載の炭素数７
〜１４の直鎖ジカルボン酸よりなるものがあり、冷却系
統の金属の腐食防止に優れた性能を発揮していた。
として、特開平２−１８２７８２号公報記載の炭素数７
〜１４の直鎖ジカルボン酸よりなるものがあり、冷却系
統の金属の腐食防止に優れた性能を発揮していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この添加剤
は、長期間使用することで、冷却液の主成分であるグリ
コール類の酸化劣化を促進するという不具合があった。
つまり、この炭素数７〜１４の直鎖ジカルボン酸よりな
る添加剤はグリコール類を僅かずつではあるが酸化劣化
させる性質があり、その使用期間が長期にわたること
で、グリコール類は著しく酸化劣化することになる。グ
リコール類の酸化劣化は冷却液のｐＨ値の低下を招き、
その結果、該防錆添加剤が存在するにも拘らず、冷却系
統の金属が溶出し、金属腐食を生じることになる。ま
た、この添加剤は、硬水に不安定で、硬水中に含まれる
硬水成分と反応して沈殿を生じることがあった。
は、長期間使用することで、冷却液の主成分であるグリ
コール類の酸化劣化を促進するという不具合があった。
つまり、この炭素数７〜１４の直鎖ジカルボン酸よりな
る添加剤はグリコール類を僅かずつではあるが酸化劣化
させる性質があり、その使用期間が長期にわたること
で、グリコール類は著しく酸化劣化することになる。グ
リコール類の酸化劣化は冷却液のｐＨ値の低下を招き、
その結果、該防錆添加剤が存在するにも拘らず、冷却系
統の金属が溶出し、金属腐食を生じることになる。ま
た、この添加剤は、硬水に不安定で、硬水中に含まれる
硬水成分と反応して沈殿を生じることがあった。
【０００４】本発明者は、不凍液添加剤、冷却液添加剤
について研究を重ねていく過程で、ケイ皮酸、アルキル
ケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれらのアミン
塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が、優れた防錆力
を有していることを発見し、この知見に基づいて本願発
明を完成した。
について研究を重ねていく過程で、ケイ皮酸、アルキル
ケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれらのアミン
塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が、優れた防錆力
を有していることを発見し、この知見に基づいて本願発
明を完成した。
【０００５】すなわち、本発明は、ケイ皮酸、アルキル
ケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれらのアミン
塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち少なくとも
１種よりなり、冷却系統の金属の腐食を防止し、かつ硬
水に安定で、グリコール類の酸化劣化を抑制する不凍液
添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却
液を提供することを目的とするものである。
ケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれらのアミン
塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち少なくとも
１種よりなり、冷却系統の金属の腐食を防止し、かつ硬
水に安定で、グリコール類の酸化劣化を抑制する不凍液
添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却
液を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、請求項１記載の発明は、
するため、請求項１記載の発明は、
【０００７】一般式
【化５】
【０００８】（式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなることを特徴とする
不凍液添加剤をその要旨とした。
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなることを特徴とする
不凍液添加剤をその要旨とした。
【０００９】請求項２記載の発明は、 一般式
【化６】
【００１０】（式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなることを特徴とする
冷却液添加剤をその要旨とした。
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなることを特徴とする
冷却液添加剤をその要旨とした。
【００１１】請求項３記載の発明は、 一般式
【化７】
【００１２】（式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなる不凍液添加剤を
０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでおり、かつリ
ン酸塩を含まないことを特徴とする不凍液をその要旨と
した。
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなる不凍液添加剤を
