JPH08302004A - ポリカーボネート及びその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08302004A
JPH08302004A JP11468195A JP11468195A JPH08302004A JP H08302004 A JPH08302004 A JP H08302004A JP 11468195 A JP11468195 A JP 11468195A JP 11468195 A JP11468195 A JP 11468195A JP H08302004 A JPH08302004 A JP H08302004A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate
bis
general formula
group
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11468195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3422130B2 (ja
Inventor
Mitsugi Nakae
貢 中江
Yasuhiro Ishikawa
康弘 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP11468195A priority Critical patent/JP3422130B2/ja
Publication of JPH08302004A publication Critical patent/JPH08302004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3422130B2 publication Critical patent/JP3422130B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネートが本来有する優れた熱安定
性,耐水性を維持しつつ優れた流動性を有するポリカー
ボネートを提供すること。 【構成】 繰り返し単位(I) 【化1】 (式中の記号は明細書に記載の通り)からなる主鎖を有
し、かつ全末端基の5〜95モル%が、一般式(II) 【化2】 (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基を表す。他は
明細書に記載の通り)で表される基であり、更にアセト
ン可溶分が3モル%以下であるポリカーボネート、及び
エステル交換反応において、ジヒドロキシ化合物と炭酸
ジエステルの反応率が50%以上の値に達した時点で、
長鎖アルキルアルコールを溶融混合し、重縮合するポリ
カーボネートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリカーボネート
及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、流動性に優
れ、かつ熱安定性や耐水性にも優れた新規なポリカーボ
ネート、及びこれをジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを用いたエステル交換反応により製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、透明性,耐熱性あ
るいは耐衝撃性に優れたエンジニアリングプラスチック
であって、現在、電気・電子分野,自動車分野,光学部
品分野,その他工業分野で広く使用されている。上記ポ
リカーボネートは、一般に押出成形,射出成形,溶融成
形等の各種成形方法により成形され、各種用途に供され
ている。しかしながら、ポリカーボネートは一般に他の
ポリマーに比較して、樹脂の溶融粘度が高いため、十分
な流動性を得るため通常300℃程度の高温で成形が行
われている。特に、薄肉品や複雑な形状の成形の場合、
樹脂の流動性が十分でないため、更に高温で成形を行う
必要がある。このような高温下で成形を行う場合、ポリ
カーボネート樹脂の熱分解がおこりやすくなり、また、
熱酸化により樹脂が着色する場合がある。更に、主鎖の
加水分解により分子量の低下がおこり、成形品の強度低
下や外観不良の原因となる場合もある。従って、熱安定
性や耐水性を満足させつつ、かつ流動性を向上させうる
方法が求められていた。流動性を向上させる方法とし
て、例えば長鎖のアルキル基を主鎖あるいは末端に導入
する方法がよく知られている。このような方法として
は、例えば末端位に長鎖のアルキル基を導入する方法
(特公昭52−50078号公報)、またはドデカン二
酸等を反応させ主鎖にアルキル基を導入する方法(特開
平3−212424号公報)があるが、これらの方法は
いずれも得られる成形物の熱安定が低いという欠点があ
った。また、脂肪族モノカルボキシ化合物や長鎖アルキ
ルアルコールを重合時に加え、末端にアルキル基を導入
する方法(特開昭63−92643号,特開平5−92
83号各公報)も提案されているが、上記の方法におい
ては低分子物が多量に生成し、この結果耐水性や耐熱性
に劣るという問題が生じている。即ち、いずれの方法に
よっても流動性及び熱安定性,耐水性のいずれも満足さ
せうるポリカーボネートは得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下において成されたものである。即ち、本発明は、
ポリカーボネートが本来有する優れた熱安定性,耐水性
を維持しつつ優れた流動性を有するポリカーボネートを
提供すること、及び該ポリカーボネートを製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の上記
目的は、特定の繰り返し単位からなる主鎖及び特定の末
端基を有し、アセトン可溶分を一定の値以下とするポリ
カーボネートにより、またジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとを用いたエステル交換反応において、反応率
が一定の値以上となった時点で長鎖アルキルアルコール
を溶融、混合するポリカーボネートの製造方法により達
成されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち、本発明は、(1)
