JPH08304296A - 異物等の欠陥検出方法およびそれを実行する装置 - Google Patents

異物等の欠陥検出方法およびそれを実行する装置

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JPH08304296A
JPH08304296A JP3167696A JP3167696A JPH08304296A JP H08304296 A JPH08304296 A JP H08304296A JP 3167696 A JP3167696 A JP 3167696A JP 3167696 A JP3167696 A JP 3167696A JP H08304296 A JPH08304296 A JP H08304296A
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illumination
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JP3167696A
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Hiroaki Shishido
弘明 宍戸
Shunichi Matsumoto
俊一 松本
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サブミクロンオーダーの微細な異物等の欠陥
を、高いS/N比で安定に検出すること。 【解決手段】 光学的反射手段8として、位相供役鏡8
1を有する位相供役システムで構成すると、レチクル6
上で反射した光が位相供役鏡81によって再び反射さ
れ、レチクル6上の異物902を反対側から照明するの
で、照明光の光束が異物902を二回照明することとな
り、そのため、異物902からの散乱光量がほぼ二倍の
量となる。従って、位相供役鏡81によって高S/N比
で検査できるので、微粒子であっても、確実に異物等の
欠陥を検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レチクルやホトマスク
(以下、レチクル等と云う)の回路パターン上に付着し
た異物、及び回路パターン自身の欠陥(以下、異物等の
欠陥と云う)を検出する欠陥検査方法と、該方法を実行
する欠陥検査装置とに係り、特に、ディープサブミクロ
ンオーダーの微細な異物等の欠陥を、簡単な構成で、レ
チクル等の製造工程およびレチクル等の回路パターンを
ウェハ上に転写する前に行なわれる、前記レチクル等の
異物等の欠陥を検出する検査方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LSI或いはプリント基板などを製造す
るのに使用されるレチクル等の露光工程において、レチ
クル等の回路パターンはウェハ上に焼付転写する前に検
査される。その際、回路パターン上に例えばミクロンオ
ーダーの微小異物が存在していると、該異物により前記
回路パターンがウェハに正常に転写しないことから、L
SIチップ全数が不良になることがある。この不具合
は、最近のLSIの高集積化に伴い一層顕在化し、より
微小のサブミクロンオーダー、もしくはそれ以下のディ
ープサブミクロンオーダー異物の存在も許容されなくな
ってきている。
【0003】上記転写不良防止のため、露光工程前の異
物検査は不可欠であり、レチクル等の管理上、従来から
種々の異物検査技術が提供されており、レチクル等の回
路パターンの検査は、レーザ光等の指向性の良い光源で
斜めから照射し、異物から発生する散乱光を検出する方
法が検査速度および感度の点から有利で一般的に使用さ
れている。ところが上記検査方法においては、レチクル
等の回路パターンのエッジ部からも回折光が発生するた
め、この回折光から異物のみを弁別して検出するための
工夫が必要であり、そのため、従来では種々の技術が提
案されている。
【0004】従来技術その1としては、直線偏光レーザ
と、特定の入射角度で該レーザ光を斜めから照射する手
段と、偏光板およびレンズを用いた斜方集光光学系とを
有することを特徴とする欠陥検査装置(例えば、特開昭
54−101390号公報)であって、直線偏光を照射
した際、回路パターンからの回折光と異物からの散乱光
では、光の偏光方向が異なることを利用し、異物だけを
輝かせて検出するものである。
【0005】従来技術その2として、レーザ光を斜方か
ら被検査試料に照射し走査する手段と、該レーザ光の照
射点と集光点面がほぼ一致するように被検査試料の上方
に設けられ、該レーザ光の散乱光を集光する第1のレン
ズと、該第1のレンズのフーリエ変換面に設けられ被検
査試料の回路パターンからの規則的回折光を遮光する遮
光板と、遮光板を通して得られる異物からの散乱光を逆
フーリエ変換する第2のレンズと、該第2のレンズの結
像点に設けられ被検査試料上のレーザ光照射点以外から
の散乱光を遮光するスリットと、該スリットを通過した
異物からの散乱光を受光する受光器とから構成された欠
陥検査装置が開示されている(例えば、特開昭59−6
5428号公報,特開平1−117024号公報,同1
−153943号公報)。
【0006】この装置は、回路パターンが一般的に視界
内で同一方向、或いは2〜3の方向の組合せで構成され
ていることに着目し、この方向の回路パターンによる回
折光をフーリエ変換面に設置した空間フィルタで除去す
ることにより、異物からの散乱光だけを強調して検出し
ようとするものである。
【0007】従来技術その3は、回路パターンエッジか
らの回折光は特定の方向にのみ集中して行くのに対し
て、異物からはすべての方向に散乱していくという現象
を利用し、複数の検出器を試料表面側の斜方に配置して
異物を弁別するものである(例えば、特開昭60−15
4634号公報,60−154635号公報)。
【0008】さらに、従来技術その4として、被検出対
象に対し、検出のために照明する光を、鏡により反射し
て複数回照明を繰り返して行うものが、特開昭60−2
43345号公報,特開平6−194320号公報,同
1−245137号公報に記載されている。
【0009】さらに、従来技術その5として、電荷結合
形の光電変換素子の転送効率を向上させるために、光電
変換素子に対し検出光以外のバイアス光を与える考案
が、特公昭52−4436号公報に記載されている。
【0010】なお、微小異物検査に関連する方法および
装置として、シュリーレン法,位相差顕微鏡,有限の大
きさの光源の回折像等に関する技術が、例えば、久保田
広著「応用光学(岩波全書)第129頁〜第145
頁」に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、集積度の増大にともなって、検出すべき異物等の
欠陥が小さくなるに従い、LSIの製造に影響をおよぼ
す異物等の欠陥の見逃しの増加が問題となり、それに対
処することが課題となってきた。
【0012】ところが、前記従来技術その1において
は、微小な異物等の欠陥からの散乱光の偏光方向と、回
路パターンエッジからの回折光の偏光方向との差異が小
さくなるので、その偏光を識別することができず、その
ため、微小な異物等の欠陥の弁別検出することが要請さ
れてきている。
【0013】つぎに前記従来技術その2は、異物等の欠
陥からの散乱光を遮光板によって回路パターンからの回
折光と分離し、かつスリツトにより異物等の欠陥からの
散乱光のみを検出するので、異物等の欠陥を簡単な2値
化法により検出するため検出機構が簡単になる特徴を有
するものの、前記回路パターンの交差部分からの回折光
には、直線部分からの回折光のように特定位置に偏る傾
向は小さく、前記空間フィルタにより回路パターンの交
差部分からの回折光を完全に遮光することはできない問
題があった。また、近年のLSI高集積化に伴うミクロ
ンオーダーの微細構造パターンを有する回路パターンか
ら発生する回折光は、異物等の欠陥からの散乱光と挙動
が類似してきているためいっそう前記傾向が強く、簡単
な2値化法により微小な異物等の欠陥を回路パターンか
ら分離して検出することが事実上困難であり、新たな検
出システムが求められていた。
【0014】そして、前記従来技術その3の各装置にお
いては、それらの装置構成上、微小な異物等の欠陥に対
して、十分な集光能力を持つ光学系の採用が困難であ
り、微小な異物等の欠陥から発生する微弱な散乱光を検
出するのは実際上困難な問題があった。一方、最近にな
り、クロム等の金属薄膜で形成されたレチクル上の回路
パターンの転写解像度の向上を目的として、レチクル上
の回路パターン間に位相シフト膜、或いは位相シフタと
呼ばれる透明または半透明薄膜(概ね露光光源の波長の
1/2の奇数倍の光路長に換算される膜厚)を設けたレ
チクルが開発された。
【0015】この膜は、透明または半透明だが、回路パ
ターン(厚さ0.1μm程度)の数倍の厚さの構造を有
しているため、膜のエッジ部分からの回折光は、従来の
回路パターン、エッジ部からの回折光と比べ、数倍から
数十倍のもの大きな光量となり、相対的に異物等の欠陥
からの微小な散乱光を検出するためには、回路パターン
からの大きな光量の散乱光を遮光できるよう、強力なフ
ィルタリングが必要となる。
【0016】ところが、強力なフィルタリングを行う
と、検出すべき異物からの散乱光も減少してしまい、異
物検出のS/Nが悪化、結果として、検出感度が大幅に
低下する問題が発生する。
【0017】S/Nを向上するための手段としては、被
検出対象に対し、検出のために照明する光を、鏡により
反射して複数回照明を繰り返して行うことが、上述の如
き従来技術その4に開示されている。しかし、従来技術
その4のうち、例えば特開平6−194320号公報に
示す技術のものは、平面的に折り返して照明光束を複数
回用いる構成が記載されているが、本質的に同一地点へ
の折り返しではないため、実用的な一次元CCD素子を
用いようとする構成に利用するには不向きとなり、適切
ではない。また、特開昭60−243345号公報で
は、試料を透過した光線が凹面鏡により反射し、試料上
の同一地点へ折り返すように構成されており、光軸の調
整を確認する光学系をもたないので、光軸の調整が容易
に行い得るよう、試料に対し垂直な照明を行い、試料の
斜方或いは側方から検出を行うように構成されている。
このため、試料表面に対して検出光学系が焦点を正しく
結べる範囲が狭く、視野を拡げようとすると、視野内で
の検出感度の均一性が低下し、強力なフィルタリングを
必要とする、現在の検出の困難な試料に対して適用する
のが難しい問題があった。
【0018】従来技術その5は、初期の性能の劣る電荷
結合形の光電変換素子の転送効率を向上させるための技
術であり、素子の性能が向上した現在では使用されな
い。
【0019】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、回路パターンを有する透明または半透明なレチ
クル等の回路パターン,及び鏡面状の半導体ウェハ等の
基板に付着したサブミクロンオーダー以下の微小な異物
等の欠陥を、高いS/Nで安定して検出ことができる異
物等の欠陥検出方法を提供することにあり、他の目的
は、上記方法を的確に実施し得る欠陥検出装置を提供す
ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の手段は、照明方式を高効率化したも
のであって、照明方式の高効率化を図るため、被検体の
裏面側に配置された光学的反射手段と、被検体の表面側
に配置された表面側照明系とを設けたものである。即
ち、本発明方法では、遮光膜と光透過膜との何れか一方
またはその両方で形成された回路パターンを有し、かつ
光透過性または半光透過性の材料からなる被検体を所定
位置にセットし、該被検体の一方の面上の検査視野を照
明して基板上の異物等の欠陥を検出する方法において、
前記セットされた被検体の検査視野に対し、斜め上方か
ら光束を直接照射すると同時に、反射鏡により、斜め下
方から光束を照射することを特徴とするものである。
【0021】また、本発明装置では、遮光膜と光透過膜
との何れか一方またはその両方により形成されたパター
ンを有し、かつ光透過性または半光透過性の材料からな
る被検体の一方の面上に付着した異物等の欠陥を検出す
る異物等の欠陥検査装置において、前記被検体を所定位
置に移動可能に載置し、かつ被検体を走査する検査ステ
ージ部と、前記被検体の一方の面上の検査視野に検査視
野面側から直接斜方照明する表面側照明系と、前記被検
体を挟んで表面側照明系と反対側に設置され、かつ被検
体を透過してきた前記表面側照明系による照明光を受
け、かつ該照明光を被検体の前記検査視野に対し折り返
し反射させる光学的反射手段と、被検体から発生する散
乱光及び回折光を受光する検出器を具え、かつ該検出器
による検出結果を演算処理して被検体の検査視野に異物
等の欠陥の有無を判定する信号処理系と、被検体から発
生する散乱光および回折光を取込むと共に、被検体の検
査視野を結像した状態で検出器上に集光する検出光学系
とを有することを特徴とするものである。
【0022】また、本発明の第2の手段は、被検査試料
に対して、増反射膜を設けることに特徴がある。 ま
た、本発明の第3の手段は、散乱光による検出像に対し
て、バイアス光(オフセット光)を与えることに特徴が
ある。
【0023】また、本発明の第4の手段は、検出信号個
数を、ポアソン分布によるフォトン数の検出確率で除し
た個数を異物等の欠陥検出個数とすることに特徴があ
る。
【0024】
【作用】まず前記第1の手段に関し、照明方式の高効率
化の有効性について述べると、図6(A)に示すよう
に、例えば十分に大きな球形の粒子aに光束を左側から
照射した場合、該粒子aに当たった光束波bの殆どが、
粒子で反射するか、粒子に吸収されることとなる。
【0025】ここで、粒子に照射された光束のパワーに
対し、反射(散乱)する光束のパワーの比に粒子の断面
積を乗じた値を散乱断面積と云う。
【0026】大きな粒子aの散乱断面積は、実際の粒子
の大きさとほぼ同じである。これは、粒子に照射された
光束の殆どが、散乱によって消費されてしまうことを意
味する。一方、図6(B)に示すように小さい粒子cの
場合、散乱断面積は、粒子の直径の6乗に比例して小さ
くなる、即ち、粒子cの直径の6乗に反比例することが
知られている。この結果、小さい粒子cから散乱する光
束dが小さくなり、粒子に照射される光束は殆ど粒子に
消費されることなく直進することを意味する。従って、
微粒子の検出の際、光は殆ど消費されないことになる。
【0027】そこで、微粒子から散乱する光束を、反射
させて被検体上の検出視野に折り返し、これを何度も繰
り返すことにより、実効的に、使用する照射エネルギー
を小さくすることができる。
【0028】本発明方法では、上述の如く、セットされ
た被検体の検査視野に対し、斜め上方から光束を直接照
射すると同時に、斜め下方から光束を照射するので、異
物等の欠陥を二方向から照射することができ、そのた
め、異物等の欠陥を高いS/Nで安定して検出すること
ができ、従って、小さい異物でも確実に検出し得る。
【0029】また、本発明装置では、上述の如く、遮光
膜と光透過膜との何れか一方またはその両方により形成
されたパターンを有し、かつ光透過性または半光透過性
の材料からなる被検体の一方の面上に付着した異物等の
欠陥を検出する異物等の欠陥検査装置において、前記被
検体を所定位置に移動可能に載置し、かつ被検体を走査
する検査ステージ部と、前記被検体の一方の面上の検査
視野に検査視野面側から直接斜方照明する表面側照明系
と、前記被検体を挟んで表面側照明系と反対側に設置さ
れ、かつ被検体を透過してきた前記表面側照明系による
照明光を受け、かつ該照明光を被検体の前記検査視野に
対し折り返し反射させる光学的反射手段と、被検体から
発生する散乱光及び回折光を受光する検出器を具え、か
つ該検出器による検出結果を演算処理して被検体の検査
視野に異物等の欠陥の有無を判定する信号処理系と、被
検体から発生する散乱光および回折光を取込むと共に、
被検体の検査視野を結像した状態で検出器上に集光する
検出光学系とを有するので、上記方法を的確に実施し得
る。
【0030】そして、上記光束を繰り返す手法を、レチ
クル等の回路パターンが形成された透明基板に適用し、
該基板を透過した照明光を反射させようとした場合、以
下の不具合が生じるおそれがある。それは、基板を透過
する際、基板の屈折率が周辺(一般には空気)の屈折率
と異なるため、光路が周辺によって曲げられ、さらに