０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでおり、かつリ
ン酸塩を含まないことを特徴とする不凍液をその要旨と
した。
【００１３】請求項４記載の発明は、 一般式
【化８】
【００１４】（式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなる冷却液添加剤を
０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでおり、かつリ
ン酸塩を含まないことを特徴とする冷却液をその要旨と
した。
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうち少なくとも１種よりなる冷却液添加剤を
０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでおり、かつリ
ン酸塩を含まないことを特徴とする冷却液をその要旨と
した。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明の不凍液添加剤、冷
却液添加剤、及びこれを含む不凍液、冷却液をさらに詳
しく説明する。本発明の不凍液／冷却液添加剤は、
却液添加剤、及びこれを含む不凍液、冷却液をさらに詳
しく説明する。本発明の不凍液／冷却液添加剤は、
【００１６】一般式
【化９】
【００１７】（式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうちのいずれか１種、又はこれらの混合物より
なり、鉄又はアルミニウムを成分とする金属の腐食を防
止する機能を有し、かつ硬水中におかれた場合でも硬水
成分と反応して沈澱を生じることがなく、さらにはグリ
コール類の酸化劣化を抑制する機能を有している。
基、または炭素数１〜５のアルコキシ基である）で表さ
れるケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうちのいずれか１種、又はこれらの混合物より
なり、鉄又はアルミニウムを成分とする金属の腐食を防
止する機能を有し、かつ硬水中におかれた場合でも硬水
成分と反応して沈澱を生じることがなく、さらにはグリ
コール類の酸化劣化を抑制する機能を有している。
【００１８】この不凍液または冷却液における不凍液添
加剤または冷却液添加剤の含有量としては０．０５〜
８．０重量％の範囲が好ましい。不凍液添加剤または冷
却液添加剤の含有量が０．０５重量％よりも少ない場
合、上述の機能が十分に発揮されず、８．０重量％を上
回る含有量とした場合、上回った分だけの機能の向上が
見られず、不経済となる。
加剤または冷却液添加剤の含有量としては０．０５〜
８．０重量％の範囲が好ましい。不凍液添加剤または冷
却液添加剤の含有量が０．０５重量％よりも少ない場
合、上述の機能が十分に発揮されず、８．０重量％を上
回る含有量とした場合、上回った分だけの機能の向上が
見られず、不経済となる。
【００１９】また、この不凍液添加剤または冷却液添加
剤を不凍液または冷却液に添加する場合には、当該ケイ
皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそ
れらの塩が、鉄又はアルミニウムを成分とする金属の腐
食防止機能を有するものの、黄銅、銅などの銅を成分と
する金属には腐食防止機能を有しないことから、銅系の
防錆添加剤であるトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾ
ール、４−フェニル−１、２、３−トリアゾールなどの
トリアゾール類を併用するのが望ましい。この場合のト
リアゾールの含有量としては０．０５〜１．０重量％が
好ましい。
剤を不凍液または冷却液に添加する場合には、当該ケイ
皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそ
れらの塩が、鉄又はアルミニウムを成分とする金属の腐
食防止機能を有するものの、黄銅、銅などの銅を成分と
する金属には腐食防止機能を有しないことから、銅系の
防錆添加剤であるトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾ
ール、４−フェニル−１、２、３−トリアゾールなどの
トリアゾール類を併用するのが望ましい。この場合のト
リアゾールの含有量としては０．０５〜１．０重量％が
好ましい。
【００２０】また、不凍液または冷却液には、上記成分
の他に、消泡剤、着色剤、ｐＨ調製剤を加えたり、従来
より知られた防錆添加剤であるモリブデン酸、タングス
テン酸、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、メルカ
プトベンゾチアゾール又はそのアルカリ塩、硼酸塩、安
息香酸塩及びアミン塩を併用したりすることもできる。
尚、この場合、モリブデン酸、タングステン酸、硫酸
塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、メルカプトベンゾチ
アゾール又はそのアルカリ塩といった防錆添加剤の不凍
液または冷却液における含有量としては０．０５〜１．
０重量％、硼酸塩の含有量としては０．０５〜２．０重
量％、安息香酸塩及びアミン塩の含有量としては０．５
〜５．０重量％が望ましい。