繰り返し単位(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 及びR2 はそれぞれハロゲン
原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、m及びn
は、それぞれ0〜4の整数を示す。また、R3 及びR4
はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜7のアルキル基を表
す。)からなる主鎖を有し、かつ全末端基の5〜95モ
ル%が、一般式(II)
【0007】
【化4】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,m及びnはそれぞれ
上記一般式(I)のものと同義である。また、Rは炭素
数8〜30のアルキル基を表す。)
【0008】で表される基であり、更にアセトン可溶分
が3モル%以下であることを特徴とするポリカーボネー
ト、及び(2)ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
を用いてエステル交換反応によりポリカーボネートを製
造するにあたり、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
の反応率が50%以上の値に達した時点で、長鎖アルキ
ルアルコールを溶融混合し、重縮合することを特徴とす
るポリカーボネートの製造方法、を提供するものであ
る。
【0009】以下に、本発明を更に詳細に説明する。本
発明のポリカーボネートは、上記一般式(I)で表され
る繰り返し単位からなる主鎖を有する。上記一般式
(I)において、R1 及びR2 は、それぞれフッ素,塩
素,臭素,ヨウ素などのハロゲン原子又は炭素数1〜8
のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−プロピ
ル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,
sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,ヘキシ
ル基,シクロヘキシル基,ヘブチル基,オクチル基など
を示す。R1 及びR2 はたがいに同一であっても異なっ
ていてもよい。また、R1 が複数ある場合は複数のR1
は同一でも異なっていてもよく、R2 が複数ある場合は
複数のR2 は同一でも異なっていてもよい。m及びn
は、それぞれ0〜4の整数である。本発明においては、
上記m及びnがいずれも0であるものが特に好ましい。
また、R3 及びR4 は、それぞれ水素原子又は炭素数1
〜7のアルキル基を表し、該炭素数1〜7のアルキル基
としては、例えばメチル基,エチル基,プロピル基等が
挙げられる。上記R3 及びR4 は、互いに同一であって
も異なっていてもよい。本発明においては、R3 及びR
4 がいずれもメチル基であるものが特に好ましく挙げら
れる。
【0010】また、本発明のポリカーボネートにおいて
は、全末端基の5〜95モル%、好ましくは20〜95
モル%、更に好ましくは30〜95モル%が上記一般式
(II)で表される基である。この割合が5モル%未満の
場合は十分な流動性が得られず、95モル%を超える場
合は低分子物が多く副生し好ましくない。一般式(II)
において、Rで表される炭素数8〜30のアルキル基は
直鎖状のもの、分岐状のもののいずれでもよく、好まし
くは炭素数12〜24のアルキル基である。Rが上記範
囲外の炭素数を有するアルキル基である場合、即ち炭素
数が8未満の場合は流動性の向上効果が認められず、ま
た炭素数が30を超える場合は反応性が不充分であり、
末端への導入が困難となる。
【0011】更に、本発明のポリカーボネートはそのア
セトン可溶分が3モル%以下のものであるが、この値が
3モル%を超える場合は、スチーム暴露後にクラックが
発生する等、耐水性に劣り好ましくない。本発明のポリ
カーボネートとしては、その分子量が、例えば粘度平均
分子量で13,000〜50,000であるものを用いるこ
とができる。この値が上記範囲外である場合は本発明の
効果がほとんど得られない。
【0012】上記本発明のポリカーボネートは、エステ
ル交換反応により製造することが好ましい。本発明にお
いては、エステル交換法に用いられる原料については、
特に制限はなく、通常のエステル交換法による製造に供
される各種のものを用いることができる。例えば、エス
テル交換反応において、(A)成分としてジヒドロキ
シ化合物及び(B)成分として炭酸ジエステル、
(A)成分としてジヒドロキシ化合物のジエステル及び
(B)成分として炭酸ジエステル、(A)成分として
ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル及び(B)成分と
して炭酸ジエステル、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エ
ステル(自己縮合)、ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸
エステル(自己エステル交換)などが挙げられる。これ
らの中では、の(A)成分としてジヒドロキシ化合物
及び(B)成分として炭酸ジエステルとが好ましく用い
られる。上記(A)成分のジヒドロキシ化合物として
は、好ましくは芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられ、
特に一般式(III)
【0013】
【化5】 で表される化合物を好ましく挙げることができる。上記
一般式(III)において、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,m及
びnはそれぞれ上記一般式(I)のものと同義である。
【0014】上記一般式(III)で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;1−フェ
ニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA);