は、基板の厚さの変化によってもこの光路の曲げられる
量が変化するため、光軸の調整が困難となることであ
る。
【0031】これに対処するため、従来技術その4で前
述した如く、基板に対して垂直に照明を行うことにより
光路の屈折を抑え、これに伴い、発生する散乱光の検出
を被検体に対し斜方或いは側方から行っていたが、その
従来技術その4では、被検体表面と検出光学系との距離
が視野の位置によって変化し、被検体表面に対し検出光
学系が焦点を正しく結べる範囲が狭く、視野を拡げよう
とすれば、視野内での検出感度の均一性が低下する。従
って、強力なフィルタリングを必要とするような、現在
の検出の困難と被検体に対しては適用するのは難しい問
題があった。
【0032】そこで、基板屈折率の影響を受けずに斜方
から照明する手段として、本発明装置では、前述の如
く、光学的反射手段として、位相共役素子と、該位相供
役素子を所定温度に維持する温度制御部とを有して構成
している。
【0033】これは、通常、鏡では発散光が入射する
と、その発散光を反射するのに対し、位相共役素子で
は、図13に示すように、該位相共役素子81に入射ビ
ームAが入射した光路を逆にたどる光Bを発生する(反
射する)ものであある。即ち、発散ビームAが入射する
と、その発散ビームAの発生点へ向かって集光するビー
ムBを反射する。そして、この反射光Bは、入射光の光
路がどんなに複雑なものであつても正確に遡るのであ
る。
【0034】位相位相素子としては、種々の動作方式の
ものが知られているが、そのなかでも、フォトリフラク
ティブ結晶材料を用いた自己励起形位相共役鏡と云われ
るものが、異物等の欠陥の検出に適用しやすい。「精密
工学会誌 vol.60,No.80(1994)」に
おいては、「これは図14に示すごとく、入射ビームA
が位相共役鏡81の内部結晶面により全反射し、結晶内
にリング状のループが生じて干渉縞が形成される。つぎ
に結晶中の不純物などに起因する電荷中心が、光の照射
によって再分布し、電気光学効果によって屈折率分布を
形成し、これが回折格子となり、入射ビームAを正確に
トレースする反射ビームBを発生するものである」旨が
論じられている。
【0035】従って、本発明装置では、前記位相共役素
子を用いているので、反射ビームBにより入射ビームを
正確にトレースさせることにより、光軸の調整が容易と
なる。
【0036】また、本発明では、基板屈折率の影響を受
けずに斜方から照明する手段として、被検体の照明光が
透過した側に光路長の補正機構を設けることが好まし
い。
【0037】ここで、レチクル基板等のガラスの厚さの
変化は、同じ照明を行っているにも拘わらず、照明光の
光路差に影響を及ぼすことがある。例えば図39(A)
に示すように、厚さが概略0(以下、厚さ0と表現す)
のレチクル5601の検査視野15を照明するよう構成
されている場合、その光路5611はレチクル5601
内でも直線となるので問題がない。
【0038】しかし、図39(B)に示すように、前記
レチクル5601より若干厚みのあるレチクル5602
を照明するように構成されている場合、照明光路がレチ
クル5602の厚みによる屈折により、本来破線562
2の如く通るべきところ、実線5612にて示す如く通
るので、結果として視野15から距離E2だけずれるこ
とになる。同じく、図39(C)に示すように、前記レ
チクル5602より厚いレチクル5603を用いて照明
した場合では、前記距離E2より大きい距離E3だけず
れてしまい、また同図(D)に示すように、前記レチク
ル5603より厚いレチクル5604を用いて照明した
場合では、前記距離E3より大きい距離E4だけずれる
ことになる。現在でも使用されているレチクル等として
のホトマスクは、各種厚さの基板(2.3mm,4.6
mm,6.3mmなど)からなるため、光路が変化する
ことのないような対策が必要となる。
【0039】また、前記誤差E2〜E4までの全てを含
むような広範囲を照明すれば、レチクル等の基板の厚さ
に対処できるが、そのようにした場合、視野15の照度
がが低下し、S/Nが低下する不具合が生じる。
【0040】従って、レチクル厚さの差による光路の変
化は、レチクル基板と照明光路との屈折率の差によって
生じるので、屈折率の差をなくせばよいと云うことであ
る。
【0041】また、屈折率差があると云うことは、照明
系の集光部分に、光路差を生じることを意味する。つま
り、照明を集光する場合、レチクルの厚さの差は、集光
にも影響を与え、十分な焦点深度を持たない集光系の場
合には、焦点を調節して集光位置も調節する手段の必要
があり、それだけ装置の複雑化を招くこととなる。しか
し、何等かの手段によってレチクルの厚さの差による光
路長の変化を補正すれば、前記調節するための手段が不
要になる。
【0042】その一例の原理を図43(A)〜(D)に
示すと、厚さが0,t2,t3,t4のレチクルを用い
る場合があるときであって、現在セットされているレチ
クル5601の厚さが0のときには、同図(A)に示す
ように、レチクル5601の下に、最も大きい厚いレチ
クル5604の厚さt4に相当する光路長補正板600
1を用い、該光路長補正板6001によって光路571
4を屈折することにより、光路5714が検査視野15
を通るようにする。そして、図43(B)に示すように
厚さt2のレチクル5602を用いる場合には、その下
に(t4−t2)の厚さに相当する光路長補正板600
2を用い、また同図(C)に示すように厚さt3のレチ
クル5603を用いる場合には、その下に(t4−t
3)の厚さに相当する光路長補正板6003を用い、さ
らに同図(D)に示すように厚さt4のレチクル560
4を用いる場合には光路長補正板を用いないようにす
る。
【0043】従って、最も厚いレチクル5604以外の
レチクル5601〜5603を使用するとき、それらの
レチクルの厚さの変化に応じ種々の光路長補正板を適宜
に選定すると、光路5714が検査視野15(即ち、照
明位置)を確実に通るので、レチクルの厚さによる屈折
率の変化に拘わらず、照明位置と焦点位置とが同一とな
ることが理解できる。
【0044】また、本発明装置では、散乱光を集光し、
さらに照明位置の像を結像し得る検出光学系を有してい
る。これにより、従来技術その4のように検出光学系が
発生した散乱光を集めるための集光光学系にとどまって
いたのに対し、照明位置を結像光学系により認識するこ
とが可能となり、光軸の調整が容易になると同時に、調
整機構にフィードバックをかけることによって光軸を常
に正しく保持しておくことが可能となる。
【0045】次に、第2の手段の作用について説明す
る。
【0046】特開平06−194320号公報には、検
出率を維持したまま照射エネルギーを小さくできる照明
系の実施例が示されている。図6(a)に示すように例
えば球形の十分に大きな粒子に光を照射した場合、粒子
に当たった光束波、そのほとんどが粒子で反射するか、
粒子に吸収される。ここで、粒子に照射された光束のパ
ワーに対する反射(散乱)する光束のパワーの比に粒子
の断面積を乗じた値を散乱断面積という。
【0047】大きな粒子の散乱断面積は、実際の粒子の
大きさとほぼ同じである。これは、粒子に照射された光
束のほとんどが散乱によって使用されてしまうことを意
味する。
【0048】図6(b)には粒子が小さい場合の例を示
す。粒子が小さい場合、散乱断面積は、粒子の直径の6
乗に比例して小さくなる、すなわち粒子の直径の6乗に
反比例することが知られている。この結果、散乱する光
束603は小さくなり、粒子に照射される光束はほとん
ど粒子に消費されることなく直進することを意味する。
すなわち、本発明の目的である微粒子の検出では、光は
ほとんど消費されないことになる。そこでこの光束を何
度も用いることで、実効的に、使用する照射エネルギー
を小さくすることができるできる。
【0049】具体的には、図7(a)に照明系の側面図
を、(b)に平面図を示す。ウェハを平行なビーム70
4で照明する。このビーム704は、平面的には、図7
(b)のごとく配置されたミラー705、706により
鏡面状の表面を有するウェハ703の表面もミラー面と
して利用し、結果的に大きな面積を有する領域707を
を照明する。ここで、ビーム705の光束をやや大きな
断面を有する形状とすることにより、領域707を均一
に照明することができる。しかしながら、ウェハ面での
反射率は通常100%からははるかに低く、反射を繰り
返すことにより光の強度は減衰する課題を有する。
【0050】特開平06−194320号公報では、こ
の課題に対し、電気的な信号の補正方法を提案している
が、本発明では、鏡面状のウェハが、プロセスのモニタ
用に用いられるダミーウェハである場合が多いことに着
目し、ウェハ側に簡単な工夫を凝らすことにより容易な
対策を考案した。それは、ダミーウェハ上に増反射膜を
形成することである。金、銀、アルミニウム等の高反射
率の金属の薄膜を成膜したもので良いが、金属薄膜の成
膜には蒸着等の高価なプロセスが必要となる。
【0051】ここで、薄膜干渉を利用した反射膜を利用
すれば、レジスト等の誘電体による安価な材料により、
塗布のプロセスで成膜した増反射膜を構成できる。図6
4に薄膜干渉の様子を断面図で示した。ダミーウェハ7
751上には、屈折率n2の材料で膜厚dの増反射膜7
752が形成されている。ここに波長λの照明光ビーム
7753が入射角θ1で入射した場合、増反射膜の表面
7754で反射した照明光ビーム7755と増反射膜の
裏面7756で反射した照明光ビーム7757との光路
差がλの正数倍になったとき、反射光が最大となる。具
体的には、試料外部の屈折率をn1(通常は空気なので
n1=1)とすると、図中のθ2は、θ2=arcsin((n1
/n2)sin(θ1))、光路差ΔLは、ΔL=2((n1/
n2)d/cos(θ2)ー2d・tan(θ2)・sin(θ1))とな
る。従ってこのΔLがλの正数倍となるように成膜すれ
ばよい。
【0052】例えば、照明波長λ=830nm、入射角
θ1=60°の場合、屈折率n2=1.46の酸化シリコン膜
で成膜する場合には、d=約350nmのときに反射が
最大となる。
【0053】ここでは、増反射膜を図7のような照明光
の表面多数回反射の反射率向上策として述べたが、増反
射膜には、異物等の欠陥からの検出される散乱光を直接
増加させるメリットを有する。それは、異物等の欠陥か
ら発生する散乱光を効率よく反射し、検出光学系に入射
する散乱光量を増加させるためである。(すなわち、照
明により異物等の欠陥から発生する散乱光が検出器側に
折り返される効果がある)しかも、この効果は、発生す
る散乱光に指向性のある照明波長より大きな寸法を有す
る異物等の欠陥では小さく(それは散乱光の指向性が照
射ビームに近く、増反射膜で強く反射される光線が、検
出系をそれていくためである)、逆に、従来検出が困難
だった、発生する散乱光に指向性の少ない、照明光波長
より小さな寸法を有する異物等の欠陥等の欠陥では大き
くなるという特徴を有する。このため、本発明によれ
ば、従来の検査装置であっても、増反射膜を形成したウ
ェハを異物等の欠陥検出用のダミーウェハとして用いれ
ば、より高い異物等の欠陥の検出感度が実現できる。
【0054】次に、第3の手段の作用について説明す
る。
【0055】本発明のごとく、光学的に異物等の欠陥を
明るく輝かせて(顕在化させて)検出する方式の検出器
として、CCDのような電荷蓄積型の素子を用いた場
合、異物等の欠陥から散乱光が発生しているにも関わら
ず、検出器から出力信号を得ることができないという問
題が発生する場合がある。これは、本発明のごとく、散
乱光検出により異物等の欠陥だけが点状に輝いて視野内
に存在し、その他の視野部分が暗くなる検出方式に限っ
て発生し、通常の明視野照明を用いる、すなわち暗い部
分と明るい部分とが混在する検出方式では問題とはなら
ない。その原因について以下に説明する。
【0056】図66は、CCDの動作状況を示してい
る。CCD510では、検出器に到達した光511は、
光電変換されて、CCD内部に形成されたMOS構造の
コンデンサ(以下、コンデンサ)に蓄積電荷512とし
て蓄積され、一定時間の後、転送ゲート513により出
力信号514として出力される。一定時間内に蓄積され
た蓄積電荷の量をA、信号出力として得られた電荷の量
をBとして、その比率B/Aを電荷転送効率と呼ぶ。電
荷転送効率は、通常の明視野照明を用いる、すなわち暗
い部分と明るい部分とが混在する検出方式では、ほぼ9
0〜100%の値を示すが、本発明のごとく散乱光検出
を行う技術では、電荷転送効率が0〜50%以下に低下
する場合がある。それを図66の模式図で説明する。
【0057】ここで、電荷は水滴に、コンデンサはバケ
ツに例えられている。本発明のごとく散乱光検出により
異物等の欠陥だけが点状に輝いて視野内に存在し、その
他の視野部分が暗くなる検出方式に限って発生する検出
方式では、大部分の期間バケツに水滴(電荷)が存在す
ることはなく、バケツは乾いている。このため、たまに
異物等の欠陥からのわずかな水滴がやってきてもバケツ
を濡らすのみでバケツから出力されることはない。(正
確には、長い時間かかってわずかづつ出力される)この
現象は、MOS構造コンデンサの界面トラップと呼ばれ
る。一方、通常の明視野照明を用いる、すなわち暗い部
分と明るい部分とが混在する通常の検出画像による方式
では、常時バケツが濡れているいるために、わずかな入
力も出力される。
【0058】検出素子の性能が現在より劣り、転送効率
が低い時代には、特公昭52−4436号公報に示され
る光バイアス法が転送効率向上のために考案された。こ
れは検出素子の性能が向上した現在では、不要な方式で
ある。しかし、通常の画像ではない本発明のごとき散乱
光検出画像と組み合わせることにより、基板上の微小な
異物等の欠陥の検出S/Nを改善し、検出感度を向上さ
せる新たな効果を奏する。
【0059】具体的には、図67に示すごとく、CCD
510の近傍に光源を設け、意識的に迷光を光によるオ
フセット(光バイアス)として与えることにより、常時
バケツを濡らし、出力を得る方式である。この場合、バ
ケツを濡らす量はわずかで十分効果があり、具体的には
CCDの飽和光量の1/100程度でも大きな効果があ
る。従って、光源には、寿命や価格を勘案してLEDを
用いている。もちろん光量はわずかで良いのだから、そ
の他の光源でもかまわない。
【0060】図68に、本発明者による、散乱光検出と
光オフセットの組み合わせによる、微小な異物等の欠陥
の検出信号の向上の効果を示した、グラフの縦軸は電荷
転送効率(B/A)を、横軸は、転送前の蓄積電荷Aに
よる出力電圧換算値Eを示しており、このCCDの飽和
電圧は約2Vである。光オフセットがない場合には、E
が低いほど電荷転送効率が激しく低下し、E=50mV
でほぼ出力が得られなくなる。これに対し、約20mV
の光オフセットを与えた場合、電荷転送効率の低下は緩
やかであり、70%以上の効率が得られているのがわか
る。
【0061】このように、本発明では、散乱光検出と光
オフセットの組み合わせにより、微小な異物等の欠陥の
検出信号を向上させる特徴を有する。
【0062】次に、本発明による第4の手段の作用につ
いて説明する。
【0063】特開平06−194320号公報による
と、微小な異物等の欠陥の検出に関しては、以下に述べ
る光量子ゆらぎによる検出率低下の問題を生ずる。図6
5に光量子ゆらぎによる検出率低下の様子を示す。図6
5(A)のごとく照明光の強度が十分強く、それにとも
ない異物等の欠陥(粒子)から発生する散乱光が十分強
く、検出器に到達する光(検出光)の量が十分な場合に
は、ある一つの異物等の欠陥を考えた場合、その信号は
安定してしきい値を越えて検出され、光ノイズに対して
S/Nが2程度であれば、十分な余裕を持ったしきい値
を設定して、異物等の欠陥からの信号を検出することが
できる。ところが、照明の強度が弱くなり、検出光が微
弱になり(図78の(B)〜(C))、検出フォトン数
が、数十個になると、ある一つの異物等の欠陥からの検
出光量のフォトン数がポアソン分布で知られるゆらぎを
持つようになる。この結果、ノイズと検出信号との間に
しきい値を設定できなくなり、ノイズを誤検出しない十
分な値にしきい値を設定すると、しきい値を越えない、
すなわち検出されない異物等の欠陥からの信号が増加
し、検出率が低下する。このため、特開平06−194
320号公報では、十分な光量で照明することを提案し
ている。
【0064】しかし、上記ゆらぎはポアソン分布で表現