の他に、消泡剤、着色剤、ｐＨ調製剤を加えたり、従来
より知られた防錆添加剤であるモリブデン酸、タングス
テン酸、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、メルカ
プトベンゾチアゾール又はそのアルカリ塩、硼酸塩、安
息香酸塩及びアミン塩を併用したりすることもできる。
尚、この場合、モリブデン酸、タングステン酸、硫酸
塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、メルカプトベンゾチ
アゾール又はそのアルカリ塩といった防錆添加剤の不凍
液または冷却液における含有量としては０．０５〜１．
０重量％、硼酸塩の含有量としては０．０５〜２．０重
量％、安息香酸塩及びアミン塩の含有量としては０．５
〜５．０重量％が望ましい。
【００２１】またこの不凍液または冷却液はリン酸塩を
含んでいない。リン酸塩には、正リン酸、ピロリン酸、
トリポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、
あるいはヘキサメタリン酸などのナトリウム塩やカリウ
ム塩などがあり、これらのリン酸塩は、従来より鋳鉄、
鋼などの鉄系金属の優れた腐食防止剤として多用されて
いる。
含んでいない。リン酸塩には、正リン酸、ピロリン酸、
トリポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、
あるいはヘキサメタリン酸などのナトリウム塩やカリウ
ム塩などがあり、これらのリン酸塩は、従来より鋳鉄、
鋼などの鉄系金属の優れた腐食防止剤として多用されて
いる。
【００２２】ところがこのリン酸塩は、不凍液または冷
却液中に含まれる硬水成分と反応して沈澱を生じ、この
沈殿物の堆積によって冷却系統の循環路等が閉塞すると
いったトラブルの発生を引き起こしていた。またこのリ
ン酸塩が河川などに流入したときには、富栄養化が進行
し、ＢＯＤやＣＯＤが上昇して、藻類が繁殖し、この結
果アオコや赤潮が発生するといった公害問題の発生要因
ともなっていた。このような理由から、本発明の不凍液
または冷却液においてはリン酸塩を含んでいないのであ
る。
却液中に含まれる硬水成分と反応して沈澱を生じ、この
沈殿物の堆積によって冷却系統の循環路等が閉塞すると
いったトラブルの発生を引き起こしていた。またこのリ
ン酸塩が河川などに流入したときには、富栄養化が進行
し、ＢＯＤやＣＯＤが上昇して、藻類が繁殖し、この結
果アオコや赤潮が発生するといった公害問題の発生要因
ともなっていた。このような理由から、本発明の不凍液
または冷却液においてはリン酸塩を含んでいないのであ
る。
【００２３】（実施例）以下、本発明の不凍液添加剤ま
たは冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液を
実施例に従って説明するが、下記実施例は本発明の代表
的なものを示したに過ぎず、本発明がこれに限定される
ものではない。
たは冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液を
実施例に従って説明するが、下記実施例は本発明の代表
的なものを示したに過ぎず、本発明がこれに限定される
ものではない。
【００２４】本発明の冷却液添加剤を０．０５〜８．０
重量％の範囲で含む冷却液を実施例１〜７、従来の冷却
液添加剤（セバシン酸及びドデカン二酸）を含む冷却液
を比較例１及び２、本発明の冷却液添加剤を含むが、そ
の含有量が０．０５〜８．０重量％の範囲外の冷却液を
比較例３及び４、冷却液添加剤を含まない冷却液を比較
例５とし、これら実施例１〜７並びに比較例１〜５の各
成分を表１に示した。
重量％の範囲で含む冷却液を実施例１〜７、従来の冷却
液添加剤（セバシン酸及びドデカン二酸）を含む冷却液
を比較例１及び２、本発明の冷却液添加剤を含むが、そ
の含有量が０．０５〜８．０重量％の範囲外の冷却液を
比較例３及び４、冷却液添加剤を含まない冷却液を比較
例５とし、これら実施例１〜７並びに比較例１〜５の各
成分を表１に示した。
【００２５】
【表１】
【００２６】表１に示した実施例１〜７並びに比較例１
〜５の冷却液について金属腐食試験、実施例１〜７並び
に比較例１及び２の冷却液について、酸化劣化処理試験
及び硬水安定度試験を行った。その結果を表２、表３並
びに表４に示した。
〜５の冷却液について金属腐食試験、実施例１〜７並び
に比較例１及び２の冷却液について、酸化劣化処理試験
及び硬水安定度試験を行った。その結果を表２、表３並
びに表４に示した。
【００２７】金属腐食試験は、ＪＩＳ Ｋ ２２３４−
１９８７ ２種の規定に基づいて行なった。即ち、実施
例１〜７並びに比較例１〜５の各冷却液を調合水で３０
％に希釈し、この希釈冷却液７５０ｍｌをトールビーカ
ーに採った後、所定寸法の金属試験片を前記希釈冷却液
中に浸漬し、乾燥空気を１００ｍｌ／分の流量で吹き込
みながら８８℃で３３６時間加熱劣化処理を行なった。
そして、加熱劣化処理前後の金属試験片の質量を測定
し、その変化量を試験片の全表面積で除した値を腐食量
として算出した。なお、金属試験片の材質はアルミニウ
ム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ及び銅である。
１９８７ ２種の規定に基づいて行なった。即ち、実施
例１〜７並びに比較例１〜５の各冷却液を調合水で３０