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス
(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニ
ル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブ
チルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−ブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン;2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;
1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタ
ン;1,1−ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)オクタン;1,1−(4−ヒドロキ
シフェニル)エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)
アルカン類などが挙げられる。
【0015】本発明の製造方法において、(A)成分の
ジヒドロキシ化合物としては、上記一般式(III)におい
て、m及びnがいずれも0である芳香族ジヒドロキシ化
合物が好ましく使用され、また、R3 及びR4 がいずれ
もメチル基であるものも好ましく使用され、特に2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェ
ノールA)を用いるのが好ましい。上記の化合物は一種
又は二種以上適宜選択して用いることができる。一方、
本発明において、(B)成分として用いられる炭酸ジエ
ステルは、各種のものがある。例えば、炭酸ジアリール
化合物,炭酸ジアルキル化合物又は炭酸アルキルアリー
ル化合物から選択される少なくとも一種の化合物であ
る。この(B)成分の一つとして用いられる炭酸ジアリ
ール化合物は、一般式(IV)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物、又は一般式(V)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよく、D1 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。また、炭酸ジアルキル化合物は、一般式(VI)
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R5 及びR6 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、又は一般式(VII)
【0022】
【化9】
【0023】(式中、R7 及びR8 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2
個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。そ
して、炭酸アルキルアリール化合物は、一般式(VIII)
【0024】
【化10】
【0025】(式中、Ar5 はアリール基、R9 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基を示す。)で表される化合物、又は一般式(IX)
【0026】
【化11】
【0027】(式中、Ar6 はアリール基,R10は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基、D3 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基
2個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。
ここで、炭酸ジアリール化合物としては、例えば、ジフ
ェニルカーボネート,ジトリルカーボネート,ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート,m−クレジルカーボネー
ト,ジナフチルカーボネート,ビス(ジフェニル)カー
ボネート,ビスフェノールAビスフェニルカーボネート
などが挙げられる。
【0028】また、炭酸ジアルキル化合物としては、例
えば、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネート,
ジブチルカーボネート,ジシクロヘキシルカーボネー
ト,ビスフェノールAビスメチルカーボネートなどが挙
げられる。そして、炭酸アルキルアリール化合物として
は、例えば、メチルフェニルカーボネート,エチルフェ
ニルカーボネート,ブチルフェニルカーボネート,シク
ロヘキシルフェニルカーボネート,ビスフェノールAメ
チルフェニルカーボネートなどが挙げられる。本発明に
おいて、(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上記の
化合物一種又は二種以上を適宜選択して用いるが、これ
らの中では、ジフェニルカーボネートを用いるのが好ま
しい。
【0029】次に、本発明に用いられる前記ジヒドロキ
シ化合物及び前記炭酸ジエステル以外の原料としては、
次のものが挙げられる。すなわち、ジヒドロキシ化合物
のジエステル類としては、例えば、ビスフェノールAの
ジ酢酸エステル,ビスフェノールAのジプロピオン酸エ
ステル,ビスフェノールAのジブチル酸エステル,ビス
フェノールAのジ安息香酸エステルなどを挙げることが
できる。また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル類
としては、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭酸
エステル,ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステ
ル,ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステルなど
を挙げることができる。そして、ジヒドロキシ化合物の
モノ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノール
Aモノメチル炭酸エステル,ビスフェノールAモノエチ
ル炭酸エステル,ビスフェノールAモノプロピル炭酸エ
ステル,ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステルな
どを挙げることができる。
【0030】本発明の製造方法において用いられる長鎖
アルキルアルコールとしては、下記一般式(X)で表さ
れる化合物が挙げられる。 R11−OH ・・・(X) ここで、R11は炭素数が8〜30、好ましくは12〜2
4の炭化水素であり、直鎖状のもの、分岐状のもののい
ずれも使用できる。上記炭化水素の炭素数が8未満の場
合は流動性の向上効果が認められず、また30を超える
場合は反応性が劣り末端への導入が困難であり、いずれ
も好ましくない。本発明においては、長鎖アルキルアル
コールとして、例えばオクチルアルコール,ノニルアル
コール,デシルアルコール,ウンデシルアルコール,ラ
ウリルアルコール,トリデシルアルコール,ミリスチル
アルコール,ペンタデシルアルコール,セチルアルコー
ル,ヘプタデシルアルコール,ステアリルアルコール,
ノナデシルアルコール,エイコシルアルコール,セリル
アルコール,メリシルアルコール等が使用できる。
【0031】上記長鎖アルキルアルコールの添加量は、
得られるポリカーボネートの全末端基の5〜95モル%
が前記一般式(II) で表される基となるような量であれ
ばよいが、例えばジヒドロキシ化合物に対して、0.1〜
10モル%,更に0.5〜7モル%であることが好まし
い。上記添加量が0.1モル%未満の場合は流動性の向上
の効果が認められず、また10モル%を超える場合は、
所望の分子量の範囲に制御することが困難である。本発
明の製造方法においては、上記ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルの反応率が50%以上、好ましくは60〜
95%の範囲内の値に達した時点で上記長鎖アルコール
を溶融混合する。上記反応率が50%に達する前に長鎖
アルコールを溶融混合した場合は、低分子量成分が多く
生成し好ましくない。尚、本発明において、反応率とは
副生したフェノール量(g)を理論留出量〔(ジヒドロ
キシ化合物のモル数)×2×(フェノールの分子量)〕
で割り、100倍した値をいう。
【0032】本発明の製造方法においては、必要に応じ
て末端停止剤を併用してもよい。この末端停止剤として
は、例えばo−n−ブチルフェノール;m−n−ブチル
フェノール;p−n−ブチルフェノール;o−イソブチ
ルフェノール;m−イソブチルフェノール;p−イソブ
チルフェノール;o−t−ブチルフェノール;m−t−
ブチルフェノール;p−t−ブチルフェノール;o−n
−ペンチルフェノール;m−n−ペンチルフェノール;
p−n−ペンチルフェノール;o−n−ヘキシルフェノ
ール;m−n−ヘキシルフェノール;p−n−ヘキシル
フェノール;o−シクロヘキシルフェノール;m−シク
ロヘキシルフェノール;p−シクロヘキシルフェノー
ル;o−フェニルフェノール;m−フェニルフェノー
ル;p−フェニルフェノール;o−n−ノニルフェノー
ル;m−n−ノニルフェノール;p−n−ノニルフェノ
ール;o−クミルフェノール;m−クミルフェノール;
p−クミルフェノール;o−ナフチルフェノール;m−
ナフチルフェノール;p−ナフチルフェノール;2,6
−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ−t−ブチル
フェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノール;3,
5−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジクミルフェ
ノール;3,5−ジクミルフェノール;式
【0033】
【化12】 で表される化合物や、式
【0034】
【化13】
【0035】で表されるクロマン誘導体などの一価フェ
ノールが挙げられる。また、式
【0036】
【化14】
【0037】で表される化合物なども用いることができ
る。さらに、本発明では、必要に応じて、フロログルシ
ン;トリメリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’
−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−
ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス
(o−クレゾール)などを分岐剤として用いることもで
きる。また、本発明においては、必要に応じエステル交
換反応を促進させるために、無機塩基性化合物や有機塩
基性化合物などの公知の触媒を使用するこができる。こ
こで、無機塩基性化合物としては、例えばアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の単体,酸化物,水酸化物,アミ
ド化合物,アルコラート,フェノラート,あるいはZn
O,PbO,Sb2 3 のような塩基性金属酸化物、有
機チタン化合物、可溶性マンガン化合物、Ca,Mg,
Zn,Pb,Sn,Mn,Cd,Coなどの酢酸塩など
が挙げられる。
【0038】一方、有機塩基性化合物としては、例えば
トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルア
ミン,トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘ
キシルアミン,ジメチルベンジルアミンなどの脂肪族第
3級アミン化合物、トリフェニルアミンなどの芳香族第
3級アミン化合物、N,N−ジメチル−4−アミノピリ
ジン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロリジノピ
リジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリジン,2
−ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジン,2−
メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,イミダゾー
ル,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミダゾー
ル,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メトキシイ
ミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミノキノ
リン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)などの含
窒素複素環化合物、さらには、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド,テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,トリメチ
ルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキル
基,アリール基,アルアリール基などを有するアンモニ
ウムヒドロキシド類、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド,テトラブチルアンモニウムボロハイドライ
ド,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト,テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
などの塩基性塩、その他7−メチル−1,5,7−トリ
アザビシクロ〔4.4.0〕デセ−5−エン(MTB
D);1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
−7−エン(DBU)などの塩基性化合物などが挙げら
れる。
【0039】これらの化合物の中では、触媒活性が高
く、減圧溶融処理での除去が容易であるなどの理由か
ら、トリヘキシルアミン,テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,
ジメチルアミノピリジンが好ましく用いられる。さら
に、上記化合物以外に、エステル交換触媒として、硼
酸,硼酸トリメチル,硼酸トリエチル,硼酸トリブチ
ル,硼酸トリヘプチル,硼酸トリフェニル,硼酸トリナ
フチルなどの硼素化合物を用いることもできる。
【0040】本発明においては、前記触媒はそれぞれ単
独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
たその使用量は、原料であるジヒドロキシ化合物1モル
に対して、通常1×10-2〜1×10-8モルの範囲で選
ばれる。この使用量が1×10-8モル未満では触媒効果
が充分に発揮されないおそれがあり、1×10-2モルを
超えると得られるポリカーボネートの物性、特に耐熱性
や耐加水分解性が低下するおそれがある上、コストアッ
プにつながり好ましくない。触媒効果,得られるポリカ
ーボネートの物性及び経済性などの面から、好ましい触
媒使用量は、ジヒドロキシ化合物1モルに対し、1×1
-3〜1×10-7モルの範囲である。
【0041】以下に、本発明の製造方法の手順及び条件
について具体的に示す。まず、(A)成分のジヒドロキ
シ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとを、効率よく
反応させるために、ジヒドロキシ化合物に対して炭酸ジ
エステルが0.9〜1.5倍モル、好ましくは0.95〜1.2
5倍モル、より好ましくは1.0〜1.2倍モルになるよう
な比率で用い、エステル交換反応を行う。本発明の製造
方法に従ってエステル交換反応を行うに当たっては、反
応温度は、特に制限はなく、通常100〜350℃の範
囲の範囲で選ばれる。このエステル交換反応の温度が1
00℃未満では反応速度が遅くなり、一方350℃を超
えると副反応が生じたり、あるいは生成するポリカーボ
ネートが着色するなどの問題が生じ、好ましくない。反
応速度,副反応の抑制及びポリカーボネートの品質など
の面から、好ましい反応温度は180〜330℃の範囲
であり、特に反応の進行に合わせて次第に180〜30
0℃まで温度を上げていく方法が好適である。
【0042】また、反応圧力は、使用するモノマーの蒸
気圧や反応温度に応じて設定される。これは、反応が効
率良く行われるように設定されればよく、限定されるも
のではない。通常、反応初期においては、1〜50atm
(760〜38,000torr)までの大気圧(常圧)ない
し加圧状態にしておき、反応後期においては、減圧状
態、好ましくは最終的には0.01〜10torrにする場合
が多い。さらに、反応時間は、目標の分子量となるまで
行えばよく、通常、0.2〜9時間程度である。そして、
上記のエステル交換反応は、通常不活性溶剤の不存在下
で行われるが、必要に応じて、得られるポリカーボネー
トの1〜150重量%の不活性溶剤の存在下において行
ってもよい。ここで、不活性溶剤としては、例えば、ジ
フェニルエーテル,ハロゲン化ジフェニルエーテル,ベ
ンゾフェノン,ポリフェニルエーテル,ジクロロベンゼ
ン,メチルナフタレンなどの芳香族化合物、トリシクロ
(5,2,10)デカン,シクロオクタン,シクロデカ
ンなどのシクロアルカンなどが挙げられる。また、必要
に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、ここで、
不活性ガスとしては、例えばアルゴン,二酸化炭素,一
酸化二窒素,窒素などのガス、クロロフルオロ炭化水
素,エタンやプロパンなどのアルカン、エチレンやプロ
ピレンなどのアルケンなど、各種のものが挙げられる。
【0043】また、本発明においては、必要に応じ、酸
化防止剤を反応系に添加してもよい。この酸化防止剤と
しては、リン系酸化防止剤が好ましく、例えばトリメチ
ルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチル
ホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニル
ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデ
シルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホ
スファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイ
ト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイト
などのトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシル
ホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト;
トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイ
ト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホ
スファイトなどのトリアリールホスファイト;2−エチ
ルヘキシルジフェニルホォスファイトなどのモノアルキ
ルジアリールホスファイト;トリメチルホスフェート,
トリエチルホスフェート,トリブチルホスフェート,ト
リオクチルホスフェート,トリデシルホスフェート,ト
リオクタデシルホスフェート,ジステアリルペンタエリ
スリチルジホスフェート,トリス(2−クロロエチル)
ホスフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホ
スフェートなどのトリアルキルホスフェート;トリシク
ロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホス
フェート;トリフェニルホスフェート,トリクレジルホ
スフェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェート,
2−エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリ
アリールホスフェートなどが挙げられる。
【0044】本発明においては、反応が進行するととも
に、使用した炭酸ジエステルに対応するフェノール類,
アルコール類,又はそれらのエステル類及び不活性溶剤
が反応器より脱離してゆく。これら脱離物は、分離、精
製しリサイクル使用も可能であり、これらを除去する設
備があれば好ましい。そして、本発明は、バッチ式ある
いは連続式のいずれの方式でも行うことができる。な
お、連続式で製造する場合には、少なくとも二基以上の
反応器を使用し、上記の反応条件を設定するのが好まし
い。本発明で用いられる反応装置は、その構造は、特に
制限はされないが、通常の攪拌機能を有していればよ
い。ただし、反応後段においては粘度が上昇するので高
粘度型の攪拌機能を有するものが好ましい。さらに、反
応装置の形状は槽型のみならず、押出機型のリアクター
等でもよい。
【0045】以上のようにして得られたポリカーボネー
トは、そのまま造粒してもよく、また、押出機等を用い
て成形することもできる。また、本発明によって得られ
るポリカーボネートは、可塑剤,顔料,潤滑剤,離型
剤,安定剤,無機充填剤などのような周知の添加剤を配
合して使用することができる。さらに、得られるポリカ
ーボネートは、ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリエ
ステル,ポリスルホネート,ポリアミド,ポリフェニレ
ンエーテル等の重合体とブレンドすることが可能であ
る。特に、OH基,COOH基,NH2 基などを末端に
有するポリフェニレンエーテル,ポリエーテルニトリ
ル,末端変性ポリシロキサン化合物,変性ポリプロピレ
ン,変性ポリスチレン等と併用すると効果的である。
【0046】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、さ
らに詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例によ
り限定されるものではない。 実施例1〜3 内容積1.4リットルの攪拌機付Ni鋼製オートクレーブ
に、ビスフェノールA228g(1.00モル),ジフェ
ニルカーボネート225g(1.07モル),及びテトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド0.23g(2.5×10
-3モル)、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド2.9
mg(1×10-5モル)を仕込み、反応器内を窒素で置
換した。この混合物を180℃に加熱し、ビスフェノー
ルAとジフェニルカーボネートを溶融させ、30分間攪
拌した後、210℃に昇温して次第に真空度を100m
mHgまで上げて、生成するフェノールを留去した。フ
ェノールの留出がとまったところで留出したフェノール
の重量は126g(反応率65%)であった。次いで、
第1表に示すアルコールを溶融して投入した後、240
℃とし、更にフェノールを留出させながら10mmHg
とした。その後、温度を270℃にして真空度を0.5m
mHgまで徐々に上げて1時間反応させ、反応を終了さ
せたところ、オートクレーブ内に粘稠で透明な縮合物が
残った。
【0047】上記のようにして得られた物質について、
以下のような評価を行った。その結果は第1表に示す。 (1)粘度平均分子量(Mv): 20℃塩化メチレン
溶液の極限粘度〔η〕を測定し、式 〔η〕=1.23×10-5Mv0.83 により算出した。 (2)流動性(流れ値): 280℃の温度、160k
g/cm2 の圧力下で、1mmφ×10mmのノズルか
ら流出する樹脂量を測定した。 (3)アセトン可溶分: アセトンを溶媒としてソック
スレー抽出された成分である。即ち、試料であるポリカ
ーボネートを粉砕して100メッシュの金網を通過した
もの15gを円筒濾紙No.84(28×100mm)
に採取し、これを300ミリリットルのアセトンを用い
て、3〜4分に1回(20ミリリットル/回)の還流量
で8時間還流させて抽出した。その後、300ミリリッ
トルのアセトンを蒸発させた後の残渣物を秤量し、これ
をアセトン可溶分とした。 (4)熱安定性(ΔYI): ポリカーボネートの8重
量%塩化メチレン溶液を高さ57mmの石英セルにと