されることがわかっているのであるから、異物等の欠陥
からの検出フォトン数を、予め測定しておけば、設定し
たしきい値に対しての検出率も知ることができる。従っ
て、本発明では、しきい値を越えて検出された異物等の
欠陥信号個数を上記検出率で除することにより、被検査
試料上に付着している異物等の欠陥の個数を知る。この
方式によれば、十分な光量のない光源(従って、安価な
光源)でも異物等の欠陥個数を知ることができる特徴を
有する。特に、鏡面状のウェハなどはプロセスのモニタ
用として、異物等の個数を測定することを目的として使
用されることが多く、このような検査方式でも十分使用
する事ができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図1乃至図68に
より説明する。図1、は本発明方法を実施するための欠
陥検査装置の一実施例を示す全体概略図である。
【0066】図1において、1は標準試料111及び被
検体を検査する検査ステージ部である。この検査ステー
ジ部1は、標準試料111及び被検体としてのレチクル
6を、固定手段18により上面に固定し、かつZ方向に
移動可能なZステージ10と、Zステージ10を介して
レチクル6をX方向へ移動させるXステージ11と、同
じくレチクルをY方向へ移動させるYステージ12とを
有している。標準試料111は後述するが、異物等の欠
陥を検出するに際し、レチクル6の前に検査して信号処
理系5で補正値を得るため、レチクル6の前に検査され
るものであり、レチクル6はペリクル7を有しており、
その基板が例えば64MDRAMの原盤をなすものであ
る。
【0067】これら、Zステージ10,Xステージ1
1,Yステージ12の各ステージはステージ駆動系13
によって選択的に駆動され、またレチクル6のZ方向位
置が、焦点位置検出用の制御系14によって検出され
る。焦点位置検出用の制御系14は、エアーマイクロメ
ータを用いるもの、或いはレーザ干渉法で位置を検出す
るもの、さらには縞パターンを投影し、そのコントラス
トを検出する構成のものの何れでもよい。そして、前記
各ステージ10〜12は、レチクル6の検査中常に必要
な精度で焦点合せ可能に制御される。なお、X方向,Y
方向,Z方向は図1に示すように座標X,Y,Zに対応
している。
【0068】Xステージ11およびYステージ12は図
2に示す如く走査され、その走査速度は任意に設定する
ことができる。例えば、Xステージ11を、約0.2秒
の等加速時間と、4.0秒の等速運動と、0.2秒の等
減速時間とに設定し、約0.2秒の停止時間を1/2周
期で最高速度約25mm/秒、振幅105mmの周期運
動をするように形成し、Yステージ12を、Xステージ
11の等加速時間および等減速時間に同期してレチクル
6を0.5mmずつステップ状にY方向に移送するよう
に構成すれば、1回の検査時間中に200回移送する場
合、約960秒で100mm移送することが可能とな
り、100mm四方の領域を約960秒で走査すること
ができる。
【0069】2は第1の表面側照明系、20は第2の表
面側照明系である。第1,第二の表面側照明系の夫々は
互いに独立していて、かつ同一の構成要素からなってお
り、大別すると図1に示すように、レーザ光源21,2
01と、集光レンズ22,202と、シャッタ23,2
03とを有している。
【0070】レーザ光源21,201の波長は、例えば
780nmである。集光レンズ22,202は、レーザ
光源21,201より射出された光束を夫々集光してレ
チクル6の回路パターン面を照明する。この場合、回路
パターンに対する入射角iは、後述する検出光学系4の
対物レンズ41を避けるため約30°より大きくし、ま
た、被検体としてペリクル7を装着したレチクル6を用
いたときには、ペリクル7を避けるためにほぼ80°よ
り小さくしなければならないことから、おおよそ30°
<i<80°にされる。シャッタ23,203は、前記
照明系2,20からの光ビームを透過/遮光する。これ
ら各シャッタ23,203は、必要に応じて独立して動
作する。
【0071】前記第1の表面側照明系2及び第2の表面
側照明系20の詳細な構成例を、図3を用いて述べる。
図3には第1の表面側照明系2しか図示していないが、
第2の表面側照明系20は反対向きの配置構成となる。
図3において、レーザ光源21の出力側には、凹レンズ
223,シリンドリカルレンズ224,コリメータレン
ズ225,集光レンズ226,シャッタ23が順次配設
され、これら223〜226により図1に示す集光レン
ズ22を構成している。
【0072】レーザ光源21,201は、図3に示す
X’方向に電界ベクトルを持つ直線偏光(この状態をS
偏光と呼ぶ)を有するように配置される。S偏光にする
のは、例えば、入射角iが約60°の場合、ガラス基板
上における反射率が、P偏光(Y’方向に電界ベクトル
を持つ直線偏光)の場合より約5倍程度高い(例えば、
久保田 広著、「応用光学(岩波全書)第144頁」)
からで、より小さい異物まで検出することが可能になる
ためである。その理由として、本発明者による実験結果
によれば、P偏光照明よりもS偏光照明の場合、異物と
回路パターンの弁別比を大きくできるためである。
【0073】実施例では、レチクル6上に存在する異物
を回路パターンと区別して検出するため、後述する検出
光学系4のフーリエ変換面に設置した空間フィルタ44
を用いる。この場合、平行光で照明を行なえば、パター
ンから発生する回折光の広がりを小さくすることがで
き、弁別比を大きくすることが可能になる。そして、照
明を集光光で行ない、照明光の照度を高めれば、検出器
で受光される光の出力レベルを大きくすることができ、
S/Nを良くすることができる。
【0074】しかし、第1,第2の表面側照明系2,2
0の照度を高めるため、たとえば集光系の開口数(N
A)を約0.1にし、レーザビームを約10μmまで絞
り込んだ場合、この絞り込みにより焦点深度は約30μ
mと短くなり、図3に示すように、検査視野15の全域
S(例えば500μm)に焦点を合わせることができな
くなるおそれがある。
【0075】そこで、本実施例においては、この対策と
して、シリンドリカルレンズ224を、図3に示すX’
軸回りに傾動可能に取付け(図3はすでに傾動した状態
を示す)、該シリンドルカルレンズ224を、図示しな
い手段で形動させることにより、検査視野15の全域S
に、焦点を確実に合わせることができるようにしてい
る。例えば、入射角iが60°でも、検査視野15の全
域Sに焦点を合わせることが可能になっており、後述す
る信号処理系5の検出器51に一次元固体撮像素子とし
てのCCDを使用した場合、検査視野15の検査領域が
検出器51と同様に直線状になっても、該直線状の検査
領域を高い照度でかつ均一な分布で照明をすることが可
能になる。さらに、シリンドリカルレンズ224を図3
に示すX’軸周りに加えて、Y’軸回りにも傾動可能に
取付け、図示しない手段でその軸周りに傾動させると、
例えば、入射角iが60°で任意の方向から射出した場
合でも、検査視野15の全域S上を高い照度で、かつ均
一な分布の直線状の照明をすることができるようにして
いる。
【0076】前記シャッタ23,203は、前述の如く
レーザ光源21からの光を必要に応じて遮光するもので
あるが、その理由は以下の通りである。即ち、図53
は、図1におけるペリクル7を有するレチクル6と、第
1の表面側照明系2による斜方照明光2Aと、第2の表
面側照明系20による斜方照明光20Aと、検査視野
(即ち、照明位置)15との関係を示している。
【0077】例えば、図53(B)に示すように、レチ
クル6の検査位置15を第1,第2の表面側照明傾2,
20の双方で照明し、その状態から検査の進行に伴い、
Yステージ12によってレチクル6がY軸正方向へ送ら
れて行くと、やがて図53(A)に示す位置形態とな
り、第2の表面側照明系20からの斜方照明光20A
は、レチクル6に設けられたペリクル7の保持枠7Aに
よってけられるようになる。また逆に、図53(B)の
状態よりレチクル6がY軸負方向へ送られている場合に
は、図53(C)に示すように、第1の表面側照明系2
による斜方照明光2Aが保持枠7Aによってけられるよ
うになる。これ等の状態では、検査視野15を照明する
光量はけられによって減少し、しかもその減少量は、け
られ量の変化によって刻々と変化し、安定な照明が行わ
れなくなる。しかも、けられた光の一部は、迷光とな
り、検出に悪影響を及ぼす。
【0078】このため、けられが起こる以前に、シャッ
タ203(或いはシャッタ23)により、けられる側の
照明系を遮光する必要がある。従って、第1の表面側照
明系2または第2の表面側照明系20によって照明され
る領域は、斜方照明の角度と、ペリクル保持枠7Aとの
位置関係で定まることとなり、その角度と位置関係との
関係に基づいた照明領域の例を図54に示す。
【0079】図54は、ペリクル保持枠7Aが大きさ1
02mm×102mm、高さ6.3mm、照明光の光軸
とレチクル6の回路パターン面とのなす角度が30度の
場合であり、検査視野15が保持枠7Aの中央側となる
照明領域31では図53(B)の如く、第1,第2の表
面側照明系2,20の双方によって照明し、検査視野1
5が保持枠7Aにおいて前記照明領域31より右側とな
る照明領域32では図53(A)の如く、第1の表面側
照明系2のみによって照明し、逆に検査視野15が前記
照明領域31より左側となる照明領域33では図53
(C)の如く、第2の表面側照明系20のみによって照
明するようにしている。その場合、被検体として例えば
64MDRAMチップの場合には、その概略のエリア6
Aが、双方の照明系2,20によって照明された照明領
域31を安定して検出することが可能となる。
【0080】そのため、シャッタ23,203は、レチ
クル6の移動する位置に応じ第1,第2の表面側照明系
2,20の双方が照明したり、また何れか一方の表面側
照明系を遮光すると共に、他方のみの照明光を透過させ
るよう選択的に切り換え動作するように構成されてい
る。
【0081】或いは、被検体の種類等により、被検体の
中央側の照明領域が第1,第2の表面側照明系2,20
の双方によって照明しなくとも、十分なS/Nを確保し
得る場合には、図55に示すように、保護枠7A内を左
右二つの領域34,35に分け、左領域35が、第2の
表面側照明系20からの照明光20Aによって照明さ
れ、右領域34が、第1の表面側照明系2からの照明光
2Aによって照明されるようにしてもよい。従って、こ
の場合、シャッタ23,203はレチクル6の移動位置
に応じ、第1,第2の表面側照明系2,20による照射
光の何れか一方を選択的に遮光させると共に、他方を透
過するように互いに切り換え動作するように構成されて
いる。
【0082】また、シャッタ23,203は、以下の機
能も果たす。表面側照明系2,20からの照明光がレチ
クル6にあたって反射した場合、該反射した照明光が光
路を逆にたどり、光源へ逆流する。ここで、光源である
表面側照明系2,20は、実施例のような半導体レーザ
21・201やアルゴンイオンレーザの場合、光出力を
内部の受光素子で受光してフィードバック制御をかけ、
光出力の安定化を図っているので、逆流した照明光によ
り受光素子への入射光量に誤差が生じ、正確なフィード
バック制御が行われなくなる。その際、検査開始前の段
階で、シャッタ23,203を閉じた状態でフィードバ
ックを行い、そのフィードバック量(一般に、光源へ供
給する電流量)を検査中の間に保持することにより、逆
流光の影響を除去するようにしている。
【0083】図1に戻って説明すると、前記検出光学系
4は、レチクル6の回路パターン面に相対する対物レン
ズ41と、該対物レンズ41の結像位置付近に配置され
た視域レンズ(以下、フィールドレンズと云う)43
と、直線状の空間フィルタ44と、結像レンズ45とを
有し、レチクル6上の検査視野15を信号処理系5の検
出器51に結像し得るように構成されている。
【0084】フィールドレンズ43は、対物レンズ41
の上方の焦点位置46を空間フィルタ44上に結像する
ものである。空間フィルタ44は、レチクル6の検査視
野15に対するフーリェ変換位置に設けられた帯状の遮
光部(図中、黒い部分)と、その外部に配置された透過
部とを有して形成され、レチクル6の回路パターンの検
査視野15が照明されたとき、前記遮光部により回路パ
ターンにおいて照射方向と直交する角度の回路パターン
から発生する一次以上の回折光を遮光する一方、前記透
過部により回路パターンに付着した異物から発生する散
乱光、或いは回路パターンの欠陥部分等から発生する散
乱光を透過するようにしている。また空間フィルタ44
は、異物の付着していない部分から発生する散乱光のフ
ーリェ変換像に合わせて書換え可能、もしくは交換可能
とし、例えば空間光変調素子からなっていて、かつ光学
的に光路長の十分短い(薄い)部品で構成されていても
よい。
【0085】従って、検出光学系4の対物レンズ41に
入射した光は、フィールドレンズ43,空間フィルタ4
4,結像レンズ45を経ることにより検出器51上に結
像される。
【0086】また、光オフセットのために検出器51の
近傍に配置される光源として、寿命や価格を勘案してL
EDからなる光源61を用い、該光源61を電源62に
て点灯するようにしている。この場合、光源61として
の光量は勿論わずかで良いのだから、その他の光源でも
かまわない。
【0087】次に空間フィルタ44の役割についてさら
に説明する。
【0088】図56において、70は固定手段18によ
りZステージ10上に固定されたレチクル6上の異物等
の欠陥、81は回路パターン80の一方の側端面の直線
部分、82は回路パターン80のコーナー部である。
【0089】レチクル6を表面側照明系2(または2
0)で斜方より照明し、直接反射光は集光せず、発生す
る散乱光及び回折光のみを対物レンズ41で集光すれ
ば、図57に示すレチクル6上の回路パターン80と照
明系2(または20)のレチクル6の面上への投影像6
0との位置関係で定義される角度θは、0゜となるとき
の角度パターン(以下0゜パターンという)の回折光の
みが、対物レンズ41のフーリエ変換面上で図58
(a)に示すように帯状に表れる。ここで前記回路パタ
ーン80の角度θの種類は、0゜,45゜,90゜の角
度パターンに限られていて、図56に示すように45゜
および90゜のパターンからの回折光(b),(c)は、
対物レンズ41の瞳に入射しないため、検出に影響を及
ぼさない。なお、図68(a),(d),(e)は、図
56に示す夫々の回折光(a),(d),(e)に対応
させている。
【0090】一方、異物等の欠陥70からの散乱光は、
図68(e)に示すようにフーリエ変換面上に広がる。
このため、フーリエ変換面上に帯状の遮光部と、その外
部に透過部とを有する空間フィルタ44を配置し、図5
6に示す0゜パターンからの回折光(a)を遮光するこ
とにより,異物等の欠陥70を回路パターン80と弁別
して検出できる。また、フーリエ変換面は、ここで示す
ように、対物レンズの後方に出来るだけでなく、対物レ
ンズの入射瞳面にも出来るので、対物レンズの直前に空
間フィルタを配置することもできる。この場合、レンズ
系を経ていないので検出光の波長による収差が無く、す
べての波長のフーリエ変換面が同一平面となる利点もあ
る。また、この場合、空間フィルタの遮光部分に相当す
る位置を避けて単体の検出レンズまたは複数の検出レン
ズを配置するものでも良い。
【0091】また、ここでフーリエ変換面上で直接検出
しないのは、後で述べるように、フーリエ変換像をさら
に逆フーリエ変換した像面上で検査視野を小さくして検
出した方が高感度な検出が可能となるためである。しか
し、逆フーリエ変換は数学的な演算であるため、フーリ
エ変換面上でフーリエ変換像の振幅と位相差量を直接検
出し、計算機で逆フーリエ演算を行って検出しても良
い。またこの場合、計算機処理によるため、空間フィル
タリングの自由度が増すメリットもある。
【0092】但し、回路パターンコーナー部分(図56
(D)に示す)からの散乱光は、直線状の空間フィルタ
では十分に遮光しきれない。このため従来のような10
×20μmの検出画素で検出を行った場合(図56
(A)に示す)、画素中に複数のパターンコーナー部分
からの散乱光が入射してしまい、異物等の欠陥だけを検
出することができなくなる。
【0093】そこで実施例では、検出器51の画素を例
えば2μm×2μmにまで高分解能化し(図56(C)