％に希釈し、この希釈冷却液７５０ｍｌをトールビーカ
ーに採った後、所定寸法の金属試験片を前記希釈冷却液
中に浸漬し、乾燥空気を１００ｍｌ／分の流量で吹き込
みながら８８℃で３３６時間加熱劣化処理を行なった。
そして、加熱劣化処理前後の金属試験片の質量を測定
し、その変化量を試験片の全表面積で除した値を腐食量
として算出した。なお、金属試験片の材質はアルミニウ
ム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ及び銅である。
【００２８】酸化劣化処理試験は、ＪＩＳ Ｋ ２２３
４ 不凍液 ７．４金属腐食性に示す試験装置を用い、
１リットルのトールビーカーに実施例１〜７並びに比較
例１及び２の各冷却液を５００ｍｌずつ採った後、銅板
を８００ｃｍ2 浸漬し、乾燥空気を１００ｍｌ／分の流
量で吹き込みながら、１２０℃で４００時間加熱劣化処
理を行なった。また、この試験におけるｐＨ値は、実施
例１〜７並びに比較例１及び２の各冷却液を水で３０％
に希釈した水溶液の測定値であり、各冷却液を希釈後１
００℃で５時間加熱し、冷却後に測定した。更に、冷却
液のグリコール類が酸化されたときに発生する劣化生成
物量はイオンクロマトグラフィーにより蟻酸として定量
した。
４ 不凍液 ７．４金属腐食性に示す試験装置を用い、
１リットルのトールビーカーに実施例１〜７並びに比較
例１及び２の各冷却液を５００ｍｌずつ採った後、銅板
を８００ｃｍ2 浸漬し、乾燥空気を１００ｍｌ／分の流
量で吹き込みながら、１２０℃で４００時間加熱劣化処
理を行なった。また、この試験におけるｐＨ値は、実施
例１〜７並びに比較例１及び２の各冷却液を水で３０％
に希釈した水溶液の測定値であり、各冷却液を希釈後１
００℃で５時間加熱し、冷却後に測定した。更に、冷却
液のグリコール類が酸化されたときに発生する劣化生成
物量はイオンクロマトグラフィーにより蟻酸として定量
した。
【００２９】硬水安定度試験は、以下の方法を採用し
た。この試験に供する実施例１〜７並びに比較例１及び
２の各冷却液を、イオン交換水にＣａ2+が４００ｐｐｍ
となるようにＣａＣｌ2を添加した硬水（ＣａＣＯ3とし
て全硬度１０００ｐｐｍ）により５０ｖｏｌ％に希釈
し、そして、この希釈液を室温で暗所に２４時間放置
し、沈澱量ｖｏｌ％を測定した。
た。この試験に供する実施例１〜７並びに比較例１及び
２の各冷却液を、イオン交換水にＣａ2+が４００ｐｐｍ
となるようにＣａＣｌ2を添加した硬水（ＣａＣＯ3とし
て全硬度１０００ｐｐｍ）により５０ｖｏｌ％に希釈
し、そして、この希釈液を室温で暗所に２４時間放置
し、沈澱量ｖｏｌ％を測定した。
【００３０】
【表２】
【００３１】
【表３】
【００３２】
【表４】
【００３３】
【発明の効果】請求項１記載の不凍液添加剤にあって
は、ケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうちのいずれか１種、又はこれらの混合物より
なるので、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果
を有する。
は、ケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮
酸、又はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩のうちのいずれか１種、又はこれらの混合物より
なるので、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果
を有する。
【００３４】またこの不凍液添加剤は、硬水に安定であ
り、硬水中に含まれる硬水成分と反応して沈澱を生じる
ことがなく、沈澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物
の堆積による冷却系統の循環路等の閉塞といったトラブ
ルが生じることがない。
り、硬水中に含まれる硬水成分と反応して沈澱を生じる
ことがなく、沈澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物
の堆積による冷却系統の循環路等の閉塞といったトラブ
ルが生じることがない。
【００３５】さらにこの不凍液添加剤は、グリコール類
の酸化劣化を抑制するので、不凍液のｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
の酸化劣化を抑制するので、不凍液のｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
【００３６】請求項２記載の冷却液添加剤にあっては、
ケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又
はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩
のうちのいずれか１種、又はこれらの混合物よりなるの
で、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果を有す
る。
ケイ皮酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又
はそれらのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩
のうちのいずれか１種、又はこれらの混合物よりなるの
で、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果を有す
る。
【００３７】またこの冷却液添加剤は、硬水に安定であ
り、硬水中に含まれる硬水成分と反応して沈澱を生じる
ことがなく、沈澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物
の堆積による冷却系統の循環路等の閉塞といったトラブ
ルが生じることがない。
り、硬水中に含まれる硬水成分と反応して沈澱を生じる
ことがなく、沈澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物
の堆積による冷却系統の循環路等の閉塞といったトラブ
ルが生じることがない。
【００３８】さらにこの冷却液添加剤は、グリコール類
の酸化劣化を抑制するので、冷却液のｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
の酸化劣化を抑制するので、冷却液のｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
【００３９】請求項３記載の不凍液にあっては、ケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
のいずれか１種、又はこれらの混合物よりなる不凍液添
加剤を０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでいるの
で、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果を有す
る。
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
のいずれか１種、又はこれらの混合物よりなる不凍液添
加剤を０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでいるの
で、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果を有す
る。
【００４０】またこの不凍液は、これに含まれる不凍液
添加剤が硬水に安定であり、硬水中に含まれる硬水成分
と反応して沈澱を生じることがなく、しかも硬水成分と
反応して沈澱を生じるリン酸塩も含んでいないので、沈
澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物の堆積による冷
却系統の循環路等の閉塞といったトラブルが生じること
がない。
添加剤が硬水に安定であり、硬水中に含まれる硬水成分
と反応して沈澱を生じることがなく、しかも硬水成分と
反応して沈澱を生じるリン酸塩も含んでいないので、沈
澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物の堆積による冷
却系統の循環路等の閉塞といったトラブルが生じること
がない。
【００４１】さらにこの不凍液は、不凍液添加剤がグリ
コール類の酸化劣化を抑制するので、ｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
コール類の酸化劣化を抑制するので、ｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
【００４２】請求項４記載の冷却液にあっては、ケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
のいずれか１種、又はこれらの混合物よりなる冷却液添
加剤を０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでいるの
で、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果を有す
る。
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
のいずれか１種、又はこれらの混合物よりなる冷却液添
加剤を０．０５〜８．０重量％の含有量で含んでいるの
で、冷却系統の金属について優れた腐食防止効果を有す
る。
【００４３】またこの冷却液は、これに含まれる冷却液
添加剤が硬水に安定であり、硬水中に含まれる硬水成分
と反応して沈澱を生じることがなく、しかも硬水成分と
反応して沈澱を生じるリン酸塩も含んでいないので、沈
澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物の堆積による冷
却系統の循環路等の閉塞といったトラブルが生じること
がない。
添加剤が硬水に安定であり、硬水中に含まれる硬水成分
と反応して沈澱を生じることがなく、しかも硬水成分と
反応して沈澱を生じるリン酸塩も含んでいないので、沈
澱物による腐食防止機能の低下、沈澱物の堆積による冷
却系統の循環路等の閉塞といったトラブルが生じること
がない。
【００４４】さらにこの冷却液は、冷却液添加剤がグリ
コール類の酸化劣化を抑制するので、ｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
コール類の酸化劣化を抑制するので、ｐＨ値の低下、ｐ
Ｈ値の低下に伴う金属の溶出、金属腐食の発生という事