り、スガ試験機社製カラーメーターSM−3を用いて初
期のYI(イエローインデックス)を測定した。別途、
ポリカーボネートを窒素気流下、340℃で30分間熱
処理した後、上記と同様にして処理後のYIを測定し
た。上記処理後のYI値から、初期のYI値を引いた値
をΔYIとした。 (5)耐スチーム性: ポリカーボネート樹脂を280
℃で、5×5cm、厚さ3.2cmにプレス成形し、次い
で121℃で48時間滅菌器内でスチームに暴露した
後、水中にて保存し、24時間後のクラック発生量を、
5×5cmのプレートあたりのクラック数として次のよ
うにして測定した。万能投影機(OLYMPUS UP
−350)を用い、単色フィルターを使用して拡大投影
写真(10倍)を撮影し、続いて、画像解析装置(スタ
ンレー電器(株)画像解析システムV2.0)により、2
5cm×20cmに設定したスキャナーで読み取り、そ
の画像を判別分析法により二値化した。10画素(1画
素=0.3mm)以上の粒子数をカウントし、この計測値
を5倍したものをクラック数とした。 (6)末端分率の測定: 1 H−NMRを用いてフェノ
キシ基,水酸基及びアルキル基の各々のモル分率を
【0048】実施例4 アルコールの投入を、240℃まで昇温した後、反応率
が85%に達した時点で行った以外は、実施例1と同様
にしてポリカーボネートを製造し、同様に評価した。結
果を第1表に示す。
【0049】比較例1及び2 アルコールを、ビスフェノールA及びジフェニルカーボ
ネートと同時に投入した以外は、実施例1と同様にして
ポリカーボネートを製造し、同様に評価した。結果を第
1表に示す。
【0050】
【表1】 *1: アルコール添加量は、上段がgを表し、下段は
モル数を表す。 *2: 添加時期は添加時の反応率であらわす。ここで
反応率は、ビスフェノールA1モルが100%反応した
時のフェノール留出量を2モル(194g)とし、留出
したフェノール量をこれで割り、100倍した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】特定の繰り返し単位からなる主鎖及び特
定の末端基を有し、アセトン可溶分を一定の値以下とす
ることにより、ポリカーボネートが本来有する優れた熱
安定性,耐水性を維持しつつ優れた流動性を有するポリ
カーボネートを得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれハロゲン原子又は炭素
    数1〜8のアルキル基を表し、m及びnは、それぞれ0
    〜4の整数を示す。また、R3 及びR4 はそれぞれ水素
    原子又は炭素数1〜7のアルキル基を表す。)からなる
    主鎖を有し、かつ全末端基の5〜95モル%が、一般式
    (II) 【化2】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,m及びnはそれぞれ
    上記一般式(I)のものと同義である。また、Rは炭素
    数8〜30のアルキル基を表す。)で表される基であ
    り、更にアセトン可溶分が3モル%以下であることを特
    徴とするポリカーボネート。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 及び一般式(II) の各々の
    3 及びR4 がいずれもメチル基であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリカーボネート。
  3. 【請求項3】 一般式(I) 及び一般式(II) の各々の
    m及びnがいずれも0であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のポリカーボネート。
  4. 【請求項4】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
    を用いてエステル交換反応によりポリカーボネートを製
    造するにあたり、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
    の反応率が50%以上の値に達した時点で、長鎖アルキ
    ルアルコールを溶融混合し、重縮合することを特徴とす
    るポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 長鎖アルキルアルコールの長鎖アルキル
    の炭素数が8〜30であることを特徴とする請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ジヒドロキシ化合物が2,2−ビス(4−
    ヒドロキシフェニル)プロパンであることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の製造方法。
JP11468195A 1995-05-12 1995-05-12 ポリカーボネート及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3422130B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11468195A JP3422130B2 (ja) 1995-05-12 1995-05-12 ポリカーボネート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11468195A JP3422130B2 (ja) 1995-05-12 1995-05-12 ポリカーボネート及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08302004A true JPH08302004A (ja) 1996-11-19
JP3422130B2 JP3422130B2 (ja) 2003-06-30

Family