に示す)、回路パターンからの影響を極力排除、大きさ
0.5μm以下の異物等の欠陥の検出を可能とした。ま
たここで、検出器51の画素を2μm×2μmと設定し
たが、この理由は以下に述べるものであり、必ずしも2
μm×2μmである必要はない。この場合画素寸法は、
レチクル上の最もパターン寸法Lよりも小さければ良
い。即ち、0.8μmプロセスLSIを縮小率1/5の
ステッパで露光する場合のレチクルでは、おおむね、
0.8μm×5=4μm、0.5μmプロセスLSIでは
おおむね0.5μm×5=2.5μmよりも小さい画素で
検出すれば良い。
【0094】また、実際には、画素寸法がパターンコー
ナーからの影響を十分に小さくできる値であれば、さら
に大きくても、小さくても良い。具体的には、検査対象
となるレチクル上の最小パターン寸法程度が望ましい。
この最小パターン寸法程度の大きさであれば、検出器の
1画素に2個以下のコーナーのみが入ることになり、異
物等の欠陥を十分検出できることが実験によって確認さ
れている。すなわち、最小寸法が1.5μm程度の64
MDRAM〜256MDRAM用レチクルでは、1〜2
μm程度の画素寸法が望ましい。
【0095】上記内容を図59を用いて再度説明する。
図59(A)に示す回路パターン80の交差部分にでき
るコーナー部82は、該コーナー部82を微視的に見た
同図(B)に示すように、連続的な角度のコーナー82
0で構成されているため、コーナー部82からの回折光
(D)もフーリエ変換面上で広がる傾向があり、空間フ
ィルタ44、により完全に遮光することができず図58
(d)に示すようになる。このため、検出器の一画素に
複数のコーナー部82からの回折光が入射すると、検出
器51出力が増大して、異物等の欠陥70と弁別して検
出ができなくなる。
【0096】この不具合の対策として実施例では、レチ
クル6上の検査視野15を対物レンズ41,結像レンズ
45等を介して検出器51に結像するように構成し、検
出器51の寸法と結像倍率を選択することにより、レチ
クル6面上における検査視野15を任意の寸法(例えば
2μm×2μm2)に設定し、簡易な検出光学系4であ
りながら複数のコーナー部82からの回折光が検出器5
1の一画素に同時に入射しないようにしている。
【0097】もし、以上とは別に、遮光膜のパターニン
グがされていない透明(半透明)基板の検査を行う場合
は、回路パターンからの回折光は存在しないので、空間
フィルタ44は無くても良い。なお、空間フィルタ44
の無い場合、検査時のステージ走査はX−Y走査方式だ
けでなく、回転走査方式を用いても良い。
【0098】従って、空間フィルタ44は、必要に応じ
て切り換えられるように構成するのが望ましい。また、
単に空間フィルタ44の抜き差しだけでなく、直線状空
間フィルタの幅を変化させた物など、複数の空間フィル
タを切り換えられるように構成すると良い。
【0099】これについてもう少し詳細に説明すると、
異物等の欠陥などの不規則な形状の物体の付着した被検
体に対して、レーザー光等のコヒーレント光で斜方から
照明を行うと、発生する散乱光は、一般的にあらゆる方
向へ発散するか、またはそれに近い状態になる。
【0100】一方、半導体の回路パターンなどの規則的
な形状のパターンが形成された被検体に対して、レーザ
ー光等のコヒーレント光で斜方から照明を行うと、発生
する散乱光は、回折により特定の方向へ集光する。図6
0は、発生する散乱光パターンを被検体の上方から観察
した様子を示す。それぞれの写真は、散乱光の発生点か
ら30°の立体角の範囲を写し、図中の白い部分が散乱
光である。
【0101】ここで、図60(A)は、被検体上の回路
パターンが直線状の回路パターンだけの場合の散乱光パ
ターン71である。この場合、散乱光パターンは、直線
状に集光する。このため、この直線状部分を遮光する幅
WAの直線状空間フィルタ44Aにより回路パターンか
らの散乱光は遮光でき、遮光部分以外の部分から異物等
の欠陥からの発散した散乱光を集光でき、結果として回
路パターンと異物等の欠陥を区別して検出することがで
きる。
【0102】図60(B)は、被検体上の回路パターン
がコーナー部を有し、かつ規則的な回路パターンが一定
のピッチで整列している回路パターンからの散乱光パタ
ーン72である。この場合、散乱光パターンは、直線状
には集光せず、分布する。しかし、その散乱光の大部分
は、中心付近に直線状に集光している。このため、この
直線状部分を遮光する、先の幅WAの直線状空間フィル
タ44Aよりも広い幅WBの直線状空間フィルタ44B
によりの回路パターンからの大部分の散乱光は遮光で
き、遮光部分以外の部分から異物等の欠陥からの発散し
た散乱光を集光でき、結果として回路パターンと異物等
の欠陥を区別して検出することができる。
【0103】図60(C)は、図60(B)とは別の被
検体上の回路パターンがコーナー部を有し、かつ規則的
な回路パターンが一定のピッチで整列している回路パタ
ーンからの散乱光パターン73である。この場合、中心
付近の直線状の集光は、図60(B)の場合より幅が広
いため、この直線状部分を遮光する、先の幅WBの直線
状空間フィルタ44Bよりも広い幅WCの直線状空間フ
ィルタ44Cにより、回路パターンからの大部分の散乱
光は遮光でき、遮光部分以外の部分から異物等の欠陥か
らの発散した散乱光を集光でき、結果として回路パター
ンと異物等の欠陥を区別して検出することができる。
【0104】以上のように、直線状空間フィルタ44の
幅を広くすれば、対応できる回路パターンの種類は増え
る。しかし、直線状空間フィルタ44の幅は、狭いほど
異物等の欠陥からの散乱光が通過する部分が広くなり検
出が安定になるため、直線状空間フィルタの幅を、必要
最低限の幅に抑えることが望ましい。
【0105】このため、図1に示す実施例では図示して
いないが、複数の幅の直線状空間フィルタを選択的に切
り換える機構を有している。切り換える直線状空間フィ
ルタの幅は連続的に変化する必要はなく、離散的に数種
類、最低2〜3種類でも効果のあることが発明者らによ
る実験で確認されている。
【0106】また、図60(D)は、図60(B)或い
は図60(C)とは別の被検体上の回路パターンがコー
ナー部を有し、かつ規則的な回路パターンが一定のピッ
チで整列している回路パターンからの散乱光パターン7
4である。この場合、回路パターンからの散乱光が離散
的に集光してしまい、直線状空間フィルタ44では遮光
が不十分となる。この場合は、偏光フィルタの利用が効
果的であることが特開昭54−101390号公報など
に記載されている。これは、直線状に偏光したレーザに
よる照明で発生する、回路パターンからの回折光と異物
からの散乱光では、光の偏光方向が異なることを利用
し、異物からの散乱光のうち、回路パターンと同じ成分
を偏光フィルタにより遮光して、異物だけを輝かせて検
出するものである。この検出方法では、検出光の波長以
下に微小な異物では、偏光方向の違いが微小なため、偏
光フィルタにより大部分の散乱光が遮光されてしまい、
非常にS/Nを悪化させるため、主たる検出方式として
使用するのは不適当であるが、前述のごとく、直線空間
フィルタで遮光することが困難な回路パターンを有する
被検体に対して補助的に、前述の直線状空間フィルタと
切りかえて用いることは効果的である。
【0107】また、図60(B)或いは図60(C)の
ように、回路パターンからの回折光が、中心付近の直線
状の集光と、それ以外の場所への離散的な分布になって
いる場合には、図60(B)或いは図60(C)のごと
き直線状空間フィルタとその光透過部分には、偏光フィ
ルタを配置したハイブリット型のフィルタでも良い。
【0108】従って、実施例においては、空間フィルタ
44として、被検体上の回路パターンのごとき構造物か
ら発生する回折光の状況に合わせるようにするため、数
種類の直線状空間フィルタと、偏光フィルタまたは直線
状空間フィルタ付の偏光フィルタを切りかえて最適なフ
ィルタにより効率良く異物等の欠陥を検出するようにし
ている。
【0109】即ち、空間フィルタ44は図1では詳細に
図示していないが、図61に示すように、通常の直線状
空間フィルタ44Aと、直線状空間フィルタと偏光板を
組み合わせて空間フィルタ検出と偏光検出を同時に行い
回路パターン散乱光の除去能力を高めたフィルタ44
D′と、直線状空間フィルタの幅を増して回路パターン
散乱光の除去能力を高めたフィルタ44Cと、遮光部分
無しのフィルタ44Eとを有し、これら各フィルタが図
62に示すように、駆動手段44Fに直線上に配置され
て取付けられ、駆動手段44Fの駆動によって必要なフ
ィルタが選択的に切り換えられる構成にしている。なお
図65において、信号処理系5及び光学的反射手段8は
省略してある。
【0110】以上のレチクルの如く、工程毎に回路パタ
ーンの形成状況と要求される検出感度とが変化する検査
対象では、その要求検出感度を工程毎に変化させた装置
仕様が考えられので、空間フィルタ44を、その仕様に
応じ適宜に組合せかつ選定するように構成すればよい。
【0111】再び図1に戻り、検出器51は、前述した
ようにCCD(電荷結合形の光電変換素子)510から
なる一次元固定撮像素子にて構成され、Xステージ10
を走査したとき、検出光学系4により検査視野15を結
像した状態で受光することにより、レチクル6上からの
信号を検出する。この場合、レチクル6上の異物等の欠
陥が検査視野15に存在するとき、入力信号レベル及び
光強度が大きくなるため、それに伴い検出器51自体の
信号処理系5への出力も大きくなるようにしている。
【0112】前記信号処理系5は、前述した検出器51
と、2値化回路52と、マイクロコンピュータ54と、
表示手段55とを有し、Xステージ10を走査したと
き、レチクル6における回路パターンの検査位置での検
出信号が入力されることにより、回路パターン上の異物
等の欠陥を検出し、その検出した異物等の欠陥の座標や
検出出力等の情報をメモリに記憶するとともに、表示手
段55に示す動作を行う。
【0113】マイクロコンピュータ54は、前述のごと
く検出された結果を格納するメモリを有し、Xステージ
10およびYステージ11の位置情報、単素子ではない
検出器51の場合にその素子中の画素位置から計算され
る欠陥の位置情報および検出器51の検出出力値を欠陥
データとして記憶し、その結果を表示手段55に出力す
るように形成される。また装置各部の機構の制御および
作業者とのインターフェイスも行う。
【0114】また、マイクロコンピュータ54による検
査結果は表示手段55により表示されるだけでなく、該
結果に基づいて検査位置を観察手段等に呼び出して作業
者が確認し得るようにしても良い。
【0115】またマイクロコンピュータ54は、検出個
数の処理に関して、ポアソン分布で表現される検出確率
で除することにより、被検査試料上に付着している異物
等の欠陥の個数を予測することもできる。
【0116】なお、前記の如く検出器51に一次元固体
撮像素子を用いれば、分解能を維持したまま検査視野を
広くすることができる利点を有するが、これに限定され
ることなく2次元のもの、或いは、単素子のものでも使
用可能である。
【0117】さらに、本発明においては、レチクル6に
対し、表面側照明系2,20によって表面側を照明する
にみならず、その背面側を斜め下方から照明する光学的
反射手段8を有している。
【0118】即ち、前記光学的反射手段8は、図1に示
すレチクル6が、照明光を透過する材料で形成されてい
る場合、前記光学的反射手段8は、レチクル6を透過し
た照明光を受光し、その受光した光をレチクルの検査視
野15に向かって反射させるように構成されている。
【0119】さらに具体的に述べると、レチクル6が光
の透過材料で形成されている場合の光学的反射手段8と
しては、図1に示すように、レーザ光源2,20の夫々
と対向するよう、レチクル6及びZステージ10,Yス
テージ11,Xステージ12の後方位置に配置され、レ
ーザ光源2,20によってレチクル6の検査視野15を
照明したとき、該レチクル6上の回路パターンを除く部
分を透過した照明光を反射させ、該反射光をレチクル6
上の検査視野15に折り返すように構成されている。そ
のため、レーザ光源2からの照明光がこれと対向する一
方の光学的反射手段8に、かつレーザ光源20からの照
明光がこれと対向する他方の光学的反射手段に夫々入射
すると共に、各光学的反射手段によってレチクル6を後
方から照明し得るよう、Z,Y,Xの各ステージ10,
11,12の中央部に照明通過孔9が設けられている。
【0120】前記の如く、レチクル6の透過光を反射さ
せる光学的反射手段8としては、レーザ光源2,20か
らの照明光を単に反射させ、平面鏡からなる反射ミラー
8aと、レーザ光源2,20からの照明光を検査視野1
5に対し集光し得るように反射させ、凹面鏡からなる反
射ミラー8cと、後述する位相共役鏡81を有する位相
共役鏡システムとの何れか一方で構成されている。
【0121】また、前記光学的反射手段8は、レチクル
6の代わりとして、照明光を透過しない材料により被検
体6′が形成されている場合、一方のレーザ光源によっ
て被検体6′の検査視野が照明されたとき、該被検体
6′によって反射した光を受光し、その反射光を再び被
検体6′の検査視野に向かって折り返すように構成され
ている。そのため、光学的反射手段8は、レーザ光源
2,20からの照明光が被検体6′によって反射したと
き、その反射光を被検体6′に向かって反射し得るよ
う、図9に示すように平面鏡からなる反射ミラー8a
と、図10に示すように複数個の反射ミラー8bとの何
れかで構成されてる。この場合、反射ミラーとして図
9,図10に示す如く平面鏡で構成した場合、平面鏡に
よって反射すると、その反射した光束が図11に示すよ
うに拡がってしまい、レクチル6′上に集光させること
ができなくなるおそれがある。このような場合には、図
12に示すような凹面鏡からなる反射ミラー8cと、図
15に示すような位相共役鏡81を有する位相共役鏡シ
ステムとの何れか一方で構成することが好ましい。なお
図9〜図12において、符号200は、表面側照明系2
と20との何れか、若しくは両方を表し、符号1102
は集光光学系である。
【0122】このうち、位相共役鏡システムの位相共役
鏡81は、レーザ光源2,20によってレチクル6の検
査視野15が照明されたとき、該レチクル6上の回路パ
ターンを除く部分を透過した光が各位相共役鏡81に入
射すると、各位相共役鏡81がその入射光を、該入射光
の経路と同様の経路をたどるように反射させるものであ
る。即ち、前記位相共役鏡81は、通常の鏡が発散光の
入射によって該発散光を反射するのに対し、図13,図
14に示すように、入射光Aが入射した光路を逆にたど
る光Bを発生する(反射する)光学素子のことである。
従って、発散ビームAが入射すると、その発散ビームの
発生点へ向かって集光するビームBをほぼ全体的に反射
し、その際、入射光Aの光路がどんなに複雑なものであ
っても、その反射光Bが正確に遡るのである。このこと
は、レーザ発振による光源の場合、発振器の共振状態を
乱したり、発振器に余計な熱負荷を与えるデメリットを
もたらす場合があるが、この場合には、偏光素子と1/
4波長板による、一般に光アイソレータと呼ばれる機構
を設ければよい。
【0123】位相共役鏡81としては、種々の動作方式
のものが知られているが、そのなかでも、フォトリフラ
クティブ結晶材料を用いた自己励起形位相共役鏡と云わ
れるものが、異物等の欠陥の検出に適用しやすい。自己
励起形位相共役効果を示すフォトリフラクティブ結晶材
料としては、BaTiO3,LiNbO3、BiSiO
20などの酸化物誘電体であり、特にCeをドープした
BaTiO3は性能が高いことが知られている。
【0124】また、前記各位相共役鏡81の夫々には図
16に示すように、温度センサ82が設けられれると共
に、ヒータ83が設けられている。温度センサ82の出
力部がコントローラ84に接続され、コントローラ84
の指令によりヒータ電源85を介しヒータ83が加熱す
るように構成されている。コントローラ84は、温度セ
ンサ82により位相共役鏡81が機能しなくなるような
低温以下になったことを検出すると、ヒータ電源85に
よってヒータ83を加熱させ、該ヒータの加熱により位
相共役鏡81が正常に機能する所定の温度に保つように
している。
【0125】これは、位相共役鏡81として、結晶を用
いた自己励起形位相共役鏡の場合には、温度変化によっ
て結晶の相転移が起こると、内部結晶による全反射が起
こらなくなることがあり、相転移の原因となる温度の変
化を防止し、これによって、周囲温度の変化に拘ること
なく位相共役鏡が常に正常に機能し得るようにしてい
る。従って、光学的反射手段としての位相共役鏡システ
ム8は、図16に示すように位相共役鏡81を有する
他、温度センサ82と、ヒータ83と、コントローラ8
4と、ヒータ電源85とからなる温度制御部を有して構
成されている。
【0126】また、位相共役鏡システムは、図17に示
すように、ヒータ83,ヒータ電源85の他、位相共役
鏡81を冷却するために冷却素子86及びその電源87
を有し、コントローラ84の指令により電源87を介し
冷却素子86を動作させ、該冷却素子86により位相共
役鏡81を冷却することにより、位相共役鏡81が過熱
され過ぎることがないようにもしている。従って、この
場合の位相共役鏡システムは、位相共役鏡81を有する
他、温度センサ82と、ヒータ83及びその電源85
と、冷却素子86及びその電源87とからなる温度制御
部を有して構成され、その構成をもつものが図1にて図
示されている。
【0127】実施例の欠陥検査装置は、上記の如き構成
よりなるので、次にその作用に関連して本発明方法の一
実施例について述べる。
【0128】まず、被検体として光を透過しない材料
6′で形成されている場合について述べる。
【0129】例えば、図4及び図5に示す従来技術で
は、レチクル6上の異物等の欠陥を検出する場合、第1
の表面側照明系2,20によりレチクル6の上部斜方向
から照明を行い、そのときの照明によって異物等の欠陥
から発生する散乱光を検出していた。なお、図4及び図
5において、図1と同一符号は、夫々同じものを表して
いる。
【0130】このとき、図6(A)に示すように、異物
として十分に大きな球形の粒子aに光bを照射した場
合、粒子aに当たった光束波の殆どが、粒子aによって
反射するか、粒子aに吸収されることとなる。粒子に照
射された光束のパワーに対し反射(散乱)する光束のパ
ワーの比に粒子の断面積を乗じた値を散乱断面積と云う
が、上述の如き大きな粒子aの散乱断面積は、実際の粒
子の大きさとほぼ同じである。これは、粒子aに照射さ
れた光束の殆どが種々の方向の散乱に使用されてしまう
ことを意味する。
【0131】これに対し、図6(B)に示すように球形
の小さい粒子cの場合、散乱断面積は、粒子dの直径の
6乗に比例して小さくなる。即ち、粒子cの直径の6乗
に反比例する。この結果、散乱する光束dは小さくな
り、粒子cに照射される光束は、殆ど該粒子cに消費さ
れることなく直進することを意味する。即ち、微粒子を
照明すると、その光は消費されず直進することとなる。
【0132】実施例では、図9に示す如く、表面側照明
系200によって被検体6′の検査位置にある異物90
2を照明したとき、該被検体6′から反射した光を、平
面鏡からなる反射ミラー8aによって受け、該受けた光
を異物902に向かって折り返し反射させるので、異物
902を二方向から照明することができる。そのため、
異物902を周囲にわたりより明るく照明でき、しかも
小さい異物902の場合には上述の如く消費されないの
で、異物等の欠陥の検出を確実に行うことができる。
【0133】また、図10に示す如く複数個の反射ミラ
ー8bで構成し、該複数個の反射ミラー8bによって異
物902を周囲から照明すれば、異物902からの散乱
光量がさらに大きくなるので、異物等の欠陥の検出をよ
り確実に行うことができる。
【0134】さらに、図12に示す如く凹面鏡からなる
反射ミラー8cで構成し、該反射ミラー8cにより集光
させ、異物902に対し光が拡散するのを防止しても、
確実に検査することができる。これは、反射ミラーとし
て図9に示す如く平面鏡で構成した場合、平面鏡によっ
て反射すると、その反射した光束が図11に示すように
拡がってしまい、レクチル6′上に集光させることがで
きなくなるのを防止する。この場合、反射ミラー8cは
凹面鏡であるので、レーザ光源の出射側に配置された集
光光学系8dの焦点距離と同じ焦点距離となるように配
置するのは当然である。
【0135】またさらに、図15において、図16にて
示すような位相共役鏡81を有する位相共役システムで
構成すれば、位相共役鏡81が入射した光と同様の光路
を経て反射するので、異物902からの散乱光量を増大
させることができるばかりでなく、凹面鏡を用いた場合
のような焦点距離に左右されることがないので、それだ
け配置構成が容易となる。しかも、位相供役鏡81は、
温度センサ82,ヒータ83,電源85,事ローラ84
からなる温度制御部によって温度が保たれ、その機能を
かなりの低温下であっても維持し得るので、安定した照
明を得ることができる。
【0136】そして、図1及び図17に示す如き位相供
役鏡81を位相供役システムで構成すれば、温度制御部
の冷却素子86によって位相供役鏡81を冷却すること
もできるので、かなりの高温下においてもかなり安定し
た照明を得ることができる。
【0137】次に、被検体として、図1に示す如く、光
の透過材料から形成されたレチクル6を用いた場合の説
明に際し、異物等の欠陥からの散乱光の分布について図
18及び図19を用いて説明する。
【0138】図18において、異物等の欠陥の寸法(同
図中の記号d)が小さい場合、照明により異物等の欠陥
から発生する散乱光はほぼ均一に方向性なく発生し、照
明方向にさほど注意はいらない。しかし異物等の欠陥の
寸法が大きくなるに従い、照明方向と同じ方向、即ち、
図18中にて「前方散乱光」と表示された方向領域に散
乱する散乱光が、照明方向と反対方向である「後方散乱
光」に比較し、増加することとなる。一方、異物等の欠
陥の寸法が大きくなるに従い、照明方向と反対方向であ
る「後方散乱光」の領域に散乱する散乱光は減少するこ
ととなる。
【0139】図19はレチクル等のホトマスクなどの透
過性のガラス基板でできている被検体における、散乱光
と検出光学系の関係を示す。なお、赤外線または近赤外
線の光に対しては、シリコンで形成されているウェハも
光透過性と考えて差し支えない。図19(A)では被検
体の表面側からの照明による散乱光と検出光学系の関係
を示す。ここでは、発生した散乱光のうち強い前方散乱
光が基板の裏面側へ透過してしまい、検出光学系へ入射
するのは、わずかに発生した後方散乱光であることを表
している。
【0140】図19(B)では、レチクル等のホトマス
クが光透過性のガラス基板でできていることに着目し、
被検体の裏面側からの照明による散乱光と検出光学系の
関係を示した。ここでは、発生した散乱光のうち強い前
方散乱光が検出光学系へ入射しており、検出のS/Nが
向上できるのがわかる。
【0141】次に、図20は、レチクル6のホトマスク
が光透過性のガラス基板からなる被検体の裏面側からの
照明(裏面側照明)により欠陥検査装置を構成し、該装
置を図5の従来技術との対比で示したものであり、裏面
側照明光源31からの出力光が、集光光学系32を介
し、レチクル6の裏面側から該被検体1を通して集光し
ている。
【0142】裏面側照明による検出では、レチクル6の
ホトマスクの基板において、クロム等の金属の薄膜によ
る回路パターンが形成されていない部分では、裏面側照
明光源31からの出力光によって異物70を照明できる
ので、透過部分での異物等の欠陥の検出率向上が望め
る。しかし、レクチル6なにおいてクロム等の金属の薄
膜による回路パターンが形成されている部分では、その
回路パターン上に異物が存在すると、裏面側照明して
も、回路パターンによって遮光されるので、遮光部分上
に付着した異物等の欠陥を検出することはできなくおそ
れもある。
【0143】そこで、図21に示す原理図の如く、表面
側と裏面側との両方から同時に斜方照明を行い、光と透
過部分と遮光部分の双方を高感度で検出する構成(表裏
面同時斜方照明方式)する。この方式によれば、図22
及び図47に示すように、光透過部分の異物等の欠陥か
らは、表面側照明系2,20と裏面側照明である光学的
反射手段8とによる散乱光が同時に発生するため、特に
光透過部分の異物等の欠陥に対する検出感度が数倍向上
する。
【0144】この場合、以下に述べるメリットが生ず
る。表面側照明だけのときでは、図46において、遮光
部分である回路パターン80は金属等の薄膜で形成され
ており、光透過部分より反射率が高い。このため、遮光
部分上の異物70等の欠陥から発生する散乱光のうち、
前方散乱光部分もある程度反射されて検出されるため、
特に前方散乱光が透過してしまうような光透過部分上の
異物71等の欠陥からの散乱光に比較し、散乱光が数倍
強く検出されることとなる。しかし、上述の如く、表裏
面同時照明方式にすれば、図47に示す如く照明され、
両方向からの差が相殺されて、異物等の欠陥の付着位置
によらず、感度が一定することになる。
【0145】本発明は、レチクル6のホトマスクが光透
過性のガラス基板からなる被検体を用いた場合、上述の
如き大きなメリットのある表裏面同時照明方式を、図2
3に示すように、被検体の裏面側に配置した反射ミラー
8aで簡単に実現するものである。
【0146】即ち、レチクル6の検査視野15に対し、
図1に示すように、その斜め上方に配置されたレーザ光
源2,20によって照明する一方、検査視野15の下方
に配置された平面鏡からなる反射ミラー8aと、凹面鏡
からなる反射ミラー8cと、位相共役鏡81を有する位
相共役鏡システムとの何れかで構成された光学的反射手
段8によって照明しているので、表面側照明系2,20
からの照明光がレチクル6を透過すると、その光を上記
反射ミラー(或いは位相共役鏡)で受け、該受けた光を
反射ミラー(或いは位相共役鏡)で折り返しレチクル6
の検査視野15に向かって反射させ、検査視野を二方向
から照明することとなる。このため、回路パターンによ
って遮光部分があっても、異物等の欠陥の付着位置に拘
わることなく検出感度を一定に得ることができる。
【0147】また、光学的反射手段8として、図24に
示す如く、反射ミラー8aを設置する一方、レーザ光源
200の出力側に集光光学系102を配置し、レーザ光
源200からの出力が、集光光学系102により被検体
903上に集光して照明を行う場合、反射ミラー8aが
平面鏡であることにより、反射した光束が矢印のように
拡がってしまい、レチクル6へ2度と集光できなくなる
おそれが発生する。
【0148】これに対して、レーザ光源200の出力側
に集光光学系102を用い、また光学的反射手段8とし
て、図25に示す如く凹面鏡からなる反射ミラー8cを
用い、該反射ミラー8cにより、拡がろうとする反射光
を、再び集光して照明を行うようにすれば、反射した光
束の拡散を防止することができ、レチクル6の異物70
等の欠陥をより確実に検出し得る。この場合、集光光学
系102の焦点距離と同じ焦点距離の凹面鏡を、共役の
位置に用いればよい。
【0149】また、光学的反射手段8として、反射ミラ
ー8cの代わりに図26に示す如く位相共役鏡81を有
する位相共役鏡システムを用い、位相共役鏡81が、こ
れによって反射した光を、入射光の光路に遡って折り返
すように構成してもよい。位相共役鏡81を用いると、
必ず入射光と同じ光路を折り返して反射させるので、該
位相共役鏡81の位置は融通が利き、光軸に対するアラ
イメントもラフでよい。
【0150】また、透過する基板の状況に、基板厚さや
屈折率の分布などの異常事態があっても、正確に光線が
反射されるため、特に表裏面同時照明用の鏡として適し
ている。位相共役鏡の動作原理は先に述べたが、回折格
子となる結晶内部の屈折率分布を高いコントラストでつ
くるためには、強い光を入射させるのが良く、そのため
には、図27に示すように、集光レンズ88で光密度を
高めて位相共役鏡81に入射すればよい。
【0151】但し、あまり小さく集光してしまうと、結
晶内部でのビームと格子と相互作用を起こす光路の長さ
が短くなり、悪影響を及ぼすので、この場合には、集光
レンズ88をシリンドリカルレンズで構成することによ
り、異方性をつけた集光で入射すれば良好な結果が得ら
れる。
【0152】ところで、位相共役鏡81にするメリット
の一つに、透過する基板の状況に左右されず正確に光線
を反射することがあることを先に述べた。このメリット
は、照明光の集光によらず関係するのであるから、図2
8のように、レーザ光源200からの出射光が平行光束
によるものでも構わないが、この場合でも図29に示す
ように、集光光学系88で集光して用いるのがなおよ
い。
【0153】図30乃至図33は、欠陥検査装置におけ
る光学的反射手段の他の例を示している。
【0154】表面側照明系200のレーザ光源から出射
される平行光束を折り返す装置の例としては、微粒子に
よるレーザ光の散乱を用いた液体中や気体中の粒子の検
出手段がある。これは、粒子からの散乱光の強度を増大
させ効率よく検出するための方法として、レーザ発振器
を構成する2枚の反射鏡の間、即ち、レーザ共振器内の
強い光の場を利用する方法である。これを基板上の異物
等の検出に適用すると、図30のようになる。レーザ光
源として、ガスレーザチューブ210を用い、該チュー
ブ210の窓211から出たレーザ光は、裏面側のミラ
ー800で反射し、再びレーザチューブ210に戻る。
そしてレーザチューブ210の反対側の窓(図では省
略)から射出し、その先のミラー(図では省略)で反射
し、レーザチューブ210に戻り、再びガスレーザチュ
ーブの窓211から射出することを繰り返すと、この2
つのミラーの間がレーザ共振器となる。ところがこの場
合、レーザ発振器内部に、被検体である基板を配置する
と、光に対し擾乱を及ぼし、反射ミラー8aによる正確
な反射ができなくなり、レーザの発振が停止してしま
う。
【0155】これに対する対策として、従来技術その4
の特開昭61−243345号公報では図8に示すよう
に、ほぼ100%の反射率をもったミラー851と85
2の間で第1の共振器を形成し、ミラー852から漏れ
るわずかなレーザ光(ミラー852で反射される光の1
%程度)を、ミラー852と853との間で形成した第
2の共振器の内部で反射し、その内部に被検体854を
配置するものである。
【0156】これによれば、第2の共振器での発振が停
止しても、第1の共振器は発振を停止しない。しかし、
第2の共振器内部の光出力は第1の共振器内部の1%程
度であるため、光出力の大きな第1の共振器内部に被検
体を配置できることが要請されていた。
【0157】本発明では、この第1の共振器を構成する
ミラーを、位相共役鏡8を有する位相共役鏡システムに
代えることにより、上記問題を対処することができた。
その様子を図31に示す。レーザチューブ210を出た
光は、位相共役鏡2651で反射される。位相共役鏡
は、途中の被検体60による擾乱に関せず、入射光を正
確にもとの光路へ反射する。
【0158】このため、発振は停止することなく継続す
る。図32は、さらに位相共役鏡81のための集光光学
系88を加えて、効率を向上させたものである。なお、
検査時、レチクル6が検査ステージ部1のYステージ1
2により、図52(A),(B)に示すようにY軸正方
向,負方向に走査しても、光学的反射手段8が表面側照
明系2また20からの照明光を受け、その受けた光を確
実に折り返し、反射光3803,3830として反射さ
せるので、確実に照明することができ、従って、レチク
ル6の走査位置に影響されることがない。
【0159】図33乃至図38は、欠陥検査装置のさら
に他の実施例を夫々示す。
【0160】これまでの実施例では、被検体としてレチ
クル6のように透明材料からなる基板を、その検査視野
の上面からだけ照明する表面側照明方式と、表面側照明
方式及び検査視野の背面側から照明する裏面側照明方式
からなる表裏面同時照明方式とについて述べたが、その
表裏面同時照明方式と表面側照明方式とを組み合わせた
実施例を説明する。以下の実施例は、全て透明材料から
なる基板を被検体60としている。
【0161】図33に示す実施例は、被検体60に対
し、上面側に配置された反射ミラー800aと、被検体
60の下方においてレーザ光源200に対しその出射光
を反射させるように配置された反射ミラー8a,前記反
射ミラー800aとの間で互いに光を反射させる反射ミ
ラー80aとが設けられている。これら反射ミラー8
a,80a,800aは、全て平面鏡で構成されてい
る。そして、レーザ光源200によって被検体60上の
異物70を照明すると、異物70からの散乱光が2個の
反射ミラー80aと800aとの間で反射される一方、
レーザ光源200からの照明光を反射ミラー8aによっ
て反射させるようにしている。
【0162】実際の異物70の形状や欠陥部は、球形で
あること希であり、少なからず異方性を有している。そ
こで、実施例の如く、異物70等の欠陥に対し、レーザ
光源200と反射ミラー8a,80a,800aとによ
り、4つの方向から照明すれば、それだけ検査視野をよ
り強く照明することができるばかりでなく、多くの方向
から照明できるので、検出器4による検出感度をいっそ
う安定化させることができる。
【0163】図34に示す実施例において図33の実施
例と異なるのは、レーザ光源200の出射側に集光光学
系102が、また反射ミラー80a,800aの代わり
に凹面鏡からなる反射ミラー8b,80bが設けられた
ことにあり、基本的には図33の実施例と同様である。
但し、反射ミラー8b,80bのうち、被検体60の上
方に配置される反射ミラー80bは、光が入射したと
き、入射した方向にそのまま光を反射させるようにして
いる。
【0164】図35に示す実施例において図34の実施
例と異なるのは、被検体60の上方に配置される反射ミ
ラー80bの代わりとして、位相共役鏡81を用いたこ
とにある。この場合、平面鏡からなる反射ミラー8aと
凹面鏡からなる反射ミラー8bとは図35に限定される
ものではなく、図36に示すように、両者8aと8bの
左右の位置を互いに変えてもよく、また図37に示すよ
うに、被検体60に下方に凹面鏡からなる反射ミラー8
b,80bが配置されてもよい。
【0165】図38に示す実施例は、被検体60の上方
位置及び下方位置に複数個のミラー8bが配置され、こ
れによって異物70等の欠陥を多方向から照明するよう
にしている。複数個のミラー8bとしては、平面鏡,凹
面鏡,位相共役鏡の何れでもよいのは勿論である。
【0166】従って、これらの実施例によれば、被検体
60上の検査視野をより強く照明し、かつ多くの方向か
ら照明することにより、検出器4による検出感度をいっ
そう安定化させることができるので、異物等の欠陥の検
出を的確に行うことができる。
【0167】図41及び図42は、図33〜図38の実
施例の変形例を夫々示している。この場合は、例えば図
37に前述したように、被検体60(及び検査ステージ
部1)の下方において、一方の反射ミラー80bからの
光を反射ミラー8bにより反射させ、被検体60上の検
査視野を照明する場合、厚さが異なる被検体60を用い
ると、該被検体60の厚さの違いによって屈折率が異な
り、該被検体60を通る光路長が変化するおそれがある
ことから、反射ミラー8bによって反射された光が、被
検体60の厚さの差に拘わらず、常に被検体60上の検
査視野に向かうようにしたものである。
【0168】図41,図42の実施例を述べる前に、そ
の必要性について述べると、レチクル基板等のガラスの
厚さの変化は、同じ照明を行っているにも拘わらず、照
明光の光路差に影響を及ぼすことがある。例えば図39
(A)に示すように、厚さが概略0(以下、厚さ0と表
現す)のレチクル601の視野15を照明するよう構成
されている場合、その光路611はレチクル601内で
も直線となるので問題がない。
【0169】しかし、図39(B)に示すように、前記
レチクル601より若干厚みのあるレチクル602を照
明するように構成されている場合、照明光路が、レチク
ル602の厚みによる屈折により、本来破線622の如
く通るべきところ、実線612にて示す如く通るので、
結果として、視野15から距離E2だけずれることにな
る。同じく、図39(C)に示すように、前記レチクル
602より厚いレチクル603を用いて照明した場合で
は、前記距離E2より大きい距離E3だけずれてしま
い、また同図(D)に示すように、前記レチクル603
より厚いレチクル604を用いて照明した場合では、前
記距離E3より大きい距離E4だけずれることになる。
現在でも使用されているレチクル等としてのホトマスク
は、各種厚さの基板(2.3mm,4.6mm,6.3
mmなど)からなるため、光路が変化することのないよ
うな対策が必要となる。
【0170】また、前記誤差E2〜E4までの全てを含
むような広範囲を照明すれば、レチクル等の基板の厚さ
に対処できるが、そのようにした場合、視野15の照度
がが低下し、S/Nが低下する不具合が生じる。
【0171】そこで、基板の照明視野15に対し照明位
置を選択的に位置決めすることが必要となる。図40に
その一例の原理を示している。
【0172】即ち、図40(A)に示すように、厚さ0
のレチクル601を用いた場合、光路5611がレチク
ル5601の検査視野15に位置決めされるよう、レチ
クルに向かって照明するミラーの位置を合わせておく。
そして、厚さt1のレチクル602を用いた場合には光
路712が図40(B)に示す如く、また厚さt2のレ
チクル603を用いた場合には光路713が同図(C)
に示す如く、さらに厚さt3のレチクル604を用いた
場合には光路714が同図(D)に示す如く、夫々変化
することにより、レチクル604の厚さの差に拘わるこ
となく検査視野15を照明することができる。
【0173】即ち、図41に示す実施例は、互いに組み
合わされることによってくの字形をなし、かつ光路移動
ミラー4153及び4154と、これらのミラー415
3,4154を支持体4151を介しロッドの先端部に
取付け、かつ被検体としてのレチクル6の面に沿って水
平移動し得る駆動機構4152とを有して光路移動手段
が構成されている。
【0174】この場合、光路移動ミラー4153,41
54は、例えば図37に示す実施例の場合、反射ミラー
80bからの光を反射させる反射ミラー8bに相当する
ものであり、通常ではレチクル6が図40(A)のよう
に厚さ0のときに、検査視野15に向かう光路5611
となるように位置決めされている。
【0175】従って、光路移動ミラー4153,415
4のうち、光路移動ミラー4154は反射ミラー80b
からの入射ビーム4155を光路移動ミラー4153に
反射させ、反射したビームが、光路移動ミラー4153
によりレチクル6の背面側から該レチクル6を通って検
査視野15に向かう。この場合、レチクル6の厚さが厚
くなると、その厚さの違いによってレチクル6を通る光
路長が変化するので、駆動機構4152の駆動により光
路移動ミラー4154,4153を進退させることによ
り、レチクル6を通るビームが検査視野15を照明する
ようにしている。即ち、入射するビーム4155の光路
位置を可変にしている。
【0176】また、図42に示す実施例においては、く
の字形をなす光路移動ミラー4253,4254と、こ
れらのミラーを支持する支持体4251と、上方に位置
する光路移動ミラー4253を傾動可能に取付けた駆動
機構4252とを有して光路移動手段が構成されてい
る。そして、レチクル6の厚さが異なるとき、駆動機構
4252によって光路移動ミラー4253を傾動させ、
該ミラー4253と4254との角度を調節することに
より、入射ビーム4155がレチクル6の検査視野15
に向かうようにしている。
【0177】従って、図41に示す実施例の如く、光路
移動手段の駆動機構4152により光路移動ミラー41
53,4154を進退移動させ、若しくは図42に示す
実施例の如く、光路移動ミラー4253を傾動させるこ
とにより、レチクルに入射するビーム4155の光路位
置を可変にできるように構成したので、レチクルが図4
0に示す601〜604のように厚さが異なった場合、
その厚さに応じミラー4153,4154の位置を調節
すれば、同図(A)〜(D)に示す如く、光路571を
検査視野15に位置決めさせることができる。
【0178】なお、図41及び図42の実施例において
は、例えば図37のように、反射ミラー80bからの入
射ビーム4155を検査視野に向かって反射させる反射
ミラー8bを対象とした例を示したが、反射ミラー8b
のみならず、反射ミラー80bをも同様に構成すれば、
より的確な照明を行うことができる。
【0179】図44及び45は、レチクルの厚さの変化
に応じた光路長補正機構を用いた場合の実施例を示して
いる。
【0180】ところで、レチクル厚さの差による光路の
変化は、レチクル基板と照明光路との屈折率の差によっ
て生じるので、屈折率の差をなくせばよいと云うことで
ある。また、屈折率の差があると云うことは、照明系の
集光部分に、光路差を生じることを意味する。つまり、
照明光を集光する場合、レチクルの厚さの差は、集光に
も影響を与え、十分な焦点深度を持たない集光系のとき
には、焦点を調節して集光位置も調節する必要があり、
そのため、図41及び図42に示す光路移動手段を設け
たが、それだけ装置が複雑となるおそれがある。
【0181】そこで、図44に示す実施例は、検査ステ
ージ部1の下方に、光路長補正ユニット4451と、該
補正ユニット4451を検査ステージ部1,レチクル6
の面に沿って移動させる駆動手段4452とを有してい
る。光路長補正ユニット4451は、レチクル6の厚さ
が変化したとき、その変化に応じ光路長が常に一定とな
るよう、図44及び図45に示す如く、三枚の光路長補
正板4451a〜4451cを水平方向に連続的に設け
てある。即ち、これらのうち、光路長補正板4451a
は、例えば、レチクル6が図43(A)〜(D)に示す
如く4種類の厚さのものを用いることがある場合であっ
て、かつ同図(A)に示す如く厚さが0のレチクル60
1を使用する場合、最も大きな厚さt4のレチクル60
4に相当する光路長の変化が得られるように、厚さt4
をなしている。同様にして、光路長補正板4451b
は、図43(B)のような厚さt2のレチクル602を
使用する場合、(t4−t2)に相当する厚さをなし、
光路長補正板4451cは、同図(C)のような厚さt
3のレチクル603を使用する場合、(t4−t3)に
相当する厚さをなしている。
【0182】駆動手段4452は例えばシリンダで構成
され、図44に示すように、そのロッドの先端部に光路
長補正板4451a〜4451cを移動方向に沿う連続
的に取付けている。そして、厚さが0となるレチクル6
01を使用する場合、駆動手段4452の駆動により、
光路移動ミラー4153による光路位置に4451aを
前進させ、また厚さt2のレチクル602を使用する場
合、光路位置に4451bを前進させ、さらに厚さt3
のレチクル603を使用する場合、光路位置に4451
cを前進させ、かくして使用するレチクルの厚さに応じ
光路長補正板4451a〜4451cを選択的に移動し
位置決めすることにより、レチクルの厚さに拘わらず常
に一定の光路が得られるようにしている。なお、ミラー
153及び154は互いに固定されている。
【0183】実施例によれば、光路長補正板4451a
〜4451cを一体にした光路長補正ユニット4451
を駆動手段4452で切り換え、各種厚さのレチクルに
対応させて、入射ビーム4155の光路を変化させてい
るので、レチクルの種々の厚さによってレチクル自体を
通る光路長が変化しても、それに拘わることなく光路長
を一定に補正し、常に検査視野15にビームが集光する
ことにより、レチクルの厚さによる屈折率の差の影響を
なくすことができる。
【0184】しかも、ミラー153,154が固定さ
れ、使用するレチクルおのおのの厚さに応じ、光路長補
正板4451a〜4451cを選定すればよいので、図
41,図42にて示した光路移動手段の比べ、構成の簡
素化を図ることができる。
【0185】また、上記光路長補正ユニット4451
は、光路長を補正できれば良いので、図示例のような板
状の物だけでなく、液体を変形や、電気光学的な手段に
より、連続的な光路長を得られるものでも良い。
【0186】さて、表裏面同時照明方式は、散乱光分布
の違いを利用したものだが、図18にて前述した如く、
散乱光の分布は粒子径だけでなく、照明光の波長によっ
ても変化する。表面側からのみ照明を行う検出方式で
は、照明光の入射方向と検出光学系の位置関係から粒子
からの後方散乱光が検出される。また、裏面側からのみ
照明を行う検出方式では、照明光の入射方向と検出光学
系の位置関係から粒子からの前方散乱光が検出される。
しかも、異物等の欠陥から発生する前方散乱光が、後方
散乱光より小さくなることはない。
【0187】異物等の欠陥の検出出力を大きくするため
には、この前方散乱光を検出することが有効である。こ
れはホトマスクやレチクル等に対してだけでなく、シリ
コンウェハ等の異物等の欠陥の検出に対しても適用で
き、シリコンウェハ等を透過する波長、例えば近赤外か
ら赤外にかけての波長の光源を用いれば、前方散乱光検
出を実現することができる。
【0188】即ち、レチクル等のホトマスクの光透過部
分上の異物等の欠陥検出は、裏面側からの照明によって
前方散乱光を検出する構成が有利である。また、裏面側
からの照明が行えない、遮光部分上の異物等の欠陥の検
出のためには、表面側からの照明を行う。
【0189】即ち、ホトマスクやレチクル等の遮光膜で
形成された回路パターンを有する透明(半透明)基板上
に付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検査装
置では、遮光部分の異物等の欠陥を表面側照明方式で、
透過部分の異物等の欠陥を裏面側照明方式で検出する構
成をとることによって異物等の欠陥の検出出力を大きく
することが可能になる。
【0190】また、それぞれの照明方式において、光源
波長の最適化を行うことにより、異物等の欠陥からの散
乱光分布を、検出光学系の方向へ偏らせることによっ
て、異物等の欠陥からの検出出力を最大にすることが可
能になる。そこで、本発明者らは、上記理論的考察と実
験的検証により、それぞれの照明方式において、異物等
の欠陥からの検出出力を最大にする光源波長を求めた。
【0191】回路パターン付の被検体上の異物等の欠陥
検査では、異物等の欠陥からの散乱光の検出出力と、パ
ターンからの散乱光との両方に着目し、以下の式、即
ち、(弁別比)=(異物等の欠陥からの散乱光を検出し
た検出器の出力)/(パターンからの散乱光を検出した
検出器の出力)で定義される弁別比に基づいた検討を行
う必要がある。
【0192】弁別比が1より大きければ散乱光検出出力
の大小比較(2値化)だけの簡単な装置構成により異物
等の欠陥の検出が可能である。実際の装置では、電気的
・光学的なノイズの影響や、機構部の振動、更には検出
系の感度ばらつきなど様々な要因によって検出出力のバ
ラツキが生じる、このため異物等の欠陥からの散乱光と
クロムパターン部分からの散乱光のレベルの間に余裕が
必要である。即ち、弁別比が大きいほど異物等の欠陥の
検出性能が高いことになる。
【0193】この弁別比により、最適な照明波長を検討
すると、例えば、0.5μmの大きさの粒子に対して
は、表面側照明方式では、図48に示すように、照明光
の波長を長くすることで、粒子からの後方散乱光成分を
増やし、異物等の欠陥からの検出出力を大きくすること
ができ、波長780nmにピークが存在する。この近傍
の光源としては、半導体レーザを利用することが考えら
れる。この波長では、従来から一般に用いられている赤
色ヘリウム−ネオンレーザ光(波長632.8nm)よ
り高い弁別比が得られ、安定な検出が可能である。
【0194】これに対して、裏面側照明方式では、図4
9に示すように、照明光源の波長を短くするほど、前方
散乱光成分が増え、これにより粒子からの検出出力を上
げることが可能になる。
【0195】この近傍の光源としては、アルゴンイオン
レーザを利用することが考えられる。アルゴンイオンレ
ーザは大きな出力の光源を得ることが容易であり、その
出力は空冷で数百mW(水冷では数W)にもなり、赤色
ヘリウム−ネオンレーザ光と比べ、大きな検出出力を得
ることができる。
【0196】以上を総合して、回路パターン面表面側か
らの、光源波長約780nmの斜方照明と、回路パター
ン面裏面側からの、光源波長約488nmの斜方照明と
の両者を組み合わせることにより、被検体上の異物等の
欠陥を、回路パターンから分離して、被検体全面にわた
って検出することができる。
【0197】上に示した波長は、検出したい異物等の欠
陥の最小寸法を例えば0.5μm程度として考えた場合
である。異物等の欠陥の大きさが大きいほど検出出力
(発生する散乱光量)は大きいので検出したい最小の大き
さの異物等の欠陥の検出出力を最大にする波長が最適波
長である。また、散乱現象は粒子の大きさdと、照明光
源波長λの相対的な関係d/λに関して相似であるか
ら、上の結果より、検出したい異物等の欠陥の最小寸法
をdとした場合の最適波長は、表面側からの照明で1.
6d程度、裏面側からの照明で1.0d程度となる。
【0198】表面側からの照明方式で、これより波長を
長くすると、粒子からの後方散乱成分は増えるものの、
全体の散乱光量が波長の4乗に反比例して低下(レーリ
ー散乱領域)するため、粒子の検出出力は低下する。ま
た、裏面側からの照明方式において、斜方照明で異物等
の欠陥の検出を行う場合には、これより波長を短くする
と、前方への散乱成分が大きくなりすぎ、検出光学系へ
入射できる光量は減少してしまい、粒子の検出出力は低
下する。検出したい異物等の欠陥の最小寸法が0.5μ
m程度の場合、表面照明の波長は600〜800nm、
裏面照明の波長は450〜550nmの程度であること
が必要である。
【0199】上記のように異なる波長を用いた表裏面同
時照明方式での、反射鏡を用いた照明は以下のようにな
る。図50では、表面側照明200からのレーザ光をを
集光光学系552で被検体上に集光する。そして、試料
基板6を透過したレーザ光は、裏面側に設けられた凹面
フィルタ554に入射する。凹面フィルタ554の凹面
側(被検体側)には、色分離薄膜555が形成されてい
る。この薄膜555は、表面側からの照明光の波長は反
射し、従って、表面側照明に対しては凹面鏡として作用
し、逆に裏面側からの照明光源556の波長に対しては
透過するように、従って、裏面側からの照明光に対して
は、凹レンズとして作用するように、膜の設計がなされ
ている。このため、表面側からの照明光は、被検体上へ
再び集光される。また、光源556からのレーザ光は、
凹面フィルタを透過して被検体上へ集光される。裏面側
照明系の集光光学系557は、凹レンズとして作用する
凹面フィルタ554ごしに被検体上へ集光するように設
計されている。
【0200】図51では、被検体の表面側にも凹面フィ
ルタ558が設けられている。凹面フィルタ558の色
分離膜559は、凹面フィルタ554の色分離膜555
とは逆に、裏面側照明の波長の光を反射し、表面側照明
手段の波長の光を透過するように設計されている。
【0201】従って、図50若しくは図51に示す実施
例の如く、凹面フィルタ,色分離薄膜を利用すれば、表
面側照明系により光源波長約780nmの照明を行うこ
とができると共に、光学的反射手段により光源波長約4
88nmの照明を行うことができるので、被検体上の異
物の欠陥を回路パターンから分離し、被検体全面にわた
り確実に検出することができる。
【0202】図63は欠陥検査装置に観察手段を設けた
実施例を示している。
【0203】欠陥検査装置による検査結果は、信号処理
系5の表示手段55により表示されるだけでなく、結果
に基づき、検出位置を観察手段に呼び出して、作業者が
確認出来るように形成される。レチクルやホトマスク等
の被検体では、LSI製造の原盤となるため、LSI製
造の露光の際に露光転写に影響を及ぼす異物等の欠陥は
一個たりとも存在は許されない。このため、検出された
異物等の欠陥が転写に影響を及ぼすかどうかを作業者が
厳重に確認を行うことは、重要な構成要素となる。この
ため、検出結果を観察用の別ステーションに転送し、観
察するなどの機能が必要となる。
【0204】図63に示す実施例においては、観察機能
の一例として、検出光学系4を二系統とし、その二系統
の検出光学系4の光路を選択的に切りかえて、欠陥検査
と同一の装置で観察を可能にしたものである。即ち、図
63において、検出光学系4の対物レンズ41とフィー
ルドレンズ43との間に、二つのハーフミラー621
2,6202が配置され、夫々のハーフミラー621
2,6202がシリンダ等からなる傾動機構6213,
6203に傾動可能に支持されている。そして、一方の
ハーフミラー6202からの光は、図示されているよう
なTVカメラ或いは図示しない目視等の観察手段620
1に導かれ、該観察手段6201とハーフミラー621
2との間には、駆動手段6233によって選択的に位置
決めされる空間フィルタ6232が移動可能に支持され
ている。この空間フィルタ6232は、図61にて前述
した如き種々の種類のフィルタであり、観察するのに最
適な種類のフィルタを選択することができる。
【0205】また、他方のハーフミラー6212に対し
光を照射し得るように落斜照明系6211が設置され、
該落斜照明系6211からの光がハーフミラー6211
を介しレチクル6の観察部位(検査視野15)を真上か
ら照明する。そして、レチクル6の真下にはシャッタ機
構6222を有する透過照明系6221が設置され、該
透過照明系6221によりレチクル6を真下から照明
し、さらに、斜方照明系6231によりレチクル6を斜
め上方から照明する。斜方照明系6231は、図1に示
す如き表面側照明系2,20によって代用することがで
きるが、その表面側照明系2,20が可視光の波長域に
ない場合に設置されるものである。
【0206】この実施例の場合、落斜照明系6211と
透過照明系6221と斜方照明系6231とからなる観
察用照明は、必要に応じて切り換え、組合わされて用い
られるものであり、従って、レチクル6に対し、斜方照
明系6231によって斜め上方からの照明と、落斜照明
系6211によって真上からの照明と、透過照明系62
21によって真下からの照明とを適宜選択すれば、観察
目的に応じた良好な照明を得ることができる。特に、レ
チクル6に対し真上からの照明光を、ハーフミラー62
12及び落斜照明系6211によって得られるので、検
出光学系4の位置をずらす必要がなく、従って、観察用
としての別装置を準備することが不要になりばかりでな
く、別装置に移動する間に汚染されると云うことを防
げ、しかも、観察精度の向上、作業の効率化を図り得
る。
【0207】なお、検出光学系4のフィールドレンズ4
3と空間フィルタ44との間には、フィールドレンズ4
3により集光された光束の波長分離用のミラー42が配
置され、該ミラー42によって分離された光束が、前記
直線状の空間フィルタ44と異なる直線状の空間フィル
タ444,前記結像レンズ45と異なる結像レンズ44
5を経て、検出器551に結像するように配設されてい
る。この検出器551も前記検出器51とは別個に設け
られるものであるが、基本的構成は互いに同様であるば
かりでなく、信号処理系5全体構成も同様であるので、
省略している。
【0208】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、セッ
トされた被検体の検査視野に対し、斜め上方から光束を
直接照射すると同時に、斜め下方から光束を照射するよ
うに構成したので、被検体に付着した異物等の欠陥が微
小であっても、簡単な構成で容易に高いS/Nで安定し
て検出することができ、従って、小さい異物でも確実に
検出し得ると云う顕著な効果がある。
【0209】特に、斜め下方から光束を照射する照明手
段は、上方から直接照射された光束が被検体を透過した
とき、該透過した光束を、被検体の検査視野面側と反対
側の面で受けると共に、該受けた光束を被検体の検査視
野に折り返し反射させる一方、該反射光が被検体の前記
検査視野を照明したとき、被検体により検査視野面と反
対側の面で発生する反射光を受け、かつ該反射光を被検
体の検査視野に折り返して反射させるように構成し、従
って、被検体の検査視野と反対側で異物を他方向から照
明するので、被検体として、ホトマスク等の回路パター
ン付基板であっても、該基板上に付着したサブミクロン
オーダーの微細な異物等の欠陥でも、確実に検出できる
効果がある。
【0210】また、本発明によれば、被検体を所定位置
に移動可能に載置し、かつ被検体を走査する検査ステー
ジ部と、前記被検体の一方の面上の検査視野に検査視野
面側から直接斜方照明する表面側照明系と、前記被検体
を挟んで表面側照明系と反対側に設置され、かつ被検体
を透過してきた前記表面側照明系による照明光を受け、
かつ該照明光を被検体の前記検査視野に対し折り返し反
射させる光学的反射手段と、被検体から発生する散乱光
及び回折光を受光する検出器を具え、かつ該検出器によ
る検出結果を演算処理して被検体の検査視野に異物等の
欠陥の有無を判定する信号処理系と、被検体から発生す
る散乱光および回折光を取込み、検出器上に集光する検
出光学系とを有して構成したので、請求項1〜3の方法
を的確に実施することができる効果がある。
【0211】そして、特に光学的反射手段として、位相
共役素子と、該位相供役素子を所定温度に維持する温度
制御部とを有して構成したので、位相供役素子により入
射した光のほぼ全てを、入射した光と同様の光路で反射
させることができ、また温度制御部により位相供役素子
の機能を十分維持することができる結果、異物等の欠陥
の検出を、極めて高いS/Nでかつ安定して行うことが
できると云う効果がある。
【0212】さらに、本発明によれば、光学的反射手段
が、第1の反射部,第2の反射部の他、第2の反射部が
第1の反射部からの反射光を受けたとき、被検体の厚さ
の差に応じ、第2の反射部により被検体に向けて反射す
る光路長を調節する光路長補正機構を有しているので、
被検体の厚さによって光路長が変わっても、第2の反射
部からの反射光を常に被検体の検査視野に向かうことが
でき、異物等の欠陥をより高S/Nで照明することがで
きる効果がある。
【0213】また、本発明によれば、ダミー検査基板の
みの改良により、検査装置本体を改良することなく、微
細な異物等の欠陥からの検出光量を増加させ、検出時の
S/Nを向上し、安定な検出を実現する効果がある。
【0214】また、本発明によれば、斜方照明や暗視野
照明による検出時の、検出画像におけるS/Nを、簡易
な補助光の構成の追加により、大幅に向上させる効果が
ある。
【0215】また、本発明によれば、検査装置の限界S
/N以下の微弱な散乱光しか発生しない微細な異物等の
欠陥の検出において、簡易な計算方式の追加により、異
物等の欠陥の検出個数を、より正確に知ることができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための、欠陥検査装置の
一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るレチクルの走査状況を示す説明図
である。
【図3】表面側照明系の構成例を示す説明図である。
【図4】従来の欠陥検査装置の一構成例を示す図であ
る。
【図5】従来技術の欠陥検査装置の要部を示す概略説明
図である。
【図6】粒子の大きさと照明光の散乱の様子を説明した
概念図である。
【図7】従来の照明方式及び走査状況を示す説明図であ
る。
【図8】従来のガスレーザチューブの一構成例を示す説
明図である。
【図9】本発明に係る表面側で反射する照明光路を示す
説明図である。
【図10】本発明に係る表面側で反射する照明光路を示
す説明図である。
【図11】本発明に係る表面側で反射する照明光路を示
す説明図である。
【図12】本発明に係る表面側で反射する照明光路を示
す説明図である。
【図13】位相共役素子の動作状況を示す概念図であ
る。
【図14】位相共役素子の動作原理を示す概念図であ
る。
【図15】本発明に係る表面側で反射する照明光路を示
す説明図である。
【図16】位相共役素子システムを示す説明図である。
【図17】位相共役素子システムを示す説明図である。
【図18】粒子から発生する散乱光分布とd/λ(d:
粒子の大きさ、λ:照明光源波長)との関係を示す説明
図である。
【図19】欠陥検査装置と検出される散乱光成分との関
係を示す説明図である。
【図20】従来技術の一例を示す概略構成図である。
【図21】従来技術の一例を示した概略構成図である。
【図22】装置の構成と検出される散乱光成分との関係
を示した図である。
【図23】本発明に係るレチクルの裏面側で反射する光
路を示す説明図である。
【図24】同じくレチクルの裏面側で反射する光路を示
す説明図である。
【図25】凹面鏡の反射ミラーを用い、レチクルの裏面
側で反射する光路を示す説明図である。
【図26】位相共役鏡を用い、レチクルの裏面側で反射
する光路を示す説明図である。
【図27】位相供役鏡と集光レンズとを用い、レチクル
の裏面側で反射する光路を示す説明図である。
【図28】位相供役鏡を用い、裏面側で反射する光路を
示す説明図である。
【図29】位相共役鏡と集光光学系とを用い、レチクル
の裏面側で反射する光路を示す説明図である。
【図30】ガスレーザチューブを用いた欠陥検査装置に
おける光学的反射手段に発生し得る不具合を説明するた
めの要部図である。
【図31】同じく欠陥検査装置における光学的反射手段
の他の一例を示す要部説明図である。
【図32】同じく欠陥検査装置における光学的反射手段
の他の一例を示す要部説明図である。
【図33】平面鏡を用いた光学的反射手段のさらに他の
一例を示す表裏面同時照明方式と表面側照明方式とを組
み合わせた説明図である。
【図34】平面鏡と凹面鏡とを用いた光学的反射手段の
さらに他の一例を示す表裏面同時照明方式と表面側照明
方式とを組み合わせた説明図である。
【図35】平面鏡,凹面鏡,位相供役鏡を用いた光学的
反射手段のさらに他の一例を示す表裏面同時照明方式と
表面側照明方式とを組み合わせた説明図である。
【図36】図35の変形例を示す説明図である。
【図37】凹面鏡と位相供役鏡とを用いた光学的反射手
段のさらに他の一例を示す表裏面同時照明方式と表面側
照明方式とを組み合わせた説明図である。
【図38】複数個のミラーを用いた光学的反射手段のさ
らに他の一例を示す表裏面同時照明方式と表面側照明方
式とを組み合わせた説明図である。
【図39】レチクル基板の厚さの変化により裏面照明系
からの照明光路が変化する問題点を示す断面説明図であ
る。
【図40】照明系の問題点を解決する原理を説明する断
面説明図である。
【図41】欠陥検査装置に光路移動手段を設けた例を示
す説明図である。
【図42】欠陥検査装置に光路移動手段を設けた他の例
を示す説明図である。
【図43】レチクルの厚さに応じた厚さの光路長補正板
を用いたときの、原理説明図である。
【図44】光路長補正機構を用いた例を示す断面説明図
である。
【図45】照明系の問題点を解決する構成を説明する断
面説明図である。
【図46】本発明に係る異物等の欠陥の付着位置による
差を説明する説明図である。
【図47】本発明に係る異物等の欠陥の付着位置による
差を解消する構成を説明する説明図である。
【図48】表面側照明方式における弁別比(クロム上
0.5μm粒子/クロムパターン)と光源波長の関係を
示す説明図である。
【図49】裏面側照明方式における弁別比(ガラス上
0.5μm粒子/クロムパターン)と光源波長の関係を
示す説明図である。
【図50】本発明に係る表面と裏面からそれぞれ異なる
波長で照明する構成を示す説明図である。
【図51】本発明に係る表面と裏面からそれぞれ異なる
波長で照明する構成を示す説明図である。
【図52】両方の表面側照明系による切りかえの状況を
示す説明図である。
【図53】同じく表面側照明による切りかえの状況を示
す断面説明図である。
【図54】同じく表面側照明系による切りかえの状況を
示すレチクル基板の平面説明図である。
【図55】同じく表面側照明系による切りかえの状況を
示す基板の平面説明図である。
【図56】微細な画素で検出することの長所を説明する
説明図である。
【図57】パターン角度θを説明する説明図である。
【図58】本発明に係るフーリエ変換面上における散乱
光および回折光の分布状況を示す説明図である。
【図59】回路パターンのコーナー部を示す図(A)及
び図7(A)の”ア”部の詳細図(B)である。
【図60】各種回路パターンからの散乱光の様子とそれ
に対応する空間フィルタ形状を示す説明図である。
【図61】種々のフィルタを有する空間フィルタを示す
平面説明図である。
【図62】欠陥検出装置が空間フィルタを切り換える手
段有するを概略構成図である。
【図63】欠陥検査装置に観察手段を設けた実施例を示
す概略構成図である。
【図64】増反射膜の原理を説明する断面説明図であ
る。
【図65】ポアソン分布によって異物等の欠陥の検出が
確率的になることを説明した説明図である。
【図66】CCDで構成された検出器による蓄積電荷の
トラップの状況を模式的に示した説明図である。
【図67】オフセット光によりトラップを解除する状況
を、模式的に説明した説明図である。
【図68】オフセット光の効果を示した説明図である。
【符号の説明】
1…検査ステージ部、10…Zステージ、11…Xステ
ージ、12…Yステージ、200…表面側照明系、2…
第1の表面側照明系、20…第2の表面側照明系、2
1,201…レーザ光源、4…検出光学系、44…空間
フィルタ、4451…光路長補正ユニット、4451a
〜4451c…光路長補正板、4452…駆動手段、5
…信号処理系、51…検出器、52…第1の2値化回
路、53…第2の2値化回路、58…ブロック処理回
路、54…マイクロコンピュータ、55…表示手段、5
6…論理和演算回路、59…4画素最大値処理回路、1
13…シェーディング補正回路、114…4画素加算処
理回路、6,5601…レチクル、6′…遮光材料から
なる被検体、8…光学的反射手段、8a…平面鏡からな
る反射ミラー、8b…凹面鏡からなる反射ミラー、81
…位相共役素子、70,71,902…異物等の欠陥、
80…回路パターン

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方で形成された回路パターンを有する光透過性また
    は半光透過性の材料からなる被検体を、所定位置にセッ
    トし、該被検体の一方の面上の検査視野を照明して基板
    上の異物等の欠陥を検出する方法であって、前記セット
    された被検体の検査視野に対し、斜め上方から光束を直
    接照射すると同時に、斜め下方から光束を照射すること
    を特徴とする異物等の欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方で形成された回路パターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体を所定位置にセ
    ットし、該被検体の一方の面上の検査視野を照明して基
    板上の異物等の欠陥を検出する方法であって、前記セッ
    トされた被検体の検査視野に対し、斜め上方から光束を
    直接照射すると同時に、斜め下方から光束を照射し、該
    斜め下方から光束を照射する照明手段は、上方から直接
    照射された光束が被検体を透過したとき、該透過した光
    束を、被検体の検査視野面側と反対側の面で受けると共
    に、該受けた光束を被検体の検査視野に折り返し反射さ
    せることを特徴とする異物等の欠陥検出方法。
  3. 【請求項3】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方で形成された回路パターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体を所定位置にセ
    ットし、該被検体の一方の面上の検査視野を照明して基
    板上の異物等の欠陥を検出する方法であって、前記セッ
    トされた被検体の検査視野に対し、斜め上方から光束を
    直接照射すると同時に、斜め下方から光束を照射し、該
    斜め下方から光束を照射する照明手段は、上方から直接
    照射された光束が被検体を透過したとき、該透過した光
    束を、被検体の検査視野面側と反対側の面で受けると共
    に、該受けた光束を被検体の検査視野に折り返し反射さ
    せる一方、該反射光が被検体の前記検査視野を照明した
    とき、被検体により検査視野面と反対側の面で発生する
    反射光を受け、かつ該反射光を被検体の検査視野に折り
    返して反射させることを特徴とする異物等の欠陥検出方
    法。
  4. 【請求項4】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体の、一方の面上
    に付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装
    置であって、前記被検体を所定位置に移動可能に載置
    し、かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検
    体の一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方
    照明する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照
    明系と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前
    記表面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被
    検体の前記検査視野に対し折り返し反射させる光学的反
    射手段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光
    する検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算
    処理して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定
    する信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回
    折光を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態
    で検出器上に集光する検出光学系とを有することを特徴
    とする異物等の欠陥検出装置。
  5. 【請求項5】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体の一方の面上に
    付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装置
    において、前記被検体を所定位置に移動可能に載置し、
    かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検体の
    一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方照明
    する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照明系
    と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前記表
    面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体
    の前記検査視野に対し折り返し反射させる光学的反射手
    段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光する
    検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算処理
    して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定する
    信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回折光
    を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態で検
    出器上に集光する検出光学系とを有し、前記光学的反射
    手段は、平面鏡と凹面鏡と位相共役素子との何れか一方
    からなることを特徴とする異物等の欠陥検出装置。
  6. 【請求項6】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体の一方の面上に
    付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装置
    において、前記被検体を所定位置に移動可能に載置し、
    かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検体の
    一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方照明
    する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照明系
    と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前記表
    面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体
    の前記検査視野に対し折り返し反射させる光学的反射手
    段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光する
    検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算処理
    して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定する
    信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回折光
    を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態で検
    出器上に集光する検出光学系とを有し、前記光学的反射
    手段は、位相共役素子と、該位相供役素子を所定温度に
    維持する温度制御部とを有して構成することを特徴とす
    る異物等の欠陥検出装置。
  7. 【請求項7】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体の一方の面上に
    付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装置
    において、前記被検体を所定位置に移動可能に載置し、
    かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検体の
    一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方照明
    する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照明系
    と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前記表
    面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体
    の前記検査視野に対し折り返し反射させる光学的反射手
    段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光する
    検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算処理
    して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定する
    信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回折光
    を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態で検
    出器上に集光する検出光学系とを有し、前記光学的反射
    手段は、夫々が被検体の検査視野面側と反対側の位置に
    対向して配置され、被検体を透過してきた前記表面側照
    明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体の前記
    検査視野に対し折り返して反射させる第1の反射部と、
    該第1の反射部が被検体の前記検査視野に照明光を反射
    したとき、被検体により検査視野面と反対側の面で発生
    する反射光を受け、かつ該反射光を被検体の検査視野に
    折り返し反射させる第2の反射部とを有することを特徴
    とすることを特徴とする異物等の欠陥検出装置。
  8. 【請求項8】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体の一方の面上に
    付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検査装置
    であって、前記被検体を所定位置に移動可能に載置し、
    かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検体の
    一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方照明
    する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照明系
    と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前記表
    面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体
    の前記検査視野に対し折り返して反射させる光学的反射
    手段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光す
    る検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算処
    理して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定す
    る信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回折
    光を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態で
    検出器上に集光する検出光学系とを有し、前記光学的反
    射手段は、夫々が被検体の検査視野面側と反対側の位置
    に対向して配置され、被検体を透過してきた前記表面側
    照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体の前
    記検査視野に対し折り返して反射させる第1の反射部
    と、該第1の反射部が被検体の前記検査視野に照明光を
    反射したとき、被検体により検査視野面と反対側の面で
    発生する反射光を受け、かつ該反射光を被検体の検査視
    野に折り返して反射させる第2の反射部とを有し、該第
    1,第2の反射部の夫々が、互いに平面鏡と凹面鏡と位
    相供役素子との何れか一方からなることを特徴とする異
    物等の欠陥検出装置。
  9. 【請求項9】遮光膜と光透過膜との何れか一方またはそ
    の両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過性
    または半光透過性の材料からなる被検体の一方の面上に
    付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装置
    において、前記被検体を所定位置に移動可能に載置し、
    かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検体の
    一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方照明
    する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照明系
    と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前記表
    面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体
    の前記検査視野に対し折り返し反射させる光学的反射手
    段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光する
    検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算処理
    して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定する
    信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回折光
    を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態で検
    出器上に集光する検出光学系とを有し、前記光学的反射
    手段は、夫々が被検体の検査視野面側と反対側の位置に
    対向して配置され、被検体を透過してきた前記表面側照
    明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体の前記
    検査視野に対し折り返し反射させる第1の反射部と、該
    第1の反射部が被検体の前記検査視野に照明光を反射し
    たとき、被検体により検査視野面と反対側の面で発生す
    る反射光を受け、かつ該反射光を被検体の検査視野に折
    り返し反射させる第2の反射部とを有し、該第1,第2
    の反射部の夫々が、位相共役素子と、該位相供役素子を
    所定温度に維持する温度制御部とを有して構成すること
    を特徴とする異物等の欠陥検出装置。
  10. 【請求項10】遮光膜と光透過膜との何れか一方または
    その両方により形成されたパターンを有し、かつ光透過
    性または半光透過性の材料からなる被検体の一方の面上
    に付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装
    置であって、前記被検体を所定位置に移動可能に載置
    し、かつ被検体を走査する検査ステージ部と、前記被検
    体の一方の面上の検査視野に検査視野面側から直接斜方
    照明する表面側照明系と、前記被検体を挟んで表面側照
    明系と反対側に設置され、かつ被検体を透過してきた前
    記表面側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被
    検体の前記検査視野に対し折り返し反射させる光学的反
    射手段と、被検体から発生する散乱光及び回折光を受光
    する検出器を具え、かつ該検出器による検出結果を演算
    処理して被検体の検査視野に異物等の欠陥の有無を判定
    する信号処理系と、被検体から発生する散乱光および回
    折光を取込むと共に、被検体の検査視野を結像した状態
    で検出器上に集光する検出光学系とを有し、前記光学的
    反射手段は、夫々が被検体の検査視野面側と反対側の位
    置に対向して配置され、被検体を透過してきた前記表面
    側照明系による照明光を受け、かつ該照明光を被検体の
    前記検査視野に対し折り返し反射させる第1の反射部
    と、該第1の反射部が被検体の前記検査視野に照明光を
    反射したとき、被検体により検査視野面と反対側の面で
    発生する反射光を受け、かつ該反射光を被検体の検査視
    野に折り返し反射させる一方、第1の反射部との間で互
    いに光を反射させると共に、第1の反射部からの反射光
    を受けて被検体の検査視野に折り返し反射させる第2の
    反射部と、該第2の反射部及び被検体間に設置され、第
    2の反射部が第1の反射部からの反射光を受けたとき、
    被検体の厚さの差に応じ、第2の反射部により被検体に
    向けて反射する光路長を調節する光路長補正機構とを有
    することを特徴とする異物等の欠陥検出装置。
  11. 【請求項11】斜方照明により、基板上に付着した異物
    等の欠陥からの散乱光を検出する異物等の欠陥検出方法
    であって、ダミー試料を検査することにより異物等の欠
    陥の発生状況をモニタする場合に、ダミー試料の表面
    に、検査光を対象とした増反射膜を形成したダミー試料
    により検査を行うことを特徴とした異物等の欠陥検出方
    法。
  12. 【請求項12】上記増反射膜は金属薄膜であることを特
    徴とする請求項11に記載の異物等の欠陥検出方法。
  13. 【請求項13】上記増反射膜は誘電体薄膜であることを
    特徴とする請求項第11項に記載の異物等の欠陥検出方
    法。
  14. 【請求項14】被検体を照明し該被検体からの反射光を
    検出光学系の電荷蓄積型の光電変換素子により受光して
    前記被検体の面上に付着した異物等の欠陥を検出する方
    法であって、目的とする検出光とは別の光源からの光を
    同時に前記光電変換素子の受光面に照明しながら前記異
    物等の欠陥を検出することを特徴とする異物等の欠陥検
    査方法。
  15. 【請求項15】前記被検体の照明を、斜方照明または暗
    視野照明により行うことを特徴とする請求項14に記載
    の異物等の欠陥検査方法。
  16. 【請求項16】前記被検体を、前記検出光学系の光軸か
    ら傾いた方向から照明し、前記検出光学系で前記照明に
    よる前記被検体からの反射光のうち正反射光は受光せず
    に、散乱光を受光することを特徴とする請求項14に記
    載の異物等の欠陥検査方法。
  17. 【請求項17】照明手段により被検体を照明し、前記被
    検体の面上に付着した異物等の欠陥からの反射光を受光
    手段で受光することにより被検体の面上に付着した異物
    等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出装置であって、前
    記受光手段が電荷を蓄積する構造を有する光電変換素子
    を備え、該光電変換素子の光電変換面に対して前記照明
    手段とは異なる光を照明する第2の照明手段を有するこ
    とを特徴とする異物等の欠陥検出装置。
  18. 【請求項18】前記照明手段が、前記被検体に対して斜
    方照明または暗視野照明を行うことを特徴とする請求項
    17記載の異物等の欠陥検出装置。
  19. 【請求項19】前記受光手段が、前記被検体を、前記受
    光手段の光学系の光軸から傾いた方向から照明し、前記
    受光手段で前記照明による前記被検体からの反射光のう
    ち正反射光は受光せずに、散乱光を受光することを特徴
    とする請求項17に記載の異物等の欠陥検出装置。
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