態を引き起こし難い。
Claims (4)
- 【請求項１】一般式 【化１】 （式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル基、または炭
素数１〜５のアルコキシ基である）で表されるケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
少なくとも１種よりなることを特徴とする不凍液添加
剤。 - 【請求項２】一般式 【化２】 （式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル基、または炭
素数１〜５のアルコキシ基である）で表されるケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
少なくとも１種よりなることを特徴とする冷却液添加
剤。 - 【請求項３】一般式 【化３】 （式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル基、または炭
素数１〜５のアルコキシ基である）で表されるケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
少なくとも１種よりなる不凍液添加剤を０．０５〜８．
０重量％の含有量で含んでおり、かつリン酸塩を含まな
いことを特徴とする不凍液。 - 【請求項４】一般式 【化４】 （式中Ｒは水素、炭素数１〜５のアルキル基、または炭
素数１〜５のアルコキシ基である）で表されるケイ皮
酸、アルキルケイ皮酸、アルコキシケイ皮酸、又はそれ
らのアミン塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩のうち
少なくとも１種よりなる冷却液添加剤を０．０５〜８．
０重量％の含有量で含んでおり、かつリン酸塩を含まな
いことを特徴とする冷却液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8018889A JPH08325761A (ja) | 1995-03-29 | 1996-02-05 | 不凍液添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7161395 | 1995-03-29 | ||
| JP7-71613 | 1995-03-29 | ||
| JP8018889A JPH08325761A (ja) | 1995-03-29 | 1996-02-05 | 不凍液添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08325761A true JPH08325761A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=26355627
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8018889A Pending JPH08325761A (ja) | 1995-03-29 | 1996-02-05 | 不凍液添加剤、冷却液添加剤、及びこれらを含む不凍液、冷却液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08325761A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0864629A1 (en) * | 1997-03-11 | 1998-09-16 | CCI Co. Limited | Antofreeze/coolant composition |
| WO1999057218A1 (fr) * | 1998-05-06 | 1999-11-11 | Shishiai-Kabushikigaisha | Liquide de refroidissement dilue |
| JP2016089210A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | アクアス株式会社 | 銅防食用組成物、及び、銅防食方法 |
-
1996
- 1996-02-05 JP JP8018889A patent/JPH08325761A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0864629A1 (en) * | 1997-03-11 | 1998-09-16 | CCI Co. Limited | Antofreeze/coolant composition |
| WO1999057218A1 (fr) * | 1998-05-06 | 1999-11-11 | Shishiai-Kabushikigaisha | Liquide de refroidissement dilue |
| JP2016089210A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | アクアス株式会社 | 銅防食用組成物、及び、銅防食方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060123 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060529 |