ID=14643982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11468195A Expired - Fee Related JP3422130B2 (ja) 1995-05-12 1995-05-12 ポリカーボネート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3422130B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048947A1 (fr) * 1998-03-26 1999-09-30 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Polycarbonate et materiau optique
JP2009057574A (ja) * 1998-03-26 2009-03-19 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネートおよび光学材料
JP2017115021A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 帝人株式会社 ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JPWO2017119404A1 (ja) * 2016-01-06 2018-10-25 帝人株式会社 ポリカーボネート樹脂、その製造方法およびフィルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048947A1 (fr) * 1998-03-26 1999-09-30 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Polycarbonate et materiau optique
US6462165B1 (en) * 1998-03-26 2002-10-08 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Polycarbonate and optical material
JP2009057574A (ja) * 1998-03-26 2009-03-19 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネートおよび光学材料
JP2017115021A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 帝人株式会社 ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JPWO2017119404A1 (ja) * 2016-01-06 2018-10-25 帝人株式会社 ポリカーボネート樹脂、その製造方法およびフィルム
US10800879B2 (en) 2016-01-06 2020-10-13 Teijin Limited Polycarbonate resin, and production method and film thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3422130B2 (ja) 2003-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0807657B1 (en) Process for producing polycarbonate
JP3613355B2 (ja) ポリカーボネート及びその製造方法
JP3422130B2 (ja) ポリカーボネート及びその製造方法
JP3401732B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
KR20140127208A (ko) 폴리카보네이트 수지 조성물
EP0708128B2 (en) Process for producing polycarbonate
JP3334723B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
JP3629827B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
JP3354777B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
JP3591551B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH0925340A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH07228682A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JP3580324B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
JP2833981B2 (ja) 共重合ポリカーボネートの製造方法
JPH08208824A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH0841193A (ja) ポリカーボネートの製造法
JP3580326B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
KR100529366B1 (ko) 폴리카보네이트 수지의 제조방법
JPH08113637A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH08165341A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH07145235A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH07316279A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH0881552A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH07145234A (ja) ポリカーボネートの製造法
JPH09169838A (ja) 光学材料用ポリカーボネート

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees